説明

電子機器及び電力供給装置並びにプログラム

【課題】電子機器と電力供給装置との接続状態を維持したまま電力供給装置から電力供給される電力供給パターンに基づいて電子機器側の動作を容易に制御できるようにする。
【解決手段】電子機器1は、電力供給装置2から電力供給される電力供給パターンを識別して、それに対応付けられている動作内容を電力供給パターンテーブルから読み出し、その動作内容となるように前記電子機器1の動作を制御する。この電力供給パターンテーブルは、複数種の電力供給パターンの個々に対応付けて動作内容を記憶するようにしたので、電力供給パターンの種類に応じて様々な動作内容となるように電子機器1の動作を制御することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置から電力が供給される電子機器及び電力供給装置並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電装置などの電力供給装置に対して携帯電話機などの端末装置(電子機器)を接続させることにより、この電力供給装置から供給される電力で端末装置内の二次電池を充電する場合に、その充電開始に応じて端末装置側の動作モードや電源状態を変更するようにした技術が知られている。例えば、充電中に電話着信音の発生を規制する動作モード(マナーモード)に変更するようにした端末装置(特許文献1参照)、又は公共の場所での充電中にマナーモード又は電源オフ状態に変更するようにした充電装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−113105号公報
【特許文献2】特開2004−072193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した各先行技術は、充電中に特定の動作モードや特定の電源状態に固定的に変更するようにしたものであり、充電中でも着信音の発生を希望したり、電源オン状態を希望したりするときには、充電装置との接続を解除して、充電を中断するしかないため、充電が不充分となったり、充電が遅くなってしまったりするという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、電子機器と電力供給装置との接続状態を維持したまま電力供給装置から電力供給される電力供給パターンに基づいて電子機器の動作を容易に制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、
電力供給装置から電力が供給される電子機器であって、
前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンと前記電子機器の動作内容とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンを受け取る電力受領手段と、
該電力受領手段により受け取った電力供給パターンを識別する識別手段と、
該識別手段により識別された電力供給パターンに対応付けられている前記電子機器の動作内容を前記記憶手段から読み出して、その動作内容となるように前記電子機器の動作を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、
前記記憶手段は、複数種の前記電力供給パターンの個々に対応付けて前記電子機器の動作内容を記憶し、
前記制御手段は、前記識別手段により識別された電力供給パターンに基づいて前記記憶手段を検索することにより、前記電力供給パターンに対応する動作内容を読み出す、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項2に従属する発明として、
前記複数種の電力供給パターンは、その供給エネルギーの大きさ、周波数、波の形、タイミング、又はそれらの組み合わせのうち、少なくともその一部がそれぞれ異なるパターンである、
ことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、
前記電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、前記電子機器の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替える動作内容を含み、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出した動作内容に基づいて前記電子機器の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、
前記電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、前記電子機器の通信機能に関する動作モードを切り替える動作内容を含み、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出した動作内容に基づいて前記電子機器の通信機能に関する動作モードを切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、
前記電力供給装置により電力供給された電力を、前記電子機器が安定して動作する状態に整える安定化手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、
前記電力供給装置により電力供給された電力を蓄える二次電池を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、
前記電力受領手段は、非接触の電力供給方式の電力を受領する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項8に従属する発明として、
前記電力受領手段は、電界、磁界、磁気共鳴、光発電、振動、音波、のいずれか又はそれらの組み合わせを利用した電力供給方式で供給される電力を受領する、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、
前記複数種の電力供給パターンを識別する際に用いる属性をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備え、
前記識別手段は、前記設定手段により設定された属性に基づいて電力供給パターンを識別する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、
電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、
複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に供給する電力供給手段と、
前記複数種の電力供給パターンの個々に対応して前記電子機器の動作内容を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器をどのように制御するかの動作内容に応じて該動作内容に対応する電力供給パターンを前記記憶手段から読み出して、前記電力供給手段から前記電力供給パターンを出力させる制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11に従属する発明として、
前記電力供給パターンをユーザ操作により任意に指定する指定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記指定手段によって指定された電力供給パターン前記記憶手段から読み出す、
ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
また、上述した課題を解決するために請求項13記載の発明は、
受信機能を備え、電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、
前記電子機器の動作内容を指定する複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に対して供給する電力供給手段と、
前記受信機能が特定の情報を受信した場合に、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器を前記特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して前記電力供給手段から前記電力供給パターンを出力させる制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項13に従属する発明として、
前記特定の情報は、緊急情報であり、
前記制御手段は、前記受信機能が緊急情報を受信した際に、前記電子機器の電源状態をオンに変更させるための電力供給パターンを選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項13に従属する発明として、
前記特定の情報を受信した場合に変更させるための前記電子機器側の動作内容をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記設定手段によって設定された動作内容に対応する電力供給パターンを選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0021】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、
