説明

電子機器

【課題】ユーザが所望するデータの記録を短時間に完了させることができる電子機器を提供する。
【解決手段】記録媒体から読み出したデータを、記憶手段に記録する記録手段を備えた電子機器であって、記憶手段への記録速度が異なる少なくとも2つの記録モードを有し、電源供給の停止を指示する指示手段131と、電源供給を行うタイミングを制御する制御手段132と、記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、指示手段131による電源供給停止の指示を受けると、第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替える切替手段124と、を備え、制御手段132は、記録媒体から読み出した所定のデータを、第1の記録モードあるいは第2の記録モードで記憶手段に記録することを終了すると、電源供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものであり、特に、コンパクトディスク(CD)やDVD(デジタルビデオデスク)などの可搬型記録媒体から読み出した音楽や映像などのコンテンツデータを、ハードディスク(HDD)などの記憶手段に記録する記録手段を備えたオーディオ装置やオーディオ・ビデオ装置などの電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からオーディオ装置として、ラジオ、テレビなどの放送波を選択受信してその受信した音声を出力する装置や、カセットテープ、コンパクトディスク(CD)、あるいはミニディスク(MD)などの可搬型記録媒体に記録されたコンテンツデータを再生する装置が提供されている。また、DVD(デジタルビデオデスク)などの可搬型記録媒体から読み出した音楽や映像などのコンテンツデータを再生する車載用オーディオ・ビデオ装置も提供されている。
【0003】
このようなオーディオ装置やオーディオ・ビデオ装置においては、このCD等の可搬型記録媒体からCDドライブ等の読込手段によってコンテンツデータを読み込み、読み出したコンテンツデータをハードディスク(HDD)等の記録手段に記録に記録し、その記録したコンテンツデータを再生することができる。
【0004】
さらに、この可搬型記録媒体から読込手段によってコンテンツデータを読み込み、記録手段に記録する記録制御を実行すると共に、読込手段によって読み込んだコンテンツデータを再生する制御も並行して実行するオーディオ装置やオーディオ・ビデオ装置も提案されている。
【0005】
例えば、下記の特許文献1(特開2005−78776号公報)には、音楽CDをCDドライブで再生した音楽等のコンテンツデータ(デジタルデータ)をハードディスク(HDD)に書き込む(コピーする)際に、音楽CDからのデータを直接HDDに録音する高速録音モードと、音楽CDからのデータを一旦メモリ(RAM)に記憶してスピーカから音声出力すると共に、HDDへの録音をする低速録音モードとを備えた車載システムが開示されている。
【0006】
すなわち、この車載システムは、低速録音モードでは、音楽CDからデータを、例えば4倍速で読み出し、読み出したデータを音楽出力用のメモリに一旦書き込み、書き込まれたデータはメモリから音楽再生のために1倍速で出力される。メモリには4倍速で書き込みが行われ、1倍速で出力されるので、メモリへの書き込み時間に余裕が生じるため、この間にHDDへの録音を行う。一方、高速録音モードでは、音楽CDからデータを、例えば4倍速で読み出し、読み出したデータをそのままHDDへ録音する。音楽再生のためにメモリに一旦書き込む必要がないため、低速録音モードよりも短時間で録音ができる。
【0007】
また、下記の特許文献2(特開2003281865号公報)には、外部のバックアップ電源の残量を測定し、測定したバックアップ電源の残量が所定の基準残量を超えている場合に、情報記録部に電力を供給することにより、予約設定に従って外部より入力された記録対象情報の情報記録部による記録を開始、継続させ、測定したバックアップ電源の残量が所定の基準残量以下である場合に、情報記録部による記録の開始を禁止し、記録を中断させる車載用情報装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−78776号公報(段落[0028]〜[0031]、図2(a)、図3(b))
【特許文献2】特開2003−281865号公報(段落[0056]〜[0074]、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載された車載システムでは、ユーザが操作スイッチを操作することによって録音速度の変更指示をすることで、ユーザの要望にマッチした適切な録音速度にて録音制御することができる。また、ユーザがナビゲーション機能を使用していることを制御手段が自立的に判断して、適切な録音速度での録音制御を行うことを可能としている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の車載システムにおいては、録音制御はユーザが乗車している場合に行われることを前提としている。このため、録音中に車両が目的地に到着してしまったり、行程途中で車両を一時駐車させたりする場合には、録音中の状態で車載システムの電源(イグニッションスイッチ)をオフして録音状態を中断させてしまうという問題を生ずる。
【0010】
特に、ユーザが予想していた到着時刻よりも早く目的地に到着した場合には、音楽CDの録音のためだけに車内に残らなくてはならないことが多々あり、所望の音楽CDを早く録音したいという希望を持つユーザに対しては不都合であるという問題点があり、必ずしも利便性のよいものではなかった。
【0011】
