電子歩数計
【課題】 少なくとも歩行センサを手首に装着して使用する電子歩数計において、小型化可能であると共に、腕を振らない状態で行う歩行を検出可能にすること。
【解決手段】 加速度センサ203の感度軸Kは、ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに位置するように配設されている。電子歩数計100の使用者は、ベルト105によって自身の左手首に電子歩数計100を装着して操作部103により歩数計測処理を開始させると共に、歩行を開始することにより歩数の計測を開始する。計測した歩数や時間を、表示部102の歩数表示部201、時間表示部202の表示で確認する。
【解決手段】 加速度センサ203の感度軸Kは、ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに位置するように配設されている。電子歩数計100の使用者は、ベルト105によって自身の左手首に電子歩数計100を装着して操作部103により歩数計測処理を開始させると共に、歩行を開始することにより歩数の計測を開始する。計測した歩数や時間を、表示部102の歩数表示部201、時間表示部202の表示で確認する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体等の歩行を検出して歩数を計測する電子歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行センサを用いて使用者の歩行を検出することにより、前記使用者の歩数を計測する電子歩数計が開発されている。
電子歩数計として、腕時計のように使用者の手首装着して使用する腕時計式の歩数計が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
前記従来の腕時計式の電子歩数計では、振り子式のセンサを使用しているため、腕を自然に振りながら歩行する通常歩行では歩数の計測ができるが、例えば携帯電話で通話しながら歩行する場合のように、腕を所定位置(例えば耳元)に固定して、腕を振らない状態で行う歩行については計測できないという問題がある。
【0003】
また、腕時計式ではないが、電子歩数計をポケット等に収納した状態等のように、腕を振らない状態でも歩数計測が可能な商品も開発されているが、センサを2つ使用すると共に各センサを相互に直交するように配設している。これにより、電子歩数計をポケット等に収納した状態でも歩数計測が可能になるが、センサを2つ使用しているため体積が大きくなり又、センサからの信号を増幅するための回路が2倍必要になったり、あるいは、これを防止するために時分割駆動した場合には回路駆動時間が増えることになり、腕時計式の歩数計には適さないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−221434号公報(第3頁、第4頁及び図1〜図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも歩行センサを手首に装着して使用する電子歩数計において、小型化可能であると共に、腕を振らない状態で行う歩行を検出可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する歩行センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記歩行センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、前記歩行センサの感度軸は、前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されて成ることを特徴とする電子歩数計が提供される。
歩行センサの感度軸は、ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている。電子歩数計の使用者は、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する。
【0007】
ここで、前記歩行センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、前記歩行センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用されるように構成することが好ましい。
また、前記歩行センサは加速度センサであることが好ましい。
また、時間を計時する計時手段を備えて成るように構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単一の歩行センサを使用して歩行検出が可能になるため小型化可能になると共に、前記歩行センサの感度軸を使用時に所定角度になるように構成しているため腕を振らない状態で行う歩行を検出することが可能になるという効果を奏する。
また、腕時計としての機能を有する電子歩数計を構成することが可能になり、通常生活における殆どの歩数を計測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子歩数計の外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子歩数計の部分拡大外観正面図である。
【図3】一般的な歩行者の通常歩行における腕振り角度範囲の最大値を示す図である。
【図4】約80%の人の腕振り角度範囲を示す図である。
【図5】加速度センサの取り付け角度によって感度が変化する様子を示す図である。
【図6】腕振り角度が最大の時の感度変化を示す図である。
【図7】約80%の人の腕振りによる感度変化を示す図である。
