説明

電子機器

【課題】 利用する場所に適した無線通信方式で通信を行うことができる電子機器を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、電子機器は、無線通信部、選択情報生成手段、位置検出手段及び選択手段を具備する。無線通信部は異なる複数の無線通信方式で無線通信するように構成される。選択情報生成手段は、複数の位置と前記複数の位置の各々に関連付けられた一つの無線通信方式とを示す複数の通信方式選択情報を生成する。位置検出手段は現在位置を検出する。選択手段は、前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれているとき、当該情報に示される無線通信方式を選択し、前記現在位置に対応する通信方式選択情報が含まれていないとき、ユーザによって選択された無線通信方式を選択する。前記選択情報生成手段は、前記現在位置と前記ユーザによって選択された無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートフォン、スレートPC(タブレットPC)等の無線通信機能を有する電子機器が普及している。このような電子機器には、複数の無線通信方式で通信を行うことができるものもある。例えば、第三世代移動通信方式(3G)による通信機能、無線LAN通信機能及びBluetooth(登録商標)通信機能を有するスマートフォンが利用されている。ユーザは、例えば、動画データのダウンロードに無線LAN通信を使用し、電子メールの送受信に3G通信を使用し、周辺機器とのデータの送受信にBluetooth通信を使用することができる。
【0003】
複数の基地局間を移動(ハンドオーバ)しながら無線通信のための接続を確立するとき、移動通信端末は、例えば各基地局によって発せられる電界の強度に基づいて接続する基地局を選択する。これにより移動通信端末は、電界強度に基づいて適切な基地局との接続を確立することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−130754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の無線通信方式によって通信が可能であるとき、ユーザは、電界強度だけでなく通信料や通信速度等も考慮して無線通信方式を選択する。例えば、スマートフォンを用いて3G通信を行っているときに、公衆無線LANのアクセスポイントが見つかった際には、ユーザは、このアクセスポイントとの接続を確立することによって無線LAN通信を利用する。これによりユーザは、例えば、従量制で課金される3G通信よりも高速且つ安価に通信を行うことができる。したがって、ユーザは、例えば場所を移動したことに合わせて、その場所に適切な無線通信方式を選択する。
【0006】
しかし、場所を移動する度に、無線通信方式を切り替えるための操作を行うことは、ユーザにとって非常に煩雑である。ユーザは、例えば通勤で毎日決まった経路を通るにも関わらず、同様の場所で同じ無線通信方式を選択するための操作を行わなければならない。
【0007】
本発明は、利用する場所に適した無線通信方式で通信を行うことができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、電子機器は、無線通信部、選択情報生成手段、位置検出手段、及び選択手段を具備する。無線通信部は、異なる複数の無線通信方式で無線通信するように構成される。選択情報生成手段は、複数の位置と、前記複数の位置のそれぞれに関連付けられた前記複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式とを示す複数の通信方式選択情報を生成する。位置検出手段は、前記電子機器の現在位置を検出する。選択手段は、前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれているとき、前記現在位置に対応する通信方式選択情報によって示される無線通信方式を選択し、前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれていないとき、前記複数の無線通信方式からユーザによって選択された一つの無線通信方式を選択する。前記選択情報生成手段は、前記現在位置と前記ユーザによって選択された一つの無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を前記複数の通信方式選択情報に追加する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態の電子機器のシステム構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子機器によって無線通信方式を選択するための構成を示す概念図。
【図4】同実施形態の電子機器によって無線通信方式を学習するための構成を示す概念図。
【図5】同実施形態の電子機器によって学習される、位置と無線通信方式との対応の例を示す図。
【図6】同実施形態の電子機器によって実行される通信方式制御プログラムの機能構成の例を示すブロック図。
【図7】同実施形態の電子機器によって実行される通信方式制御プログラムが用いる通信方式選択情報の例を示す図。
【図8】同実施形態の電子機器によって実行される通信方式制御プログラムが用いる位置情報を説明するための概念図。
【図9】同実施形態の電子機器によって表示される通信方式選択画面の例を示す図。
【図10】同実施形態の電子機器によって表示されるアクセスポイント選択画面の例を示す図。
【図11】同実施形態の電子機器によって実行される通信方式切替処理の手順の例を示すフローチャート。
