説明

電子機器

【課題】携帯式の音響機器等のポータブル型の電子機器に於いて、電池収納部の入口部分を開閉自在に覆う電池蓋の内側に設けられているプラス側の端子板と接触しても、短絡事故が発生しない様にした電子機器を提供する。
【解決手段】2次電池17を収納する電池収納部16の電池蓋18を飾りカバー29、電池蓋本体の結合体から構成し、しかも電池蓋本体を端子板37に対して摺動可能に取付けるようにし、端子板37の基端側の部分をインシュレータ43のスリット46内に挿入してインシュレータ43と結合するようにしたものであって、電池蓋18を端子板37に対して先端側に移動させた状態で大きく回動させて開いた場合に、インシュレータ43が飾り板19と端子板37との間に介在し、これによって端子板37による短絡事故を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池を駆動源とする電子機器に係り、とくに筐体の電池収納部に電池を挿入し、該電池収納部の入口を電池蓋で開閉自在に覆うようにした電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯式の音響機器、例えばポータブル型のディスク再生機は、商用電源を用いて駆動することができないために、キャビネットの一部に電池収納部を設け、この電池収納部内に2次電池を挿入し、この2次電池の出力によって駆動するようにしている。2次電池は、放電した場合には、充電を行なうことによって再び利用でき、繰返して使用することが可能になる。
【0003】
このようなポータブル型の電子機器において、上記電池収納部の入口部分を開閉自在に電池蓋によって覆うようにし、この電池蓋の内側に設けられている端子板を、電池収納部内に収納された電池の正極と接触させるようにし、これによって出力を取出している。
【0004】
一方で2次電池が不測に放電した場合には、このプレーヤが動作しなくなる。そのような場合に備えて、例えば単3の乾電池を収納した補助電池ケースを用意しておき、この補助電池ケースを電池収納部とは異なる位置に結合し、この補助電池ケース内の乾電池によって駆動するようにしている。この場合に単3の乾電池の負極と接触するマイナス側のジャックは、シャーシおよび筐体の導電性の部分に接地される。従って2次電池を収納する電池収納部の電池蓋を開き、この電池蓋を大きく回動させたときに、電池蓋の内側に設けられているプラス側の端子板が筐体の導電性の部分と接触すると、補助電池ケース内の乾電池の正極、該補助電池ケースと接続されるプラス側のジャック、電源回路のプラス側の端子、2次電池の電池収納部のプラス側の端子板、筐体の導電部、マイナス側のジャック、補助電池ケース内の乾電池の負極の順に電流が流れ、これによって補助電池ケース内の乾電池が短絡する事故を発生する。
【0005】
このように電池蓋の内側のプラス側の端子板が、筐体のアルミパネルや飾り板等に接触すると、2次電池の電池蓋の開閉時に補助電池ケース内の単3の乾電池がショートする危険性がある。そこでとくに電池蓋の内側に設けられるプラス側の端子板の当接部に絶縁テープを貼付けて絶縁を施す等の対策を採っているが、テープが剥げた場合には短絡事故が発生する。また絶縁テープは、外見が悪い。また電池蓋をプラス側の端子板に対して摺動可能に結合させた場合には、電池蓋の端子板に対する摺動が円滑に行なわれなくなる。さらには絶縁テープによって2次電池の交換に支障を生ずる可能性がある。
【0006】
実開平6−26158号公報には、筒状ケース内に収納された電池と外部機器とを電気的に接続する端子部材を備えた電池パックにおいて、端子部材を絶縁材から成る端子部材カバーで覆うようにし、透明ケースから電池パックを取出した状態であっても、端子部材と周辺に存在する金属との接触による短絡が生じない信頼性の高い電池パックが提案されている。
【0007】
このような電池パックは、絶縁材によって端子部材を絶縁するものの、電池蓋が電極に対して摺動可能に組合わされる電池収納部には直接適用することができない。
【特許文献1】実開平6−26158号公報
【特許文献2】特開平10−12206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明の課題は、電池収納部の入口部分を開閉自在に覆う電池蓋の内側に設けられているプラス側の端子板が筐体と接触しても、短絡事故が発生しないようにした電子機器を提供することである。
【0009】
本願発明の別の課題は、電池蓋を大きく開いて端子板を筐体に接触させた場合における短絡防止のための防止回路が不要であって、電池の寿命を長くするとともに、コスト的にも有利な電子機器を提供することである。
【0010】
本願発明のさらに別の課題は、部品点数を増加させることなくしかも補助電池の短絡防止の対策を施すようにした電子機器を提供することである。
【0011】
本願発明のさらに別の課題は、品質が優れ、しかも安全性を高めるようにした電子機器を提供することである。
