説明

電子機器シャーシおよびこの電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置

【課題】生分解性素材をフィルタ素材として用いて地球環境に対して公害をもたらさない一方で、フィルタ性能の一層の向上図った電子機器シャーシを提供する。また、この電子機器シャーシを用いるに好適する電子機器ラック装置を提供する。
【解決手段】電子機器シャーシ20Aは、電子機器を装備する電子機器シャーシ本体21と、この電子機器シャーシ本体21の前方に設けたフィルタ装置とを具備する。電子機器シャーシ本体21は、フィルタ装置を取り付ける開口21a1を備え、フィルタ装置は、開口21a1を通して取り付けられるフィルタケース25aと、このフィルタケース25aに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ25b、この第1のフィルタ25bの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタおよびこの第2のフィルタの後方に位置するファン装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発熱を伴う電子機器を装着すると共に電子機器を冷却可能に設けられるフィルタ装置を備えた電子機器シャーシに係るもので、特にフィルタ装置を使用後に廃棄しても公害の生じない素材が用いられる地球環境にやさしい電子機器シャーシおよびこの電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のフィルタ装置は、ビル空調用や車載用等として用いられるものとして、フィルタ素材の材質や厚さによってフィルタ装置として空気透過性に影響が及んでいた。また、フィルタ素材として再利用可能なものが用いられたり、廃棄した場合にも公害に至らないものが選定利用されるようになってきた。例えば、無公害な天然繊維、再生繊維、ポリ乳酸繊維を生分解繊維が用いられている。
【0003】
従来のこの種のフィルタ装置として、単純に生分解繊維を使用してフィルタ素材を形成したのでは、剛性や強度が十分でなく、プリーツ加工(拠り折り加工)をした場合には、潰れが生じやすく圧損が高くなる等、素材の性能が損なわれることがある。一方では、生分解性のない繊維を生分解性繊維と混合しても、短期間では満足な生分解性を得ることが困難であった。また、極太の生分解性繊維を不織布化したものを使用する場合は、プリーツ加工性に必要な十分な硬さを薄いフィルタ素材厚みで且つ低目付で実現することは困難であり、結局のところ、高性能な生分解性素材を作ることは困難であった。そこで、埋没廃棄に優れ、また、焼却廃棄の場合には、燃焼温度の低い生分解性を有する素材を用いることによって地球環境の保全にも寄与することができるようにしたものが出現している。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来のフィルタ装置は、ビル空調用や車載用等に用いられ、フィルタ素材として地球温暖化防止や循環型社会に寄与する生分解性素材が用いられている。
【特許文献1】特開2004−243233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のフィルタ装置によれば、生分解性素材をフィルタ素材として用いた場合、そのフィルタ性能を向上させるにあたってのフィルタ装置の構成や、このフィルタ装置の好適する使用形態について開示されていなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、生分解性素材をフィルタ素材として用いて地球環境に対して公害をもたらさない一方で、フィルタ性能の一層の向上図った電子機器シャーシを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、上記電子機器シャーシを用いるに好適する電子機器ラック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電子機器を装備する電子機器シャーシ本体と、この電子機器シャーシ本体の前方に設けたフィルタ装置とを具備し、前記電子機器シャーシ本体は、前記フィルタ装置を取り付ける開口を備え、前記フィルタ装置は、前記開口を通して取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ、この第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタおよびこの第2のフィルタの後方に位置するファン装置とを備えたことを特徴とする電子機器シャーシを提供する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電子機器を装備する電子機器シャーシ本体と、この電子機器シャーシ本体の前方に設けたフィルタ装置と、前記電子機器シャーシ本体の後方に設けられたファン装置とを具備し、前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体の前方に設けられる開口を通して取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタおよびこの第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタとを備えたことを特徴とする電子機器シャーシを提供する。