説明

電子機器

【課題】電極配置、形状、サイズ、使用個数の異なる異種電池を互換的に装着使用可能な電池用端子機構を備えた電子機器において、端子部材数を減少してコストダウン、小型化、安全性を高めることができる。また、電池の種類を判定する格別の回路を不要にしてコストダウン、小型化を図り、しかも誤判定の虞をなくすることができる。
【解決手段】電極の配置が異なる2種類以上の電池B1、B2を互換的に接続する端子機構と、該端子機構に接続された電池の電極から電力の供給を受ける被給電部と、を備えた機器において、端子機構は、異種の電池を夫々接続したときに、各電池の同一極の電極と接続される端子を、一つの共用端子部材11により共用し、各電池の他極の電極と接続される端子を夫々別個の専用端子部材12、13とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電極配置や、外形状の異なる異種電池を互換的に接続して電源として使用することができる電子機器に関し、特に各種電子機器の電池収納室に複数種類の電池を互換的に装着して使用する場合に従来発生していた不具合である、端子数の増大、配線の複雑化等を防止した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電池により作動する各種の電子機器が市場に出回っているが、電子機器に装着して使用できる電池の種類は通常一種類に限られ、異なる種類の電池を互換的にセットして電源として使えるタイプは少ない。その理由は、電池により作動する電子機器には携帯可能な小型軽量タイプが多い一方で、複数種類の電池を互換使用可能に構成するためには、機器の大型化、重量化を避けることができなくなるからである。
一般的に、携帯電子機器は、充電により繰り返し使用できる二次電池に対応できることが市場ニーズにより求められているが、その一方で出先において二次電池を使い切ってしまいすぐに充電できない場合には、二次電池に代えて手軽に購入できる単三電池をセットして電源として使用できれば、携帯電子機器の使い勝手が非常に良くなり、商品価値が高まることは明らかである。そこで、二次電池だけでなく、単三電池にも対応可能な携帯電子機器が増えてきている。例えば、市販されている電子スチルカメラの中には、単三電池とリチウム電池(二次電池)を互換的にセットして使用できるタイプがある。
現在市販されている、異種電池を互換使用できる携帯電子機器にあっては、形状や使用個数が異なる異種の電池を収納するための収納構造と、異なった位置にある電池側電極に接続可能な端子部材を複数備えた電池室を設ける必要があった。そのことにより、端子部材、配線等の部品が増えてコストアップするだけでなく、端子部材の数が増えることにより、電池室内の限られたスペースに端子部材を配置することが困難となって端子部材を支持する部分を拡張せざるを得なくなり、その結果、機器の大型化をまねいていた。
【0003】
次に、図3、図4により異種電池の互換使用を可能とする従来の電池室の構成を説明する。図3は電池室内に単三電池を2本並置した場合を示し、図4は一個の二次電池を収納した場合を示している。
この携帯電子機器100は、電池からの電力供給を受けて作動する被給電部を備えた本体101と、本体101に連設配置された電池室102と、を備えている。電池室102は、異種の電池B1、B2を互換的に収容する収容空間105と、収容空間105を形成する外周壁106と、外周壁106の一側面に設けた電池着脱用の開口107を開閉するために軸108aにより開閉自在に軸支された電池蓋108と、電池蓋108の内面側に固定されて逆向きに並置された2本の単三電池B1の一端側に位置する異種電極T(+)、T(−)間を直結する直結端子部材110と、両単三電池B1の他端側の異種電極T(+)、T(−)及び二次電池B2の電極t(+)、t(−)を夫々個別に接続するために直結端子部材110とは反対側の外周壁106部分に配置された4つの端子部材111、112、113、114と、各端子部材111乃至114から夫々引き出されたリード線111a乃至114aと、各リード線111a乃至114aのうちマイナス側の端子部材111、113と接続されたリード線111a、113aに夫々挿入された保安回路120、121と、を備えている。
図3に示した如く2本の単三電池B1を夫々の電極位置が互いに逆向きとなるように並置した場合には、各単三電池B1の他端側の電極T(−)はマイナス側の端子部材111と接続し、他端側の電極T(+)はプラス側の端子部材112と接続する。この際、残りの端子部材113、114はいずれの電極とも接触せず、使用されていない状態にある。
【0004】
次に、図4に示した如く一つの二次電池B2を収容空間105内にセットした場合には、二次電池の一端縁にのみ配置された2つの電極t(+)、t(−)の内のマイナス側の電極t(−)はマイナス側の端子部材113と接続し、プラス側の電極t(+)はプラス側の端子部材114と接続する。この際、残りの端子部材111、112は、いずれの電極とも接触せず、使用されていない状態にある。
