説明

電子機器及び電子機器の筐体

【課題】本発明は、電子機器の構成を簡易化する。
【解決手段】本発明は、筐体2に対し、当該筐体2内の電子部品と天板2Bの天板内面2BXとの間の内部空間IAに外部から指を差し込ませるための差込開口部11と、当該差込開口部11を介して内部空間IAに差し込まれた指と対向する天板2Bの対向部分が天板外面2BY側から内部空間IA側へ押し出されるようにして天板2Bの一部として天板外面2BY側に凹部12Aを有し、かつ天板内面2BX側に凸部12Bを有するように形成され、当該凸部12Bに差込開口部11を介して内部空間IAに差し込まれた指が掛けられる指掛部12とから構成される持運用の持運ハンドル10を設けることにより、筐体2に対し持運ハンドル10として個別の部品を何ら設けることなく、筐体2の一部を持運ハンドル10として機能させることができ、電子機器の構成を簡易化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及び電子機器の筐体に関し、例えば音楽データを再生する音楽再生装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の記録再生装置は、筐体に対し装置持運用のコ字状の持運ハンドルが、その棒状のハンドル胴体部の一端及び他端に設けられた2本のハンドル腕部を介して回転可能に取り付けられていた。そして記録再生装置は、例えば筐体背面側に回転されていた持運ハンドルを筐体の天板側に起こすように回転させてハンドル胴体部を手で持たせることで、その持運ハンドルを介して記録再生装置全体を持ち上げさせて持ち運びできるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−200475公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、かかる構成の記録再生装置は、筐体に対し別部品として持運ハンドルを設けていることにより、記録再生装置の構成が煩雑化していると言う問題があった。
【0004】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、構成を簡易化し得る電子機器及び電子機器の構成を簡易化し得る筐体を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため本発明においては、電子機器の電子部品が収納される筐体に対し、当該筐体内の電子部品と筐体の天板の天板内面との間に形成された内部空間に、外部から指を差し込ませるための差込開口部と、当該差込開口部を介して内部空間に差し込まれた指と対向する天板の対向部分が天板外面側から内部空間側へ押し出されるようにして天板の一部として天板外面側に凹部を有し、かつ天板内面側に凸部を有するように形成され、当該凸部に差込開口部を介して内部空間に差し込まれた指が掛けられる指掛部とから構成される持運用の持運ハンドルを設けるようにした。
【0006】
従って本発明では、筐体に対し持運ハンドルとして個別の部品を何ら設けることなく、当該筐体の一部を持運ハンドルとして機能させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器の電子部品が収納される筐体に対し、当該筐体内の電子部品と筐体の天板の天板内面との間に形成された内部空間に、外部から指を差し込ませるための差込開口部と、当該差込開口部を介して内部空間に差し込まれた指と対向する天板の対向部分が天板外面側から内部空間側へ押し出されるようにして天板の一部として天板外面側に凹部を有し、かつ天板内面側に凸部を有するように形成され、当該凸部に差込開口部を介して内部空間に差し込まれた指が掛けられる指掛部とから構成される持運用の持運ハンドルを設けるようにしたことにより、電子機器の筐体に対し持運ハンドルとして個別の部品を何ら設けることなく、筐体の一部を持運ハンドルとして機能させることができ、かくして構成を簡易化し得る電子機器及び電子機器の構成を簡易化し得る筐体を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
図1において、1は全体として本発明を適用した音楽再生装置を示し、電源回路や再生処理回路、表示処理回路等の種々の電子部品が収納された箱型の筐体2を有している。この筐体2は、正面(以下、これを筐体正面と呼ぶ)2Aの中央部に、再生開始ボタン及び再生停止ボタン等の各種操作ボタン3や、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等でなる表示パネル4が配置されている。
【0010】
また筐体正面2Aには、筐体2内に電子部品として収納されたコンパクトディスクドライブ5の端部が露出し、当該コンパクトディスクドライブ5が、ディスクトレイ5Aを筐体正面2Aの前側にせり出させ、また内部に収納し得るようになされている。さらにまた筐体正面2Aには、左右に電子部品としての一対のステレオスピーカ6A及び6Bが配置されている。因みに筐体2の天板2Bにも、筐体正面2A寄りに電源ボタンや音量調節ボタン等の種々の操作ボタン7が配置されている。
【0011】
