説明

電子機器

【課題】本発明は、映像投影部により投影された映像内容と表示部に表示された表示内容との双方を視認することが容易な電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、表示部21を有する第1面2Aと、第1面2Aの対面である第2面2Bと、第1面2A及び第2面2Bに隣接する端面2aと、を備える筐体2と、筐体2に対して回動可能に取付けられ、筐体2を、第1面2Aが載置面Gと鋭角を成し、第2面2Bが載置面Gに対して第1面2Aよりも近接し、端面2aが載置面Gに対して第1面2Aよりも近接するように立設する支持部材3と、支持部材3に取付けられ、支持部材3によって筐体2が立設されている場合、端面2aを基準として支持部材3が載置面Gと当接している箇所とは反対側に映像を投影する映像投影部100と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器としての携帯電話機は、電子メール等の文字情報や動画等の画像情報を表示する表示部を備えている。また、筐体に映像投影部を設け、この映像投影部から出力された映像をスクリーン等の被投影物に投影して、表示部に表示される情報を大きく表示する携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−77327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の携帯電話機は、表示部に表示される文字情報や画像情報と同じ情報を、被投影物に大きく投影して情報の視認性を向上させている。
しかし、特許文献1の携帯電話機1において、表示部に表示された情報と、映像投影部により被投影物に投影された情報との双方を視認するための工夫はなされていない。
また、特許文献1の携帯電話機において、映像投影部により投影された情報は、表示部に表示された情報と同じ情報であるので、そもそも双方を視認することは想定されていない。
【0005】
本発明は、映像投影部により投影された映像内容と表示部に表示された表示内容との双方を視認することが容易な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表示部を有する第1面と、当該第1面の対面である第2面と、前記第1面及び前記第2面に隣接する端面と、を備える筐体部と、前記筐体部に対して回動可能に取付けられ、前記筐体部を、前記第1面が載置面と鋭角を成し、前記第2面が前記載置面に対して前記第1面よりも近接し、前記端面が前記載置面に対して前記第1面よりも近接するように立設する支持体部と、前記支持体部に取付けられ、当該支持体部によって前記筐体部が立設されている場合、前記端面を基準として前記支持体部が前記載置面と当接している箇所とは反対側に映像を投影する映像投影部と、を備える電子機器に関する。
【0007】
また、前記支持体部は、前記載置面と接する第1端部と、前記載置面から離間して配置される第2端部とを有し、前記映像投影部は、前記支持体部の第2端部側における前記載置面に対向する側に配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記映像投影部は、前記表示部により表示される表示内容と異なる内容の映像を投影することが好ましい。
【0009】
また、複数のアプリケーションのうち、所定のアプリケーションを選択するアプリケーション選択部と、前記アプリケーション選択部により選択されたアプリケーションを実行するアプリケーション実行部と、前記筐体部と、前記支持体部との回動角度を検知する回動角度検知部と、を備え、前記筐体部と、前記支持体部との回動角度が変更された場合、前記アプリケーション選択部は、前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、所定のサプリケーションを選択することが好ましい。
【0010】
また、前記筺体部は、前記第2面に配置されるスピーカ部を有し、前記筺体部が前記載置面に略垂直になるよう回動角度が変更された場合、前記アプリケーション選択部は、前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、音楽再生アプリケーションを選択することが好ましい。
【0011】
また、前記筐体部と、前記支持体部との回動角度を検知する回動角度検知部と、前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、前記映像投影部における投射方向及び/又は照射角を調整可能な映像投影部制御部と、を備えることが好ましい。
【0012】
また、前記映像投影部は、所定の入力用映像を投影し、前記映像投影部により投影された入力用映像上における物体の動きを検出する赤外線センサと、前記赤外線センサにより検知された前記入力用映像上における物体の動きに基づいて、所定の入力内容を認識すると共に認識した入力内容を受け付ける入力受付部と、を備えることが好ましい。