このように異種電池間での互換性を有した従来の電池用端子機構にあっては、電池収容空間105の一方の端部寄り位置に4個の端子部材を配置して、各種電池に設けた各電極と個別の対応関係を持たせていた。このため、端子部材数が4個になり、コストアップになるばかりでなく、端子部材を配置するスペースを確保するために電池室が大きくなり、機器全体の大型化をもたらす結果となっている。
次に、電子機器には、ユーザの正常使用、異常使用に拘わりなく、発火、爆発、発熱等の事故発生を防止するための保安回路が必要とされ、電池室内の電池と被給電部との間にも同様の目的を有した保安回路が必要とされる。
そこで、図3、図4に示した従来例において保安回路を設けるとすれば、プラス又はマイナス側の端子電極から延びるリード線上に保安回路を挿入する必要がある。この例では、マイナス側のリード線111a、112aに夫々ヒューズ等から成る保安回路120、121を設けている。つまり、異種電池を互換使用可能な端子機構にあっては、2種類以上の電池夫々が備えたプラス又はマイナスの電極側に個別に保安回路を挿入するため、夫々の電池に対応する数だけ保安回路が必要になってしまう。このことは、安全上必要であるとはいえ、保安回路数の増大がコストアップ及び装置の大型化、信頼性の低下を招く原因となっていた。
【0005】
次に、図3、図4の如き異種電池の互換使用を可能とする機器において、一つのプラス端子部材を複数の電池のプラス電極に対して共通使用可能に構成して端子部材数を低減し、コストダウン、及び接点の配置の簡易化、小型化を図ることも可能ではある。このように形状、電極配置の異なる複数種類の電池の電極に対して一つの端子部材を共通使用するメリットはあるが、同一の端子部材に接続された同一配線に沿って、異種電池からの異なった電気特性の入力を受けることになるため、そのための格別な構成が必要になる。即ち、同一配線上の入力がいずれの種類の電池からの入力であるかを判別する回路の追加が必要になる。このような回路追加により、コストアップするばかりでなく、端子部材を共通使用する場合には安全上の問題が発生する可能性がある。例えば、互換使用される異種電池のうちに二次電池が含まれ、且つ、その電子機器の電池室にその二次電池を収納した状態で充電を行う場合に、電子機器が電池の種類を誤判断することがあり、誤判断した電池に見合った電圧及び電気特性にて充電を行うと、電池の液もれ、発熱、そして、最悪の場合、爆発、発火などが発生してしまい、致命的な問題が起きる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、電極配置、形状、サイズ、使用個数の異なる異種電池を互換的に装着使用可能な電池用端子機構を備えた電子機器において、端子部材数を減少してコストダウン、小型化、安全性を高めることができる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1のマイナス電極と第1のプラス電極とを備える第1の種類の電池と、第2のマイナス電極と第2のプラス電極とを備え、かつ前記第1の種類の電池とは電気特性が異なる第2の種類の電池と、を使用可能な電子機器であって、前記第1のマイナス電極及び前記第2のマイナス電極に接続する第1の端子と、前記第1のプラス電極のみに接続する第2の端子と、前記第2のプラス電極のみに接続する第3の端子と、を備えたことを特徴とする。
例えば、一次電池のように電池本体の対向する2つの端部に夫々異種電極を有する電池と、二次電池のように電池本体の一方の端部にプラスとマイナス電極を配置した電池を互換的に使用できるようにした電池室を構築する場合、各電池が備える電極の合計数に相当する個数の端子部材を設けることは容易であるが、機器の小型化を図るためには端子部材数を減らして電池室の大型化を避ける必要がある。そのためには、例えば2種類の電池が夫々有する電極の内の各一つの電極(同一極)を一つの端子部材によって共通使用することが必要となる。この場合に、電池の種類を判別する判定回路を設ければコストアップ、大型化に繋がるし、誤検知して通電した場合は事故の原因となる。そこで、本発明では、第1のマイナス電極とも第2のマイナス電極とも接続される第1の端子の他に、第1のプラス電極専用の第2の端子と、第2のプラス電極専用の第3の端子を設けた。つまり、共通使用する端子部材の他に、各種類の電池専用の端子部材を互換使用可能な電池種類数と同数だけ設け、ある専用の端子部材に対応する種類の電池を装着してない時には当該専用端子部材は装着されている電池の電極と非接触となるように構成した。このため、端子部材数を減少させながら、使用されていない端子部材を判定することにより、電池の種類を判定することが可能となる。
