説明

電子機器および監視方法

【課題】シャットダウン中の電池残量の低下をユーザへ知らせること。
【解決手段】電子機器100は、電池により駆動される。電子機器100は、タイマ120と、残量計測部170と、ユーザ通知部160と、を備えている。タイマ120は、電子機器100のシャットダウン中に所定の周期を計時する。残量計測部170は、タイマ120によって計時される周期毎に起動して電池の残量を計測する。ユーザ通知部160は、残量計測部170によって計測された残量に基づく情報をユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池で駆動する電子機器および監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電池や電池で駆動する電子機器において電池残量を計測する電池残量計測方式は、通常、電子機器本体の電圧がオンの起動状態で用いられている。また、ノートパソコンなどにおいては、スタンバイ状態で電池残量を計測する技術も用いられている。また、電子機器のオフ時にバッテリの電圧を測定する技術や、補助動力の停止から一定時間が経過した後にバッテリの電圧を測定する技術が開示されている(たとえば、下記特許文献1,2参照。)。また、携帯電話機などにおいては、待ち受け状態で電池残量を計測する技術が用いられている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−210192号公報
【特許文献2】特開平10−14116号公報
【特許文献3】特開2005−244492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、電子機器のシャットダウン状態においては電池の残量を継続的に計測することができないという問題がある。このため、電子機器のシャットダウン中に自然放電や待機電流などにより電池残量が低下してもユーザが気付かず、電子機器を起動できなくなったり、起動できても消費電力が大きい機能(携帯電話の通話機能など)を使用できなかったりするなどの問題がある。
【0005】
開示の電子機器および監視方法は、上述した問題点を解消するものであり、シャットダウン中の電池残量の低下をユーザへ知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、電池により駆動される電子機器において、前記電子機器のシャットダウン中に所定の周期を計時し、計時される周期毎に起動して前記電池の残量を計測し、計測された残量に基づく情報をユーザに通知することを要件とする。
【発明の効果】
【0007】
開示の電子機器および監視方法によれば、シャットダウン中の電池残量の低下をユーザへ知らせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる電子機器(シャットダウン状態)を示すブロック図である。
【図3−1】実施の形態1にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。
【図3−2】実施の形態1にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。
【図4】実施の形態2にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2にかかる電子機器(シャットダウン状態)を示すブロック図である。
【図6−1】実施の形態2にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。
【図6−2】実施の形態2にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。
【図7】実施の形態3にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。
【図8】電池残量とタイマ周期の対応テーブルの一例を示す図である。
【図9】電池残量と閾値の対応テーブルの一例を示す図である。
【図10】実施の形態3にかかる電子機器の動作例1を示すシーケンス図である。
【図11】実施の形態3にかかる電子機器の動作例2を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、開示の電子機器および監視方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。開示の電子機器および監視方法は、シャットダウン中の電子機器において、タイマにより周期的に計測部を起動して電池残量を計測し、計測された電池残量が少ない場合にユーザへ通知することでシャットダウン中の電池残量の低下をユーザへ知らせる。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる電子機器100は、バス101によって接続されたCPU110と、タイマ120と、メモリ130と、表示部140と、キー入力部150と、ユーザ通知部160と、残量計測部170と、電池180と、を備えている。
【0011】
電子機器100は、電池180により駆動される電子機器である。ただし、電子機器100は、電池180の他にも電圧供給手段を備えていてもよい。電子機器100は、たとえば、携帯電話、ノートパソコンまたは携帯型ゲーム機などの、電池により駆動される電子機器全般に適用することができる。
【0012】