【0013】
本発明は、表示部を有する第1面と、当該第1面の対面である第2面と、前記第1面及び前記第2面に隣接する第1端面と、を備える筐体部と、前記第1面、前記第2面及び前記第1端面と平行な回動軸を有する連結部と、当該回動軸において前記第1面に対して所定角度をなす場合に前記第1面の前方に配される第2端面と、当該回動軸において前記第1面に対して所定角度をなす場合に前記第2面の前方に配される第3端面と、を有する支持体部と、前記第3端面に取付けられ、映像を投影する映像投影部と、を備える電子機器に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、映像投影部により投影された映像内容と表示部に表示された表示内容との双方を視認することが容易な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】携帯電話機の実施形態を説明する斜視全体図である。
【図2】携帯電話機における正面図である。
【図3】筐体と支持部材とが所定角度で保持された状態を説明する斜視図である。
【図4A】回動角度がA0の場合における携帯電話機を説明する側面図である。
【図4B】回動角度がA1の場合における携帯電話機を説明する側面図である。
【図4C】回動角度がA2の場合における携帯電話機を説明する側面図である。
【図4D】回動角度がA3の場合における携帯電話機を説明する側面図である。
【図5】携帯電話機における機能ブロック図である。
【図6】回動角度―アプリケーションテーブルを説明する図である。
【図7】補正情報テーブルを説明する図である。
【図8】携帯電話機における動作を説明するフロー図である。
【図9】携帯電話機における他の実施形態を説明する平面図である。
【図10】携帯電話機における他の実施形態を説明する平面図である。
【図11A】携帯電話機における他の実施形態を説明する平面図である。
【図11B】携帯電話機における他の実施形態を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、図1により、携帯電話機1における概要について説明する。
図1は、携帯電話機の実施形態を説明する斜視全体図である。
図1に示すように、携帯電話機1は、第1面2Aに配置される表示部21を有する筐体2(筺体部)と、筐体2の外周面2Cを囲むように配置される支持部材3(支持体部)であって載置面Gに対して筐体2を所定角度で立設させる支持部材3と、筐体2の外周面2Cにおける所定位置と支持部材3の内周面3Cにおける所定位置とを回動軸R(詳細は図2を参照)を中心に回動可能に連結すると共に、筐体2と支持部材3とを所定の回動角度Aで保持可能な連結部4と、支持部材3に配置され、載置面Gにおける所定領域GAであって筐体2を基準として表示部21が配置された側に位置する所定領域GAに映像を投影可能な映像投影部100と、を備える。
【0017】
図1に示すように、筐体2と支持部材3とが連結部4により所定の回動角度Aで保持された状態において、表示部21に表示された表示内容Qと映像投影部100により投影された映像内容Pとは、同じ側から同時に視認可能に配置される。つまり、携帯電話機1は、表示部21に表示された表示内容Qと映像投影部100により投影された映像内容Pとの双方をユーザに同時に視認させることが可能に構成される。
【0018】
続けて、図1から図4Dにより、携帯電話機1の構造について説明する。
図2は、携帯電話機における正面図である。図3は、筐体と支持部材とが所定角度で保持された状態を説明する斜視図である。図4Aは、回動角度が略0度であるA0の場合における携帯電話機を説明する側面図である。図4Bは、回動角度が所定の鋭角であるA1の場合における携帯電話機を説明する側面図である。図4Cは、回動角度が角度A1よりも大きい鋭角であるA2の場合における携帯電話機を説明する側面図である。図4Dは、回動角度が角度A2よりも大きい角度であるA3の場合における携帯電話機を説明する側面図である。
【0019】
図1から図3に示すように、携帯電話機1は、筐体2と、支持部材3と、筐体2と支持部材3とを互いに回動可能に連結する連結部4と、を備える。
【0020】
筐体2は、矩形状に形成される。筐体2は、第1面2Aと、当該第1面2Aの対面である第2面2Bと、第1面2A及び第2面2Bに交差して形成される外周面2Cとを有する。また、筐体2は、載置面Gに載置される一方の端面2aと、載置面Gから離間して配置される他方の端面2bとを有する。
【0021】
筐体2は、支持部材3に囲まれて形成される中空部5に収容されるよう配置される。筐体2は、支持部材3の内側に配置される。筐体2は、後述する連結部4により支持部材3に回動可能に連結される。筐体2は、連結部4により、支持部材3に対し所定の回動角度Aで保持される。筐体2は、連結部4により所定の回動角度Aで保持された支持部材3により、載置面Gに対して所定の角度なすように立設される。