【図12】同実施形態の電子機器によって実行される通信方式選択処理の手順の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。この電子機器は、例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータ10として実現されている。また、この電子機器は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、スレートPC(タブレットPC)として実現され得る。図1に示すように、本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(liquid crystal display)17が組み込まれている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在にコンピュータ本体11に取り付けられている。
【0012】
コンピュータ本体11は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面には、キーボード13、本コンピュータ10を電源オン/電源オフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、タッチパッド16、スピーカ18A,18Bなどが配置されている。入力操作パネル15上には、各種操作ボタンが設けられている。
【0013】
図2は、本コンピュータ10のシステム構成を示す図である。
本コンピュータ10は、図2に示されているように、CPU(central processing unit)101、ノースブリッジ102、主メモリ103、サウスブリッジ104、GPU(Graphics Processing Unit)105、VRAM(ビデオRAM:random access memory)105A、サウンドコントローラ106、BIOS−ROM(basic input/output system-read only memory)107、LAN(local area network)コントローラ108、ハードディスクドライブ(HDD)109、光ディスクドライブ(ODD)110、GPSレシーバ111、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)113、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)114、3G通信モジュール121、無線LAN通信モジュール122、Bluetooth通信モジュール123等を備える。
【0014】
CPU101は、本コンピュータ10内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU101は、HDD109から主メモリ103にロードされる、オペレーティングシステム(OS)201、通信方式制御プログラム202、各種アプリケーションプログラム等を実行する。通信方式制御プログラム202は、コンピュータ10によって実行される複数の無線通信方式による無線通信を制御するためのソフトウェアである。通信方式制御プログラム202は、複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式によって、無線通信が実行されるように制御する。通信方式制御プログラム202は、例えば、コンピュータ10の現在位置を示す位置情報とHDD109に格納された通信方式選択情報とを用いて、現在位置に関連付けられた無線通信方式で無線通信を行う。コンピュータ10の現在位置を示す位置情報は、例えばGPSレシーバ111によって受信されたGPSデータを用いて検出される。また、HDD109に格納された通信方式選択情報は、例えば、位置(通信場所)と、その位置に関連付けられた無線通信方式を示す。
【0015】
また、CPU101は、BIOS−ROM107に格納されたBIOSも実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0016】
ノースブリッジ102は、CPU101のローカルバスとサウスブリッジ104との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ102には、主メモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ102は、例えば、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してGPU105との通信を実行する機能も有している。
【0017】
GPU105は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このGPU105によって生成される表示信号はLCD17に送られる。
【0018】
サウスブリッジ104は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイス及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ104は、HDD109及びODD110を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ104は、サウンドコントローラ106との通信を実行する機能も有している。
【0019】
サウンドコントローラ106は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18Bに出力する。LANコントローラ108は、例えばIEEE 802.3規格の有線通信を実行する有線通信デバイスである。
【0020】
EC/KBC113は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード13及びタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。EC/KBC113は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10を電源オン/電源オフする機能を有している。
【0021】
