説明

電子機器及び制御信号送信方法

【課題】シンク機器とHDMI接続されているとき、電源をオフする際にシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上した電子機器及び制御信号送信方法を提供する。
【解決手段】電子機器は、HDMI規格に従うシンク機器とHDMI接続可能な電子機器であって、前記シンク機器とHDMI接続されている際、アクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段と、前記シンク機器とHDMI接続されている際、前記電子機器の電源をオフする場合に、前記電子機器がアクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信し、非アクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信しない制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)等によるデジタルインタフェースにより表示装置等のシンク機器と接続可能な電子機器及び制御信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内のデジタル機器用のデジタルインタフェース規格としてHDMIが普及している。HDMI規格に準拠したシステムは、映像音声信号を送信するソース(Source)機器と、映像音声信号を受信するシンク(Sink)機器とがHDMIケーブルで接続されて構成される。従来は表示装置と外部機器間の接続には映像信号、音声信号の各信号用の複数のケーブルを用いていたが、HDMIではケーブル1本で伝送可能である。
【0003】
また、HDMI規格では、機器間の相互の制御信号を双方向に伝送させるための制御プロトコルであるCEC(Consumer Electronics Control)が規定されており、例えば、デジタルテレビ、プロジェクタ等の映像音声信号の受信側であるシンク機器と、STB(Set Top Box)やDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ等の映像音声信号の供給側であるソース機器との間で、制御信号を相互に送受信することによって、一つのリモコン(例えばデジタルテレビのリモコン)でシステム全体の動作をコントロールすることも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−188727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CEC機能によって接続された機器同士の連動機能が実現されるようになったが、この中の一つの機能としてシステムスタンバイ(System Standby)機能がある。この機能は、例えば、シンク機器の電源をオフ(off、遮断)にするとき、シンク機器がシステムスタンバイコマンドを発行し、HDMI接続されたソース機器も連動して電源がオフとなる機能である。ソース機器の電源の切り忘れなどを防止できる。但しレコーダ等のソース機器が録画等の動作を継続中である場合などは、電源がオフとなることはない。なお、電源がオフとなるとは、詳細にはシンク機器あるいはソース機器が動作状態から待機状態になるということである。また、電源がオンとなるとは、待機状態から動作状態になるということである。
【0006】
逆にソース機器の電源をオフにしたときシンク機器の電源がオフとなる機能も考えられる。しかしながら、シンク機器に接続されている他のソース機器が動作中で、シンク機器が他の動作中のソース機器の再生信号を受信し、そのデータを再生しているときにシンク機器の電源がオフしてしまっては都合が悪い。
【0007】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、シンク機器とHDMI接続されているとき、電源をオフする際にシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上した電子機器及び制御信号送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、電子機器は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)規格に従うシンク機器とHDMI接続可能な電子機器であって、前記シンク機器とHDMI接続されている際、アクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段と、前記シンク機器とHDMI接続されている際、前記電子機器の電源をオフする場合に、前記電子機器がアクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信し、非アクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信しない制御手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の構成の一例を示すブロック図。
【図2】アクティブ判定手段の動作手順の一例を示すフローチャート。
【図3】電源制御に関するコマンドの発行動作手順の一例を示すフローチャート。
【図4】光ディスクレコーダとデジタルテレビの概観を示した斜視図。
【図5】光ディスクレコーダの構成の例を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態のシステム構成の一例を示すブロック図である。ソース機器1とシンク機器6がHDMIケーブル10を介して接続されている。HDMIケーブル10の両端はソース機器1のHDMI端子5とシンク機器6のHDMI端子9に接続されている。
【0011】
ソース機器1は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、BD(Blu-ray(登録商標))レコーダ等の記録再生機器、チューナ、STB、DVDプレーヤ、BDプレーヤ等の再生機器のような映像音声信号を送信する電子機器である。
【0012】
ソース機器1は、HDMI規格およびHDMI CEC規格に準拠し、HDMI CEC制御手段2、アクティブ状態判定手段3、電源制御手段4、HDMI端子5を有する。HDMI CEC制御手段2は、HDMI規格に準拠した制御を行い、HDMI端子5に接続されたシンク機器6とHDMI CEC信号による通信を行う。