これにより音楽再生装置1は、操作ボタン3の操作に応じて、コンパクトディスクドライブ5のディスクトレイ5Aを筐体正面2Aの前側にせり出させ、かくしてディスクトレイ5Aにコンパクトディスクを載上させ得るようになされている。そして音楽再生装置1は、操作ボタン3の操作に応じて、ディスクトレイ5Aをコンパクトディスクドライブ5内に収納することにより、ディスクトレイ5A上のコンパクトディスクを当該コンパクトディスクドライブ5の内部に装填させることができる。
【0012】
このようにして音楽再生装置1は、コンパクトディスクが装填された状態で操作ボタン3を介して再生開始命令が入力されると、コンパクトディスクから音楽データを再生し、その音楽データに基づくステレオ音楽をステレオスピーカ6A及び6Bを介して放音してユーザに聴かせることができる。また音楽再生装置1は、例えば音楽データの再生中には再生時間のように再生中の音楽データに関連する種々の情報を表示パネル4に表示してユーザに通知し得るようになされている。
【0013】
かかる構成に加えて、この音楽再生装置1の場合、筐体2の天板2Bの中央部には、当該筐体2の背面(以下、これを筐体背面と呼ぶ)2C側から筐体正面2A側にかけて装置持運用の持運ハンドル10が設けられている。図2及び図3に示すように、筐体2の内部には、当該筐体2内の底寄りに収納された電子部品と、天板2Bの天板内面2BXとの間で、かつ筐体正面2A寄りに例えば天板内面2BXと平行な偏平状の内部空間IAが形成されている。
【0014】
そして持運ハンドル10には、天板2Bの筐体背面2C寄りに当該天板2Bと一体に形成され、内部空間IAに対し外部からユーザに指を差し込ませるための差込開口部11が設けられている。また持運ハンドル10には、差込開口部11を介して内部空間IAに差し込まれる指と対向する天板2Bの筐体正面2A寄りの対向部分が天板外面2BY側から内部空間IA側へ押し出されることで、天板外面2BY側に凹部12Aを有し、かつ天板内面2BX側に凸部12Bを有するように天板2Bと一体に形成された指掛部12も設けられている。
【0015】
ここで、持運ハンドル10が設けられる天板2Bは、その外形に応じた形状の成型面を有する金型により樹脂材を成型して形成される。そして本実施の形態の場合、かかる金型には、筐体背面2C寄りの所定部分の天板外面2BYと対向する一方の成型面及び当該所定部分の天板内面2BXと対向する他方の成型面にそれぞれ差込開口部11の形状に応じた加工が施されている。また、かかる金型には、天板外面2BYと対向する一方の成型面に指掛部12の凹部12Aに対応する凸部が形成され、かつ天板内面2BXと対向する他方の成型面に指掛部12の凸部12Bに対応する凹部も形成されている。これにより本実施の形態では、このような金型を用いて樹脂材を成型することで、天板2と共に持運ハンドル10(すなわち、差込開口部11及び指掛部12)が一体に形成されている。
【0016】
実際に差込開口部11には、天板2Bの筐体背面2C寄りの中央部分に、当該筐体背面2C側から筐体正面2A側にかけて筐体2の内部へ徐々に落ち込んで傾斜するように形成され、筐体背面2C側から内部空間IAへの指の差し込みをガイドするための差込ガイド11Aが設けられている。そして差込ガイド11Aは、平板状の底板11AXと、当該底板11AXの両脇を天板2Bに連結する一対の連結壁11AY及び11AZとから形成されている。
【0017】
また差込開口部11には、差込ガイド11Aの筐体正面2A側の端部(すなわち、底板11AXが筐体2内に最も落ち込んだ側の端部)に形成された、筐体正面2Aと平行な開口11Bも設けられている。これにより差込開口部11は、筐体2の内部空間IAを、開口11B及び差込ガイド11Aを介して外部に開放し得るようになされている。よって差込開口部11は、ユーザの指を差込ガイド11Aにより天板外面2BYの筐体背面2C側から内部空間IAまでガイドするようにして、当該内部空間IAに対し例えば矢印aに示す、天板2Bと平行でかつ筐体背面2Cから筐体正面2Aに向かう差込方向(以下、これを単に差込方向と呼ぶ)に沿って指を差し込ませることができるようになされている。
【0018】
一方、指掛部12は、天板2Bの成型時に天板外面2AYを凹ませ、その込みに応じて天板内面2BXを突出させることで例えば全体として当該天板2Bの板厚と同じ板厚を有するように、天板外面12BY側の凹部12Aと天板内面2BX側の凸部12Bとが形成されている。そして指掛部12の凹部12Aは、差込方向よりも、当該差込方向と直交する矢印bに示す天板2Bと平行な直交方向(すなわち、筐体2を筐体正面2Aから見たときの左右方向でもあり、以下、これを単に直交方向と呼ぶ)へ長く、かつ当該直行方向と平行な溝状に形成されている。また指掛部12の凸部12Bは、差込方向よりも直交方向へ長く、かつ当該直交方向と平行な箱状に形成されている。これにより指掛部12は、ほぼ平板である天板2Bに対し強度補強用のリブとして機能し、当該天板2Bが比較的薄く形成された場合でも、外部からの圧力によって割れる等して破損することを防止している。
【0019】
ところで差込開口部11の開口11Bは、差込ガイド11Aの筐体正面2A側の端部と、天板2Bにおいて差込ガイド11Aの形成により生じた切欠部分2BZとを一周に亘る縁部として、直交方向に沿って長い略長方形状に形成されている。また差込開口部11の開口11Bは、直交方向の横幅が例えば15〔mm〕程度又はそれ以上に選定されている。さらに指掛部12の凸部12Bは、直交方向の長さが、差込開口部11の開口11Bの横幅よりも長く選定されている。そして指掛部12の凸部12Bは、その中央を、差込方向と平行で開口11Bの中央を通る仮想線上に位置させるように配置されている。
