説明

電子機器の筐体、撮像装置の筐体及び電子機器の筐体の製造方法

【課題】押出し成形により形成された筐体であって、必要な強度を保ち、かつプレスにより穴あけ加工が可能な筐体を提供する。
【解決手段】筐体10は、押出し成形により成形された略ロの字状の断面の筒状の部材である。強度の必要な筐体10の背面の肉厚t1は、その他の部分の肉厚t2、t3、t4より厚くなるように形成される。筐体10の背面には、機械加工により厚さtaの薄肉部10−1と凹部10−3とが形成され、その後プレス加工により孔10−2が形成される。なお、板厚t1はプレス加工が可能な板厚より厚い板厚であり、板厚taは、プレス加工が可能な板厚である。これにより、必要な部分のみ機械加工及びプレス加工を行うため、必要な強度を保ちつつ、加工性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器の筐体、撮像装置の筐体及び電子機器の筐体の製造方法に係り、特に押出し成形により形成される電子機器の筐体、撮像装置の筐体及び電子機器の筐体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アルミニウムの押出し材にプレスにより穴や切欠きを形成したパネルが開示されている。
【0003】
特許文献2には、通常の肉厚より厚肉の補強部が形成された板材が押出し成形によって形成された後で、補強部にボスが溶接され、鍛造加工により側壁が形成された筐体が開示されている。
【特許文献1】実開平6―34286号公報
【特許文献2】特開2007―52616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレスにより穴などを形成する場合には、肉厚を薄くする必要があるため、強度向上に限界がある。したがって、特許文献1に記載の発明では、1部品で必要な強度を保つことができないという問題がある。
【0005】
プレスによる穴あけ加工が必要な部分は、プレス加工が可能な肉厚まで薄肉にする必要がある。しかしながら、特許文献2に記載の発明のように押出し成形により筐体を形成する場合には、穴あけ加工を行う部分は押し出し方向に対して全て薄肉にしなくてはならず、強度確保が難しいという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、押出し成形により形成された筐体であって、必要な強度を保ち、かつプレスにより穴あけ加工が可能な筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の電子機器の筐体は、押出し成形により肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成された筒状又は板状の電子機器の筐体であって、前記厚肉部には、プレスによる穴あけ加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、前記薄肉部には、プレス加工により穴が形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の電子機器の筐体によれば、押出し成形により形成された筒状又は板状の部材には、肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成されている。厚肉部には、プレス加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、薄肉部には、プレス加工により穴が形成される。これにより、必要な部分の肉厚を厚くして強度を保ちながら、プレスによる穴あけ加工を行うことができる。プレスにより穴あけ加工を行うことにより、全ての加工を機械加工で行う場合に比べて切削量を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の電子機器の筐体は、請求項1に記載の電子機器の筐体において、前記薄肉部には、該薄肉部の形状よりも小さい形状の穴であって、角に形成されるR形状が視認できない略矩形形状の穴が形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の電子機器の筐体によれば、薄肉部には、プレス加工により略矩形形状の穴が形成される。なお、略矩形形状の穴の大きさは、薄肉部の大きさより小さい。機械加工により穴を形成する場合には、加工の性質上角にR形状が形成されるが、プレスによる穴あけ加工を行うことにより、角に形成されるR形状を視認できない程度まで小さくすることができる。
【0011】
請求項3に記載の電子機器の筐体は、請求項1又は2に記載の電子機器の筐体において、前記薄肉部は、前記筐体の外側から機械加工により形成され、前記薄肉部には、該薄肉部の面積より小さい複数の穴が同時に形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の電子機器の筐体によれば、筐体の外側から機械加工により形成された薄肉部には、複数の穴がプレス加工により同時に形成される。これにより、複数の穴の位置精度を高くすることができる。また、プレス加工により複数の穴を一度に形成することで、コストダウンを図ることができる。
