説明

電子機器

【課題】連結部の係合部に対する付勢部材のガタを少なくすることにより傷の発生を防止して、伸張時の外観を向上できる電子機器を提供する。
【解決手段】係合手段60により付勢部材50をスライド部材42に固定する。この係合手段60は、付勢部材50の基端面61に立設された軸部621よりも大径の頭部622を有するピン62の軸部621を、スライド部材42の略U字状の係合部63が軸部621の径方向に沿って挟持する。これにより、付勢部材50とスライド部材42とを連結する。このとき、係合部63の少なくとも一部が付勢部材50の基端面61に接触するとともに、係合部63の少なくとも一部が頭部622の端面に接触するように、厚み方向に沿った段差64を係合部63に設けた。このため、段差64により、係合部63はピン62の頭部622と付勢部材50との両方に接触するので、係合部63に対する付勢部材50のガタを少なくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに厚み方向に沿って積層された第1筐体と第2筐体とを、連結部により積層方向に対して交差する面方向に沿って相対的に移動可能に連結した電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、第1筐体と第2筐体とを互いに重ね合わせた状態で相対的に直線方向に開閉可能にスライドさせる電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の電子機器としての携帯端末は、第1筐体と第2筐体とを、開閉装置によって互いに重ね合わせた状態で相対的に直線方向に開閉可能に連結する。
図10に示すように、この携帯端末の開閉装置100は、第1筐体及び第2筐体のいずれか一方の筐体に取り付けられるベース部材101と、他方の筐体に取り付けられるスライド部材102を有する。ベース部材101とスライド部材102との間には、これらベース部材101とスライド部材102とを連結すると共にベース部材101に対してスライド部材102をスライド付勢するリンク機構103を有する。
【0004】
リンク機構103は、2つの第1リンク部材104、104と、2つの第2リンク部材105、105とを有する。第1リンク部材104、104は、第1支持シャフト108を介してベース部材101に回動可能に取り付けられる。第2リンク部材105、105は、第1リンク部材104、104にそれぞれピン111により互いに回動可能に取り付けられると共に、第2支持シャフト109を介してスライド部材102に回動可能に取り付けられる。
【0005】
2つの第1リンク部材104、104の間には、2つの第1リンク部材104、104を近付ける方向へ付勢する付勢部材112を有する第1スプリング取付部材106が回動可能に取り付けられる。また、2つの第2リンク部材105、105の間には、2つの第2リンク部材105、105を近付ける方向へ付勢する付勢部材113を有する第2スプリング取付部材107が回動可能に設けられる。
これにより、第1筐体と第2筐体とが重なり合う方向に付勢されて、重なり合った状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−267614号公報(第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の電子機器においては、第1支持シャフト108および第2支持シャフト109の軸部の長さに対して、スライド部材102の板厚が小さい場合に、ガタが生じる。このため、第1筐体および第2筐体をスライドさせる際に傷が生じ、伸張させた際に、傷が見えて外観を害するという問題があった。
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、連結部の係合部に対する付勢部材のガタを少なくすることにより傷の発生を防止して、伸張時の外観を向上できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子機器は、互いに厚み方向に沿って積層された第1筐体および第2筐体と、前記第1筐体および前記第2筐体間に介装され、前記第1筐体および前記第2筐体に連結されるとともに前記第1筐体および前記第2筐体を積層方向に対して交差する面方向に沿って相対的に移動させる連結部と、を備え、前記連結部が、前記第1筐体に連結されたレール部材と、前記第2筐体に連結され、前記レール部材に案内されるスライド部材と、前記レール部材に一端部が固定されるとともに、他端部が係合手段により前記スライド部材に固定され、前記一端部および前記他端部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を有し、前記係合手段が、前記付勢部材の基端面から前記積層方向に沿って立設された軸部よりも大径の頭部を有するピンと、前記軸部を径方向に沿って挟持する略U字状の係合部とを有し、前記係合部の少なくとも一部が前記基端面に接触するとともに、前記係合部の少なくとも一部が前記頭部の端面に接触するように、厚み方向に沿った段差が前記係合部に設けられたものである。
【0010】
また、本発明の電子機器は、前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有し、前記段差が前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に設けられたものである。
【0011】
また、本発明の電子機器は、前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有し、前記段差が前記軸部の径方向に沿って前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に設けられたものである。
【0012】
