説明

電子機器及び固有情報の管理方法。

【課題】マイクロコントローラのフラッシュメモリに記憶されたプログラムにより電子機器本体を制御する電子機器において、製造コストの低下を図りかつ固有情報の書き換えを速やかに行う。
【解決手段】フラッシュメモリ5内の固有情報領域7に外部コンピュータ4から固有情報群を事前に書き込んでおく。固有情報群は例えばシンセサイザ回路部2に使用される標準のパラメータ群及び周波数シンセサイザ1の仮番号である。マイクロコントローラ3のRAM8には、固有情報領域7と同容量の読み出し領域81が割り当てられ、電源投入時に固有情報領域7から読み出し領域81に固有情報群が読み出される。外部コンピュータ4からの指示により当該固有情報群の一部を書き換え、その後固有情報領域7内の固有情報群を一括消去した後、読み出し領域81内の固有情報群を一括して固有情報領域7に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置内のフラッシュメモリに記憶されたプログラムにより電子機器本体を制御する電子機器において、電子機器の固有情報を管理するための技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル処理を用いた周波数シンセサイザは、電圧制御発振器を含むアナログ回路とPLLループの一部においてディジタル処理を行うディジタル処理部とからなる回路部分と、この回路部分を制御する制御装置をなすマイクロコントローラと、を備えている。マイクロコントローラの役割としては、運転初期の周波数の立ち上げ時における周波数引き込みを制御すること、ディジタル/アナログ変換器の最大出力値をはじめ種々のパラメータを設定すること、などが挙げられる。
【0003】
周波数シンセサイザのメーカーでは、標準のパラメータをマイクロコントローラに設定して装置の試運転(動作確認)を行い、個々の製品毎にパラメータを最適な値に調整して出荷するようにしている。こうしたパラメータを含む装置固有の固有情報は、マイクロコントローラに接続した外部の不揮発性メモリ、例えばEEPROMなどに外部のホストコンピュータを用いて書き込み、マイクロコントローラは前記外部の不揮発性メモリからパラメータを内部のワークメモリに読み出して制御動作を行っていた。そして装置の調整を終了して最終製品として出荷するときには、外部の不揮発性メモリに調整後のパラメータや装置固有の製品番号が書き込まれる。
【0004】
一方マイクロコントローラとしては、プログラムをフラッシュメモリに格納したものが知られているが、フラッシュメモリに前記固有情報を書き込むことは以下の問題がある。フラッシュメモリはデータの塊であるブロック単位で消去、書き込みが行われるため、パラメータ群の一部のパラメータのみを書き換えることはできず、パラメータ群を一括して消去する必要がある。そしてホストコンピュータ側から、マイクロコントローラのメーカー側で設定されたデータ量例えば128バイト単位でフラッシュメモリ内にパラメータを送信し、各送信ごとにサムチェックを行わなければならない。従って周波数シンセサイザのように例えば1000以上ものパラメータが必要な場合には、データの送信回数が膨大になり、このような作業を個々の製品ごとに行うと出荷に長い時間がかかってしまい、生産効率が低下する。またこのような送信を行うために、ホストコンピュータ側では専用のプログラムを開発しなければならない。
【0005】
そこで上述のように外部の不揮発性メモリにパラメータ群を記憶するようにしているが、外部の不揮発性メモリを用いることにより製品コストの上昇の要因の一つになっている。
特許文献1には、制御装置内のフラッシュROMに固有情報を格納し、外部の書き換え装置から固有情報を書き換えることが記載されているが、この場合には既述のようにパラメータの量が多い場合には、データの送信回数が多くなり、作業効率が悪いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−259982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、制御装置内のフラッシュメモリに記憶されたプログラムにより電子機器本体を制御する電子機器において、製造コストの低下を図りかつ固有情報の書き換えを速やかに行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、 電子機器本体と、
この電子機器本体を制御するためのプログラムが記憶されたフラッシュメモリを備えた制御装置と、