【図8】加速度センサの感度軸を90度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図9】加速度センサの感度軸を75度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図10】加速度センサの感度軸を60度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図11】加速度センサの感度軸を45度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図12】加速度センサの感度軸を90度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図13】加速度センサの感度軸を75度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図14】加速度センサの感度軸を60度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図15】加速度センサの感度軸を45度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図16】歩行計測可能な加速度センサの感度軸の角度範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る電子歩数計は使用者の手首に装着して使用する腕時計型の電子歩数計であり、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する歩行センサとしての加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記加速度センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用するものである。以下、本実施の形態に係る電子歩数計について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子歩数計の外観正面図であり、使用者の左手首に装着して使用する左手首の電子歩数計を示している。また、図2は、図1の部分拡大図である。
【0011】
図1及び図2において、電子歩数計100は、表示部102及び外部操作可能な操作部103を有する電子歩数計本体101、親と剣先によって構成され電子歩数計本体101を使用者の手首に装着するためのベルト105、ベルト105の端部に設けられた尾錠104を備えている。
表示部102は、使用者が歩行した歩数を表示する歩数表示部201、時刻や歩行時間等を表示するための時間表示部202を有している。
ベルト105には、複数の小穴106が設けられており、小穴106と尾錠104とを係合させることによって、ベルト105で電子歩数計本体101を使用者の腕に装着するように構成されている。
【0012】
電子歩数計本体101の内部には、使用者の歩行を検出するための歩行センサとしての加速度センサ203が設けられている。ここで使用する加速度センサ203は加速度を検出可能な素子であり、ショックセンサ、衝撃センサ、振動センサ等とも呼ばれ、バイモルフ型やユニモルフ型、ピエゾ型等の各種の加速度センサが使用できる。
また電子歩数計本体101の内部には、加速度センサ203から出力される歩行に対応する歩行信号に基づいて、使用者の歩数を算出するための算出手段、時間を計時する計時手段、前記算出手段で算出した使用者の累積歩数や前記計時手段で計時した時刻等を表示部102に表示するための表示駆動手段等を備えている。
【0013】
ベルト105に対する加速度センサ203の取り付け角度についての詳細は後述するが、図1及び図2に示した電子歩数計100は左手首の電子歩数計であるため、加速度センサ203は、表示部102側から電子歩数計本体101を見た場合に、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度になる方向Yから反時計回りに30度以内の範囲Sになるような位置に配設されている。尚、加速度センサ203の移動方向や加速度センサ203に加えられた衝撃の方向が感度軸Kに一致するときに、検出感度が最大になる。
電子歩数計100を左手首に装着した場合、手の平はB側に位置し、肘はA側に位置することになる。
尚、右手首に装着して使用する右腕用の腕時計型電子歩数計の場合には、加速度センサ203は、表示部102側から電子歩数計本体101を見た場合に、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度になる方向Yから時計回りに30度以内の範囲になるような位置に配設される。右腕用電子歩数計を右手首に装着した場合、手の平はA側に位置し、肘はB側に位置することになる。
【0014】
本実施の形態では、腕時計型の電子歩数計において、通常歩行(腕を振り、普通に歩く歩行)以外のポケットに手を入れた状態での歩行や、携帯電話で話しながらの歩行を計数可能にするために、腕振りの信号は検知せず、極力、体の上下動を表す信号のみを検知するように構成する必要がある。通常歩行での腕の振り方は、人にもよるが概ね、進行方向に大きく、後方向には小さく振るのが一般的である。
また、体の上下動運動は足の着地時に発生することから、通常歩行している状態においては、腕を前後に振ったときの手の位置が最前部と最後部になったときに足が着地して体の上下動運動が発生する。
【0015】
図3は一般的な歩行者の通常歩行における腕振り角度範囲の最大値を示す図であり、図4は約80%の人の腕振り角度範囲を示す図である。図3及び図4に示すように、人の手の振りは、進行方向に対し概ね45度以内であるが、約80%の人は35度以内である。逆(後)方向は概ね25度以内であるが、同様に約80%の人は15度以内となっている。
図5は、加速度センサ203の取り付け角度によって感度が変化する様子を示す図である。加速度センサ203の感度軸Kと加速度センサ203の振れ方向(移動方向)との角度によって、加速度センサ203の検出感度が変化する様子を示している。図5において、加速度センサ203の感度軸K方向に振れたときに、加速度センサ203の感度が最大になる。加速度センサ203の感度軸Kを加速度センサ203の移動方向に対して45度にした場合には、加速度センサ203の感度は最大値から25%減衰することを示している。
【0016】
図6は、使用者の腕振り角度が最大時(進行方向に45度、後方向に25度)において、加速度センサ203の感度軸Kを変化させた場合の感度変化を示す図で、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の感度の最大値を100%としたときの感度変化率である。