【0013】
アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1がシンク機器6とHDMI接続されているとき、ソース機器1がアクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段である。ソース機器1がアクティブ状態と判定される状態は複数あり、例えば、ソース機器1の電源スイッチをオンにして電源をオン(on、投入)した場合や記録媒体に記録されたデータの再生を開始した場合にアクティブ状態であると判定される。アクティブ状態判定手段3とHDMI CEC制御手段2の間はアクティブ制御信号が伝送される。
【0014】
電源制御手段4は、ソース機器1の電源のオン/オフを含む電源関連の制御を行う。電源制御手段4からHDMI CEC制御手段2へ、電源がオン、オフしたときにそれぞれオン、オフの電源制御信号が伝達される。
【0015】
シンク機器6は、例えば、デジタルテレビ、ディスプレイ装置等のデジタル映像音声信号を受信して再生する表示装置である。シンク機器6は、HDMI規格およびHDMI CEC規格に準拠し、HDMI CEC制御手段7、電源制御手段8、HDMI端子9を有する。HDMI端子9は複数設置される場合がある。
【0016】
HDMI CEC制御手段7は、HDMI規格に準拠した制御を行い、HDMI端子9に接続されたソース機器1とHDMI CEC信号による通信を行う。電源制御手段8は、シンク機器6の電源のオン/オフを含む電源関連の制御を行う。シンク機器6には、ソース機器1以外の複数のソース機器が接続される場合もある。
【0017】
HDMI規格によれば、シンク機器6に1個または複数のソース機器が接続された状態で、シンク機器6が入力先のソース機器を切替えた際にRoutingChangeコマンドもしくはSetStreamPathコマンドを接続されている各ソース機器へ送信する。
【0018】
ここでSetStreamPathコマンド内のアドレスがソース機器1のアドレスと一致していれば、ソース機器1はアクティブ状態となりActiveSourceコマンドをシンク機器6およびシンク機器6に接続された他のソース機器へ送信する。SetStreamPathコマンド内のアドレスがソース機器1のアドレスと一致していなければ、ソース機器1は非アクティブ状態となる。
【0019】
RoutingChangeコマンド内のNewアドレスがソース機器のアドレスのパスと異なる場合には、ソース機器1は非アクティブ状態となる。
【0020】
シンク機器6が有するチューナによる映像信号をシンク機器6の画面に表示する場合は、シンク機器6はActiveSourceコマンドを接続されている各ソース機器へ送信する。また、シンク機器6に接続されたソース機器の一つがアクティブ状態になった場合にはそのソース機器からActiveSourceコマンドがシンク機器6および各ソース機器へ送信される。シンク機器6はActiveSourceコマンドを受信した場合に、入力先をActiveSourceコマンドを送信したソース機器に切替える。ソース機器1以外のソース機器がアクティブ状態になり、ソース機器1がActiveSourceコマンドを受信した場合には、ソース機器1は非アクティブ状態となる。
【0021】
図2は、アクティブ状態判定手段3の動作手順の一例を示すフローチャートである。アクティブ状態判定手段4は、ソース機器1がアクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段である。アクティブ判定手段3は、HDMI CEC制御手段2からアクティブ制御信号を受信して判定し、その状態を保持する。
【0022】
S11において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1の電源がオフからオンに変化したかを判定し、変化したならばS17へ移ってアクティブ状態であるとして保持する。変化していないならば、S12へ移る。HDMI CEC制御手段2は、電源制御手段4から電源のオフ/オンの状態の情報を受けて、アクティブ状態判定手段3に送信する。
【0023】
S12において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1が記録媒体に記録されたデータの再生を開始したかを判定し、再生開始したならばS17へ移ってアクティブ状態であるとして保持する。再生開始していないならば、S13へ移る。HDMI CEC制御手段2は、記録媒体に記録されたデータの再生状況をアクティブ状態判定手段3に送信する。
【0024】
S13において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1が受信したSetStreamPathコマンドのアドレスがソース機器1のアドレスと一致したかを判定し、一致したならばS17へ移ってアクティブ状態であるとして保持する。コマンドを受信していないもしくは一致していないならば、S14へ移る。HDMI CEC制御手段2は、SetStreamPathコマンドのアドレス情報をアクティブ状態判定手段3に送信する。あるいは、HDMI CEC制御手段2は、SetStreamPathコマンドのアドレス情報が一致したことをアクティブ状態判定手段3に送信してもよい。
【0025】
S14において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1がActiveSourceコマンドを受信したかを判定し、受信したならばS18へ移って非アクティブ状態であるとして保持する。受信していないならば、S15へ移る。HDMI CEC制御手段2は、ActiveSourceコマンドの受信情報をアクティブ状態判定手段3に送信する。
【0026】
S15において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1が受信したSetStreamPathコマンドのアドレスがソース機器1のアドレスと一致していないかを判定し、一致していないならばS18へ移って非アクティブ状態であるとして保持する。コマンドを受信していないもしくは一致していたならば、S16へ移る。HDMI CEC制御手段2は、SetStreamPathコマンドのアドレス情報をアクティブ状態判定手段3に送信する。