また、上記特許文献2に記載された車載用情報処理では、バックアップ電源の残量を考慮して録音制御を継続、中断したとしても、適切な録音速度にて録音制御を行っていないため、バックアップ電源の残量によっては所望の記録対象情報の記録を完了させることができない場合が発生するという問題を生ずる。さらに、バックアップ電源の消耗を抑えてバッテリー上がりを防止したいという要求が存在する。
【0012】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、記録媒体から読み出し、記憶手段へのデータの記録速度を指定する互いに記録速度が異なる少なくとも2つの記録モードを有し、記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、指示手段による電源供給停止の指示を受けると、第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替えて記録を継続し、記録媒体から読み出した所定のデータを、第2の記録モードで記憶手段に記録することを終了すると、各種手段への電源供給を停止するようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、ユーザが所望するデータの記録を短時間に完了させることができる電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
記録媒体から読み出したデータを、記憶手段に記録する記録手段を備えた車載用電子機器であって、
前記記憶手段へのデータの記録速度を指定する互いに記録速度が異なる少なくとも2つの記録モードを有し、
前記各種手段に対する電源供給の停止を指示する指示手段と、
前記各種手段へ電源供給を行うタイミングを制御する制御手段と、
前記記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、前記指示手段による電源供給停止の指示を受けると、前記第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替える切替手段と、を備え、
前記制御手段は、前記記録媒体から読み出した所定のデータを、前記第1の記録モードあるいは第2の記録モードで前記記憶手段に記録することを終了すると、前記各種手段への電源供給を停止することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる電子機器において、前記第1の記録モードで記録中に、前記記録媒体から読み出したデータを再生する再生手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる電子機器において、前記記憶手段は、ハードディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリであることを特徴とする。
【0017】
さらに、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1〜3の何れか1項にかかる電子機器において、前記データは、音声あるいは映像であることを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1〜4の何れか1項にかかる電子機器において、前記指示手段は、イグニッションスイッチであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、記録媒体から読み出したデータを、記憶手段に記録する記録手段を備えた電子機器は、前記記憶手段へのデータの記録速度を指定する互いに記録速度が異なる少なくとも2つの記録モードを有し、前記各種手段に対する電源供給の停止を指示する指示手段と、前記各種手段へ電源供給を行うタイミングを制御する制御手段と、前記記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、前記指示手段による電源供給停止の指示を受けると、前記第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替える切替手段と、を備え、前記制御手段は、前記記録媒体から読み出した所定のデータを、前記第1の記録モードあるいは第2の記録モードで前記記憶手段に記録することを終了すると、前記各種手段への電源供給を停止する。
【0020】
従って、記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、指示手段による電源供給停止の指示を受けると、第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替えて記録を継続し、記録媒体から読み出した所定のデータを、第2の記録モードで記憶手段に記録することを終了すると、前記各種手段への電源供給を停止することができ、ユーザは電源をオフにしたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【0021】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる電子機器において、第1の記録モードで記録中に、前記記録媒体から読み出したデータを再生する。
【0022】