【0013】
請求項4に記載の電子機器の筐体は、請求項2に記載の電子機器の筐体において、前記略矩形形状の穴は、表示部材が露出される穴であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の電子機器の筐体によれば、プレス加工により形成された略矩形形状の穴からは、表示部材が露出される。これにより、表示部材の表示領域がR形状により隠されることを防ぐことができる。
【0015】
請求項5に記載の電子機器の筐体は、請求項3に記載の電子機器の筐体において、前記複数の穴は、当該電子機器を操作するための操作部材が突出する穴であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の電子機器の筐体によれば、プレス加工により形成された複数の穴からは、当該電子機器を操作するための操作部材が突出される。これにより、操作部材の周囲の強度を保つことができ、落下や外部圧力に対して操作部を強くすることができる。
【0017】
請求項6に記載の撮像装置の筐体は、前記薄肉部には、レンズユニットが貫通する穴と、該レンズユニットを位置決めする穴とが同時に形成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の撮像装置の筐体によれば、プレスによる穴あけ加工により、薄肉部には、レンズユニットが貫通する穴と、レンズユニットを位置決めする穴とが同時に形成される。プレス加工により孔を形成することで、穴同士の位置精度が必要な複数の穴(レンズユニットが貫通する穴及びレンズユニットを位置決めする穴)を、コストをかけず、容易に形成することができる。
【0019】
請求項7に記載の撮像装置の筐体は、請求項6に記載の撮像装置の筐体において、前記薄肉部は、前記筐体の外側から機械加工により形成され、前記薄肉部にレンズユニットが装着されることにより、前記レンズユニットを位置決めする穴が覆われることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の撮像装置の筐体によれば、筐体の外側から機械加工により形成された薄肉部にレンズユニットが装着されることにより、レンズユニットの位置決め用の孔が覆われる。これにより、デザイン性を向上させることができる。
【0021】
請求項8に記載の電子機器の筐体は、押出し成形により肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成された筒状又は板状の電子機器の筐体であって、前記厚肉部には、プレスによる絞り加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、前記薄肉部には、プレス加工により凸形状又は凹形状が形成されたことを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の電子機器の筐体によれば、押出し成形により形成された筒状又は板状の部材には、肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成されている。厚肉部には、プレス加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、薄肉部には、プレス加工により凸形状又は凹形状が形成される。これにより、必要な部分の肉厚を厚くして強度を保ちながら、プレス加工を行うことができる。また、プレス加工により凸形状を形成する場合には、厚い板材から凸形状を削り出す必要がないため、切削量を減らすことができる。
【0023】
請求項9に記載の電子機器の筐体は、請求項8に記載の電子機器の筐体において、前記薄肉部には、当該電子機器を把持するための指掛かり用の凸形状又は凹形状が形成されたことを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の電子機器の筐体によれば、薄肉部には、プレスによる絞り加工により当該電子機器を把持するための指掛かり用の凸形状又は凹形状が形成される。これにより、強度が欲しい部分の肉厚を確保しつつ、電子機器を把持するために必要な凸形状を無駄なコストをかけずに形成することができる。
【0025】
請求項10に記載の電子機器の筐体の製造方法は、肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部を有する筒状又は板状の部材を押出し成形により形成し、前記厚肉部の所定の領域に対して、肉厚が所定の肉厚以下となるように機械加工により切削加工を行い、前記肉厚が所定の肉厚以下となった所定の領域に対して、プレスにより穴あけ加工又は絞り加工を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、押出し成形により形成された筐体であって、必要な強度を保ち、かつプレスにより穴あけ加工が可能な筐体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面に従って本発明に係る電子機器を実施するための最良の形態について詳細に説明する。この電子機器は、レンズを通った光を撮像素子で受け、デジタル信号に変換して記録メディアに記録するデジタルカメラである。