筐体2は、第1面2A側に配置される表示部21と、第2面2B側に配置されるスピーカ部25とを備える。
【0022】
表示部21は、筐体2における第1面2A側に配置される。ユーザは、携帯電話機1を使用する場合、表示部21に対向して位置する。
表示部21は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される。
【0023】
表示部21は、支持部材3により立設された状態において、所定側(例えば、ユーザ側)を向くように配置される。換言すれば、表示部21は、スピーカ部25に比べて、載置面Gに対してより遠いところに配置される。支持部材3により立設された状態において、表示部21は、該表示部21により表示された表示内容Qが映像投影部100により所定領域GAに表示された映像内容Pとユーザから同時に視認可能なように、映像内容Pが投影された側を向いて配置される。
本実施形態において、表示部21に表示される表示内容Qは、映像投影部100により投影された映像内容Pと異なる内容である。
【0024】
表示部21は、連結部4により保持される回動角度Aに応じて、ユーザからの視認性が変化する。ここで、後述するアプリケーション選択部320は、表示部21に対するユーザの視認性に応じて、アプリケーションを選択するように構成される。
【0025】
スピーカ部25は、筐体2における第2面2B側に配置される。スピーカ部25は、連結部4における回動角度Aが小さい場合(図4参照)、載置面Gに対向して配置され、外部空間に好適に放音することができない。スピーカ部25は、筐体2が載置面Gに略垂直に配置された状態において、外部空間に対して好適に放音する。
【0026】
支持部材3は、筐体2の外周面2Cを囲むように配置される。
支持部材3は、連結部4により、筐体2に回動可能に連結される。支持部材3は、連結部4により、筐体2と所定の回動角度Aで保持される。
支持部材3は、連結部4により所定の回動角度Aで保持されることで、筐体2を載置面Gに対して所定の角度で立設させる。
【0027】
支持部材3は、連結部4における回動角度Aが0°である場合に、筐体2の第1面2Aと並んで配置される第1面3Aと、第2面2Bと並んで配置される第2面3Bと、第1面3A及び第2面3Bと連続して形成され中空部5の外郭を構成する内周面3Cとを有する。また、支持部材3は、載置面Gに載置される一方の端部3a(第1端部)と、載置面Gから離間して配置される他方の端部3b(第2端部)とを有する。また、支持部材3は、外周側に形成され、第1面3A側に形成される第1傾斜部31Aと、第2傾斜部31Bとを有する。
ここで、後述する映像投影部100は、他方の端部3b側における第2傾斜部31Bに配置される。
【0028】
また、支持部材3は、端部3b側に形成される凹部30を有する。凹部30は、筐体2を支持部材3に対して回動移動させるための部分である。凹部30は、第1面2Aにおける中空部5側に形成される。凹部30は、連結部4における回動角度Aが0°である場合に、筐体2の第1面2Aと段差を有して並んで配置される。連結部4における回動角度Aが0°である状態において、ユーザが凹部30に指をおくと共に凹部30に近接する筐体2の端部に指をおくことで、筐体2の端部は、押し下げられる。これにより、筐体2は、支持部材3に対して簡易に回動移動される。
【0029】
図1及び図3に示すように、連結部4は、筐体2の外周面2Cにおける所定位置と、支持部材3の内周面3Cにおける所定位置とを回動軸Rを中心に回動可能に連結する。連結部4は、筐体2と支持部材3とを所定の回動角度Aで保持可能に構成される。
ここで、本実施形態において、筐体2の外周面2Cにおける所定位置は、回動軸Rが延びる方向に直交する方向において、外周面2Cの略中央の位置である。また、支持部材3の内周面3Cにおける所定位置は、同様に、回動軸Rが延びる方向に直交する方向において、内周面3Cの略中央の位置である。
【0030】
図4Aから図4Dに示すように、連結部4は、携帯電話機1における所定の使用に適した回動角度で、筐体2と支持部材3とを保持する。連結部4は、例えば、メールの使用に適した回動角度A1で筐体2と支持部材3とを保持する(図4B参照)。また、連結部4は、例えば、TV視聴に適した回動角度A2で筐体2と支持部材3とを保持する(図4C参照)。また、連結部4は、例えば、音楽再生に適した回動角度A3で筐体2と支持部材3とを保持する(図4D参照)。
【0031】
また、連結部4は、映像投影部100における載置面Gへの映像投影に適した回動角度Aで筐体2と支持部材3とを保持する。
【0032】
映像投影部100は、支持部材3に配置される。図1に示すように、映像投影部100は、載置面Gにおける所定領域であって筐体2を基準として表示部21が配置された側に位置する所定領域GAに映像を投影可能な位置に配置される。
【0033】
映像投影部100は、支持部材3の他の端部3b側における載置面Gに対向する側に配置される。具体的には、映像投影部100は、他方の端部3b側における第2傾斜部31Bに配置される。
