説明

電子機器の筐体およびこれを備えた増幅器

【課題】蓋体部が開いた状態を維持するための保持機構が簡素な構造で実現でき、筐体が大型化することや高コスト化することが防止できる増幅器を提供する。
【解決手段】増幅器100Aは、筐体としての本体部120および蓋体部130を備える。本体部120は、蓋体部130の回動軸Oと交差する右側板部124aを有し、蓋体部130は、閉状態において本体部120の右側板部124aと隙間160を介して配置される右側板部134aを有する。右側板部124aは、本体部側突起部128を含み、右側板部134aは、蓋体部側突起部138を含む。蓋体部側突起部138が蓋体部130の回動に際して本体部側突起部128を乗り越えるように構成されることにより、開状態において蓋体部側突起部138が本体部側突起部128上に配置されることで蓋体部130が本体部120によって保持された状態が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部とこれに開閉可能に取付けられた蓋体部とによって形成される収容空間に電子部品を含むユニットが収容されてなる電子機器の筐体に関し、また、当該電子機器の筐体と、当該筐体の収容空間に収容された増幅回路ユニットとを備えた増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン信号に代表される高周波伝送信号のレベルが低い場合に、入力された伝送信号を増幅して出力する増幅器を伝送経路上に設置することが行なわれている。増幅器は、戸建住宅あるいは集合住宅等に代表される建物の外壁や当該建物の外部に設けられたマスト等に設置される場合が多く、そのため増幅器の主要部分である増幅回路ユニットは、風雨に曝されることを防いだり、塵埃や虫等の侵入を防いだりする目的から、比較的密閉性の高い筐体の内部に収容配置される。
【0003】
上述した増幅器にあっては、設置後における各種調整やメンテナンス等のために、筐体が開閉可能に構成されている必要があり、通常は、筐体が本体部と当該本体部に開閉可能に取付けられた蓋体部とによって構成される。その場合、開状態において蓋体部が開いた状態を維持することを目的として、蓋体部を本体部に保持させる何らかの保持機構が筐体に設けられることが一般的である。このような保持機構が設けられた増幅器が開示された文献としては、たとえば特開平7−7276号公報(特許文献1)がある。
【0004】
当該特許文献1に開示された増幅器にあっては、本体部の背面に突起部が設けられ、開状態において蓋体部の天板部の後端部が当該突起部に係止するように構成されることにより、開状態において蓋体部が開いた状態が維持されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−7276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の如くの保持機構を採用した場合には、本体部の背面に上述した突起部を設けるためのスペースを確保することが必要になり、増幅器の小型化に対する障害となってしまう問題がある。特に、増幅器にあっては、上述したようにマスト等への取付けに対するニーズがあるため、筐体の背面にマスト等への取付けのための取付具が設けられることが一般的であり、当該取付具を設けた上で上述した突起部を本体部の背面に設けることとした場合には、筐体が必要以上に大きくなってしまう問題がある。
【0007】
そのため、一部に、本体部と蓋体部とを回動可能に連結する回動機構の回動軸および当該回動軸を軸支する軸受部に形状的な工夫を凝らし、これによって開状態において蓋体部が開いた状態が維持されるように構成された増幅器の筐体も知られている。しかしながら、当該構成を採用した場合には、回動機構の構造が複雑となって製造コストが増大してしまうといった問題や、当該複雑な構造の回動機構を設けるためにやはり大きなスペースが必要になってしまい、筐体が必要以上に大きくなってしまう問題が別途生じてしまうことになる。
【0008】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、蓋体部が開いた状態を維持するための保持機構が簡素な構造で実現でき、筐体が大型化することや高コスト化することが防止できる電子機器の筐体およびこれを備えた増幅器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に基づく電子機器の筐体は、前面に開口部を有する本体部と、閉状態において上記開口部を閉塞する前板部を有する蓋体部とを備え、上記本体部と上記蓋体部とによって形成される収容空間に電子部品を含むユニットが収容されるとともに、上記本体部に対して上記蓋体部が開閉可能となるように上記蓋体部が上記本体部に対して回動可能に取付けられ、上記閉状態において上記開口部を閉塞する位置にある上記前板部が鉛直上方に向けて回動されることにより、開状態において上記開口部が露出するように構成されたものである。上記本体部は、上記蓋体部の回動軸と交差する本体部側側板部を有し、上記蓋体部は、上記閉状態において上記本体部側側板部と距離をもって対向して配置される蓋体部側側板部を有する。上記本体部側側板部は、上記閉状態において上記蓋体部側側板部に向けて突出して位置する本体部側突起部を含み、上記蓋体部側側板部は、上記閉状態において上記本体部側側板部に向けて突出して位置する蓋体部側突起部を含む。上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、上記蓋体部側突起部が上記蓋体部の回動に際して上記本体部側突起部を乗り越えるように構成されることにより、上記開状態において上記蓋体部側突起部が上記本体部側突起部上に配置されることで上記蓋体部が上記本体部によって保持された状態が維持可能とされる。
