説明

電子機密文書閲覧装置及びその閲覧方法

【課題】電子機密文書閲覧装置及びその閲覧方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電子機密文書閲覧装置は、表示装置と、変形ユニットを有し、前記表示装置に表示される機密文書のセキュリティイメージを横向きに所定の変位値を移動させて保護イメージを生成し、前記セキュリティイメージ及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定して、少なくとも1つの時計サイクルの後に、1つの固定頻度によって前記左イメージ及び前記右イメージを前記表示装置に交互に送信して表示させてオーバーラップイメージを獲得する電子装置と、回復ユニットを有し、前記表示装置に表示されるオーバーラップイメージを受信して、前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離して使用者が見ることにする眼鏡と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機密文書閲覧装置及びその閲覧方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タブレットPCのような電子閲読装置が普及したために、バス又は電車などの公衆の中でタブレットPCによって機密のE−mailを受けることができ、且つE−mailをすぐ閲覧して処理することを必要とする場合がある。しかしながら、E−mailの内容を他人に見られたくない場合には、人の少ない場所に移動しなければならない。又、開放性の事務室でコンピューターの機密文書を閲覧する際、隣を通過する他人が表示装置に示された機密内容を見ることを防止することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記課題を解決し、使用者が機密文書を閲覧する際、居合わせる他人が機密文書の内容を見ることを効果的に防止することができる電子機密文書閲覧装置及びその閲覧方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電子機密文書閲覧装置は、表示装置と、変形ユニットがインストールされ、前記表示装置に表示される機密文書のセキュリティイメージを横向きに所定の変位値を移動させて保護イメージを生成し、前記セキュリティイメージ及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定して、少なくとも1つの時計サイクルの後に、1つの固定頻度によって前記左イメージ及び前記右イメージを前記表示装置に交互に送信して表示させてオーバーラップイメージを獲得する電子装置と、回復ユニットを有し、前記表示装置に表示されるオーバーラップイメージを受信して、前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離して使用者が見ることにする眼鏡と、を備える。
【0005】
本発明に係る電子機密文書閲覧方法は、電子装置の中の機密文書をクリックして、表示装置に前記機密文書のセキュリティイメージを表示するステップと、前記機密文書のセキュリティイメージを横向きに所定の変位値を移動させて保護イメージを生成するステップと、前記セキュリティイメージ及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定するステップと、少なくとも1つの時計サイクルの後に、1つの固定頻度によって前記右イメージ及び前記左イメージを前記表示装置に交互に送信して表示させてオーバーラップイメージを獲得するステップと、使用者がかけた眼鏡が前記オーバーラップイメージを受けるステップと、前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離してから、使用者が閲覧するようにするステップと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べて、本発明の電子機密文書閲覧装置及びその閲覧方法は、機密文書の内容を変形画面の形式で表示装置に表示し、使用者がかけた眼鏡で前記変形画面を回復するので、使用者が機密文書を閲覧する際、居合わせる他人が機密文書の内容を見ることを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機密文書閲覧装置の具体的なブロックダイアグラムである。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機密文書閲覧方法のフローチャートである。
【図3】図1に示す電子機密文書閲覧装置の表示ユニットに示された機密文書のセキュリティイメージA1をオーバーラップイメージに変換する1つの例を説明する図である。
【図4】図1に示す電子機密文書閲覧装置の表示ユニットに示されたオーバーラップイメージをセキュリティイメージA1に回復する1つの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る電子機密文書閲覧装置の具体的なブロックダイアグラムである。前記電子機密文書閲覧装置1は、電子装置10及び機密文書を閲覧するために用いられる眼鏡14を備える。前記電子装置10は、携帯電話、ノートパソコン、PDA、卓上型コンピューター、テレビジョンなどであることができ、表示装置12を内蔵するか又は外部の表示装置12に接続する。前記表示装置12は、リアルタイムクロック(Real Time Clock,RTC)120を内臓する。
【0010】
