説明

電子機器

【課題】外部の記憶装置に記憶された画像を表示部の背景画像として設定することができる電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る電子機器は、システム状態管理部42と、画像取得部43と、画像取得部43により取得された画像を記憶する記憶部25と、記憶部25に記憶された画像を出力する画像出力部44を備える。システム状態管理部42は、所定のシステム状態を含む複数のシステム状態でシステム状態を管理する。画像取得部43は、画像を記憶した複数の外部の記憶装置のうちあらかじめ設定された外部の記憶装置からネットワークを介して画像を所定の時間ごとに取得する。画像出力部44は、システム状態が他のシステム状態から所定のシステム状態へ移行すると、表示部に対して記憶部25に記憶された画像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示部に画像を表示させる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや携帯電話機をはじめとする電子機器には、表示部に対して画像(壁紙など)を表示可能なものがある。この種の電子機器は、一般に、電子機器内部の記憶装置に対してあらかじめユーザが画像を記憶させておけるようになっている。
【0003】
このため、この種の電子機器によればユーザは、表示部の背景画像として、あらかじめ電子機器内部の記憶装置に対して工場出荷時に記憶された画像やユーザが記憶させておいた画像からユーザが好む画像を設定することができる。たとえば、電子機器が撮像装置を有する場合、ユーザは撮像装置により撮影した画像を電子機器内部の記憶装置に対して記憶させておき、この画像を表示部の背景画像として設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−342048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、背景画像は、あらかじめ電子機器内部の記憶装置に対して工場出荷時に記憶された画像やユーザ自らが記憶させておいた画像しか利用することができない。このため、ユーザ本人や知人がネットワーク上に公開した画像などの外部の記憶装置に記憶された画像は、表示部の背景画像として利用することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、上述した課題を解決するために、システム状態管理部と、画像取得部と、画像取得部により取得された画像情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された画像情報を出力する画像出力部を備えるものである。システム状態管理部は、所定のシステム状態を含む複数のシステム状態でシステム状態を管理する。画像情報取得部は、あらかじめ設定された外部の記憶装置からネットワークを介して画像情報を所定の時間ごとに取得する。画像出力部は、システム状態が他のシステム状態から所定のシステム状態へ移行すると、表示部に対して記憶部に記憶された画像情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子機器を含むネットワークシステムの一例を示す全体図。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の外観の一例を示す図であり、(a)は携帯電話機1の正面斜視図、(b)は背面斜視図。
【図3】第1実施形態に係る携帯電話機1の内部構成例を概略的に示すブロック図。
【図4】第1実施形態に係る携帯電話機の主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図5】オフスクリーンロック状態、オンスクリーンロック状態および待受け状態の各システム状態間の状態遷移について説明するための図。
【図6】オンスクリーンロック状態から待受け状態へ遷移する際の様子を示す説明図。
【図7】オンスクリーンロック状態においてロック時背景画像がスライドショー表示される様子を示す説明図。
【図8】外部取得画像を提供するサービスに対してオンスクリーンロック状態から容易にアクセス可能である様子を示す説明図。
【図9】リフレッシュアイコンに割り当てられた機能について説明するための図。
【図10】アクセスアイコンに割り当てられた機能について説明するための図。
【図11】第2実施形態に係る携帯電話機の主制御部のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図。