【0027】
S16において、アクティブ状態判定手段3は、ソース機器1が受信したRoutingChangeコマンドのNewアドレスがソース機器1のパスと一致していないかを判定し、一致していないならばS18へ移って非アクティブ状態であるとして保持する。一致していたならば、終了する。HDMI CEC制御手段2は、RoutingChangeコマンドのアドレス情報をアクティブ状態判定手段3に送信する。
【0028】
図2に示したフローチャートにおいて、アクティブ状態判定手段3がアクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定条件の例を示したが、図2に示した判定条件以外にも複数の判定条件があるが、これ以上の判定条件の例については説明を省略する。
【0029】
ソース機器1がアクティブ状態であるとき、シンク機器6にHDMI接続された1個または複数のソース機器の中で、ソース機器1が入力先として選択されている。逆にソース機器1が非アクティブ状態であるとき、ソース機器1以外のソース機器が入力先として選択されているか、または、シンク機器6がアクティブ状態となっている。
【0030】
図3は、ソース機器1のHDMI CEC制御手段2の電源制御に関するコマンドの発行動作手順の一例を示すフローチャートである。HDMI CEC制御手段2は、ソース機器1の電源制御の状態を判定し、ソース機器1がアクティブ状態か非アクティブ状態かを判定して、シンク機器6に対する電源制御信号の発行の可否を決定する。電源制御信号は、例えば、HDMI規格におけるスタンバイコマンドである。システムスタンバイコマンドは、簡単にスタンバイ(Standby)コマンドとも呼ばれる。
【0031】
S21において、HDMI CEC制御手段2は、電源制御手段4から電源オフの情報が通知されたかを判定する。電源制御手段4は、ソース機器1の電源をオフする場合に電源オフ移行信号をHDMI CEC制御手段2に通知する。通知されたならば、S22へ移る。通知されていないならば、最初に戻って電源オフの情報が通知されたかを判定するステップを継続する。
【0032】
S22において、HDMI CEC制御手段2は、ソース機器1がアクティブ状態か非アクティブ状態かを判定する。HDMI CEC制御手段2は、アクティブ状態判定手段3が保持しているアクティブ状態か非アクティブ状態かの情報を取得して判定する。アクティブ状態であればS23へ移る。非アクティブ状態であれば、終了する。
【0033】
S23において、HDMI CEC制御手段2は、電源制御信号(スタンバイコマンド)をシンク機器6へ送信して終了する。
【0034】
シンク機器6のHDMI CEC制御手段7が電源制御信号(スタンバイコマンド)を受信し、HDMI CEC制御手段7がシンク機器6の電源制御手段8へシンク機器6の電源をオフする制御情報を伝送する。電源制御手段8はシンク機器6の電源をオフする。
【0035】
以上のように、ソース機器1のHDMI CEC制御手段2が、ソース機器1の電源がオフされる情報が通知されたかを判定し、通知されたならば、ソース機器1がアクティブ状態か非アクティブ状態かを判定して、アクティブ状態であれば、シンク機器6に対して電源制御信号(スタンバイコマンド)を送信し、非アクティブ状態であれば、電源制御信号(スタンバイコマンド)を送信しないようにする。
【0036】
ソース機器1がアクティブ状態であるとき、シンク機器6にHDMI接続された1個または複数のソース機器の中で、ソース機器1が入力先として選択されているため、シンク機器6の電源をオフにしても、利用者にとって不都合はなく、ソース機器の電源をオフする際にシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上する。
【0037】
ソース機器1が非アクティブ状態であるとき、ソース機器1の電源をオフとしてもシンク機器6の電源はオフとならず、ソース機器1以外のソース機器が入力先として選択された状態が継続される。従ってソース機器の電源をオフする際にシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上する。
【0038】
図4は、光ディスクレコーダ11とデジタルテレビ15の概観図である。ソース機器1として光ディスクレコーダ11を、シンク機器6としてデジタルテレビ15をそれぞれの例とした構成である。
【0039】
光ディスクレコーダ11は、光ディスクや内蔵されたHDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)等の記録装置に対して映像情報や音声情報を記録したり再生する記録再生装置である。光ディスクレコーダ11の筐体12の背面にはHDMI端子13が設置されている。
【0040】
リモコン14は赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用して、光ディスクレコーダ11の操作受信部へ操作信号を送る操作機器である。
【0041】
デジタルテレビ15は、筐体16と、筐体16を支持するスタンド17を備えている。筐体16は前面側に液晶パネルやPDPパネル等の表示パネル18が配置され、表示パネル18の背面側に表示パネル18を支持する図示しないフレームが配置されている。フレームには表示パネル18を駆動するための図示しない回路基板や電源回路が設置されている。筐体16の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面カバー19と、筐体16の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面カバー20とによって外面が囲まれている。画面21は、表示パネル18の前面カバー19の窓部19aの内側の表示部分である。デジタルテレビ15の筐体16の背面にはHDMI端子22が設置されている。
【0042】
リモコン23は赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用して、デジタルテレビ15の操作受信部へ操作信号を送る操作機器である。
【0043】
光ディスクレコーダ11のHDMI端子13とデジタルテレビ15のHDMI端子22の間はHDMIケーブル24によって接続されている。
