説明

電子機器

【課題】通信感度に優れた電子機器を提供すること。
【解決手段】外面の一部に表示領域が設けられた筐体と、前記筐体のうち前記表示領域を囲う部分の内面側に設けられたアンテナ部と、前記アンテナ部を用いて情報を通信させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や携帯情報端末などの電子機器として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1に示すような電子機器においては、操作部分にボタンを設けた構成が知られている。このような電子機器において、例えば特許文献2に示すように、アンテナが設けられた構成が知られている。更に、アンテナについては、近年では板状に設けられた筐体の外表面に通信用のフィルムアンテナが設けられた構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−86089号公報
【特許文献2】特開2011−18988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成のように筐体の外表面にフィルムアンテナが設けられた構成では、例えば使用者によって筐体が保持されると、当該使用者の手がフィルムアンテナに触れたり、使用者の手でフィルムアンテナが覆われたりして、通信感度が低下する場合がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、通信感度に優れた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に従えば、外面の一部に表示領域が設けられた筐体と、前記筐体のうち前記表示領域を囲う部分の内面側に設けられたアンテナ部と、前記アンテナ部を用いて情報を通信させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、通信感度に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯情報端末の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態に係る携帯情報端末の一部の構成を示す断面図。
【図3】本実施形態に係る携帯情報端末の一部の構成を示す平面図。
【図4】本実施形態に係る携帯情報端末の一部の構成を示す断面図。
【図5】本実施形態に係る携帯情報端末の制御装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る携帯情報端末100の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、携帯情報端末100は、筐体10、表示部20、操作部30、アンテナ部40及び制御装置CONTを有している。
【0010】
筐体10は、例えば矩形の板状に形成されている。筐体10は、表示部20及び操作部30を保持する。
表示部20は、筐体10の第一面11のほぼ中央部に設けられている。筐体10のうち当該表示部20が設けられる面を、以下表示面11と表記する。表示部20は、例えば液晶装置や有機EL装置などを有する表示パネル21を有している。表示パネル21は、表示領域21aに画像などの情報を表示させる。表示パネル21のうち表示領域21aには、例えば不図示のタッチパネルが配置されている。
【0011】
操作部30は、筐体10のうち表示面11を囲む4辺に相当する4つの側面10a〜10dに設けられている。操作部30は、側面10aに設けられた側部検出部31、側面10bに設けられた側部検出部32、側面10cに設けられた側部検出部33及び側面10dに設けられた側部検出部34を有している。操作部30は、側部検出部31〜34において外部からの(例えばユーザの)接触の有無及び接触位置を検出する。
【0012】
アンテナ部40は、携帯情報端末100の外部との間で無線通信を行う部分である。アンテナ部40は、表示面11側に表示領域21aに沿って形成されている。したがって、アンテナ部40は、側面10a〜10dに配置された側部検出部31〜34(操作部30)から外れた位置に設けられている。また、アンテナ部40は、筐体10の内面側に設けられている。
【0013】
図2は、表示パネル21の一部の構成を示す図である。
図2に示すように、表示パネル21は、表示領域21aに表示させる画像などの情報を形成する表示素子22と、当該表示素子22を保護する保護基板23とを有している。表示パネル21は、表示素子22の周囲に保護基板23が張り出した構成となっている。当該張出部分26は、表示領域21aを囲うように設けられる。以下、保護基板23のうち、筐体10の外側に配置される面を第一面23aと表記し、筐体10の内側に配置される面を第二面23bと表記する。
【0014】
保護基板23の第一面23aは、筐体10の外側に露出される。保護基板23の張出部分26のうち第二面23b上には、遮光膜24が設けられている。遮光膜24は、例えば樹脂材料に光を遮断する材料(例えばカーボンなどの黒色粒子)を混合させた状態の薄膜である。遮光膜24が設けられていることにより、表示領域21aの外側には画像等が表示されないようになっている。
【0015】
アンテナ部40は、保護基板23の張出部分26のうち第二面23b側に設けられている。具体的には、アンテナ部040は、遮光膜24上に配置されている。アンテナ部40は、例えば薄膜状に形成されている。保護基板23は、アンテナ部40上に設けられた接着剤25を介して筐体10に接続されている。接着剤25は、例えばポリイミドなどを用いて形成されている。
【0016】
図3は、表示パネル21の構成を示す平面図である。
図3に示すように、図3では、表示領域21aの図中右側にアンテナ部40が配置されており、図中上下方向に延在した構成が示されている。なお、図3に一点鎖線で示したように、表示領域21aに対して図中上側、左側、下側のそれぞれにアンテナ部40を配置させた構成であっても構わない。また、表示領域21aの各辺に沿った4つの領域のうち、複数の領域にアンテナ部40が設けられた構成であっても構わない。この場合、アンテナ部40が一体であっても構わないし、分割されていても構わない。
【0017】
図4は、アンテナ部40の接続状態を示す図である。図4においては、図示を判別しやすくするため、一部の構成(例えば、接着剤25など)を省略して示している。
図4に示すように、アンテナ部40の一部は、半田部41及び同軸ケーブル42を介して、筐体10の内部に設けられた回路基板S上のコネクタCNに接続されている。なお、当該コネクタCNは、回路基板S上の不図示の配線を介して、回路基板Sに設けられた制御装置CONTに接続されている。
【0018】
制御装置CONTは、携帯情報端末100の動作を統括的に制御する。
図5は、制御装置CONTの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置CONTは、処理部51、入力部52、出力部53、記憶部54、通信部55及び電源部56を有している。
【0019】
処理部51は、携帯情報端末100の統括的な演算処理を行う。入力部52は、携帯情報端末100に対して入力を行う部分である。入力部52としては、上記の側部検出部31〜34や表示部検出部52b、また、入力部52として、例えば姿勢検出部52cなどのセンサが設けられている。この他、入力部52として、例えばマイクなどの不図示の音声入力部が設けられていても構わない。
【0020】
