電子機器
【課題】 タンパ検出スイッチを用いた正確なタンパ検出を可能とすること。
【解決手段】 一実施形態における電子機器は、螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、導電性材料にて形成され、上記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材とを備えている。そして、上記接点部材及び導電部材を、上記各接点と上記導電部材を対向させた状態で上記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で上記螺子によって上記第1及び第2部材、上記接点部材、上記導電部材を共締めして固定し、上記各接点と上記導電部材とを接触させている。
【解決手段】 一実施形態における電子機器は、螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、導電性材料にて形成され、上記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材とを備えている。そして、上記接点部材及び導電部材を、上記各接点と上記導電部材を対向させた状態で上記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で上記螺子によって上記第1及び第2部材、上記接点部材、上記導電部材を共締めして固定し、上記各接点と上記導電部材とを接触させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接点間の導通または非導通を検出するスイッチを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、悪意のある者が各種機器の筐体を開放したり、筐体内部のパーツを盗んだりする行為(タンパ)を検出する機構として、メカニカルなタンパ検出スイッチを含むものが知られている。
【0003】
上記メカニカルなタンパ検出スイッチとしては、例えば一対の接点と、これら接点に対して離接する導電部材とを有し、機器の筐体が閉じられたときや機器のパーツが正常に取り付けられたときに上記導電部材が上記各接点を導通させるようにしたものがある。このようなタンパ検出スイッチにおいては、上記各接点の導通または非導通を検出することで、筐体の開放やパーツの取り外しが検出可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−337753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなタンパ検出スイッチにおいては、機器の筐体やそのタンパ検出スイッチを構成する各部が輸送時等の振動や経時劣化により変形したり、上記導電部材を各接点に付勢する弾性部材の弾性特性が劣化したりして、タンパの検出精度が低下するとの問題がある。
【0006】
すなわちタンパ検出スイッチが、筐体が開放されたりパーツが取り外されたにも関わらずタンパを検出しない場合や、筐体が閉じられていたりパーツが正常に取り付けられているにも関わらずタンパを検出してしまう場合がある。
【0007】
このような事情から、上記のようなメカニカルなタンパ検出スイッチを用いる場合において、正確なタンパ検出を可能とするための手段を講じる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、一実施形態における電子機器は、螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、導電性材料にて形成され、上記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材と、を備え、上記接点部材及び導電部材を、上記各接点と上記導電部材を対向させた状態で上記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で上記螺子によって上記第1及び第2部材、上記接点部材、上記導電部材を共締めして固定し、上記各接点と上記導電部材とを接触させたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態における筐体およびその内部構造を示す模式図。
【図2】図1に示したPCBをカード決済端末の上方から見た模式図。
【図3】図1に示したPCBをカード決済端末の下方から見た模式図。
【図4】第1の実施形態における接点部の接触面を示す模式図。
【図5】同実施形態における弾性部材を示す図。
【図6】同実施形態における導電部材を示す図。
【図7】同実施形態におけるスペーサを示す図。
【図8】同実施形態における各部材の固定方法を説明するための図。
【図9】第1の実施形態におけるスイッチユニットの回路構成を示すブロック図。
【図10】第2の実施形態における下側筐体の一部を示す図。
【図11】同実施形態における上側筐体の一部を示す図。
【図12】同実施形態における各部材の固定方法を説明するための図。
【図13】変形例における接点部を示す図。
【図14】変形例における各接点部の配置状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態においては、クレジットカード等のカードを読み取ってPIN(Personal Identification Number)情報を入力し、このPIN情報を用いて商品やサービスの代金をカード決済するカード決済端末を例示する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるカード決済端末の筐体およびその内部構造を示す模式図である。
【0012】
このカード決済端末1の筐体は、下側筐体2と、上側筐体3とを含んでいる。
各筐体2,3には、絶縁性の樹脂を含浸した基材に銅箔等の導電性材料を焼き付けて回路配線を形成したPCB(プリント基板)4と、複数の接触導電部20と、1つの接触導電部30が内蔵されている。
このPCB4には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成されるメモリ、およびチップセット等の各種オンボードデバイスが実装されている。
【0013】
また、各筐体2,3には、テンキー等の操作キーを有する入力部、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部、クレジットカード等のカードからPIN情報を読み取るためのカードリーダ、外部と通信するための通信部およびカード決済端末1の各部に動作電源を供給する電源回路等のデバイスが内蔵されている。
【0014】
上記メモリには、商品やサービスの代金をカード決済するためのプログラム、上記カードリーダによって読み取られたPIN情報、およびこのPIN情報を暗号化するための暗号鍵等が記憶されている。上記CPUは、このメモリに記憶されたプログラムを実行してカード決済処理を実行する。
【0015】
上側筐体3は、上記入力部や表示部等の形状に対応する複数の開口部を有している。この上側筐体3を下側筐体2に取り付けると、上記複数の開口部から上記入力部が有する操作キーのキートップや上記表示部の表示画面等が露出する。
【0016】
図2は、図1に示したPCB4をカード決済端末1の上方から見た模式図であり、図3は、図1に示したPCB4をカード決済端末1の下方から見た模式図ある。なお、PCB4に実装される各種オンボードデバイスは、図示を省略している。
本実施形態におけるPCB4は矩形形状であり、その4隅および中心に円形の接点部10が設けられている。さらに4隅の各接点部10の中心には、当該PCB4を各筐体2,3に取り付けるための貫通孔4aが設けられている。各貫通孔4aは、後述の固定ネジ40(図8参照)を挿通可能で、かつ当該固定ネジ40のフランジの座面形よりも小さい径に形成されている。