【図12】フォトフレーム状態とロック状態との状態間遷移の様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る電子機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、たとえば画像共有サービスなどにより公開されたウェブサーバなどの外部の記憶装置に記憶された画像情報を取得可能に構成されるとともに、この画像情報にもとづく画像を表示部に対して表示するものである。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器を含むネットワークシステムの一例を示す全体図である。なお、本実施形態では、本発明に係る電子機器として携帯電話機を用いる場合の一例について示す。また、電子機器は、画像共有サービスなどにより公開されたウェブサーバなどの外部の記憶装置に記憶された画像情報を取得可能に構成されるとともにこの画像情報にもとづく画像を含む画像を表示部に対して表示するものであれば携帯電話機に限られず、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像装置、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などでもよい。
【0011】
携帯電話機1は、図1に示すように、電話網2に収容される基地局3を介してインターネット網4に接続される。また、携帯電話機1は、携帯電話機1の周辺の無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント(以下、APという)5を介してインターネット網4に接続される。インターネット網4には複数のウェブサーバ6により構成されたサーバ群7が接続される。なお、電話網2は図示しないゲートウェイサーバを介してインターネット網4に接続される。
【0012】
携帯電話機1は、IEEE802.11シリーズ(IEEE802.11a/b/g/j/nなど)の各方式に従ってAP5や他の無線LAN接続可能な情報処理装置などの親機と無線LAN接続を確立することができる。たとえば、ユーザが自宅にいる場合は、携帯電話機1は自宅のAP5と無線LAN接続を確立することができる。
【0013】
ウェブサーバ6は、インターネット網に接続された情報提供サーバであり、ユーザの自宅に設けられたDLNAサーバなどをも含むものである。携帯電話機1は、ウェブサーバ6に記憶された画像情報を取得可能に構成される。
【0014】
画像共有サービスやミニブログ(マイクロブログ)、画像RSSなどの各種サービス(以下、サービスという)は、1つまたは複数のウェブサーバ6を画像保存用記憶装置として公開している。ウェブサーバ6の公開の方法は、サービスにより異なり、ウェブサーバ6への読み書きに対して認証(アカウント、パスワード)を必要とするものもある。また、ウェブサーバ6の公開範囲を知人等など所定の範囲に限定することができるサービスもある。本実施形態では、携帯電話機1が、あらかじめ利用するサービスを初期設定またはユーザによる設定により受け付けておくようになっている場合の例について説明する。認証が必要なサービスについては、あらかじめ所要の認証情報(アカウント、パスワード)を設定しておいてもよい。
【0015】
図2は、携帯電話機1の外観の一例を示す図である。図2(a)には携帯電話機1の正面斜視図を、(b)には背面斜視図を、それぞれ示した。
【0016】
携帯電話機1の正面の表面上には、タッチパネル11、レシーバ12、マイクロフォン13およびタッチキー14が設けられる。また、携帯電話機10の側面の一部には、ハードキー15が設けられる。また、周辺デバイスとしての撮像装置(カメラ)31が背面に設けられる。
【0017】
図3は、本実施形態に係る携帯電話機1の内部構成例を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、携帯電話機1は、さらに移動体通信用アンテナ21、移動体通信部22、無線LAN通信用アンテナ23、無線LAN通信部24、記憶部25、主制御部26、タイマ制御部32、タイマ33、電力供給部34、バッテリ35を有する。
【0018】
タッチパネル11は、表示部27と、表示部27の近傍に設けられた入力部としてのタッチセンサ28と有する。
【0019】
表示部27は、たとえば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。
【0020】
表示部27は、主制御部26に制御されて、シナリオに沿って外部の記憶媒体としてのウェブサーバ6や自機の記憶媒体としての記憶部25に記憶された情報を表示するほか、携帯電話機1を操作するための情報や携帯電話機1を操作するための複数のキー(ソフトキー)などを表示する。一方、タッチセンサ28は、ユーザによるタッチセンサ28上の指示位置の情報を主制御部25に与える。タッチセンサ28としては、静電容量式センサや感圧式センサ、抵抗膜式センサなど、従来各種のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
【0021】
レシーバ12は、受話音声をはじめとした各種の情報に対応した音を出力する。また、マイクロフォン13は、ユーザによって入力された音声をデジタル音声信号に変換する。
【0022】
タッチキー14は、たとえば静電容量方式のタッチセンサにより構成され、キーに対するユーザの接触操作に応じた信号を出力する。
【0023】
ハードキー15は、ユーザにより押下されるとこの押下に応じた信号を主制御部26に与える。主制御部26は、ハードキー15が押下されると、押下されてから開放されるまでの時間に応じて携帯電話機1を制御することができる。たとえば、主制御部26は、ハードキー15が短押しされるといわゆるクリア機能を実現し、長押しされると携帯電話機10全体の電源のONまたはOFFを行い、超長押しされると携帯電話機10をリセットする。本実施形態では、ハードキー15の短押しに対して、システム状態の遷移機能が割り当てられている場合の例に付いて説明する。
