説明

電子機器及び切替制御方法

【課題】 電力供給のオン状態とオフ状態とを切り替える制御の安定性を向上させる電子機器及び切替制御方法を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、電子機器は、第1制御手段及び第2制御手段を具備している。前記第1制御手段は、自身が前記所定処理を実行するためのオン状態又はオフ状態を示す状態監視信号を第2制御手段に伝送する。前記第2制御手段は、前記切替手段を制御する切替制御手段を有している。前記第2制御手段は、前記検出手段が前記オン要因またはオフ要因を検出すると、所定時間経過後に前記状態監視信号と前記オン要因またはオフ要因とが一致するか判別し、一致しない場合には前記切替制御手段が前記切替手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器及び切替制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者による操作入力やタイマーに基づいて、オン状態又はオフ状態を設定可能な電子機器がある。この種の電子機器は、設定されたオン状態又はオフ状態に応じて、電源の供給経路に配置されたリレースイッチの接点を制御することにより、電源から供給される電力のオン状態及びオフ状態を切り替える。
【0003】
しかしながら、このような切り替えにラッチング式リレーが利用された場合、振動等の影響によってリレー内部の接点がオン状態からオフ状態へ、又はオフ状態からオン状態へと不本意に切り替わってしまうことがある。すなわち、制御回路によるリレー制御状態と、実際のリレー接点のオン状態又はオフ状態とに矛盾が生ずる可能性がある。
【0004】
そこで、このような矛盾が生じる可能性を削減する観点から、電源制御IC(integrated circuit)を搭載した電子機器が知られている。この種の電源制御ICは、電源からの電力供給のオン状態又はオフ状態と、回路内部及び回路外部から設定されたリレースイッチのオン状態又はオフ状態とを比較する。この比較の結果、この2つの状態が不一致の場合、電源制御ICは、リレースイッチをオン状態に制御する制御信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−160149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電子機器は、電力供給のオン状態とオフ状態とを切り替える制御の安定性を低下させてしまう課題があった。
【0007】
例えば、従来の電子機器は、操作入力等によりオン状態又はオフ状態を切り替えて設定した場合、この設定した時点から少し遅れて、電源からの電力供給のオン状態又はオフ状態が切り替わることがある。すなわち、オン状態とオフ状態とを切り替える途中では、設定した状態と、電力供給の状態とに一時的な不一致が生じる場合がある。
【0008】
このため、電子機器は、この一時的な不一致を異常と誤認識して、常にリレースイッチをオン状態に制御し続ける可能性がある。このとき、電子機器は、電力供給のオン状態とオフ状態とを切り替える制御の安定性を低下させてしまう。
【0009】
本発明の目的は、電力供給のオン状態とオフ状態とを切り替える制御の安定性を向上し得る電子機器及び切替制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、電子機器は、電源回路、切替手段、検出手段、第1制御手段、蓄電手段及び第2制御手段を備えている。
【0011】
前記電源回路は、電源から電力を供給されて動作する。
【0012】
前記リレースイッチは、前記電源回路に対する前記電力の供給をオン状態又はオフ状態に切り替える。
【0013】
前記検出手段は、前記電力の供給をオン状態に切り替えるオン要因および前記電力の供給をオフ状態に切り替えるオフ要因を検出する。
【0014】
前記第1制御手段は、前記電源回路より電力を供給されて動作する。前記第1制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、所定処理を実行する。
【0015】
前記蓄電手段は、前記電源から供給された電力を蓄電する。
【0016】
前記第2制御手段は、前記電力の供給がオン状態のときには前記電源から電力を供給されて動作する。前記第2制御手段は、前記電力の供給がオフ状態のときには前記蓄電手段から電力を供給されて動作する。
【0017】
前記第1制御手段は、自身が前記所定処理を実行するためのオン状態又はオフ状態を示す状態監視信号を第2制御手段に伝送する。
【0018】
前記第2制御手段は、前記切替手段を制御する切替制御手段を有している。
【0019】
前記第2制御手段においては、前記検出手段が前記オン要因またはオフ要因を検出すると、所定時間経過後に前記状態監視信号と前記オン要因またはオフ要因とが一致するか判別し、一致しない場合には前記切替制御手段が前記切替手段を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に係る放送受信装置の構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態における電源制御部及びその周辺構成の一例を示す模式図である。
【図3】同実施形態における電源制御ICの構成を示す模式図である。
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】同実施形態における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】同実施形態における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、一実施形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、一実施形態に係る電子機器の一例としての放送受信装置100の構成を示す模式図である。この放送受信装置100は、電源制御ICにより監視される電源状態をもつ電子機器である。また、この放送受信装置100は、コンテンツに基づいて映像を液晶表示装置に表示させるものと仮定して説明する。
【0023】