なお、共通使用可能な端子部材は、各電池のマイナス電極と共通使用されるマイナス側端子部材であってもよいし、各電池のプラス電極と共通使用されるプラス側端子部材であってもよい。
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1の端子と前記第2の端子、又は前記第1の端子と前記第3の端子を介して電力の供給を受ける被給電部を備え、前記第1の端子と前記第2の端子と前記第3の端子が、それぞれ別個の配線によって前記被給電部に接続されていることを特徴とする。
本発明では、第1の端子と第2の端子と第3の端子が、被給電部に、それぞれ別個の配線によって接続されているので、配線部材数を減少させることができ、コストダウン、小型化を実現できる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記第1の種類の電池が装着されたときには、前記第3の端子はいずれの電極とも非接触となり、
前記第2の種類の電池が装着されたときには、前記第2の端子はいずれの電極とも非接触となることを特徴とする。
すなわち、各専用端子部材は、専用される電池以外の電池の電極とは非接触となるように構成されている。このため、機器本体側の制御部では、専用端子部材からの電圧(電流)の有無に基づいてどの種類の電池が装着されているかを正確に判定できる。しかも格別の判定回路は不要である。また、誤判定が生じないので、装着された電池に見合わない電圧及び電気特性にて充填を行うことによる液洩れ、発熱、爆発、発火等の不具合を防止できる。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、前記第2の端子及び前記第3の端子からの電流の有無によって電池の種類を判定する制御部を備えることを特徴とする。
本発明の制御部は、第2の端子及び第3の端子からの電流の有無によって電池の種類を判定しているので、格別の判定回路を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。また、制御部を有することにより、電池の種類を確実に判定することができ、安全性を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れか一項において、前記第1の端子と前記被給電部との間の配線上にのみ保安回路を備えていることを特徴とする。
共用端子部材から延びる配線上にのみ保安回路を設けることにより、保安回路数を減らして構成を簡略化できる。
請求項6の発明は、請求項5において、前記保安回路は、溶断ヒューズ又は温度ヒューズを備えていることを特徴とする。
過電流等の異常電流を遮断する手段として溶断ヒューズ、温度ヒューズを用いることにより、安全性の確保が更に確実なものとなる。
請求項7の発明は、電極の配置及び出力する電気特性が異なる複数の種類の電池を使用可能な電子機器であって、前記複数の種類の電池の全てのマイナス電極と接続する一の共用端子部材と、前記複数の種類の電池のいずれか一つのプラス電極のみと接続する専用端子部材と、を備えることを特徴とする。
本発明では、共通使用する端子部材の他に、各種類の電池専用の端子部材を互換使用可能な電池種類数と同数だけ設け、ある専用の端子部材に対応する種類の電池を装着してない時には当該専用端子部材は装着されている電池の電極と非接触となるように構成した。このため、端子部材数を減少させながら、使用されていない端子部材を判定することにより、電池の種類を判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電極配置、形状、サイズ、使用個数の異なる異種電池を互換的に装着使用可能な電池用端子機構を備えた電子機器において、端子部材数を減少してコストダウン、小型化、安全性を高めることができる。また、電池の種類を判定する格別の回路を不要にしてコストダウン、小型化を図り、しかも誤判定の虞をなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る電子機器に備える電池用端子機構の構成を示す図であり、図1は単三電池を2本収納した状態、図2は二次電池を一本収納した状態を示している。
この携帯電子機器0は、例えばビデオカメラ、デジタルカメラ、ノートパソコン等々の携帯可能な電子機器である。この携帯電子機器0は、電池からの電力供給を受けて作動する被給電部を備えた本体1と、本体1に連設配置された電池室2と、を備えている。電池室2は、異種の電池B1(第1種類の電池)、B2(第2種類の電池)を互換的に収容する収容空間5と、収容空間5を形成する外周壁6と、外周壁6の一側面に設けた電池着脱用の開口7を開閉するために軸8aにより開閉自在に軸支された電池蓋8と、電池蓋8の内面側に固定されて逆向きに並置された2本の単三電池B1の一端側に位置する異種電極T(+)、T(−)間を直列に接続する金属板である直結端子部材10と、両単三電池B1の他端側の異種電極T(+)、T(−)及び二次電池B2の電極t(+)、t(−)を夫々個別に接続するために直結端子部材10とは反対側の外周壁6部分に配置された3つの端子部材11、12、13と、各端子部材11乃至13から夫々引き出されたリード線11a乃至13aと、異種電池間に共通使用されるマイナス側の端子部材11と接続されたリード線11aにのみ挿入された保安回路20と、を備えている。