GPSレシーバ111は、複数のGPS衛星から送信されるGPSデータを受信するデバイスである。GPSレシーバ111によって受信されたGPSデータを用いて、コンピュータ10の現在の位置や高さ等が検出される。
【0022】
コンピュータ10は、3G通信モジュール121、無線LAN通信モジュール122、Bluetooth通信モジュール123のような複数の無線通信モジュールを備える。
【0023】
3G通信モジュール121は、例えば第三世代移動通信方式による無線通信(IMT−2000規格に基づく無線通信、3G無線通信とも称する)を実行する無線通信デバイスである。3G通信モジュール121は、基地局との接続を確立することにより通信を行う。
【0024】
無線LAN通信モジュール122は、例えばIEEE 802.11a/b/g/n規格に基づく無線通信(無線LAN通信とも称する)を実行する無線通信デバイスである。無線LAN通信モジュール122は、アクセスポイントとの接続を確立することにより通信を行う。
【0025】
Bluetooth通信モジュール123は、Bluetooth規格の無線通信(Bluetooth通信)を実行する無線通信デバイスである。Bluetooth通信モジュール123は、例えば通信相手のデバイス(に設けられた通信モジュール)との接続を確立することにより通信を行う。
【0026】
通信方式制御プログラム202は、例えば、GPSレシーバ111を用いて検出された現在位置に基づいて、3G通信、無線LAN通信及びBluetooth通信のうち、現在位置に関連付けられた無線通信方式を選択する。コンピュータ10では、選択された無線通信方式によって無線通信が実行される。なお、通信方式制御プログラム202によって選択される複数の無線通信方式は、3G通信、無線LAN通信及びBluetooth通信に限らず、GSM(登録商標)、IEEE 802.16−2004規格に基づく無線通信(WiMAX通信)、IEEE 802.16e規格に基づく無線通信(モバイルWiMAX通信)、TransferJet通信等のあらゆる無線通信方式を含み得る。また、コンピュータ10によって用いられる無線通信モジュール(無線通信デバイス)は、異なる2つの無線通信方式を実行するための2つの無線通信機能を有する、いわゆるコンボモジュールであってもよい。例えば、一つの無線通信デバイスが、無線LAN通信とモバイルWiMAX通信とを実行し得る。
【0027】
ところで、無線LAN通信では、無線LANモジュール122とあるアクセスポイントとの接続が一度確立され、その接続が解除された後に、再度そのアクセスポイントとの接続が可能なエリアに入ったとき、自動的に接続が確立される技術がある。しかし、この技術では、その無線LANのアクセスポイントに対応するエリアで、自動的に無線LAN接続を確立することができるだけであり、あらゆる位置で、複数の無線通信方式の内の選択された一つの無線通信方式に切り替えることはできない。例えば、上述の技術では、無線LANのアクセスポイントに対応するエリアでは無線LAN通信を行い、それ以外のエリアでは3G通信を行うといったことは可能であるが、3G通信と無線LAN通信とBluetooth通信とが可能であるエリア内で3G通信を行うように制御することはできない。
【0028】
本実施形態の通信方式制御プログラム202では、GPSレシーバ111によって受信されたデータを用いて、コンピュータ10の位置を検出し、検出された位置に関連付けられた無線通信方式で通信が行われるように制御するので、あらゆる位置で、複数の無線通信方式の内の選択された一つの無線通信方式に切り替えることができる。
【0029】
通信方式制御プログラム202は、通信方式切替モードと通信方式学習モードのいずれかで動作する。図3及び図4は、これら2つのモードを説明するための概念図を示す。
図3は通信方式切替モードにおける構成の例を示す。通信方式切替モードでは、まず、GPS情報取得手段31は、GPSレシーバ111によって受信されたデータ等を用いて、コンピュータ10の現在の位置を取得する。次に、無線通信選択手段32は、無線通信選択テーブル33を参照して、GPS情報取得手段31によって取得された現在の位置に関連付けられた無線通信方式を決定する。そして、無線通信選択手段32は、無線通信手段A35と無線通信手段B36のうち、決定した無線通信方式に対応する無線通信手段で無線通信が実行されるように設定する。
【0030】
一方、図4は通信方式学習モードにおける構成の例を示す。通信方式学習モードでは、まず、GPS情報取得手段31は、GPSレシーバ111によって受信されたデータ等を用いて、コンピュータ10の現在の位置を取得する。次に、無線通信学習手段34は、無線通信手段A35と無線通信手段B36のうち、例えばユーザによって選択された無線通信方式に対応する無線通信手段で無線通信が実行されるように設定する。そして、GPS情報取得手段31によって取得された現在の位置と、現在の位置で選択された無線通信方式とを示す情報を無線通信選択テーブル33に格納することにより、現在の位置に関連付けられた無線通信方式を学習する。
【0031】
図5は、無線通信選択テーブル33の構成の例を示す概念図である。無線通信選択テーブル33では、例えば緯度と経度とによって表される位置(通信場所とも称する)と、その位置に関連付けられた無線通信手段とが示される。図5に示す無線通信選択テーブル33の例において、例えば、(緯度X1,経度Y1)である位置には「無線通信手段A」が設定されている。(緯度X1,経度Y3)である位置には「無線通信手段B」が設定されている。また、(緯度X1,経度Y2)である位置には、無線通信手段が未だ学習されていないことを示す「学習前」が設定されている。「学習前」が設定されている位置に対応する場所は、例えば、ユーザがまだ無線通信方式を選択していない場所やユーザがまだ訪れていない場所である。
【0032】