【0017】
上記各接触導電部20は、4隅に設けられた各接点部10に対して1つずつ設けられている。各接点部10とこれに対応する接触導電部20、および、PCB4の中心に設けられた接点部10と上記接触導電部30は、それぞれタンパ検出スイッチを構成する。
【0018】
接点部10について説明する。
図4は、接点部10の接触導電部20との接触面を示す模式図である。
図示したように、接点部10は、第1接点11、第2接点12、第3接点13、および絶縁層14によって構成されている。
【0019】
各接点11〜13は、PCB4上に銅箔等の導電性材料を焼き付けたものである。すなわち、各接点11〜13の表面は平面であり、また、それぞれの表面はいずれも同一面上に位置する。
【0020】
絶縁層14は、PCB4上に導電体が焼き付けられていない部分であり、各接点11〜13の境界に介在する。
【0021】
第1接点11、第2接点12、およびこれら接点11,12の境界に介在する絶縁層14は、直径がR1の円形状を成す。図4に示したP点は、この円形状の中心を示している。第3接点13は、上記P点を中心とし、第1接点11および第2接点12を囲うリング状を成す。
【0022】
図4に示す接点部10は、少なくとも以下の条件を満たすように設計されている。
(1)第1接点11および第2接点12の境界の一部または全てを、絶縁層14を挟んで第1接点11および第2接点12が互いに相補する非直線状とする。
(2)第1接点11および第2接点12の境界を、点Pに対して点対称の形状とする。
(3)第1接点11および第2接点12の面積を略同一とする。
また、絶縁層14は、全体的に同一幅で形成されているが、点P近傍においては貫通孔4aを囲うようにその幅が広げられている。図4の例では、第1接点11の一部を特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させて、上記(1)〜(3)の各条件を満たす形状を実現している。このような形状であれば、第1接点11と第2接点12がP点を中心とした直径R2の円内で適度に分散する。
【0023】
続いて、接触導電部20について図5〜図7を用いて説明する。
接触導電部20は、弾性部材21と、導電部材22と、スペーサ23とで構成されている。
弾性部材21は、図5に示すように絶縁性のゴムを外径R2、高さH1(自然長)の円筒形状に加工したものであり、中心部にPCB4の貫通孔4aと同径の貫通孔21aが設けられている。
【0024】
導電部材22は、図6に示すように各種金属等の導電性材料を外径R2、高さH2の円筒状に加工したものであり、中心部にPCB4の貫通孔4aと同径の貫通孔22aが設けられている。
【0025】
ここで、導電部材22の外径R2は、上記直径R1よりも小さい値に設定されている(R2<R1)。具体的には、導電部材22の上面および底面の面積が、第1接点11と各接点11,12の境界に介在する絶縁層14とを合わせた面積、および、第2接点12と各接点11,12の境界に介在する絶縁層14とを合わせた面積の双方より大きく、かつ第1接点11、第2接点12およびこれら接点11,12の境界に介在する絶縁層14を合わせた面積よりも小さくなるように、外径R2の値が設定されている。
【0026】
スペーサ23は、図7に示すようにプラスチック等の絶縁性材料を内径R2、高さH3の中空円筒状に加工したものである。スペーサ23の高さH3は、弾性部材21の高さH1と導電部材22の高さH2との和よりも若干小さい値に設定されている(H3<H1+H2)。
【0027】
次に、PCB4、各接触導電部20,30、および各筐体2,3の固定方法について説明する。
図8は、図3に示したPCB4のA−A断面、その位置に設けられた接点部10に対応する接触導電部20の断面、および、各筐体2,3の断面の一部を概略的に示す模式図である。
【0028】
PCB4、各接触導電部20、および各筐体2,3は、その先端付近に所定ピッチの雄ネジが設けられたフランジ付き固定ネジ40によって固定される。
【0029】
下側筐体2の所定位置には、固定ネジ40を挿通可能な貫通孔2aが設けられている。また、上側筐体3の所定位置には、固定ネジ40の先端に設けられたネジ山と螺合するネジ穴3aが設けられている。
【0030】
各筐体2,3を閉じる際には、先ず弾性部材21および導電部材22をスペーサ23の中に収納し、これら各部およびPCB4を導電部材22と接点部10を対向させた状態で各筐体2,3の間に挟み込み、下側筐体2、PCB4、弾性部材21、および導電部材22の各貫通孔2a,4a,21a,22aの位置と、上側筐体3のネジ穴3aの位置とを合わせる。そして、固定ネジ40を下側筐体2の外側から挿入し、固定ネジ40を上側筐体3のネジ穴3aに螺入する
固定ネジ40をネジ穴3aに螺入していくと、やがてスペーサ23が下側筐体2およびPCB4の双方に接触し、それ以上固定ネジ40を螺入できなくなる。この状態においては、上記H1〜H3の関係により弾性部材21が自然長より若干縮み、その変形量と弾性部材21のバネ定数とに応じた反発力が発生する。この反発力により導電部材22が接点部10に対して付勢され、導電部材22の一面と接点部10とが密着する。すなわち、導電部材22が第1接点11および第2接点12の双方に接触し、これら接点11,12間が導通する。
なお、ネジ穴3aは、スペーサ23が下側筐体2およびPCB4の双方に接触した場合であっても、その底部が固定ネジ40の先端と接触しない程度に十分深く形成されている。
PCB4の各隅に設けられた他の接点部10とそれらに対応する接触導電部20に関しても、図8を用いて説明したものと同様の構造および方法にて固定される。
【0031】
また、接触導電部30は、各接触導電部20と同じく弾性部材21や導電部材22を備えている。但し、弾性部材21および導電部材22は、貫通孔21a,22aを有していなくてもよい。さらに、接触導電部30は、スペーサ23を有していなくてもよい。このような構成の接触導電部30は、下側筐体2に対してネジ止めや接着材を用いた接着によって予め固定されている。そして、筐体2,3が各位置において固定ネジ40を用いて閉じられると、接触導電部30の導電部材22と、PCB4の中心に設けられた接点部10の第1接点11および第2接点12が接触し、これら接点11,12が導通する。
【0032】
次に、タンパ検出スイッチを含むスイッチユニットの制御回路について説明する。
図9は、スイッチユニットの回路構成を示すブロック図である。
図示した回路は、カード決済端末1に設けられたいずれか1つのタンパ検出スイッチを含むものであり、そのタンパ検出スイッチの各接点11〜13および導電部材22、検出部51、制御部52、セキュリティ処理部53を含んでいる。カード決済端末1に設けられた他のタンパ検出スイッチに関しても、同様の回路構成にて使用される。
【0033】
検出部51、制御部52、およびセキュリティ処理部53は、例えばPCB4に実装されたオンボードデバイスによって実現され、カード決済端末1が備えるバッテリからの電源供給を受けて動作する。なお、これら各部51〜53は、カード決済端末1が起動されていないときにおいてもその動作を停止しない。
【0034】
検出部51は、各接点11〜13と電気的に接続されている。導電部材22が各接点11〜13のいずれか2つまたは全てに同時に接触すると、当該接触した接点間が導通する。第1接点11および第2接点12が導通しているときと、導通していないときとでは、これら接点11,12および検出部51を含む回路に異なる値の電圧が発生する。また、第1接点11および第2接点12のいずれか一方または双方と、第3接点13とが導通すると、当該導通した接点および検出部51を含む回路が短絡(ショート)する。この場合においても当該導通した接点および検出部51を含む回路に、第1接点11および第2接点12が導通しているときと異なる値の電圧が発生する。