コンピュータに対して、
電力供給装置から電力が供給される電子機器の動作内容と前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンとを対応付けて記憶されている状態において、前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンを受け取る機能と、
前記受け取った電力供給パターンを識別する機能と、
前記識別された電力供給パターンに対応付けて記憶されている動作内容となるように前記電子機器の動作を制御する機能と、
を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0022】
また、上述した課題を解決するために請求項17記載の発明は、
コンピュータに対して、
複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを電子機器に供給する機能と、
前記複数種の電力供給パターンの個々に対応して前記電子機器の動作内容を対応付けて記憶されている状態において、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器をどのように制御するかの動作内容に応じて該動作内容に対応する電力供給パターンを読み出して出力させる制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0023】
また、上述した課題を解決するために請求項18記載の発明は、
コンピュータに対して、
電子機器の動作内容を指定する複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に供給する機能と、
受信機能が特定の情報を受信した場合に、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器を前記特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して出力させるための制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電子機器と電力供給装置との接続状態を維持したまま電力供給装置から電力供給される電力供給パターンに基づいて電子機器の動作を容易に制御することができ、柔軟性に富み、実用性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】電子機器(携帯電話機)1と、該電子機器1が載置(無接点接続)される電力供給装置2を示した外観図。
【図2】(1)、(2)は、電子機器1を電力供給装置2に載置した状態を側面側から見た図で、高周波の電磁誘導方式により非接触充電を行った場合に、電力供給装置2から発生された電力供給パターン例を模式的に示した図。
【図3】電力供給パターンの波形(広義の波形)を具体的に説明するための図で、(1)は、電力供給パターンに応じて前記電子機器1の動作を制御せずに充電のみを行う通常充電時の電力供給パターンを示し、(2)は、電力供給パターンに応じて充電を行うと共に前記電子機器1の動作を制御する場合の電力供給パターンの波形を示した図。
【図4】電子機器1及び電力供給装置2の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図5】(1)〜(3)は、電子機器1側に設けられている識別属性テーブルTB1、電力供給パターンテーブルTB2、制御設定情報CTを説明するための図。
【図6】電子機器1が電力供給装置2から電力を受領する電力受領処理を示したフローチャート。
【図7】電力供給パターン識別処理(図6のステップA5)を詳述するためのフローチャート。
【図8】第1実施形態の変形例として、電力供給パターンがそれぞれ異なる複数種の電力供給装置(ACアダプタ)2を電子機器1に電気的に接続する場合を例示した図。
【図9】第2実施形態において、電子機器(携帯電話機)1と、この電子機器1が有線接続される電力供給装置2を示した外観図。
【図10】第2実施形態における電力供給装置2の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図11】(1)、(2)は、第2実施形態において、ユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3、受信情報・電力供給パターンテーブルTB4を説明するための図。
【図12】第2実施形態において電力供給装置2の全体動作の概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、電子機器(携帯電話機)と、この電子機器が載置(無接点接続)される電力供給装置(充電装置)を示した外観図である。
電子機器1は、二次電池(例えば、リチウム電池)を電源としたもので、この二次電池への充電時にユーザは、前記電子機器1を電力供給装置(充電装置)2に載置(無接点接続)させるようにしている。なお、この電子機器1に設けられている識別属性設定スイッチATは、電子機器1を電力供給装置2に載置させた状態でも操作可能なもので、その詳細についは後述するものとする。
【0027】
電力供給装置2は、無接点充電方式(非接触充電方式)、例えば、電磁誘導方式によって、電子機器1に対する充電を行う無接点型充電装置であり、全体が肉薄の箱型を成し、その上面部は、電子機器1が載置される載置面となっている。電力供給装置2は、電子機器1が載置されている状態において、電子機器1との間で電磁誘導方式により電力を供給する充電用一次コイルCL1(電力発信部)を有し、この充電用一次コイルCL1から発生された高周波の磁界により電子機器1側の充電用二次コイル(電力受領部)CL2(図1では図示省略)に電力を誘起させ、その起電力で二次電池(図1では図示省略)を充電させるようにしている。また、電力供給装置2の前面部には、表示画面DPが配設されていると共に、電力供給パターン選択スイッチPS、電源スイッチPW、充電開始スイッチSTなどが配設されている。なお、電力供給装置2は、商用電源(図示省略)に電源ケーブルPCを介して接続されているが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、オーディオビジュアル機器などの外部装置(図示省略)に接続するようにしてもよい。
【0028】
この電力供給装置2に設けられている電力供給パターン選択スイッチPSは、予め用意されている複数種の電力供給パターンの中からユーザの所望する電力供給パターンを選択する例えば押しボタン式スイッチであり、この選択スイッチPSが押下される毎に複数種の電力供給パターンを1つずつサイクリックに選択して、この選択した電力供給パターン(高周波の交番磁界)を充電用一次コイルCL1から発生させるようにしている。ここで、複数種の電力供給パターンとは、充電用一次コイルCL1に交流電流を流すことにより高周波の交番磁界を発生させた際に、その供給エネルギー(電力量)の大きさ(波の大きさ)の違い、周波数(波の周波数)の違い、波の形(例えば、正弦波、ひずみ正弦波、矩形波や、ベースとなる波の形に高周波の波の形を重畳する、など)、波のタイミング(波の形のタイミングをずらしたり、位相を変化させたり、任意の波の形を特定回数繰り返す、)などの違いに応じた磁界パターンを示すもので、電力供給パターン選択スイッチPSにより予め選択された電力供給パターンが充電用一次コイルCL1から発生される。
【0029】
このように実施形態において電力供給パターンとは、充電用一次コイルCL1に交流電流を流すことにより高周波の交番磁界を発生させた際の波の大きさ、波の周波数、波の形、波のタイミング、・・・、のいずれか1つ、又はそれらの2以上の組み合わせである“広義の波形”を意味している(以下、同様)。
【0030】
図2(1)、(2)は、電子機器1を電力供給装置2に載置した状態を側面側から見た図で、高周波の電磁誘導方式により非接触充電を行った場合に、電力供給装置2から発生された電力供給パターン例を模式的に示している。図2(1)に示した電力供給パターンと、図2(2)に示した電力供給パターンとは、例えば、その電力エネルギーの大きさ(波の大きさ)や波の周波数がそれぞれ相違している場合を例示したものである。このような電力供給パターンが電力供給装置2から発生されると、電子機器1は、この電力供給パターンを受領してそのパターンを識別すると共に、その識別した電力供給パターンに対応付けられている動作内容となるように前記電子機器1の動作を制御するようにしている。なお、図示の例では、電子機器1の動作制御の一例として、その表示画面Hをオン/オフした様子を示したもので、図2(1)は、表示画面Hがオフされている状態を示し、図2(2)は電力供給パターンに応じて表示画面Hをオンした状態を示している。図中、表示画面Hのオフは、図2(1)に示すように表示画面Hを白抜した状態で示し、表示画面Hのオンは、図2(2)に示すように表示画面Hを塗り潰した状態で示している。また、表示画面Hが液晶画面の場合には、表示画面Hのオン/オフに連動して、バックライト(図示省略)のオン/オフも併せて行うようにしてもよい。
【0031】