【0024】
移動体通信部22は、主制御部26に制御されて、移動体通信用アンテナ21および基地局3を介して電話網2やインターネット網4と接続される。移動体通信部22は、移動体用プロトコルにもとづく無線通信により基地局3とデータの送受信を行う。たとえば、移動体通信部22は、電話網2を介した音声データの送受信のほか、インターネット網4を介してウェブサーバ6とデータの送受信を行うことができる。なお、本発明に係る電子機器は、ウェブサーバ6とデータの送受信可能に構成されればよく、次に説明する無線LAN通信用アンテナ23および無線LAN通信部24を備える場合は移動体通信用アンテナ21および移動体通信部22を備えずともよい。
【0025】
無線LAN通信部24は、主制御部26に制御されて、無線LAN通信用アンテナ23を介してAP5と無線LANを構築する。無線LAN通信部24は、インターネットプロトコル(IP)にもとづく無線通信によりAP5と無線LAN接続されてAP5とデータの送受信を行う。たとえば、無線LAN通信部24は、インターネット網4を介してウェブサーバ6とデータの送受信を行うことができる。
【0026】
記憶部25は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリであり、たとえばハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどにより構成することができる。この記憶部35は、カメラ31により取得した画像(以下、自機取得画像という)のデータ(画像情報)やウェブサーバ6から取得した画像(以下、外部取得画像という)のデータ(画像情報)、電子メールデータや音楽データなどの各種データのほか、各種設定情報を記憶している。
【0027】
主制御部26は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って、携帯電話機1の動作を制御する。主制御部26のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された外部取得画像利用プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って外部の記憶装置に記憶された画像情報を表示部の背景画像として設定する処理を実行する。
【0028】
主制御部26のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0029】
主制御部26のROMをはじめとする記憶媒体は、携帯電話機10の起動プログラム、外部取得画像利用プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0030】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線LAN(Local Area Network)やインターネット網4のほか、電話網2、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0031】
タイマ制御部32は、主制御部26により制御されて、タイマ33を制御する。タイマ33は、ソフトウエアタイマとして実現され、たとえば図示しないRTC(Real Time Clock)などが出力する時刻情報を利用して計時を行う。タイマ33は、タイマ制御部32により制御されて計時を開始し、タイマ制御部33により設定された時間が経過するとタイムアウト信号を出力してリセットされる。
【0032】
電力供給部34は、バッテリ35を用いて携帯電話機1の各コンポーネントに電力を供給する(バッテリ駆動)。また、電力供給部34は、ACアダプタ36を介して外部電源が供給されている場合、ACアダプタ36から供給される外部電源を用いてシステム電源を生成することにより携帯電話機1の各コンポーネントに電力を供給するとともに、バッテリ35を充電する(ACアダプタ駆動)。
【0033】
図4は、主制御部26のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0034】
図4に示すように、主制御部26のCPUは、外部取得画像利用プログラムによって、少なくとも操作内容取得部41、システム状態管理部42、画像取得部43および画像出力部44として機能する。この各部41〜44は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0035】
操作内容取得部41は、タッチセンサ28の出力を受け、表示画面に対する入力操作の内容を取得する。タッチセンサ28の出力には、ユーザにより表示画面上の接触位置の情報が少なくとも含まれる。操作内容取得部31は、タッチセンサ28から受けたこの接触位置の情報およびこの情報を受けた時間の情報にもとづき、表示画面に対してユーザが入力を意図した操作がプレス、リリース、プレスアンドホールド、スライド、フリック、シングルタップ、ダブルタップなどのいずれの入力操作であるかを判別し、入力操作の内容および接触位置の情報を出力する。