CPU110(Central Processing Unit)は、電子機器100の全体の制御を司る中央処理装置である。また、CPU110は、電子機器100のシャットダウン中にタイマ120からタイムアウト信号が出力されると起動される。電子機器100は、タイムアウト信号により起動されると残量計測部170を起動し、電池180の残量を計測させる。また、CPU110は、残量計測部170によって計測された残量と閾値を比較する比較部111の機能を有する。
【0013】
タイマ120は、電子機器100の時計機構に含まれるタイマである。電子機器100の時計機構は、電子機器100のシャットダウン中においても動作して時刻を計時する機構である。タイマ120は、電子機器100のシャットダウン中に所定の周期(タイムアウト時間)を計時し、所定の周期になるとタイムアウト信号をCPU110へ出力することでCPU110を起動させる。
【0014】
メモリ130は、CPU110のワークエリアとして使用される。また、メモリ130には、たとえばタイマ120によって計時するタイムアウト時間が記憶されている。また、メモリ130には、たとえば比較部111により比較される閾値が記憶されていてもよい。メモリ130は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、磁気ディスクドライブおよび磁気ディスク、光ディスクドライブおよび光ディスクなどにより構成される。
【0015】
表示部140は、CPU110による処理結果などを表示するディスプレイなどの表示デバイスである。キー入力部150は、ユーザからの入力を受け付ける入力インターフェースである。たとえば、キー入力部150は、電子機器100の電圧をオン/オフするための電源キー151を含む。
【0016】
ユーザ通知部160は、残量計測部170によって計測された電池180の残量に基づく情報をユーザに通知する通知部である。たとえば、ユーザ通知部160は、比較部111によって残量が閾値以下であると判定された場合は、残量が閾値以下であることをユーザへ通知する。また、ユーザ通知部160は、比較部111によって残量が閾値以下でないと判定された場合はユーザへの通知を行わない。
【0017】
具体的には、ユーザ通知部160は、モータ制御部161と、バイブレータ162と、表示処理部163と、LEDモニタ164と、音声処理部165と、スピーカ166と、を備えている。ただし、ユーザ通知部160は、モータ制御部161、バイブレータ162、表示処理部163、LEDモニタ164、音声処理部165およびスピーカ166のうちの一部の構成を備えていてもよい。たとえば、ユーザ通知部160は、表示処理部163およびLEDモニタ164を備える構成としてもよい。
【0018】
モータ制御部161は、バイブレータ162のモータを制御する。バイブレータ162は、モータ制御部161の制御に従って振動する。表示処理部163は、LEDモニタ164の点灯状態を制御する。LEDモニタ164は、表示処理部163の制御に従って点灯する。音声処理部165は、スピーカ166へ入力される音声信号の処理を行う。スピーカ166は、入力される音声信号に応じて鳴動する。
【0019】
残量計測部170は、電池180の残量を計測する。電子機器100の起動時の残量計測部170による計測結果は、たとえば表示部140などによって表示される。また、残量計測部170は、電子機器100のシャットダウン中に、CPU110の制御によって、タイマ120によって計時される周期毎に起動して電池180の残量を計測する。
【0020】
また、残量計測部170は、電子機器100のシャットダウン中に、電子機器100のユーザインターフェース(たとえば表示部140やユーザ通知部160)から独立して動作する。これにより、電子機器100のシャットダウン中に、残量計測部170が動作していることをユーザに意識させることなく電池180の残量を計測することができる。また、電子機器100のユーザインターフェースを動作させずに電池180の残量を計測することで、電子機器100のシャットダウン中の消費電力を低減することができる。
【0021】
電池180は、CPU110、タイマ120、メモリ130、表示部140、キー入力部150、ユーザ通知部160および残量計測部170に電圧を供給する。また、電池180は、電子機器100のシャットダウン中は、少なくともタイマ120へ電圧を供給する。また、電池180は、電子機器100のシャットダウン中にタイマ120の動作によって起動したCPU110および残量計測部170へ電圧を供給する。
【0022】
図2は、実施の形態1にかかる電子機器(シャットダウン状態)を示すブロック図である。図2の各ブロックの斜線は、電圧供給が停止されていることを示している。電子機器100のシャットダウン中は、図2に示すように、たとえばタイマ120のみに電圧が供給される。したがって、タイマ120は、電子機器100のシャットダウン中においても動作しており、一定周期でCPU110および残量計測部170を起動させる。
【0023】
図3−1は、実施の形態1にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。図3−2は、実施の形態1にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。図3−1および図3−2において、ユーザ10は電子機器100のユーザを示している。各ブロック11は、メモリ130や表示部140などの図3−1および図3−2に図示していない電子機器100の構成を示している。