【0035】
検出部51は、このように生じる電圧値の変化に基づき、各接点11〜13の導通または非導通を検出する。第1接点11と第2接点12との非導通を検出したとき、および、第1接点11または第2接点12の少なくとも一方と第3接点13との導通を検出したとき、検出部51は、タンパ検出を知らせる信号を制御部52に出力する。
【0036】
制御部52は、検出部51からタンパ検出を知らせる信号を受信すると、セキュリティ処理部53に動作信号を出力する。
【0037】
セキュリティ処理部53は、制御部32から動作信号を受信したことに応じて、例えばPCB4に実装されたメモリのデータを消去するなどの所定の処理を実行する。なお、セキュリティ処理部53が実行する処理は、カード決済端末1が備えるスピーカからビープ音を発生させる等して警報する処理であってもよい。この場合、例えばカード決済端末1が有するバッテリに蓄えられた電力が尽きるまで、あるいは所定の解除処理が行われるまで警報を継続させてもよいし、所定時間が経過したときに警報を停止させてもよい。
【0038】
なお、制御部52やセキュリティ処理部53は、他のタンパ検出スイッチを含む回路と共用されるものであってもよい。
【0039】
次に、本実施形態の一作用について説明する。
カード決済端末1の輸送時等の振動や経時劣化により筐体2,3やタンパ検出スイッチを構成する各部が変形したり、弾性部材21の弾性特性が劣化したりすると、筐体2,3が正常に閉じられているにも関わらず導電部材22と接点部10との位置がずれたり、導電部材22が接点部10に対して傾いて接触することがある。このような場合、筐体2,3が正常に閉じられているのにスイッチユニットがタンパを検出したり、筐体2,3が若干開けられたにも関わらずスイッチユニットがタンパを検出しなかったりする虞がある。
【0040】
しかしながら、本実施形態においては、各接点部10が設けられたPCB4と、これらに対応する各接触導電部20とが筐体2,3を固定する固定ネジ40によって共締めされている。そのため、上記のように各部の変形等が生じた場合であっても、各接点部10とこれらに対応する接触導電部20の位置関係がずれにくいので、タンパの検出精度を良好に保つことができる。
【0041】
また、弾性部材21によって導電部材22を対応する接点部10に向けて付勢する構成としたので、固定ネジ40を用いて共締めした際に各接点部10と導電部材22とが面着し易くなる。さらに、スペーサ23によって弾性部材21の変形量を規制する構成としたので、各接触導電部20の弾性部材21がそれぞれ対応する接点部10に対して導電部材22を付勢する力を一定に保つことができる。
【0042】
また、図4に例示したように、第1接点11および第2接点12を、P点を中心とした直径R2の円内で分散させている。このようにすれば、導電部材22が接点部10に片当たりしたことに起因してそれらの接触面積が小さくなった場合であっても、導電部材22が各接点11,12の双方と接触し易くなる。
【0043】
また、第1接点11および第2接点12が上記円内で分散したことにより、導電部材22が接点部10に対してどの方向に傾いた場合であっても、片当たりする部分が各接点11,12の双方に接触し易くなる。したがって、接点部10の方向依存性を低下させることができる。なお、ここでの方向依存性は、導電部材22が接点部10に片当たりした場合において、導電部材22の傾く向きにより導電部材22と各接点11,12とが接触しない状態となり得る程度を指す。
上記方向依存性は、図4に例示したものよりもさらに各接点11,12を分散させることで、より低下させることができる。好ましくは、点Pを中心とした直径R1の円内のどの位置に導電部材22が接触した場合であっても、導電部材22および第1接点11の接触面積と、導電部材22および第2接点12の接触面積とが略同一になる程度に各接点11,12を分散させる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態にて説明したスペーサ23の機能を筐体2,3の一部にて実現する点で、第1の実施形態と異なる。
第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0045】
本実施形態におけるカード決済端末1の下側筐体2には、図10に示す突出部60が設けられている。突出部60は、下側筐体2と一体形成されたものであり、貫通孔2aと同心円の内径R3、高さH4の中空円筒状を成す。
【0046】
ここで、内径R3は、弾性部材21および導電部材22の外形R2よりも大きい値に設定されている(R3>R2)。また、高さH4は、弾性部材21の高さH1と導電部材22の高さH2との和よりも若干小さい値に設定されている(H4<H1+H2)。
【0047】
また、本実施形態における上側筐体3には、図11に示す突出部61,62が設けられている。突出部61,62は、上側筐体3と一体形成されたものである。突出部61は、その上面にネジ穴3aが設けられた円筒状を成す。突出部62は、突出部61を囲うように設けられ、突出部61と同一高さでネジ穴3aと同心円である内径R3の中空円筒状を成す。
【0048】
次に、本実施形態におけるPCB4、各接触導電部20、および各筐体2,3の固定方法について説明する。
図12は、図3に示したPCB4のA−A断面、その位置に設けられた接点部10に対応する接触導電部20、および、各筐体2,3の各突出部60〜62の断面とを概略的に示す模式図である。
【0049】
各筐体2,3を閉じる際には、先ず弾性部材21を下側筐体2の突出部60中に収納し、さらにその上から導電部材22を収納する。次に、突出部60内の導電部材22と接点部10とが対向するようにしてPCB4を各筐体2,3の間に挟み込み、下側筐体2、PCB4、弾性部材21、および導電部材22の各貫通孔2a,4a,21a,22aの位置と、上側筐体3のネジ穴3aの位置とを合わせる。そして、固定ネジ40を下側筐体2の外側から挿入し、固定ネジ40を上側筐体3のネジ穴3aに螺入する。
【0050】
固定ネジ40をネジ穴3aに螺入していくと、やがて突出部60がPCB4に接触し、それ以上固定ネジ40を螺入できなくなる。この状態においては、上記H1,H2,H4の関係により弾性部材21が自然長より若干縮み、その変形量と弾性部材21のバネ定数とに応じた反発力が発生する。この反発力により導電部材22が接点部10に対して付勢され、導電部材22の一面と接点部10とが密着する。すなわち、導電部材22が第1接点11および第2接点12の双方に接触し、これら接点11,12間が導通する。
なお、ネジ穴3aは、突出部61がPCB4に接触した場合であっても、その底部が固定ネジ40の先端と接触しない程度に十分深く形成されている。
また、突出部60とPCB4とが接触するまで固定ネジ40を螺入すると、PCB4が下側筐体2の突出部60と、上側筐体3の突出部61,62とによって狭持される状態となる。したがって、PCB4がより堅固に固定されるとともに、突出部60による押圧でPCB4が変形するような事態が防止される。
【0051】
PCB4の各隅に設けられた他の接点部10とそれらに対応する接触導電部20に関しても、図12を用いて説明したものと同様の構造および方法にて固定される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態においては、下側筐体2の一部に突出部60を設け、この突出部60に弾性部材21の変形量を規制するスペーサの役割を担わせた。このようにすれば別途にスペーサを用意する場合に比べて部品数を削減できるとともに組み立て工程を簡略化でき、カード決済端末1の製造コストが低減される。
【0053】
なお、第1の実施形態と同様の効果を奏することはいうまでもない。
【0054】
(変形例)
上記各実施形態にて開示した構成は、種々変形実施可能である。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0055】