【0028】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ1の正面斜視図であり、図2はデジタルカメラ1の背面斜視図である。図3は、筐体10を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図4は、モニタ28が取り付けられた筐体10の背面図であり、図5はA−A断面である。
【0029】
デジタルカメラ1は、主として、筐体10と、側板11、12と、で構成される。各種部品(図示せず)が内部に組み立てられた筐体10の両側に側板11、12をネジ等で固定することより、デジタルカメラ1が組み立てられる。
【0030】
デジタルカメラ1の正面には、図1に示すように、レンズユニット13、レンズリング14、把持部15、フラッシュ16、AF補助光ランプ18等が設けられており、上面には、シャッターボタン22、モードレバー24、電源ボタン26等が設けられている。
【0031】
一方、デジタルカメラ1の背面には、図2に示すように、モニタ28、ズームボタン30、DISP/BACKボタン32、MENU/OKボタン34、十字ボタン36等が設けられている。
【0032】
なお、図示しない底面には、USB用コネクタ、開閉自在なスロットカバー、三脚ネジ穴、内側にバッテリを収納するための開閉自在なバッテリカバー等が設けられている。スロットカバーの内側には、メモリカードを装着するためのメモリカードスロットが設けられている。
【0033】
筐体10は、アルミニウム合金で形成されており、デジタルカメラ1の左右方向(左右押出し)への押出し成形により成形された、内部に貫通穴が形成された略ロの字状の断面の筒状の部材である。強度の必要な筐体10の背面の肉厚t1は、背面の肉厚t2、上面の肉厚t3及び底面の肉厚t4より厚くなるように形成される。このように肉厚が異なる場合においても、押出し成形を用いることにより、ヒケ等の不具合が生じず、安定した寸法かつ外観に優れた部品を形成することができる。
【0034】
筐体10の背面には、厚さtaの薄肉部10−1と、穴10−2と、凹部10−3とが形成される。モニタカバー29が両面テープ27bにより薄肉部10−1の背面側に貼着され、これにより凹部10−3の内部にモニタカバー29が配設される。また、モニタ28は、弾力性を有する両面テープ27aにより薄肉部10−1の前面側に貼着される。これにより、筐体10の背面側から穴10−2を介してモニタ28を視認することができる。
【0035】
レンズユニット13は、沈胴式のズームレンズで構成されており、電源ボタン26によってデジタルカメラ1の電源をONすることにより、筐体10から繰り出される。なお、レンズユニット13のズーム機構や沈胴機構については、公知の技術なので、ここでは、その具体的な構成についての説明は省略する。レンズユニット13は、図示しない撮像素子に被写体像を結像し、被写体像は図示しない制御手段により各種処理が行われて、メモリカードに画像として記録される。
【0036】
フラッシュ16は、たとえばキセノン管を光源として構成されており、その発光量を調整可能に形成されている。なお、キセノン管の他、高輝度のLEDを光源としたフラッシュを用いることもできる。
【0037】
AF補助光ランプ18は、たとえば高輝度LEDで構成されており、AF時に必要に応じて発光される。
【0038】
シャッターボタン22は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式のスイッチで構成されている。デジタルカメラ1は、図示しない制御手段により、このシャッターボタン22を半押しすると撮影準備処理、すなわち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)の各処理を行い、全押しすると、画像の撮影・記録処理を行う。
【0039】
モードレバー24は、デジタルカメラ1の撮影モードを設定する撮影モード設定手段として機能し、このモードダイヤルの設定位置により、デジタルカメラ1の撮影モードが様々なモードに設定される。例えば、絞り、シャッタースピード等がデジタルカメラ1によって自動的に設定される「オート撮影モード」、動画撮影を行う「動画撮影モード」、人物撮影に適した「人物撮影モード」、動体撮影に適した「スポーツ撮影モード」、風景の撮影に適した「風景撮影モード」、夕景及び夜景の撮影に適した「夜景撮影モード」、絞りの目盛りを撮影者が設定し、シャッタースピードをデジタルカメラ1が自動的に設定する「絞り優先撮影モード」、シャッタースピードを撮影者が設定し、絞りの目盛りをデジタルカメラ1が自動的に設定する「シャッタースピード優先撮影モード」、絞り、シャッタースピード等を撮影者が設定する「マニュアル撮影モード」等である。