通信方式制御プログラム202は、例えば、ユーザが初めて訪れた場所で、使用する無線通信手段を選択する操作を行うことによって、その場所(位置)に対応するエントリを無線通信選択テーブル33に追加する。そして、ユーザが、追加されたエントリに対応する場所を再度訪れた際には、通信方式制御プログラム202は、そのエントリに指定された無線通信方式で無線通信が行われるように切り替える。つまり、通信方式制御プログラム202は、シームレスに、現在位置に応じた無線通信方式の切り替えを行うことができる。なお、無線通信方式の切り替えとは、ブラウザ、動画ストリーミングソフトウェア、電子メールを送受信するためのソフトウェア等の各種のアプリケーションプログラムによるデータの送受信(通信)に用いられる通信方式(通信モジュール)が切り替えられることを指す。したがって、通信方式が切り替えられても、3G通信モジュール121による基地局との接続の確立や切断、無線LAN通信モジュール122によるアクセスポイントの検出、Bluetooth通信モジュール123よる接続相手のデバイスの検出等のための通信はバックグラウンドで行われる。
【0033】
図6は、上述の通信方式切替モードと通信方式学習モードとの動作を実行するための通信方式制御プログラム202の機能構成の例を示す。なお、以下では、3G通信と無線LAN通信のうちのいずれかで無線通信を行う例を説明するが、Bluetooth通信等の他の無線通信方式や、より多くの無線通信方式がある際にも同様に動作する。
【0034】
通信方式制御プログラム202は、例えば、位置検出部41、モード判定部42、通信方式切替部43、選択画面表示部44、及び通信方式格納部45を備える。
【0035】
位置検出部41は、GPSレシーバ111によって受信されるデータを用いて、コンピュータ10の現在の位置を検出する。GPSレシーバ111は、例えば、複数のGPS衛星から送信される複数のGPSデータを受信する。GPSレシーバ111は受信した複数のGPSデータを位置検出部41に出力する。位置検出部41は、GPSレシーバ111によって出力された複数のGPSデータを用いて、コンピュータ10の現在位置を検出(算出)する。検出される現在位置は、例えば、緯度と経度とによって表される。位置検出部41は、所定の期間毎に(例えば、毎秒)現在位置を検出する。位置検出部41は、検出した現在位置を示す位置情報をモード判定部42に出力する。
【0036】
モード判定部42は、位置検出部41によって出力された位置情報と、HDD109に格納された通信方式選択情報109Aとに基づいて、現在位置に対応する通信場所(第1の通信場所)に、複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式(第1の通信方式)が既に関連付けられているか否かに応じて、通信方式切替モードと通信方式学習モードのいずれで動作するかを決定する。つまり、モード判定部42は、現在位置に対応する第1の通信場所に、第1の通信方式が既に関連付けられているとき、通信方式切替モードで動作することを決定する。また、モード判定部42は、現在位置に対応する第1の通信場所に、無線通信方式がまだ関連付けられていないとき、通信方式学習モードで動作することを決定する。
【0037】
図7は、通信方式制御プログラム202によって用いられる通信方式選択情報109Aの一構成例を示す。通信方式選択情報109Aは、複数の位置(通信場所)にそれぞれ対応する複数のエントリを含む。より具体的には、通信方式選択情報109Aは、複数の位置と複数の位置のそれぞれに関連付けられた複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式とを示す複数のエントリを含む。各エントリは、例えば、緯度、経度、通信方式、アクセスポイントを含む。ある位置に対応するエントリにおいて、「緯度」は、その位置に対応する緯度を示す。「経度」は、その位置に対応する経度を示す。「通信方式」は、その位置に関連付けられた無線通信方式を示す。「アクセスポイント」は、その位置に関連付けられたアクセスポイント名(例えば、SSID)を示す。「アクセスポイント」には、例えばその位置に無線LAN通信が関連付けられたとき、アクセスポイント名が設定される。したがって、例えばその位置に3G通信が関連付けられたとき、アクセスポイント名は設定されない。
【0038】
モード判定部42は、位置検出部41によって出力された位置情報に基づいて、図7に示すような通信方式選択情報109A内に現在の位置に対応するエントリが含まれているか否かを判定する。
【0039】
図8を参照して、現在の位置と、通信方式選択情報109Aのエントリに示される位置との関係を説明する。
通信方式選択情報109Aに示される「位置」は、例えば、所定の距離毎に(例えば、10m毎に)区切られた緯度と経度によって指定される代表点で表される。図8では、緯度と経度とをそれぞれ所定の距離毎に区切った実線が交差する点(格子状に区切られた格子の頂点)が、「位置」を表す代表点として用いられる。例えば、位置51は(緯度X1,経度Y1)で示される代表点である。
【0040】
モード判定部42は、位置検出部41によって検出された現在の位置に最も近い代表点を決定することによって、現在の位置に対応する通信方式選択情報109A(のエントリ)を決定する。例えば、位置検出部41によって現在の位置52が検出されたとき、モード判定部42は、代表点51(すなわち、(緯度X1,経度Y1))に対応する通信方式選択情報109Aを、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aに決定する。換言すると、モード判定部42は、現在の位置52が、代表点51を中心とする領域53内に含まれるとき、代表点51に対応する通信方式選択情報109Aを、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aに決定する。この領域53は、例えば、代表点51を中心とし、所定の距離に対応する大きさを有する矩形である。つまり、現在の位置52は、領域53に示される通信場所に対応する。
【0041】