【0034】
映像投影部100は、映像内容Pを、表示部21に表示された表示内容Qと同時に視認可能な所定領域GAに映像を投影する。例えば、ユーザが斜め下を見るように表示部21を見た場合において、映像投影部100は、載置面Gにおける表示部21の手前(ユーザ側)の領域に映像を投影させる。
【0035】
映像投影部100は、本実施形態において、表示部21の表示内容Qとは異なる内容(情報、画像)の映像内容Pを所定領域GAに投影する。
映像投影部100は、例えば、表示部21に表示された表示内容Qと関連する情報や画像を投影することができる。
【0036】
映像投影部100は、図1に示すように、表示部21に文章作成画面を表示させた状態において、キーボード(入力用映像)を表示させることができる。
この場合において、後述する赤外線センサ110は、ユーザの指(物体)の動きを検出する。そして、赤外線センサ110により検出された赤外線センサ110により検知された前記入力用映像上における物体の動きに基づいて、入力受付部360は、所定の入力内容を認識する。
【0037】
ここで、映像投影部100から投影された映像は、後述する映像補正部340により補正(台形補正)される。後述する映像補正部340は、連結部4における回動角度A等に応じて映像を補正する。
【0038】
続けて、図5から図7により、携帯電話機1における機能部について説明する。
図5は、携帯電話機における機能ブロック図である。図6は、回動角度―アプリケーションテーブルを説明する図である。図7は、補正情報テーブルを説明する図である。
【0039】
図5に示すように、携帯電話機1は、筐体2に配置される無線通信部200と、表示部21と、タッチパネル部121と、スピーカ部25と、CPU45と、メモリ44と、支持部材3に配置される映像投影部100と、赤外線センサ110とを備える。
【0040】
無線通信部200は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うアンテナ部90と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部201と、を備える。
【0041】
アンテナ部90は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局と通信を行う。なお、アンテナ部90は、所定の使用周波数帯(第1の使用周波数帯)のほかに、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第3の使用周波数帯にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【0042】
通信処理部201は、所定の機能部から供給された信号を変調処理しアンテナ部90を介して基地局に送信すると共に、アンテナ部90により受信された信号を復調処理し所定の機能部に供給する。
【0043】
表示部21は、後述するアプリケーション実行部330により実行されるアプリケーションに応じた画像を表示する。
【0044】
タッチパネル部121は、表示部21における表面に配置される。タッチパネル部121は、外部(ユーザ)からの入力操作を検出する。タッチパネル部121は、検出した入力操作の内容を後述する入力受付部360に出力する。
【0045】
スピーカ部25は、筐体2における表示部21が配置される第1面2Aと反対側の第2面2B側に配置される。スピーカ部25は、例えば、後述するアプリケーション実行部330により音楽再生アプリケーションやTVアプリケーションが実行された状態において、好適に音声を外部に出力する。
【0046】
CPU45は、携帯電話機1の全体を制御する。また、CPU45は、機能部としての回動角度検知部310と、アプリケーション選択部320と、アプリケーション実行部330と、映像補正部340と、映像投影部制御部350と、入力受付部360とを備える。
【0047】
回動角度検知部310は、連結部4における回動角度Aを検知する。回動角度検知部310は、検知した回動角度Aに関する情報をアプリケーション選択部320、映像補正部340や映像投影部制御部350に出力する。
【0048】
アプリケーション選択部320は、複数のアプリケーションのうち、所定のアプリケーションを選択する。アプリケーション選択部320は、例えば、タッチパネル部121により受け付けられた選択指示に基づいて、所定のアプリケーションを選択する。アプリケーション選択部320により選択されたアプリケーションは、後述するアプリケーション実行部330により実行される(立ち上げられる)。
【0049】
アプリケーション選択部320は、連結部4における回動角度Aが変更された場合、回動角度検知部310により検知された回動角度Aに応じて、所定のサプリケーションを選択する。アプリケーション選択部320は、回動角度検知部310からの回動角度に関する情報に基づいて、所定のアプリケーションを選択する。
【0050】