放送受信装置100は、放送入力端子110、チューナ111、復調部112、信号処理部113、通信インターフェース114、音声処理部121、映像処理部131、OSD(On-Screen Display)処理部132、表示処理部133、制御部150、操作入力部161、第1の受光部162、カードコネクタ164、USB(universal serial bus)コネクタ166、ディスクドライブ170、スピーカ300及びディスプレイ400を備えている。
【0024】
放送入力端子110は、例えばアンテナ200により受信されるディジタル放送信号が入力される入力端子である。アンテナ200は、例えば、地上ディジタル放送信号、BS(broadcasting satellite)ディジタル放送信号、及び/または、110度CS(communication satellite)ディジタル放送信号を受信する。即ち、放送入力端子110には、放送信号により供給される番組などのコンテンツが入力される。
【0025】
放送入力端子110は、受信したディジタル放送信号をチューナ111に供給する。チューナ111は、ディジタル放送信号用のチューナである。チューナ111は、アンテナ200から供給されるディジタル放送信号のチューニング(選局)を行う。チューナ111は、チューニングしたディジタル放送信号を復調部112に送信する。
【0026】
復調部112は、受信するディジタル放送信号の復調を行う。復調部112は、復調したディジタル放送信号(コンテンツ)を信号処理部113に入力する。即ち、アンテナ200、チューナ111、及び復調部112は、コンテンツを受信する受信手段として機能する。
【0027】
信号処理部113は、ディジタル放送信号(動画のコンテンツデータ)に対して信号処理を施す信号処理手段として機能する。信号処理部113は、復調部112から供給されるディジタル放送信号に、信号処理を施す。即ち、信号処理部113は、ディジタル放送信号を映像信号、音声信号、及びその他のデータ信号に分離する。信号処理部113は、音声処理部121に音声信号を供給する。また、信号処理部113は、映像処理部131に映像信号を供給する。さらに、信号処理部113は、制御部150、及び/またはOSD処理部132にデータ信号を供給する。
【0028】
通信インターフェース114は、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子などの、コンテンツを受信可能なインターフェースを備えている。通信インターフェース114は、ディジタル映像信号、及びディジタル音声信号などが多重化されたコンテンツを他の機器から受信する。通信インターフェース114は、他の機器から受信したディジタル信号(コンテンツ)を信号処理部113に供給する。即ち、通信インターフェース114は、コンテンツを受信する受信手段として機能する。
【0029】
信号処理部113は、通信インターフェース114から受信するディジタル信号に信号処理を施す。例えば、信号処理部113は、ディジタル信号をディジタル映像信号とディジタル音声信号とデータ信号とに分離する。信号処理部113は、音声処理部121にディジタル音声信号を供給する。また、信号処理部113は、映像処理部131にディジタル映像信号を供給する。さらに、信号処理部113は、制御部150、及び/またはOSD処理部132にデータ信号を供給する。
【0030】
なお、信号処理部113は、通信インターフェース114に入力されるコンテンツと、放送入力端子110に入力されるコンテンツとのいずれかを選択し、処理を行う。即ち、信号処理部113は、ディジタル放送信号とディジタル信号のいずれかに対して信号の分離処理を行う。
【0031】
音声処理部121は、信号処理部113から受信したディジタル音声信号を、スピーカ300により再生可能なフォーマットの信号(オーディオ信号)に変換する。音声処理部121は、オーディオ信号をスピーカ300に出力する。これにより、スピーカ300は、供給されるオーディオ信号に基づいて音を再生する。スピーカ300としては、左右チャンネル用に2つ設けられてもよく、更には、入力された音声信号の低音域を出力するためのサブウーハが設けられてもよい。なお、音声処理部121は、スピーカ300の代わりに、音声出力端子にオーディオ信号を出力する構成としてもよい。この場合、音声出力端子は、供給されるオーディオ信号を装置外部に出力する。音声出力端子に接続されるスピーカ300は、供給されるオーディオ信号に基づいて音を再生する。
【0032】
ここで、オーディオ信号は、コンテンツにより種々の種類の音を含む。例えば、テレビ番組などのオーディオ信号は、人が発した声(音声)、音楽(音楽)、及び種々の雑音(背景雑音)などに基づく信号を含む。この場合の雑音は、例えば拍手、歓声、及び他の種々の音を含む。
【0033】
また、放送受信装置100は、例えばマイクなどの音を検出する装置が接続される環境音入力端子を備えてもよい。マイクは、例えば放送受信装置100の近傍に設置され、放送受信装置100の周囲の音(背景雑音)を検出し、信号に変換する。マイクは、この信号を環境音入力端子に供給する。環境音入力端子は、マイクから供給された信号を環境音として音声処理部121に供給する。
【0034】
映像処理部131は、信号処理部113から受信した映像信号を、ディスプレイ400で再生可能なフォーマットの映像信号に変換する。即ち、映像処理部131は、信号処理部113から受信した映像信号を、ディスプレイ400で再生可能なフォーマットの映像信号にデコード(再生)する。また、映像処理部131は、OSD処理部132から供給されるOSD信号を映像信号に重畳する。映像処理部131は、映像信号を表示処理部133に出力する。
【0035】
OSD処理部132は、信号処理部113から供給されるデータ信号、及び/または制御部150から供給される制御信号に基づいて、GUI(グラフィック ユーザ インタフェース)画面、字幕、時刻、または他の情報などを画面に重畳して表示する為のOSD信号を生成する。
【0036】
表示処理部133は、電源回路182,186がオン状態のとき、電源回路186から電力を供給されて画面の表示処理を実行する。表示処理部133は、例えば、制御部150からの制御に基づいて、受信した映像信号に対して色味、明るさ、シャープ、コントラスト、またはその他の画質調整処理を行う。表示処理部133は、画質調整を施した映像信号をディスプレイ400に出力する。これにより、ディスプレイ400は、供給される映像信号に基づいて映像を表示する。なお、表示処理部133は、ディスプレイの代わりに、映像出力端子に映像信号を出力する構成としてもよい。この場合、映像出力端子は、供給される映像信号を装置外部に出力する。映像出力端子に接続されるディスプレイ400は、供給される映像信号に基づいて映像を表示する。