従って、記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に記録媒体から読み出したデータを再生し、指示手段による電源供給停止の指示を受けると、第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替えて記録を継続すると共に、記録媒体から読み出したデータの再生を停止し、記録媒体から読み出した所定のデータを、第2の記録モードで記憶手段に記録することを終了すると、前記各種手段への電源供給を停止することができ、ユーザは電源をオフにしたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【0023】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または2にかかる電子機器において、記憶手段は、ハードディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリである。従って、請求項1または2と同じくユーザは電源をオフにしたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【0024】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1〜3の何れか1項にかかる電子機器において、データは、音声あるいは映像である。従って、請求項1〜3の何れか1項と同じくユーザは電源をオフにしたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【0025】
さらに、請求項5にかかる発明においては、請求項1〜4の何れか1項にかかる電子機器において、指示手段は、イグニッションスイッチである。従って、ユーザは車両を停止させて車内から離れたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電子機器である車載用オーディオ装置を例示するものであって、本発明をこの電子機器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電子機器にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の実施例にかかる電子機器である車載用オーディオ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車載用オーディオ装置10は、自動車に搭載される端末であって、テレビ・ラジオチューナ機能、ディスク再生機能、このディスク再生機能にて再生したコンテンツデータをハードディスクに記録する記録機能、およびナビゲーション機能から構成されている。
【0028】
車載用オーディオ装置10は、制御部11、電源供給部12、表示部13、操作部14、位置検出部15、FM/AM受信部16、TV受信部17、アンプ部18、スピーカ19、ディスク再生部20、ハードディスク21とから構成されている。
【0029】
制御部11は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMなどのメモリを備えており、これらのメモリに蓄積されたプログラムによって各部を制御する。さらに、制御部11は、後述するようにディスク再生部20によって再生された音楽データをハードディスク21に録音する。
【0030】
ここで、制御部11では、低速録音モードと高速録音モードの2種類の録音設定モードを有し、低速録音モードでは、可搬型コンテンツ記録媒体から音楽データを4倍速で読み出し、制御部11に設けられた音楽出力用のメモリ(例えばRAMなどで図示はしていない)に4倍速で書き込みが行われ、この音楽出力用メモリに書き込まれた音楽データは1倍速で出力され、ハードディスク21に記録されるとともに、スピーカ19から出力される。また、高速録音モードでは、可搬型コンテンツ記録媒体から音楽データを4倍速で読み出し、読み出したデータをそのままハードディスク21に記録する。
【0031】
電源供給部12は、自動車に搭載される発電機と接続され、接続された発電機からの+15V程度の電源出力を安定した+5Vに電圧変換させ、車載用オーディオ装置10の各部に供給する。
【0032】
表示部13は、カラー表示可能な液晶表示モジュール等から構成されており、その表示画面にハードディスク21に記憶されている地図データ23や、ディスク再生部20による可搬型コンテンツ記録媒体の再生状態、制御部11による録音状態などを文字あるいは記号などを表示できるようになっている。
【0033】
操作部14は、表示部13の表示画面に表示されるソフトキーボタンやタッチパネル、表示画面の周りに配設されたメカニカルスイッチ等から構成されており、可搬型コンテンツ記録媒体の再生指示、録音指示、あるいはナビゲーションの検索条件の入力などを行えるようになっている。また、この操作部14には、車両の使用状態に応じて、車載用オーディオ装置10の電源(アクセサリー電源)をオン・オフ制御するイグニッションスイッチも設けられている。
【0034】
位置検出部15は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機、ジャイロスコープ、および距離センサを備えている。これらの位置検出機能は各々が性質の異なる誤差を有しているため、各々補間しながら使用するように構成されるのが一般的であるが、精度によってはその一部で構成してもよい。また、いずれも周知のステアリングの回転速度センサや回転方向センサを使用することもできる。
【0035】
FM/AM受信部16は、ラジオ放送波を受信する受信アンテナと、この受信アンテナで受信したラジオ放送波から選択された周波数の放送信号に同調するラジオチューナ部と、このラジオチューナ部にて同調した放送信号を出力する出力部とから構成されている。
【0036】
TV受信部17は、テレビ放送波を受信する受信アンテナと、この受信アンテナで受信したテレビ放送波から選択された周波数の放送信号に同調するテレビチューナ部と、このテレビチューナ部にて同調した放送信号を出力する出力部とから構成されている。
【0037】
アンプ部18は、スピーカ19と接続され、FM/AM受信部16やTV受信部17からの出力信号、あるいは後述するディスク再生部20によって再生された出力信号を増幅し、増幅された音声出力をスピーカ19により拡声して出力する。
【0038】