上記各実施形態では、電子機器の一例としてカード決済端末1を例示した。しかしながら、カード決済端末1が備えるとしたタンパ検出に関する構成を、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、商品やサービスの代金の精算に用いられるPOS(Point Of Sales)端末あるいはECR(Electric Cash Register)、プリンタ等の他の機器に適用してもよい。
【0056】
上記各実施形態では、CPUやチップセット等が実装されるPCB4上に導電性材料を焼き付けて接点部10の各接点11〜13を形成するとした。しかしながら、PCB4とは独立して設けられた絶縁性部材に導電性材料を焼き付けて各接点11〜13を形成してもよい。また、導電性材料を切削加工したり鋳造したりすることによって各接点11〜13を製作し、それらを組み合わせて接点部10を構成してもよい。この場合には、各接点11〜13を離間して配置することで絶縁層14を実現してもよいし、絶縁性材料にて各接点11〜13間を埋めて絶縁層14を実現してもよい。
【0057】
上記各実施形態では、下側筐体2側に導電部材22を配置し、上側筐体3側に接点部10が設けられたPCB4を配置するとした。しかしながら、下側筐体2側にPCB4を配置し、上側筐体3側に導電部材22を配置して固定ネジ40で共締めしてもよい。
また、PCB4が導電部材22に向けて付勢されるように弾性部材21を共締めしてもよい。すなわち、例えば第1の実施形態の構成において、PCB4と上側筐体3との間に弾性部材21およびスペーサ23を介在させる。この場合、弾性部材21やスペーサ23の高さ等は、PCB4が導電部材22に対して適度に付勢されるように調整すればよい。
【0058】
第1の実施形態では、スペーサ23とPCB4とを接触させて弾性部材21の変形量を規制するとした。しかしながら、固定ネジ40が所定量だけネジ穴3aに螺入されたときにスペーサ23が下側筐体2またはこれに連接する他の部材のいずれか、および、上側筐体3またはこれに連接する他の部材のいずれかの双方に接触する構成とし、これにより弾性部材21の変形量を規制してもよい。
また、第2の実施形態では、下側筐体2に設けられた突出部60とPCB4とを接触させて弾性部材21の変形量を規制するとした。しかしながら、固定ネジ40が所定量だけネジ穴3aに螺入されたときに突出部60が上側筐体3またはこれに連接する他の部材のいずれかに接触する構成とし、これにより弾性部材21の変形量を規制してもよい。
【0059】
また、上記各実施形態では、タンパ検出スイッチにより筐体2,3の開放を検出する構成を例示した。しかしながら、筐体2,3の開放ではなく、筐体2,3の内外に設けられた各種部材またはデバイスの取り外しを検出するようにタンパ検出スイッチを設けてもよい。このような構成は、上記各実施形態にて説明した弾性部材21、導電部材22、スペーサ23、および接点部10に適宜変形を加え、ネジ止めによって固定される部材やデバイス間に介在させることで実現可能である。
【0060】
上記各実施形態では、接点部10が図4に示した形状であるとした。しかしながら、接点部10の形状は図4に示したものに限られない。接点部10の変形例を図13に示す。図示した各接点部10a〜10dは、いずれも上記(1)〜(3)の条件を満たすものである。接点部10aは、第1接点11の一部を特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。また、接点部10bは、第1接点11の一部を点Pに向けて反時計回りに渦を巻く形状とし、この形状を補うように第2接点12の一部を点Pに向けて反時計回りに渦を巻く形状としている。接点部10cは、第1接点11の一部を接点部10aと同じく特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、さらにこの波形状を種々の方向に向けて蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。接点部10dは、第1接点11の一部を、点Pを中心とした放射状に山部分および谷部分が交互に繰り返すよう蛇行させ、この形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。
ここに例示したもの以外にも、第1接点11および第2接点13がより2次元的に混在した形状とすることで、接点部10の方向依存性をより低減することが可能である。
【0061】
また、1つの電子機器に設ける複数の接点部10の形状を、それぞれ異なるものにしてもよいし、同一の形状のものを採用し、その配置位置に応じて回転させてもよい。同一形状の接点部10をその配置位置に応じて回転させた例を図14に示す。
図示した各接点部10e,10f,10g,10hは、この順で図3のPCB4の左上、右上、左下、右下に設けられる接点部10の形状を表している。なお、各接点部10a〜10dは、図13の接点部10aと同一形状である。但し、各接点部10a〜10dの形状としては、図5〜図7に示した形状や、他の形状を用いてもよい。接点部10eを回転角0度の状態とすると、接点部10fは時計回りに45度、接点部10gは時計回りに90度、接点部10hは時計回りに135度傾いている。但し、例えば接点部10e,10hを回転角0度の状態とし、接点部10f,10gを90度傾ける等、各接点部10e〜10hの一部を他の部分に対して所定角度だけ回転して配置してもよい。
このようにカード決済端末1に設ける各接点部10をその配置位置によって回転させるか、その形状を異ならせれば、各接点部10と接触導電部20の位置関係が同様にずれたとしても、全てのスイッチユニットの検出精度が同時に劣化するような事態を防止できる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…カード決済端末、2…下側筐体、3…上側筐体、4…PCB、4a…貫通孔、10…接点部、20…接触導電部、21…弾性部材、21a…貫通孔、22…導電部材、23…スペーサ、40…固定ネジ、2a,21a,22a…貫通孔、3a…ネジ穴
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接点間の導通または非導通を検出するスイッチを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、悪意のある者が各種機器の筐体を開放したり、筐体内部のパーツを盗んだりする行為(タンパ)を検出する機構として、メカニカルなタンパ検出スイッチを含むものが知られている。
【0003】
上記メカニカルなタンパ検出スイッチとしては、例えば一対の接点と、これら接点に対して離接する導電部材とを有し、機器の筐体が閉じられたときや機器のパーツが正常に取り付けられたときに上記導電部材が上記各接点を導通させるようにしたものがある。このようなタンパ検出スイッチにおいては、上記各接点の導通または非導通を検出することで、筐体の開放やパーツの取り外しが検出可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−337753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなタンパ検出スイッチにおいては、機器の筐体やそのタンパ検出スイッチを構成する各部が輸送時等の振動や経時劣化により変形したり、上記導電部材を各接点に付勢する弾性部材の弾性特性が劣化したりして、タンパの検出精度が低下するとの問題がある。
【0006】
すなわちタンパ検出スイッチが、筐体が開放されたりパーツが取り外されたにも関わらずタンパを検出しない場合や、筐体が閉じられていたりパーツが正常に取り付けられているにも関わらずタンパを検出してしまう場合がある。