【0020】
これにより図4(A)及び(B)に示すように、持運ハンドル10は、ユーザに対し筐体背面2C側から手の甲を天板外面2BYに向けさせた状態(すなわち、手のひらを天板外面2BYの上側に向けさせた状態)で例えば人差し指から小指までの4本の指を差込方向に沿って開口11Bから内部空間IAに差し込ませることができる。そして図5に示すように、持運ハンドル10は、ユーザに対し差込開口部11を介して内部空間IAに指を差し込ませた場合、当該指を指掛部12の凸部12Bの底面12BX側に潜り込ませることができる。
【0021】
その結果、持運ハンドル10は、ユーザに対し例えば4本の指を、指掛部12の凸部12Bの差込方向に沿って奥側となる一方の外壁の壁面12BY(すなわち、筐体正面2A寄りの一方の壁面12BY)から底面12BXに渡って掛けさせることができる。このようにして持運ハンドル10は、ユーザに対し4本の指を指掛部12の凸部12Bに掛けさせた状態で当該手と共に音楽再生装置1全体を持ち上げさせることができる。そして持運ハンドル10は、その際、音楽再生装置1に働く重力を指掛部12の凸部12Bに掛けさせた例えば4本の指で受け止めさせ、かくしてユーザに音楽再生装置1を落とさずに持ち運ばせることができる。
【0022】
ところで持運ハンドル10は、差込開口部11の開口11Bと、指掛部12の凸部12Bとが比較的近づけて配置されている。従って持運ハンドル10は、例えばユーザの人差し指から小指までの4本の指が内部空間IAに差し込まれた場合、天板外面2BY側に位置させている親指の根本部分を天板2Bの切欠部分2BZに押し付けさせて指掛部12の凸部12Bを当該天板2Bの切欠部分2BZ付近と共に握らせるように、その凸部12Bに4本の指を掛けさせることができる。これにより持運ハンドル10は、ユーザに対し強固に保持させた状態で音楽再生装置1をさらに安定して持ち運ばせることができる。
【0023】
因みに内部空間IA(図5)には、筐体2内の電子部品を覆うように絶縁性のカバーCBが設けられている。従って音楽再生装置1は、持運ハンドル10の差込開口部11を介して内部空間IAにユーザの指が差し込まれた場合に、その指が電子部品に接触して破損すること等を防止している。
【0024】
さらに音楽再生装置1は、例えば重心が筐体2の中央底側にある。このため差込ガイド11Aの底板11AXは、筐体正面2A側から見たときに筐体背面2C側の横幅よりも筐体正面2A側の横幅がわずかに狭い略逆台形状に形成されている。そして差込ガイド11Aには、かかる底板11AXの形状に応じて一対の連結壁11AY及び11AZが、筐体背面2C側の端部同士より筐体正面2A側の端部同士を近づけるようにして設けられている。
【0025】
これにより持運ハンドル10は、内部空間IAに対しユーザが指を筐体右側や筐体左側から差し込もうとした場合、差込ガイド11Aの一対の連結壁11AY及び11AZ及び開口11Bの配置位置によりユーザの手の進行方向を差込方向と極力一致させるように修正して指をガイドすることができる。よって持運ハンドル10は、内部空間IAに対しユーザにより指が差し込まれたときに、指掛部12の凸部12Bのほぼ中央部分に指を掛けさせることができるようになされている。その結果、持運ハンドル10は、ユーザに対し音楽再生装置1を左右の重みのバランスが取れる位置で持ち運ばせることができる。
【0026】
また図6に示すように、指掛部12の凸部12Bは、底面12BXに差込方向と平行な複数の線状に突出する滑止部12BAが所定間隔で形成されている。さらに指掛部12の凸部12Bは、差込方向に沿って奥側及び手前側となる一対の外壁の壁面12BY及び12BZにも、底面12BXの複数の滑止部12BAが延長して形成されている。これにより図7に示すように、指掛部12は、例えばユーザの4本の指が凸部12Bに掛けられたとき、滑止部12BAを互いの指の間に位置させ得るようになされている。
【0027】
従って指掛部12は、ユーザにより持運ハンドル10を介して音楽再生装置1が持ち運ばれる際、指が凸部12Bの中央部分から直交方向の一方又は他方の端部側にずれて掛けられたことで手を基点にした音楽再生装置1の左右の重みのバランスが崩れて当該音楽再生装置1が右又は左に傾いたときや、指が凸部12Bの中央部分に掛けられていてもユーザにより音楽再生装置1が左右に傾けられたときに、当該凸部12Bに掛けられているユーザの指の横腹に滑止部12BAを押し付けるようにして引っ掛けることができる。よって指掛部12は、ユーザにより持運ハンドル10を介して音楽再生装置1が持ち運ばれるときに当該音楽再生装置1が右又は左に傾いても、凸部12Bから、これに掛けられている指が滑って外れ、その結果、音楽再生装置1を落下させるようなことを極力回避している。
【0028】
これに加えて指掛部12の凹部12Aは、溝の深さが所定の深さ(例えば、10〔mm〕程度)に選定されている。また凸部12Aは、溝の幅(すなわち、差込方向に沿った長さ)がコンパクトディスクの収納ケースの厚み(例えば、10〔mm〕程度)に応じて当該厚みよりもわずかに広く(例えば、12〔mm〕程度)選定されている。さらに凸部12Aは、溝の長さ(すなわち、直交方向に沿った長さ)が、コンパクトディスクの収納ケースの横幅(例えば、150 〔mm〕程度)よりもわずかに長く(例えば、170 〔mm〕程度)に選定されている。