具体的には、アプリケーション選択部320は、後述する回動角度―アプリケーションテーブル記憶部410に記憶される回動角度―アプリケーションテーブル411を参照し、回動角度検知部310により検知された回動角度Aに対応するアプリケーションを選択する。例えば、回動角度検知部310により検知された回動角度Aが回動角度A1である場合、アプリケーション選択部320は、メールアプリケーション(メーラ)を選択する。例えば、回動角度検知部310により検知された回動角度Aが回動角度A2である場合、アプリケーション選択部320は、TV(視聴)アプリケーションを選択する。例えば、回動角度検知部310により検知された回動角度Aが回動角度A3である場合、アプリケーション選択部320は、音楽再生アプリケーションを選択する。ここで、回動角度A3は、筐体2が載置面Gに略垂直になる場合における回動角度に設定されていることが好ましい。つまり、筐体2が載置面Gに略垂直になる場合、アプリケーション選択部320が音楽再生アプリケーションを選択するよう設定されることが好ましい。
【0051】
アプリケーション実行部330は、アプリケーション選択部320により選択されたアプリケーションを実行する。アプリケーション選択部320が回動角度検知部310により検知された回動角度Aに応じたアプリケーションを選択するので、アプリケーション実行部330は、連結部4における回動角度A(筐体2の載置面Gとの角度)に応じたアプリケーションを実行する。
【0052】
映像補正部340は、映像投影部100により所定領域GAに投影される映像を補正する。映像補正部340は、所定領域GAに投影される映像が所望の映像となるよう台形補正する。
【0053】
映像補正部340は、回動角度A、映像投影部100の配置、投影方向(角度)や照射角等の情報に基づいて、映像を補正する。映像投影部100は、特に各要素に影響を与える回動角度Aに応じて、台形補正度合いを変更する。具体的には、映像補正部340は、補正情報テーブル記憶部420に記憶される補正情報テーブル421を参照して、回動角度Aに対応した台形補正度合いで投影される映像を台形補正する。
【0054】
映像投影部制御部350は、回動角度検知部310により検知された回動角度Aに応じて、映像投影部100における投射方向(角度)及び/又は照射角を調整する。
映像投影部制御部350は、回動角度Aに応じて映像投影部100における位置(載置面Gからの距離)や向きが変化すること対応して、映像投影部100を制御する。
【0055】
具体的には、映像投影部制御部350は、補正情報テーブル421を参照して、映像投影部100における投影方向(角度)を調整する。詳細には、映像投影部制御部350は、回動角度Aが大きくなるほど垂直方向とのなす角度が小さくなるよう映像投影部100(又は映像投影部100の向きを調整する調整部)を制御する。
また、具体的には、映像投影部制御部350は、補正情報テーブル421を参照して、映像投影部100における照射角を調整する。詳細には、映像投影部制御部350は、回動角度Aが大きくなるほど(載置面Gからの距離が遠くなるので)、照射角を小さくするよう映像投影部100を制御する。
【0056】
入力受付部360は、タッチパネル部121により検出された外部(ユーザ)からの入力操作の内容を受け付ける。また、入力受付部360は、前記赤外線センサにより検知された前記入力用映像上における物体の動きに基づいて、所定の入力内容を認識すると共に認識した入力内容を受け付ける。
【0057】
メモリ44は、複数のアプリケーションプログラムを記憶する。
また、メモリ44は、回動角度―アプリケーションテーブル記憶部410と、補正情報テーブル記憶部420とを含む。
【0058】
回動角度―アプリケーションテーブル記憶部410は、回動角度―アプリケーションテーブル411を記憶する(図6参照)。
図6に示すように、回動角度―アプリケーションテーブル411は、回動角度Aごとに、該回動角度Aに対応するアプリケーションが設定される。
ここで、回動角度Aに対応するアプリケーションとして、連結部4により筐体2と支持部材3とが各回動角度Aで保持された状態において、ユーザが利用しやすいアプリケーションが設定される。
【0059】
補正情報テーブル記憶部420は、補正情報テーブル421を記憶する(図7参照)。
図7に示すように、補正情報テーブル421は、回動角度Aごとに、該回動角度Aに対応する投影方向(角度)、照射角、台形補正度合いが設定される。
投影方向(角度)は、回動角度Aが大きくなるほど垂直方向とのなす角度が小さくなるよう設定される。
また、照射角は、回動角度Aが大きくなるほど(載置面Gからの距離が遠くなるので)小さくなるよう設定される。
また、台形補正度合いは、回動角度Aが大きくなるほど弱くなるよう設定される。逆に、台形補正度合いは、回動角度Aが小さくなるほど強くなるよう設定される。
【0060】