【0036】
また、操作内容取得部31は、ハードキー15の押下が短押し、長押し、超長押しであるかを判別し、判別した結果を出力する。
【0037】
ここで、ユーザの表示画面に対する各入力操作について、プレスとは非接触状態から接触状態への移行動作をいい、リリースとは接触状態から非接触状態への移行動作をいい、プレスアンドホールドとはプレス後所定の時間(たとえば1秒)以上接触状態を維持するいわゆる長押し動作をいうものとする。また、スライドとはプレス後接触状態を維持したまま所定速度未満で接触位置を移動させる動作をいい、フリックとはプレス後接触状態を維持したまま所定速度以上で接触位置を移動させた後リリースする動作をいうものとする。また、シングルタップとはプレス後所定の時間(たとえば1秒)未満でリリースするいわゆるクリック動作をいい、ダブルタップとはシングルタップ後所定の時間(たとえば0.5秒)以内に再度シングルタップするいわゆるダブルクリック動作をいうものとする。
【0038】
システム状態管理部42は、少なくとも誤操作を防止するためのシステム状態であるロック状態および待受け時のシステム状態である待受け状態のいずれかでシステム状態を管理する。ロック状態は、ハードキー15およびタッチセンサ28を介した入力操作が所定の入力操作を除き無効とする(以下、タッチロックするという)システム状態である。本実施形態では、システム状態管理部34が、ロック状態としてオフスクリーンロック状態およびオンスクリーンロック状態のいずれかでシステム状態を管理する場合の例について説明する。
【0039】
画像取得部43は、画像情報を記憶したウェブサーバ6のうちあらかじめ設定されたウェブサーバ6からインターネット網4を介して所定の時間ごとに取得する。なお、「所定の時間ごと」とは、所定時間間隔ごと(たとえば2時間ごとなど)および所定時刻ごと(たとえば毎日午後1時など)の少なくとも一方を含むものとする。
【0040】
具体的には、画像取得部43は、タイマ制御部32の出力を受けて所定の時間ごとにあらかじめ設定されたサービスに対応するウェブサーバ6へアクセスし、画像情報を取得して記憶部25に記憶させておく。
【0041】
なお、画像取得部43は、ユーザによりあらかじめ設定されたキーワードを用いることにより、キーワードに合致した画像情報のみを取得するようにしてもよい。キーワードとしては、たとえば動物(パンダ、トキなど)や人物(著名人名など)を用いることができる。画像取得部43は、各画像情報に対してキーワードおよびサービスの情報を関連付けて記憶部25に記憶させておくとよい。
【0042】
画像出力部44は、システム状態管理部42によりシステム状態がオンスクリーンロック状態へ他のシステム状態(たとえばオフスクリーンロック状態や待受け状態)から移行した旨の情報を受けると、表示部27に対して記憶部25に記憶された画像情報を出力する。表示部27は、オンスクリーンロック状態において画像出力部44から出力された画像情報を受けると、この画像情報にもとづく画像を背景画像として表示する。
【0043】
画像出力部44によりオンスクリーンロック状態において表示部27に対して出力される画像(以下、ロック時背景画像という)は、自機取得画像および外部取得画像から任意に設定可能である。ロック時背景画像として外部取得画像を設定する場合、所定のキーワードや所定のサービスに関連付けられた画像を設定してもよい。また、このとき、キーワードおよびサービスはそれぞれ複数指定してもよい。
【0044】
また、画像出力部44は、ロック時背景画像として外部取得画像が設定されている場合、所定の条件(たとえば画像ファイルのアルファベット順、取得時間順、ランダムなど)に従って順序づけし、この順序に従って一枚を抽出して表示してもよいし、所定時間(たとえば5秒)ごとに順次表示(スライドショー表示)してもよい。また、この外部取得画像の順序づけは、外部取得画像が取得される(更新される)ごとや、システム再起動ごとにやり直すようにしてもよい。
【0045】
なお、画像出力部44は、他のシステム状態からオンスクリーンロック状態へ移行すると、前回ロック時背景画像として出力した画像情報とは異なる画像情報を出力するようにするとよい。この場合、ユーザは毎回異なるロック時背景画像を見ることができ、より楽しみをもって携帯電話機1を利用することができる。この場合、画像出力部44は、RAMの所要のワークエリアなどに前回出力した画像情報を示す情報を記憶させておき、次回出力時にこの情報を確認すればよい。
【0046】
また、画像出力部44は、表示画面の幅に合せるために縮小するよう画像情報を変更してから出力してもよい。例えば、画面サイズが480ドット×854ドットの場合で、600ドット×800ドットの画像を表示する場合には、横が480ドットに収まるように縮小するように画像情報を変更して出力する。また、表示画面一杯に拡大するよう画像情報を変更してから出力してもよい。一方、出力する画像情報の画素数が低い場合は、拡大等して表示してしまうと、画像の表示が荒いものとなってしまうことがある。そのため、出力する画像情報の画素数があらかじめ定めた画素数以下の場合や出力する画像情報の画素数が表示画面の画素数に対し所定比率以下である場合は、拡大率は所定範囲内に収めたり、縮小したり又は拡大も縮小もすることなく、画像情報を出力してもよい。この際、表示画面には出力された画像情報に基づく画像で埋めることができない空いた部分が生じるが、この画像情報の背景画像用データとして、あらかじめ記憶部25に記憶された背景用画像情報を出力してもよい。背景画像用画像情報を出力する場合、画素数の少ないロック時背景画像であっても周囲の空白を背景画像用データにより埋めることができ違和感を軽減することができる。