【0010】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、上記本体部が上記閉状態において上記蓋体部側側板部に向けて突出して位置する止水壁部を上記本体部側側板部の後端部に沿った位置に有することが好ましい。
【0011】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、上記本体部の上記開口部側に位置する部分の天板部が切り欠かれるとともに、上記本体部側側板部の前端部に沿った上端近傍の位置に上記本体部側突起部が設けられることにより、上記蓋体部の回動に際して上記蓋体部側突起部が上記本体部側突起部に接触することで上記本体部側突起部が設けられた部分の上記本体部側側板部が撓み変形し、これにより上記蓋体部側突起部が上記本体部側突起部を乗り越えることが好ましい。
【0012】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、上記回動軸が上記本体部の後端部に沿った上端近傍の位置に配設されることが好ましい。
【0013】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、上記本体部側側板部が上記本体部の左右に一対設けられ、上記蓋体部側側板部が上記蓋体部の左右に一対設けられ、上記本体部側突起部が一対の上記本体部側側板部のそれぞれに設けられ、上記蓋体部側突起部が一対の上記蓋体部側側板部のそれぞれに設けられることが好ましい。
【0014】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、一対の上記蓋体部側側板部が上記閉状態において一対の上記本体部側側板部の外側に配置されるように構成されることが好ましい。
【0015】
上記本発明に基づく電子機器の筐体にあっては、一対の上記本体部側側板部の各々が上記収容空間に収容配置された上記ユニットの前面に当接することで上記ユニットを固定するための係止爪を上記収容空間側に位置する内側面にそれぞれ有し、一対の上記蓋体部側突起部の各々が上記閉状態において一対の上記係止爪の外側の位置にそれぞれ配置されるように構成されることが好ましい。
【0016】
本発明に基づく増幅器は、上述した上記本発明に基づく電子機器の筐体と、上記ユニットとして、高周波信号を増幅する増幅回路ユニットとを備えてなるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、蓋体部が開いた状態を維持するための保持機構を簡素な構造で実現でき、筐体が大型化することや高コスト化することが防止できる電子機器の筐体およびこれを備えた増幅器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における増幅器の閉状態における斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1における増幅器の開状態における斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1における増幅器の増幅回路ユニットの本体部への組付構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1における増幅器の本体部の上面図、正面図、右側面図および左側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における増幅器の蓋体部の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1における増幅器の蓋体部の背面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における増幅器において、蓋体部が回動する様子を示す右側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【図9】本発明の実施の形態1における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【図11】本発明の実施の形態1における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【図12】本発明の実施の形態1における増幅器のマストへの取付け状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態1における増幅器のマストへの取付け状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態2における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【図15】本発明に関連する関連技術が適用された増幅器の要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す各実施の形態においては、電子機器として増幅器を例示し、電子機器の筐体として当該増幅器に具備される筐体を例示して説明を行なう。なお、以下に示す各実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さないこととする。
【0020】