【0012】
本願発明のさらに別の課題は、電池収納部の電池蓋の内側に設けられているプラス側の端子板に絶縁シートを貼ることなくしかも絶縁対策を施すようにした電子機器を提供することである。
【0013】
本願発明のさらに別の課題は、プラス側の端子板に対して電池蓋の摺動動作が円滑に行なわれるようにした電子機器を提供することである。
【0014】
本願発明のさらに別の課題は、電池収納部のプラス側の端子板あるいは電池蓋によって、電池の挿入および取出し動作が困難になるのを防止するようにした電子機器を提供することである。
【0015】
本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の技術的思想およびその実施の形態によって明らかにされよう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願の主要な発明は、筐体の電池収納部に電池を挿入し、該電池収納部の入口を電池蓋によって開閉自在に覆うようにした電子機器において、
前記電池蓋の内側に、前記電池の一方の電極と接触する端子板を取付けるようにし、しかも該端子板の少なくとも開放時に前記筐体と接触する部位にインシュレータを取付けるようにしたことを特徴とする電子機器に関するものである。
【0017】
ここで、前記電池収納部に収納される電池が2次電池であってよい。また前記端子板が前記電池の正極と接触するプラス側の端子板であってよい。また前記端子板が前記インシュレータとともに前記筐体に回動自在に取付けられ、しかも前記端子板の先端側に前記電池蓋が摺動自在に組合わされてよい。また前記インシュレータが、絶縁性の合成樹脂成形体であって、先端のスリット状狭着部によって前記端子板の基端部を受入れるようにして該端子板と組合わされてよい。また前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、導電性を有していてよい。また前記筐体の外側に乾電池を収納した補助電池ケースを着脱自在に取付けるようにし、前記補助電池ケースのマイナス側の端子が前記筐体の導電性を有する部位と電気的に接触してよい。また前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、金属パネルの飾り板であってよい。また前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、メッキを施した飾り板であってよい。
【0018】
ポータブル式電子機器において、内蔵する2次電池の放電の対策として、例えば単3の乾電池を収納した補助電池ケースを取付けるようにした場合に、外筐がアルミパネルまたはメッキの飾り帯を備えているときに、1次電池を収納するキャビネット側の電池収納部の電池蓋の開閉時に、この電池蓋の内側に設けられているプラス側の端子板が上記の飾り帯に接触し、これによって補助電池ケース内の単3電池が2次電池の電池蓋のプラス側の端子と飾り帯とによって短絡する危険性がある。そこで電気的な対策によってこの短絡事故を防止しようとすると、短絡防止回路を設けなければならず、これによってコストが増大する。しかも電池の寿命がほぼ半分位になってしまう。
【0019】
機械的な構造によって対策を行なうためには、短絡防止用の絶縁テープ等の貼り物を電池蓋の内側のプラス側の端子板に貼付けなければならない。しかるにプラス側の端子板の絶縁テープが剥がされる可能性があり、安全性に欠けるために、短絡事故対策としては不十分である。また部品点数が増加するとともに、組立てコストが高くなる。そこで本発明の好ましい態様は、絶縁性のインシュレータによって電池蓋の内側のプラス側の端子板を両側から挾込む構造にすることによって、部品点数を増やさずに、ショートの防止を可能にしている。
【0020】
上記のような態様によると、短絡防止回路を設ける必要がなくなり、これによってコストの低減を図ることが可能になる。また短絡防止回路を設けることによって生ずる電池の寿命の短縮化も防止できるようになる。また部品点数をほとんど増加させることなく短絡防止を行なうことが可能になる。さらにこのような態様によると、電子機器の品質が向上し、安全性に対して効果を生ずることになる。
【発明の効果】
【0021】
本願の主要な発明は、筐体の電池収納部に電池を挿入し、該電池収納部の入口を電池蓋によって開閉自在に覆うようにした電子機器において、電池蓋の内側に、電池の一方の電極と接触する端子板を取付けるようにし、しかも該端子板の少なくとも開放時に筐体と接触する部位にインシュレータを取付けるようにしたものである。
【0022】