【0047】
図5は、オフスクリーンロック状態、オンスクリーンロック状態および待受け状態の各システム状態間の状態遷移について説明するための図である。
【0048】
オフスクリーンロック状態は、タッチロックされているとともに表示部27の表示画面出力が停止されたシステム状態である(図5の左参照)。オフスクリーンロック状態では、たとえばハードキー15に対する入力操作のみが受け付けられ、タッチセンサ28を介した入力操作が無効とされる。
【0049】
オンスクリーンロック状態は、タッチロックされているとともに主制御部26からの画像情報出力を受けて表示部27が画像を表示する状態である(図5の中央参照)。オンスクリーンロック状態では、たとえばロック解除案内情報51が表示され、このロック解除案内情報51に従う入力操作を除くタッチセンサ28を介した入力操作は無効とされる。
【0050】
図6は、オンスクリーンロック状態から待受け状態へ遷移する際の様子を示す説明図である。図6に示すように、ユーザは、ロック解除案内情報51に従って入力操作(スライドやフリック)を行うことによりオンスクリーンロック状態から待受け状態へ移行することができる。
【0051】
以下の説明では、ロック時背景画像として、外部取得画像のうちキーワード「パンダ」が関連付けられた画像が設定されている場合の例について示す。
【0052】
システム状態管理部42は、オフスクリーンロック状態において、操作内容取得部41によりハードキー15が短押しされたと判定されると、システム状態をオンスクリーンロック状態へ移行する(図5の左から中央への遷移参照)。画像出力部44は、システム状態管理部42によりオフスクリーンロック状態からオンスクリーンロック状態へ移行した旨の情報を受けると、表示部27に対して記憶部25に記憶された画像情報のうちキーワード「パンダ」に関連付けられた外部取得画像の画像情報を出力する。表示部27は、オンスクリーンロック状態において画像出力部44から出力された画像情報を受けると、この画像情報にもとづく画像を背景画像として表示する。
【0053】
また、システム状態管理部42は、オンスクリーンロック状態において、操作内容取得部41によりロック解除案内情報51に従った入力操作がされた(たとえばロック解除案内情報51に沿うようにスライドまたはフリックのいずれかの入力操作がされた)と判定されると、待ち受け状態へ移行し、たとえばメニューアイコン52の一覧を表示する(図5の中央から右への遷移、および図6参照)。システム状態管理部42は、オンスクリーンロック状態において操作内容取得部41によりハードキー15が短押しされたと判定された場合または無操作状態(ハードキー15およびタッチセンサ28を介した入力操作が行われない状態)が所定時間以上維持された場合、オフスクリーンロック状態へ移行する(図5の中央から左への遷移参照)。
【0054】
また、システム状態管理部42は、待受け状態において、操作内容取得部41によりハードキー15が短押しされたと判定された場合または無操作状態が所定時間以上維持された場合、ロック状態(たとえば図5に示す例ではオフスクリーンロック状態)へ移行する(図5の右から左への遷移参照)。
【0055】
図7は、オンスクリーンロック状態においてロック時背景画像がスライドショー表示される様子を示す説明図である。図7には、ロック時背景画像として、外部取得画像のうちキーワード「パンダ」が関連付けられた画像をスライドショー表示するよう設定されている場合の例について示した。
【0056】
画像出力部44は、ロック時背景画像として、外部取得画像のうちキーワード「パンダ」が関連付けられた画像をスライドショー表示するよう設定されている場合を考える。この場合、画像出力部44は、システム状態管理部42により他のシステム状態からオンスクリーンロック状態へ移行した旨の情報を受けると、表示部27に対して記憶部25に記憶された画像のうちキーワード「パンダ」に関連付けられた外部取得画像の1つの画像情報を出力した後、所定の時間(たとえば5秒)経過すると次の画像情報を出力することを順次繰り返すことによりスライドショー表示を行う。
【0057】
図8は、外部取得画像を提供するサービスに対してオンスクリーンロック状態から容易にアクセス可能である様子を示す説明図である。
【0058】
図8に示すように、システム状態管理部42は、オンスクリーンロック状態において、表示されるロック時背景画像に関連付けられたサービスを示すアイコン(サービスアイコン)53を表示させてもよい。たとえば、ロック時背景画像として外部取得画像のうちサービス「サービスA」が関連付けられた画像が設定されている場合、「サービスA」を示すサービスアイコン53が表示される(図8の左参照)。
【0059】