【0007】
このような事情から、上記のようなメカニカルなタンパ検出スイッチを用いる場合において、正確なタンパ検出を可能とするための手段を講じる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、一実施形態における電子機器は、螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、導電性材料にて形成され、上記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材と、を備え、上記接点部材及び導電部材を、上記各接点と上記導電部材を対向させた状態で上記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で上記螺子によって上記第1及び第2部材、上記接点部材、上記導電部材を共締めして固定し、上記各接点と上記導電部材とを接触させたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態における筐体およびその内部構造を示す模式図。
【図2】図1に示したPCBをカード決済端末の上方から見た模式図。
【図3】図1に示したPCBをカード決済端末の下方から見た模式図。
【図4】第1の実施形態における接点部の接触面を示す模式図。
【図5】同実施形態における弾性部材を示す図。
【図6】同実施形態における導電部材を示す図。
【図7】同実施形態におけるスペーサを示す図。
【図8】同実施形態における各部材の固定方法を説明するための図。
【図9】第1の実施形態におけるスイッチユニットの回路構成を示すブロック図。
【図10】第2の実施形態における下側筐体の一部を示す図。
【図11】同実施形態における上側筐体の一部を示す図。
【図12】同実施形態における各部材の固定方法を説明するための図。
【図13】変形例における接点部を示す図。
【図14】変形例における各接点部の配置状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態においては、クレジットカード等のカードを読み取ってPIN(Personal Identification Number)情報を入力し、このPIN情報を用いて商品やサービスの代金をカード決済するカード決済端末を例示する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるカード決済端末の筐体およびその内部構造を示す模式図である。
【0012】
このカード決済端末1の筐体は、下側筐体2と、上側筐体3とを含んでいる。
各筐体2,3には、絶縁性の樹脂を含浸した基材に銅箔等の導電性材料を焼き付けて回路配線を形成したPCB(プリント基板)4と、複数の接触導電部20と、1つの接触導電部30が内蔵されている。
このPCB4には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成されるメモリ、およびチップセット等の各種オンボードデバイスが実装されている。
【0013】
また、各筐体2,3には、テンキー等の操作キーを有する入力部、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部、クレジットカード等のカードからPIN情報を読み取るためのカードリーダ、外部と通信するための通信部およびカード決済端末1の各部に動作電源を供給する電源回路等のデバイスが内蔵されている。
【0014】
上記メモリには、商品やサービスの代金をカード決済するためのプログラム、上記カードリーダによって読み取られたPIN情報、およびこのPIN情報を暗号化するための暗号鍵等が記憶されている。上記CPUは、このメモリに記憶されたプログラムを実行してカード決済処理を実行する。
【0015】
上側筐体3は、上記入力部や表示部等の形状に対応する複数の開口部を有している。この上側筐体3を下側筐体2に取り付けると、上記複数の開口部から上記入力部が有する操作キーのキートップや上記表示部の表示画面等が露出する。
【0016】
図2は、図1に示したPCB4をカード決済端末1の上方から見た模式図であり、図3は、図1に示したPCB4をカード決済端末1の下方から見た模式図ある。なお、PCB4に実装される各種オンボードデバイスは、図示を省略している。
本実施形態におけるPCB4は矩形形状であり、その4隅および中心に円形の接点部10が設けられている。さらに4隅の各接点部10の中心には、当該PCB4を各筐体2,3に取り付けるための貫通孔4aが設けられている。各貫通孔4aは、後述の固定ネジ40(図8参照)を挿通可能で、かつ当該固定ネジ40のフランジの座面形よりも小さい径に形成されている。
【0017】
上記各接触導電部20は、4隅に設けられた各接点部10に対して1つずつ設けられている。各接点部10とこれに対応する接触導電部20、および、PCB4の中心に設けられた接点部10と上記接触導電部30は、それぞれタンパ検出スイッチを構成する。
【0018】
接点部10について説明する。
図4は、接点部10の接触導電部20との接触面を示す模式図である。
図示したように、接点部10は、第1接点11、第2接点12、第3接点13、および絶縁層14によって構成されている。
【0019】
各接点11〜13は、PCB4上に銅箔等の導電性材料を焼き付けたものである。すなわち、各接点11〜13の表面は平面であり、また、それぞれの表面はいずれも同一面上に位置する。
【0020】
絶縁層14は、PCB4上に導電体が焼き付けられていない部分であり、各接点11〜13の境界に介在する。
【0021】
第1接点11、第2接点12、およびこれら接点11,12の境界に介在する絶縁層14は、直径がR1の円形状を成す。図4に示したP点は、この円形状の中心を示している。第3接点13は、上記P点を中心とし、第1接点11および第2接点12を囲うリング状を成す。
【0022】
図4に示す接点部10は、少なくとも以下の条件を満たすように設計されている。
(1)第1接点11および第2接点12の境界の一部または全てを、絶縁層14を挟んで第1接点11および第2接点12が互いに相補する非直線状とする。
(2)第1接点11および第2接点12の境界を、点Pに対して点対称の形状とする。
(3)第1接点11および第2接点12の面積を略同一とする。
また、絶縁層14は、全体的に同一幅で形成されているが、点P近傍においては貫通孔4aを囲うようにその幅が広げられている。図4の例では、第1接点11の一部を特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させて、上記(1)〜(3)の各条件を満たす形状を実現している。このような形状であれば、第1接点11と第2接点12がP点を中心とした直径R2の円内で適度に分散する。
【0023】
続いて、接触導電部20について図5〜図7を用いて説明する。
接触導電部20は、弾性部材21と、導電部材22と、スペーサ23とで構成されている。
弾性部材21は、図5に示すように絶縁性のゴムを外径R2、高さH1(自然長)の円筒形状に加工したものであり、中心部にPCB4の貫通孔4aと同径の貫通孔21aが設けられている。
【0024】
導電部材22は、図6に示すように各種金属等の導電性材料を外径R2、高さH2の円筒状に加工したものであり、中心部にPCB4の貫通孔4aと同径の貫通孔22aが設けられている。
【0025】
ここで、導電部材22の外径R2は、上記直径R1よりも小さい値に設定されている(R2<R1)。具体的には、導電部材22の上面および底面の面積が、第1接点11と各接点11,12の境界に介在する絶縁層14とを合わせた面積、および、第2接点12と各接点11,12の境界に介在する絶縁層14とを合わせた面積の双方より大きく、かつ第1接点11、第2接点12およびこれら接点11,12の境界に介在する絶縁層14を合わせた面積よりも小さくなるように、外径R2の値が設定されている。