【0040】
電源ボタン26は、デジタルカメラ1の電源をON/OFFするのに用いられ、所定時間(たとえば、2秒)押下されることにより、デジタルカメラ1の電源がON/OFFされる。
【0041】
モニタ28は、カラー表示が可能な液晶ディスプレイで構成されている。このモニタ28は、再生モード時に撮影済み画像を表示するための画像表示パネルとして利用されるとともに、各種設定操作を行なう際のユーザインターフェース表示パネルとして利用される。また、撮影モード時には、必要に応じてスルー画像が表示されて、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
【0042】
モニタカバー29は、角に大きさR3のR形状が形成されたアクリル等の透明材料で形成された略矩形形状の板材である。
【0043】
ズームボタン30は、レンズユニット13のズーム操作に用いられ、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとで構成されている。
【0044】
DISP/BACKボタン32は、モニタ28の表示内容の切り替え指示(DISP機能)に用いられるとともに、入力操作のキャンセル等の指示(BACK機能)に用いられ、デジタルカメラ1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
【0045】
MENU/OKボタン34は、各モードの通常画面からメニュー画面への遷移を指示するボタン(MENUボタン)として機能するととともに、選択内容の確定、処理の実行等を指示するボタン(OKボタン)として機能する。
【0046】
十字ボタン36は、上下左右4方向の指示を入力する方向指示手段として機能し、たとえば、メニュー画面でメニュー項目の選択などに使用される。
【0047】
次に、筐体10の製造方法について説明する。まず、押出し機(図示せず)を用いて、アルミニウム合金をダイ(図示せず)から押し出すことによって、図3(b)に示す断面形状を有する中空の筒状の棒材を成形する。そのようにして得られた略ロの字状の筒状の棒材を丸鋸等で所定の長さに切断することにより、図3に示すように、強度の必要な背面の板厚がt1の略ロの字状の筒状の部材を形成する。なお、板厚t1はプレス加工が可能な板厚より厚い板厚であり、必要な強度を保つため、2mm〜3mm程度の厚さが好ましい。
【0048】
次に、図6に示すように、機械加工により薄肉部10−1及び凹部10−3を形成する。押出し成形により形成された筐体10を、背面を上にしてフライス盤等に設置する。フライス加工により厚さtb(tb=t1−ta)だけ削ることにより、深さtbの略矩形状の凹部10−3を形成する。その結果、厚さtaの薄肉部10−1が形成される。薄肉部10−1の板厚taは、プレス加工が可能な板厚であり、0.8mm〜1mm位が好ましい。
【0049】
ここで、凹部10−3の角には、大きさR1のR形状が形成される。このR形状の大きさR1は、フライス加工時に用いるフライス刃径により一義的に決定され、フライス刃径が大きいほど加工性が向上する。凹部10−3の角に形成されるR形状の大きさR1をモニタカバー29の角に形成されたR形状の大きさR3より小さくする必要があること及び加工性を考慮して、フライス刃径φ2以上の工具により凹部10−3を形成することが好ましい。
【0050】
最後に、図7に示すように、プレス加工により穴10−2を形成する。薄肉部10−1はプレス加工が可能な厚さ以下の板厚taとなるように薄肉化されているため、プレス加工が可能である。筐体10を、背面を上にしてプレス加工機に設置してプレス加工により穴あけを行う。これにより、略矩形状の穴10−2が形成される。穴10−2の角に形成されるR形状の大きさR2は、プレス加工により穴を形成することにより、0に近く肉眼で見えない程度の大きさ(約0.2mm〜0.5mm)とすることができる。そのため、モニタカバー29の角がR形状により遮られることがなく、視認性を向上させることができる。
【0051】
なお、穴10−2の大きさは、モニタ28の大きさに合わせて設計され、凹部10−3の大きさは、穴10−2が形成された後の薄肉部10−2の幅wが組み立て加工上の観点より2mm程度となるように設計される。なお、組み立て加工上の制約がない場合には、穴10−2の大きさは、薄肉部10−2の大きさより小さければどのような大きさでもかまわない。
【0052】
本実施の形態によれば、必要な部分のみ機械加工及びプレス加工を行うため、必要な強度を保ちつつ、加工性を向上させることができる。すなわち、必要な強度を保つために厚肉に形成された領域の一部を機械加工により薄肉化し、薄肉化された領域にプレス加工を行うことにより、穴を機械加工で形成する場合に比べて、加工工数を削減することができ、それによりコストダウンを図ることができる。また、機械加工によりプレス加工を行う薄肉部を形成することで、筐体の基となる部材を単純な形状とすることができ、これにより本体を押出し成形により形成することができる。また、プレス加工の前に機械加工を行うことで、強度が必要な部分の肉厚を所望の板厚に設計することができるため、設計の自由度を向上させることが出来る。