表示部検出部52bは、タッチパネルにおける接触の有無及び接触位置を検出する。姿勢検出部52cは、携帯情報端末100の姿勢を検出するセンサである。姿勢検出部52cとしては、例えば3軸加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサなどが設けられている。
【0021】
出力部53は、画像や音声などを出力する。出力部53としては、例えば画像を表示する上記の表示部20や、音声の出力を制御する音声出力部53bなどが挙げられる。音声出力部53bは、例えば、側部検出部31〜34に設けられる圧電素子を振動させることで、当該側部検出部31〜34から音声を出力することができるようになっている。当該音声出力部53bは、圧電素子の振動の振幅や周波数などを調整可能である。
【0022】
記憶部54は、処理部51による演算結果や入力部52に入力させる入力情報、出力部53によって出力させる出力情報(例、画像データ、音声データ)、通信部55を介して通信する情報などを記憶する。
【0023】
通信部55は、上記のアンテナ部40を有している。通信部55は、外部との間でアンテナ部40を用いて無線方式によって情報の通信が可能となるように構成されている。電源部56は、携帯情報端末100に電力を供給するための電源が配置されている。電源部56としては、例えば電池やバッテリー等が挙げられる。
【0024】
次に、上記のように構成された携帯情報端末100の動作を説明する。
携帯情報端末100では、記憶部54に記憶された画像データやアンテナ部40及び通信部55を介して通信された画像データが表示部20に出力され、画像として表示される。また、同様に記憶部54に記憶された音声データが音声出力部53bの制御によって出力される。更に、外部との間でこれら画像データ及び音声データを含むデータの通信が行われる。
【0025】
制御装置CONTでは、不図示のタッチパネルからの入力、側部検出部31、33、34からの入力、の両方に対応するように処理を行わせる。このとき、ユーザは、携帯情報端末100の筐体10を手で持った状態で上記の入力を行うことになる。この場合において、例えば筐体10の外表面にフィルムアンテナが設けられた構成では、例えばユーザによって筐体が保持されると、当該ユーザの手がアンテナに触れたり、ユーザの手でフィルムアンテナが覆われてしまったりして、通信感度が低下する場合ある。
【0026】
これに対して、本実施形態では、アンテナ部40が筐体10の内部に設けられているため、ユーザが筐体10を手で保持したままの状態で入力を行った場合であっても、ユーザの手がアンテナ部40に触れるのを回避することができる。また、本実施形態では、アンテナ部40が表示領域21aに沿った部分に設けられているため、ユーザの手でアンテナ部40が覆われる機会を減少させることができる。これにより、通信感度に優れた携帯情報端末100を得ることができる。
【0027】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、遮光膜24の構成として、樹脂材料にカーボンなどの黒色粒子が混合された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、遮光膜24が高い誘電率を有するように、絶縁材料を混合させる構成であっても構わない。この場合、アンテナ部40の受信波長を短くすることができるため、アンテナ部40の寸法を短くすることができる。
【0028】
また、上記実施形態においては、アンテナ部40が保護基板23の第二面23b側に設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、筐体10のうち保護基板23に接着される部分(保護基板23との対向部分)にアンテナ部40が設けられた構成であっても構わない。
【0029】
また、例えば、上記実施形態においては、側部検出部31〜34が筐体10の側面10a〜10dのそれぞれに配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、側部検出部が側面10a〜10dのうち1面以上3面以下の面に設けられている構成であっても構わない。
【0030】
また、上記実施形態においては、表示部20の表面にタッチパネルが設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、タッチパネルが設けられない構成であっても構わない。この場合、操作部30に設けられる側部検出部31〜34を用いて操作する構成となる。この構成により、タッチパネルを設けなくても高い操作性を得ることができるため、携帯情報端末の低コスト化を図ることができる。
【0031】
また、上記実施形態においては、姿勢検出部52cにより筐体10の姿勢を検出し、検出結果に基づいて表示部20における表示を切り替えるように制御する態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、姿勢検出部52cの検出結果によらず一定の表示を行わせるように制御しても構わない。また、姿勢検出部52cの検出結果に基づいて表示を切り替えるモードと、検出結果によらず一定の表示を行わせるモードとをユーザが設定可能な態様であっても構わない。
【符号の説明】
【0032】
CONT…制御装置 100…携帯情報端末 10…筐体 20…表示部 21…表示領域 23…保護基板 23b…第二面 30…操作部 40…アンテナ部 11…表示面 10a〜10d…側面 31〜34…側部検出部 S…回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面の一部に表示領域が設けられた筐体と、
前記筐体のうち前記表示領域を囲う部分の内面側に設けられたアンテナ部と、
前記アンテナ部を用いて情報を通信させる制御部と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記筐体は、前記表示領域を保護する保護部材を有し、
前記アンテナ部は、前記保護部材に設けられている
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示領域は、矩形に形成されており、
前記アンテナ部は、前記表示領域の辺に沿って設けられている
請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記アンテナ部は、複数の前記辺に沿って設けられている
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体のうち前記表示領域を囲う部分の内面には、絶縁材料を含んだ遮光部が設けられており、
前記アンテナ部は、前記遮光部上に設けられている
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記アンテナ部は、薄膜状に形成されている
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記筐体に設けられた操作部を更に備え、
前記アンテナ部は、前記操作部から外れた位置に設けられている
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−38650(P2013−38650A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174146(P2011−174146)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】