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電子機器を装備する複数の電子機器シャーシと、この複数の電子機器シャーシを収納する電子機器ラック本体とを具備し、前記複数の電子機器シャーシは、それぞれの電子機器シャーシ本体の前方に設けられたフィルタ装置を備え、前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体に直接取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ、この第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタおよびこの第2のフィルタの後方に位置するファン装置とを備え、前記電子機器ラック本体には、前記ファン装置により吸入された外気を前記電子機器ラック本体内から外へ放出する排気孔を設けたことを特徴とする電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置を提供する。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電子機器を装備する複数の電子機器シャーシと、この複数の電子機器シャーシを収納する電子機器ラックとを具備し、前記それぞれの電子機器シャーシは、この電子機器シャーシ本体の前方に設けられたフィルタ装置と、前記電子機器シャーシ本体の後方に設けられたファン装置とを備え、前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体に直接取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタおよびこの第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタとを備え、前記電子機器ラックには、前記複数の電子機器シャーシのそれぞれのファン装置により吸入された外気を前記電子機器ラック内から外へ放出する排気孔を設けたことを特徴とする電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルタ装置のフィルタとして、自然環境に配慮した、ケナフ材等の天然繊維を素材として、繊維を編み目大きいフィルタおよび編み目の小さいフィルタを用いることにより、塵埃の電子機器への浸入が阻止されて故障を防止すると共に電子機器からの発熱を吸収して冷却作用をなさしめる一方で、このフィルタ装置を備えた電子機器シャーシとすることで、フィルタ装置の交換時にあたって、フィルタ装置の全体または一部を地上あるいは地中に廃棄した際にも公害をもたらす事のない優れた電子機器シャーシを提供することができる。
【0013】
また、電子機器シャーシを電子機器ラックに適用することにより、吸気時に電子機器からの発熱をより一層吸収して冷却作用をなさしめる一方で、このフィルタ装置を備えた電子機器シャーシとすることで、フィルタ装置の交換時にあたって、フィルタ装置の全体または一部を地上あるいは地中に廃棄した際にも公害をもたらす事のない優れた電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る電子機器シャーシの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の電子機器シャーシ20Aの実施形態の概要を示す斜視図である。図2は本発明の電子機器シャーシ20Aに用いられるフィルタ装置23Aの斜視図である。図3は図2のA−A線に沿う拡大断面図である。図4は本発明の電子機器シャーシ20Aに用いるフィルタ組立体25の分解斜視図である。
【0016】
図1に示す電子機器シャーシ20Aは、前・後方を開口する矩形筒状の電子機器シャーシ本体21と、このシャーシ本体21の前方開口を塞ぐように設けられるシャーシ前板21aと、このシャーシ前板21aの中央部において前方へ張り出して取り付けられるフィルタ装置23Aと、このフィルタ装置23Aの後方に位置の電子機器シャーシ本体21内に設けられる電子機器組立体30とから構成される。
【0017】
電子機器シャーシ本体21は、例えばアルミニウム製等の比較的熱伝導性の良好な板体により形成される。シャーシ前板21aは、電子機器シャーシ本体21の矩形状の開口よりやや大きめの矩形状板体で、中央部にフィルタ装置23Aを貫通して取り付ける開口21a1が設けられる。
【0018】
フィルタ装置23Aは、図2および図3に示すように、電子機器シャーシ本体21の開口21a1に取り付けられる外枠24と、この外枠24内に嵌め込んで設けられるフィルタ組立体25と、このフィルタ組立体25の後方位置にあって外枠24内に設けられるファン装置26とから構成される。このフィルタ装置23Aは、電子機器シャーシ本体21のシャーシ前板21aの開口21a1に、前方が僅かに張り出した状態で固定される。
【0019】
外枠24は、図3に示すように、シャーシ前板21aの中央部の開口21に嵌着された外形状を有する筒状のものである。
【0020】
フィルタ組立体25は、図4に示すように、フィルタケース25aと、このフィルタケース25aに着脱自在に取り付けられ、外気a1を吸入する側に天然繊維を素材として形成された編み目の大きい第1のフィルタ25bが、続いて編み目の小さい第2のフィルタ25cが配置される。