図3は、電力供給パターンの波形(広義の波形)を具体的に説明するための図である。
図3(1)は、電力供給パターンに応じて前記電子機器1の動作を制御せずに充電のみを行う通常充電時の電力供給パターンを示し、その基本波形として正弦波を例示した場合である。図3(2)は、電力供給パターンに応じて充電を行うと共に、前記電子機器1の動作を制御する場合の電力供給パターンの波形を示し、図3(1)の基本波形に対して、図中、WB1は、波の大きさを変更した場合、WB2は、波の周波数を変更した場合、WB3は、波のタイミングを変更した場合、WB4は、波の形を変更した場合、WB5は、任意の波の形パターン(例えば、高周波成分など)を重畳した場合を示している。なお、図3(2)では、説明の便宜上、WB1〜WB5を連続させた場合を図示したが、WB1〜WB5のいずれかを繰り返す波形、図3(1)の基本波形の一部分にWB1〜WB5のいずれかを挿入した波形など、電力供給パターンは任意である。
【0032】
図4は、電子機器1及び電力供給装置2の基本的な構成要素を示したブロック図である。
電子機器1は、携帯電話機として、通信機能としての通話機能・インターネット接続機能(Webアクセス機能)・電子メール機能のほか、カメラ機能などを備え、最寄りの基地局(図示省略)を介して他の携帯電話機(図示省略)に接続されると、この他の携帯電話機との間で通話可能な状態となり、また、無線通信網を介してインターネット(図示省略)に接続されると、電子メールの送受信が可能となったり、Webページを閲覧可能となったりする。
【0033】
メイン制御部11は、電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの電子機器1の主要動作を制御するもので、このメイン制御部11には、図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。なお、このメイン制御部11がオフ(非動作状態)になっていても、所定の処理、例えば、現在日時を計時する計時処理や後述する電力受領処理などは、サブCPU(図示省略)により実行可能となっている。電源部12は、この電子機器1の各部に駆動電圧を供給するもので、電子機器1が電力供給装置2に載置(無接点接続)されている状態において電力供給装置2からの電力供給パターンを受領して誘起電圧を発生する充電用二次コイル(電力受領部)CL2と、この電力供給パターンに基づいて充電される二次電池12aなどを有している。
【0034】
更に、電源部12は、上述の充電用二次コイル(電力受領部)CL2と、二次電池12aのほか、充電用二次コイルCL2での誘起電圧を整流平滑して安定化させることにより前記電子機器1が安定して動作する状態のDC電圧に整える安定化回路12bと、充電用二次コイルCL2で受領した電力供給パターンをデジタル量の情報に変換する変換回路12cと、二次電池12aの充電状態(電池残量)を検出する残量検出回路12dとを有している。
【0035】
記憶部13は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し(図示せず)、このプログラム領域には、後述する図6及び図7に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部13のデータ領域には、この電子機器1の動作に必要な各種の情報が一時記憶されているほか、後述する識別属性テーブルTB1、電力供給パターンテーブルTB2、制御設定情報CTなどが記憶されている。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しない所定の外部サーバ上にあってもよい。
【0036】
無線通信部14は、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部(図示省略)の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調してメイン制御部11に対して出力すると、メイン制御部11は、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAN1から発信出力させる。
【0037】
表示部16は、高精細液晶や有機ELを使用し、上述した表示画面Hを有するもので、例えば、待受画像、アイコン、日時情報のほか、テキストデータ、メール、Webページなどを表示する。操作部17は、電源オン/オフキー、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、メイン制御部11は、この操作部17からの入力操作信号に応じた処理を実行する。アプリ処理関係部18は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、カメラ機能などのアプリケーション処理に関する情報を記憶したり、その処理に関する制御を行ったりする。
【0038】
報知部19は、バイブレータ19A、サウンドスピーカ19B、LED(発光部)19Cを備え、メイン制御部11は、マナーモードと呼ばれる通信機能に関する動作モードに切り替えられている状態のように、バイブレータ19Aを駆動する報知方法が設定されている状態において、サウンドスピーカ19Bから電話着信や電子メール受信時に発生される着信音又はアラーム時刻に発生されるアラーム音の出力の代替として、バイブレータ19Aを動作させてバイブレーション報知を行うようにしている。撮像部20は、カメラ機能を構成するもので、撮影レンズ、撮像素子、処理回路のほか、カメラ制御部(図示省略)などを有している。
【0039】
電力供給装置2は、制御部21を中核とするもので、商用電源などの電源部(外部電源)22からの電力供給により動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこの電力供給装置2の全体動作を制御するもので、中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部23は、ROM、RAMなどの内部メモリで、図示しないプログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部23のデータ領域には、この電力供給装置2の動作に必要な各種の情報が記憶されている。
【0040】
操作部24は、上述の電力供給パターン選択スイッチPS、電源スイッチPW、充電開始スイッチSTなどを有し、制御部21は、充電開始スイッチST、電力供給パターン選択スイッチPSの操作信号を電力供給回路25に与える。この電力供給回路25は、予め用意されている複数種の電力供給パターンを生成可能な構成で、充電開始スイッチSTの操作に応じて動作を開始し、複数種の電力供給パターンの中からユーザ操作(電力供給パターン選択スイッチPSの操作)により選択された電力供給パターンを択一的に生成するようにしている。この電力供給回路25により生成された電力供給パターンが充電用一次コイルCL1に印加されると、その周辺に亘って高周波の交番磁界が発生されるようになる。表示部26は、上述の表示画面DPを有し、電力供給パターンの選択状態や充電状態などを表示する。
【0041】
図5は、電子機器1側に設けられている識別属性テーブルTB1、電力供給パターンテーブルTB2、制御設定情報CTを説明するための図で、図5(1)は、識別属性テーブルTB1を示している。
識別属性テーブルTB1は、受領した電力供給パターンを識別する際の識別属性として、波の大きさの違い、波の周波数の違い、波の形の違い、波のタイミングの違い、・・・、のうち、どのような属性を使用して、電力供給パターンを識別するのかを示す情報を記憶するもので、「識別属性」、「フラグ」を有している。「識別属性」は、どのような属性を使用して電力供給パターンを識別するのかを示す情報で、“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、が記憶されている。
【0042】
なお、図示の例では、「識別属性」として“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、の個々を分けて1つずつ記憶するようにしたが、それらの2以上の組み合わせを1つの「識別属性」として記憶するようにしてもよい。また、「識別属性」としては“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、に限らず、任意である。例えば、電力を間欠的に供給するような場合には、その電力が供給されている時間(供給時間)と電力が供給されていない時間(間欠時間)との組み合わせを「識別属性」としてもよい。
【0043】
「フラグ」は、どの属性を使用して電力供給パターンを識別するのかを示す情報で、「フラグ」が“1”のときには、識別用として使用する属性(有効)を示し、“0”のときには、識別用として使用しない属性(無効)を示している。この場合、上述の識別属性設定スイッチATを操作することにより、任意の「識別属性」を指定してその「フラグ」を“1”とするようにしており、識別属性設定スイッチATは、電力供給パターンを識別する属性を任意に指定して設定するスイッチである。メイン制御部11は、この「フラグ」が“1”の「識別属性」に基づいて、受領した電力供給パターン(受領パターン)を解析すると共に、この解析した受領パターンと予め登録されている登録パターン(後述する)とを照合することにより、この受領パターンは、どのような種類の登録パターンに該当しているかを識別するようにしている。なお、「識別属性」として“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、の個々に分けて1つずつ記憶した場合には、この“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、に対応する複数の「フラグ」のいくつかまたは全てを“1”としてもよい。