【0026】
スペーサ23は、図7に示すようにプラスチック等の絶縁性材料を内径R2、高さH3の中空円筒状に加工したものである。スペーサ23の高さH3は、弾性部材21の高さH1と導電部材22の高さH2との和よりも若干小さい値に設定されている(H3<H1+H2)。
【0027】
次に、PCB4、各接触導電部20,30、および各筐体2,3の固定方法について説明する。
図8は、図3に示したPCB4のA−A断面、その位置に設けられた接点部10に対応する接触導電部20の断面、および、各筐体2,3の断面の一部を概略的に示す模式図である。
【0028】
PCB4、各接触導電部20、および各筐体2,3は、その先端付近に所定ピッチの雄ネジが設けられたフランジ付き固定ネジ40によって固定される。
【0029】
下側筐体2の所定位置には、固定ネジ40を挿通可能な貫通孔2aが設けられている。また、上側筐体3の所定位置には、固定ネジ40の先端に設けられたネジ山と螺合するネジ穴3aが設けられている。
【0030】
各筐体2,3を閉じる際には、先ず弾性部材21および導電部材22をスペーサ23の中に収納し、これら各部およびPCB4を導電部材22と接点部10を対向させた状態で各筐体2,3の間に挟み込み、下側筐体2、PCB4、弾性部材21、および導電部材22の各貫通孔2a,4a,21a,22aの位置と、上側筐体3のネジ穴3aの位置とを合わせる。そして、固定ネジ40を下側筐体2の外側から挿入し、固定ネジ40を上側筐体3のネジ穴3aに螺入する
固定ネジ40をネジ穴3aに螺入していくと、やがてスペーサ23が下側筐体2およびPCB4の双方に接触し、それ以上固定ネジ40を螺入できなくなる。この状態においては、上記H1〜H3の関係により弾性部材21が自然長より若干縮み、その変形量と弾性部材21のバネ定数とに応じた反発力が発生する。この反発力により導電部材22が接点部10に対して付勢され、導電部材22の一面と接点部10とが密着する。すなわち、導電部材22が第1接点11および第2接点12の双方に接触し、これら接点11,12間が導通する。
なお、ネジ穴3aは、スペーサ23が下側筐体2およびPCB4の双方に接触した場合であっても、その底部が固定ネジ40の先端と接触しない程度に十分深く形成されている。
PCB4の各隅に設けられた他の接点部10とそれらに対応する接触導電部20に関しても、図8を用いて説明したものと同様の構造および方法にて固定される。
【0031】
また、接触導電部30は、各接触導電部20と同じく弾性部材21や導電部材22を備えている。但し、弾性部材21および導電部材22は、貫通孔21a,22aを有していなくてもよい。さらに、接触導電部30は、スペーサ23を有していなくてもよい。このような構成の接触導電部30は、下側筐体2に対してネジ止めや接着材を用いた接着によって予め固定されている。そして、筐体2,3が各位置において固定ネジ40を用いて閉じられると、接触導電部30の導電部材22と、PCB4の中心に設けられた接点部10の第1接点11および第2接点12が接触し、これら接点11,12が導通する。
【0032】
次に、タンパ検出スイッチを含むスイッチユニットの制御回路について説明する。
図9は、スイッチユニットの回路構成を示すブロック図である。
図示した回路は、カード決済端末1に設けられたいずれか1つのタンパ検出スイッチを含むものであり、そのタンパ検出スイッチの各接点11〜13および導電部材22、検出部51、制御部52、セキュリティ処理部53を含んでいる。カード決済端末1に設けられた他のタンパ検出スイッチに関しても、同様の回路構成にて使用される。
【0033】
検出部51、制御部52、およびセキュリティ処理部53は、例えばPCB4に実装されたオンボードデバイスによって実現され、カード決済端末1が備えるバッテリからの電源供給を受けて動作する。なお、これら各部51〜53は、カード決済端末1が起動されていないときにおいてもその動作を停止しない。
【0034】
検出部51は、各接点11〜13と電気的に接続されている。導電部材22が各接点11〜13のいずれか2つまたは全てに同時に接触すると、当該接触した接点間が導通する。第1接点11および第2接点12が導通しているときと、導通していないときとでは、これら接点11,12および検出部51を含む回路に異なる値の電圧が発生する。また、第1接点11および第2接点12のいずれか一方または双方と、第3接点13とが導通すると、当該導通した接点および検出部51を含む回路が短絡(ショート)する。この場合においても当該導通した接点および検出部51を含む回路に、第1接点11および第2接点12が導通しているときと異なる値の電圧が発生する。
【0035】
検出部51は、このように生じる電圧値の変化に基づき、各接点11〜13の導通または非導通を検出する。第1接点11と第2接点12との非導通を検出したとき、および、第1接点11または第2接点12の少なくとも一方と第3接点13との導通を検出したとき、検出部51は、タンパ検出を知らせる信号を制御部52に出力する。
【0036】
制御部52は、検出部51からタンパ検出を知らせる信号を受信すると、セキュリティ処理部53に動作信号を出力する。
【0037】
セキュリティ処理部53は、制御部32から動作信号を受信したことに応じて、例えばPCB4に実装されたメモリのデータを消去するなどの所定の処理を実行する。なお、セキュリティ処理部53が実行する処理は、カード決済端末1が備えるスピーカからビープ音を発生させる等して警報する処理であってもよい。この場合、例えばカード決済端末1が有するバッテリに蓄えられた電力が尽きるまで、あるいは所定の解除処理が行われるまで警報を継続させてもよいし、所定時間が経過したときに警報を停止させてもよい。
【0038】
なお、制御部52やセキュリティ処理部53は、他のタンパ検出スイッチを含む回路と共用されるものであってもよい。
【0039】
次に、本実施形態の一作用について説明する。
カード決済端末1の輸送時等の振動や経時劣化により筐体2,3やタンパ検出スイッチを構成する各部が変形したり、弾性部材21の弾性特性が劣化したりすると、筐体2,3が正常に閉じられているにも関わらず導電部材22と接点部10との位置がずれたり、導電部材22が接点部10に対して傾いて接触することがある。このような場合、筐体2,3が正常に閉じられているのにスイッチユニットがタンパを検出したり、筐体2,3が若干開けられたにも関わらずスイッチユニットがタンパを検出しなかったりする虞がある。
【0040】
しかしながら、本実施形態においては、各接点部10が設けられたPCB4と、これらに対応する各接触導電部20とが筐体2,3を固定する固定ネジ40によって共締めされている。そのため、上記のように各部の変形等が生じた場合であっても、各接点部10とこれらに対応する接触導電部20の位置関係がずれにくいので、タンパの検出精度を良好に保つことができる。
【0041】
また、弾性部材21によって導電部材22を対応する接点部10に向けて付勢する構成としたので、固定ネジ40を用いて共締めした際に各接点部10と導電部材22とが面着し易くなる。さらに、スペーサ23によって弾性部材21の変形量を規制する構成としたので、各接触導電部20の弾性部材21がそれぞれ対応する接点部10に対して導電部材22を付勢する力を一定に保つことができる。
【0042】
また、図4に例示したように、第1接点11および第2接点12を、P点を中心とした直径R2の円内で分散させている。このようにすれば、導電部材22が接点部10に片当たりしたことに起因してそれらの接触面積が小さくなった場合であっても、導電部材22が各接点11,12の双方と接触し易くなる。
【0043】