【0021】
フィルタケース25aは、図3および図4に示すように、第1のフィルタ25bおよび第2のフィルタ25cを着脱自在に収納し、容易に脱落しないように両開口側にフランジ部25a1を設けている。
【0022】
第1のフィルタ25bは、フィルタケース25aの前方位置に設けられる。この第1のフィルタ25bは、天然繊維にポリ乳酸を混入して形成されたもので、外気を吸入する前方位置にあって、比較的大きめの塵埃を捕集するに適するように設けられる。この第1のフィルタ25bは、例えば編み目の幅が、例えば0.5mm程度が好ましい。
【0023】
第2のフィルタ25cは、フィルタケース25aと所要の間隔lをとって後方位置に設けられる。この第2のフィルタ25cは、第1のフィルタ25bと同様に、天然繊維にポリ乳酸を混入して形成されたもので、第1のフィルタ25bを通過した後、残余の比較的小さめの塵埃を捕集するに適するように設けられる。この第2のフィルタ25cは、例えば編み目の幅が、例えば0.1mm程度が好ましい。
【0024】
また、各フィルタ25b,25cの素材として、二酸化炭素の吸収率の高いケナフ材(樹木の幹から繊維を採取)を用いることができる。このケナフ材を用いた場合には、塵埃の除去が可能である上に、強度不足の場合には、天然繊維ととうもろこし等の繊維を原料としたポリ乳酸を混入することで適度に補強することができる。フィルタケース25aについても同様に天然繊維を素材として形成し、フィルタ25b,25cの素材と同様に酸化炭素の吸収率の高いケナフ材(樹木の幹から繊維を採取)を用いることができる。
【0025】
ファン装置26は、外枠24の後方内壁に中心部に向かう複数のファンモータ支持枠26aが延出して設けられる。このファンモータ支持枠26aの延出部にはファンモータ26bが取り付けられる。また、ファンモータ26bには、送風ファン26cが取り付けられる。
【0026】
電子機器組立体30は、図1に示すように、シャーシ前板21aに取り付けられるフィルタ装置23Aの後方位置の電子機器シャーシ本体21内後部において、電子機器組立体ホルダ31にて高さ調整がなされて設置される。すなわち、この電子機器組立体30は、図示しない電子回路基板が複数設けられ、ファン装置26が作動することにより吸入される外気a1が各基板間を流通して、電子回路基板からの発熱が吸収される位置関係に配置される。
【0027】
次に、電子機器シャーシ20Aの作用について図1〜図3を参照して説明する。
【0028】
図1に示す電子機器シャーシ20Aのフィルタ装置23Aが始動することによりファン装置26が作動する。ファン装置26が作動すると、図1に示すように、電子機器シャーシ20Aの前方から外気a1がフィルタ装置23A内へ吸入される。外気a1がフィルタ装置23A内へ吸入されると、図3に示すようにフィルタ組立体25の第1のフィルタ25bが最初に外気a1を吸入し、比較的大きめの塵埃を捕集する。比較的大きめの塵埃が除去された外気a2は、所要の間隔lを介して第2のフィルタ25cに吸入されて比較的小さめの塵埃が捕集される。
【0029】
なお、この所要の間隔lが存在することにより、この間隔l内に流入する外気a2が常に一定量貯留されることから、外気a2が第2のフィルタ25c側へ流入する過程で流量を一定化する作用が得られる。
【0030】
次に、比較的小さめの塵埃が捕集されたクリーンな外気a3は、ファン装置26を通して後方へ放出され、図1に示すように、電子機器組立体30の内部および外部を流通する。この時外気a3は、電子機器組立体30からの発熱を吸収した外気a4となって電子機器シャーシ本体21の後方側から外部へ放出される。従って、電子機器シャーシ20Aの電子機器組立体30は、クリーンな外気a3が流入することにより、電子回路基板からの発熱が吸収される際に電子機器組立体30の電子回路基板へ塵埃が混入して電子回路基板の性能に悪影響を及ぼしたりすることがなくなる。
【0031】
また、この電子機器組立体30は、ファン装置26により局部的に外気a3に曝された状態に設置されるので、外気a3による電子機器組立体30に対する冷却効率をより一層向上させることができる。
【0032】
更にまた、電子機器シャーシ20Aのファン装置26は、フィルタ組立体25の第1および第2のフィルタ25b,25cとして、それぞれ天然繊維を素材として形成させ、酸化炭素の吸収率の高いケナフ材を採用可能にしたから、ファン装置26に用いるフィルタ装置23Aの全体または一部を地上あるいは地中に廃棄した際にも公害をもたらすことのない自然環境、地球環境に適合したものにすることができる。
【0033】
次に、電子機器シャーシ20Aを用いた電子機器ラック装置40について図5および図6を参照して説明する。図5は本発明の電子機器ラック装置40の一部を切除して示す斜視図である。図6は、図5のB−B線に沿う拡大断面図である。
【0034】
図5に示す電子機器ラック装置40は、電子機器を装備する複数の電子機器シャーシ20Aと、この複数の電子機器シャーシ23Aを収納する電子機器ラック本体41を備える。
【0035】