また、本発明の電子機器は、前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有するとともに、前記第1部材および前記第2部材における前記頭部の端面に接触する箇所とは反対側に向けてプレス成形されたものである。
【0013】
さらに、本発明の電子機器は、前記係合部が、前記一端部から離れた側が前記基端面に接触するとともに、前記一端部に近い側が前記頭部の端面に接触するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、付勢部材の基端面から積層方向に沿って立設された軸部よりも大径の頭部を有するピンの軸部を、スライド部材の略U字状の係合部が軸部の径方向に沿って挟持することにより、付勢部材とスライド部材とを連結する。このとき、係合部の少なくとも一部が付勢部材の基端面に接触するとともに、係合部の少なくとも一部が頭部の端面に接触するように、厚み方向に沿った段差を係合部に設けた。このため、係合部の段差により、係合部はピンの頭部と付勢部材との両方に接触するので、連結部の係合部に対する付勢部材のガタを少なくして傷の発生を防止でき、伸張時の外観を向上できるという効果を有する電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は本発明に係る第1実施形態の携帯端末の閉じ状態の斜視図であり、(B)は開き状態の斜視図
【図2】上筐体と下筐体とをスライド可能に連結する連結部の断面図
【図3】レール部材およびレール部材にスライド可能に支持されるスライド部材およびスライド部材を付勢する付勢部材の斜視図
【図4】(A)はピンを挟持する係合部の斜視図であり、(B)は係合部の段差を示す斜視図
【図5】図4(A)中V−V位置の断面図
【図6】図8(B)中VI−VI位置の断面図
【図7】係合部をプレス成形したときに生じるバリを示す断面図
【図8】(A)は閉じ状態におけるスライド部材および付勢部材を示すレール部材の平面図であり、(B)は途中状態を示すレール部材の平面図であり、(C)は開き状態を示すレール部材の平面図
【図9】本発明に係る第2実施形態の携帯端末における係合手段の斜視図
【図10】従来の携帯端末におけるレール部材およびレール部材にスライド可能に支持されるスライド部材およびスライド部材を付勢する付勢部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の電子機器について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の電子機器であるスライド式携帯端末(以後、「携帯端末」という)10は、互いに厚み方向に沿って積層された第1筐体である上筐体20と第2筐体である下筐体30とを有する。
上筐体20および下筐体30は、上筐体20および下筐体30の間に介装された連結部40(図2参照)により、積層方向に対して交差する面方向(前後方向)に沿って相対的にスライド可能に結合されている。
【0017】
なお、以下の説明において、使用者が後述する表示部21を見る場合において、表示部21側(図1において上側)を上側と云い、反対側(図1において下側)を下側と云うこととする。
また、使用者が表示部21を見る状態において先方となる側を前側(図1中右上側)と云い、手元側となる側を後側と云うこととする。
【0018】
上筐体20は、上面の前端部から中央下部にかけて前述した表示部21を有し、表示部21の後方には複数の機能キー221を有する第1操作部22が設けられている。また、上面の前端部には、スピーカ23が取り付けられている。
一方、下筐体30は、上面301の後部に複数の入力キー311を有する第2操作部31が設けられており、第2操作部31の後側にはマイク32が設けられている。従って、マイク32は、使用状態でない閉じ状態では外側に露出しない。
【0019】
図2に示すように、連結部40は、上筐体20に取り付けられるレール部材41と、下筐体30に取り付けられ、レール部材41に案内されるスライド部材42と、を有する。
図2および図3に示すように、レール部材41の下面411には、幅方向両端部に長手方向に沿ってガイドレール44、44が設けられている。また、スライド部材42の幅方向両端部には、レール部材41のガイドレール44を把持して、スライド可能に支持する把持部421が設けられている。
【0020】
従って、スライド部材42は、その把持部421によってレール部材41のガイドレール44を外側から把持することにより、レール部材41に対して、スライド可能に支持される。
なお、以下の説明においては、スライド部材42を見やすくするために、上筐体20のレール部材41を下側にし、下筐体30のスライド部材42を上側にして図示する場合がある。
【0021】
図3に示すように、レール部材41におけるガイドレール44の内側には、長手方向に沿って開口部412が設けられている。また、スライド部材42には、レール部材41の開口部412に対応して開口部422が設けられている。
レール部材41の開口部412およびスライド部材42の開口部422には、付勢部材50が設けられている。付勢部材50では、一端部501がピン54によってレール部材41のブラケット413に回動可能に取り付けられるとともに、他端部502が後述する係合手段60を介してスライド部材42に回動可能に取り付けられる。
【0022】
付勢部材50は、長手方向寸法がレール部材41の開口部412およびスライド部材42の開口部422の幅寸法よりも小さな矩形板状の基板51を有する。基板51には、長手方向に沿った一対の開口511、512が設けられており、各開口511、512に沿って移動可能な取付部材521、522が、各々外側に突出して設けられている。取付部材521は前述した一端部501に該当し、取付部材522は他端部502に該当する。
開口511、512には、各々圧縮ばね53、53が取り付けられており、取付部材521を一端部501側(矢印A側)に付勢し、取付部材522を他端部502側(矢印B側)に付勢する。