また、第1接点11および第2接点12が上記円内で分散したことにより、導電部材22が接点部10に対してどの方向に傾いた場合であっても、片当たりする部分が各接点11,12の双方に接触し易くなる。したがって、接点部10の方向依存性を低下させることができる。なお、ここでの方向依存性は、導電部材22が接点部10に片当たりした場合において、導電部材22の傾く向きにより導電部材22と各接点11,12とが接触しない状態となり得る程度を指す。
上記方向依存性は、図4に例示したものよりもさらに各接点11,12を分散させることで、より低下させることができる。好ましくは、点Pを中心とした直径R1の円内のどの位置に導電部材22が接触した場合であっても、導電部材22および第1接点11の接触面積と、導電部材22および第2接点12の接触面積とが略同一になる程度に各接点11,12を分散させる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態にて説明したスペーサ23の機能を筐体2,3の一部にて実現する点で、第1の実施形態と異なる。
第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0045】
本実施形態におけるカード決済端末1の下側筐体2には、図10に示す突出部60が設けられている。突出部60は、下側筐体2と一体形成されたものであり、貫通孔2aと同心円の内径R3、高さH4の中空円筒状を成す。
【0046】
ここで、内径R3は、弾性部材21および導電部材22の外形R2よりも大きい値に設定されている(R3>R2)。また、高さH4は、弾性部材21の高さH1と導電部材22の高さH2との和よりも若干小さい値に設定されている(H4<H1+H2)。
【0047】
また、本実施形態における上側筐体3には、図11に示す突出部61,62が設けられている。突出部61,62は、上側筐体3と一体形成されたものである。突出部61は、その上面にネジ穴3aが設けられた円筒状を成す。突出部62は、突出部61を囲うように設けられ、突出部61と同一高さでネジ穴3aと同心円である内径R3の中空円筒状を成す。
【0048】
次に、本実施形態におけるPCB4、各接触導電部20、および各筐体2,3の固定方法について説明する。
図12は、図3に示したPCB4のA−A断面、その位置に設けられた接点部10に対応する接触導電部20、および、各筐体2,3の各突出部60〜62の断面とを概略的に示す模式図である。
【0049】
各筐体2,3を閉じる際には、先ず弾性部材21を下側筐体2の突出部60中に収納し、さらにその上から導電部材22を収納する。次に、突出部60内の導電部材22と接点部10とが対向するようにしてPCB4を各筐体2,3の間に挟み込み、下側筐体2、PCB4、弾性部材21、および導電部材22の各貫通孔2a,4a,21a,22aの位置と、上側筐体3のネジ穴3aの位置とを合わせる。そして、固定ネジ40を下側筐体2の外側から挿入し、固定ネジ40を上側筐体3のネジ穴3aに螺入する。
【0050】
固定ネジ40をネジ穴3aに螺入していくと、やがて突出部60がPCB4に接触し、それ以上固定ネジ40を螺入できなくなる。この状態においては、上記H1,H2,H4の関係により弾性部材21が自然長より若干縮み、その変形量と弾性部材21のバネ定数とに応じた反発力が発生する。この反発力により導電部材22が接点部10に対して付勢され、導電部材22の一面と接点部10とが密着する。すなわち、導電部材22が第1接点11および第2接点12の双方に接触し、これら接点11,12間が導通する。
なお、ネジ穴3aは、突出部61がPCB4に接触した場合であっても、その底部が固定ネジ40の先端と接触しない程度に十分深く形成されている。
また、突出部60とPCB4とが接触するまで固定ネジ40を螺入すると、PCB4が下側筐体2の突出部60と、上側筐体3の突出部61,62とによって狭持される状態となる。したがって、PCB4がより堅固に固定されるとともに、突出部60による押圧でPCB4が変形するような事態が防止される。
【0051】
PCB4の各隅に設けられた他の接点部10とそれらに対応する接触導電部20に関しても、図12を用いて説明したものと同様の構造および方法にて固定される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態においては、下側筐体2の一部に突出部60を設け、この突出部60に弾性部材21の変形量を規制するスペーサの役割を担わせた。このようにすれば別途にスペーサを用意する場合に比べて部品数を削減できるとともに組み立て工程を簡略化でき、カード決済端末1の製造コストが低減される。
【0053】
なお、第1の実施形態と同様の効果を奏することはいうまでもない。
【0054】
(変形例)
上記各実施形態にて開示した構成は、種々変形実施可能である。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0055】
上記各実施形態では、電子機器の一例としてカード決済端末1を例示した。しかしながら、カード決済端末1が備えるとしたタンパ検出に関する構成を、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、商品やサービスの代金の精算に用いられるPOS(Point Of Sales)端末あるいはECR(Electric Cash Register)、プリンタ等の他の機器に適用してもよい。
【0056】
上記各実施形態では、CPUやチップセット等が実装されるPCB4上に導電性材料を焼き付けて接点部10の各接点11〜13を形成するとした。しかしながら、PCB4とは独立して設けられた絶縁性部材に導電性材料を焼き付けて各接点11〜13を形成してもよい。また、導電性材料を切削加工したり鋳造したりすることによって各接点11〜13を製作し、それらを組み合わせて接点部10を構成してもよい。この場合には、各接点11〜13を離間して配置することで絶縁層14を実現してもよいし、絶縁性材料にて各接点11〜13間を埋めて絶縁層14を実現してもよい。
【0057】
上記各実施形態では、下側筐体2側に導電部材22を配置し、上側筐体3側に接点部10が設けられたPCB4を配置するとした。しかしながら、下側筐体2側にPCB4を配置し、上側筐体3側に導電部材22を配置して固定ネジ40で共締めしてもよい。
また、PCB4が導電部材22に向けて付勢されるように弾性部材21を共締めしてもよい。すなわち、例えば第1の実施形態の構成において、PCB4と上側筐体3との間に弾性部材21およびスペーサ23を介在させる。この場合、弾性部材21やスペーサ23の高さ等は、PCB4が導電部材22に対して適度に付勢されるように調整すればよい。
【0058】
第1の実施形態では、スペーサ23とPCB4とを接触させて弾性部材21の変形量を規制するとした。しかしながら、固定ネジ40が所定量だけネジ穴3aに螺入されたときにスペーサ23が下側筐体2またはこれに連接する他の部材のいずれか、および、上側筐体3またはこれに連接する他の部材のいずれかの双方に接触する構成とし、これにより弾性部材21の変形量を規制してもよい。
また、第2の実施形態では、下側筐体2に設けられた突出部60とPCB4とを接触させて弾性部材21の変形量を規制するとした。しかしながら、固定ネジ40が所定量だけネジ穴3aに螺入されたときに突出部60が上側筐体3またはこれに連接する他の部材のいずれかに接触する構成とし、これにより弾性部材21の変形量を規制してもよい。
【0059】
また、上記各実施形態では、タンパ検出スイッチにより筐体2,3の開放を検出する構成を例示した。しかしながら、筐体2,3の開放ではなく、筐体2,3の内外に設けられた各種部材またはデバイスの取り外しを検出するようにタンパ検出スイッチを設けてもよい。このような構成は、上記各実施形態にて説明した弾性部材21、導電部材22、スペーサ23、および接点部10に適宜変形を加え、ネジ止めによって固定される部材やデバイス間に介在させることで実現可能である。