通信方式選択情報109A内に現在の位置に対応するエントリが含まれているとき、モード判定部42は、HDD109から、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリを読み出す。そして、モード判定部42は、読み出されたエントリ(通信方式選択情報109A)に、現在の位置で使用する無線通信方式が指定されているか否かを判定する。現在の位置で使用する無線通信方式が指定されているとき、モード判定部42は、通信方式切替モードで動作することを決定する。
【0042】
一方、読み出されたエントリに、現在の位置で使用する無線通信方式が指定されていないとき、又は通信方式選択情報109A内に現在の位置に対応するエントリがないとき、モード判定部42は、通信方式学習モードで動作することを決定する。なお、通信方式選択情報109A内に現在の位置に対応するエントリがないとき、モード判定部42は、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリを新たに作成(追加)する。
【0043】
以下では、まず、通信方式切替モードでの各部の動作について説明する。通信方式切替モードでは、複数の無線通信方式から、コンピュータ10の現在位置に対応する第1の通信場所に関連付けられた第1の通信方式が選択される。つまり、現在位置に対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれているときに、当該エントリに示される無線通信方式に対応する複数の無線通信モジュールの内の一つの無線通信モジュールが選択される。
【0044】
通信方式切替モードでは、まず、モード判定部42は、通信方式切替部43に読み出したエントリ(通信方式選択情報109A)を出力する。
【0045】
通信方式切替部43は、モード判定部42によって出力された通信方式選択情報109Aのエントリに基づいて、そのエントリに指定された無線通信方式に切り替える。つまり、通信方式切替部43は、当該エントリによって示される無線通信方式に対応する複数の無線通信モジュールの内の一つの無線通信モジュールを選択する。より具体的には、現在使用されている無線通信方式が該エントリに指定された無線通信方式と同じである場合、通信方式切替部43は無線通信方式の切り替えを行わない。例えば、3G通信モジュール121を用いて3G通信が行われており、現在の位置に対応するエントリにも3G通信が指定されているとき、通信方式切替部43は無線通信方式の切り替えを行わない。
【0046】
一方、現在使用されている無線通信方式が該エントリに指定された無線通信方式とは異なる場合、通信方式切替部43は該エントリに指定された無線通信方式に切り替える。つまり、通信方式切替部43は、該エントリに指定された無線通信方式に対応する通信モジュール(例えば、3G通信モジュール121、無線LAN通信モジュール122、Bluetooth通信モジュール123等)で無線通信が行われるように設定する。例えば、3G通信モジュール121を用いて無線通信が行われており、現在の位置に対応するエントリには無線LAN通信が指定されているとき、通信方式切替部43は、無線LANモジュール122を用いて無線通信が行われるように設定する。つまり、通信方式切替部43は、ブラウザ、動画ストリーミングプログラム等のアプリケーションプログラムによって要求される通信(パケット通信)が、指定された無線通信方式によって行われるように制御する。
【0047】
次いで、通信方式学習モードでの各部の動作について説明する。通信方式学習モードでは、コンピュータ10の現在位置に対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれていないときに、現在位置とユーザによって複数の無線通信方式から選択される一つの無線通信方式とを示す新たなエントリが通信方式選択情報109Aに追加される。
【0048】
通信方式学習モードでは、まず、モード判定部42は、選択画面表示部44に、現在の位置で使用する無線通信方式が指定されていないことを通知する。
【0049】
選択画面表示部44は、モード判定部42による通知に応じて、通信方式を選択するための通信方式選択画面を表示する。図9は、通信方式選択画面61の例を示す。通信方式選択画面61は、コンピュータ10で用いられる複数の無線通信方式を示す複数の項目を含む。通信方式選択画面61は、例えば、「3G通信」ボタン61Aと「無線LAN通信」ボタン61Bとを含む。ユーザは、通信方式選択画面61を用いて、現在の場所で使用したい無線通信方式に対応するボタンを選択する。ユーザは、例えば通信品質、通信速度、通信料金等を考慮して、使用する無線通信方式を選択する。なお、使用する無線通信方式として無線LAN通信が選択されたとき、選択画面表示部44は、無線LAN通信に用いられるアクセスポイントを選択するためのアクセスポイント選択画面を表示してもよい。
【0050】
図10は、アクセスポイント選択画面62の例を示す。アクセスポイント選択画面62は、例えば、通信方式選択画面61で「無線LAN通信」が選択されたときに表示される。アクセスポイント選択画面62は、現在の位置で接続可能なアクセスポイント(SSID)を示す項目を含む。アクセスポイント選択画面62は、例えば、「アクセスポイントA」ボタン62A、「アクセスポイントB」ボタン62B、「アクセスポイントC」ボタン62C、及び「アクセスポイントD」ボタン62Dを含む。ユーザは、アクセスポイント選択画面62を用いて、現在の場所で接続したいアクセスポイントに対応するボタンを選択する。
【0051】
選択画面表示部44は、通信方式選択画面61を用いて選択された無線通信方式を示す情報を、通信方式切替部43に出力する。通信方式切替部43は、通信方式切替モードの場合と同様にして、選択された無線通信方式に切り替える。例えば、無線LAN通信が選択され、さらにアクセスポイントが選択されている際には、通信方式切替部43は、無線LAN通信モジュール122を、選択されたアクセスポイントに接続するように制御する(例えば、無線LAN通信モジュール122に、選択されたアクセスポイントに接続するように要求する信号を出力する)。
【0052】