図6において、実線は加速度センサ203を装着した左腕を真上に上げた状態又は真下に下ろした状態(垂直状態)で上下動運動をしたときの感度変化率、短破線は前記右左腕を進行方向に向かって真下から45度上げた状態(図3参照)で上下動運動をしたときの感度変化率、長破線は前記左腕を真下から後方向に向かって25度(−25度)上げた状態(図3参照)で上下動運動をしたときの感度変化率である。
【0017】
図6に示すように、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して垂直に取付けた場合、腕を進行方向に45度振ったときには、感度は最大値から25%減衰する。後方向に腕を25度振った場合は、約7%減衰することがわかる。また感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合、腕を進行方向に45度振ったときには、感度は最大感度となる。また後方向に腕を25度振った場合は、約60%減衰する。
【0018】
図7は、約80%の人の腕振りした場合(進行方向に35度、後方向に15度)において、加速度センサ203の感度軸Kを変化させた場合の感度変化を示す図で、図6と同様に、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の感度の最大値を100%としたときの感度変化率である。
図7において、実線は加速度センサ203を装着した左腕を真上に上げた状態又は真下に下ろした状態(垂直状態)で上下動運動をしたときの感度変化率、短破線は左腕を進行方向に向かって真下から35度上げた状態(図4参照)で上下動運動をしたときの感度変化率、長破線は腕を後方向に向かって真下から15度(−15度)上げた状態(図4参照)で上下動運動をしたときの感度変化率である。
携帯電話等で通話状態のときの腕の角度は概ね125度となるため、進行方向に35度腕を振った状態と同等の感度変化率となる。
【0019】
図8は加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度に配設した場合の、加速度センサ203出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図9は加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して75度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図10は加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して60度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図11は加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【0020】
図8〜図11において、歩行信号の各山が一歩を示している。感度軸Kが90度〜60度の範囲内では良好な信号波形が得られている(図8〜図10)。しかしながら、図11に示すように、感度軸Kが45度では、電子歩数計100を装着した腕(本実施の形態では左腕)を進行方向に位置させたときに検出した歩行に対応する歩行信号の山は大きいが、前記腕を後方向に位置させたときに検出した歩行信号の山は小さくなっており、歩行計測が不安定になって測定誤差が生じる恐れがある。
【0021】
図12は、加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度に配設した場合の、加速度センサ203出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図13は、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して75度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図14は、加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して60度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図15は、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。
【0022】
図12〜図15において、図8〜図11と同様に、信号の各山が一歩を表している。加速度センサ203の出力が小さい人の場合には、ベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度が小さくなるに従って、良好な歩行検出信号が得られにくくなるため、歩行計測が不安定になり、大きな測定誤差が生じる恐れがある。
図16は、加速度センサ203による歩行計測可能な範囲を示す特性図で、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する加速度センサ203の感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の正規化した感度を示す図である。図16に示すように、加速度センサ203は、感度軸Kの角度が60度以上の領域において良好な感度を有している。本実施の形態では、図16の特性図に基づいて次のようにして、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する加速度センサ203の感度軸Kの角度範囲を決定した。
【0023】
人は通常生活の中では、腕を後ろにしたまま何かをすることがないため、加速度センサ203の感度軸Kの最大角度値を、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対して90度とする。また、感度軸Kの最小角度値は、歩行信号レベルが小さい人でも1歩毎に歩行信号を検出できるように、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する角度として60度(ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度)とする。即ち、加速度センサ203の感度軸Kは、表示部102側から見て、ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに設定することにより、良好な歩数計測が可能になる。