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の実施の形態1における増幅器の閉状態および開状態における斜視図であり、図3は、増幅回路ユニットの本体部への組付構造を示す斜視図である。また、図4は、本実施の形態における増幅器の本体部の上面図、正面図、右側面図および左側面図であり、図5および図6は、蓋体部の斜視図および背面図である。まず、これら図1ないし図6を参照して、本実施の形態における増幅器の概略的な構成について説明する。なお、図3においては、蓋体部の図示を省略している。
【0021】
図1および図2に示すように、本実施の形態における増幅器100Aは、本体部120および蓋体部130を含む筐体110と、電子部品を含むユニットである増幅回路ユニット150とを主として備えている。筐体110は、図1に示す閉状態において偏平な略直方体形状の外形を有している。本体部120および蓋体部130は、増幅回路ユニット150が収容される収容空間を規定する箱状の形状をそれぞれ有しており、図1に示す閉状態において本体部120の開口部を覆うように蓋体部130が配置されている。
【0022】
ここで、増幅器100Aは、建物の外壁や建物の外部に設けられたマスト等に対して設置されて使用される場合が多く、設置後において、筐体110の後述する接続端子151〜154が設けられた面は、鉛直下方を向いた状態となる。そのため、ここでは、当該設置後の状態に合わせて、筐体110の上記接続端子151〜154が設けられた面を底面(下面)と定義し、本体部120の開口部が位置する側の筐体110の面を正面(前面)と定義し、これに準じて天面(上面)、右側面、左側面および背面(後面)をそれぞれ定義する。
【0023】
図4に示すように、本体部120は、正面視略矩形状の背板部121と、この背板部121の外縁から立設した天板部122、底板部123、右側板部124aおよび左側板部124bとを有している。一方、図5および図6に示すように、蓋体部130は、正面視略矩形状の前板部131と、この前板部131の外縁から立設した天板部132、底板部133、右側板部134aおよび左側板部134bを有している。
【0024】
図1、図2および図5に示すように、蓋体部130の互いに対向する右側板部134aおよび左側板部134bの外側面のそれぞれには、その後方端に沿った上端近傍の位置に孔部135が設けられている。一方、図3および図4に示すように、本体部120の互いに対向する右側板部124aおよび左側板部124bのそれぞれには、その後方端に沿った上端近傍の位置であって上述した蓋体部130の孔部135に対応する位置に軸部125が設けられている。
【0025】
本体部120に設けられた一対の軸部125は、それぞれ蓋体部130に設けられた孔部135に挿入されており、これにより蓋体部130は、本体部120に対して回動可能に取付けられている。したがって、図1および図2に示すように、蓋体部130が本体部120に対して相対的に回転されることにより、筐体110の開閉が行なわれることになる。
【0026】
これにより、閉状態においては、本体部120の開口部が蓋体部130の前板部131によって覆われることになり、本体部120の天板部122および底板部123が蓋体部130の天板部132および底板部133によって覆われることになり、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bの各々が蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bのそれぞれによって覆われることになる。
【0027】
なお、蓋体部130は、本体部120よりも僅かに大きく形成されており、上記閉状態において蓋体部130の天板部132、底板部133、右側板部134aおよび左側板部134bがいずれも本体部120の天板部122、底板部123、右側板部124aおよび左側板部124bの外側を覆うように構成されている。
【0028】
ここで、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bと、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bとは、閉状態においてこれらが所定の距離をもって離間して対向配置されるように構成されており、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bのそれぞれには、それらの後端部に沿って外側に向かって突出して止水壁部127が設けられている。
【0029】
当該止水壁部127は、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bと、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bとの間に形成される隙間を埋めることで筐体110の内部への水の侵入を防止するための部位である。また、当該止水壁部127が設けられてない部分において残される上記隙間(図8ないし図10における符号160参照)は、止水壁部127と蓋体部130との間の僅かな隙間を通過して内部に進入してきた水が毛管現象によって筐体110のさらに奥(すなわち収容空間)にまで吸い上げられないようにするための部位である。
【0030】
このように構成することにより、上記止水壁部127と上記隙間160との作用により、筐体110の全体としての防水性が高まることになり、収容空間に雨水等が侵入することが効果的に防止できることになる。
【0031】
図1ないし図6に示すように、本体部120および蓋体部130には、閉状態において蓋体部130が閉じた状態を維持するための係止機構が設けられている。具体的には、本体部120の底板部123の所定位置には、係止機構の一部を構成する被係止部126が設けられており、蓋体部130の前板部131の底板部133寄りの所定位置には、上記被係止部126に対応して、係止機構の一部を構成する係止部136が設けられている。これら係止機構としての被係止部126および係止部136は、閉状態において被係止部126が係止部136に係止することにより、蓋体部130の前板部131が本体部120の開口部を閉塞した状態を維持する。