また、選択画面表示部44は、現在の位置を示す位置情報と通信方式選択画面61を用いて選択された無線通信方式を示す情報とを、通信方式格納部45に出力する。通信方式格納部45は、選択画面表示部44による出力に応じて、現在の位置と、選択された一つの無線通信方式とを示す新たなエントリを生成し、通信方式選択情報109Aに追加する。より具体的には、通信方式格納部45は、現在の位置に対応する代表点を示す緯度及び経度と、選択された無線通信方式とを示す新たなエントリを生成し、通信方式選択情報109Aに追加する。現在の位置と、通信方式選択情報109Aのエントリに示される位置(代表点)との関係は、図8を参照して説明した通りである。
なお、通信方式格納部45は、アクセスポイント選択画面62を用いて選択されたアクセスポイントに対応するSSIDや暗号キーをさらに含むエントリをHDD109に格納してもよい。
【0053】
以上の構成により、通信方式制御プログラム202は、利用する場所に適した無線通信方式で通信を行うことができる。通信方式制御プログラム202は、一度、無線通信方式を学習した位置では、ユーザによる選択(嗜好)に合わせた無線通信方式にシームレスに切り替えることができる。
【0054】
また、本実施形態では、位置と無線通信方式との対応を示す通信方式選択情報109Aをコンピュータ10内(クライアント)に保持するので、現在位置に応じて無線通信方式を切り替えるための処理を実行し、当該処理に必要なデータ等を保持するためのサーバを設ける必要がない。したがって、現在位置に応じたシームレスな無線通信方式の切替を安価に実現することができる。
【0055】
なお、通信方式選択情報109Aに含まれる複数のエントリは、例えば、ユーザによる行動範囲等を考慮して予め作成(格納)しておいてもよい。また、ユーザが、新たな場所を訪れる度に、その場所の位置に対応するエントリを逐次追加してもよい。なお、旅行先等、一度しか訪れないような場所では、通信方式選択情報109Aのエントリを作成しないようにすることもできる。すなわち、通信方式制御プログラム202が通信方式学習モードで動作しないように制御することもできる。これにより、ユーザにとって必要な場所(位置)に対応する通信方式選択情報109Aだけが作成されるので、不要なデータが増加することを防ぐことができる。
【0056】
また、通信方式格納部45は、現在の位置(通信場所)において、複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式を選択した履歴に基づいて、選択された回数が最も多い無線通信方式を現在の位置に関連付けてもよい。その場合、選択画面表示部44は、現在の位置で使用する無線通信方式が既に指定されている場合であっても、通信方式選択画面61を表示する。選択画面表示部44は、例えば、ユーザによって無線通信方式を変更するための要求があったとき、以前に無線通信方式が選択されてから所定の期間が経過したとき、現在の位置でユーザが無線通信方式を選択した回数が所定の回数未満であるとき等に、通信方式選択画面61を表示する。また、通信方式選択情報109Aの各エントリは、複数の無線通信方式のそれぞれが選択された回数を示す情報を含む。例えば、ある位置(通信場所)に対応するエントリは、その位置で無線LAN通信が選択された回数、3G通信が選択された回数等を示す情報を含む。
【0057】
通信方式選択画面61を用いて一つの無線通信方式が選択されたとき、選択画面表示部44は、現在の位置を示す位置情報と選択された無線通信方式を示す情報とを、通信方式格納部45に出力する。通信方式格納部45は、選択画面表示部44による出力を用いて、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリを更新する。具体的には、通信方式格納部45は、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリにおいて、選択された無線通信方式に対応する回数を1だけ増やす。例えば、通信方式選択画面61を用いて「無線LAN通信」が選択されたとき、通信方式格納部45は、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリにおいて、「無線LAN通信」の回数を1だけ増やす。
【0058】
次いで、通信方式格納部45は、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリにおいて、複数の無線通信方式の内の、選択された回数が最も多い無線通信方式を、現在の位置に関連付ける。具体的には、通信方式格納部45は、選択された回数が最も多い無線通信方式を当該エントリの「通信方式」に設定する。例えば、現在の位置において「3G通信」が最も多く選択されているとき(すなわち、当該エントリにおける「3G通信」の回数が、他の無線通信方式の回数よりも多いとき)、通信方式格納部45は、現在の位置に対応するエントリの「通信方式」に“3G通信”を設定する。そして、通信方式切替部43は、現在の位置に対応するエントリに基づいて、「通信方式」に設定された無線通信方式に切り替える。
【0059】
これにより、現在の位置と、ユーザが複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式を選択した履歴に基づいて、選択された回数が最も多い無線通信方式とを示すエントリを通信方式選択情報109Aに格納(追加)することができる。ユーザによる選択の履歴に基づいて、現在の位置に関連付ける無線通信方式を決定するので、ユーザの嗜好を考慮した無線通信方式で無線通信を実行することができる。
【0060】