【0053】
また、角のR形状が小さい穴を機械加工により形成する場合には、小さい径のフライス刃を使用する必要があり、工数が多くなりコストがかかる。それに対し、本実施の形態では、プレス加工により穴を形成するため、角のR形状が小さい穴の加工が容易となる。
【0054】
なお、本実施の形態では、筐体10はアルミニウム合金で形成されていたが、マグネシウム合金、ステンレスなどの様々な金属材料や、プラスチック材料を用いることができる。なお、アルミニウム合金としては、強度、成形性、コストなどを考慮し、押出性に優れ、耐食性、表面処理性も良好なAl−Mg−Si系のA6063、Al−Mn系のA3003、A3004などが使用される。
【0055】
<第2の実施の形態>
本発明に係る第2の実施の形態は、押し出し成形により形成された部材に対して機械加工及びプレス加工によりレンズユニットの取り付け部を形成するものである。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ2の正面斜視図であり、図9はデジタルカメラ2の背面斜視図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
デジタルカメラ2は、主として、筐体40と、側板11、12とで構成される。各種部品(図示せず)が内部に組み立てられた筐体40の両側に側板11、12をネジ等で固定することより、デジタルカメラ2が組み立てられる。
【0057】
図10(a)は筐体40の正面図を示し、図10(b)は筐体40を右側から見た側面図を示す。筐体40は、アルミニウム合金で形成されており、デジタルカメラ4の左右方向(左右押出し)への押出し成形により成形された、内部に貫通穴が形成された略ロの字状の断面の筒状の部材である。強度の必要な筐体40の前面側の肉厚t5は、背面側の肉厚t6、上面側の肉厚t7及び底面側の肉厚t8より厚くなるように形成される。
【0058】
また、筐体40の前面には、強度を保ちつつ、加工性が向上された構造のレンズユニット取り付け部が後加工により形成される。図11は、レンズユニット取り付け部の概略を示す断面図である。
【0059】
筐体40には、厚さtaの薄肉部40−1と、穴40−2と、凹部40−3と、穴40−4とが形成される。穴40−2には、レンズユニット13の先端部13−1が背面側から挿入され、穴40−4には、レンズユニット13の位置決めのために配設されたボス13−2が背面側から挿入される。この状態で、レンズユニット13は、図示しない固定手段により薄肉部40−1の背面側に固定されることで、レンズユニット13が筐体40に位置決めされた状態で固定される。また、凹部40−3には、レンズリング14が貼着される。レンズリング14の中央に設けられた穴には、穴40−2を貫通したレンズユニット13の先端部13−1が挿入される。これにより、穴40−4やボス13−2が前面から視認されることを防ぐことができる。
【0060】
次に、筐体40の製造方法について説明する。まず、押出し機(図示せず)を用いて、アルミニウム合金をダイ(図示せず)から押し出すことによって、図10(b)に示す断面形状を有する中空の筒状の棒材を成形する。そのようにして得られた略ロの字状の筒状の棒材を丸鋸等で所定の長さに切断することにより、図10(a)に示すように、強度の必要な前面側の板厚がt4の略ロの字状の筒状の部材を形成する。なお、板厚t4はプレス加工が可能な板厚より厚い板厚であり、必要な強度を保つため、2mm〜3mm程度の厚さが好ましい。
【0061】
次に、図12に示すように、機械加工により外径φD、内径φEの環状の薄肉部40−1を形成する。押出し成形により形成された筐体40を、背面を上にしてフライス盤等に設置する。フライス加工により厚さtc(tc=t4−ta)だけ削ることによりプレス加工が可能な板厚である厚さtcの環状の薄肉部40−1が形成される。なお、薄肉部40−1の内径φEは、次工程のプレス加工により形成される穴40−2の直径φFより小さくなる(φD>φF>φE)ように形成される。これにより、機械加工を行う領域を減らすことができる。
【0062】
最後に、図13に示すように、プレス加工により、薄肉部40−1に穴40−2及び穴40−4を形成する。筐体40を、背面を上にしてプレス加工機に設置してプレス加工により穴40−2及び2個の穴40−4を同時に形成する。
【0063】
本実施の形態によれば、プレス加工により複数の穴を同時に形成することにより、機械加工により複数の穴を別々に形成する場合に比べて、穴同士の位置精度を上げることができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、レンズユニット13に配設されたボス14−1を位置決め用の穴40−4に挿入することによりレンズリング14の位置決めを行ったが、図14に示すような方法により位置決めを行なってもよい。
【0065】