【0037】
ディスプレイ400は、例えば、マトリクス状に配列された複数の画素を備える液晶表示パネルと、この液晶パネルを照明するバックライトとを備える液晶表示装置などを備えている。ディスプレイ400は、表示処理部133から供給される映像信号に基づいて映像を表示する。なお、ディスプレイ400は、表示処理部133から供給された映像信号を表示する表示パネルを含む表示モジュールであればよい。ディスプレイ400としては、LCD(Liquid Crystal Display)に限らず、例えば、PDP(Plasma Display Panel)などの薄型平面ディスプレイを適用することができる。
【0038】
制御部150は、放送受信装置100の各部の動作を制御する制御手段として機能する。制御部150は、CPU(central processing unit)151、ROM(read-only memory)152、RAM(random access memory)153、及びEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)154などを備えている。制御部150は、操作入力部161から供給される操作信号に基づいて、種々の処理を行う。また、制御部150の一機能として、リレースイッチ181を介して電源から電力を供給されて動作し、第1の受光部162等の検出結果に基づいて、所定処理を実行する第1制御手段が実現されている。この場合、第1制御手段は、自身が当該所定処理を実行するためのオン状態又はオフ状態を示す状態監視信号を電源制御IC192に伝送する。ここで、状態監視信号は、第1の電源回路182のオン状態又はオフ状態を示している。但し、状態監視信号としては、第1の電源回路182に限らず、第2の電源回路186のオン状態又はオフ状態を示すものとしてもよい。また、第1制御手段としては、制御部150から電源制御IC192に状態監視信号を伝送する構成に限らず、第1の電源回路182の出力信号線の一部を介して電源制御IC192に状態監視信号を伝送する構成としてもよい。同様に、第1制御手段は、第2の電源回路186の出力信号線の一部を介して電源制御IC192に状態監視信号を伝送する構成としてもよい。
【0039】
CPU151は、種々の演算処理を実行する演算素子などを備えている。CPU151は、ROM152、またはEEPROM154などに記憶されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。
【0040】
ROM152は、放送受信装置100を制御する為のプログラム、及び各種の機能を実現する為のプログラムなどを記憶する。CPU151は、操作入力部161から供給される操作信号に基づいて、ROM152に記憶されているプログラムを起動する。これにより、制御部150は、各部の動作を制御する。
【0041】
RAM153は、CPU151のワークメモリとして機能する。即ち、RAM153は、CPU151の演算結果、CPU151により読み込まれたデータなどを記憶する。
【0042】
EEPROM154は、各種の設定情報、及びプログラムなどを記憶する不揮発性メモリである。
【0043】
操作入力部161は、例えば、操作キー、キーボード、マウス、タッチパッドまたは操作入力に応じて操作信号を生成する事ができる他の入力装置などを備える入力手段である。例えば、操作入力部161は、操作入力に応じて操作信号を生成する。操作入力部161は、生成した操作信号を制御部150に供給する。
【0044】
なお、タッチパッドは、静電センサ、サーモセンサ、または他の方式に基づいて位置情報を生成するデバイスを含む。また、放送受信装置100がディスプレイ400を備える場合、操作入力部161は、ディスプレイ400と一体に形成されるタッチパネルなどを備えている構成であってもよい。
【0045】
第1の受光部162は、例えば、リモートコントローラ163からの操作信号を受信するセンサなどを備えている。第1の受光部162は、この操作信号を受信して制御部150に供給する。リモートコントローラ163は、ユーザの操作入力に基づいて操作信号を生成する。リモートコントローラ163は、生成した操作信号を赤外線通信により各受光部162,191に送信する。なお、各受光部162,191及びリモートコントローラ163は、電波などの他の無線通信により操作信号の送受信を行う構成であってもよい。また、各受光部162,191は、同一の操作信号を受信する観点から、互いに近い位置に設けられている。本明細書では、操作信号のうち、オン状態への切り替え操作を示す操作信号をオン要因検出信号とも呼ぶ。同様に、操作信号のうち、オフ状態への切り替え操作を示す操作信号をオフ要因検出信号とも呼ぶ。すなわち、各受光部162,191は、電力の供給をオン状態に切り替えるオン要因および電力の供給をオフ状態に切り替えるオフ要因を検出する検出手段としても機能する。なお、オン要因検出信号及びオフ要因検出信号は、操作信号に限らず、例えば、オンタイマーにおけるオン時刻の到達(オン要因)を示す検出信号や、オフタイマーによるオフ時刻の到達(オフ要因)を示す検出信号をも含む概念である。すなわち、検出手段は、各受光部162,191に限らず、制御部150の一機能としても実現される。
【0046】
カードコネクタ164は、例えば、動画コンテンツを記憶するメモリカード165と通信を行う為のインターフェースである。カードコネクタ164は、接続されるメモリカード165から動画のコンテンツデータを読み出し、制御部150に供給する。
【0047】
USBコネクタ166は、USB機器167と通信を行う為のインターフェースである。USBコネクタ166は、接続されるUSB機器167から供給される信号を制御部150に供給する。
【0048】
例えば、USB機器167がキーボードなどの操作入力機器である場合、USBコネクタ166は、操作信号をUSB機器167から受け取る。USBコネクタ166は、受け取った操作信号を制御部150に供給する。この場合、制御部150は、USBコネクタ166から供給される操作信号に基づいて種々の処理を実行する。