なお、通信方式制御プログラム202は、位置に加えて高さも考慮して、無線通信方式を切り替えてもよい。その場合、HDD109には、位置と、高さと、これら位置及び高さに関連付けられた複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式を示す通信方式選択情報109Aが格納される。また、位置検出部41は、コンピュータ10の現在位置と現在の高さとを検出する。そして、検出された現在位置及び現在の高さに対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれているとき、通信方式切替部43は、そのエントリに示される無線通信方式で通信する。一方、検出された現在位置及び現在の高さに対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれていないとき、通信方式切替部43は、複数の無線通信方式から選択された一つの無線通信方式で通信する。この一つの無線通信方式は、例えば通信方式選択画面61を用いてユーザによって選択される。
【0061】
次いで、図11に示すフローチャートを参照して、コンピュータ10によって実行される通信方式切替処理の手順の例について説明する。以下では、無線通信方式として、無線LAN通信と3G通信のいずれかが用いられることを想定する。
【0062】
まず、位置検出部41は、GPSレシーバ111によって受信されるデータを用いて、コンピュータ10の現在の位置を検出する(ブロックB11)。次に、モード判定部42は、位置検出部41によって検出された現在位置に基づいて、現在位置に対応するエントリ(すなわち、現在位置に対応する通信場所のエントリ)が通信方式選択情報109Aに含まれているか否かを判定する(ブロックB12)。
【0063】
現在位置に対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれていない場合(ブロックB12のNO)、モード判定部42は、現在位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリを作成する(ブロックB13)。
【0064】
現在位置に対応するエントリが通信方式選択情報109Aに含まれている場合(ブロックB12のYES)、モード判定部42は、現在位置に対応するエントリにおいて無線通信方式が指定されているか否かを判定する(ブロックB14)。つまり、モード判定部42は、現在の位置に対して、複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式が既に関連付けられているか否かを判定する。
【0065】
現在位置に対応するエントリにおいて無線通信方式が指定されていない場合(ブロックB14のNO)、又はブロックB13において現在位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリを作成した後、選択画面表示部44と通信方式格納部45とは、通信方式選択処理を実行する(ブロックB15)。通信方式選択処理の手順については、図12に示すフローチャートを参照して後述する。
【0066】
現在位置に対応するエントリにおいて無線通信方式が指定されている場合(ブロックB14のYES)、通信方式切替部43は、現在使用されている無線通信方式が、指定されている無線通信方式と同じであるか否かを判定する(ブロックB16)。現在使用されている無線通信方式が、指定されている無線通信方式と同じである場合(ブロックB16のYES)、ブロックB11に戻る。つまり、現在使用されている無線通信方式による無線通信が継続して実行される。
【0067】
現在使用されている無線通信方式が、指定されている無線通信方式と同じでない場合(ブロックB16のNO)、通信方式切替部43は、指定されている無線通信方式が無線LANであるか否かを判定する(ブロックB17)。指定されている無線通信方式が無線LANである場合(ブロックB17のYES)、通信方式切替部43は、無線LAN通信モジュール122を用いて無線通信が実行されるように切り替える(ブロックB18)。一方、指定されている無線通信方式が無線LANでない場合(ブロックB17のNO)、通信方式切替部43は、3G通信モジュール121を用いて無線通信が実行されるように切り替える(ブロックB19)。
【0068】
また、図12に示すフローチャートは、コンピュータ10によって実行される通信方式選択処理の手順の例を示す。通信方式選択処理は、例えば、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリが作成されていないとき、又は現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリに通信方式が指定されていないときに実行される。
【0069】
まず、選択画面表示部44は、通信方式選択画面61をLCD17の画面に表示する(ブロックB21)。ユーザは、表示された通信方式選択画面61を用いて、複数の無線通信方式を示す複数の項目から、現在の場所で使用する無線通信方式に対応する項目を選択する。
【0070】
次いで、選択画面表示部44は、通信方式選択画面61を用いて「無線LAN通信」が選択されたか否かを判定する(ブロックB22)。「無線LAN通信」が選択されている場合(ブロックB22のYES)、選択画面表示部44はアクセスポイント選択画面62を表示する(ブロックB23)。アクセスポイント選択画面62には、接続可能なアクセスポイント(例えば、SSID)のリストが示される。ユーザは、表示されたアクセスポイント選択画面62を用いて、現在の場所で接続するアクセスポイントを選択する。
【0071】
通信方式切替部43は、無線LAN通信モジュール122を用いて無線通信が実行されるように切り替える(ブロックB24)。そして、通信方式切替部43は、アクセスポイント選択画面62を用いて選択されたアクセスポイントとの接続を確立する(ブロックB25)。次いで、通信方式格納部45は、現在の位置(通信場所)に対応する通信方式選択情報109Aのエントリに、「無線LAN通信」を設定する(ブロックB26)。
【0072】
