説明

電子機器

【課題】本発明は、角速度センサを用いた入力に基づいて、テキストを利用した処理を可能とすることを目的とする。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、角速度センサ11からの検知信号が入力される演算処理部12と、この演算処理部12に電気的に接続されたテキストデータ格納部13とを備え、テキストデータ格納部13には複数のテキストデータが格納されており、演算処理部12が前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して出力する電子機器としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ等の電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の電子機器は、図4に示すごとく、内蔵された角速度センサ1とクリックボタン2とを有するマウス3と、このマウス3の出力部3Aに電気的に接続された演算処理装置4と、この演算処理装置4に接続されたディスプレイ5とを備えていた。
【0003】
そして、マウス3を図5に示すごとく、英文字「A」を描くごとく動かすとともに図4に示すクリックボタン2を適宜オン・オフさせることにより、ディスプレイ5に文字や絵を描いていた。
【0004】
具体的には、図6に示すごとく、図5に示した点1Aから点1B間での時間をt0〜t1、図5に示した点1Bから点1C間での時間をt1〜t2、図5に示した点1Cから点1D間での時間をt2〜t3、図5に示した点1Dから点1E間での時間をt3〜t4とし、クリックボタン2のオン・オフを変化させる、即ち、図5に示した点1Cから点1D間での時間t2〜t3でクリックボタン2をオフ状態とすることにより、図5に示した点1Cから点1D間までを図4に示すディスプレイ5に出力せず、英文字「A」を出力する構成を実現していた。
【0005】
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】米国特許第5898421号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の電子機器では、テキストを利用した処理ができないことが問題となっていた。
【0007】
すなわち、上記従来の構成においては、演算処理装置4の出力は、ユーザがマウス3を動かすことによって描かれた「画像」としての文字でしか出力できないため、テキストを利用した処理ができないことが問題となっていた。
【0008】
そこで本発明は、角速度センサを用いた入力に基づいて、テキストを利用した処理を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、この目的を達成するために本発明は、角速度センサからの検知信号が入力される演算処理部と、この演算処理部に電気的に接続されたテキストデータ格納部とを備え、前記テキストデータ格納部には複数のテキストデータが格納されており、前記演算処理部が前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して出力する電子機器としたものである。
【発明の効果】
【0010】
この構成により、演算処理部が検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して出力することができるため、角速度センサを用いた入力に基づいて、テキストを利用した処理を可能とすることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における電子機器について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示すごとく、角速度センサ11からの検知信号が入力される演算処理部12と、この演算処理部12に電気的に接続されたテキストデータ格納部13とを備え、テキストデータ格納部13には複数のテキストデータが格納されている。
【0013】
そして、演算処理部12が前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して、当該テキストデータを出力信号として出力する。そして、この出力信号がディスプレイ14に伝達され表示される。
【0014】
具体的には、角速度センサ11が内蔵されたマウス15を、図2に示すごとく、英文字「A」を描くように任意の空間中で移動させると、マウス15内に内蔵された角速度センサ11に角速度が加わり、この角速度を角速度センサ11が検知することにより検知信号が作成され、演算処理部12へ伝達される。そうすると、演算処理部12は、テキストデータ格納部13に格納された複数のテキストデータの中から、テキストデータとしての「A」が前記検知信号に最も近いものと判断する。そして、この最も近いと判断したテキストデータ「A」をディスプレイ14に表示させる。
【0015】
このような構成により、演算処理部12が検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して出力することができるため、角速度センサを用いた入力に基づいて、テキストを利用した処理を可能とすることができるのである。
【0016】
さらに、このテキストデータを利用して、当該電子機器に検索機能を持たせることができる。
【0017】
例えば、図1に示すごとく、演算処理部12に記憶部16を接続し、この記憶部16には複数の音源がアーティスト名(あるいは曲名)と関連付けて記憶されているものとする。この状態において、マウス15を図2に示すごとく英文字「A」を描くように任意の空間中で移動させると、マウス15内に内蔵された角速度センサ11に角速度が加わり、この角速度を角速度センサ11が検知することにより検知信号が作成され、演算処理部12へ伝達される。そうすると、演算処理部12は、テキストデータ格納部13に格納された複数のテキストデータの中から、テキストデータとしての「A」が前記検知信号に最も近いものと判断する。そして、この最も近いと判断したテキストデータ「A」から始まるアーティスト名(あるいは曲名)が演算処理部12により検索され、ディスプレイ14に表示される。
【0018】
なお、図1に示した本実施の形態における電子機器、入力装置としてのマウス15、出力装置としてのディスプレイ14の3者からなる構成を、図3に示すごとく、一体型の携帯型音楽再生装置に用いることも可能である。
【0019】
即ち、図3に示すごとく、携帯型音楽再生装置17は、その筐体17A内部に角速度センサ21と、この角速度センサ21からの検知信号が入力される演算処理部22と、演算処理部22に電気的に接続されたテキストデータ格納部23とを備え、テキストデータ格納部23には複数のテキストデータが格納されている。26は、演算処理部22に接続された記憶部であり、この記憶部26には複数の音源がアーティスト名(あるいは曲名)と関連付けて記憶されているものとする。そして、携帯型音楽再生装置17を図2に示すごとく英文字「A」を描くように任意の空間中で移動させると、携帯型音楽再生装置17内に内蔵された角速度センサ21に角速度が加わり、この角速度を角速度センサ21が検知することにより検知信号が作成され、演算処理部22へ伝達される。そうすると、演算処理部22は、テキストデータ格納部23に格納された複数のテキストデータの中から、テキストデータとしての「A」が前記検知信号に最も近いものと判断する。そして、この最も近いと判断したテキストデータ「A」から始まるアーティスト名(あるいは曲名)が演算処理部22により検索され、ディスプレイ24に表示させる構成とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の電子機器は、角速度センサを用いた入力に基づいて、テキストを利用した処理を可能とすることができるという効果を有し、コンピュータ等の電子機器において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における電子機器に入力装置及び出力装置を接続した状態を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における電子機器に接続した入力装置を移動させる軌跡を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における電子機器の他の実施例を示す上面図
【図4】従来の電子機器の斜視図
【図5】従来の電子機器に接続したマウスを移動させる軌跡を示す図
【図6】従来の電子機器に接続したマウスにおけるクリックボタンのオン・オフ状態を示す図
【符号の説明】
【0022】
11 角速度センサ
12 演算処理部
13 テキストデータ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角速度センサからの検知信号が入力される演算処理部と、
前記演算処理部に電気的に接続されたテキストデータ格納部とを備え、
前記テキストデータ格納部には複数のテキストデータが格納されており、
前記演算処理部が
前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータを選択して出力する
電子機器。
【請求項2】
前記演算処理部に記憶部を電気的に接続し、
前記記憶部には複数の音源がアーティスト名と関連付けて記憶されており、
前記演算処理部が前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータから始まるアーティスト名を前記記憶部から検索し出力する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記演算処理部に記憶部を電気的に接続し、
前記記憶部には複数の音源が曲名と関連付けて記憶されており、
前記演算処理部が前記検知信号に最も近いと判断したテキストデータから始まる曲名を前記記憶部から検索し出力する
請求項1に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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