【0044】
図5(2)は、電力供給パターンテーブルTB2を説明するための図である。
電力供給パターンテーブルTB2は、「電力供給パターン」と「動作内容」とを対応付けた構成で、「電力供給パターン」の項目には、予め登録された複数種の電力供給パターン(上述した登録パターン)が記憶されている。この複数種の電力供給パターンは、その波の大きさ、波の周波数、波の形、波のタイミング、・・・、又はそれらの組み合わせのうち、少なくともその一部がそれぞれ異なるパターンである。「動作内容」は、電子機器1の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替える動作内容と、特定の動作モードに設定したり、その動作モードの設定を解除したりする動作内容とを含み、メイン制御部11は、受領した電力供給パターンに対応する「動作内容」となるように電子機器1の動作を制御するようにしている。なお、「動作内容」は、上述のように、主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替えたり、特定の動作モードへの設定/解除に限らず、任意であり、例えば、電力供給パターンの波の大きさ、波の周波数に応じてバイブレータ19Aの振動の強さ、速さなどを制御したりするようにしてもよい。
【0045】
電力供給装置2から電力供給パターンを受領した際に、電子機器1内のメイン制御部11は、この受領した電力供給パターン(受領パターン)と、電力供給パターンテーブルTB2内の「電力供給パターン(登録パターン)」とを照合することにより受領パターンは、どの「電力供給パターン」に該当しているかを識別し、この「電力供給パターン」に対応付けられている「動作内容」を読み出し、その動作内容となるように前記電子機器1の動作を制御する。ここで、動作内容として、図示(図5(2)参照)の例では、電子機器1の主要部分又は一部分に関する動作内容と、電子機器1の動作モードに関する動作内容とを有し、電力供給パターンに応じて主要部分又は一部分を制御したり、動作モードを制御したりする。
【0046】
すなわち、電子機器1の主要部分又は一部分に関する動作内容として、図示の例では、「電力供給パターン」の“PA1”、“PA2”、“PA3”、“PA4”、…に対応付けて、“主要部分オン”、“主要部分オフ”、“○○制御部のスリープ化”、“○○制御部のスリープ状態解除”、…が記憶されている。なお、“主要部分オフ”、“主要部分オン”とは、電子機器1の主要部分(例えば、メイン制御部11)をオフ/オン状態にすることを示している。ここで、主要部分のオフ/オンとは、メイン制御部11のオフ/オンのほか、電源部12を構成する主電源(図示省略)のオフ/オンでも良く、またそれに限らない。
【0047】
また、“○○制御部のスリープ化”、“○○制御部のスリープ状態解除”とは、例えば、電子機器1の一部分、例えば、撮像部20を構成するカメラ制御部(図示省略)をスリープ化(休止状態)すること、又は、そのスリープ化を解除することを示しているが、上述の○○制御部は、カメラ制御部に限らない。また、動作モードに関する動作内容として、図示の例では、「電力供給パターン」の“PB1”、“PB2”、…に対応付けて、通信機能に関する動作モードとして“マナーモードへ設定”、“マナーモードの解除”、…が記憶されている。
【0048】
図5(3)は、制御設定情報CTを説明するための図である。
制御設定情報CTは、電力供給パターン対応の動作内容となるように電子機器1の動作を制御するか否かを示す“有効/無効”を記憶するもので、“有効”は、電力供給パターン対応の動作内容に制御するオン状態を示し、“無効”は、電力供給パターン対応の動作内容に制御しないオフ状態を示し、予めユーザ操作により任意に設定されたものである。
【0049】
次に、第1実施形態における電子機器1の動作概念を図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0050】
図6は、電子機器1が電力供給装置2から電力を受領する電力受領処理を示したフローチャートである。なお、この電力受領処理は、このメイン制御部11や主電源がオフ(非動作状態)になっていても実行可能となっている。
先ず、電子機器1のメイン制御部11は、電子機器1が電力供給装置2の載置されている状態において、電力供給装置2の充電用一次コイル(電力発信部)CL1から発信された電力供給パターンを充電用二次コイル(電力受領部)CL2で受領することで電力受領の開始を検出すると(ステップA1でYES)、電力受領許可状態であるかを調べる(ステップA2)。
【0051】
この場合、残量検出回路12dによる検出結果に基づいて二次電池12aの充電状態から電力受領許可状態であるかを調べる。ここで、二次電池12aの充電状態が満充電などのように電力受領が許可されていない状態であれば、つまり、電力受領許可状態でなければ(ステップA2でNO)、この時点で図6のフローの終了となるが、電力受領許可状態であれば(ステップA2でYES)、図5(3)の制御設定情報CTを参照して“有効/無効”か、つまり、電力供給パターン対応の動作内容に制御するか否かを判別する(ステップA3)。
本実施の形態では、上述した図6のように、電力受領許可状態でなければ(ステップA2でNO)、フローは終了するようになっているが、これに限られることはなく、後述の電力供給パターンが何らかの手段により変更された場合には、後述の制御設定情報の確認(ステップA3)に移行するフローであっても構わない。
【0052】
ここで、制御設定情報CTとして“無効”に設定されていれば(ステップA3でNO)、電力供給パターン対応の動作内容に制御しない場合であるから次のステップA4に移り、充電終了のイベントは有るかを調べ、つまり、電力供給装置2との接続解除を検出したか、又は満充電を検出したか、若しくは所定の充電時間の完了を検出したかを調べ、以下、充電終了イベントを検出しなければ(ステップA4でNO)、電力供給パターンを受領しながら二次電池12aへの充電をそのまま継続する。いま、充電終了イベントを検出したときには(ステップA4でYES)、この時点で図5のフローの終了となる。また、制御設定情報CTとして“有効”に設定されていれば(ステップA3でYES)、電力供給パターン識別処理に移る(ステップA5)。
【0053】
図7は、電力供給パターン識別処理(図6のステップA5)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、メイン制御部11は、識別属性テーブルTB1に任意の識別属性がユーザ操作により設定されているかを調べ(ステップB1)、識別属性がユーザ設定されていなければ(ステップB1でNO)、今回使用する識別属性としてデフォルト属性(例えば、大きさ)を決定する(ステップB10)。また、識別属性がユーザ設定されていれば(ステップB1でYES)、この識別属性に基づいて電力供給パターンを判定する処理に移る(図7中、破線を付して示すステップB2〜B9)。すなわち、識別属性テーブルTB1から「フラグ」を読み出して(ステップB2)、「フラグ」が“1”の属性(ユーザ設定されている識別属性)は、“波の大きさ”であるか(ステップB3)、“周波数”であるか(ステップB4)、“波の形”、・・・、であるか、“その他の属性”であるかを調べる(ステップB5)。
【0054】
いま、「フラグ」が“1”の属性(ユーザ設定されている識別属性)として“波の大きさ”が設定されていれば(ステップB3でYES)、今回使用する識別属性として“波の大きさ”を決定し(ステップB6)、“波の周波数”が設定されていれば(ステップB4でYES)、今回使用する識別属性として“波の周波数”を決定し(ステップB7)、“波の形”、・・・、が設定されていれば(ステップB5でYES)、今回使用する識別属性として“波の形”、・・・、を決定し(ステップB8)、その他の属性が設定されていれば(ステップB5でNO)、今回使用する識別属性として“その他の属性”を決定する(ステップB9)。このようにして決定した識別属性に基づいて電力供給パターン(受領パターン)の識別を行う(ステップB11)。
【0055】
なお、本実施の形態では、一例として最初に“波の大きさ”を判定し、次に波の周波数を判定し、…、という順序になっているが、これらは任意に順序を入れ替えても構わないし、また本実施の形態では、“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、のうち個々を単独で変更するフローについて記載しているが、それに限られず、“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、