前記フラッシュメモリの固有情報領域に記憶された、前記被制御機器に固有な固有情報群と、
前記フラッシュメモリの前記固有情報領域に記憶されている全ての固有情報群が読み出される揮発性メモリと、
前記フラッシュメモリのプログラム領域に記憶され、外部のコンピュータからの指示に応じて、前記揮発性メモリに読み出されている前記固有情報群の一部または全部の固有情報を書き換えるための書き換え用のプログラムと、
前記揮発性メモリにおける前記固有情報群の固有情報が書き換えられた後に、外部のコンピュータからの指示により、フラッシュメモリの固有情報領域に記憶されている全ての固有情報群を消去し、次いで前記揮発性メモリに記憶されている全ての固有情報群を、固有情報群が消去されたフラッシュメモリの前記固有情報領域に書き込み、こうしてフラッシュメモリ内の固有情報群の更新を行う、前記フラッシュメモリのプログラム領域に記憶された更新用のプログラムと、を備えたことを特徴とする。
本発明では、制御装置の電源を起動することにより、前記フラッシュメモリの前記固有情報領域内の全ての固有情報群がRAMに書き込まれるように構成する例を挙げることができる。
【0009】
他の発明は本発明の電子機器を用いて、電子機器に固有な固有情報を管理する方法であって、
外部のコンピュータから、電子機器本体を制御するためのプログラムと書き換え用のプログラムと更新用のプログラムとを含むプログラムをフラッシュメモリのプログラム領域に書き込むと共にフラッシュメモリの固有情報領域に固有情報群を書き込む工程と、
フラッシュメモリの前記固有情報領域内の全ての固有情報群を揮発性メモリに読み出す工程と、
前記揮発性メモリに読み出された固有情報群の一部または全部の固有情報を、外部のコンピュータからの指示に基づいて前記書き換え用のプログラムにより書き換える工程と、
次に外部のコンピュータからの指示により前記フラッシュメモリ内の更新用のプログラムを起動し、前記フラッシュメモリの固有情報領域内の全ての固有情報群を消去し、次いで前記揮発性メモリに記憶されている全ての固有情報群を、固有情報群が消去されたフラッシュメモリの前記固有情報領域内に書き込み、こうしてフラッシュメモリ内の固有情報群の更新を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、フラッシュメモリの固有情報領域に固有情報群を書き込み、全ての固有情報群をフラッシュメモリから揮発性メモリに読み出した上でその一部あるいは全部の固有情報を、外部のコンピュータからの指示に基づいて書き換えると共に、フラッシュメモリの全ての固有情報群を消去し、次いで前記揮発性メモリから書き換え後の全ての固有情報群を前記フラッシュメモリの前記固有情報領域内に書き込み、こうしてフラッシュメモリ内の固有情報群を更新するようにしている。従って、固有情報群のメモリとしてフラッシュメモリを利用しているが、固有情報群を書き換える作業を短時間で行うことができる。また外部の不揮発性メモリを用いていないので、製造コストの低下に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】フラッシュメモリのメモリ領域とRAMのメモリ領域とを対応付けて示す説明図である。
【図3】上述の実施形態で用いられるフラッシュメモリの内部を模式的に示す構成図である。
【図4】上述の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】上述の実施形態の動作を視覚的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の電子機器を周波数シンセサイザに適用した実施の形態について説明する。図1において1は電子機器をなす周波数シンセサイザであり、この周波数シンセサイザ1は電子機器本体であるシンセサイザ回路部2と、このシンセサイザ回路部2を制御する制御装置であるマイクロコントローラ3と、環境雰囲気の温度を検出する温度検出部である温度センサ93を備えている。シンセサイザ回路部2はマイクロコントローラ3側から見ると被制御機器ということができる。図1は周波数シンセサイザ1の調整を行うために、マイクロコントローラ3に外部のパーソナルコンピュータ(外部コンピュータ)4を接続した状態を示している。
【0013】