【0049】
また、例えば、USB機器167が動画のコンテンツデータを記憶する記憶装置である場合、USBコネクタ166は、コンテンツをUSB機器167から取得することができる。USBコネクタ166は、取得したコンテンツを制御部150に供給する。
【0050】
ディスクドライブ170は、例えば、コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disk(登録商標))、または動画のコンテンツデータを記録可能な他の光ディスクMを装着可能なドライブを有する。ディスクドライブ170は、装着される光ディスクMからコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツを制御部150に供給する。
【0051】
また、放送受信装置100は、後述する電源制御部180を備えている。電源制御部180は、宅内コンセントなどの外部電源500から供給される電力を変換して得られた電力を放送受信装置100の各部に供給する。電源制御部180は、例えば、AC(alternating current)アダプタなどを介して電力を変換する。また、電源制御部180は、キャパシタ等からなるバッテリーを備えていても良い。この場合、電源制御部180は、ACアダプタなどを介して供給される電力をバッテリーに充電する。電源制御部180は、バッテリーに充電されている電力を放送受信装置100の各部に供給する。
【0052】
また、放送受信装置100は、さらに他のインターフェースを備えていても良い。インターフェースは、例えば、Serial-ATA(advanced technology attachment)、LAN(local area network)ポートなどである。放送受信装置100は、インターフェースにより接続される機器に記録されているコンテンツを取得し、再生することができる。また、放送受信装置100は、再生したオーディオ信号及び映像信号を、インターフェースにより接続される機器に出力することが出来る。
【0053】
また、放送受信装置100がインターフェースを介してネットワークに接続される場合、放送受信装置100は、ネットワーク上の動画のコンテンツデータを取得し、再生することができる。
【0054】
またさらに、放送受信装置100は、ハードディスク(HDD)、ソリッドステイトディスク(SSD)、または半導体メモリなどの記憶装置を備えていても良い。この記憶装置が動画のコンテンツデータを記憶する場合、放送受信装置100は、この記憶装置に記憶されているコンテンツを読み出し、再生することが出来る。また、放送受信装置100は、この記憶装置に例えば放送信号、またはネットワークなどにより供給されるコンテンツを記憶することができる。
【0055】
また、音声処理部121は、音響制御部(図示せず)を備えている。音響制御部は、音声処理部121により再生されたオーディオ信号に対して補正を施す。これにより、音響制御部は、ユーザにとってより聞き取りやすい音がスピーカ300から再生されるようにオーディオ信号を制御する。例えば、音響制御部は、環境音入力端子124から供給された環境音と再生オーディオ信号に基づいて、周波数毎に再生オーディオ信号を補正することができる。
【0056】
図2は電源制御部180及びその周辺構成の一例を示す模式図である。この電源制御部180は、リレースイッチ181、第1の電源回路182、蓄電源部184、PFC(Power Factor Correction)回路185、第2の電源回路186、ACスイッチ188及び節電制御部190を備えている。
【0057】
ここで、リレースイッチ181は、電源回路182,186に対する電力の供給をオン状態又はオフ状態に切り替える切替手段を構成している。具体的には、リレースイッチ181は、宅内コンセント等の外部電源500と、第1の電源回路182及びPFC回路185との間の経路を開閉するための接点を有する開閉部品である。このリレースイッチ181が、電源制御IC192から入力される制御信号に基づいて接点を開閉することで、外部電源500からの電力の供給のオン/オフが切り替えられる。本実施形態では、このリレースイッチ181にラッチングリレーを適用した例を説明する。ラッチングリレーとは、接点が閉(供給のオン)の状態(セット状態)と、接点が開(供給のオフ)の状態(リセット状態)との2つの状態を、それぞれの状態とするための制御信号が印加されていない状態においても維持することができるリレーである。
【0058】
第1の電源回路182は、外部電源500から電力を供給されて動作する。具体的には、第1の電源回路182は、リレースイッチ181を介して供給される電力に対して、AC/DC(direct current)変換やDC/DC変換などの電圧変換処理を施して所定電圧値の電力を生成する。そして第1の電源回路182は、生成した電力を蓄電源部184、制御部150及び電源制御IC192へ供給する。なお、第1の電源回路182が生成する電力の電圧値は、制御部150及び節電制御部190に関するものであるため、第2の電源回路186が生成する電力の電圧値よりも低い値となっている。
【0059】
蓄電源部184は、外部電源500から供給された電力を蓄電する。具体的には、蓄電源部184は、図示しない充電制御部及び充電電源を備えている。充電制御部は、リレースイッチ181がオンに切り替えられている場合、第1の電源回路182から供給された電力に基づいて充電電源を充電する充電処理を実行して充電電源を生成する。充電制御部は、リレースイッチ181がオフに切り替えられている場合、充電処理の実行を停止する。また充電制御部は、リレースイッチ181がオンに切り替えられていても充電電源が所定量以上充電されている場合、充電処理の実行を停止すると共に充電電源へ電力を供給する。
【0060】
充電電源は、リレースイッチ181がオンに切り替えられている場合、充電制御部が実行する充電処理により充電され、リレースイッチ181がオフに切り替えられている場合、電源制御IC192に電力を供給する。これにより、電力制御IC192は、電力の供給がオフ状態のときの待機電力がほぼゼロに抑制されている。この充電電源は、リレースイッチ181がオンに切り替えられている場合、充電制御部による充電処理により所定量以上充電された状態では、充電されなくなると共に電力を電源制御IC192に供給するように動作する。充電電源には、所定容量の電気2重層コンデンサなどが適用可能となっている。なお、充電電源としては、例えばキャパシタが使用可能であるが、蓄電できるものであればキャパシタでなくてもよい。