【0060】
上記各実施形態では、接点部10が図4に示した形状であるとした。しかしながら、接点部10の形状は図4に示したものに限られない。接点部10の変形例を図13に示す。図示した各接点部10a〜10dは、いずれも上記(1)〜(3)の条件を満たすものである。接点部10aは、第1接点11の一部を特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。また、接点部10bは、第1接点11の一部を点Pに向けて反時計回りに渦を巻く形状とし、この形状を補うように第2接点12の一部を点Pに向けて反時計回りに渦を巻く形状としている。接点部10cは、第1接点11の一部を接点部10aと同じく特定方向に向けて山部分と谷部分が交互に繰り返す波形状に蛇行させ、さらにこの波形状を種々の方向に向けて蛇行させ、この波形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。接点部10dは、第1接点11の一部を、点Pを中心とした放射状に山部分および谷部分が交互に繰り返すよう蛇行させ、この形状を補うように第2接点12の一部を蛇行させている。
ここに例示したもの以外にも、第1接点11および第2接点13がより2次元的に混在した形状とすることで、接点部10の方向依存性をより低減することが可能である。
【0061】
また、1つの電子機器に設ける複数の接点部10の形状を、それぞれ異なるものにしてもよいし、同一の形状のものを採用し、その配置位置に応じて回転させてもよい。同一形状の接点部10をその配置位置に応じて回転させた例を図14に示す。
図示した各接点部10e,10f,10g,10hは、この順で図3のPCB4の左上、右上、左下、右下に設けられる接点部10の形状を表している。なお、各接点部10a〜10dは、図13の接点部10aと同一形状である。但し、各接点部10a〜10dの形状としては、図5〜図7に示した形状や、他の形状を用いてもよい。接点部10eを回転角0度の状態とすると、接点部10fは時計回りに45度、接点部10gは時計回りに90度、接点部10hは時計回りに135度傾いている。但し、例えば接点部10e,10hを回転角0度の状態とし、接点部10f,10gを90度傾ける等、各接点部10e〜10hの一部を他の部分に対して所定角度だけ回転して配置してもよい。
このようにカード決済端末1に設ける各接点部10をその配置位置によって回転させるか、その形状を異ならせれば、各接点部10と接触導電部20の位置関係が同様にずれたとしても、全てのスイッチユニットの検出精度が同時に劣化するような事態を防止できる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…カード決済端末、2…下側筐体、3…上側筐体、4…PCB、4a…貫通孔、10…接点部、20…接触導電部、21…弾性部材、21a…貫通孔、22…導電部材、23…スペーサ、40…固定ネジ、2a,21a,22a…貫通孔、3a…ネジ穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、
導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、
導電性材料にて形成され、前記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材と、
を備え、
前記接点部材及び導電部材を、前記各接点と前記導電部材を対向させた状態で前記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で前記螺子によって前記第1及び第2部材、前記接点部材、前記導電部材を共締めして固定し、前記各接点と前記導電部材とを接触させたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記導電部材を前記接点部材に向けて付勢する弾性部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記螺子によって前記第1及び第2部材、前記接点部材、前記導電部材と共締めされて変形し、これによって生じる反発力にて前記導電部材を付勢することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記弾性部材の変形量を規制するスペーサをさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記スペーサは、前記弾性部材を囲う中空形状を成し、前記螺子が前記第2部材の螺子穴に所定量螺入されたときに前記第1部材又はこれに連接する部材のいずれか、及び、前記第2部材又はこれに連接する部材のいずれかの双方に接触し、これによって前記弾性部材の変形量を規制することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記スペーサは、前記第1部材又は第2部材の一部によって形成され、前記螺子が前記第2部材の螺子穴に所定量螺入されたときに、前記第1部材及び第2部材のうち当該スペーサが形成されていない側の部材、又はこの部材に連接する部材に接触し、これによって前記弾性部材の変形量を規制することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項1】
螺子によって互いに連結される第1及び第2部材と、
導電性材料にて形成された一対の接点が表面に設けられた接点部材と、
導電性材料にて形成され、前記各接点に接触したときにこれら各接点間を導通させる導電部材と、
を備え、
前記接点部材及び導電部材を、前記各接点と前記導電部材を対向させた状態で前記第1及び第2部材の間に介在させ、この状態で前記螺子によって前記第1及び第2部材、前記接点部材、前記導電部材を共締めして固定し、前記各接点と前記導電部材とを接触させたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記導電部材を前記接点部材に向けて付勢する弾性部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記螺子によって前記第1及び第2部材、前記接点部材、前記導電部材と共締めされて変形し、これによって生じる反発力にて前記導電部材を付勢することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記弾性部材の変形量を規制するスペーサをさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記スペーサは、前記弾性部材を囲う中空形状を成し、前記螺子が前記第2部材の螺子穴に所定量螺入されたときに前記第1部材又はこれに連接する部材のいずれか、及び、前記第2部材又はこれに連接する部材のいずれかの双方に接触し、これによって前記弾性部材の変形量を規制することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記スペーサは、前記第1部材又は第2部材の一部によって形成され、前記螺子が前記第2部材の螺子穴に所定量螺入されたときに、前記第1部材及び第2部材のうち当該スペーサが形成されていない側の部材、又はこの部材に連接する部材に接触し、これによって前記弾性部材の変形量を規制することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−169119(P2012−169119A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28569(P2011−28569)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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