【0029】
従って図8及び図9に示すように、指掛部12は、例えばコンパクトディスクから音楽データが再生されるとき、そのコンパクトディスクが収納される収納ケース20の端部を凹部12Aの溝に挿入させることができる。そして指掛部12は、凹部12Aの溝の幅が収納ケース20の厚みよりもわずかに広く選定されていることにより、当該凹部12Aの溝に端部が挿入された収納ケース20を例えば筐体背面2C側に傾斜させることで、その収納ケース20の端部の正面側の角を溝の筐体正面2A寄りの内壁12AXに突き当てる。これにより指掛部12は、凹部12Aの溝内に収納ケース20の端部を保持し、かくしてコンパクトディスクから音楽データが再生されている間、収納ケース20に収納されているジャケット写真をユーザに見せることができる。
【0030】
以上の構成において、音楽再生装置1は、電子部品が収納された筐体2に対し、当該筐体2の内部空間IAに外部から指を差し込ませるための差込開口部11と、その差込開口部11を介して内部空間IAに差し込まれた指と対向する天板2Bの対向部分に当該天板2Bの一部として天板外面2BY側に凹部12Aを有し、かつ当該凹部12Aに応じて天板内面2BX側に凸部12Bを有するように形成された指掛部12とから構成される持運ハンドル10を設けた。
【0031】
そして音楽再生装置1は、ユーザに対し筐体背面2C側から手の甲を天板外面2BYに向けさせた状態で例えば人差し指から小指までの4本の指を、差込方向に沿って持運ハンドル10の差込開口部11を介して内部空間IAに差し込ませて、当該内部空間IAで指を指掛部12の凸部12Bに掛けさせる。このようにして音楽再生装置1は、筐体2の天板2Bと一体に形成している持運ハンドル10をユーザに保持させた状態で当該音楽再生装置1を持ち運ばせることができる。
【0032】
以上の構成によれば、音楽再生装置1は、筐体2に対し、内部空間IAに外部から指を差し込ませるための差込開口部11と、当該差込開口部11を介して内部空間IAに差し込まれた指と対向する天板2Bの対向部分を天板外面2BY側では凹部12Bとし、かつ当該凸部12Bに応じて天板内面2BX側では指が掛けられる凸部12Bとして天板2Bと一体に形成された指掛部12とから構成される持運ハンドル10を設けるようにした。これにより音楽再生装置1は、筐体2に対し持運ハンドル10として個別の部品を何ら設けることなく、当該筐体2の一部を持運ハンドル10として機能させることができる。よって音楽再生装置1は、構成を簡易化することができる。
【0033】
また音楽再生装置1は、持運ハンドル10の指掛部12において天板内面2BX側の凸部12Bを指の差込方向と直交する直交方向へ長い箱状に形成した。これにより音楽再生装置1は、持運ハンドル10において指掛部12の凸部12Bに対し例えば人差し指から小指までの4本の指を容易に掛けさせることができる。そして音楽再生装置1は、持運ハンドル10を介して持ち運ばれるとき、当該音楽再生装置1の自重により指掛部12の凸部12Bに掛けられている4本の指に下方向に引っ張るような力が作用するものの、その力を当該4本の指に分散させることができる。よって音楽再生装置1は、ユーザに対し持運ハンドル10を介して極力安定して持ち運ばせることができる。
【0034】
ところで人間は、本来、リラックスした状態のとき、自然に手のひら及び指先を自分の体に向けるような姿勢を取る。このため音楽再生装置1は、筐体2の天板2Bにおいて持運ハンドル10の差込開口部11を筐体背面2C寄りに設けると共に指掛部12を筐体正面2A寄りに設けるようにしてユーザに対し筐体背面2C側から内部空間IAに指を差し込ませて凸部12Bに指を掛けさせるようにした。従って音楽再生装置1は、持運ハンドル10を介してユーザに持ち運ばれるとき、そのユーザに対し筐体正面2Aを体に向けさせるような姿勢を無理なく取らせることができ、かくして持ち運びの際に表示パネル4や各種操作ボタン3等が露出する筐体正面2Aをユーザの体で保護させることができる。
【0035】
さらに音楽再生装置1は、持運ハンドル10において指掛部12の凸部12Bの底面12BXと壁面12BY及び12BZとに複数の滑止部12BAを所定間隔で設けるようにした。従って音楽再生装置1は、ユーザにより持運ハンドル10を介して持ち運ばれるとき、指掛部12の凸部12Bから指が滑って外れることを極力回避することができる。また音楽再生装置1は、このように指掛部12の凸部12Bに対し複数の滑止部12BAを設けることで、例えば指掛部12が比較的薄く形成された場合でも、その指掛部12BAをリブとして機能させて当該凸部12Bの強度を高めることができる。
【0036】
さらにまた筐体2の天板2Bに対し持運ハンドル10の指掛部12を一体に形成するには、例えば天板外面2BY側に凹部12Aを形成せずに天板内面2BX側に凸部12Bのみを形成する手法が考えられる。ところが、かかる手法では、天板外面2BYから凸部12Bの底面12BXまでの肉厚が比較的厚く選定されると、天板2Bの成型用の金型により樹脂材を成型して硬化させるとき、当該凸部12Bの裏側(すなわち、天板外面2BY)に、樹脂材が必要以上に収縮して、ひけと呼ばれるいびつなへこみが生じる場合がある。
【0037】