【0044】
図5は、ソース機器1としての光ディスクレコーダ11の構成の例を示したブロック図である。アンテナ25は、放送局26から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。
【0045】
チューナ27は、地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ27は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。
【0046】
復調器28は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部29に出力される。
【0047】
デコード処理部29は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部29は、復調器28から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。また、デコード処理部29は、記録装置30から入力された映像データ及び音声データをデコードする。
【0048】
記録装置30は、HDD、SSDあるいはODD(Optical Disc Drive)等を含む記録手段である。記録装置30には情報を記録再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが記録再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSD或いはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理部29でデコードされる。
【0049】
重畳処理部31は、デコード処理部29からの映像データと、バス33を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御手段45によるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像音声出力部32に送る。
【0050】
映像音声出力部32は、HDMIの送受信のためのパケット処理、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)エンコーダ/デコーダ等の入出力ドライバの機能を含み、デコード処理部29あるいは重畳処理部31から送信された映像音声信号をHDMI端子13へ出力する。また、HDMI端子13に接続されたHDMIケーブルを介して送信されるシンク機器からのHDMI CEC信号を受信し、制御部34に伝送する。
【0051】
光ディスクレコーダ11は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御部34によって統括的に制御されている。制御部34はMPU(Micro Processing Unit)35が搭載されており、バス33を介して接続された各構成要素を制御する。
【0052】
RAM(Random Access Memory)36は、制御部34のデータ処理に必要な各種データを格納するリード/ライトメモリであり、映像データ等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)37は読出し専用メモリであり、MPU35が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0053】
フラッシュメモリ38は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ38は、録画番組情報、録画予約情報等を記憶する機能を有する。
【0054】
操作受信部39は、操作機器40から送信される操作信号を受信し、制御部34に転送する。操作機器40は、例えば、赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)14、図示しない有線式あるいは無線式の図示しないキーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信部39は、これらリモコン、キーボード等から操作信号を受信する。
【0055】
図5において、制御部34は、HDMI CEC制御手段41、アクティブ状態判定手段42、電源制御手段43、記録管理手段44、GUI制御手段45の機能を有する。これらの機能は、制御部34のMPU35が実行するアプリケーションであり、通常はROM37に格納されており、使用時にはMPU35によって読み出され実行される。
【0056】
HDMI CEC制御手段41は、HDMI規格に準拠した制御を行い、HDMI端子13に接続されたHDMIケーブルを介して例えばデジタルテレビ15のようなシンク機器とHDMI CEC信号による通信を行う。
【0057】
アクティブ状態判定手段42は、光ディスクレコーダ11が、例えばデジタルテレビ15のようなシンク機器とHDMIケーブル24によって接続されているとき、光ディスクレコーダ11がアクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段である。アクティブ状態判定手段42は、図2で示したアクティブ状態判定の動作手順のフローチャートに従ってアクティブ状態を判定する。
電源制御手段43は、光ディスクレコーダ11の電源回路46のオン/オフを含む電源関連の制御を行う。電源制御手段4からHDMI CEC制御手段2へ、電源がオン、オフしたときにオン、オフの電源制御信号がそれぞれ伝達される。
【0058】
記録管理手段44は、利用者の要求に基づいて設定された放送番組の予約情報を管理する。また、記録管理手段44は、予約された番組の記録処理、また視聴中の番組の記録処理を行う。さらに、記録管理手段44は、記録装置30に記録された番組を管理する。記録された番組の番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、記録時間、録画番組が再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ38、または記録装置30に記録し、録画番組の情報を管理する。記録管理手段44は、録画番組リストの生成、録画番組の再生や削除、編集等の処理を実行する。