【0024】
また、電池180については、縦軸の横幅によって電池180の残量を表している。図3−1に示すように、まず、ユーザ10が、キー入力部150に対してシャットダウン操作を行う(ステップS301)。シャットダウン操作は、たとえば電源キー151を押すなどの操作である。つぎに、キー入力部150が、シャットダウン操作が行われたことを示すシャットダウン通知をCPU110へ出力する(ステップS302)。
【0025】
つぎに、CPU110が、タイマ120に対してタイマ設定を行う(ステップS303)。ステップS303においては、たとえば、CPU110が、メモリ130に記憶されたタイムアウト時間を読み出し、読み出したタイムアウト時間をタイマ120に設定する。つぎに、CPU110が、ユーザ通知部160、残量計測部170および各ブロック11に対してシャットダウン制御を行う(ステップS304)。
【0026】
つぎに、CPU110が、電池180の電圧供給を停止させる(ステップS305)。つぎに、ステップS303によるタイマ設定がタイムアウトすると、タイマ120が、CPU110へタイムアウト信号を出力する(ステップS306)。つぎに、CPU110が、電子機器100の一部へ電圧を供給すべき旨の一部供給開始指示を電池180へ出力する(ステップS307)。つぎに、電池180が、電子機器100の一部(たとえば残量計測部170)への電圧供給(一部供給)を開始する(ステップS308)。
【0027】
つぎに、CPU110が、電池残量を計測すべき旨の残量計測指示を残量計測部170へ出力する(ステップS309)。つぎに、残量計測部170が、電池180の残量計測を行う(ステップS310)。つぎに、残量計測部170が、ステップS310によって計測された残量を示す計測結果通知をCPU110へ出力する(ステップS311)。
【0028】
つぎに、CPU110が、ステップS311によって出力された計測結果通知が示す残量と閾値とを比較する(ステップS312)。ステップS312においては、たとえば、CPU110が、メモリ130に記憶された閾値を読み出し、読み出した閾値と、計測結果通知が示す残量と、を比較する。ステップS312においては、残量が閾値より大きい(残量>閾値)と判定されたとする。
【0029】
ステップS313〜S322は、ステップS303〜S312と同様である。ただし、ステップS314においては、ユーザ通知部160および各ブロック11はステップS304によって既にシャットダウン状態になっている。このため、CPU110が、残量計測部170に対してシャットダウン制御を行う。また、ステップS322においては残量が閾値以下(残量≦閾値)であると判定されたとする。
【0030】
つぎに、図3−2に示すように、CPU110が、ユーザ通知部160へ充電通知指示を出力する(ステップS323)。つぎに、ユーザ通知部160が、ユーザ10に対して充電通知を行う(ステップS324)。ステップS324においては、たとえば、バイブレータ162を振動させたり、LEDモニタ164を点灯(または点滅)させたり、スピーカ166によりアラーム音を鳴らしたりすることによって充電通知を行う。
【0031】
つぎに、ユーザ10が、ステップS324による充電通知に従って電池180の充電操作を行ったとする(ステップS325)。つぎに、CPU110が、ステップS325による充電操作を検知する(ステップS326)。つぎに、CPU110が、ユーザ通知部160へ、充電通知を解除すべき旨の通知解除指示を出力する(ステップS327)。ユーザ通知部160は、通知解除指示が出力されると充電通知を解除する。
【0032】
ステップS328〜S330は、ステップS313〜S315と同様である。ただし、ステップS329においては、各ブロック11はステップS304によって既にシャットダウン状態である。このため、CPU110が、ユーザ通知部160および残量計測部170に対してシャットダウン制御を行う。
【0033】
その後、ユーザ10が、キー入力部150に対して電子機器100の起動操作を行ったとする(ステップS331)。起動操作は、たとえば電源キー151を押すなどの操作である。つぎに、キー入力部150が、起動操作が行われたことを示す起動通知をCPU110へ出力する(ステップS332)。つぎに、CPU110が、電池180へ電圧供給開始指示を出力する(ステップS333)。
【0034】
つぎに、電池180が、電子機器100の全体への電圧供給(全体供給)を開始する(ステップS334)。つぎに、CPU110が、ユーザ通知部160、残量計測部170および各ブロック11に対して起動制御を行い(ステップS335)、一連の動作を終了する。この場合は、ステップS325によって電池180の充電操作が行われているため、電池180の残量が十分になっており、ステップS335を正常に行うことができる。
【0035】
このように、実施の形態1にかかる電子機器100によれば、タイマ120により周期的に残量計測部170を起動することで、シャットダウン中においても継続的に電池180の残量を計測することができる。これにより、シャットダウン中の電池180の残量低下をユーザ10へ知らせることが可能になる。したがって、ユーザ10は、電池180を充電したり交換したりすることで、次回の使用時に電子機器100を起動できなかったり正常に使用できなかったりすることを回避することができる。