このため本実施の形態では、かかる手法を用いずに、天板2Bと持運ハンドル10の指掛部12とを一体に形成する場合、指掛部12の肉厚を天板2Bの肉厚とほぼ等しくするようにして、天板外面2BY側に指掛部12の凹部12Aを形成すると共に、その凹部12Aに応じて天板内面2BX側に当該指掛部12の凸部12Bを形成するようにした。これにより本実施の形態では、天板2Bと指掛部12との一体成型により天板外面2BYにひけが生じることを回避すると共に、さらには指掛部12をリブとして機能させて天板2Bの強度を高めることができる。また本実施の形態では、持運ハンドル10の指掛部12自体も箱状に形成することで強度が低下することを回避し、音楽再生装置1の持ち運びの際に指が掛けられて筐体背面2C側に引っ張るような力が作用しても、十分に耐え得るようにした。従って本実施の形態では、天板2Bと共に指掛部12が比較的薄く形成された場合でも、その天板2B及び指掛部12が外部からの圧力によって割れる等して破損することを防止することができる。
【0038】
そして音楽再生装置1は、天板2に対し一体に形成した指掛部12の凹部12Aを、コンパクトディスクの収納ケース20のスタンドとして機能させている。従って音楽再生装置1は、コンパクトディスクから音楽データを再生する際に、コンパクトディスクが取り出された収納ケース20の置き場所を容易に提供することができると共に、収納ケース20を指掛部12の凹部12Aに立たせるように保持することで、当該収納ケース20に収納されているジャケット写真を容易に見せることができる。
【0039】
なお上述した実施の形態においては、指掛部12の凸部12Bにおいて底面12BXと、差込方向に沿って奥側及び手前側となる一対の外壁の壁面12BY及び12BZとに滑止部12BAを形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、指掛部12の凸部12Bにおいて底面12BXと一対の外壁の壁面12BY及び12BZとに連結して又は別々の位置に1本の滑止部12BAを形成するようにしても良いし、指の腹が掛る底面12BX及び又は差込方向に沿って奥側となる一方の外壁の壁面12BYにのみ1又は複数の滑止部12BAを形成するようにしても良い。そして指掛部12については、かかる構成によっても、凸部12Bに掛けられた指が滑って外れることを防止することができる。
【0040】
また上述した実施の形態においては、指掛部12の凸部12Bにおいて底面12BXに差込方向と平行な複数の線状に突出する滑止部12BAを形成すると共に、一対の外壁の壁面12BY及び12BZにも底面12BXの複数の滑止部12BAを延長して形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図10に示すように、指掛部25の凸部25Bにおいて底面25BXと一対の外壁の壁面25BY及び25BZとに直交方向と平行な複数の線状に突出する滑止部25BAを形成するようにしても良いし、図11に示すように、指掛部26の凸部26Bにおいて差込方向に沿って奥側となる一方の外壁の壁面26BYに直交方向に沿って波型の滑止部26BAを形成するようにしても良く、かかる構成でも、凸部25Bに掛けられた指が筐体背面2C側に滑って外れることを防止することができると共に、凸部26Bに掛けられた指が筐体2の右側や左側に滑って外れることを防止することができる。
【0041】
因みに、図10について上述した指掛部25については、凸部25Bにおいて底面25BXと一対の外壁の壁面25BY及び25BZとにそれぞれ1本の滑止部25BAを形成するようにしても良いし、指の腹が掛る底面25BX及び又は差込方向に沿って奥側となる一方の外壁の壁面25BYにのみ1又は複数の滑止部25BAを形成するようにしても良い。また図11について上述した指掛部26についても、凸部26Bにおいて底面26BXと一対の外壁の壁面26BY及び26BZとに波型の滑止部26BAを形成するようにしても良いし、指の腹が掛る底面26BX及び差込方向に沿って奥側となる一方の外壁の壁面26BYとにのみ、又は底面26BXにのみ滑止部26BAを形成するようにしても良い。そして指掛部25及び26については、かかる構成によっても、凸部25B及び26Bに掛けられた指が滑って外れることを防止することができる。
【0042】
さらに上述した実施の形態においては、指掛部12の凸部12Bを直交方向に長い箱状に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、指掛部12の凸部12Bを筐体正面2A側又は筐体背面2C側に湾曲する円弧状に形成し、又は直行方向に沿って順次幅を変化させる蛇腹状や幅は変化させずに湾曲の方向を変化させる波状等のように、この他種々の形状に形成するようにしても良い。また指掛部12については、凸部12Bに対する天板内面2BXから底面12BXまでの高さも、筐体背面2C側より筐体正面2A側を高くし、又は直交方向の端部よりも中央部を高くする等のように種々の高さに形成するようにしても良い。そして指掛部12については、このように凸部12Bを種々の形状や高さに形成する場合、板厚を部分毎に変化させるようにして、凸部12Bの形状を凹部12Aの形状に依存させないようにすることもできる。
【0043】