“波のタイミング”、・・・、のうちから任意の組合せで変更できるフロー(図示せず)としても構わない。また、ベースとなる電力供給パターンに、任意の波の形パターンを重畳しても良いものである。(ベースの正弦波上の少なくとも一部に高周波の波を重畳し、その重畳部を検出し、端末のモードを変更させるものであっても構わない。)
【0056】
すなわち、メイン制御部11は、充電用二次コイルCL2で受領した電力供給パターンが変換回路12cにより、例えばデジタル量の電力供給パターン(受領パターン)に変換されると、この受領パターンの解析を行うが、その際、上述のように決定した識別属性“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・、“その他の属性”のいずれかに基づいて受領パターンを解析した後、その解析結果である受領パターンと電力供給パターンテーブルTB2内の「電力供給パターン(登録パターン)」とを照合することにより、前記受領パターンは、どれかの登録パターンに一致しているか否かをチェックすることにより、前記受領パターンを識別する。
【0057】
このようにして電力供給パターン識別処理(図6のステップA5)が終わると、その識別結果に基づいて識別は成功したか否かを判別する(ステップA6)。この場合、電力供給パターンテーブルTB2内に受領パターンに一致する「電力供給パターン」が登録されていなければ、識別は不成功であると判別して(ステップA6でNO)、後述するステップA11に移るが、登録されていれば、識別成功と判別して(ステップA6でYES)、次のステップA7に移り、前回識別した受領パターンと今回識別した受領パターンとを比較して変化の有無を調べる。ここで、前回に比べて受領パターンが変化していれば(ステップA7でYES)、電力供給パターンテーブルTB2を参照し(ステップA8)、今回識別した受領パターンに対応付けられている「動作内容」を読み出し(ステップA9)、この「動作内容」となるように電子機器1の動作を制御する(ステップA10)。
【0058】
例えば、今回の識別した受領パターンが“PA1”であれば、それに対応する「動作内容」として“主要部分オン”を読み出してメイン制御部11などの主要部分をオンするが、受領パターンが“PA3”であれば、それに対応する「動作内容」として“○○制御部のスリープ化”を読み出して○○制御部のスリープ化(休止状態)を行い、受領パターンが“PB1”であれば、それに対応する「動作内容」として“マナーモードへ設定”を読み出してマナーモードに設定する。
【0059】
そして、充電終了のイベントは無いかを調べる(ステップA11)。つまり、電力供給装置2との接続解除を検出したか、又は満充電を検出したか、若しくは所定の充電時間の完了を検出したかを調べ、充電終了イベントを検出したときには(ステップ11AでNO)、この時点で図5のフローの終了となる。いま、充電終了イベントを検出しなければ(ステップA11でYES)、上述の電力供給パターン識別処理(ステップA)を例えば、1秒毎のように定期的に実行させるために識別タイミングに達したか否かを調べる(ステップA12)。
【0060】
ここで、この識別タイミングに達するまで充電終了イベントを検出する上述のステップA11に戻るが、識別タイミングに達したときには(ステップA12でYES)、上述の電力供給パターン識別処理(ステップA5)に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。なお、電力供給パターン識別処理(ステップA5)は、上述のように識別タイミング毎に定期的に実行するようにしたが、この電力供給パターン識別処理を常時実行するようにしてもよい。
【0061】
以上のように、第1実施形態において電子機器1は、電力供給装置2から電力供給される電力供給パターンを識別して、それに対応付けられている動作内容を電力供給パターンテーブルTB2から読み出し、その動作内容となるように前記電子機器1の動作を制御するようにしたので、該電子機器1を電力供給装置2に接続した状態を維持したまま電力供給装置2の主導下で該電子機器1の動作を容易に制御することができ、柔軟性に富むほか、電子機器1及び電力供給装置2に通信手段を設けたり、電子機器1及び電力供給装置2の構成を複雑化したりすることもないなど、実用性の高いものとなる。
【0062】
電力供給パターンテーブルTB2は、複数種の電力供給パターンの個々に対応付けて動作内容を記憶するようにしたので、電力供給パターンの種類に応じて様々な動作内容となるように電子機器1の動作を制御することが可能となる。
【0063】
複数種の電力供給パターンは、供給エネルギーの大きさ、周波数、波の形、・・・、又はそれらの組み合わせのうち、少なくともその一部がそれぞれ異なるパターンであるので、豊富な種類の電力供給パターンを得ることができる。
【0064】
電子機器1は、電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、該電子機器1の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替えるようにしたので、電力供給装置2との接続を維持したままの状態で主要部分又は一部分のオン/オフの切り替えが可能となる。
【0065】
電子機器1は、電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、該電子機器1の通信機能に関する動作モードを切り替えるようにしたので、電力供給装置2との接続を維持したままの状態で通信機能に関する動作モードの切り替えが可能となる。
【0066】
電子機器1は、電力供給装置2により電力供給された電力を、該電子機器1が安定して動作する状態に整える安定化回路12bを有しているので、変化の大きい電力供給パターンであっても、それに影響されることなく、正常に動作することが可能となる。
【0067】
電子機器1は、電力供給装置2により電力供給された電力で二次電池12aを充電するようにしたので、電子機器1として二次電池を備える携帯型電子機器等に好適に用いることができる。
【0068】
電子機器1は、非接触の電力供給方式(電磁誘導方式)により電力を受領するようにしたので、充電時には電子機器1を電力供給装置2に載置(無接点接続:磁気結合)するだけでよく、電気的に接続するための金属電極が不要となるほか、防水や防塵構造を確保することができ、ショートする危険もなく、また、電子機器1を置く向きを気にすることもないなどの様々な利点を有するほか、この充電中に動作を適切に制御することができる。
【0069】
電子機器1は、複数種の電力供給パターンを識別する際に用いる属性をユーザ操作により任意に設定するようにしたので、ユーザの意図に基づいた識別属性で電力供給パターンの識別が可能となる。
【0070】
なお、上述した第1実施形態において電子機器1と電力供給装置2との間で非接触充電方式として電磁誘導方式を採用した場合を例示したが、電界、磁界、磁気共鳴、光発電、振動、音波、のいずれか又はそれらの組み合わせを利用した電力供給方式で供給電力を受領するようにしてもよい。すなわち、非接触充電方式としては、電波受信方式、電場・磁場共鳴方式であってもよく、また、電磁誘導方式、電波受信方式、電場・磁場共鳴方式又はそれらの組み合わせであってもよい。また、光発電方式であってもよい。ここで、光発電方式とは、例えば、電子機器1側に太陽電池を備え、また、電力供給装置2側に発光源を備え、この太陽電池と発光源とを接近させることにより太陽電池で光発電された電力で電子機器1側の二次電池を充電するようにした無接点充電方式である。
【0071】
また、上述した第1実施形態の電力供給装置2は、非接触充電方式(電磁誘導方式)により電子機器1に対する充電を行う無接点型充電装置に適用したもので、その上面部を電子機器1が載置される載置面としたが、このような載置型に限らず、電子機器1が接近された状態でその充電を行う接近型の充電装置であってもよい。また、上述した第1実施形態においては、電子機器1を電力供給装置2に載置(無接点接続:磁気結合)するようにしたが、電子機器1と電力供給装置2とを電気的に接続するようにしてもよい。すなわち、電力供給装置2は、図8に示すような有線型充電装置(例えば、ACアダプタ)であってもよい。
【0072】
図8は、第1実施形態の変形例として、電力供給パターンがそれぞれ異なる複数種の電力供給装置(ACアダプタ)2を電子機器1に電気的に接続する場合を例示したもので、電子機器1は、電力供給装置2のプラグ部2aが接続されるジャック部(図示省略)を有し、このジャック部には、電力供給パターンがそれぞれ異なる複数種の電力供給装置2が選択的に接続されるようになっている。この場合、図中、上側の電力供給装置(ACアダプタ)2は、電力供給パターンPA1を発生し、下側の電力供給装置(ACアダプタ)2は、電力供給パターンPA2を発生するもので、電子機器1は、いずれかの電力供給装置2が接続された際に、電力供給パターンを識別することにより、どの種類の電力供給装置2が接続されたかを判別し、それに対応する動作内容となるように電子機器1の動作を制御するようにすればよい。
【0073】
また、上述した第1実施形態において電子機器1は、電力供給装置2からの電力供給パターンに基づいて電源部12内の二次電池12aを充電するようにしたが、安定化回路12bからの供給電圧(DC電圧)を駆動電圧として直接的に取り込むようにしてもよい。