また、「無線LAN通信」が選択されていない場合(ブロックB22のNO)、すなわち「3G通信」が選択されている場合、通信方式切替部43は、3G通信モジュール121を用いて無線通信が実行されるように切り替える(ブロックB27)。そして、通信方式格納部45は、現在の位置に対応する通信方式選択情報109Aのエントリに、「3G通信」を設定する(ブロックB28)。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、利用する場所に適した無線通信方式で通信を行うことができる。通信方式制御プログラム202は、例えば、コンピュータ10の現在位置を示す位置情報とHDD109に格納された通信方式選択情報109Aとを用いて、現在位置に関連付けられた無線通信方式で通信が行われるように、無線通信モジュールを制御する。また、通信方式制御プログラム202は、現在位置に対応する通信方式選択情報109AがHDD109内に格納されていないとき、複数の無線通信方式から選択された一つの無線通信方式で通信が行われるように、無線通信モジュールを制御する。そして、現在位置と選択された一つの無線通信方式とを含む通信方式選択情報109AがHDD109に新たに格納される。これにより、一度、無線通信方式を学習した位置では、ユーザによる選択(嗜好)に合わせた無線通信方式にシームレスに切り替えることができる。
【0074】
なお、本実施形態の通信方式切替処理及び通信方式選択処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、通信方式切替処理及び通信方式選択処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
109…HDD、109A…通信方式選択情報、111…GPSレシーバ、121…3G通信モジュール、122…無線LAN通信モジュール、202…通信方式制御プログラム、41…位置検出部、42…モード判定部、43…通信方式切替部、44…選択画面表示部、45…通信方式格納部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
異なる複数の無線通信方式で無線通信するように構成された無線通信部と、
複数の位置と、前記複数の位置のそれぞれに関連付けられた前記複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式とを示す複数の通信方式選択情報を生成する選択情報生成手段と、
前記電子機器の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれているとき、前記現在位置に対応する通信方式選択情報によって示される無線通信方式を選択し、前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれていないとき、前記複数の無線通信方式からユーザによって選択された一つの無線通信方式を選択する選択手段とを具備し、
前記選択情報生成手段は、前記現在位置と前記ユーザによって選択された一つの無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を前記複数の通信方式選択情報に追加する電子機器。
【請求項2】
前記現在位置に対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれていないとき、前記複数の無線通信方式を示す複数の項目を含む選択画面を表示する選択画面表示手段をさらに具備し、
前記選択情報生成手段は、ユーザが前記複数の項目の内の一つの項目を選択したとき、前記現在位置と前記選択された一つの項目に対応する無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を前記複数の通信方式選択情報に追加する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記選択情報生成手段は、前記現在位置と、前記ユーザが前記複数の項目の内の一つの項目を選択した履歴に基づいて選択された回数が最も多い項目に対応する無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を前記複数の通信方式選択情報に追加する請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記選択情報生成手段は、複数の位置及び高さと、前記複数の位置及び高さのそれぞれに関連付けられた前記複数の無線通信方式の内の一つの無線通信方式とを示す複数の通信方式選択情報を生成し、
前記位置検出手段は、前記電子機器の現在位置及び現在の高さを検出し、
前記選択手段は、前記現在位置及び現在の高さに対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれているとき、前記現在位置及び現在の高さに対応する通信方式選択情報によって示される無線通信方式を選択し、前記現在位置及び現在の高さに対応する通信方式選択情報が前記複数の通信方式選択情報に含まれていないとき、前記複数の無線通信方式からユーザによって選択された一つの無線通信方式を選択し、
前記選択情報生成手段は、前記現在位置及び現在の高さと、前記ユーザによって選択された一つの無線通信方式とを示す新たな通信方式選択情報を前記複数の通信方式選択情報に追加する請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の無線通信方式は、IEEE 802.11規格に基づく通信方式と移動通信方式とを含む請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記複数の無線通信方式は、IEEE 802.16e規格に基づく通信方式をさらに含む請求項5記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−134843(P2012−134843A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286280(P2010−286280)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】