従ってこのような電子機器によれば、電池収納部の入口を覆う電池蓋を開いたときに、端子板の少なくとも開放時に筐体と接触する部分に設けられているインシュレータが端子板と筐体との間に介在し、これによって端子板と筐体との電気的な接触を防止することが可能になる。従って乾電池を収納する補助電池ケースを筐体の他の部位に取付けた場合において、この補助電池ケース内の乾電池が、上記のプラス側の端子板と筐体とを介して短絡される事故が回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。図1は本実施の形態にかかるポータブルタイプのディスクプレーヤを示すものであって、このディスクプレーヤは偏平な直方体状をなす筐体10を備えている。そしてこの筐体10の上部開口が上蓋11によって覆われるようになっている。筐体10のほぼ中央部にはディスクを回転駆動するためのターンテーブル12が配されている。これに対して上蓋11内にはカートリッジホルダが設けられており、このカートリッジホルダ内にディスクカートリッジを挿入し、この状態で上蓋11を閉じると、カートリッジ内のディスクがターンテーブル12上で回転駆動されることになる。なおターンテーブル12の側部であって筐体10の内部には、各種の電子部品を搭載した回路基板が組込まれるようになっている。図1においてはこの回路基板を省略している。
【0024】
上記筐体10のターンテーブル12の側部には、筐体10の側壁に沿って電池収納部16が設けられており、この電池収納部16内に通常ガム電池と称される充電可能な2次電池17が収納されるようになっている。電池収納部16の入口部分は電池蓋18によって開閉自在に覆われるようになっている。また筐体10の外側部であってその両側部から前面を覆うようにほぼコ字状をなし、金属パネルあるいはメッキを施したパネルから成る飾り板19が取付けられるようになっている。
【0025】
また筐体10の側部であって上記電池収納部16が設けられる側部とは反対側の部分には、補助電池ケース23が着脱可能に取付けられるようになっている。この補助電池ケース23は、その内部に単3の乾電池を収納できるようになっており、この乾電池を収納した状態で補助電池ケース23の一対のプラグを筐体10の側部のプラス側ジャック25およびマイナス側ジャック26とそれぞれ接続するようにしている。なお補助電池ケース23内の乾電池は、2次電池17が放電した場合に、このディスクプレーヤを駆動するためのものである。
【0026】
次に、上記2次電池17の電池収納部16を開閉自在に覆う電池蓋18の構造について説明する。電池蓋18は図2および図3に示す飾りカバー29を備えている。飾りカバー29はABS樹脂の成形体から構成され、その外側面上に複数のすべり防止用突起30を備えている。これに対してこの飾りカバー29の内側には一対のボス31が埴設されるとともに、その中間位置には高さの低いボス32が埴設されている。そしてこれらのボス31、32によって飾りカバー29が電池蓋本体33に結合されるようになっている。
【0027】
電池蓋本体33は図2および図4に示すように、ABS樹脂成形体から構成され、一対の係合孔を備え、これらの係合孔34に上記飾りカバー29のボス31を受入れてその先端部を押し潰すようにしている。また飾りカバー29の位置決め用ボス32を受入れる位置決め孔35を備えている。また電池蓋本体33はその幅方向の両側にそれぞれ突条を備えるとともに、突条の内側が互いに対向するように係合溝36になっている。
【0028】
上記電池蓋本体33の内側には、例えばステンレス板から成る端子板37が組込まれるようになっている。端子板37は図2および図5に示すように、そのほぼ中央部に打抜きによって形成された弾性変形可能な変形部の根元側に端子部38が加締めによって取付けられるとともに、さらに端子部38の先端側には、L字状に打抜かれた係止爪39が形成されている。また端子板37の根元側には左右一対の折曲げ片40が形成されるとともに、これらの折曲げ片40にはピン挿通孔41が形成されるようになっている。
【0029】
上記端子板37の基端側にはインシュレータ43が組合わされる。インシュレータ43は図2および図6に示すように、例えばポリオキシメチレン等のエンジニアリングプラスチック樹脂の成形体であって、その基端側の部分がボス44になっており、このボス44にピン挿通孔45が形成されている。そしてピン挿通孔45を挿通するヒンジピン42(図7参照)によって、このインシュレータ43および端子板37が筐体10の電池収納部16の入口部分に回動自在に取付けられる。またインシュレータ43はその先端側にスリット46を備え、このスリット46によって端子板37を狭着して保持するようになっており、スリット46によってインシュレータ43と端子板37とが互いに組合されるようになっている。
【0030】
次にこのような構成に係る飾りカバー29、電池蓋本体33、端子板37、およびインシュレータ43の組立てを図2および図7を参照しながら説明する。飾りカバー29の内側には電池蓋本体33が組合され、ボス31、32をそれぞれ係合孔34および位置決め孔35に係合させ、ボス31の先端部を熱溶着して飾りカバー29を電池蓋本体33の外側に結合する。これに対して端子板37はインシュレータ43のスリット46内に基端側の部分が挿入される。このときに端子板37の折曲げ片40のピン挿通孔41とインシュレータ43のボス44のピン挿通孔45とが互いに整合される。そして互いに結合された端子板37とインシュレータ43とを、それらのピン挿通孔41、45を、筐体10の電池収納部16の入口部分の側部に、ヒンジピン42によって回動可能に取付ける。