シンセサイザ回路部2は、図示していないが、電圧制御発振器、電圧制御発振器の出力をアナログ/ディジタル(A/D)変換するA/D変換器、A/D変換して得られたディジタル信号を処理するディジタル処理回路部、この処理部で処理された信号をD/A変換して前記電圧制御発振器の制御電圧として出力するD/A変換器などを備えた構成を一例として挙げることができる。具体例としては本件出願人が既に出願した特開2007−295537号を挙げることができる。
マイクロコントローラ3は、フラッシュメモリ5、揮発性メモリであるワークメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)8、CPU91及びバス92を備えている。このフラッシュメモリ5には、シンセサイザ回路部2を制御するためのプログラムを記憶するプログラム領域6と周波数シンセサイザ1に固有の固有情報(固有情報群)を記憶する固有情報領域7とを備えている。
【0014】
フラッシュメモリ5の仕様について述べておくと、例えば図2に示すように予めマイクロコントローラのメーカにより消去ブロック単位が決められている。この例では各々32kバイトである3個のブロックと、1個の28kバイトのブロックと、各々1kバイトである4個のブロックと、が消去ブロック単位として決められている。フラッシュメモリ5内の各ブロックについて、一旦書き込まれているデータを外部から書き換える場合には、背景技術の項目においても述べたように、例えば128バイトのデータ群ごとでしか書き換えることができない。この制限は、フラッシュメモリ5に対するデータのアクセスに関与するレジスタなどのハード構成により決まってくる。
【0015】
この実施形態では、フラッシュメモリ5の4個の1kバイトのブロックのうちの1個のブロックを固有情報領域7として割り当てている。図示の便宜上、図2では当該ブロックに斜線を記載している。固有情報領域7に相当するブロック以外のブロックはプログラム領域6に相当する。
固有情報としては、ディジタル処理における演算式の係数、ディジタル/アナログ変換器の最大出力値などのパラメータがあり、実際には例えば1000程度あるいはそれ以上のパラメータが存在する。パラメータ以外の固有情報としては、周波数シンセサイザ1の製品番号を挙げることができる。
【0016】
プログラムの説明の前にRAM8について述べておくと、RAM8に例えば4kバイトの領域が含まれているとすると、そのうちの1kバイトを固有情報群を記憶するための専用の領域(斜線部分)として割り当てる。この専用の領域を便宜上、読み出し領域81と呼ぶことにする。読み出し領域81を1kバイトの領域とした理由は、フラッシュメモリ5の固有情報領域7の記憶容量と整合させるためである。
プログラム領域6に記憶されるプログラムは、シンセサイザ回路部2を制御するための制御用のプログラム61と、固有情報群の一部の固有情報を書き換えるための書き換え用のプログラム62と、フラッシュメモリ5内の固有情報群を更新するための更新用のプログラム63とを備えている。制御用のプログラム61としては、運転初期の周波数の立ち上げ時における周波数引き込みを制御するためのプログラム、電圧制御発振器への帰還信号である積分電圧を検出してPLLのロックが外れているか否かを判断するプログラム、温度検出部93の温度検出値に基づいてシンセサイザ回路部2の信号レベルの大きさを調整するプログラムなどを挙げることができる。書き換え用のプログラム62及び更新用のプログラム63については後述のフローの説明において明らかにする。
次にメーカー側にて行われる、周波数シンセサイザを出荷する前の調整作業を例にとって図4を参照しながら上述実施の形態の作用を説明する。先ず電子機器である周波数シンセサイザ1を図1に示すように外部コンピュータ4に接続し、外部コンピュータ4からマイクロコントローラ3のフラッシュメモリ5内にプログラム61〜63と固有情報群とを書き込む(ステップS1)。図5(a)はこの状態を模式的に示している。この書き込みを行なう前のフラッシュメモリ5はデータが記憶されていない空の状態である。固有情報群にはパラメータ及び周波数シンセサイザ1の製品番号が含まれ、パラメータの値はメーカーが事前に決めた標準の値である。また製品番号は、仮の番号が割り当てられる。
【0017】
次いで周波数シンセサイザ1の電源を再投入すると、図2に示すようにフラッシュメモリ2の固有情報領域7である1Kバイトの容量の領域に書き込まれている全てのデータつまり固有情報群が、フラッシュメモリ5内の制御用のプログラム61により、RAM8の同容量(1kバイト)の読み出し領域81に読み出される(ステップS2及びS3)。その後周波数シンセサイザ1の動作確認のための試運転が行われ(ステップS4)、このとき電子機器本体に相当するシンセサイザ回路部2は、RAM8の読み出し領域81内の固有情報群を構成するパラメータの値を用いて動作する(図5(b))。