【0036】
また、ユーザ通知部160は、比較部111によって残量が閾値以下であると判定された場合はユーザ10への通知を行い、比較部111によって残量が閾値以下でないと判定された場合はユーザ10への通知を行わない。これにより、電池180の残量が十分である場合は、残量計測部170や比較部111の動作をユーザ10に意識させないようにすることができる。また、電池180の残量が十分である場合は、電子機器100のシャットダウン中の消費電力を低減することができる。
【0037】
また、残量計測部170は、タイマ120の動作によって起動して電池180の残量を計測すると、CPU110の制御によりシャットダウン状態となる。これにより、電子機器100のシャットダウン中の消費電力を低減することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。図4において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図4に示すように、実施の形態2にかかる電子機器100のCPU110はタイマ411を内蔵している。この場合は、図1に示したタイマ120は省いた構成にしてもよい。タイマ411は、図1に示したタイマ120と同様の機能を有する。
【0039】
図5は、実施の形態2にかかる電子機器(シャットダウン状態)を示すブロック図である。図5において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。電子機器100のシャットダウン中は、図5に示すように、たとえばタイマ411のみに電圧が供給される。したがって、タイマ411は、電子機器100のシャットダウン中においても動作しており、一定周期で残量計測部170を起動させる。
【0040】
図6−1は、実施の形態2にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その1)である。図6−2は、実施の形態2にかかる電子機器の動作の一例を示すシーケンス図(その2)である。図6−1および図6−2に示すステップS601〜S635は、図3−1および図3−2に示したステップS301〜S335と同様である。
【0041】
ただし、ステップS603,S613,S628においては、CPU110が、内蔵するタイマ411に対してタイマ設定を行う。また、ステップS606においては、タイマ411が、ステップS603によるタイマ設定がタイムアウトするまで待機する。また、ステップS616においては、タイマ411が、ステップS613によるタイマ設定がタイムアウトするまで待機する。
【0042】
このように、実施の形態2にかかる電子機器100によれば、CPU110に内蔵されるタイマ411によって計時される周期毎に残量計測部170を起動して電池180の残量を計測することができる。これにより、実施の形態1にかかる電子機器100と同様の効果を得ることができる。
【0043】
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3にかかる電子機器(起動状態)を示すブロック図である。図7において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図7に示すように、実施の形態3にかかる電子機器100のCPU110は、図1に示した構成に加えて算出部711の機能を有する。算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に基づく周期を算出する。
【0044】
たとえば、電池180の残量とタイマ周期とを対応付けたテーブルをメモリ130にあらかじめ記憶する。算出部711は、メモリ130に記憶されたテーブルを読み出し、読み出したテーブルを参照することで残量に基づく周期を算出する。残量計測部170によって算出された周期は、たとえばメモリ130に記憶される。CPU110は、タイマ設定時に、メモリ130に記憶された周期が存在する場合はメモリ130に記憶された周期を読み出し、読み出した周期をタイマ120に設定する。
【0045】
または、算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に基づく閾値を算出するようにしてもよい。たとえば、電池180の残量と閾値とを対応付けたテーブルをメモリ130にあらかじめ記憶する。算出部711は、メモリ130に記憶されたテーブルを読み出し、読み出したテーブルを参照することで残量に基づく閾値を算出する。残量計測部170によって算出された閾値はたとえばメモリ130に記憶される。比較部111は、電子機器100のシャットダウン時に、メモリ130に記憶された閾値が存在する場合はメモリ130に記憶された閾値を読み出し、読み出した閾値と残量とを比較する。
【0046】
実施の形態3にかかる電子機器100のシャットダウン状態は、図2に示した状態と同様であるため図示を省略する。
【0047】
図8は、電池残量とタイマ周期の対応テーブルの一例を示す図である。メモリ130には、電池180の残量とタイマ周期とを対応付けたテーブルとして、たとえばテーブル800が記憶される。電池残量br_1〜br_nのそれぞれは、電池180の残量の範囲を示している。タイマ周期tp_1〜tp_nは、それぞれタイマ120によって計時する周期を示している。算出部711は、メモリ130からテーブル800を読み出す。
【0048】