ディスク再生部20は、可搬型コンテンツ記録媒体であるCD、MD、あるいはDVDに記録された音声あるいは映像を再生して出力する。可搬型コンテンツ記録媒体であるCD、DVDなどの情報記録媒体には、スピーカ10からオーディオ用に音声出力される音楽データあるいは表示部13からナビゲーション用に映像出力される地図データが記録されている。
【0039】
ハードディスク21は、ディスク再生部20により可搬型コンテンツ記録媒体から再生され、制御部11により書き込まれた音楽データや地図データを記録している。
【0040】
地図データ23は、各道路をノードとリンクで表したデータ、各リンクの種別(一般道路、高速道路など)、ノード種別(交差点の信号有無など)、コストデータなどから構成されている。
【0041】
また、車載用オーディオ装置10は、操作部14により目的地の位置情報を入力すると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を作成するとともに、位置検出部15により車両の現在位置及び現在方位を検出する。この自動的に最適な経路を選択する手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0042】
そして、車両の現在位置を含む地図データ23をハードディスク21から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示部13上に描画すると共に、車両位置マーク(ロケーション)を表示部の表示画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0043】
さらに、ハードディスク21には、経路探索サーバからダウンロードまたはプレインストールした経路のガイダンス、例えば、交差点や分岐点に車両が近づいた際に、「この先、左折です」等の表示、音声による案内データが記憶されており、車載用オーディオ装置10は、この案内データに従って、表示部13に案内(ガイド)を表示するとともにスピーカ19を介して音声にて案内することができる。
【0044】
そして、制御部11は、低速録音モードで録音中に操作部14に設けられたイグニッションスイッチによりアクセサリー電源がオフされると、高速録音モードでの録音へ切り替えて録音を継続するように制御する。そして、操作部14によりユーザによって予め選択された音楽データの録音が終了すると電源供給部12から車載用オーディオ装置10の各部への電源供給をオフするように制御する。
【0045】
これにより車載用オーディオ装置10は、イグニッションスイッチによりアクセサリー電源がオフされても録音を高速録音で継続し、録音終了後に電源供給を停止するために、ユーザは車両を停止させて車内から離れたとしても所望するデータの録音を短時間に完了させることができるようになる。
【0046】
図2は、制御部11の制御機能を示す機能ブロック図である。記録再生制御プログラム111は、記録制御手段120、電源制御手段130、再生制御手段140を有している。再生制御手段140は可搬型記憶媒体から読み出したコンテンツデータを再生する制御を行う。記録制御手段120はハードディスク21への記録を制御するものであり、第1記録モード制御手段121と第2記録モード制御手段122および切替手段123を備えている。
【0047】
第2の記録モード制御手段122はハードディスク21への記録を第1の記録モード制御手段121よりも早い記録速度で行う。例えば、第2の記録モード制御手段122は4倍速でハードディスク21への記録を行い、第1の記録モード制御手段121は1倍速でハードディスク21への記録を行う。切替手段123は、電源制御手段130により以下の場合に第1の記録モード制御手段121から第2の記録モード制御手段122に切り替え、ハードディスク21への記録速度を低速から高速に切り替える。
【0048】
電源制御手段130は、装置各部への電源供給を停止する指示を与える停止指示手段131と各部への電源供給を行うタイミングを制御する制御手段132を有している。停止指示手段131は、イグニッションスイッチ31が電源をオフするように操作されるとこれ検出して各部への電源供給を停止させる。すなわち、低速録音モードで録音中に操作部14に設けられたイグニッションスイッチ31(図2参照)によりアクセサリー電源がオフされると、高速録音モードでの録音へ切り替えて録音を継続するように制御する。そして、操作部14によりユーザによって予め選択された音楽データなどのコンテンツデータの録音が終了すると電源供給部12から車載用オーディオ装置10の各部への電源供給をオフするように制御する。
【0049】
次に、本発明にかかる車載オーディオ装置における記録制御の手順について説明する。
【0050】
図3は、本実施例にかかる車載オーディオ装置における記録制御の手順を示すフローチャートである。以下の説明においては、音楽コンテンツの記録制御の場合を具体例として説明する。従って、以下に使用される録音という用語は記録と同義である。
【0051】
図3のフローチャートにおいて、車載オーディオ装置10は、ステップS20においてユーザによって操作部14からアクセサリー電源をオフされる。次に、車載オーディオ装置10は、ステップS21で制御部11が録音中であるかを判定し、録音中であればステップS22に進み、録音中でなければステップS25で電源をオフして処理を終了する。
【0052】
次に、ステップS22では車載オーディオ装置10が低速録音モード録音中であるか否かが判断され、低速録音ノードであれば、ステップS23でその低速録音モードを高速録音モードへ変更してステップS24に進み、低速録音モードでなければ。ステップS23のモード変更処理を飛ばしてステップS24に進む。
【0053】
ステップS24では車載オーディオ装置10の制御部11が録音を終了したか否かが判断され、録音が終了していればステップS25で電源をオフして処理を終了し、録音が終了していなければ、ステップS24の処理に戻る。