【0032】
また、本体部120および蓋体部130には、開状態において蓋体部130が開いた状態を維持するための保持機構が設けられている。具体的には、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bの外側面の所定位置には、保持機構の一部を構成する本体部側突起部128が一対設けられており、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bの内側面の所定位置には、保持機構の一部を構成する蓋体部側突起部138が一対設けられている。なお、これら一対の本体部側突起部128および一対の蓋体部側突起部138によって構成される保持機構の詳細については、後述することとする。
【0033】
さらに、本体部120には、増幅回路ユニット150を本体部120に固定するための固定機構が設けられている。具体的には、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bの内側面の所定位置には、収容空間側に向けて突出して係止爪129が設けられており、これら一対の係止爪129によって固定機構が構成されている。当該一対の係止爪129は、収容空間に増幅回路ユニット150が収容配置された状態において増幅回路ユニット150の前面に当接することで増幅回路ユニット150が本体部120から脱落することを防止することにより、増幅回路ユニット150を本体部120に固定するものである。
【0034】
図1ないし図4に示すように、本体部120の背板部121の下端寄りの位置には、増幅器100Aを建物の外壁に固定する場合に使用するための壁面用固定部140が左右に一対設けられている。一対の壁面用固定部140のそれぞれは、本体部120の後方かつ下方に向けて突出して設けられており、当該壁面用固定部140の各々には、ビス孔140aが設けられている。当該ビス孔140aには、ビス141が予め僅かに挿し込まれており、増幅器100Aが建物の外壁に固定される場合には、当該ビス141が締め込まれることにより、本体部120が建物の外壁に固定されることで増幅器100Aが設置されることになる。
【0035】
また、図4に示すように、本体部120の背板部121の略中央部には、増幅器100Aを建物の外部に設けられたマストに固定する場合に使用するためのマスト用固定部142が設けられている。マスト用固定部142は、本体部120の後方に向けて突出して設けられており、後述するマスト取付具144(図7、図12および図13等参照)が予め取付けられている。なお、増幅器100Aを建物の外部に設けられたマストに設置する場合の設置方法および設置構造については、後述することとする。
【0036】
上述した本体部120および蓋体部130としては、耐候性および機械的強度の観点から、たとえばAES(Acrylonitrile-Ethylene-Styrene)樹脂等からなる部材にて構成されていることが好ましく、より好ましくは、それぞれが当該AES樹脂等を用いた射出成形によって一体的に形成される。
【0037】
一方、図2および図3に示すように、筐体110の収容空間に収容配置される増幅回路ユニット150は、主として4つの同軸接栓座からなる接続端子151〜154をその下面に備えた偏平な略直方体形状の外形を有している。増幅回路ユニット150は、テレビジョン信号に代表される高周波伝送信号の入力を受け、これを増幅して出力するためのユニットである。なお、増幅回路ユニット150は、たとえばステンレス合金等からなる金属製のシールドケースによって覆われている。
【0038】
上述した増幅回路ユニット150に設けられた4つの接続端子151〜154は、具体的には、地上デジタル信号に対しての入力端子となる接続端子151と、BS−IF/CS−IF信号に対しての入力端子となる接続端子152と、地上デジタル信号に対しての出力端子、あるいは地上デジタル信号とBS−IF/CS−IF信号との混合信号に対しての出力端子となる接続端子153と、地上デジタル信号およびBS−IF/CS−IF信号の出力レベルをレベルチェッカ等の測定器を用いて測定するためのモニター端子としての接続端子154とを含んでいる。また、接続端子153は、直流電力受電端子を兼ねる。
【0039】
ここで、増幅回路ユニット150は、上述したように本体部120に設けられた一対の係止爪129によって本体部120に固定されている。その組付けに際しては、図3に示すように、増幅回路ユニット150が当該一対の係止爪129のそれぞれに押し付けられることにより、係止爪129が設けられた部分の右側板部124aおよび左側板部124bが外側に撓むことで一対の係止爪129のそれぞれが退避し、増幅回路ユニット150の前面が一対の係止爪129が設けられた部分を通過することにより、上記右側板部124aおよび左側板部124bの撓みが解消して一対の係止爪129がそれぞれ元の位置に復帰することで行なわれる。
【0040】
図1ないし図3に示すように、本体部120の底板部123には、左右方向に沿って4つの開口部が並べて設けられている。これら4つの開口部には、上述した増幅回路ユニット150に設けられた4つの接続端子151〜154が挿通配置されており、これにより上記4つの接続端子151〜154が筐体110の外部に突出して位置することになる。
【0041】