そして、算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に対応するタイマ周期をテーブル800から取得する。これにより、算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に基づく周期を算出することができる。テーブル800におけるタイマ周期は、たとえば、電池残量が多いほど長くなるようにする。これにより、算出部711は、電池残量が多いほど長い周期を算出することができる。
【0049】
このため、電池180の残量が多い場合は電池180の残量計測の頻度を少なくし、電子機器100のシャットダウン中の消費電力を低減することができる。また、電池180の残量が少ない場合は電池180の残量を頻繁に計測し、電池180の残量の低下をより確実に判定することができる。
【0050】
図9は、電池残量と閾値の対応テーブルの一例を示す図である。メモリ130には、電池180の残量と閾値とを対応付けたテーブルとして、たとえばテーブル900が記憶される。電池残量br_1〜br_nのそれぞれは、電池180の残量の範囲を示している。閾値th_1〜th_nは、比較部111において残量と比較する閾値を示している。算出部711は、メモリ130からテーブル900を読み出す。
【0051】
そして、算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に対応する閾値をテーブル900から取得する。これにより、算出部711は、残量計測部170によって計測された残量に基づく閾値を算出することができる。テーブル900における閾値は、たとえば、電池残量が少ないほど高くなるようにする。
【0052】
これにより、算出部711は、電池残量が少ないほど高い閾値を算出することができる。このため、電池180の残量が少ない場合に、早い段階でユーザへの通知を行い、短時間で電池180が電池切れになって残量計測やユーザへの通知が行えなくなることを回避することができる。
【0053】
図10は、実施の形態3にかかる電子機器の動作例1を示すシーケンス図である。図10に示すように、まず、ユーザ10が、キー入力部150に対してシャットダウン操作を行う(ステップS1001)。つぎに、キー入力部150が、シャットダウン通知をCPU110へ出力する(ステップS1002)。
【0054】
つぎに、CPU110が、残量計測指示を残量計測部170へ出力する(ステップS1003)。つぎに、残量計測部170が、電池180の残量計測を行う(ステップS1004)。つぎに、残量計測部170が、ステップS1004によって計測された残量を示す計測結果通知をCPU110へ出力する(ステップS1005)。
【0055】
つぎに、CPU110が、ステップS1005によって出力された計測結果通知が示す残量と閾値とを比較する(ステップS1006)。ステップS1006においては残量が閾値より大きい(残量>閾値)と判定されたとする。つぎに、CPU110の算出部711が、ステップS1005によって出力された計測結果通知が示す残量に基づくタイマ周期を算出する(ステップS1007)。
【0056】
図10に示すステップS1008〜S1017は、図3に示したステップS313〜S322と同様であるため説明を省略する。ステップS1017のつぎに、CPU110の算出部711が、ステップS1016によって出力された計測結果通知が示す残量に基づくタイマ周期を算出する(ステップS1018)。図示しないが、ステップS1018の後は、図3−2に示したステップS323〜S335と同様の動作を行う。
【0057】
図11は、実施の形態3にかかる電子機器の動作例2を示すシーケンス図である。図11に示すステップS1101〜S1106は、図10に示したステップS1001〜S1006と同様であるため説明を省略する。ステップS1106のつぎに、CPU110の算出部711が、ステップS1105によって出力された計測結果通知が示す残量に基づく閾値を算出する(ステップS1107)。
【0058】
ステップS1108〜S1117は、図10に示したステップS1008〜S1017と同様である。ただし、ステップS1017においては、CPU110が、ステップS1107によって算出された閾値と残量とを比較する。ステップS1017のつぎに、CPU110の算出部711が、ステップS1116によって出力された計測結果通知が示す残量に基づく閾値を算出する(ステップS1118)。図示しないが、ステップS1118の後は、図3−2に示したステップS323〜S335と同様の動作を行う。
【0059】
このように、実施の形態3にかかる電子機器100によれば、計測された残量に基づいて算出した周期を計時することで、電池180の残量に応じて適切な頻度で電池180の残量を計測することができる。たとえば、電池180の残量が多いほど長い周期を計時することで、電池180の残量が多い場合は電池180の残量計測の頻度を少なくし、電子機器100のシャットダウン中の消費電力を低減することができる。また、電池180の残量が少ない場合は電池180の残量を頻繁に計測し、電池180の残量の低下をより確実に判定することができる。
【0060】
また、計測された残量に基づいて算出した閾値を用いて残量の比較を行うことで、電池180の残量に応じて適切な閾値で電池180の残量を判定することができる。たとえば、電池180の残量が少ないほど高い閾値を算出することで、電池180の残量が少ない場合は早い段階でユーザへの通知を行い、短時間で電池180が電池切れになって残量計測やユーザへの通知が行えなくなることを回避することができる。