【0054】
以上、詳細に説明したように本発明にかかる車載オーディオ装置10によれば、制御部が低速録音モードで音楽CD等のコンテンツデータをハードディスクに記録中に、アクセサリー電源がオフされると、低速録音モードで指定された録音速度よりも録音速度が速い高速録音モードに切り替えて録音を継続し、音楽CDから読み出した所定のコンテンツデータを、高速録音モードでハードディスクに録音することを終了すると、車載用オーディオ装置の各部への電源供給を停止することができ、ユーザは車両を停止させて車内から離れたとしても所望するデータの記録を短時間に完了させることができるようになる。
【0055】
なお、本実施例においては、可搬型コンテンツ記録媒体に記録されたコンテンツデータとして音楽データを再生・録音する車載用オーディオ装置として説明したが、本発明はオーディオ装置に限られることはなく、可搬型コンテンツ記録媒体に記録されたコンテンツデータとして地図データを再生・記録する車載用ナビゲーション装置などにも適用できる。
【0056】
また、本実施例においては、再生されたコンテンツデータを記憶する記憶する手段としてハードディスクを適用して説明したが、これに限られることはなく、光ディスクや読み書き可能な半導体メモリなどにも適用できる。
【0057】
また、本実施例においては、ナビゲーション装置と経路探索サーバ装置とが一体となったスタンドアロンで動作する車載用オーディオ装置として説明したが、本発明はスタンドアロン型のナビゲーションシステムに限られることはなく、ナビゲーション装置と経路探索サーバ装置とがインターネットを介して接続された通信型のナビゲーションシステムなどにも適用できる。さらに、本発明にかかる車載用オーディオ装置10は上記の構成に限られるものではなく、ナビゲーションサービス機能を持たないシステムであってもよい。
【0058】
また、本実施例では車載用オーディオ装置として説明したが、本発明は車載用オーディオ装置に限定されることなく、家庭のコンセント等から電源が供給されるオーディオ装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、ユーザが所望するデータの記録を短時間に完了させることができる。従って、ユーザの利便性を高め、バッテリー上がりも防止できるため、ユーザのニーズに適したサービスを提供する電子機器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施例にかかる電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御部の制御機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施例にかかる車載オーディオ装置における録音制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10・・・・車載用オーディオ装置
11・・・・制御部
12・・・・電源供給部
13・・・・表示部
14・・・・操作部
15・・・・位置検出部
16・・・・FM/AM受信部
17・・・・TV受信部
18・・・・アンプ部
19・・・・スピーカ
20・・・・ディスク再生部
21・・・・ハードディスク
22・・・・音楽データ
23・・・・地図データ
31・・・・イグニッションスイッチ
111・・・記録再生制御プログラム
120・・・記録制御手段
121・・・第1記録モード制御手段
122・・・第2記録モード制御手段
123・・・切替手段
130・・・電源制御手段
131・・・停止指示手段
132・・・タイミング制御手段
140・・・再生制御手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体から読み出したデータを、記憶手段に記録する記録手段を備えた電子機器であって、
前記記憶手段へのデータの記録速度を指定する互いに記録速度が異なる少なくとも2つの記録モードを有し、
前記各種手段に対する電源供給の停止を指示する指示手段と、
前記各種手段へ電源供給を行うタイミングを制御する制御手段と、
前記記録手段が所定の第1の記録モードでの記録中に、前記指示手段による電源供給停止の指示を受けると、前記第1の記録モードで指定されたデータ記録速度より速いデータの記録速度を指定する第2の記録モードでの記録へ切り替える切替手段と、を備え、
前記制御手段は、前記記録媒体から読み出した所定のデータを、前記第1の記録モードあるいは第2の記録モードで前記記憶手段に記録することを終了すると、前記各種手段への電源供給を停止することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の記録モードで記録中に、前記記録媒体から読み出したデータを再生する再生手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶手段は、ハードディスク、光ディスク、あるいは半導体メモリであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記データは、音声あるいは映像であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記指示手段は、イグニッションスイッチであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−280462(P2007−280462A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103153(P2006−103153)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】