【0074】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図9〜図12を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態は、電子機器1に適用した場合で、電力供給装置2からの電力供給パターンを識別して、それに対応付けられている動作内容となるように制御するようにした電子機器1を示したが、この第2実施形態においては、電力供給装置2に適用した場合で、受信機能が特定の情報を受信した際に、複数種の電力供給パターンのうち、受信した特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して出力するようにした電力供給装置2を示したものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0075】
図9は、第2実施形態において、電子機器(携帯電話機)1と、この電子機器1が有線接続される電力供給装置2を示した外観図である。
電子機器1は、携帯電話機で、電力供給装置2に電源ケーブル3を介して電気的に接続されるジャック部(図示省略)を有し、基本的には上述した第1実施形態と同様の構成となっている。電力供給装置2は、電子機器1が電源ケーブル3を介して接続される有線型充電装置で、上述した第1実施形態と同様に、全体が肉薄の箱型を成し、その前面部には、表示画面DPが配設されていると共に、電力供給パターン選択スイッチPS、電源スイッチPW、充電開始スイッチSTなどが配設されている。また、電力供給装置2には、受信機能を構成するアンテナAN2が設けられている。なお、電力供給装置2は、商用電源(図示省略)にケーブル接続されているが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、オーディオビジュアル機器などの外部装置(図示省略)に接続するようにしてもよい。
【0076】
図10は、第2実施形態における電力供給装置2の基本的な構成要素を示したブロック図である。
電力供給装置2は、制御部21を中核とするもので、商用電源などの電源部(外部電源)22からの電力供給により動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこの電力供給装置2の全体動作を制御するもので、中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部23は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し(図示せず)、このプログラム領域には、後述する図12に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部23のデータ領域には、この電力供給装置2の動作に必要な各種の情報が記憶されているほか、ユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3、受信情報・電力供給パターンテーブルTB4が記憶されている。
【0077】
更に、図9、図10を用いて以下説明する。操作部24は、電力供給パターン選択スイッチPS、電源スイッチPW、充電開始スイッチSTなどを有し、制御部21は、充電開始スイッチST、電力供給パターン選択スイッチPSの操作信号を電力供給回路25に与える。この電力供給回路25は、充電開始スイッチSTの操作に応じて動作し、予め用意されている複数種の電力供給パターンを生成可能な構成で、複数種の電力供給パターンの中からユーザ操作(電力供給パターン選択スイッチPSによる操作)により選択された電力供給パターンを択一的に切り替え出力するようにしている。この電力供給回路25から切り替え出力される電力供給パターンは、ケーブル3を介して電子機器1側に送信される。
【0078】
表示部26は、上述の表示画面DPを有し、電力供給パターンの選択状態や充電状態などを表示する。受信部27は、構内専用の無線LANを介して、無線通信網やインターネットなどに接続されるもので、制御部21は、電子機器1が接続されている状態において、この電子機器1を宛先とする着信を、アンテナAN2を介して受信すると、その受信内容を解析し、どのような種類の特定情報が含まれているかに応じて、その種類に対応する電力供給パターンを電子機器1に供給するようにしている。なお、電力供給装置2は、電子機器1を宛先とする着信を受信可能とするためにその通信識別情報(電話番号やメールアドレス)を記憶管理するようにしている。
【0079】
図11は、第2実施形態におけるユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3、受信情報・電力供給パターンテーブルTB4を説明するための図で、図11(1)は、ユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3を示している。
ユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3は、電子機器1側に供給する「電力供給パターン」と、電子機器1側の動作を制御する「動作内容」と、複数種の電力供給パターンの中から所望する電力供給パターンをユーザ操作により選択するための「操作内容」とを対応付けて記憶する構成となっている。
【0080】
図示の例では、「電力供給パターン」の“PB1”、“PB2”、…に対応付けて、動作モードに関する「動作内容」として通信機能に関する“マナーモードへ設定”、“マナーモードの解除”、…が記憶され、また、「操作内容」として、“SW1”、“SW2”、…が記憶されている。「操作内容」の“SW1”、“SW2”、…は、多段式の電力供給パターン選択スイッチPSの操作内容(切り替え状態)を示し、“SW1”は、1段目に切り替えた状態、“SW2”は、2段目に切り替えた状態を示している。
【0081】
このユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3の「操作内容」と「動作内容」とが対応付けて表示画面DPに一覧表示されている状態において、ユーザは、電子機器1側をどのように制御するかに応じて電力供給パターン選択スイッチPSを操作するようにしている。例えば、電子機器1側の「動作内容」として“マナーモードの解除”を指定するときには、表示画面DPの一覧表示を確認し、電力供給パターン選択スイッチPSを操作して“SW2”に切り替える。制御部21は、電力供給パターン選択スイッチPSの操作内容(切り替え状態)に応じて、それに対応する「電力供給パターン」を電力供給回路25から発信出力させる。
【0082】
受信情報・電力供給パターンテーブルTB4は、図11(2)に示すように、電子機器1側に供給する「電力供給パターン」と、電子機器1側の動作を制御する「動作内容」と、複数種の電力供給パターンの中から受信情報に基づいて選択するための「受信内容」とを対応付けて記憶する構成となっている。電子機器1側の動作を制御する「動作内容」として、図示の例では、「電力供給パターン」の“PA1”、“PA2”、“PA3”、…に対応付けて、“主要部オフ”、“主要部オン”、“○○制御部のスリープ化”…が記憶され、また、「受信内容」として、“特定情報受信無”、“特定情報a(緊急情報)受信有り”、“特定情報b(重要情報)受信有り”…が記憶されている。
【0083】
なお、緊急情報とは、例えば、緊急地震速報などの情報であるが、特定のキーワード(至急、緊急など)を含む情報であってもよい。また、重要情報とは、例えば、会社からの指示情報のように特定メールアドレスからの情報などで、アドレス帳(図示省略)に登録されている電話番号やメールアドレスからの着信であれば、重要情報としてもよい。また、上述した第1実施形態と同様に、“主要部オフ”、“主要部オン”とは、電子機器1の主要部分(メイン制御部11及び主電源)をオフ/オンすることを示し、また、“○○制御部のスリープ化”とは、例えば、電子機器1の一部分、例えば、カメラ制御部(図示省略)をスリープ化(休止状態)することを示している。
【0084】
この「受信内容」の“特定の情報受信無”は、特定情報a(緊急情報)、特定情報b(重要情報)など、いずれの特定情報も受信しなかった場合を示し、“特定情報a(緊急情報)受信有り”は、特定の情報として緊急を要する情報を受信した場合を示し、“特定情報b(重要情報)受信有り”は、機密性の高い重要な情報を受信した場合を示している。また、電子機器1側の動作を制御する「動作内容」として、図示の例では、「電力供給パターン」の“PA10”、“PA11”、…に対応付けて、“ユーザ設定(1)”、“ユーザ設定(2)”、…が記憶され、また、「受信内容」として、“特定情報c受信有り”、“特定情報d受信有り”…が記憶されている。“ユーザ設定(1)”、“ユーザ設定(2)”は、ユーザ操作により任意に設定された動作内容を示している。例えば、「電力供給パターン」の“PA10”に対応する「動作内容」として、“カメラ制御部(図示省略)のスリープ状態解除”が“ユーザ設定(1)”として設定される。
【0085】