システム状態管理部42は、このサービスアイコン53がタッチされると(図8の中央参照)、サービスアイコン53の近傍にサービスAに対してアクセスするためのアイコンを表示させる。図8には、サービスアイコン53の右側近傍にリフレッシュアイコン54が、左側近傍にアクセスアイコン55が、それぞれ表示される場合の例について示した(図8の右参照)。
【0060】
図9は、リフレッシュアイコン54に割り当てられた機能について説明するための図である。
【0061】
画像取得部43は、操作内容取得部41により図8の右に示す状態においてユーザがリフレッシュアイコン54に向けてスライドまたはフリックのいずれかの入力操作がされたと判定されると(図9の左参照)、サービスAに対応するウェブサーバ6から画像情報(キーワードが設定されている場合は、画像取得部43はこのときキーワードに合致する画像の画像情報)の取得を試みる(図9の中央参照)。画像取得中は、画像更新中であることを示すリフレッシュアニメーション56を表示しておくとよい。なお、サービスアイコン53をタップした後、所定時間だけリフレッシュアイコン54の表示を維持してもよく、この場合、リフレッシュアイコン54に対するシングルタップやダブルタップによって画像更新を行うようにしてもよい。
【0062】
画像取得部43は、画像情報の取得に成功すると記憶部25の内容を更新する。そして、画像出力部44は、画像取得部43から画像情報を手動更新した旨の情報を受けると、新たに取得した画像情報を出力する(図9の右参照)。なお、新たに取得した画像情報がない場合は、画像出力部43は、画像更新前に表示した画像情報の出力を維持してもよいし、画像更新前とは異なる画像を出力してもよい。また、画像出力部43は、表示すべき画像情報がない場合は、画像情報出力を行わなくてもよい。
【0063】
図10は、アクセスアイコンに割り当てられた機能について説明するための図である。
【0064】
主制御部26は、操作内容取得部41により図8の右に示す状態においてユーザがアクセスアイコン55に向けてスライドまたはフリックのいずれかの入力操作がされたと判定されると(図10の左参照)、サービスAのポータルサイトへアクセスし、このサイトの情報を、ウェブブラウザまたはサービスAに好適なアプリケーションを起動して表示する(図10の右参照)。ユーザは、このポータルサイトを介して認証設定を変更したりサービスに登録された画像を確認したりすることができる
【0065】
本実施形態に係る携帯電話機1は、オンスクリーンロック状態への移行時に背景画像として外部取得画像を利用することができる。オンスクリーンロック状態は、ユーザが携帯電話機1を用いる場合に頻繁に遭遇するシステム状態である。このため、本実施形態に係る携帯電話機1によれば、ユーザは楽しみをもって携帯電話機1を利用することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る携帯電話機1は、所定の時間ごとに外部取得画像を更新する。このため、本実施形態に係る携帯電話機1によれば、ユーザは煩雑な手間をかけることなく自身または知人により外部の記憶装置に記憶された画像情報を利用してロック時背景画像とすることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る携帯電話機1は、前回ロック時背景画像とは異なる画像をロック時背景画像とすることができる。このため、ユーザはオンスクリーンロック状態へ遷移するたびに新たな画像を目にすることができ、より楽しみをもって携帯電話機1を利用することができる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る携帯電話機1は、オンスクリーンロック状態からワンフリック操作で、容易に外部取得画像を手動更新することができるとともに容易にサービスの提供ウェブサイトへアクセスすることができる。
【0069】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態に係る携帯電話機1Aの主制御部26AのCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。
【0070】
この第2実施形態に係る携帯電話機1Aは、画像出力部44Aが、ACアダプタ36を介して外部電源が供給されていると表示部27に対して画像情報出力する点で第1実施形態に示す携帯電話機1と異なる。他の構成および作用については第1実施形態に示す携帯電話機1と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
画像出力部44Aは、電力供給部34からACアダプタ36を介して外部電源が供給されている旨の情報を受けるとともに、システム状態管理部42からロック状態(オフスクリーンロック状態またはオンスクリーンロック状態)である旨の情報を受けると、記憶部25に記憶された画像情報のうち充電時表示画像として設定された画像をフルスクリーン表示する。このとき、充電時表示画像以外の画像(電池残量アイコン、時刻表示、ロック解除案内情報51など)を表示する必要はない。また、システム状態管理部42は、充電時表示画像がフルスクリーン表示された状態をフォトフレーム状態として管理してもよい。
【0072】
図12は、フォトフレーム状態とロック状態との状態間遷移の様子を示す説明図である。