さらに上述した実施の形態においては、指掛部12の凹部12Aを、コンパクトディスクの収納ケースの形状に応じて直交方向へ長い溝状に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、指掛部12の凹部12Aを、この他種々の挿入対象物の形状に応じた溝状に形成するようにしても良い。
【0044】
すなわち、図8との対応部分に同一符号を付した図12に示すように、音楽再生装置30の筐体31において、天板31Bに設けられる持運ハンドル32の指掛部33の凹部33Aを、例えば挿入対象物としての、当該音楽再生装置30と接続可能な携帯型再生端末35のアダプタ36の形状に応じて、直交方向へ長く中央部が幅広な溝状に形成するようにしても良い。
【0045】
この場合、アダプタ36は、略台形体状の本体部36Aの上面に携帯型再生端末35を装着するための装着穴36Bが形成され、当該装着穴36Bの底面に接続端子37が設けられている。そしてアダプタ36は、その装着穴36Bに携帯型再生端末35が差し込まれると、当該装着穴36B内の接続端子を、携帯型再生端末35の底面に設けられた接続端子に接続し得るようになされている。またアダプタ36は、例えば図示しない接続ケーブルを介して音楽再生装置30と接続し得るようになされている。これによりアダプタ36は、例えば音楽再生装置30によりコンパクトディスクから再生された音楽データを取り込んで携帯型再生端末35に転送し、かくして携帯型再生端末35内の記録媒体に音楽データを記録させ得るようになされている。
【0046】
そして指掛部33は、凹部33Aの溝の深さが、アダプタ36の高さに応じて所定の深さに選定されている。また指掛部33は、凹部33Aの溝の中央部の幅が、アダプタ36の厚み(すなわち、奥行き)に応じて選定されると共に、当該溝の長さがアダプタ36の横幅よりも長く選定されている。これにより図13及び図14に示すように、持運ハンドル32の指掛部33は、例えば音楽再生装置30からアダプタ36を経由して携帯型再生端末35に音楽データが転送されるとき、そのアダプタ36を凹部33Aの溝の中央部に挿入させることができる。すなわち持運ハンドル32は、かかる構成の場合、音楽再生装置30からアダプタ36を経由して携帯型再生端末35への音楽データの転送時に、そのアダプタ36の置き場所を容易に提供することができる。
【0047】
因みに持運ハンドル32の指掛部33では、凹部33Aの溝の長さをアダプタ36の横幅と同じ長さに選定することもできる。しかしながら図13に示すように、持運ハンドル32では、凹部33Aの溝の長さをアダプタ36の横幅よりも長く選定することで、例えば音楽再生装置30に対しアダプタ36が接続されてはいないときでも、そのアダプタ36を凹部33Aの溝の中央部に挿入させ、その際に、アダプタ36に設けられている音楽再生装置30との接続ケーブルを凹部33Aの溝の空いた部分に収納させることもできる。すなわち、かかる構成によれば、持運ハンドル32の凹部33Aをアダプタ36の保管場所としても機能させることができる。
【0048】
これに加えて持運ハンドル10の指掛部12については、例えば音楽再生装置1に付属品としてリモートコントローラが設けられるような場合、そのリモートコントローラを挿入対象物として、凹部12Aの溝の深さを所定の深さに選定すると共に、当該溝の幅及び長さをリモートコントローラの一端の厚み及び横幅に応じて選定するようにしても良い。かかる構成によれば、持運ハンドル10については、リモートコントローラが使用されていないときに、指掛部12の凹部12Aにリモートコントローラの端部を挿入させることで、当該凹部12Aをリモートコントローラの置き場所として機能させることができる。さらに持運ハンドル10の指掛部12については、凹部12Aの溝の深さ及び幅並びに長さを適宜選定することで、挿入対象物としての例えば写真たてや携帯型再生端末のスタンド等としても機能させることができる。
【0049】
さらに上述した実施の形態においては、持運ハンドル10の差込開口部11を天板2Bと一体に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、持運ハンドル10の差込開口部11を例えば開口として筐体背面2Cと一体に形成するようにしても良い。かかる構成によれば、例えば持運ハンドル10の指掛部12を筐体背面2C寄りに形成することで、当該筐体背面2Cに設けられた差込開口部としての開口を介して内部空間へ指を差し込ませて凸部12Bに掛けさせることができ、かくして上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
さらに上述した実施の形態においては、音楽再生装置1の筐体2に対し1つの持運ハンドル10を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、音楽再生装置1の筐体2に対し当該音楽再生装置1を両手で持ち運ぶように、2つの持運ハンドル10を横に並べて設けるようにしても良い。かかる構成によれば、例えば音楽再生装置1の筐体2が大型化している場合でも、当該音楽再生装置1を2つの持運ハンドル10を介して容易に持ち運ばせることができる。
【0051】