尚、前述した右手用の腕時計型電子歩数計の場合にも前記同様にして加速度センサの感度軸を設定することが可能であり、右手用の腕時計型電子歩数計の場合には、感度軸Kは、表示部102側から見て、ベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲とすることにより、良好な歩数計測が可能になる。
【0024】
以上のように構成された左手用の腕時計型電子歩数計100を用いて歩数計測を行う場合、電子歩数計100の使用者は、ベルト105によって自身の左手首に電子歩数計100を装着して操作部103により歩数計測処理を開始させると共に、歩行を開始することにより歩数の計測を開始する。表示部102の歩数表示部201、時間表示部202に表示される歩数や歩行時間を確認する。
前述した右手用の腕時計型電子歩数計を使用して歩数計測を行う場合には、使用者の右手首に該電子歩数計を装着して歩数計測を行う。
【0025】
以上述べたように、本実施の形態に係る電子歩数計は、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトと、前記算出手段で算出した歩数を表示する表示部とを有し、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、加速度センサ203の感度軸Kは、表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲S、又は、表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている。
【0026】
ここで、電子歩数計は、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用される。
これにより、少なくとも歩行センサを手首に装着して使用する腕時計型の電子歩数計において、小型化可能であると共に、腕を振らない状態で歩行を行った場合でも良好な歩行検出が可能になる。
尚、前記実施の形態では電子歩数計本体101を使用者の手首に装着して使用するように構成したが、少なくとも加速度センサ203を使用者の手首に装着するように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
歩数計の構成要素全てを使用者に装着して使用するように構成した電子歩数計や、一部の構成要素(少なくともセンサ)を使用者に装着すると共に他の構成要素を前記一部の構成要素と無線で信号の送受信を行うように構成し、前記他の構成要素は使用者から離れた場所に設けるようにした電子歩数計等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
100・・・電子歩数計
101・・・電子歩数計本体
102・・・表示部
103・・・操作部
104・・・美錠
105・・・ベルト
106・・・小穴
201・・・歩数表示部
202・・時間表示部
203・・・歩行センサとしての加速度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体等の歩行を検出して歩数を計測する電子歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行センサを用いて使用者の歩行を検出することにより、前記使用者の歩数を計測する電子歩数計が開発されている。
電子歩数計として、腕時計のように使用者の手首装着して使用する腕時計式の歩数計が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
前記従来の腕時計式の電子歩数計では、振り子式のセンサを使用しているため、腕を自然に振りながら歩行する通常歩行では歩数の計測ができるが、例えば携帯電話で通話しながら歩行する場合のように、腕を所定位置(例えば耳元)に固定して、腕を振らない状態で行う歩行については計測できないという問題がある。
【0003】
また、腕時計式ではないが、電子歩数計をポケット等に収納した状態等のように、腕を振らない状態でも歩数計測が可能な商品も開発されているが、センサを2つ使用すると共に各センサを相互に直交するように配設している。これにより、電子歩数計をポケット等に収納した状態でも歩数計測が可能になるが、センサを2つ使用しているため体積が大きくなり又、センサからの信号を増幅するための回路が2倍必要になったり、あるいは、これを防止するために時分割駆動した場合には回路駆動時間が増えることになり、腕時計式の歩数計には適さないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−221434号公報(第3頁、第4頁及び図1〜図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも歩行センサを手首に装着して使用する電子歩数計において、小型化可能であると共に、腕を振らない状態で行う歩行を検出可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する歩行センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記歩行センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、前記歩行センサの感度軸は、前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されて成ることを特徴とする電子歩数計が提供される。
歩行センサの感度軸は、ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている。電子歩数計の使用者は、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する。
【0007】
ここで、前記歩行センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、前記歩行センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用されるように構成することが好ましい。
また、前記歩行センサは加速度センサであることが好ましい。