前記電子装置10は、変形ユニット100と、ストレージユニット102と、少なくとも1つのプロセッサー104と、を備える。前記眼鏡14は、回復ユニット140と、ストレージユニット142と、リアルタイムクロック144と、を備える。前記ストレージユニット102には、イメージ(画像又はテキスト)の変形を行うための変形ソフトウェアがインストールされおり、前記変形ユニット100は、前記ストレージユニット102にインストールされている変形ソフトウェアを読み出して実行することにより以下のイメージの処理を行う。すなわち、前記変形ユニット100は、前記変形ユニット100のプログラムコードを実行し、即ち、前記表示装置12に表示される機密文書のセキュリティイメージA1を横向きに所定の変位値sを移動させて保護イメージを生成し、且つ少なくとも1つの時計サイクル(本実施形態において、1つの時計サイクルである)の後に、1つの固定頻度によって2つのイメージを前記表示装置12に交互に送信して表示させる。
【0011】
前記変位値sは、前記表示装置12に表示されるイメージサイズ及び字体サイズによって確定し、例えば、前記変位値は1つの文字の幅より小さい。前記固定頻度は、前記表示装置12のスクリーン表示頻度によって確定し、前記表示装置12のスクリーン表示頻度は前記固定頻度の1/整数倍であり、例えば、前記表示装置12のスクリーン表示頻度が120Hzである場合、前記固定頻度は60Hz、30Hzなどである。
【0012】
前記変形ユニット100は、前記セキュリティイメージA1及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定して、2つのイメージを前記表示装置12に交互に表示する際、図3及び図4に示されたように、前記表示装置12に表示される画面は、はっきり識別できないオーバーラップイメージA2である。
【0013】
前記ストレージユニット142には、イメージの変形を回復する回復ソフトウェアがインストールされており、前記回復ユニットは、前記ストレージユニット142にインストールされている回復ソフトウェアを読み出して実行することにより以下の処理を行う。すなわち、前記表示装置12のリアルタイムクロック120と同期して、前記表示装置12に表示されるオーバーラップイメージA2の中の左イメージ及び右イメージを分離する。
【0014】
前記変形ユニット100は、前記セキュリティイメージA1を右イメージ(図4に示されたRである)に設定し、前記セキュリティイメージA1を移動させて生成した保護イメージを左イメージ(図4に示されたLである)に設定する。前記表示装置12のスクリーン表示頻度によって、複数のフレームのイメージを“RLRLRLRLRL……”の順序で伝送して、前記表示装置12にオーバーラップイメージA2を表示し、前記オーバーラップイメージA2の中の奇数フレームのイメージは右イメージであり、前記オーバーラップイメージA2の中の偶数フレームのイメージは左イメージである。前記回復ユニット140は、前記オーバーラップイメージA2の中の全ての奇数番目のイメージを取り出して右イメージを組成し、前記オーバーラップイメージA2の中の全ての偶数番目のイメージを取り出して左イメージを組成して、前記オーバーラップイメージA2の中の左イメージ及び右イメージを分離する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る電子機密文書閲覧方法のフローチャートである。
【0016】
ステップS01において、使用者は前記電子装置10の中の機密文書をクリックする。
【0017】
ステップS03において、前記電子装置10は、前記表示装置12に前記機密文書のセキュリティイメージA1を表示する。
【0018】
ステップS05において、前記変形ユニット100は、前記機密文書のセキュリティイメージA1を横向き所定の変位値を移動させて保護イメージを生成する。図4に示されたように、前記変形ユニット100は、前記機密文書のセキュリティイメージA1を横向きに変位値sを移動させて保護イメージを生成する。
【0019】
ステップS07において、前記変形ユニット100は、前記セキュリティイメージA1及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定する。図4に示されたように、前記表示装置12のスクリーン表示頻度が120Hzである場合、即ち前記表示装置12が1秒ごとに120フレームのイメージを表示する場合、前記変形ユニット100は、前記セキュリティイメージA1を右イメージRに設定し、前記セキュリティイメージA1を移動させて生成した保護イメージを左イメージLに設定し、即ち前記変形ユニット100は、前記表示装置12に表示される奇数フレームのイメージを右イメージRに設定し、前記表示装置12に表示される偶数フレームのイメージを左イメージLに設定して、前記表示装置12に表示されるイメージの順序は“RLRLRLRLRL……”である。
【0020】
ステップS09において、前記変形ユニット100は、少なくとも1つの時計サイクル(本実施形態において、1つの時計サイクルである)の後に、1つの固定頻度によって前記右イメージR及び前記左イメージLを前記表示装置12に交互に送信して表示させて、オーバーラップイメージA2を獲得する。具体的に説明すると、“RLRLRLRLRL……”の順序に基づいて、前記表示装置12に前記右イメージR及び前記左イメージLを交互に表示して、はっきり識別できないオーバーラップイメージA2を獲得する。
【0021】