【0018】
周波数シンセサイザ1の試運転の結果に基づいてパラメータの値を標準値に対して補正する場合には、パラメータの値を書き換える。また試運転の結果、不良品と判定されたものは製品から除外され、良品と判定された製品について例えば連続の製品番号が付される。パラメータの値の書き換え及び製品番号の割り当ては、固有情報群の一部の更新作業であり、次のようにして行われる。固有情報群の一部であるパラメータ群の一部及び製品番号について、外部コンピュータ4により書き換えの指示、書き換えの対象となる固有情報及び当該固有情報の書き換えるべき値(新しいデータ)を周波数シンセサイザ1のマイクロコントローラ3に送信する(ステップS5)。
【0019】
RAM8の読み出し領域81には既述のように固有情報群の全てがフラッシュメモリ5から読み出されており、フラッシュメモリ5内の書き換え用のプログラム62が前記書き換えの指示に基づいて起動し、図5(c)に示すように前記RAM8における固有情報群のうち対応する固有情報が新しい値に書き換えられる(ステップS6)。この例では補正対象となったパラメータが補正後の値に書き換えられ(変更され)、製品番号が仮の番号から当該製品に割り当てられた実際の番号に書き換えられる。
【0020】
しかる後、外部コンピュータ4からフラッシュメモリ5内の固有情報群の更新指示をマイクロコントローラ3に送信する。これによりフラッシュメモリ5内の更新用のプログラム63が起動する(ステップS7)。続いて外部コンピュータ4からフラッシュメモリ5内の固有情報領域7に対する消去コマンドをマイクロコントローラ3に送信すると(ステップS8)、更新用のプログラム63が当該固有情報領域7内のデータ(固有情報群)を一括して消去する(ステップS9)。更に外部コンピュータ4からフラッシュメモリ5内の固有情報領域7に対する書き込みコマンドをマイクロコントローラ3に送信すると(ステップS10)、更新用のプログラム63が、図5(d)に示すようにRAM8の読み出し領域81に読み出されているデータ(固有情報群)を一括してフラッシュメモリ5内の固有情報領域7に書き込み(ステップS11)、これにより当該固有情報領域7内の固有情報群が更新されることになる。
【0021】
上述実施の形態によれば、フラッシュメモリ5の固有情報領域7に固有情報群を書き込み、全ての固有情報群をフラッシュメモリ5からRAM8に読み出した上でその一部を書き換え、その後フラッシュメモリ5の全ての固有情報群の消去と、書き換え後の全ての固有情報群のフラッシュメモリ5への書き込みとを行うことにより、フラッシュメモリ5内の固有情報群を更新するようにしている。従って、固有情報群のメモリとしてフラッシュメモリ5を利用しているが、固有情報群の一部を書き換える作業を短時間で行うことができる。また外部の不揮発性メモリを用いていないので、製造コストの低下に寄与する。
【0022】
ここでフラッシュメモリ5に対して固有情報群の一部を書き換えようとすると、既述のようにマイクロコントローラのメーカー側の仕様に基づいて決められるデータ群づつ例えば128バイトづつ、外部コンピュータ4からマイクロコントローラ3側にデータを送信しかつ各送信ごとにサムチェックを行わなければならないことから、固有情報群が多い場合には、本発明の手法による固有情報の書き換えは格段に高速で行うことができる。
【0023】
上述の実施形態では、RAM8の読み出し領域81に読み出された固有情報群の一部を書き換えるようにしているが、全部を書き換えるようにしてもよい。更にまたフラッシュメモリ5に割り当てられた固有情報領域7は1ブロックに限らず複数ブロックであってもよい。そして、フラッシュメモリ5の固有情報領域7については複数ブロックが割当てられ、RAM8の読み出し領域81については、記憶容量が1Kである1個の読み出し領域81が割当てられている構成であってもよい。
【0024】
この場合には、次のようにして固有情報群の書き換えを行うことができる。フラッシュメモリ5における固有情報領域7である一のブロック(記憶容量は例えば1Kである)からRAM8の読み出し領域81に固有情報群を読み出し、その後当該固有情報群の例えば一部の書き換えを行った後、書き換え後の固有情報群をフラッシュメモリ5の前記一のブロックに書き込む。
次いでフラッシュメモリ5における固有情報領域7である他のブロックについても、RAM8の前記読み出し領域81を用いて同様にして固有情報群の書き換えを行う。フラッシュメモリ5内の複数のブロックの各ブロックについての固有情報群のRAM8への読み出し、消去、RAM8からの書き込みは、外部コンピュータ4からブロック番号を指示することにより、ブロック毎に行うことができる。
【0025】
マイクロコントローラ3側の更新プログラム63は、外部コンピュータ4から起動した後、外部コンピュータ4から消去、書き込みの指示を受けずにフラッシュメモリ5内の固有情報群を一括して消去し、次いでRAM8からフラッシュメモリ5に固有情報群を一括して書き込むように構成されていてもよい。
またフラッシュメモリ5に既に記憶されている固有情報群をRAM8に読み出すタイミングは電源投入時に限らず、外部コンピュータ4からの指示があったときでもよい。揮発性メモリとしてはRAMに限らずレジスタであってもよい。
固有情報群の更新作業は、製品の出荷時に限られるものではなく、メンテナンス時であってもよいし、電子機器を使用するユーザ側がパラメータを調整する場合に適用しても良い。
なお電子機器としては周波数シンセサイザに限られず、例えば信号発生器などであってもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 周波数シンセサイザ
2 シンセサイザ回路部
3 マイクロコントローラ
4 外部コンピュータ
5 フラッシュメモリ
6 プログラム領域
7 固有情報領域
8 RAM
81 読み出し領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体と、
この電子機器本体を制御するためのプログラムが記憶されたフラッシュメモリを備えた制御装置と、
前記フラッシュメモリの固有情報領域に記憶された、前記被制御機器に固有な固有情報群と、
前記フラッシュメモリの前記固有情報領域に記憶されている全ての固有情報群が読み出される揮発性メモリと、
前記フラッシュメモリのプログラム領域に記憶され、外部のコンピュータからの指示に応じて、前記揮発性メモリに読み出されている前記固有情報群の一部または全部の固有情報を書き換えるための書き換え用のプログラムと、
前記揮発性メモリにおける前記固有情報群の固有情報が書き換えられた後に、外部のコンピュータからの指示により、フラッシュメモリの固有情報領域に記憶されている全ての固有情報群を消去し、次いで前記揮発性メモリに記憶されている全ての固有情報群を、固有情報群が消去されたフラッシュメモリの前記固有情報領域に書き込み、こうしてフラッシュメモリ内の固有情報群の更新を行う、前記フラッシュメモリのプログラム領域に記憶された更新用のプログラムと、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
制御装置の電源を起動することにより、前記フラッシュメモリの前記固有情報領域内の全ての固有情報群が揮発性メモリに書き込まれるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載された電子機器を用いて、電子機器に固有な固有情報を管理する方法であって、
外部のコンピュータから、電子機器本体を制御するためのプログラムと書き換え用のプログラムと更新用のプログラムとを含むプログラムをフラッシュメモリのプログラム領域に書き込むと共にフラッシュメモリの固有情報領域に固有情報群を書き込む工程と、
フラッシュメモリの前記固有情報領域内の全ての固有情報群を揮発性メモリに読み出す工程と、
前記揮発性メモリに読み出された固有情報群の一部または全部の固有情報を、外部のコンピュータからの指示に基づいて前記書き換え用のプログラムにより書き換える工程と、
次に外部のコンピュータからの指示により前記フラッシュメモリ内の更新用のプログラムを起動し、前記フラッシュメモリの固有情報領域内の全ての固有情報群を消去し、次いで前記揮発性メモリに記憶されている全ての固有情報群を、固有情報群が消去されたフラッシュメモリの前記固有情報領域内に書き込み、こうしてフラッシュメモリ内の固有情報群の更新を行う工程と、を含むことを特徴とする固有情報の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−101564(P2013−101564A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245816(P2011−245816)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】