また、時間を計時する計時手段を備えて成るように構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単一の歩行センサを使用して歩行検出が可能になるため小型化可能になると共に、前記歩行センサの感度軸を使用時に所定角度になるように構成しているため腕を振らない状態で行う歩行を検出することが可能になるという効果を奏する。
また、腕時計としての機能を有する電子歩数計を構成することが可能になり、通常生活における殆どの歩数を計測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子歩数計の外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子歩数計の部分拡大外観正面図である。
【図3】一般的な歩行者の通常歩行における腕振り角度範囲の最大値を示す図である。
【図4】約80%の人の腕振り角度範囲を示す図である。
【図5】加速度センサの取り付け角度によって感度が変化する様子を示す図である。
【図6】腕振り角度が最大の時の感度変化を示す図である。
【図7】約80%の人の腕振りによる感度変化を示す図である。
【図8】加速度センサの感度軸を90度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図9】加速度センサの感度軸を75度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図10】加速度センサの感度軸を60度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図11】加速度センサの感度軸を45度にした場合の加速度センサ出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【図12】加速度センサの感度軸を90度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図13】加速度センサの感度軸を75度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図14】加速度センサの感度軸を60度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図15】加速度センサの感度軸を45度にした場合の加速度センサ出力が小さい人の歩行信号波形を示す図である。
【図16】歩行計測可能な加速度センサの感度軸の角度範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る電子歩数計は使用者の手首に装着して使用する腕時計型の電子歩数計であり、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する歩行センサとしての加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記加速度センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用するものである。以下、本実施の形態に係る電子歩数計について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子歩数計の外観正面図であり、使用者の左手首に装着して使用する左手首の電子歩数計を示している。また、図2は、図1の部分拡大図である。
【0011】
図1及び図2において、電子歩数計100は、表示部102及び外部操作可能な操作部103を有する電子歩数計本体101、親と剣先によって構成され電子歩数計本体101を使用者の手首に装着するためのベルト105、ベルト105の端部に設けられた尾錠104を備えている。
表示部102は、使用者が歩行した歩数を表示する歩数表示部201、時刻や歩行時間等を表示するための時間表示部202を有している。
ベルト105には、複数の小穴106が設けられており、小穴106と尾錠104とを係合させることによって、ベルト105で電子歩数計本体101を使用者の腕に装着するように構成されている。
【0012】
電子歩数計本体101の内部には、使用者の歩行を検出するための歩行センサとしての加速度センサ203が設けられている。ここで使用する加速度センサ203は加速度を検出可能な素子であり、ショックセンサ、衝撃センサ、振動センサ等とも呼ばれ、バイモルフ型やユニモルフ型、ピエゾ型等の各種の加速度センサが使用できる。
また電子歩数計本体101の内部には、加速度センサ203から出力される歩行に対応する歩行信号に基づいて、使用者の歩数を算出するための算出手段、時間を計時する計時手段、前記算出手段で算出した使用者の累積歩数や前記計時手段で計時した時刻等を表示部102に表示するための表示駆動手段等を備えている。
【0013】
ベルト105に対する加速度センサ203の取り付け角度についての詳細は後述するが、図1及び図2に示した電子歩数計100は左手首の電子歩数計であるため、加速度センサ203は、表示部102側から電子歩数計本体101を見た場合に、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度になる方向Yから反時計回りに30度以内の範囲Sになるような位置に配設されている。尚、加速度センサ203の移動方向や加速度センサ203に加えられた衝撃の方向が感度軸Kに一致するときに、検出感度が最大になる。
電子歩数計100を左手首に装着した場合、手の平はB側に位置し、肘はA側に位置することになる。
尚、右手首に装着して使用する右腕用の腕時計型電子歩数計の場合には、加速度センサ203は、表示部102側から電子歩数計本体101を見た場合に、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度になる方向Yから時計回りに30度以内の範囲になるような位置に配設される。右腕用電子歩数計を右手首に装着した場合、手の平はA側に位置し、肘はB側に位置することになる。
【0014】
本実施の形態では、腕時計型の電子歩数計において、通常歩行(腕を振り、普通に歩く歩行)以外のポケットに手を入れた状態での歩行や、携帯電話で話しながらの歩行を計数可能にするために、腕振りの信号は検知せず、極力、体の上下動を表す信号のみを検知するように構成する必要がある。通常歩行での腕の振り方は、人にもよるが概ね、進行方向に大きく、後方向には小さく振るのが一般的である。