映像投影部100は、載置面Gにおける表示部21を視認しているユーザから視認できる所定領域GAに映像を投影する。映像投影部100は、上述の映像投影部制御部350により、投影方向(角度)や照射角を調整するよう制御される。
【0061】
映像投影部100は、所定領域GAにキーボード(入力用映像)を投影可能に構成される。この場合、後述する赤外線センサ110と協働して、バーチャル入力部が形成される。
【0062】
赤外線センサ110は、支持部材3に映像投影部100と隣接して配置される。
赤外線センサ110は、赤外線出光部と赤外線受光部とを有して構成される。
赤外線センサ110は、載置面Gにおける所定の測定対象領域上におけるユーザの指の動きを検出可能に構成される。赤外線センサ110は、所定の測定領域に向けて出光した赤外線の反射(受光)を検出することで、所定の測定領域におけるユーザの指の動き(入力操作)を検出する。
【0063】
つまり、映像投影部100によりキーボードの映像が投影された場合、赤外線センサ110は、ユーザが指をおいたキーの種類及び順序を検出可能である。
赤外線センサ110により検出された投影されたキーボード映像上のユーザの指の動きから検出された入力内容の情報は、上述した入力受付部360に出力される。
【0064】
続けて、図8により、連結部4における回動角度Aを変更した場合における携帯電話機1の動作について説明する。図8は、携帯電話機における動作を説明するフロー図である。
【0065】
まず、ユーザは、図4Aにおける状態から連結部4における回動角度Aを変更する。具体的には、ユーザは、凹部30に指をおくようにして筐体2を支持部材3に対して回動移動させる。そして、ユーザは、連結部4における回動角度Aを所定の回動角度にすると共に、筐体2を立設させる。
【0066】
次いで、ステップST1において、回動角度検知部310は、連結部4における回動角度を検知する。
【0067】
続けて、ステップST2において、CPU45(制御部)は、回動角度が変更されているか判定する。
CPU45(制御部)により回動角度が変更されたと判定された場合(ステップST2、YES)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST3に進む。
CPU45(制御部)により回動角度が変更されていないと判定された場合(ステップST2、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST1の前に戻る。
【0068】
続けて、ステップST3において、CPU45(制御部)は、回動角度が回動角度A1であるか否かを判定する。
CPU45(制御部)により回動角度がA1だと判定された場合(ステップST3、YES)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST4に進む。
CPU45(制御部)により回動角度がA1ではなくA2であると判定された場合(ステップST2、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST12に進む。
【0069】
続けて、ステップST4において、アプリケーション選択部320(CPU45)は、アプリケーションテーブル411を参照し、回動角度A1に対応したアプリケーション(メール)を選択する。
【0070】
続けて、ステップST5において、アプリケーション実行部330(CPU45)は、アプリケーション(メール)を実行する。
【0071】
続けて、ステップST6において、映像投影部100は、所定領域GAにキーボードの映像を投影する。ユーザは、投影されたキーボード映像上で所定の入力操作を行う。
【0072】
続けて、ステップST7において、赤外線センサ110は、キーボード映像上でのユーザの入力操作を検出する。
【0073】
続けて、ステップST8において、入力受付部360(CPU45)は、赤外線センサ110により検出された入力操作(入力内容)を受け付ける。
【0074】
続けて、ステップST9において、回動角度検知部310は、(定期的に)連結部4における回動角度を検知する。
【0075】
続けて、ステップST10において、CPU45(制御部)は、回動角度が変更されたか否かを判定する。
ここで、CPU45(制御部)により回動角度が変更されたと判定された場合(ステップST10、YES)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST3の前に戻る。
CPU45(制御部)により回動角度が変更されていないと判定された場合(ステップST10、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST11に進む。
【0076】
続けて、ステップST11において、アプリケーション実行部330(CPU45)は、アプリケーションを終了する指示を受けたか判定する。
ここで、アプリケーション実行部330(CPU45)により、アプリケーションを終了する指示を受けたと判定された場合(ST11、YES)、CPU45(制御部)における処理は、終了される。