【0061】
PFC回路185は、リレースイッチ181を介して供給される電力に対して、力率改善のための波形変換処理を施して電力を生成する。そしてPFC回路185は、生成した電力を第2の電源回路185へ供給する。また、制御部150によりオン/オフ制御される。
【0062】
第2の電源回路186は、外部電源500から電力を供給されて動作する。具体的には、第2の電源回路186は、PFC回路185を介して供給される電力に対して、AC/DC変換やDC/DC変換などの電圧変換処理を施して所定電圧値の電力を生成する。そして第2の電源回路186は、生成した電力を制御部150及び節電制御部190以外の放送受信装置100の各部に供給する。なお、第2の電源回路186が生成する電力の電圧値は、制御部150及び節電制御部190以外の各部に関するものであるため、第1の電源回路182が生成する電力の電圧値よりも高い値となっている。
【0063】
ACスイッチ188は、リレースイッチ181に電気的に並列に接続され、ユーザのオン/オフ操作により、リレースイッチ181の開閉状態とは無関係に、外部電源500と、第1の電源回路182及びPFC回路185との間の経路を開閉する。補足すると、ACスイッチ188は、蓄電源部184から供給される電力が低くて電源制御IC192がリレースイッチ181を制御できない場合に用いられる復帰スイッチである。
【0064】
なお、ユーザが操作する別のスイッチとしては、主電源ボタン187がある。主電源ボタン187は、前述した操作入力部161の一部であり、放送受信装置100の電源のオン/オフを切り替えるための操作キーである。具体的には、主電源ボタン187は、ユーザのオン/オフ操作に応じて、オン要因検出信号又はオフ要因検出信号を制御部150及び節電制御部190に入力する。
【0065】
節電制御部190は、第2の受光部191及び電源制御IC192を備えている。
【0066】
第2の受光部191は、例えば、リモートコントローラ163からの操作信号を受信するセンサなどを備えている。第2の受光部191は、受信した操作信号のうち、ユーザのオフ操作を示す操作信号をオフ要因として検出すると、オフ要因検出信号を電源制御IC192に送出する。なお、オフ要因は、電力の供給をオフ状態に切り替える要因である。同様に、第2の受光部191は、受信した操作信号のうち、ユーザのオン操作を示す操作信号をオン要因として検出すると、オン要因検出信号を電源制御IC192に送出する。オン要因は、電力の供給をオン状態に切り替える要因である。
【0067】
図3は電源制御IC192の構成を示す模式図である。この電源制御IC192は、電力の供給がオン状態のときには電源500から電力を供給されて動作し、電力の供給がオフ状態のときには蓄電源部184から電力を供給されて動作する第2制御手段として機能する。第2制御手段は、第2の受光部191がオン要因またはオフ要因を検出すると、所定時間(遮断時間)経過後に状態監視信号と当該オン要因またはオフ要因とが一致するか判別し、一致しない場合には切替制御手段(リレー制御回路203)が切替手段(リレースイッチ181)を制御する。第2制御手段の具体例として、電源制御IC192は、第1のレジスタ193_off、第2のレジスタ194_on、第1のカウンタ195_off、第2のカウンタ196_on、ステータス信号生成部197、セレクタ198、状態比較回路201、マスク回路202、リレー制御回路203を備えている。この具体例の場合、第2制御手段(電源制御IC192)においては、第2の受光部191がオン要因またはオフ要因を検出すると、遮断時間経過後に状態監視信号と、当該オン要因またはオフ要因に対応するステータス信号とが一致するかを比較結果信号に基づいて判別し、一致しない場合にはリレー制御回路203がリレースイッチ181を制御する。
【0068】
ここで、第1のレジスタ193_offは、制御部150から予め遮断時間が設定される。第1のレジスタ193_offに設定される遮断時間は、オン状態からオフ状態に切り替える途中の一時的な不一致の期間よりも長い時間となっている。
【0069】
第2のレジスタ194_onは、制御部150から予め遮断時間が設定される。第2のレジスタ194_onに設定される遮断時間は、オフ状態からオン状態に切り替える途中の一時的な不一致の期間よりも長い時間となっている。
【0070】
第1のカウンタ195_offは、第2の受光部191から送出されたオフ要因検出信号を受けると、第1のレジスタ193_offに予め設定された遮断時間を計測する。
【0071】
第2のカウンタ196_onは、第2の受光部191から送出されたオン要因検出信号を受けると、第2のレジスタ194_onに予め設定された遮断時間を計測する。
【0072】
ここで、レジスタ193_off,194_on及びカウンタ195_off,196_onは、計測手段を構成している。
【0073】
ステータス信号生成部197は、第2の受光部191から送出されたオン要因検出信号又はオフ要因検出信号に応じて、電力の供給のオン状態又はオフ状態を示すステータス信号を生成し、当該ステータス信号を状態比較回路201に送出する。
【0074】
セレクタ198は、制御部150から受けるセレクト信号に応じて、第1のカウンタ195_offの出力信号又は第2のカウンタ196_onの出力信号をマスク回路202に送出する。なお、セレクタ198は、任意の付加的事項であり、省略しても良い。
【0075】
状態比較回路201は、ステータス信号生成部197から送出されたステータス信号が示すオン状態又はオフ状態と、第1の電源回路182の出力信号線の一部から伝送された状態監視信号が示すオン状態又はオフ状態とを比較し、比較した結果を示す比較結果信号をマスク回路202に送出する。なお、状態監視信号としては、第1の電源回路182に限らず、第2の電源回路186のオン状態又はオフ状態を示す信号としてもよい。この場合、第2の電源回路186の出力信号線の一部から伝送されてもよい。また、状態監視信号は、制御部150から伝送されてもよい。また、「ステータス信号が示すオン状態又はオフ状態と、状態監視信号が示すオン状態又はオフ状態とを比較」の表現は、「オフ状態のステータス信号と、オン状態又はオフ状態の状態監視信号とを比較」の表現に読み替えてもよい。
【0076】
また、状態比較回路201としては、例えば、EXOR回路などを用いてもよい。この場合、状態比較回路201としては、比較結果が不一致を示すときに“High”レベルの比較結果信号をマスク回路202に送出するように構成してもよい。
【0077】
マスク回路202は、カウンタ195_off又は196_onによる遮断時間の計測中、状態比較回路201から送出された比較結果信号を遮断し、遮断時間の計測完了後、比較結果信号をリレー制御回路203に通過させる。
【0078】
なお、マスク回路202としては、例えば、AND回路、ゲート回路又はディレー回路などの遮断手段を適宜、用いてもよい。例えばAND回路の場合、カウンタ195_off又は196_onの出力信号COが“0”の期間は比較結果信号をマスクすることにより、リレー制御回路203から制御信号を出力させないようにしてもよい。
【0079】
リレー制御回路203は、マスク回路202を通過した比較結果信号に基づいて、比較した2つの状態が不一致の場合には、2つの状態を一致させるようにリレースイッチ181を制御する。
【0080】
なお、リレー制御回路203は、比較した2つの状態が不一致の場合、電力の供給を強制的にオン状態又はオフ状態とするようにリレースイッチ181を制御してもよい。
【0081】
ここで、比較した2つの状態が不一致で電力の供給を強制的にオン状態にする場合、放送受信装置100の異常原因をリモートコントローラ163又は操作入力部161の操作などにより、検査及び修理することが可能となる。比較した2つの状態が不一致で電力の供給を強制的にオフ状態にする場合、放送受信装置100の異常に伴う発熱や焼損などを防ぐことができる。
【0082】
また、リレー制御回路203は、比較した2つの状態が不一致の場合、ステータス信号がオフ状態を示すときには電力の供給をオン状態又はオフ状態とするようにリレースイッチ181を制御してもよい。また、リレー制御回路203は、比較した2つの状態が不一致の場合、ステータス信号がオン状態を示すときには電力の供給をオン状態とするようにリレースイッチ191を制御してもよい。
【0083】
なお、リレー制御回路203によるリレースイッチのオンオフ制御の内容は、システムに応じて変更することも可能である。
【0084】
また、電源制御IC192は、リレー制御回路203によってリレースイッチをオン状態に制御した場合には、リレースイッチ181を介して電源500から電力を供給されて動作する制御部150に対してオン要因検出信号を送出する送出部(図示せず)を更に備えてもよい。
【0085】
次に、以上のように構成された放送受信装置におけるリレー制御方法について図4乃至図7を用いて説明する。始めに、初期設定時の動作を述べる。
【0086】
放送受信装置100内の電源制御IC192においては、初期設定時に、ユーザの操作に応じて制御部150からそれぞれ遮断時間が各レジスタ193_off,194_onに設定される。ここで、各遮断時間は、互いに同一の値でもよく、互いに異なる値でもよい。遮断時間としては、例えば15秒以内の時間が好ましい。初期設定の完了後、電源制御IC192は使用可能となる。但し、初期設定を行わない場合を考慮し、遮断時間のデフォルト値を予めレジスタ193_off,194_onに設定しておいてもよい。
【0087】
次に、通常状態からオフ状態への切り替え動作を図4及び図5を用いて説明する。
【0088】
いま、放送受信装置100は、オン状態で動作中の通常状態であるとする(ST1)。通常状態では、時刻t0に示すように、状態監視信号は“オン状態”、オフ要因検出信号は“0”、ステータス信号は“オン状態”、第1のカウンタ195_offの出力信号COは“0”、制御信号は“オン状態”となっている。
【0089】
通常状態において、第2の受光部191は、リモートコントローラ163から受信した操作信号のうち、ユーザのオフ操作を示す操作信号をオフ要因として検出すると、オフ要因検出信号を電源制御IC192内のステータス信号生成部197及び第1のカウンタ195_offに送出する(ST2〜ST3;時刻t1)。
【0090】
この時刻t1においては、同様に、第1の受光部162は、リモートコントローラ163から受信した操作信号のうち、ユーザのオフ操作を示す操作信号をオフ要因として検出すると、オフ要因検出信号を制御部150に送出する。制御部150は、このオフ要因検出信号に応じて、オフ要因検出信号を示すセレクト信号を電源制御IC192内のセレクタ198に送出すると共に、電源回路182,186及びPFC回路185をオフ状態に制御する。これにより、電源回路182,186及びPFC回路185は、時刻t1から少し遅れてオフ状態に移行する(時刻t2)。
【0091】
一方、ステータス信号生成部197は、時刻t1に送出されたオフ要因検出信号に応じて、電力の供給のオフ状態を示すステータス信号を生成し(ST4)、当該ステータス信号を状態比較回路201に送出する。
【0092】
状態比較回路201は、送出されたステータス信号が示すオフ状態と、第1の電源回路182の出力信号線の一部から伝送された状態監視信号が示すオン状態又はオフ状態とを比較し、比較した結果を示す比較結果信号をマスク回路202に送出する(ST5〜ST6)。
【0093】
他方、第1のカウンタ195_offは、時刻t1に送出されたオフ要因検出信号を受けると、第1のレジスタ193_offに予め設定された遮断時間の計測を開始する(ST7)。
【0094】
マスク回路202は、第1のカウンタ195_offによる遮断時間の計測中、状態比較回路201から送出された比較結果信号を遮断する(ST8)。
【0095】
遮断時間の計測完了後、第1のカウンタ195_offは、遮断時間の計測完了を示す“High”レベルの出力信号COをマスク回路202に送出する(時刻t3)。
【0096】
マスク回路202は、時刻t3に送出された出力信号COを受けると、比較結果信号をリレー制御回路203に通過させる。なお、時刻t3以降の比較結果信号は、図5に示すように、オフ状態のステータス信号と、オフ状態の状態監視信号とが一致している旨を示している。
【0097】