端子部材11は異種電池の特定の電極に対して共通使用される共用端子部材であり、端子部材12(第1のプラス端子部材)、端子部材13(第2のプラス端子部材)は、夫々異種電池の各電極に対して個別に使用される専用端子部材である。
図示の例では、異種の電池B1、B2の内の一方B1は、電池本体の対向する両端部に夫々プラス電極、及びマイナス電極を備えた第1種類の電池である。また、他方の種類の電池B2は、電池本体の同一端部にプラス電極及びマイナス電極を備えた第2種類の電池である。
図1に示した如く、電池室2内に2本の単三電池B1を夫々の電極位置が互いに逆向きとなるように並置した場合には、各単三電池B1の他端側の電極T(−)はマイナス側の端子部材11と接続し、他端側の電極T(+)はプラス側の端子部材12と接続する。この際、残りの端子部材13はいずれの電極とも接触しない二次電池専用の端子部材である。端子部材12は単三専用のプラス用端子部材である。
このように2本の単三電池B1を電極位置が逆向きとなるように交互に収納した場合には、直列接続状態となり、各電極端子から携帯電子機器0の被給電部に電力を供給することができる。
【0011】
また、図2に示すように、電池室2内に一本の二次電池B2を、その電極t(−)、t(+)側の端縁が端子部材11、12、13を設置した側の外周壁6と対向するように収納した場合には、二次電池B2の電極t(−)はプラス側の端子部材11と接続し、二次電池B2の電極t(+)は、二次電池専用のマイナス側端子部材13と接続される。この際、単三専用の端子部材12はいずれの電極とも接触せず、不具合をもたらすことがない。
このように一本の二次電池B2を各電極が各端子部材と対応する方向に収納した場合には、各電極端子から携帯電子機器0の被給電部に電力を供給することができる。
つまり、本実施形態では、2本の単三電池B1の2つの電極T(−)、T(+)が夫々対応する位置に端子部材11、12を配置する一方で、マイナス側端子部材11の位置を、二次電池のマイナス電極t(−)と対応する位置に決めている。二次電池のプラス電極t(+)については、単三専用の端子部材12を回避した位置に設けた二次電池専用のプラス側電極端子13とのみ接続可能な位置に設けている。
従って、本発明の実施形態によれば、マイナス側端子部材11を異種電池にマイナス電極に対して共通使用するようにしたので、端子部材の数を一個減らすことができ、その分だけ部品点数を低減し、更に各端子部材から延びるリード線の数も低減できるので、構成を簡略化してコストダウンを図り、更に小型化を図ることができる。特に、二次電池専用の電極端子13を、電極端子11、12の間の遊びスペース内に配置しているので、電池収納室のスペースを大型化せずに有効利用できることとなる。
また、プラス側の端子部材が対応する各電池のマイナス電極に合わせられており、かつ、別体となっているので、対応しない電池の電極とは接触しない配置となっている。このため、電源の安全上、完全なプロテクトになっており、ショートとか逆放電などの事故が起こりえない構造となる。
【0012】
また、機器本体側の制御部では、電池B1と電池B2の区別を、プラス側の各専用端子部材12、13からの電流の有無によって判定しているので、格別の判定回路を設けたり、誤判定が起きる虞はない。即ち、電池B1が装着されている場合には、端子部材13からの電流が出力されずに端子部材12からのみ出力されるので、電池の種類がB1であると判定できる。逆に、電池B2が装着されている場合には、端子部材12からの電流が出力されずに端子部材13からのみ出力されるので、電池の種類がB2であると判定できる。従って、判定回路を追加することによりコストアップや、誤検知が発生することにより発生する事故を未然に防止できる。
なお、上記実施形態では、一次電池である電池B1として、単三電池を例示したが、これは一例に過ぎず、どのような一次電池であってもよい。
また、共通端子部材が接続される電池B1、B2側の各電極として、マイナス電極T(−)、t(−)を例示したが、各電池B1、B2のプラス電極T(+)、t(+)を共通の一つの端子部材により接続し、各電池B1、B2のマイナス電極T(−)、t(−)を夫々個別の専用端子部材により接続するように構成してもよい。
【0013】