アプリケーション実行部330(CPU45)により、アプリケーションを終了する指示を受けていないと判定された場合(ST11、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST6の前に戻る。
【0077】
続けて、ステップST12において、アプリケーション選択部320(CPU45)は、アプリケーション(待ち受け、TV、音楽再生)を選択する。
【0078】
続けて、ステップST13において、アプリケーション実行部330(CPU45)は、アプリケーション(待ち受け、TV、音楽再生)を実行する。
【0079】
続けて、ステップST14において、映像投影部100は、所定領域GAに所定の映像を投影する。
【0080】
続けて、ステップST15において、回動角度検知部310は、(定期的に)連結部4における回動角度を検知する。
【0081】
続けて、ステップ16において、CPU45(制御部)は、回動角度が変更されたか否かを判定する。
ここで、CPU45(制御部)により回動角度が変更されたと判定された場合(ステップST16、YES)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST3の前に戻る。
CPU45(制御部)により回動角度が変更されていないと判定された場合(ステップST16、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST17に進む。
【0082】
続けて、ステップST17において、アプリケーション実行部330(CPU45)は、アプリケーションを終了する指示を受けたか判定する。
ここで、アプリケーション実行部330(CPU45)により、アプリケーションを終了する指示を受けたと判定された場合(ST17、YES)、CPU45(制御部)における処理は、終了される。
アプリケーション実行部330(CPU45)により、アプリケーションを終了する指示を受けていないと判定された場合(ST17、NO)、CPU45(制御部)における処理は、ステップST14の前に戻る。
【0083】
本実施形態によれば、筐体2と支持部材3とが連結部4により所定の回動角度で保持された状態で携帯電話機1を載置面Gに載置した場合に、載置面Gにおける表示部21が向く側の所定領域GAに映像を投影できる。これにより、ユーザは、映像投影部から投影された映像内容Pと、表示部21に表示された表示内容Qとの双方を容易に同時に視認できる。
【0084】
また、本実施形態によれば、映像投影部100は、表示部21により表示される表示内容Qと異なる内容の映像を投影することができる。これにより、携帯電話機1は、単に表示部21に表示した表示内容Qにおける視認性の向上ではなく、例えば、実行中のアプリケーションにおける使用性を向上させることができる。例えば、図8のステップST14において、表示部21がTV放送を表示し、映像投影部100が当該TV放送の字幕などを表示してもよい。
【0085】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、連結部4における回動角度に対応したアプリケーションを実行する。これにより、携帯電話機1は、筐体2の載置面Gとの角度やユーザの目線からみた見易さ等に応じて、各回動角度に適したアプリケーションを実行することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1は、連結部4における回動角度に応じて、映像補正や、映像投影部100における投射方向(角度)や照射角を調整する。これにより、映像投影部100により投影される映像は、好適に調整される。
【0087】
また、本実施形態よれば、携帯電話機1は、映像投影部100により投影されたキーボード(入力用映像)に対する入力操作を検出可能な赤外線センサ110を備える。これにより、携帯電話機1は、キーボードを有する端末装置として使用可能である。
【0088】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0089】
また、本実施形態において、支持部材3は、完全な環状であり、筐体2の外周面2Cの全部を囲むような形状であるが、これに限定されない。
例えば、図9に示すように、支持部材3は、筐体2の外周面2Cにおける一部を囲まない形状であってもよい。
また、例えば、図10に示すように、支持部材3は、筐体2の外周面2Cにおける一部だけを囲むように形成されてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、連結部4は、筐体2の外周面2Cにおける長手方向の中央部に取り付けられているが、これに限定されない。例えば、図11A及び図11Bに示すように、連結部4は、筐体2の外周面2Cにおける長手方向の端部側に取り付けられてもよい。
この場合、支持部材3は、連結部4における回動角度が変更された場合でも、配置位置や載置面Gに対してなす角度等を変更しなくてもよい。