リレー制御回路203は、マスク回路202を通過した比較結果信号に基づいて、オフ状態のステータス信号と、オフ状態の状態監視信号とが一致しているかを判別し、ここでは一致しているため、電力の供給をオフ状態にするようにリレースイッチ181を制御する(ST9;時刻t4)。具体的には、リレー制御回路203は、電力の供給をオフ状態に切り替える制御信号をリレースイッチ181に送出する。
【0098】
リレースイッチ181は、この制御信号に応じて、外部電源500と、第1の電源回路182及びPFC回路185との間の経路を開くことにより、外部電源500からの電力の供給をオフ状態に切り替える。
【0099】
電力の供給がオフ状態のとき、電源制御IC192は、蓄電源部184から電力を供給されて動作する。
【0100】
なお、リレー制御回路203は、比較結果信号がステータス信号と状態監視信号との不一致を示す場合には、システム動作と節電制御部190との間に異常が発生しているので、比較した2つの信号の状態を一致させるようにリレースイッチ181を制御する。例えば、電力の供給を強制的にオン状態又はオフ状態とするようにリレースイッチ181を制御してもよい。
【0101】
次に、オフ状態からオン状態(通常状態)への切り替え動作を図6及び図7を用いて説明する。
【0102】
いま、放送受信装置100は、電力の供給がオフ状態であるとする(ST11)。オフ状態では、電源制御IC192以外の各部の動作が停止している。オフ状態では、時刻t10に示すように、状態監視信号は“オフ状態”、オフ要因検出信号は“0”、ステータス信号は“オフ状態”、第2のカウンタ196_onの出力信号COは“0”、制御信号は“オフ状態”となっている。
【0103】
オフ状態において、第2の受光部191は、リモートコントローラ163から受信した操作信号のうち、ユーザのオン操作を示す操作信号をオン要因として検出すると、オン要因検出信号を電源制御IC192内のステータス信号生成部197及び第2のカウンタ196_onに送出する(ST12〜ST13;時刻t11)。
【0104】
この時刻t11においては、同様に、第1の受光部162は、リモートコントローラ163から受信した操作信号のうち、ユーザのオン操作を示す操作信号をオン要因として検出すると、オン要因検出信号を制御部150に送出する。しかしながら、制御部150は、電力の供給がオフ状態のため、動作しない。セレクタ198は、制御部150からセレクト信号を受けていないため、第2のカウンタ196_onの出力信号線とマスク回路202の入力信号線とを接続するように動作する。
【0105】
一方、ステータス信号生成部197は、時刻t11に送出されたオン要因検出信号に応じて、電力の供給のオン状態を示すステータス信号を生成し(ST14)、当該ステータス信号を状態比較回路201に送出する。
【0106】
状態比較回路201は、送出されたステータス信号が示すオン状態と、第1の電源回路182の出力信号線の一部から伝送された状態監視信号が示すオン状態又はオフ状態とを比較し、比較した結果を示す比較結果信号をマスク回路202に送出する(ST15〜ST16)。
【0107】
他方、第2のカウンタ196_onは、時刻t11に送出されたオフ要因検出信号を受けると、第2のレジスタ194_onに予め設定された遮断時間の計測を開始する(ST17)。
【0108】
マスク回路202は、第2のカウンタ196_onによる遮断時間の計測中、状態比較回路201から送出された比較結果信号を遮断する(ST18)。
【0109】
遮断時間の計測完了後、第2のカウンタ196_onは、遮断時間の計測完了を示す“High”レベルの出力信号COをマスク回路202に送出する(時刻t12)。
【0110】
マスク回路202は、時刻t12に送出された出力信号COを受けると、比較結果信号をリレー制御回路203に通過させる。なお、時刻t12直後の比較結果信号は、図5に示すように、オン状態のステータス信号と、オフ状態の状態監視信号が示すオフ状態とが一致しない旨を示している。
【0111】
リレー制御回路203は、マスク回路202を通過した比較結果信号に基づいて、オン状態のステータス信号と、オフ状態の状態監視信号とが一致しているかを判別し、ここでは一致していないため、電力の供給をオン状態にするようにリレースイッチを制御する(ST19;時刻t13)。具体的には、リレー制御回路203は、電力の供給をオン状態に切り替える制御信号をリレースイッチ181に送出する。
【0112】
リレースイッチ181は、この制御信号に応じて、外部電源500と、第1の電源回路182及びPFC回路185との間の経路を閉じることにより、外部電源500からの電力の供給をオン状態に切り替える。これにより、放送受信装置130内の第1の電源回路182、制御部150及び電源制御IC192を含む各部は、電源500から電力を供給されて動作する(時刻t14)。
【0113】
この時刻t14においては、電源制御IC192内の送出部(図示せず)は、時刻t11で受けたオン要因検出信号を制御部150に送出する。制御部150は、このオン要因検出信号に応じて、電源回路186及びPFC回路185をオン状態に制御する。これにより、電源回路186及びPFC回路185は、時刻t14から少し遅れてオン状態に移行する。
【0114】
上述したように本実施形態によれば、第2の受光部191がオン要因またはオフ要因を検出すると、遮断時間経過後に状態監視信号と、当該オン要因またはオフ要因に対応するステータス信号とが一致するかを比較結果信号に基づいて判別し、一致しない場合にはリレー制御回路203がリレースイッチ181を制御する。
【0115】
具体的には、カウンタ196_on又は195_offが、オン要因検出信号又はオフ要因検出信号を受けると、予め設定された遮断時間を計測し、マスク回路202が、遮断時間の計測完了後、比較結果信号を通過させ、リレー制御回路203が、通過した比較結果信号に基づいて、比較した2つの信号が一致するかを判別し、一致しない場合には、2つの状態を一致させるようにリレースイッチ181を制御する構成により、オン状態とオフ状態とを切り替える途中の一時的な不一致に基づく誤認識を阻止し、電力供給のオン状態とオフ状態とを切り替える制御の安定性を向上させることができる。
【0116】