次に、保安回路20を一つのみにした点も本発明の特徴的な構成である。即ち、図1、図2の実施形態では、異種の電池B1、B2の各プラス電極T(+)、t(+)に対応する端子部材12、13は、夫々個別に一個ずつ設けられている一方で、各電池B1、B2のマイナス電極については共通の一つの端子部材11を利用している。そして、保何回路20をこの一つの端子部材11から延びるリード線11a上に挿入配置しているので、保安回路20は一つで済むことになる。
この場合も、従来のようにマイナス側の各リード線上に保安回路を設けた場合と比べて保安回路の個数を低減し、コスト低減、小型化を図ることが可能となる。
なお、両電池B1、B2のマイナス電極T(−)、t(−)を共通の端子部材によって接続する構成に代えて、各電池B1、B2のプラス電極T(+)、t(+)を共通の一つの端子部材により接続する構成を採用した場合には、当該共通端子部材から延びるリード線上にのみ保安回路を配置すればよい。
なお、保安回路を構成する電流遮断素子としては、溶断ヒューズを用いてもよいし、温度ヒューズを用いてもよい。
なお、本発明の端子機構は、2種類の電池のみならず、3種類以上の電池に共通使用可能な端子構造に適用することもでき、適用可能な異種電池の種類数が増えれば増えるほど、その効果は増大する。また、互換使用可能な異種電池の中に、二次電池が含まれていなくてもよい。
また、本発明は携帯機器に限らず、異種電池を互換的に使用可能な機器一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における第1種類の電池(単三電池)装着状態を示す図。
【図2】本発明の一実施形態における二次電池装着状態を示す図。
【図3】従来技術における単三電池装着状態を示す図。
【図4】従来技術における二次電池装着状態を示す図。
【符号の説明】
【0015】
0 携帯電子機器、1 本体、B1 電池(第1種類の電池)、B2 電池(第2種類の電池)、5 収容空間、6 外周壁、7 開口、8 電池蓋、8a 軸、10 直結端子部材、11 共用端子部材、12、13 専用端子部材、11a、12a、13a リード線(配線)、20 保安回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマイナス電極と第1のプラス電極とを備える第1の種類の電池と、
第2のマイナス電極と第2のプラス電極とを備え、かつ前記第1の種類の電池とは電気特性が異なる第2の種類の電池と、
を使用可能な電子機器であって、
前記第1のマイナス電極及び前記第2のマイナス電極に接続する第1の端子と、
前記第1のプラス電極のみに接続する第2の端子と、
前記第2のプラス電極のみに接続する第3の端子と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の端子と前記第2の端子、又は前記第1の端子と前記第3の端子を介して電力の供給を受ける被給電部を備え、
前記第1の端子と前記第2の端子と前記第3の端子が、それぞれ別個の配線によって前記被給電部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の種類の電池が装着されたときには、前記第3の端子はいずれの電極とも非接触となり、
前記第2の種類の電池が装着されたときには、前記第2の端子はいずれの電極とも非接触となることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の端子及び前記第3の端子からの電流の有無によって電池の種類を判定する制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の端子と前記被給電部との間の配線上にのみ保安回路を備えていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記保安回路は、溶断ヒューズ又は温度ヒューズを備えていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
電極の配置及び出力する電気特性が異なる複数の種類の電池を使用可能な電子機器であって、
前記複数の種類の電池の全てのマイナス電極と接続する一の共用端子部材と、
前記複数の種類の電池のいずれか一つのプラス電極のみと接続する専用端子部材と、を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−273486(P2007−273486A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160220(P2007−160220)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願2002−181527(P2002−181527)の分割
【原出願日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】