【0061】
以上説明したように、電子機器および監視方法によれば、シャットダウン中の電池残量の低下をユーザへ知らせることができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0062】
(付記1)電池により駆動される電子機器において、
前記電子機器のシャットダウン中に所定の周期を計時するタイマと、
前記タイマによって計時される周期毎に起動して前記電池の残量を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された残量に基づく情報をユーザに通知する通知部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【0063】
(付記2)前記計測部によって計測された残量と閾値を比較する比較部を備え、
前記通知部は、前記比較部によって前記残量が前記閾値以下であると判定された場合に前記ユーザへ通知し、前記比較部によって前記残量が前記閾値以下でないと判定された場合に前記ユーザへ通知しないことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【0064】
(付記3)前記計測部は、前記残量を計測するとシャットダウン状態となることを特徴とする付記1または2に記載の電子機器。
【0065】
(付記4)前記タイマは、前記電子機器の時計機構に含まれるタイマであることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の電子機器。
【0066】
(付記5)前記タイマは、前記電子機器の中央処理装置に内蔵されたタイマであることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の電子機器。
【0067】
(付記6)前記計測部は、前記電子機器のユーザインターフェースから独立して動作することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の電子機器。
【0068】
(付記7)前記計測部によって計測された残量に基づく周期を算出する算出部を備え、
前記タイマは、前記算出部によって算出された周期を計時することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の電子機器。
【0069】
(付記8)前記算出部は、前記残量が多いほど長い周期を算出することを特徴とする付記7に記載の電子機器。
【0070】
(付記9)前記計測部によって計測された残量に基づく閾値を算出する算出部を備え、
前記比較部は、前記算出部によって算出された閾値と前記残量とを比較することを特徴とする付記2に記載の電子機器。
【0071】
(付記10)前記算出部は、前記残量が少ないほど高い閾値を算出することを特徴とする付記9に記載の電子機器。
【0072】
(付記11)電池により駆動される電子機器の監視方法において、
前記電子機器のシャットダウン中にタイマによって所定の周期を計時する計時工程と、
前記計時工程によって計時される周期毎に前記電子機器の計測部を起動して前記電池の残量を計測する計測工程と、
前記計測工程によって計測された残量に基づく情報をユーザに通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする監視方法。
【符号の説明】
【0073】
10 ユーザ
100 電子機器
110 CPU
111 比較部
120,411 タイマ
130 メモリ
711 算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池により駆動される電子機器において、
前記電子機器のシャットダウン中に所定の周期を計時するタイマと、
前記タイマによって計時される周期毎に起動して前記電池の残量を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された残量に基づく情報をユーザに通知する通知部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記計測部によって計測された残量と閾値を比較する比較部を備え、
前記通知部は、前記比較部によって前記残量が前記閾値以下であると判定された場合に前記ユーザへ通知し、前記比較部によって前記残量が前記閾値以下でないと判定された場合に前記ユーザへ通知しないことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記計測部は、前記残量を計測するとシャットダウン状態となることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
電池により駆動される電子機器の監視方法において、
前記電子機器のシャットダウン中にタイマによって所定の周期を計時する計時工程と、
前記計時工程によって計時される周期毎に前記電子機器の計測部を起動して前記電池の残量を計測する計測工程と、
前記計測工程によって計測された残量に基づく情報をユーザに通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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