レンズリング14’の背面には、位置決め用のボス14’−1が配設されている。ボス14’−1を穴40−4に挿入させて、レンズリング14’を凹部40−3に貼着する。ボス14’−1の長さは薄肉部40−1の厚さtaより長いため、レンズリング14’ 貼着時には薄肉部40−1の背面側にボス14’−1が突出する。この突出されたボス14’−1にレンズユニット13’に形成された位置決め用の穴13’−2が挿入されるように、レンズユニット13’の先端部13’−1を挿入し、レンズユニット13’を薄肉部40−1の背面側に固着する。これにより、レンズユニット13’及びレンズリング14’が筐体40に取り付けられる。
【0066】
<第3の実施の形態>
本発明に係る第3の実施の形態は、押し出し成形により形成された部材に対して機械加工及びプレス加工により操作ボタン取り付け部を形成するものである。図15は、本発明の第3の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ3の背面図であり、図16はデジタルカメラ3のG−G断面図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
デジタルカメラ3は、主として、筐体50と、側板11、12とで構成される。各種部品(図示せず)が内部に組み立てられた筐体50の両側に側板11、12をネジ等で固定することより、デジタルカメラ3が組み立てられる。デジタルカメラ3の背面には、図15に示すように、モニタ28や、ズームボタン30、DISP/BACKボタン32、MENU/OKボタン34、十字ボタン36等の各種操作ボタンが設けられている。
【0068】
図17(a)は筐体50の正面図を示し、図17(b)は筐体50を右側から見た側面図を示す。筐体50は、アルミニウム合金で形成されており、デジタルカメラ3の左右方向(左右押出し)への押出し成形により成形された、内部に貫通穴が形成された略ロの字状の断面の筒状の部材である。強度の必要な筐体10の背面の肉厚t1は、背面側の肉厚t2、上面側の肉厚t3及び底面側の肉厚t4より厚くなるように形成される。
【0069】
筐体50の背面には、厚さtaの薄肉部50−1a、50−1b、50−1cと、穴50−2a、50−2b、50−2cと、凹部50−3a、50−3b、50−3cとが形成される。穴50−2aには、図示しない基板に取り付けられたズームボタン30のキートップが前面側から挿入され、穴50−2bには、図示しない基板に取り付けられたDISP/BACKボタン32及びMENU/OKボタン34のキートップが前面側から挿入され、穴50−2cには、図示しない基板に取り付けられたDISP/BACKボタン32のキートップが前面側から挿入される。これにより、操作ボタンが操作可能となる。また、凹部50−3a、50−3b、50−3が形成されることにより、操作ボタンを押しやすくすることが出来る。
【0070】
次に、筐体50の製造方法について説明する。まず、押出し機(図示せず)を用いて、アルミニウム合金をダイ(図示せず)から押し出すことによって、図17(b)に示す断面形状を有する中空の筒状の棒材を成形する。そのようにして得られた略ロの字状の筒状の棒材を丸鋸等で所定の長さに切断することにより、図17(a)に示すように、強度の必要な背面側の板厚がt1の略ロの字状の筒状の部材を形成する。
【0071】
次に、図18に示すように、機械加工により薄肉部50−1a、50−1b、50−1cを形成する。押出し成形により形成された筐体50を、背面を上にしてフライス盤等に設置する。フライス加工により厚さtb(tc=t1−ta)だけ削ることにより、プレス加工が可能な板厚である厚さtaの薄肉部50−1a、50−1b、50−1c及び深さtbの凹部50−3a、50−3b、50−3cが形成される。
【0072】
最後に、図19に示すように、プレス加工により、薄肉部50−1a、50−1b、50−1cに穴50−2a、50−2b、50−2cをそれぞれ形成する。筐体40を、背面を上にしてプレス加工機に設置してプレス加工により穴50−2a、50−2b、50−2cを同時に形成する。
【0073】
本実施の形態によれば、プレス加工により複数の穴を同時に形成することにより、機械加工により複数の穴を別々に形成する場合に比べて、穴同士の位置精度を上げることができる。また、筐体の外側に凹部を形成することにより、操作ボタンの操作性を向上させることが出来る。
【0074】
なお、本実施の形態では、1個の薄肉部に1個の穴を形成したが、操作ボタンが小さい場合などには、1個の薄肉部に複数の穴を形成するようにしてもよい。
【0075】
<第4の実施の形態>
本発明に係る第4の実施の形態は、押し出し成形により形成された部材に対して機械加工及びプレス加工により把持部を形成するものである。図20は、本発明の第4の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ4の正面斜視図であり、図21はデジタルカメラ1の背面斜視図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