【0031】
そしてこの後に、飾りカバー29が結合された電池蓋本体33を上記端子板37と組合せる。この組合せ動作は、電池蓋本体33の係合溝36に端子板37の両側を受入れる。このときに係合爪39が電池蓋本体33の内側の突部48を乗越えるようになり、これによって電池蓋本体33は端子板37に対して摺動可能に結合されるようになる。なお端子板37に対する電池蓋本体33の摺動ストロークは、図4A、CにおいてSで示されており、電池蓋本体33が端子板37を最大ストローク受入れた状態と、係止爪39の先端部が突部48と当接した位置との間のストロークになる。
【0032】
次に以上のような構成に係る電池収納部16の電池蓋18の開閉動作について、図7および図8により説明する。電池収納部16に2次電池17が正しく挿入され、しかも電池収納部16の入口部分が電池蓋18によって閉じられた状態においては、図7に示すように、この電池蓋18の先端側のロック爪20が筐体10の電池収納部16の入口側のロック孔21に係合されている。そしてこのときに電池収納部16内の2次電池17の正極が端子板37の端子部38に接触している。
【0033】
なおここで2次電池17としては、例えば充電式のニッケル水素電池が用いられており、その外形形状がほぼガムの形状をしているために、ガム電池と呼ばれている。またこの2次電池17は薄い絶縁被膜によって外部が覆われ、この被膜の一部を破断すると、マイナス側の電極が露出するようになっている。
【0034】
次に電池交換の動作を図8によって説明する。電池交換を行なうためには、電池蓋18を開く必要がある。そこでこの電池蓋18の飾りカバー29および電池蓋本体33を図7において、端子板37に対して左方へ摺動させる。上述の如く電池蓋本体33は、その両側の係合溝36によって端子板37を摺動可能に受入れており、しかも係止爪39が突部48と当接する位置まで摺動可能になっている。従って電池蓋本体33を図7中左に摺動させると、この電池蓋本体33が端子板37に対して左方へ移動し、そのロック爪20が筐体10側のロック孔21から離脱する。従ってこの状態において、上記電池蓋18をヒンジピン42を中心として図8に示すように時計方向に回動させることによって、電池蓋18が開かれる。
【0035】
従ってこの状態において、電池収納部16内に収納されている2次電池17を取出し、充電された電池を装着することによって、2次電池17の充電を行なうことが可能になる。なお充電された2次電池17を収納したならば、再び電池蓋18を閉じ、図7に示すように、電池蓋本体を端子板37に対して右方に摺動させると、ロック爪20とロック孔21とによってロックが行なわれる。
【0036】
ここでとくに電池蓋18を大きく開いた場合に、端子板37の基端側の部分に設けられているインシュレータ43が筐体10の飾り板19の端部と接触する。このことは端子板37が直接筐体10の飾り板19に接触するのを防止することを意味する。従って2次電池17のプラス側の端子板29が飾り板19と接触することによる短絡事故が防止される。
【0037】
図1に示すように飾り板19の外側部に、乾電池を収納した補助電池ケース23を取付けた場合に、この補助電池ケース23内の乾電池はその正極と負極とがそれぞれプラス側ジャック25およびマイナス側ジャック26に接続される。しかもマイナス側ジャック26は飾り板19およびシャーシに接続されて接地されている。従って端子板37と飾り板19とが接触すると、補助電池ケース23内の乾電池の正極は、プラス側ジャック25、電源回路のプラス側端子、端子板37、飾り板19、マイナス側ジャック26を介して短絡される。ところがこのような短絡事故は、端子板37の基端側の部分のインシュレータ43によって防止される。
【0038】
このように本実施の形態においては、2次電池17を電池収納部16に収納できるようにするとともに、乾電池を保持する補助電池ケース23を筐体10の外側部に取付けるようにしている。従って電池蓋18を大きく開くと、この電池蓋18の端子板37がアルミパネル、マグネシウムパネル、鋼板パネルなどの金属パネル、あるいはメッキを施した飾り板19に接触し、これによって補助電池ケース23内の乾電池が短絡事故を生ずる。そこで本実施の形態においては、電池蓋18の内側のプラス側の端子板37を両側から挾込んで覆うようにインシュレータ43を取付けるようにし、電池蓋18を大きく開いても、インシュレータ43が端子板37と飾り板19との間に介在するために、補助電池ケース23内の乾電池の短絡事故が防止される。
【0039】