図7は、本実施の形態における増幅器において、蓋体部が回動する様子を示す右側面図である。次に、この図7を参照して、本実施の形態における増幅器において、蓋体部が回動する様子およびその開閉操作の詳細について具体的に説明する。
【0042】
図7に示すように、本実施の形態における増幅器100Aにあっては、上述したように筐体110の後端部に沿った上端近傍の位置に軸部125および孔部135が設けられることにより、蓋体部130の回動軸Oが、当該筐体110の後端部に沿った上端近傍の位置に配設されている。そのため、当該回動軸Oは、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bと、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bとのいずれにも交差するように配置されることになり、蓋体部130の開閉に際しては、当該回動軸Oを回転中心として蓋体部130が図中矢印A方向に回動することになる。
【0043】
ここで、閉状態から開状態への移行は、上述した係止機構によって係止された状態にある本体部120と蓋体部130との係止状態が解除された後に、本体部120の開口部を閉塞する位置にある蓋体部130の前板部131が手前側でかつ鉛直上方に向けて移動するように蓋体部130が回動される操作によって行なわれる。そして、蓋体部130が略90°回動した後には、上述した保持機構が機能することで蓋体部130が本体部120によって保持された状態となり、開状態が維持されることになる。
【0044】
また、開状態から閉状態への移行は、上述した保持機構によって保持された状態にある蓋体部130の本体部120による保持状態が解除された後に、本体部120の開口部を閉塞する位置にまで蓋体部130の前板部131が奥側でかつ鉛直下方に向けて移動するように蓋体部130が回動される操作によって行なわれる。そして、蓋体部130が略90°回動した後には、上述した係止機構が機能することで本体部120と蓋体部130とが係止された状態となり、閉状態が維持されることになる。
【0045】
ここで、本実施の形態における増幅器100Aにあっては、上述したように、蓋体部130の回動軸Oが筐体110の後端部に沿った上端近傍の位置に配設されているため、蓋体部130の開閉の際に、蓋体部130が本体部120の背板部121よりも後方側に向けて迫り出すことがない。そのため、筐体110の背面の上部にマスト取付具144が配置された場合にも、蓋体部130が当該マスト取付具144に干渉することがなく、蓋体部130のスムーズな開閉が実現されている。換言すれば、上記構成を採用することにより、マスト取付具144を筐体110の背面に組付けることとした場合にも、当該マスト取付具144と蓋体部130とが干渉することを回避すべく筐体110を大型化するといった必要がなく、筐体を増幅回路ユニット150の大きさに応じた必要最小限の小ささにまで最小化することができる。
【0046】
図8ないし図11は、本実施の形態における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。次に、これら図8ないし図11を参照して、本実施の形態における増幅器の保持機構の構成および蓋体部の開閉の際における保持機構の動作について詳細に説明する。なお、図8ないし図11においては、増幅器の右側部に設けられた保持機構のみを図示しているが、増幅器の左側部に設けられた保持機構についても、左右対称に同様である。
【0047】
上述したように、本実施の形態における増幅器100Aにあっては、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bに設けられた一対の本体部側突起部128と、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bに設けられた一対の蓋体部側突起部138とによって保持機構が構成されている。
【0048】
図8ないし図11に示すように、当該一対の本体部側突起部128および一対の蓋体部側突起部138は、いずれも止水壁部127が設けられていない部分の筐体110の右側部および左側部に設けられており、上述した本体部120と蓋体部130との間に形成された隙間160に位置している。より詳細には、一対の本体部側突起部128は、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bの前端部に沿った上端近傍の位置の外側面にそれぞれ設けられており、一対の蓋体部側突起部138は、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bの内側面の所定位置にそれぞれ設けられている。
【0049】
図8に示す閉状態においては、一対の本体部側突起部128と一対の蓋体部側突起部138とは、鉛直方向に沿ってそれぞれ離間した位置に配置されており、これらが特に連係した状態にはない。ただし、本実施の形態における増幅器100Aにあっては、一対の蓋体部側突起部138の各々が、筐体110の前後方向に沿って延びる突条形態(リブ状形態)を有するように構成されており、閉状態において上述した固定機構である一対の係止爪129の外側の位置にそれぞれ配置されるように構成されている。
【0050】
このように構成することにより、閉状態において本体部120の係止爪129が設けられた部分の右側板部124aおよび124bの撓み方向における背後に蓋体部側突起部138が位置することになるため、当該閉状態において右側板部124aおよび124bに意図しない撓みが生じた場合にも、係止爪129による増幅回路ユニット150の固定が外れることがなくなる。したがって、上記構成を採用することにより、増幅器100Aの設置前における運搬時や建物等への設置後において、振動等によって増幅回路ユニット150が本体部120から脱落してしまうことが未然に防止できることになる。
【0051】
図9に示すように、蓋体部130が図中矢印A1方向に所定角度回動された状態においては、蓋体部130が回動軸Oを回転中心として回転することになり、これに伴って一対の蓋体部側突起部138もそれぞれ回動することになり、一対の本体部側突起部128に向けて近付く方向にそれぞれ移動することになる。
【0052】
そして、図10に示すように、蓋体部130が図中矢印A1方向にさらに所定角度回動された状態においては、一対の蓋体部側突起部138が一対の本体部側突起部128のそれぞれに接触することになる。この状態において、本体部側突起部128が設けられた部分の本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bは、それぞれ内側に向けて(すなわち、図中に示す矢印B方向に向けて)撓み変形することになり、さらに蓋体部130が図中矢印A方向に回動されることにより、一対の蓋体部側突起部138が一対の本体部側突起部128をそれぞれ乗り越えることになる。
【0053】
図11に示すように、一対の蓋体部側突起部138が一対の本体部側突起部128をそれぞれ乗り越えた後においては、上記右側板部124aおよび左側板部124bの撓み変形が解消して一対の本体部側突起部128がそれぞれ元の位置に復帰することになる。したがって、当該図11に示す開状態においては、一対の蓋体部側突起部138が本体部側突起部128上にそれぞれ配置されることになり、これにより蓋体部130が本体部120によって保持された状態が維持されることになる。
【0054】
ここで、本実施の形態における増幅器100Aにあっては、上述した本体部側突起部128が設けられた部分の本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bに本来であれば連続する部分である、本体部120の天板部122の開口部側に位置する前端部に、所定の切り欠き形状の部位が設けられている(図4等参照)。このように構成することにより、本体部側突起部128が設けられた部分の本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bのいずれにも撓み変形が生じ易くなることになり、上述した一対の本体部側突起部128に対する一対の蓋体部側突起部138の乗り越えが、より容易に実現されることになる。
【0055】
また、上述した一対の本体部側突起部128に対する一対の蓋体部側突起部138の乗り越えをさらに容易にかつスムーズに実現するためには、本体部側突起部128の表面および蓋体部側突起部138の表面のいずれかまたは両方を湾曲状に曲成することが好ましい。
【0056】
なお、その詳細については説明を省略するが、蓋体部130の本体部120による保持の解除の際においても、上述した場合と同様に、蓋体部130の回動に伴って一対の蓋体部側突起部138が一対の本体部側突起部128をそれぞれ乗り越えることで上記保持の解除が行なわれることになる。
【0057】
図12および図13は、本実施の形態における増幅器のマストへの取付け状態を示す斜視図である。次に、これら図12および図13ならびに上述した図7を参照して、本実施の形態における増幅器のマストへの設置構造および設置手順について詳細に説明する。
【0058】
図7、図12および図13に示すように、本体部120の背板部121の略中央部に設けられたマスト用固定部142には、マストを受け入れる取付用溝部143が鉛直方向に沿って設けられており、また当該マスト用固定部142には、マスト取付具144が組付けられている。マスト取付具144は、U字ボルト145と、押さえ金具146と、蝶ナット147とによって主として構成されている。当該マスト取付具144は、図7に示すように、予め本体部120の背面にマスト用固定部142を囲うように起立した状態で組付けられており、図12および図13に示すように、増幅器100Aをマスト200に設置する場合には、当該起立姿勢にあるマスト取付具144が倒されて水平姿勢とされて使用される。
【0059】
図12および図13に示すように、U字ボルト145の一端寄りの位置には、雌ネジが設けられており、U字ボルト145の他端よりの位置には、複数の環状溝が設けられている。押さえ金具146は、これらU字ボルト145の一端寄りの部分および他端部寄りの部分を橋渡すように取付けられている。
【0060】
押さえ金具146のU字ボルト145の一端寄りに取付けられる部分には、貫通孔が設けられており、当該貫通孔にU字ボルト145の一端寄りの部分が挿通されている。また、押さえ金具146のU字ボルト145の他端寄りに取付けられる部分には、切り欠き部が設けられており、当該切り欠き部にU字ボルト145の他端よりの部分が嵌め込まれている。蝶ナット147は、U字ボルト145の上記一端寄りの部分であってかつ押さえ金具146よりも外側に取付けられている。
【0061】
増幅器100Aの筐体110をマスト200に固定する際には、押さえ金具146の切り欠き部が設けられた方の端部をU字ボルト145の他端寄りの部分から取り外し、その状態においてU字ボルト145の内部において上述したマスト用固定部142に設けられた取付用溝部143に沿うようにマスト200が挿通配置されるようにし、その後、押さえ金具146の切り欠き部が設けられた方の端部をU字ボルト145の他端寄りの部分であってかつマスト200への固定に適した位置の環状溝部に再度嵌め込み、その状態において蝶ナット147を締め込むことで行なう。これにより、U字ボルト145および押さえ金具146によってマスト200が囲まれた状態となってマスト取付具144がマスト200に固定されることになり、筐体110のマスト200に対する固定が実現されることになる。