すなわち、付勢部材50は、一端部501および他端部502を互いに離れる方向に付勢する。
【0023】
図4(A)に示すように、取付部材522をスライド部材42に取り付ける係合手段60は、付勢部材50の取付部材522の下面である基端面61から積層方向である下方に向かって立設されたピン62を有する。ピン62は、基端面61から下方(図4(A)において上方)に伸びる円柱状の軸部621と、軸部621の下端(図4(A)において上端)に設けられ、軸部621の外径よりも大径の頭部622を有する。
【0024】
また、係合手段60は、スライド部材42の開口部422に突出し(図3参照)、ピン62の軸部621を径方向に沿って挟持する略U字状の係合部63を有する。
図4(B)に示すように、係合部63は、基部634の先端に一対の支持片(第1部材)631および支持片(第2部材)632を有し、一対の支持片631、632の間にピン62の軸部621を挿嵌する支持空間633を有する。
【0025】
図4および図5に示すように、支持片631、632には段差64が厚み方向(上下方向)に沿って設けられている。段差64は、支持片631、632において付勢部材50の一端部501から離れた側(図5および図6において右側)が基端面61に接触するとともに、一端部501に近い側が頭部622の下面(端面)622Aに接触するように設けられる(図6参照)。
従って、段差64は、係合部63における支持片631、632に設けられており、支持片631、632の先端側が基端側に比して下方(図5において上方)に位置する。
【0026】
これにより、支持片631、632の少なくとも一部である基部634の下面634Aが基端面61に接触するとともに、係合部63の少なくとも一部である支持片631(632)の上面631Aが頭部622の下面622Aに接触する。
なお、段差64は、軸部621の径方向に沿って設けるのが望ましい。
また、支持片631、632をプレス加工により形成する際には、ピン62の頭部622の下面622Aに接触する箇所(すなわち、上面631A)とは反対側に向けて(図7中矢印A方向)プレス成形するのが望ましい。これにより、プレス成形時に生じるバリ635が頭部622とは反対側に生じるので、支持片631、632の頭部622との接触を妨げない。
【0027】
従って、基部634と頭部622の下面622Aとの間には、隙間65が形成される。一方、図6に示すように、付勢部材50は、一端部501および他端部502を互いに離れる方向(矢印A方向)に付勢するため、ピン62は矢印B方向へ回動しやすい。これにより、付勢部材50を、矢印Cに示すように、下方(図6において上方)へ撓ませる力が作用する。
【0028】
次に、レール部材41に対するスライド部材42の相対的なスライド動作について説明する。
図8(A)に示すように、上筐体20と下筐体30とを重ねた「閉じ状態」では、スライド部材42はレール部材41の上端に位置する。この状態で、レール部材41に固定されている一端部501と、スライド部材42に固定されている他端部502とは、付勢部材50により離れる方向へ付勢されるので、スライド部材42をさらに上方(図8(A)中矢印A方向)へスライドさせようとする。
このため、スライド部材42は、安定して「閉じ状態」の位置を保持する。
【0029】
図8(B)に示すように、上筐体20と下筐体30とを相対的にスライドさせた「途中状態」では、付勢部材50を圧縮した状態で、スライド部材42はレール部材41の中間部に位置する。
従って、この状態では、付勢部材50が、一端部501と他端部502を離れる方向へ付勢して、スライド部材42を上下いずれかの方向(図8(B)中矢印A、B方向)へ移動させようとする。このため、スライド部材42は、安定した状態ではない。
【0030】
図8(C)に示すように、上筐体20と下筐体30とをスライドさせた「開き状態」では、スライド部材42はレール部材41の下端に位置する。この状態で、レール部材41に固定されている一端部501と、スライド部材42に固定されている他端部502とは、付勢部材50により離れる方向へ付勢されるので、スライド部材42をさらに下方(図8(C)中矢印B方向)へスライドさせようとする。
このため、スライド部材42は、安定して「開き状態」の位置を保持する。
【0031】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の携帯端末10によれば、互いに積層された上筐体20と下筐体30とが、連結部40を介して、積層方向に対して交差する面方向に沿って相対的に移動可能に連結されている。連結部40は、上筐体20に連結されたレール部材41と、下筐体30に連結されるとともにレール部材41に案内されるスライド部材42とを有する。連結部40は、さらに、レール部材41に一端部501が固定されるとともに、他端部502が係合手段60によりスライド部材42に固定され、一端部501および他端部502を互いに離れる方向に付勢する付勢部材50を有する。
【0032】
そして、係合手段60は、付勢部材50の基端面61から積層方向に沿って立設された軸部621よりも大径の頭部622を有するピン62の軸部621を、スライド部材42の略U字状の係合部63が軸部621の径方向に沿って挟持することにより、付勢部材50とスライド部材42とを連結する。このとき、係合部63の少なくとも一部が付勢部材50の基端面61に接触するとともに、係合部63の少なくとも一部が頭部622の下面622Aに接触するように、厚み方向に沿った段差64を係合部63に設けた。
これにより、係合部63の段差64により、係合部63はピン62の頭部622と付勢部材50との両方に接触するので、連結部40の係合部63に対する付勢部材50のガタを少なくして傷の発生を防止でき、伸張時の外観を向上できる。
【0033】
また、スライド部材42の略U字形状の係合部63は、ピン62の軸部621を径方向に挟持する一対の支持片631、632を有しており、支持片631、632のうちの少なくとも一方に段差64を設けた。