電池蓋18のロック爪20によるロックのストロークを大きくし、しかも電池蓋18の開放角度を図8に示すように90度以上に大きくしたい場合には、端子板37によって飾りカバー29および電池蓋本体33を端子板38の先端側に大きくスライドさせるようにしなければならない。ところが大きくスライドさせると、端子板37がより大きく露出し、これによって電池蓋18を開いたときに端子板37が飾り板19に接触することによる事故が発生し易くなる。従ってこのような短絡事故を未然に防止する必要がある。インシュレータ43はこのような事故を効果的に防止することができる。
【0040】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。例えば、電池蓋18を構成する各部品の材料、形状、寸法等については、各種の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本願発明は、ポータブル式ディスクプレーヤ等の携帯式の電子機器における、とくに2次電池の収納部の構造に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ポータブル式ディスクプレーヤの全体の構成を示す分解斜視図である。
【図2】同ディスクプレーヤの電池収納部の入口部分を覆う電池蓋の分解斜視図である。
【図3】電池蓋の飾りカバーの平面図、側面図、縦断面図である。
【図4】電池蓋の電池蓋本体の底面図、側面図、縦断面図、平面図である。
【図5】電池蓋の内側のプラス側端子板の平面図、側面図、縦断面図、および正面図である。
【図6】端子板と組合わされるインシュレータの平面図、横断面図、側面図、正面図である。
【図7】電池蓋を閉じた状態の電池収納部の要部縦断面図である。
【図8】電池蓋を開いたときの電池収納部の要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10…筐体、11…上蓋、12…ターンテーブル、16…電池収納部、17…2次電池(ガム電池)、18…電池蓋、19…飾り板、20…ロック爪、21…ロック孔、23…補助電池ケース、25…プラス側ジャック、26…マイナス側ジャック、29…飾りカバー、30…すべり防止用突起、31、32…ボス、33…電池蓋本体、34…係合孔、35…位置決め孔、36…係合溝、37…端子板、38…端子部、39…係止爪、40…折曲げ片、41…ピン挿通孔、42…ヒンジピン、43…インシュレータ、44…ボス、45…ピン挿通孔、46…スリット、48…突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の電池収納部に電池を挿入し、該電池収納部の入口を電池蓋によって開閉自在に覆うようにした電子機器において、
前記電池蓋の内側に、前記電池の一方の電極と接触する端子板を取付けるようにし、しかも該端子板の少なくとも開放時に前記筐体と接触する部位にインシュレータを取付けるようにしたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電池収納部に収納される電池が2次電池であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記端子板が前記電池の正極と接触するプラス側の端子板であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記端子板が前記インシュレータとともに前記筐体に回動自在に取付けられ、しかも前記端子板の先端側に前記電池蓋が摺動自在に組合わされることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記インシュレータが、絶縁性の合成樹脂成形体であって、先端のスリット状狭着部によって前記端子板の基端部を受入れるようにして該端子板と組合わされることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、導電性を有することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記筐体の外側に乾電池を収納した補助電池ケースを着脱自在に取付けるようにし、前記補助電池ケースのマイナス側の端子が前記筐体の導電性を有する部位と電気的に接触することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、金属パネルの飾り板であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記筐体の少なくとも電池蓋を開いたときに前記端子板が接触する部位が、メッキを施した飾り板であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−252825(P2006−252825A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64528(P2005−64528)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】