さらに上述した実施の形態においては、筐体2の天板2Bの中央部に、筐体背面2C側から筐体正面2A側にかけて差込開口部11及び指掛部12を順次配置するようにして持運ハンドル10を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば音楽再生装置1の重心位置に応じて、筐体2の天板2Bの中央部に、筐体正面2A側から筐体背面2C側にかけて差込開口部11及び指掛部12を順次配置するようにして持運ハンドル10が設け、又は筐体2の天板2Bの所定部分に、筐体2の左右方向に沿って差込開口部11及び指掛部12を順次配置するようにして持運ハンドル10を設ける等のように、持運ハンドル10をこの他種々の部分に設けるようにしても良い。
【0052】
さらに上述した実施の形態においては、本発明による電子機器を、図1乃至図14について上述した音楽再生装置1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パーソナルコンピュータの本体や、ゲーム機器、ディスクレコーダ、テレビジョン受像機、プリンタ等のように、この他種々の電子機器に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、音楽再生装置やプリンタ等の電子機器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による音楽再生装置の全体構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
【図2】持運ハンドルの外観構成を示す略線的斜視図である。
【図3】持運ハンドルの内部構成を示す略線的断面図である。
【図4】内部空間への指の指し込みの説明に供する略線的斜視図である。
【図5】持運ハンドルの指掛部に対する指の掛けかたの説明に供する略線的断面図である。
【図6】指掛部の構成を示す略線的斜視図である。
【図7】指が掛けられた指掛部の凸部の説明に供する略線的斜視図である。
【図8】持運ハンドルの凹部の利用の説明に供する略線的斜視図である。
【図9】指掛部の凹部への収納ケースの挿入の説明に供する略線的断面図である。
【図10】他の実施の形態による指掛部の凸部の構成(1)を示す略線的斜視図である。
【図11】他の実施の形態による指掛部の凸部の構成(2)を示す略線的斜視図である。
【図12】他の実施の形態による指掛部の凹部の構成を示す略線的斜視図である。
【図13】他の実施の形態による持運ハンドルの凹部の利用の説明に供する略線的斜視図である。
【図14】指掛部の凹部へのアダプタの挿入の説明に供する略線的断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1、30……音楽再生装置、2、31……筐体、2A……筐体正面、2B、31B……天板、2BX……天板内面、2BY……天板外面、2C……筐体背面、10、32……持運ハンドル、11……差込開口部、11A……差込ガイド、11AX……底板、11AY、11AZ……連結壁、11B……開口、12、25、26、33……指掛部、12A、33A……凹部、12B、25B、26B……凸部、12BA、25BA、26BA……滑止部、12BX、25BX、26BX……底面、12BY、12BZ、25BY、25BZ、26BY、26BZ……壁面、20……収納ケース、35……携帯型再生端末、36……アダプタ、IA……内部空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が収納された筐体に持運用の持運ハンドルが設けられた電子機器において、
上記持運ハンドルは、
上記筐体内の上記電子部品と当該筐体の天板の天板内面との間に形成された内部空間に対し、外部から指を差し込ませるための差込開口部と、
上記差込開口部を介して上記内部空間に差し込まれた上記指と対向する上記天板の対向部分が上記天板外面側から上記内部空間側へ押し出されるようにして上記天板の一部として上記天板外面側に凹部を有し、かつ上記天板内面側に凸部を有するように形成され、当該凸部に上記差込開口部を介して上記内部空間に差し込まれた上記指が掛けられる指掛部と
を具えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記指掛部は、
上記凹部が、上記差込開口部を介して上記内部空間へ上記指が差し込まれる差込方向よりも当該差込方向と直交する直交方向へ長い溝状に形成されると共に、上記凸部が上記差込方向よりも上記直交方向へ長い箱状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記指掛部は、
上記凸部の底面に上記差込方向と平行な1又は複数の線状に突出する滑止部が形成されると共に、上記差込方向に沿って奥側となる上記凸部の一方の壁面にも上記底面の上記滑止部が延長して形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記指掛部は、
上記凸部の底面及び上記差込方向に沿って奥側となる一方の壁面に、上記直交方向と平行な1又は複数の線状に突出する滑止部が形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
上記指掛部は、
上記差込方向に沿って奥側となる上記凸部の一方の壁面に、上記直交方向に沿った波型の滑止部が形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
上記差込開口部は、
上記天板の上記筐体背面寄りに設けられ、
上記指掛部は、
上記差込方向に沿って、上記天板の上記差込開口部よりも筐体正面寄りに形成された