これにより、段差64がピン62の頭部622と付勢部材50との両方に接触して、連結部40の係合部63に対する付勢部材50のガタを少なくして傷の発生を防止できる。
【0034】
また、段差64を、軸部621の径方向に沿って、一対の支持片631、632のうちの少なくとも一方に設けたので、支持片631、632が確実にピン62の頭部622と付勢部材50との両方に接触する。
これにより、連結部40の係合部63に対する付勢部材50のガタを少なくして傷の発生を防止できる。
【0035】
また、係合部63の一対の支持片631、632が、ピン62の頭部622の下面622Aに接触する上面631Aとは反対側に向けてプレス成形されているので、プレス成形時に発生するバリ635がピン62の頭部622とは反対側にできる。
これにより、バリ635により頭部622を傷つけるのを防止できる。
【0036】
さらに、係合部63のうち、レール部材41に固定される一端部501から離れた側、すなわち係合部63の基部634が付勢部材50の基端面61に接触するとともに、一端部501に近い側、すなわち係合部63の支持片631、632がピン62の頭部622の下面622Aに接触するので、付勢部材50はスライド部材42から離れる側に反る。
これにより、スライド部材42がスライドしても、傷つけるのを防止できる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の電子機器について説明する。
なお、前述した第1実施形態にかかる携帯端末10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図9に示すように、本発明に係る第2実施形態の電子機器である携帯端末10Bでは、係合手段60Bを構成する係合部63Bにおいて、支持片632にのみ段差64Bを設けた。
なお、この場合においても、第1実施形態の場合と同様に、段差64Bは、軸部621の径方向に沿って設けるのが望ましい。
【0038】
以上、説明した本発明に係る第2実施形態の携帯端末10Bによれば、前述した第1実施形態の携帯端末10と同様の作用・効果を得ることができる。
【0039】
なお、本発明の電子機器は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかる電子機器では、係合部の段差により、係合部はピンの頭部と付勢部材との両方に接触するので、連結部の係合部に対する付勢部材のガタを少なくして傷の発生を防止でき、伸張時の外観を向上できるという効果を有し、互いに厚み方向に沿って積層された第1筐体と第2筐体とを、連結部により積層方向に対して交差する面方向に沿って相対的に移動可能に連結した電子機器等として有用である。
【符号の説明】
【0041】
10 携帯端末(電子機器)
20 上筐体(第1筐体)
30 下筐体(第2筐体)
40 連結部
41 レール部材
42 スライド部材
50 付勢部材
501 一端部
502 他端部
60 係合手段
61 基端面
62 ピン
621 軸部
622 頭部
622A 下面(端面)
63 係合部
631 支持片(第1部材)
632 支持片(第2部材)
64 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに厚み方向に沿って積層された第1筐体および第2筐体と、
前記第1筐体および前記第2筐体間に介装され、前記第1筐体および前記第2筐体に連結されるとともに前記第1筐体および前記第2筐体を積層方向に対して交差する面方向に沿って相対的に移動させる連結部と、を備え、
前記連結部が、
前記第1筐体に連結されたレール部材と、
前記第2筐体に連結され、前記レール部材に案内されるスライド部材と、
前記レール部材に一端部が固定されるとともに、他端部が係合手段により前記スライド部材に固定され、前記一端部および前記他端部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記係合手段が、前記付勢部材の基端面から前記積層方向に沿って立設された軸部よりも大径の頭部を有するピンと、前記軸部を径方向に沿って挟持する略U字状の係合部とを有し、
前記係合部の少なくとも一部が前記基端面に接触するとともに、前記係合部の少なくとも一部が前記頭部の端面に接触するように、厚み方向に沿った段差が前記係合部に設けられている電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有し、
前記段差が前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に設けられている電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有し、
前記段差が前記軸部の径方向に沿って前記第1部材および前記第2部材のうちの少なくとも一方に設けられている電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記係合部が、前記軸部を径方向に挟持する第1部材および第2部材を有するとともに、前記第1部材および前記第2部材における前記頭部の端面に接触する箇所とは反対側に向けてプレス成形されている電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記係合部が、前記一端部から離れた側が前記基端面に接触するとともに、前記一端部に近い側が前記頭部の端面に接触する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−209738(P2012−209738A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73448(P2011−73448)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】