ステップS11において、使用者がかけた前記眼鏡14は、前記オーバーラップイメージA2を受け、前記眼鏡14のリアルタイムクロック144は、前記表示装置12のリアルタイムクロック120から持続に伝送される信号を受信して、前記眼鏡14のリアルタイムクロック144が前記表示装置12のリアルタイムクロック120と同期する。本実施形態において、前記信号の伝送方式は、無線伝送又は有線伝送である。例えば、前記表示装置12のリアルタイムクロック120は、高固定頻度及び低パルスの同期信号を前記リアルタイムクロック144に持続に伝送する。他の実施形態において、前記信号は、前記変形ユニット100の変形パラメーターであることができ、前記変形パラメーターは、前記左イメージ及び前記右イメージの設定を指し、例えば、偶数フレームのイメージを左イメージに設定し、奇数フレームのイメージを右イメージに設定する。
【0022】
ステップS13において、前記回復ユニット140は、前記オーバーラップイメージA2の中の左イメージ及び右イメージを分離してから、使用者が閲覧するようにする。図3及び図4に示されたように、回復されたイメージは、右イメージA3及び左イメージA4を備え、前記右イメージA3及び前記左イメージA4を、別々に使用者の右目及び左目が見るようにする。この時、使用者の左目及び右目が見るイメージは、機密文書のセキュリティイメージA1である。
【0023】
図4に示されたように、前記変形ユニット100は、前もって奇数フレームのイメージを右イメージに設定し、偶数フレームのイメージを左イメージに設定したので、前記回復ユニット140は、この設定によって左イメージ及び右イメージを分離することができ、従って回復された右イメージA3及び左イメージA4を獲得する。
【0024】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0025】
1 電子機密文書閲覧装置
10 電子装置
12 表示装置
14 眼鏡
100 変形ユニット
102,142 ストレージユニット
104 プロセッサー
120,144 リアルタイムクロック
140 回復ユニット
A1 セキュリティイメージA1
A2 オーバーラップイメージ
A3 右イメージ
A4 左イメージ
s 変位値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージを表示する表示装置と、
変形ユニットを有し、該変形ユニットが、前記表示装置に表示される機密文書のセキュリティイメージを横向きに所定の変位値を移動させて保護イメージを生成し、前記セキュリティイメージ及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定して、少なくとも1つの時計サイクルの後に、1つの固定頻度によって前記左イメージ及び前記右イメージを前記表示装置に交互に送信して表示させてオーバーラップイメージを獲得する電子装置と、
回復ユニットを有し、該回復ユニットが前記表示装置に表示されるオーバーラップイメージを受信して、前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離して使用者が見ることにする眼鏡と、
を備えることを特徴とする電子機密文書閲覧装置。
【請求項2】
前記変位値は前記表示装置に表示されるイメージサイズ及び字体サイズによって確定し、前記固定頻度は前記表示装置のスクリーン表示頻度によって確定することを特徴とする請求項1に記載の電子機密文書閲覧装置。
【請求項3】
前記眼鏡及び前記表示装置は、リアルタイムクロックをそれぞれに備え、
前記眼鏡のリアルタイムクロックは、前記表示装置のリアルタイムクロックから持続に伝送される信号を受信して、前記眼鏡のリアルタイムクロックが前記表示装置のリアルタイムクロックと同期することを特徴とする請求項1に記載の電子機密文書閲覧装置。
【請求項4】
前記信号は、高固定頻度及び低パルスの同期信号又は前記変形ユニットの変形パラメーターであり、前記変形パラメーターは、前記左イメージ及び前記右イメージの設定を指すことを特徴とする請求項3に記載の電子機密文書閲覧装置。
【請求項5】
電子装置の中の機密文書をクリックして、表示装置に前記機密文書のセキュリティイメージを表示するステップと、
前記機密文書のセキュリティイメージを横向きに所定の変位値を移動させて保護イメージを生成するステップと、
前記セキュリティイメージ及び前記保護イメージの中の1つのイメージを左イメージに設定し、他の1つのイメージを右イメージに設定するステップと、
少なくとも1つの時計サイクルの後に、1つの固定頻度によって前記右イメージ及び前記左イメージを前記表示装置に交互に送信して表示させてオーバーラップイメージを獲得するステップと、
使用者がかけた眼鏡が前記オーバーラップイメージを受けるステップと、
前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離してから、使用者が閲覧するようにするステップと、
を備えることを特徴とする電子機密文書閲覧方法。
【請求項6】
前記オーバーラップイメージの中の左イメージ及び右イメージを分離する前に、前記眼鏡のリアルタイムクロックは、前記表示装置のリアルタイムクロックから持続に伝送される信号を受信して、前記眼鏡のリアルタイムクロックが前記表示装置のリアルタイムクロックと同期することを特徴とする請求項5に記載の電子機密文書閲覧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−98729(P2012−98729A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235832(P2011−235832)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】