また、体の上下動運動は足の着地時に発生することから、通常歩行している状態においては、腕を前後に振ったときの手の位置が最前部と最後部になったときに足が着地して体の上下動運動が発生する。
【0015】
図3は一般的な歩行者の通常歩行における腕振り角度範囲の最大値を示す図であり、図4は約80%の人の腕振り角度範囲を示す図である。図3及び図4に示すように、人の手の振りは、進行方向に対し概ね45度以内であるが、約80%の人は35度以内である。逆(後)方向は概ね25度以内であるが、同様に約80%の人は15度以内となっている。
図5は、加速度センサ203の取り付け角度によって感度が変化する様子を示す図である。加速度センサ203の感度軸Kと加速度センサ203の振れ方向(移動方向)との角度によって、加速度センサ203の検出感度が変化する様子を示している。図5において、加速度センサ203の感度軸K方向に振れたときに、加速度センサ203の感度が最大になる。加速度センサ203の感度軸Kを加速度センサ203の移動方向に対して45度にした場合には、加速度センサ203の感度は最大値から25%減衰することを示している。
【0016】
図6は、使用者の腕振り角度が最大時(進行方向に45度、後方向に25度)において、加速度センサ203の感度軸Kを変化させた場合の感度変化を示す図で、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の感度の最大値を100%としたときの感度変化率である。
図6において、実線は加速度センサ203を装着した左腕を真上に上げた状態又は真下に下ろした状態(垂直状態)で上下動運動をしたときの感度変化率、短破線は前記右左腕を進行方向に向かって真下から45度上げた状態(図3参照)で上下動運動をしたときの感度変化率、長破線は前記左腕を真下から後方向に向かって25度(−25度)上げた状態(図3参照)で上下動運動をしたときの感度変化率である。
【0017】
図6に示すように、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して垂直に取付けた場合、腕を進行方向に45度振ったときには、感度は最大値から25%減衰する。後方向に腕を25度振った場合は、約7%減衰することがわかる。また感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合、腕を進行方向に45度振ったときには、感度は最大感度となる。また後方向に腕を25度振った場合は、約60%減衰する。
【0018】
図7は、約80%の人の腕振りした場合(進行方向に35度、後方向に15度)において、加速度センサ203の感度軸Kを変化させた場合の感度変化を示す図で、図6と同様に、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の感度の最大値を100%としたときの感度変化率である。
図7において、実線は加速度センサ203を装着した左腕を真上に上げた状態又は真下に下ろした状態(垂直状態)で上下動運動をしたときの感度変化率、短破線は左腕を進行方向に向かって真下から35度上げた状態(図4参照)で上下動運動をしたときの感度変化率、長破線は腕を後方向に向かって真下から15度(−15度)上げた状態(図4参照)で上下動運動をしたときの感度変化率である。
携帯電話等で通話状態のときの腕の角度は概ね125度となるため、進行方向に35度腕を振った状態と同等の感度変化率となる。
【0019】
図8は加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度に配設した場合の、加速度センサ203出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図9は加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して75度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図10は加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して60度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図、図11は加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が大きい人の歩行信号波形を示す図である。
【0020】
図8〜図11において、歩行信号の各山が一歩を示している。感度軸Kが90度〜60度の範囲内では良好な信号波形が得られている(図8〜図10)。しかしながら、図11に示すように、感度軸Kが45度では、電子歩数計100を装着した腕(本実施の形態では左腕)を進行方向に位置させたときに検出した歩行に対応する歩行信号の山は大きいが、前記腕を後方向に位置させたときに検出した歩行信号の山は小さくなっており、歩行計測が不安定になって測定誤差が生じる恐れがある。
【0021】
図12は、加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度に配設した場合の、加速度センサ203出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図13は、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して75度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図14は、加速度センサ203の感度軸Kを表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して60度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。図15は、加速度センサ203の感度軸Kをベルト105の長手方向Xに対して45度に配設した場合の、加速度センサ203の出力が小さい人の歩行信号波形を示す。
【0022】