【0091】
また、本発明の実施形態である携帯電話機1は、表示部21を有する第1面2Aと、当該第1面2Aの対面である第2面2Bと、前記第1面2A及び前記第2面2Bに隣接する第1端面(端面2a)と、を備える筐体部(筐体2)と、前記第1面2A、前記第2面2B及び前記第1端面と平行な回動軸Rを有する連結部4と、当該回動軸Rにおいて前記第1面2Aに対して所定角度をなす場合に前記第1面2Aの前方に配される第2端面(端部3b)と、当該回動軸において前記第1面に対して所定角度をなす場合に前記第2面の前方に配される第3端面(端部3a)と、を有する支持部材3(支持体部)と、前記第2端面(端部3b)に取付けられ、映像を投影する映像投影部100と、を備える。
【符号の説明】
【0092】
1 携帯電話機
2 筐体(筺体部)
2a 端面(第1端面)
2A 第1面
2B 第2面
2C 外周面
3 支持部材(支持体部)
3a 端部(第2端面)
3b 端部(第3端面)
3C 内周面
4 連結部
21 表示部
100 映像投影部
G 載置面
GA 所定領域
R 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する第1面と、当該第1面の対面である第2面と、前記第1面及び前記第2面に隣接する端面と、を備える筐体部と、
前記筐体部に対して回動可能に取付けられ、前記筐体部を、前記第1面が載置面と鋭角を成し、前記第2面が前記載置面に対して前記第1面よりも近接し、前記端面が前記載置面に対して前記第1面よりも近接するように立設する支持体部と、
前記支持体部に取付けられ、当該支持体部によって前記筐体部が立設されている場合、前記端面を基準として前記支持体部が前記載置面と当接している箇所とは反対側に映像を投影する映像投影部と、
を備える
電子機器。
【請求項2】
前記支持体部は、前記載置面と接する第1端部と、前記載置面から離間して配置される第2端部とを有し、
前記映像投影部は、前記支持体部の第2端部側における前記載置面に対向する側に配置される
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記映像投影部は、前記表示部により表示される表示内容と異なる内容の映像を投影する
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
複数のアプリケーションのうち、所定のアプリケーションを選択するアプリケーション選択部と、
前記アプリケーション選択部により選択されたアプリケーションを実行するアプリケーション実行部と、
前記筐体部と、前記支持体部との回動角度を検知する回動角度検知部と、を備え、
前記筐体部と、前記支持体部との回動角度が変更された場合、
前記アプリケーション選択部は、前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、所定のサプリケーションを選択する
請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体部は、前記第2面に配置されるスピーカ部を有し、
前記筐体部が前記載置面に略垂直になるよう回動角度が変更された場合、
前記アプリケーション選択部は、前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、音楽再生アプリケーションを選択する
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体部と、前記支持体部との回動角度を検知する回動角度検知部と、
前記回動角度検知部により検知された回動角度に応じて、前記映像投影部における投射方向及び/又は照射角を調整可能な映像投影部制御部と、を備える
請求項1から5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記映像投影部は、所定の入力用映像を投影し、前記映像投影部により投影された入力用映像上における物体の動きを検出する赤外線センサと、
前記赤外線センサにより検知された前記入力用映像上における物体の動きに基づいて、所定の入力内容を認識すると共に認識した入力内容を受け付ける入力受付部と、を備える
請求項1から6のいずれかに記載の電子機器。

【請求項8】
表示部を有する第1面と、当該第1面の対面である第2面と、前記第1面及び前記第2面に隣接する第1端面と、を備える筐体部と、
前記第1面、前記第2面及び前記第1端面と平行な回動軸を有する連結部と、当該回動軸において前記第1面に対して所定角度をなす場合に前記第1面の前方に配される第2端面と、当該回動軸において前記第1面に対して所定角度をなす場合に前記第2面の前方に配される第3端面と、を有する支持体部と、
前記第3端面に取付けられ、映像を投影する映像投影部と、
を備える
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate