説明

電子機器

【課題】タッチパネルよりも低コストで、かつ、簡単な方法でタッチパネルと同様の入力
操作を実現する技術を提供する。
【解決手段】電子機器は、所定の表示画面を表示するパネル部(110)と、パネル部の
表示面の反対側に対向して配置され、少なくとも4つのスイッチ機構(130)を備える
基板部(150)と、パネル部における表示を制御する制御部と、を備え、制御部は、ユ
ーザーに操作を促す操作情報を、前記スイッチ機構と対をなす位置に表示し、当該スイッ
チ機構の押下状態に応じて、他の表示画面に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置などの電子機器の中には、ユーザーからの入力操作をタッチパネル(例えば、
特許文献1)により受け付けるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−364512号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、タッチパネルは通常のパネルより高価である。そのため、簡単な入力操作しか
行わない電子機器にタッチパネルを設けることは、製造コストの面で負担となる場合があ
る。
【0005】
本発明は、タッチパネルよりも低コストで、かつ、簡単な方法でタッチパネルと同様の
入力操作を実現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本願発明は、電子機器であって、所定の表示画面を表示する
パネル部と、前記パネル部の表示面の反対側に対向して配置され、少なくとも4つのスイ
ッチ機構を備える基板部と、前記パネル部における表示を制御する制御部と、を備え、前
記制御部は、ユーザーに操作を促す操作情報を、前記スイッチ機構と対をなす位置に表示
し、当該スイッチ機構の押下状態に応じて、他の表示画面に切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る操作パネルの断面図である。
【図2】(A)操作パネルを構成する外装の上面図である。(B)操作パネルを構成する表示モジュールの上面図である。(C)操作パネルを構成する基板(第1の実施形態)の上面図である。
【図3】(A)表示モジュールに表示する画面イメージの1例(第1の実施形態)を示す図である。(B)表示モジュールに表示する画面イメージの別例(第1の実施形態)を示す図である。
【図4】対応テーブル(第1の実施形態)の概略データ構造を示す図である。
【図5】操作パネルを構成する基板(第2の実施形態)の上面図である。
【図6】表示モジュールに表示する画面イメージの一例(第2の実施形態)を示す図である。
【図7】対応テーブル(第2の実施形態)の概略データ構造を示す図である。
【図8】(A)2つのスイッチが押された場合の判定方法を説明するための図である。(B)3つのスイッチ(一列に並ぶスイッチの全て)が押された場合の判定方法を説明するための図である。(C)3つのスイッチ(角のスイッチを含む)が押された場合の判定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態が適用された操作パネル100の断面図(側面図)を
示す。
【0010】
操作パネル100は、ユーザーからの入力操作を受け付ける機能、及び、所定の画面を
表示する機能を有する。例えば、操作パネル100は、印刷装置、スキャナー装置、複合
機、複写機、ファックス装置、などの電子機器に設けられる。
【0011】
操作パネル100は、図示するように、表示モジュール110と、表示モジュール台1
20と、スイッチ130と、支柱140と、基板150と、電子機器の外装(筐体)16
0と、を備える。
【0012】
また、図2(A)は、外装160の上面図である。図2(B)は、表示モジュール12
0の上面図である。図2(C)は、基板150の上面図である。
【0013】
外装160は、電子機器における各種機能を実現する電子回路や機構を保護するために
電子機器全体を覆う。そして、外装160の表示モジュール110を収める位置には、図
1、図2(A)に示すように、所定形状(例えば、表示モジュール110を収めるために
、表示モジュール110の枠112と同形状)の表示モジュール窓(穴)が設けられる。
【0014】
表示モジュール110は、表示モジュール台120と一体的に動くように、表示モジュ
ール台120の上に固定して接着される。表示モジュール110は、図2(B)に示すよ
うに、ディスプレイ111と、枠112と、FFC(Flexible Flat Cable)113と、
を備える。
【0015】
ディスプレイ111は、基板150に備わる制御部(不図示)で生成された画面イメー
ジ(グラフィックス情報)を表示するユニットである。ディスプレイ111は、液晶ディ
スプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0016】
枠112は、ディスプレイ111を固定し、電子機器の内部に埃などが進入するのを防
ぐ。
【0017】
FFC113は、基板150に備わる制御部(不図示)から出力される電気信号(表示
のための画面イメージ)をディスプレイ111に入力するケーブルである。
【0018】
表示モジュール台112は、表示モジュール110を載せて一体的に動く。表示モジュ
ール台112は、基板150と平行となるようにスイッチ130、支柱140の上に配置
される。ディスプレイ111の表示面上がタッチされていない状態においては、表示モジ
ュール台112の基板150側の面は、基板150と平行に保たれている。
【0019】
そして、表示モジュール110と表示モジュール台120は、ディスプレイ111の表
示面上がタッチされると、支柱140の位置を支点として、一体的に傾く。すなわち、表
示モジュール110および表示モジュール台120は、ディスプレイ111の表示面上が
タッチされると、支柱140の位置からみて、タッチされた位置側が下がり、タッチされ
ていない側が上がるように傾く。
【0020】
基板150は、ディスプレイ111の表示面の反対側に対向して配置される。また、基
板150の表示モジュール110側の面には、図1、図2(C)に示すように、複数のス
イッチ130と、支柱140と、コネクタ151と、が所定位置に設けられる。
【0021】
本実施形態が適用されたスイッチ130は、図2(C)に示すように、4つのスイッチ
機構で構成される。4つのスイッチ機構は、矩形のディスプレイ111の各辺の中央付近
にそれぞれ配置される。例えば、第1スイッチ130aは、ユーザーの位置からみて左側
に配置されるスイッチ機構である。第2スイッチ130bは、ユーザーの位置からみて右
側に配置されるスイッチ機構である。第3スイッチ130cは、ユーザーの位置からみて
奥側に配置されるスイッチ機構である。第4スイッチ140dは、ユーザーの位置からみ
て手前側に配置されるスイッチ機構である。
【0022】
それぞれのスイッチ130(a〜d)は、独立して動作し、表示モジュール台120の
傾きに応じて、オン、オフを検知する。すなわち、ディスプレイ111の表示面における
タッチ位置近くに配置されたスイッチ130(a〜d)がオンを検知する。そして、スイ
ッチ130(a〜d)は、表示モジュール台120に押されてオンを検知すると、制御部
にオン信号を通知する。
【0023】
支柱140は、ディスプレイ111のほぼ中心位置(基板150上)に配置される。支
柱140の高さは、オフ状態である各スイッチ130(a〜d)の高さとほぼ同じになる
ように設計される。
【0024】
コネクタ151は、FFC113を基板150に接続するためのインターフェイスであ
る。
【0025】
また、電子機器は、不図示の制御部を備え、電子機器における各種機能を実現する。す
なわち、制御部は、電子機器における様々な処理を行う中心的ユニットであり、電子機器
全体を制御する。
【0026】
制御部の主な構成要素は、主制御装置であるCPUと、プログラム等が記録されたRO
Mと、メインメモリーとしてデータ等を一時的に格納するRAMと、ホストコンピュータ
ー等との入出力を制御するインターフェイスと、各構成要素間の通信経路となるシステム
バスとを備えた一般的なコンピューターにより達成することができる。なお、各処理を専
用に行うように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構
成されていてもよい。
【0027】
上記のような構成要素を備える制御部は、所定の画面イメージを生成し、ディスプレイ
111に表示する。具体的には、制御部は、ROM等に予め格納されている画面イメージ
を読み出し、ディスプレイ111に画面イメージを表示する。
【0028】
ここで、制御部は、ユーザーに操作を促す操作情報を、各スイッチ機構と対をなす位置
に表示する。具体的には、制御部がディスプレイ111に表示する画面イメージには、各
スイッチ130(a〜d)と対をなす位置(各スイッチの真上の位置)に、指示ボタンが
表示される。
【0029】
こうすることにより、ユーザーは指示ボタンをタッチする感覚で、ディスプレイ111
の表示面にタッチできる。そして、そのタッチ位置に基づき表示モジュール110及び表
示モジュール台120が一体的に傾くため、タッチ位置の近く(下部)に配置されたスイ
ッチ130をオンにすることができる。
【0030】
図3(A)は、制御部が生成する画面イメージの一例を示す図である。
【0031】
図示する例では、制御部は、複数の項目(図示する例では「プリンター設定」、「管理
者設定」、「消耗品情報」)と、項目を上方向にスクロールさせるための上スクロール指
示ボタンと、項目を下方向にスクロールさせるための下スクロール指示ボタンと、複数の
項目の中からいずれかの項目を選択(決定)する選択指示ボタンと、を表示する。例えば
、上スクロール指示ボタンは、第3スイッチ130cに対応する位置(スイッチの上部)
に表示される。また、下スクロール指示ボタンは、第4スイッチ130dに対応する位置
(スイッチの上部)に表示される。また、選択指示ボタンは、第2スイッチ130bに対
応する位置(スイッチの上部)に表示される。
【0032】
また、図3(B)は、制御部が生成する画面イメージの別例を示す図である。
【0033】
図示する例では、制御部は、ユーザーに通知するメッセージと、メッセージの内容(指
示)を決定するための決定指示ボタンと、メッセージの内容(指示)を取り消すための取
消指示ボタンと、を表示する。例えば、決定指示ボタンは、第2スイッチ130bに対応
する位置に設けられる。また、取消指示ボタンは、第1スイッチ130aに対応する位置
に設けられる。
【0034】
また、制御部は、スイッチ130(a〜d)の状態に応じて、ディスプレイ111に表
示する画面イメージを切り替える。
【0035】
具体的には、まず、制御部は、スイッチ130(a〜d)からオン信号が供給されると
、表示中の画面イメージに対応する対応テーブル300をROM等から読み出す。なお、
対応テーブル300は、ディスプレイ111に表示する画面イメージごとに、予めROM
等に格納されているものとする。
【0036】
図4は、対応テーブル300の概略データ構造の一例を示す図である。図示するように
、対応テーブル300は、スイッチごとのレコード303からなる。各レコード303に
は、各スイッチ130(a〜d)を識別するスイッチ名301と、ユーザーからの指示内
容302と、が対応付けて格納されている。
【0037】
次に、制御部は、オンの状態のスイッチ130(a〜d)に対応するスイッチ名301
を対応テーブル300から検索し、検索したスイッチ名301に対応付けられている指示
内容302を読み出す。
【0038】
それから、制御部は、読み出した指示内容302に従って、表示すべき所定の画面イメ
ージをROM等から読み出し、ディスプレイ111に表示する。
【0039】
図3に示す画面例で説明すると、制御部は、図3(A)に示す画面イメージを表示中に
、第2スイッチ130bがオンにされると、図3(b)に示す画面イメージに切り替える
。また、制御部は、図3(A)に示す画面イメージを表示中に、第3スイッチ130cが
オンにされると、表示中の項目を上にスクロールさせて別の項目を表示する画面イメージ
に切り替える。同様に、制御部は、図3(A)に示す画面イメージを表示中に、第4スイ
ッチ130dがオンにされると、表示中の項目を下にスクロールさせて別の項目を表示す
る画面イメージに切り替える。
【0040】
なお、上記では、対応テーブル300を用いて、スイッチ130(a〜d)の状態に応
じた指示内容を特定するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、対応
テーブル300に代替可能なハードウェア(回路)を用いて実現してもよい。
【0041】
本実施形態が適用された操作パネル100は、以上のような構成からなる。これにより
、操作パネル100は、タッチパネルよりも低コストで、かつ、簡単な方法でタッチパネ
ルと同様の入力操作を実現することができる。
【0042】
なお、上記した各構成要素は、操作パネル100の構成を理解容易にするために、主な
役割に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制
限されることはない。操作パネル100の構成は、役割に応じて、さらに多くの構成要素
に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの役割を担うように分類す
ることもできる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0044】
本実施形態の操作パネル100は、基板150に配置されるスイッチ130の個数が第
1の実施形態とは異なる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0045】
図5は、第2の実施形態が適用された基板150の上面図である。
【0046】
本実施形態が適用されたスイッチ130は、図示するように、8つのスイッチ機構から
構成される。基板150上には、第1の実施形態で説明した第1〜第4スイッチ130(
a〜d)に加え、さらに、第5スイッチ130e、第6スイッチ130f、第7スイッチ
130g、第8スイッチ130hが配置される。
【0047】
8つのスイッチ機構は、矩形のディスプレイ111の各辺の中央付近、及び、頂点付近
にそれぞれ配置される。例えば、第5スイッチ130eは、ユーザーの位置からみて左奥
側に配置されるスイッチ機構である。第6スイッチ130fは、ユーザーの位置からみて
右奥側に配置されるスイッチ機構である。第7スイッチ130gは、ユーザーの位置から
みて左手前側に配置されるスイッチ機構である。第8スイッチ140hは、ユーザーの位
置からみて右手前側に配置されるスイッチ機構である。
【0048】
それぞれのスイッチ130(a〜h)は、独立して動作し、表示モジュール台120の
傾きに応じて、オン、オフを検知する。すなわち、ディスプレイ111の表示面における
タッチ位置近くに配置されたスイッチ130(a〜h)がオンを検知する。そして、スイ
ッチ130(a〜h)は、表示モジュール台120に押されてオンを検知すると、制御部
にオン信号を通知する。
【0049】
そして、制御部は、第1の実施形態と同様に、所定の画面イメージを生成し、ディスプ
レイ111に表示する。具体的には、制御部は、ROM等に予め格納されている画面イメ
ージを読み出し、ディスプレイ111に画面イメージを表示する。
【0050】
ここで、制御部は、ユーザーに操作を促す操作情報を、各スイッチ機構と対をなす位置
に表示する。具体的には、制御部がディスプレイ111に表示する画面イメージには、各
スイッチ130(a〜h)と対をなす位置(各スイッチの真上の位置)に、指示ボタンが
表示される。
【0051】
こうすることにより、ユーザーは指示ボタンをタッチする感覚で、ディスプレイ111
の表示面にタッチできる。そして、そのタッチ位置に基づき表示モジュール110及び表
示モジュール台120が一体的に傾くため、タッチ位置の近く(下部)に配置されたスイ
ッチ130をオンにすることができる。
【0052】
図6は、本実施形態において制御部が生成する画面イメージの一例を示す図である。
【0053】
図示する例では、制御部は、図3(A)で表示する指示ボタンに加え、さらに、前画面
を表示させるための前画面指示ボタンと、次画面を表示させるための次画面指示ボタンと
、メニュー画面(初期画面)を表示させるための初期画面指示ボタンと、を表示する。例
えば、前画面指示ボタンは、第5スイッチ130eに対応する位置(スイッチの上部)に
表示される。また、次画面指示ボタンは、第6スイッチ130fに対応する位置(スイッ
チの上部)に表示される。また、初期画面指示ボタンは、第7スイッチ130gに対応す
る位置(スイッチの上部)に表示される。
【0054】
以上のように、本実施形態の操作パネル100は、第1の実施形態の操作パネル100
と比較して、基板150に配置するスイッチ機構を増加させている。そのため、それぞれ
のスイッチ機構と対をなす指示ボタンを、より多くディスプレイ111に表示することが
できる。
【0055】
また、制御部は、第1の実施形態と同様に、スイッチ130(a〜h)の状態に応じて
、ディスプレイ111に表示する画面イメージを切り替える。
【0056】
具体的には、まず、制御部は、スイッチ130(a〜h)からオン信号が供給されると
、対応テーブル300をROM等から読み出す。
【0057】
図7は、本実施形態における対応テーブル300の概略データ構造の一例を示す図であ
る。図示するように、対応テーブル300は、スイッチごとのレコード303からなる。
各レコード303には、各スイッチ130(a〜d)を識別するスイッチ名301と、ユ
ーザーからの指示内容302と、が対応付けて格納されている。なお、本実施形態の対応
テーブル300におけるレコード303は、基板150に配置するスイッチ機構の個数に
応じて増減する。
【0058】
次に、制御部は、オンの状態のスイッチ130(a〜h)に対応するスイッチ名301
を対応テーブル300から検索し、検索したスイッチ名301に対応付けられている指示
内容302を読み出す。
【0059】
それから、制御部は、読み出した指示内容302に従って、表示すべき所定の画面イメ
ージをROM等から読み出し、ディスプレイ111に表示する。
【0060】
図7に示す画面例で説明すると、制御部は、図6に示す画面イメージを表示中に、第5
スイッチ130eがオンにされると、表示中の画面イメージに遷移する前に表示していた
画面イメージ(前ページ)に切り替える。また、制御部は、図6に示す画面イメージを表
示中に、第6スイッチ130fがオンにされると、次に遷移予定の画面イメージ(次ペー
ジ)に切り替える。また、制御部は、図6に示す画面イメージを表示中に、第7スイッチ
130gがオンにされると、メニュー画面(初期画面)を表示する画面イメージに切り替
える。
【0061】
なお、本実施形態の操作パネル100は、第1の実施形態の操作パネル100と比較し
て、基板150に配置するスイッチ機構を増加させているため、各スイッチ130(a〜
h)同士の距離は近くなる。そのため、ユーザーによるタッチの強さや、タッチ位置によ
っては、同時に複数のスイッチ130(a〜h)が押されてしまうことが起こり得る。
【0062】
そこで、本実施形態では、制御部は、複数のスイッチ130(a〜h)からオン信号が
供給されると、対応テーブル300をROM等から読み出す前に、ユーザーに押されたス
イッチ130(a〜h)を特定する(1つに絞る)判定処理を行う。
【0063】
図8(A)は、1列に並ぶスイッチ機構のうち一部のスイッチ機構が押下されている状
態である場合の判定処理を説明するための図である。
【0064】
この場合、制御部は、押下されているスイッチ機構のうち端側に配置されたスイッチ機
構が押下されていると判定する。図示する例で説明すると、制御部は、第5スイッチ13
0eと第1スイッチ130aからオン信号が供給された場合には、端側に配置された第5
スイッチ130eが押下されていると判定する。
【0065】
また、図8(B)は、1列に並ぶスイッチ機構のうち全部のスイッチ機構が押下されて
いる状態である場合の判定処理を説明するための図である。
【0066】
この場合、制御部は、押下されているスイッチ機構のうち中央に配置されたスイッチ機
構が押下されていると判定する。図示する例で説明すると、制御部は、第5スイッチ13
0e、第1スイッチ130a、第7スイッチ130gからオン信号が供給された場合には
、中央位置に配置された第1スイッチ130aが押下されていると判定する。
【0067】
また、図8(C)は、角に配置されたスイッチ機構を含む複数のスイッチ機構が押下さ
れている状態である場合の判定処理を説明するための図である。
【0068】
この場合、制御部は、押下されているスイッチ機構のうち角に配置されたスイッチ機構
が押下されていると判定する。図示する例で説明すると、制御部は、第5スイッチ130
e、第1スイッチ130a、第3スイッチ130cからオン信号が供給された場合には、
角に配置された第5スイッチ130eが押下されていると判定する。
【0069】
そして、制御部は、押されているスイッチ130(a〜h)を特定(判定)後、対応テ
ーブル300をROM等から読み出す。ただし、対応テーブル300は、第1の実施形態
と同様に、ディスプレイ111に表示する画面イメージごとに、予めROM等に格納され
ているものとする。
【0070】
続く処理は第1の実施形態と同様であり、制御部は、押されていると特定(判定)した
スイッチ130(a〜h)に対応するスイッチ名301を対応テーブル300から検索し
、検索したスイッチ名301に対応付けられている指示内容302を読み出す。それから
、制御部は、読み出した指示内容302に従って、表示すべき所定の画面イメージをRO
M等から読み出し、ディスプレイ111に表示する。
【0071】
以上のように、同時に複数のスイッチ130(a〜h)が押される場合であっても、ユ
ーザーに押されたスイッチ130(a〜h)を特定(判定)することにより、ユーザーの
意図をなるべく反映させて画面イメージの切り替えができる。そのため、基板150上に
複数のスイッチ130(a〜h)を密集させて配置することも可能となる。
【0072】
なお、上記した各構成要素は、操作パネル100の構成を理解容易にするために、主な
役割に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制
限されることはない。操作パネル100の構成は、役割に応じて、さらに多くの構成要素
に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの役割を担うように分類す
ることもできる。
【0073】
また、本発明は、上記各実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0074】
例えば、上記各実施形態では、4つのスイッチ130(a〜d)が基板150に配置さ
れる場合と、8つのスイッチ130(a〜h)が基板150に配置される場合について説
明している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、基板150に配置される
スイッチの個数は、3個以下、5個から7個、9個以上であってもよい。
【0075】
また、上記各実施形態では、スイッチ130の状態に応じて、ディスプレイ111に表
示する画面イメージを切り替える場合について説明している。しかし、本発明は、これに
限定されない。制御部は、スイッチ130の状態に応じて、実行する処理(印刷実行、ス
キャン実行、など)を切り替えてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100・・・操作パネル、110・・・表示モジュール、111・・・ディスプレイ、
112・・・枠、113・・・FFC、120・・・表示モジュール台、130・・・ス
イッチ、140・・・支柱、150・・・基板、151・・・コネクタ、300・・・対
応テーブル、301・・・スイッチ名、302・・・指示内容、303・・・レコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
所定の表示画面を表示するパネル部と、
前記パネル部の表示面の反対側に対向して配置され、少なくとも4つのスイッチ機構を
備える基板部と、
前記パネル部における表示を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザーに操作を促す操作情報を、前記スイッチ機構と対をなす位置に表示し、当該ス
イッチ機構の押下状態に応じて、他の表示画面に切り替える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記基板部は、
8つのスイッチ機構を備え、
前記制御部は、
1列に並ぶ全てのスイッチ機構が押下されている状態である場合には、1列に並ぶスイ
ッチ機構のうち中央に位置する1つのスイッチ機構が押下されていると判定し、
1列に並ぶスイッチ機構のうち一部のスイッチ機構が押下されている状態である場合に
は、押下されている状態のスイッチ機構のうち端側に位置する1つのスイッチ機構が押下
されていると判定し、
押下されていると判定されたスイッチ機構に対応する表示画面に切り替える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器であって、
前記操作情報には、
前記表示画面をスクロールするための情報と、前記表示画面に表示されている複数の項
目のうち1つの項目を選択するための情報と、が含まれている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記操作情報には、
指示を決定するための情報と、指示を取り消すための情報と、が含まれている、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器であって、
プリンター、又は、複合機として機能する、
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−59988(P2011−59988A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208989(P2009−208989)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】