【0059】
GUI制御手段45は、GUI(Graphical User Interface)データを生成し、この生成されたGUIデータはバス33を介して重畳処理部31へ送信される。重畳処理部31に送付されたGUIデータは、例えば放送番組の映像データに重畳処理されたり、あるいはGUI単独画面として処理され、映像音声出力部32へ伝送される。
【0060】
光ディスクレコーダ11のHDMI CEC制御手段41が、光ディスクレコーダ11の電源がオフされる情報が、通知されたかを判定し、通知されたならば、HDMI CEC制御手段41が光ディスクレコーダ11がアクティブ状態か非アクティブ状態かを判定して、アクティブ状態であれば、シンク機器(例えば、デジタルテレビ15)に対してスタンバイコマンドを送信し、非アクティブ状態であれば、スタンバイコマンドを送信しないようにする。
【0061】
HDMI CEC制御手段41は、図3で示した電源制御に関するHDMI CECコマンドの発行動作手順の一例を示すフローチャート従ってスタンバイコマンドを発行の可否を決定し、映像音声出力部32を介してシンク機器(例えば、デジタルテレビ15)に送信する。
【0062】
光ディスクレコーダ11がアクティブ状態であるとき、シンク機器(例えば、デジタルテレビ15)にHDMI接続された1個または複数のソース機器の中で、光ディスクレコーダ11が入力先として選択されているため、シンク機器(例えば、デジタルテレビ15)の電源をオフにしても、利用者にとって不都合はなく、光ディスクレコーダ11の電源をオフする際のシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上する。
【0063】
光ディスクレコーダ11が非アクティブ状態であるとき、光ディスクレコーダ11の電源をオフとしてもシンク機器(例えば、デジタルテレビ15)の電源はオフとならず、光ディスクレコーダ11以外のソース機器が入力先として選択された状態が継続される。従って光ディスクレコーダ11の電源をオフする際のシンク機器の電源制御に関する連動機能の使い勝手が向上する。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 ソース機器
2 HDMI CEC制御手段
3 アクティブ状態判定手段
4 電源制御手段
5 HDMI端子
6 シンク機器
7 HDMI CEC制御手段
8 電源制御手段
9 HDMI端子
10 HDMIケーブル
11 光ディスクレコーダ
13 HDMI端子
15 デジタルテレビ
22 HDMI端子
24 HDMIケーブル
29 デコード処理部
30 記録装置
32 映像音声出力部
34 制御部
35 MPU
41 HDMI CEC制御手段
42 アクティブ状態判定手段
43 電源制御手段
46 電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)規格に従うシンク機器とHDMI接続可能な電子機器であって、
前記シンク機器とHDMI接続されている際、アクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定する判定手段と、
前記シンク機器とHDMI接続されている際、前記電子機器の電源をオフする場合に、前記電子機器がアクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信し、非アクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信しない制御手段と
を有する電子機器。
【請求項2】
前記電源制御信号は、HDMI規格におけるスタンバイコマンドである請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記判定手段は、前記電子機器の電源がオフからオンに変化したときアクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記判定手段は、前記電子機器が記録媒体に記録されたデータの再生を開始したならばアクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記判定手段は、前記電子機器が受信したSetStreamPathコマンドのアドレスが前記電子機器のアドレスと一致したならばアクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記判定手段は、前記電子機器がActiveSourceコマンドを受信したならば非アクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記判定手段は、前記電子機器が受信したSetStreamPathコマンドのアドレスが前記電子機器のアドレスと一致していないならば非アクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記判定手段は、前記電子機器が受信したRoutingChangeコマンドのNewアドレスが前記電子機器のパスと一致していないならば非アクティブ状態と判定する請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)規格に従うシンク機器とHDMI接続可能な電子機器の制御信号送信方法であって、
前記シンク機器とHDMI接続されている際、アクティブ状態または非アクティブ状態の何れであるかを判定し、
前記シンク機器とHDMI接続されている際、前記電子機器の電源をオフする場合に、前記電子機器がアクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信し、非アクティブ状態であるときには前記シンク機器に電源制御信号を送信しない制御信号送信方法。
【請求項10】
前記電源制御信号は、HDMI規格におけるスタンバイコマンドである請求項9記載の制御信号送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−119934(P2012−119934A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267830(P2010−267830)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】