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
上記差込開口部は、
上記天板の一部が上記筐体背面側から上記筐体正面側にかけて上記内部空間に徐々に落ち込んで傾斜するように形成され、当該内部空間への上記指の差し込みをガイドする差込ガイドと、
上記差込ガイドの上記筐体正面側の端部に形成され、上記内部空間を上記外部に開放する開口と
を具えることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さがコンパクトディスクの収納ケースの厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さが携帯型再生端末のアダプタの厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項10】
リモートコントローラ
を具え、
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さが上記リモートコントローラの一端の厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項11】
電子部品が収納され、持運用の持運ハンドルが設けられた電子機器の筐体において、
上記持運ハンドルは、
上記筐体内の上記電子部品と当該筐体の天板の天板内面との間に形成された内部空間に対し、外部から指を差し込ませるための差込開口部と、
上記差込開口部を介して上記内部空間に差し込まれた上記指と対向する上記天板の対向部分が上記天板外面側から上記内部空間側へ押し出されるようにして上記天板の一部として上記天板外面側に凹部を有し、かつ上記天板内面側に凸部を有するように形成され、当該凸部に上記差込開口部を介して上記内部空間に差し込まれた上記指が掛けられる指掛部と
を具えることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項12】
上記指掛部は、
上記凹部が、上記差込開口部を介して上記内部空間へ上記指が差し込まれる差込方向よりも当該差込方向と直交する直交方向へ長い溝状に形成されると共に、上記凸部が上記差込方向よりも上記直交方向へ長い箱状に形成される
ことを特徴とする請求項11に記載の電子機器の筐体。
【請求項13】
上記指掛部は、
上記凸部の底面に上記差込方向と平行な1又は複数の線状に突出する滑止部が形成されると共に、上記差込方向に沿って奥側となる上記凸部の一方の壁面にも上記底面の上記滑止部が延長して形成される
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器の筐体。
【請求項14】
上記指掛部は、
上記凸部の底面及び上記差込方向に沿って奥側となる一方の壁面に、上記直交方向と平行な1又は複数の線状に突出する滑止部が形成される
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器の筐体。
【請求項15】
上記指掛部は、
上記差込方向に沿って奥側となる上記凸部の一方の壁面に、上記直交方向に沿った波型の滑止部が形成される
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器の筐体。
【請求項16】
上記差込開口部は、
上記天板の上記筐体背面寄りに設けられ、
上記指掛部は、
上記差込方向に沿って、上記天板の上記差込開口部よりも筐体正面寄りに形成された
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器の筐体。
【請求項17】
上記差込開口部は、
上記天板の一部が上記筐体背面側から上記筐体正面側にかけて上記内部空間に徐々に落ち込んで傾斜するように形成され、当該内部空間への上記指の差し込みをガイドする差込ガイドと、
上記差込ガイドの上記筐体正面側の端部に形成され、上記内部空間を上記外部に開放する開口と
を具えることを特徴とする請求項16に記載の電子機器の筐体。
【請求項18】
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さがコンパクトディスクの収納ケースの厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項16に記載の電子機器の筐体。
【請求項19】
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さが携帯型再生端末のアダプタの厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項16に記載の電子機器の筐体。
【請求項20】
上記指掛部は、
上記凹部の上記溝が所定の深さを有し、当該溝の幅及び長さが電子機器に付属するリモートコントローラの一端の厚み及び横幅に応じて選定された
ことを特徴とする請求項16に記載の電子機器の筐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−192241(P2008−192241A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25877(P2007−25877)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】