複数の電子機器シャーシ20Aは、それぞれの電子機器シャーシ本体21の前方に設けられたフィルタ装置23Aと、電子機器シャーシ本体21の後方に設けられたファン装置26とを備える。このフィルタ装置26は、電子機器シャーシ本体21に直接取り付けられるフィルタケース25aと、このフィルタケース25aに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ25b、この第1のフィルタ25bの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタ25cおよびこの第2のフィルタ25cの後方に位置するファン装置26とを備える。
【0036】
電子機器ラック本体41には、複数の電子機器シャーシ20Aのそれぞれのファン装置26により吸入された外気a1を外部へ放出するために天井部および背面部に排気孔41aが設けられる。この排気孔41aは、排気される外気a4の風量や温度に応じて電子機器ラック本体41の天井部および背面部の何れか一方にのみ設けた構成であってもよい。
【0037】
なお、電子機器シャーシ23Aは、上述した図1〜図4に示す電子機器シャーシ23Aの構成と同様であるので説明を省略する。
【0038】
次に、電子機器ラック装置40の作用について図5および図6を参照して説明する。
【0039】
電子機器シャーシ20Aのフィルタ装置23Aが始動することによりファン装置26が作動する。ファン装置26が作動すると、前方から外気a1が吸入され、フィルタ組立体25を通してクリーンな外気a3が電子機器シャーシ21内に導かれ、電子機器組立体30と熱交換した外気a4となる。そして、電子機器シャーシ本体21から外部へ放出された外気a4は、図6に示すように、電子機器ラック本体41の上部に集積され複数の排気孔41aから分散して外部へ放出される。従って、複数の電子機器シャーシ20Aのそれぞれの電子機器組立体30は、クリーンな外気a3が流入することにより、電子回路基板からの発熱が吸収される際に電子機器組立体30の電子回路基板へ塵埃が混入して電子回路基板の性能に悪影響を及ぼしたりすることがなくなる。
【0040】
また、この電子機器組立体30は、ファン装置26により局部的に外気a3に曝された状態に設置されるので、外気a3による電子機器組立体30に対する冷却効率をより一層向上させることができる。
【0041】
更には、複数の電子機器シャーシ20Aのそれぞれの電子機器組立体30から放出された発熱は、電子機器ラック本体41の上部に煙突作用を得ながら集積されるので複数の排気孔41aから分散して効果的に外部へ放出することができる。
【0042】
更にまた、電子機器シャーシ20Aのファン装置26は、フィルタ組立体25の第1および第2のフィルタ25b,25cとして、それぞれ天然繊維を素材として形成させ、酸化炭素の吸収率の高いケナフ材を採用可能にしたから、ファン装置26に用いるフィルタ装置23Aの全体または一部を地上あるいは地中に廃棄した際にも公害をもたらすことのない自然環境、地球環境に適合したものにすることができる。
【0043】
なお、電子機器ラック装置40に設けられたフィルタ装置23Aは、ファン装置26を一体的に設けた構成にしたが、かならずしもこの構成に限らず、ファン装置26を電子機器シャーシ本体21後方の電子機器組立体30の近傍位置に設置した電子機器ラック装置50を採用してもよい。
【0044】
電子機器シャーシ20Bを用いた電子機器ラック装置50の構成を図7に示す。この電子機器ラック装置50(図6と同一部分には同一符号を付した)は、電子機器シャーシ20Bの電子機器シャーシ本体21において、その後方においてファン装置27が設けられ、前方にはフィルタ装置23Bが設けられる。この構成により、ファン装置27により吸引した外気a1がフィルタ装置23Bを通過し、外気a3が生成される。そして、この外気a3が電子機器組立体30の発熱を吸収した外気a4となり電子機器シャーシ本体21から電子機器ラック本体41側へ排出させるようになっている。
【0045】
なお、フィルタ装置23Bのファン装置27は、ファン装置26と同様構成であって、電子機器シャーシ本体21の後方内壁に中心部に向かう複数のファンモータ支持枠27aが延出して設けられる。このファンモータ支持枠27aの延出部にはファンモータ27bが取り付けられる。また、ファンモータ27bには、送風ファン27cが取り付けられる。
【0046】
この電子機器ラック装置50によれば、フィルタ装置23Bのファン装置27が、電子機器組立体30の発熱を吸収した状態の外気a4を電子機器ラック本体41の上部へ強制循環させるので、電子機器ラック本体41から外部への放熱作用効果がより一層優れたものとなる。従って、特に電子機器組立体30の発熱量が多い場合や発熱温度が相当に高い場合の条件下で用いる場合に好適する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の電子機器シャーシの実施形態の概要を示す斜視図。
【図2】本発明の電子機器シャーシに用いられるフィルタ装置の斜視図。
【図3】図2のA−A線に沿う拡大断面図。
【図4】本発明の電子機器シャーシに用いるフィルタ組立体の分解斜視図。
【図5】本発明の電子機器ラック装置の一部を切除して示す斜視図。
【図6】図5のB−B線に沿う拡大断面図。
【図7】本発明の電子機器ラック装置に装着される電子機器シャーシの他の実施例を示し、電子機器ラック装置に装着した状態における一部縦断側面図。
【符号の説明】
【0048】
20A,20B 電子機器シャーシ
21 電子機器シャーシ本体
21a シャーシ前板
21a1 開口
23A,23B フィルタ装置
24 外枠
25 フィルタ組立体