図12は、第2実施形態において電力供給装置2の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、電力供給装置2の制御部21は、電源スイッチPWによる電源オン操作が行われると(ステップC1でYES)、電子機器1が(通信的に)接続されているかを検出し(ステップC2)、電子機器1が接続されるまで待ち状態となるが、電子機器1が接続されているときには(ステップC2でYES)、充電開始スイッチSTの操作待ち状態となる(ステップC3)。なお、電子機器1への充電が完了している(満充電状態である)場合、電源スイッチPWによる電源オフ操作が行われた際、また、電子機器1が接続されていないことを検出した際(タイムアウト時)等に、このフローを終了させるようにしてもよい。
【0086】
いま、充電開始スイッチSTが操作されて充電の開始が指示されると(ステップC3でYES)、ユーザ指定(指示)が有るか、つまり、電力供給パターン選択スイッチPSが操作されたかを調べ(ステップC4)、その選択スイッチPSが操作されていなければ(ステップC4でNO)、現在の選択スイッチPSの操作内容、つまり、前回の操作状態に基づいてユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3を参照し、その「操作内容」に応じた「電力供給パターン」を電力供給回路25から発信出力させる(ステップC5)。この場合、前回の操作状態に関わらず、デフォルトのパターンとして予め決められている電力供給パターン、例えば、“マナーモードの解除”に対応する電力供給パターン“PB2”を電力供給回路25から発信出力させるようにしてもよい。
【0087】
また、電力供給パターン選択スイッチPSが操作されていた場合又は操作された際には(ステップC4でYES)、今回の選択スイッチPSの操作内容に基づいてユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3を参照し、その「操作内容」に応じた「電力供給パターン」を電力供給回路25から発信出力させる(ステップC6)。なお、電力供給パターン選択スイッチPSによるユーザ指定がされているか、されていないかの(過程)状況、又は、ユーザ指定されて現在有効となっている電力供給パターンなどは、表示画面DPで確認できるようになっている。このようにして電力供給パターンを発信出力させた後は、受信部27から特定情報(緊急情報、重要情報など)を受信したかを調べ(ステップC7)、特定情報を受信しなければ(ステップC7でNO)、充電終了のイベントの有無をチェックするステップC15に移る。
【0088】
ここで、電力供給装置2との接続解除を検出したり、満充電を検出したり、所定の充電時間の完了を検出したりしたときには、充電終了イベントの有りが検出されるので(ステップC15でNO)、この時点で図12のフローの終了となる。また、充電終了イベントの有りを検出しなければ(ステップC15でYES)、例えば、1秒毎のように定期的な受信タイミングに達したか否かを調べ(ステップC16)、この受信タイミングに達するまで充電終了イベントを検出する上述のステップC15に戻るが、受信タイミングに達したときには(ステップC16でYES)、特定情報の受信有無をチェックする上述のステップC7に戻る。なお、この第2実施形態では、上述のように受信タイミング毎に特定情報の受信有無をチェックするようにしたが、特定情報の受信有無を常時チェックするようにしてもよい。
【0089】
一方、受信部27から特定情報(緊急情報、重要情報など)を受信したときには(ステップC7でYES)、この特定情報に基づいて受信情報・電力供給パターンテーブルTB4を参照し(ステップC8)、この特定情報に対応する「電力供給パターン」が登録されているかを調べる(ステップC9)。いま、「電力供給パターン」が登録されていなければ(ステップC9でNO)、充電終了イベントを検出する上述のステップC15に移るが、「電力供給パターン」が登録されていれば(ステップC9でYES)、その特定情報の種類を判別する(ステップC10、C11)。すなわち、特定情報は、緊急情報であるか(ステップC10)、ユーザ設定された「動作内容」に対応する種類の情報であるか、その他の種類の情報であるかを調べる(ステップC11)。
【0090】
いま、緊急情報を受信したときには(ステップC10でYES)、緊急情報に対応する「電力供給パターン」に変更して電力供給回路25から発信出力させる(ステップC12)。例えば、電子機器1の主要部(メイン制御部11)をオンするための「電力供給パターン」に変更して発信出力させる。また、ユーザ設定の対応する種類の情報を受信したときには(ステップC11でYES)、その情報に対応する「電力供給パターン」に変更して電力供給回路25から発信出力させ(ステップC13)、その他の種類の情報を受信したときには(ステップC11でNO)、その情報に対応する「電力供給パターン」に変更して電力供給回路25から発信出力させる(ステップC14)。そして、充電終了イベントを検出するステップC15に移り、以下、上述の動作を繰り返す。
【0091】
以上のように、第2実施形態において電力供給装置2は、ユーザ指定・電力供給パターンテーブルTB3や受信情報・電力供給パターンテーブルTB4を参照し、複数種の電力供給パターンのうち、電子機器1をどのように制御するかの動作内容に応じて該動作内容に対応する電力供給パターンを読み出して電力供給回路25から発信出力させるようにしたので、電子機器1と電力供給装置2との接続状態を維持したまま電力供給装置2の主導下で電子機器1の動作を容易に制御することができ、柔軟性に富むほか、電子機器1及び電力供給装置2に通信手段を設けたり、電子機器1及び電力供給装置2の構成を複雑化したりすることもないなど、実用性の高いものとなる。
【0092】
電力供給装置2は、電力供給パターンをユーザ操作により任意に指定するようにしたので、ユーザの意図に応じて電子機器1の動作を制御することができる。
【0093】
電力供給装置2は、特定情報を受信した場合に、受信情報・電力供給パターンテーブルTB4を参照し、複数種の電力供給パターンのうち、その特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して電力供給回路25から発信出力させるようにしたので、電子機器1と電力供給装置2との接続状態を維持したまま該電子機器1側の動作内容を適切に制御することができ、柔軟性に富むほか、電子機器1及び電力供給装置2に通信手段を設けたり、電子機器1及び電力供給装置2の構成を複雑化したりすることもないなど、実用効果の高いものとなる。
【0094】
電力供給装置2は、特定情報として緊急情報を受信した際に、電子機器1の電源状態をオンに変更させるための電力供給パターンを選択するようにしたので、電子機器1に電力を供給しながら緊急情報に応じて電子機器1側の動作を制御することができる。
【0095】
電力供給装置2は、特定情報を受信した場合に変更させるための動作内容をユーザ操作により任意に設定するようにしたので、同一の特定情報を受信した場合でも、例えば、“カメラ制御部のスリープ化”から“カメラ制御部のスリープ状態解除”に変更することが可能となる。
【0096】
なお、上述した第2実施形態において電力供給装置2は、電子機器1がケーブル接続される有線型充電装置を示したが、上述した第1実施形態と同様に、電磁誘導方式、電波受信方式、電場・磁場共鳴方式、太陽電池を用いた光発電方式などの非接触充電方式による無接点型充電装置であってもよい。また、電力供給装置2は、充電装置に限らず、ACアダプタなどであってもよい。
【0097】
また、上述した各実施形態においては、電子機器1として、携帯電話機を例示したが、これに限らず、例えば、デジタルカメラ、PDA、パーソナルコンピュータなどであってもよく、更に、テレビジョン受像機、オーディオビジュアル機器などの家電製品、事務機器、電気自動車、プラグインハイブリット車など、電子機器全般に適用可能である。例えば、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、オーディオビジュアル機器などに対して電力を供給している状態で、深夜時間帯であれば、その主電源をオフ状態としたり、起床時間にオン状態としたりするようにしてもよい。また、電気自動車やプラグインハイブリット車への充電中において、消し忘れのライト類をオフしたり、出勤時間帯に車載用空調機をオン状態にしたり、走行しながら充電を行っている場合に、渋滞情報や事故情報を以って、スピードを調整(制限)するようにしてもよい。この場合、例えば、電力供給パターンの波の大きさ又は波の周波数などに応じてスピードを制御するようにしてもよい。
【0098】
また、上述したように電力供給パターンは、“波の大きさ”、“波の周波数”、“波の形”、“波のタイミング”、・・・に限らず、それらの組み合わせであってもよく、また、間欠的な電力供給の場合には、その供給時間と間欠時間との組み合わせなどであってもよい。また、電子機器1を電力供給装置2に接続してから電力供給が開始されるまでの時間を計測し、その計測時間に応じた動作内容となるように電子機器1の動作を制御するようにしてもよい。このように電力が供給されていない状態も電力供給パターンに含めるようにすれば、電力が供給されていない状態でも、その計測時間に応じた動作内容となるように電子機器1の動作を制御することができる。
【0099】
更に、上述した各実施形態で示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 電子機器