デジタルカメラ4は、主として、筐体60と、後板61と、側板11、12とで構成される。各種部品(図示せず)が内部に組み立てられた筐体60及び後板61を組み立てた後で、その両側に側板11、12をネジ等で固定することより、デジタルカメラ4が組み立てられる。
【0077】
図22(a)は筐体60の正面図を示し、図22(b)は筐体60を右側から見た側面図を示す。筐体60は、アルミニウム合金で形成されており、デジタルカメラ4の左右方向(左右押出し)への押出し成形により成形された略コの字状の断面の板状の部材である。強度の必要な筐体60の前面の肉厚t9は、その他の面の肉厚t10より厚くなるように形成される。筐体60の前面には、デジタルカメラ4を把持するときに用いられる凸部60−2が形成される。
【0078】
次に、筐体60の製造方法について説明する。まず、押出し機(図示せず)を用いて、アルミニウム合金をダイ(図示せず)から押し出すことによって、図22(b)に示す断面形状を有する略コの字状の板材を成形する。そのようにして得られた板材を丸鋸等で所定の長さに切断することにより、図22に示すように、強度の必要な前面の板厚がt9の略コの字状の筒状の部材を形成する。なお、板厚t9はプレス加工が可能な板厚より厚い板厚であり、必要な強度を保つため、2mm〜3mm程度の厚さが好ましい。
【0079】
次に、機械加工により薄肉部60−1を形成する。図23は、薄肉部60−1が形成された筐体60を示し、(a)は正面図、(b)はI−I断面図、(c)は背面図を示す。押出し成形により形成された筐体60を、背面を上にしてフライス盤等に設置する。フライス加工により厚さtd(td=t9−ta)だけ削ることにより、プレス加工が可能な板厚である厚さtaの薄肉部60−1が形成される。なお、薄肉部60−1は、次工程で形成される凸部60−2の大きさより大きくなるように形成される。
【0080】
最後に、図24に示すように、プレス加工により凸部60−2を形成する。筐体10を、背面を上にしてプレス加工機に設置してプレス加工により絞り加工を行うことにより、凸部60−2が形成される。
【0081】
本実施の形態によれば、強度を保ちつつ絞り形状を形成することが出来る。すなわち、板材の板厚が薄い場合には、絞り加工を行うことができるが、その他の部分が強度不足となる。また、板材の板厚が厚い場合には、必要な強度を保つことが出来るが、絞り加工を行うことができない。しかしながら、板厚の厚い板材の必要な部分のみを薄肉化することにより、必要な強度を保ちつつ絞り加工を行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、絞り加工により凸形状を形成するため、機械加工により凸形状を削り出す場合に比べて、機械加工により削る体積を減らすことができ、材料費や加工費のコストダウンを図ることが出来る。
【0083】
なお、本発明は、カメラのみでなく、携帯電話、PDA、音楽プレーヤーなどの様々な電子部品に適用することができる。また、本発明は、アルミニウム合金を用いて押出し成形を行ったが、アルミニウムに限らず、押出し成形が可能な様々な材料を用いることができる。例えば、マグネシウム合金などの金属材料を用いてもよいし、プラスチック材料を用いてもよい。
【0084】
また、本発明は、筐体の形状が略ロの字状又は略コの字状の場合を例に説明したが、筐体の形状はこれに限らず、様々な形状を用いることができる。また、本発明の筐体は、電子機器の左右方向(左右押出し)への押出し成形により形成される場合を例に説明したが、押出し方向は左右方向に限らず、上下方向(上下押出し)等でもよい。また、本発明の筐体は、前面又は背面全体の板厚を厚くしたが、板厚が厚い面は前面や背面に限らない。また、本発明の筐体は、面全体の板厚を厚くしたが、必要な強度が保てるのであれば、押出し方向と平行方向に部分的には薄肉の領域が形成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ1の正面斜視図である。
【図2】上記デジタルカメラ1の背面斜視図である。
【図3】上記デジタルカメラ1の押出し成形後の筐体10を示す図である。
【図4】上記デジタルカメラ1の背面図である。
【図5】上記デジタルカメラ1の断面図である。
【図6】上記デジタルカメラ1の筐体10の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図7】上記デジタルカメラ1の筐体10の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ2の正面斜視図である。
【図9】上記デジタルカメラ2の背面斜視図である。
【図10】上記デジタルカメラ2の押出し成形後の筐体40を示す図である。
【図11】上記デジタルカメラ2の断面図である。