【0073】
充電時表示画像の表示状態において操作内容取得部41によりタッチセンサ28に対する入力操作(たとえばシングルタップ操作)があったと判定されると、システム状態管理部42は、システム状態をオンスクリーンロック状態(図5の中央参照)へ移行する。
【0074】
本実施形態に係る携帯電話機1Aもまた、第1実施形態に係る携帯電話機1と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態に係る携帯電話機1Aは、バッテリ35の充電中などACアダプタ36を介して外部電源が供給されている場合には、フルスクリーンにより外部取得画像を表示することができる。このため、たとえばバッテリ35の充電中に携帯電話機1Aをフォトフレームとして用いることができ、大変便利である。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 携帯電話機
2 電話網
3 基地局
4 インターネット網
5 無線LANのAP
6 ウェブサーバ
7 サーバ群
11 タッチパネル
12 レシーバ
13 マイクロフォン
14 タッチキー
15 ハードキー
21 移動体通信用アンテナ
22 移動体通信部
23 無線LAN通信用アンテナ
24 無線LAN通信部
25 記憶部
26 主制御部
31 カメラ
32 タイマ制御部
33 タイマ
34 電力供給部
35 バッテリ
36 ACアダプタ
41 操作内容取得部
42 システム状態管理部
43 画像取得部
44 画像出力部
51 ロック解除案内情報
52 メニューアイコン
53 サービスアイコン
54 リフレッシュアイコン
55 アクセスアイコン
56 リフレッシュアニメーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のシステム状態を含む複数のシステム状態でシステム状態を管理するシステム状態管理部と、
あらかじめ設定された外部の記憶装置からネットワークを介して画像情報を所定の時間ごとに取得する画像情報取得部と、
前記画像情報取得部により取得された前記画像情報を記憶する記憶部と、
システム状態が他のシステム状態から前記所定のシステム状態へ移行すると、表示部に対して前記記憶部に記憶された前記画像情報を出力する画像出力部と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記画像情報取得部は、
前記あらかじめ設定された外部の記憶装置にあらかじめ設定されたキーワードを用いて画像情報を検索させるための信号を前記ネットワークに対して送出し、前記キーワードに基づいて検索された画像情報を、前記ネットワークを介して取得する、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記画像出力部は、
前記所定のシステム状態へ移行すると、前記記憶部に記憶された前記画像情報についてランダムを含む所定の条件で並び替え、この並び替えられた順序に従って前記表示部に対して順次出力することにより前記表示部にスライドショー表示させる、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記画像出力部は、
前記所定のシステム状態へ移行すると、前記表示部に対して前記記憶部に記憶された前記画像情報のうち先回出力した画像情報とは異なる画像情報を出力する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
表示画面を有し前記画像出力部により出力された前記画像情報に基づく画像を表示する表示部と、前記表示画面への入力を受け付けるタッチセンサと、を有するタッチパネル、
をさらに備えた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記所定のシステム状態は、
前記タッチセンサを介した入力操作が所定の入力操作を除き無効とされるとともに前記表示部が前記画像出力部からの前記画像情報の出力を受けて前記画像情報に基づく画像を表示するシステム状態である、
請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記画像情報取得部は、
前記所定のシステム状態において前記タッチセンサを介して前記所定の入力操作が受け付けられると、前記あらかじめ設定された外部の記憶装置から前記ネットワークを介して改めて前記画像情報を取得する、
請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
外部電源からの電力供給を受けると、この供給された電力により充電可能なバッテリ、
をさらに備え、
前記画像出力部は、
前記外部電源からの電力供給を受けていると、前記表示部に対して前記記憶部に記憶された前記画像情報を出力する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−254336(P2011−254336A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127361(P2010−127361)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】