25a フィルタケース
25a1 フランジ部
25b 第1のフィルタ
25c 第2のフィルタ
26,27 ファン装置
26a,27a ファンモータ支持枠
26b,27b ファンモータ
26c,27c 送風ファン
30 電子機器組立体
31 電子機器組立体ホルダ
40,50 電子機器ラック装置
41 電子機器ラック本体
41a 排気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を装備する電子機器シャーシ本体と、この電子機器シャーシ本体の前方に設けたフィルタ装置とを具備し、
前記電子機器シャーシ本体は、前記フィルタ装置を取り付ける開口を備え、
前記フィルタ装置は、前記開口を通して取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ、この第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタおよびこの第2のフィルタの後方に位置するファン装置とを備えたことを特徴とする電子機器シャーシ。
【請求項2】
電子機器を装備する電子機器シャーシ本体と、この電子機器シャーシ本体の前方に設けたフィルタ装置と、前記電子機器シャーシ本体の後方に設けられたファン装置とを具備し、
前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体の前方に設けられる開口を通して取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタおよびこの第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタとを備えたことを特徴とする電子機器シャーシ。
【請求項3】
前記第1のフィルタおよび第2のフィルタとの間に所要の隙を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の電子機器シャーシ。
【請求項4】
前記フィルタは、天然繊維にポリ乳酸を混入して形成したことを特徴とする請求項1または2記載の電子機器シャーシ。
【請求項5】
前記フィルタは、二酸化炭素の吸収率の高いケナフ材を素材として形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の電子機器シャーシ。
【請求項6】
前記フィルタケースは、天然繊維を素材として形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の電子機器シャーシ。
【請求項7】
前記フィルタケースは、天然繊維素材にポリ乳酸を混入して形成されたことを特徴とする請求項6記載の電子機器シャーシ。
【請求項8】
電子機器を装備する複数の電子機器シャーシと、この複数の電子機器シャーシを収納する電子機器ラック本体とを具備し、
前記複数の電子機器シャーシは、それぞれの電子機器シャーシ本体の前方に設けられたフィルタ装置を備え、
前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体に直接取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタ、この第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタおよびこの第2のフィルタの後方に位置するファン装置とを備え、
前記電子機器ラック本体には、前記ファン装置により吸入された外気を前記電子機器ラック本体内から外へ放出する排気孔を設けたことを特徴とする電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置。
【請求項9】
前記電子機器ラック本体に設けた排気孔は、前記電子機器ラック本体の天井部および背面部の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする請求項8記載の電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置。
【請求項10】
電子機器を装備する複数の電子機器シャーシと、この複数の電子機器シャーシを収納する電子機器ラックとを具備し、
前記それぞれの電子機器シャーシは、この電子機器シャーシ本体の前方に設けられたフィルタ装置と、前記電子機器シャーシ本体の後方に設けられたファン装置とを備え、
前記フィルタ装置は、前記電子機器シャーシ本体に直接取り付けられるフィルタケースと、このフィルタケースに着脱自在に取り付けられ、天然繊維を素材として形成される編み目の大きい第1のフィルタおよびこの第1のフィルタの後方に位置する編み目の小さい第2のフィルタとを備え、
前記電子機器ラックには、前記複数の電子機器シャーシのそれぞれのファン装置により吸入された外気を前記電子機器ラック内から外へ放出する排気孔を設けたことを特徴とする電子機器シャーシを用いた電子機器ラック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−117852(P2008−117852A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297821(P2006−297821)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】