2 電力供給装置
3 ケーブル
11 メイン制御部
12 電源部
12a 二次電池
12b 安定化回路
12c 変換回路
13、23 記憶部
16、26 表示部
17、24 操作部
21 制御部
25 電力供給回路
27 受信部
AT 識別属性設定スイッチ
CL1 充電用一次コイル(電力発信部)
CL2 充電用二次コイル(電力受領部)
CT 制御設定情報
DP 表示画面
PS 電力供給パターン選択スイッチ
TB1 識別属性テーブル
TB2 電力供給パターンテーブル
TB3 ユーザ指定・電力供給パターンテーブル
TB4 受信情報・電力供給パターンテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置から電力が供給される電子機器であって、
前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンと前記電子機器の動作内容とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンを受け取る電力受領手段と、
該電力受領手段により受け取った電力供給パターンを識別する識別手段と、
該識別手段により識別された電力供給パターンに対応付けられている前記電子機器の動作内容を前記記憶手段から読み出して、その動作内容となるように前記電子機器の動作を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記記憶手段は、複数種の前記電力供給パターンの個々に対応付けて前記電子機器の動作内容を記憶し、
前記制御手段は、前記識別手段により識別された電力供給パターンに基づいて前記記憶手段を検索することにより、前記電力供給パターンに対応する動作内容を読み出す、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数種の電力供給パターンは、その供給エネルギーの大きさ、周波数、波の形、タイミング、又はそれらの組み合わせのうち、少なくともその一部がそれぞれ異なるパターンである、
ことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、前記電子機器の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替える動作内容を含み、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出した動作内容に基づいて前記電子機器の主要部分又は一部分をオン状態又はオフ状態に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記電力供給パターンに対応付けられている動作内容として、前記電子機器の通信機能に関する動作モードを切り替える動作内容を含み、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出した動作内容に基づいて前記電子機器の通信機能に関する動作モードを切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記電力供給装置により電力供給された電力を、前記電子機器が安定して動作する状態に整える安定化手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記電力供給装置により電力供給された電力を蓄える二次電池を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記電力受領手段は、非接触の電力供給方式の電力を受領する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
前記電力受領手段は、電界、磁界、磁気共鳴、光発電、振動、音波、のいずれか又はそれらの組み合わせを利用した電力供給方式で供給される電力を受領する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記複数種の電力供給パターンを識別する際に用いる属性をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備え、
前記識別手段は、前記設定手段により設定された属性に基づいて電力供給パターンを識別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項11】
電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、
複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に供給する電力供給手段と、
前記複数種の電力供給パターンの個々に対応して前記電子機器の動作内容を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器をどのように制御するかの動作内容に応じて該動作内容に対応する電力供給パターンを前記記憶手段から読み出して、前記電力供給手段から前記電力供給パターンを出力させる制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項12】
前記電力供給パターンをユーザ操作により任意に指定する指定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記指定手段によって指定された電力供給パターンを前記記憶手段から読み出す、
ようにしたことを特徴とする請求項11記載の電力供給装置。
【請求項13】
受信機能を備え、電子機器に対して電力を供給する電力供給装置であって、
前記電子機器の動作内容を指定する複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に対して供給する電力供給手段と、
前記受信機能が特定の情報を受信した場合に、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器を前記特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して前記電力供給手段から前記電力供給パターンを出力させる制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項14】
前記特定の情報は、緊急情報であり、
前記制御手段は、前記受信機能が緊急情報を受信した際に、前記電子機器の電源状態をオンに変更させるための電力供給パターンを選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の電力供給装置。
【請求項15】
前記特定の情報を受信した場合に変更させるための前記電子機器側の動作内容をユーザ操作により任意に設定する設定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記設定手段によって設定された動作内容に対応する電力供給パターンを選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の電力供給装置。
【請求項16】
コンピュータに対して、
電力供給装置から電力が供給される電子機器の動作内容と前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンとを対応付けて記憶されている状態において、前記電力供給装置から電力供給される電力供給パターンを受け取る機能と、
前記受け取った電力供給パターンを識別する機能と、
前記識別された電力供給パターンに対応付けて記憶されている動作内容となるように前記電子機器の動作を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータに対して、
複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを電子機器に供給する機能と、
前記複数種の電力供給パターンの個々に対応して前記電子機器の動作内容を対応付けて記憶されている状態において、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器をどのように制御するかの動作内容に応じて該動作内容に対応する電力供給パターンを読み出して出力させる制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータに対して、
電子機器の動作内容を指定する複数種の電力供給パターンのうち、そのいずれかの電力供給パターンを前記電子機器に供給する機能と、
受信機能が特定の情報を受信した場合に、前記複数種の電力供給パターンのうち、前記電子機器を前記特定の情報に対応する動作内容に変更させるために該動作内容に対応する電力供給パターンを選択して出力させるための制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−171871(P2011−171871A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31993(P2010−31993)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】