補足すると、実際に電源が切れてから数秒後に監視、比較結果を出力する構成により、実際のシステムの電源の状態を見間違えることなく、比較結果に基づく切り替え制御を実行することができる。このため、状態を誤認識して、常にリレーをオンし続けるようなことがない。
【0117】
また、リレー制御回路203は、比較した2つの状態が不一致で電力の供給を強制的にオン状態にする場合、放送受信装置100の異常原因をリモートコントローラ163又は操作入力部161の操作などにより、検査及び修理することが可能となる。比較した2つの状態が不一致で電力の供給を強制的にオフ状態にする場合、放送受信装置100の異常に伴う発熱や焼損などを防ぐことができる。
【0118】
また、電源回路182,186がオン状態のとき、電源回路186から電力を供給されて画面の表示処理を実行する表示処理部133を備えた構成により、電子機器の電力供給がオン状態であることをユーザに容易に認識させることができる。
【0119】
なお、各実施形態は、電源状態監視装置を備えた電子機器として、放送受信装置100を例として説明したが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、携帯型移動端末装置、HDD/光ディスクレコーダなどの任意の電子機器に電源状態監視装置を備えた構成としてもよい。また、地上放送や衛星放送だけでなく、ラジオ放送やインターネット又はケーブルネットワーク等を用いた有線放送などを受信するセットトップボックスなどを例とした実施形態であってもよい。さらには各実施形態に係る電源状態監視装置が、様々な電子機器に供給電源を供給するための電源アダプタなどに適用されてもよい。
【0120】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
100…放送受信装置、110…放送入力端子、111…チューナ、112…復調部、113…信号処理部、114…通信インターフェース、121…音声処理部、131…映像処理部、132…OSD処理部、133…表示処理部、150…制御部、151…CPU、152…ROM、153…RAM、154…EEPROM、161…操作入力部、162…第1の受光部、163…リモートコントローラ、164…カードコネクタ、165…メモリカード、166…USBコネクタ、167…USB機器、170…ディスクドライブ、180…電源制御部、181…リレースイッチ、182…第1の電源回路、184…蓄電源部、185…PFC回路、186…第2の電源回路、188…ACスイッチ、190…節電制御部、191…第2の受光部、192…電源制御IC、193_off…第1のレジスタ、194_on…第2のレジスタ、195_off…第1のカウンタ、196_on…第2のカウンタ、197…ステータス信号生成部、198…セレクタ、200…アンテナ、201…状態比較回路、202…マスク回路、203…リレー制御回路、300…スピーカ、400…ディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電力を供給されて動作する電源回路と、
前記電源回路に対する前記電力の供給をオン状態又はオフ状態に切り替える切替手段と、
前記電力の供給をオン状態に切り替えるオン要因および前記電力の供給をオフ状態に切り替えるオフ要因を検出する検出手段と、
前記電源回路より電力を供給されて動作する第1制御手段であって、前記検出手段の検出結果に基づいて、所定処理を実行する前記第1制御手段と、
前記電源から供給された電力を蓄電する蓄電手段と、
前記電力の供給がオン状態のときには前記電源から電力を供給されて動作し、前記電力の供給がオフ状態のときには前記蓄電手段から電力を供給されて動作する第2制御手段とを具備し、
前記第1制御手段は、自身が前記所定処理を実行するためのオン状態又はオフ状態を示す状態監視信号を第2制御手段に伝送し、
前記第2制御手段は、
前記切替手段を制御する切替制御手段を有し、
前記検出手段が前記オン要因またはオフ要因を検出すると、所定時間経過後に前記状態監視信号と前記オン要因またはオフ要因とが一致するか判別し、一致しない場合には前記切替制御手段が前記切替手段を制御する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記切替制御手段は、前記電力の供給を強制的にオン状態又はオフ状態とするように前記切替手段を制御する電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記切替制御手段は、前記検出手段がオフ要因を検出したときには前記電力の供給をオン状態又はオフ状態とするように前記切替手段を制御し、前記検出手段がオン要因を検出したときには前記電力の供給をオン状態とするように前記切替手段を制御する電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記電源回路がオン状態のとき、前記電源回路から電力を供給されて画面の表示処理を実行する表示処理手段を更に備えた電子機器。
【請求項5】
電源から電力を供給されて動作する電源回路と、前記電源回路に対する前記電力の供給をオン状態又はオフ状態に切り替える切替手段とを備えた電子機器が実行する切替制御方法であって、
前記電力の供給をオン状態に切り替えるオン要因又は前記電力の供給をオフ状態に切り替えるオフ要因を検出する検出ステップ、
前記電源回路より電力を供給されて動作し、前記検出手段の検出結果に応じて、所定処理を実行する第1制御ステップと、
前記電源から供給された電力を蓄電する蓄電ステップと、
前記電力の供給がオン状態のときには前記電源から電力を供給されて動作し、前記電力の供給がオフ状態のときには前記蓄電手段から電力を供給されて動作する第2制御ステップとを備え、
前記第1制御ステップは、
自身が前記所定処理を実行するためのオン状態又はオフ状態を示す状態監視信号を第2制御手段に伝送する伝送ステップを備え、
前記第2制御ステップは、
前記検出手段が前記オン要因またはオフ要因を検出すると、所定時間経過後に前記状態監視信号と前記オン要因またはオフ要因とが一致するか判別し、一致しない場合には前記切替手段を制御する切替制御ステップと、
を備えた切替制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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