【図12】上記デジタルカメラ2の筐体40の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図13】上記デジタルカメラ2の筐体40の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図14】第2の実施の形態に係るデジタルカメラ2の別の例である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ3の背面図である。
【図16】上記デジタルカメラ3の断面図である。
【図17】上記デジタルカメラ3の押出し成形後の筐体50を示す図である。
【図18】上記デジタルカメラ3の筐体50の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図19】上記デジタルカメラ3の筐体30の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る電子機器であるデジタルカメラ5の正面斜視図である。
【図21】上記デジタルカメラ4の背面斜視図である。
【図22】上記デジタルカメラ4の押出し成形後の筐体60を示す図である。
【図23】上記デジタルカメラ4の筐体60の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は背面図である。
【図24】上記デジタルカメラ4の筐体60の製造方法を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1、2、3、4:デジタルカメラ、10、40、50、60:筐体、13:レンズユニット、14:レンズリング、28:モニタ、29:モニタカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出し成形により肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成された筒状又は板状の電子機器の筐体であって、
前記厚肉部には、プレスによる穴あけ加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、
前記薄肉部には、プレス加工により穴が形成された
ことを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項2】
前記薄肉部には、該薄肉部の形状よりも小さい形状の穴であって、角に形成されるR形状が視認できない略矩形形状の穴が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項3】
前記薄肉部は、前記筐体の外側から機械加工により形成され、
前記薄肉部には、該薄肉部の面積より小さい複数の穴が同時に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器の筐体。
【請求項4】
前記略矩形形状の穴は、表示部材が露出される穴であることを特徴とする請求項2に記載の電子機器の筐体。
【請求項5】
前記複数の穴は、当該電子機器を操作するための操作部材が突出する穴であることを特徴とする請求項3に記載の電子機器の筐体。
【請求項6】
前記薄肉部には、レンズユニットが貫通する穴と、該レンズユニットを位置決めする穴とが同時に形成されたことを特徴とする撮像装置の筐体。
【請求項7】
前記薄肉部は、前記筐体の外側から機械加工により形成され、
前記薄肉部にレンズユニットが装着されることにより、前記レンズユニットを位置決めする穴が覆われることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置の筐体。
【請求項8】
押出し成形により肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部が形成された筒状又は板状の電子機器の筐体であって、
前記厚肉部には、プレスによる絞り加工が可能な肉厚となるように機械加工により薄肉化された薄肉部が形成され、
前記薄肉部には、プレス加工により凸形状又は凹形状が形成された
ことを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項9】
前記薄肉部には、当該電子機器を把持するための指掛かり用の凸形状又は凹形状が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の電子機器の筐体。
【請求項10】
肉厚が他の部分の肉厚より厚い厚肉部を有する筒状又は板状の部材を押出し成形により形成し、
前記厚肉部の所定の領域に対して、肉厚が所定の肉厚以下となるように機械加工により切削加工を行い、
前記肉厚が所定の肉厚以下となった所定の領域に対して、プレスにより穴あけ加工又は絞り加工を行う
ことを特徴とする電子機器の筐体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−128634(P2009−128634A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303442(P2007−303442)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】