【0062】
以上において説明した本実施の形態における増幅器100Aおよびこれに具備される筐体110にあっては、開状態において蓋体部130を本体部120によって保持するための保持機構が、本体部120の右側板部124aおよび左側板部124bに設けられた一対の本体部側突起部128と、蓋体部130の右側板部134aおよび左側板部134bに設けられた一対の蓋体部側突起部138とによって構成されている。そのため、従来の如く、本体部と蓋体部とを回動可能に連結する回動機構の回動軸および当該回動軸を軸支する軸受部に形状的な工夫を凝らすことで当該保持機構を設けることとした場合に比べ、非常に簡素な構成で当該保持機構が実現できることになり、また、従来の如く、当該保持機構の一部を筐体の背面に設けることとした場合に比べ、スペース上の制約を一切受けることがなく、大幅に小型化された増幅器およびこれに具備される筐体とすることができる。特に、上述したように、筐体110の背面にマスト200への取付けのためのマスト取付具144を設ける場合であっても、筐体110を大型化させる必要がないため、大幅に小型化された増幅器およびこれに具備される筐体とすることができる。
【0063】
また、以上において説明した本実施の形態における増幅器100Aおよびこれに具備される筐体110にあっては、止水のために設けられる、従来デッドスペースであった本体部120と蓋体部130との間の隙間160に本体部側突起部128および蓋体部側突起部138を設けることで上記保持機構が実現されることになるため、当該観点からも筐体110を何ら大型化させる必要がなく、小型化された増幅器およびこれに具備される筐体とすることができる。
【0064】
したがって、本実施の形態における増幅器100Aおよびこれに具備される筐体110とすることにより、蓋体部130が開いた状態を維持するための保持機構が簡素な構造で実現でき、筐体110が大型化することや高コスト化することが防止できる増幅器およびこれに具備される筐体とすることができる。
【0065】
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における増幅器の保持機構の動作を説明するための要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。以下においては、この図14を参照して、本実施の形態における増幅器の保持機構の構成について説明する。
【0066】
上述した本発明の実施の形態1においては、保持機構の一部を構成する一対の蓋体部側突起部138が、筐体110の前後方向に沿って延びる突条形態(リブ状形態)を有している場合を例示したが、当該一対の蓋体部側突起部138は、そのような形状に限られるものではない。すなわち、図14に示すように、本実施の形態における増幅器100Bにあっては、当該一対の蓋体部側突起部138が、非突条形態(非リブ状形態)を有する形状(たとえば角柱状等)にて構成されている。
【0067】
このように構成した場合には、上述した実施の形態1において説明した、閉状態における増幅回路ユニット150の脱落の防止が図られる効果は得られないものの、それ以外の効果についてはこれを得ることができる。したがって、本実施の形態の如くの構成とすることにより、蓋体部130が開いた状態を維持するための保持機構が簡素な構造で実現でき、筐体110が大型化することや高コスト化することが防止できる増幅器およびこれに具備される筐体とすることができる。
【0068】
(本発明に関連する関連技術)
図15は、本発明に関連する関連技術が適用された増幅器の要部拡大正面図および要部拡大右側面図である。次に、この図15を参照して、本発明に関連する関連技術が適用された増幅器について説明する。
【0069】
上述した本発明の実施の形態1においては、保持機構の一部を構成する一対の蓋体部側突起部138が、筐体110の前後方向に沿って延びる突条形態(リブ状形態)を有していたが、本関連技術が適用された増幅器100Cにあっては、当該一対の蓋体部側突起部138′が、非突条形態(非リブ状形態)を有する形状(たとえば角柱状等)にて構成されており、当該蓋体部側突起部138′が、閉状態において本体部120の係止爪129が設けられた部分の右側板部124aおよび124bの撓み方向における背後に配置されるように構成されている。また、本関連技術が適用された増幅器100Cにあっては、本体部側に突起部は何ら形成されていない。
【0070】
このように構成した場合には、閉状態において右側板部124aおよび124bに意図しない撓みが生じた場合にも、係止爪129による増幅回路ユニット150の固定が外れることがなくなる。したがって、当該構成を採用することにより、増幅器100Cの設置前における運搬時や建物等への設置後において、振動等によって増幅回路ユニット150が本体部120から脱落してしまうことが未然に防止できることになる。
【0071】
以上において説明した本発明の実施の形態1および2においては、開状態を維持するための保持機構を筐体の右側部および左側部のそれぞれに設けた一対の本体部側突起部および一対の蓋体部側突起部にて構成した場合を例示して説明を行なったが、当該保持機構を筐体の右側部および左側部の一方にのみ設けた本体部側突起部および蓋体部側突起部にて構成することも可能である。
【0072】
また、以上において説明した本発明の実施の形態1および2においては、蓋体部の右側板部および左側板部が閉状態において本体部の右側板部および左側板部のそれぞれ外側に配置されるように構成した場合を例示して説明を行なったが、これとは逆に、蓋体部の右側板部および左側板部が閉状態において本体部の右側板部および左側板部のそれぞれ内側に配置されるように構成することも可能である。
【0073】
また、以上において説明した本発明の実施の形態1および2において説明した本体部側突起部および蓋体部側突起部の形成位置や形状、大きさ等は、本発明の目的から逸脱しない範囲において適宜自由に変更することが可能である。
【0074】
さらには、以上において説明した本発明の実施の形態1および2においては、増幅器およびこれに具備される筐体に本発明を適用した場合を例示して説明を行なった。しかしながら、本発明が適用可能な電子機器は、これに限定されるものではなく、たとえば家庭用のブースタや分配器、混合器、光ケーブルを用いたシステムに使用される光・電気変換装置等、種々のものが挙げられ、本発明が適用可能な筐体としては、これらの筐体など、各種の電子機器の筐体が含まれる。
【0075】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0076】
100A〜100C 増幅器、110 筐体、120 本体部、121 背板部、122 天板部、123 底板部、124a 右側板部、124b 左側板部、125 軸部、126 被係止部、127 止水壁部、128 本体部側突起部、129 係止爪、130 蓋体部、131 前板部、132 天板部、133 底板部、134a 右側板部、134b 左側板部、135 孔部、136 係止部、138,138′ 蓋体部側突起部、140 壁面用固定部、140a ビス孔、141 ビス、142 マスト用固定部、143 取付用溝部、144 マスト取付具、145 U字ボルト、146 押さえ金具、147 蝶ナット、150 増幅回路ユニット、151〜154 接続端子、160 隙間、200 マスト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有する本体部と、閉状態において前記開口部を閉塞する前板部を有する蓋体部とを備え、前記本体部と前記蓋体部とによって形成される収容空間に電子部品を含むユニットが収容されるとともに、前記本体部に対して前記蓋体部が開閉可能となるように前記蓋体部が前記本体部に対して回動可能に取付けられ、前記閉状態において前記開口部を閉塞する位置にある前記前板部が鉛直上方に向けて回動されることにより、開状態において前記開口部が露出するように構成されてなる電子機器の筐体であって、
前記本体部は、前記蓋体部の回動軸と交差する本体部側側板部を有し、
前記蓋体部は、前記閉状態において前記本体部側側板部と距離をもって対向して配置される蓋体部側側板部を有し、
前記本体部側側板部は、前記閉状態において前記蓋体部側側板部に向けて突出して位置する本体部側突起部を含み、
前記蓋体部側側板部は、前記閉状態において前記本体部側側板部に向けて突出して位置する蓋体部側突起部を含み、
前記蓋体部側突起部が前記蓋体部の回動に際して前記本体部側突起部を乗り越えるように構成されることにより、前記開状態において前記蓋体部側突起部が前記本体部側突起部上に配置されることで前記蓋体部が前記本体部によって保持された状態が維持可能とされた、電子機器の筐体。
【請求項2】
前記本体部が、前記閉状態において前記蓋体部側側板部に向けて突出して位置する止水壁部を、前記本体部側側板部の後端部に沿った位置に有している、請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項3】
前記本体部の前記開口部側に位置する部分の天板部が切り欠かれるとともに、前記本体部側側板部の前端部に沿った上端近傍の位置に前記本体部側突起部が設けられることにより、前記蓋体部の回動に際して前記蓋体部側突起部が前記本体部側突起部に接触することで前記本体部側突起部が設けられた部分の前記本体部側側板部が撓み変形し、これにより前記蓋体部側突起部が前記本体部側突起部を乗り越える、請求項1または2に記載の電子機器の筐体。
【請求項4】
前記回動軸が、前記本体部の後端部に沿った上端近傍の位置に配設されている、請求項1から3のいずれかに記載の電子機器の筐体。
【請求項5】
前記本体部側側板部が、前記本体部の左右に一対設けられ、
前記蓋体部側側板部が、前記蓋体部の左右に一対設けられ、
前記本体部側突起部が、一対の前記本体部側側板部のそれぞれに設けられ、
前記蓋体部側突起部が、一対の前記蓋体部側側板部のそれぞれに設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の電子機器の筐体。
【請求項6】
一対の前記蓋体部側側板部が、前記閉状態において一対の前記本体部側側板部の外側に配置されるように構成されている、請求項5に記載の電子機器の筐体。
【請求項7】
一対の前記本体部側側板部の各々が、前記収容空間に収容配置された前記ユニットの前面に当接することで前記ユニットを固定するための係止爪を、前記収容空間側に位置する内側面にそれぞれ有し、
一対の前記蓋体部側突起部の各々が、前記閉状態において一対の前記係止爪の外側の位置にそれぞれ配置されるように構成されている、請求項6に記載の電子機器の筐体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の電子機器の筐体と、
前記ユニットとして、高周波信号を増幅する増幅回路ユニットとを備えた、増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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