図12〜図15において、図8〜図11と同様に、信号の各山が一歩を表している。加速度センサ203の出力が小さい人の場合には、ベルト105の長手方向Xに対する感度軸Kの角度が小さくなるに従って、良好な歩行検出信号が得られにくくなるため、歩行計測が不安定になり、大きな測定誤差が生じる恐れがある。
図16は、加速度センサ203による歩行計測可能な範囲を示す特性図で、横軸は表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する加速度センサ203の感度軸Kの角度、縦軸は加速度センサ203の正規化した感度を示す図である。図16に示すように、加速度センサ203は、感度軸Kの角度が60度以上の領域において良好な感度を有している。本実施の形態では、図16の特性図に基づいて次のようにして、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する加速度センサ203の感度軸Kの角度範囲を決定した。
【0023】
人は通常生活の中では、腕を後ろにしたまま何かをすることがないため、加速度センサ203の感度軸Kの最大角度値を、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対して90度とする。また、感度軸Kの最小角度値は、歩行信号レベルが小さい人でも1歩毎に歩行信号を検出できるように、表示部102側から見たベルト105の長手方向Xに対する角度として60度(ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度)とする。即ち、加速度センサ203の感度軸Kは、表示部102側から見て、ベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに設定することにより、良好な歩数計測が可能になる。
尚、前述した右手用の腕時計型電子歩数計の場合にも前記同様にして加速度センサの感度軸を設定することが可能であり、右手用の腕時計型電子歩数計の場合には、感度軸Kは、表示部102側から見て、ベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲とすることにより、良好な歩数計測が可能になる。
【0024】
以上のように構成された左手用の腕時計型電子歩数計100を用いて歩数計測を行う場合、電子歩数計100の使用者は、ベルト105によって自身の左手首に電子歩数計100を装着して操作部103により歩数計測処理を開始させると共に、歩行を開始することにより歩数の計測を開始する。表示部102の歩数表示部201、時間表示部202に表示される歩数や歩行時間を確認する。
前述した右手用の腕時計型電子歩数計を使用して歩数計測を行う場合には、使用者の右手首に該電子歩数計を装着して歩数計測を行う。
【0025】
以上述べたように、本実施の形態に係る電子歩数計は、使用者の歩行を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトと、前記算出手段で算出した歩数を表示する表示部とを有し、少なくとも前記歩行センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、加速度センサ203の感度軸Kは、表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲S、又は、表示部102側から見てベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている。
【0026】
ここで、電子歩数計は、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度から反時計回りに30度以内の範囲Sに位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、加速度センサ203の感度軸Kがベルト105の長手方向Xに対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用される。
これにより、少なくとも歩行センサを手首に装着して使用する腕時計型の電子歩数計において、小型化可能であると共に、腕を振らない状態で歩行を行った場合でも良好な歩行検出が可能になる。
尚、前記実施の形態では電子歩数計本体101を使用者の手首に装着して使用するように構成したが、少なくとも加速度センサ203を使用者の手首に装着するように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
歩数計の構成要素全てを使用者に装着して使用するように構成した電子歩数計や、一部の構成要素(少なくともセンサ)を使用者に装着すると共に他の構成要素を前記一部の構成要素と無線で信号の送受信を行うように構成し、前記他の構成要素は使用者から離れた場所に設けるようにした電子歩数計等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
100・・・電子歩数計
101・・・電子歩数計本体
102・・・表示部
103・・・操作部
104・・・美錠
105・・・ベルト
106・・・小穴
201・・・歩数表示部
202・・時間表示部
203・・・歩行センサとしての加速度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行中の使用者の加速度を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記加速度センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、
前記加速度センサの感度軸は、前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されて成ることを特徴とする電子歩数計。
【請求項2】
前記加速度センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、
前記加速度センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用されることを特徴とする請求項1記載の電子歩数計。
【請求項3】
時間を計時する計時手段を備えて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の電子歩数計。
【請求項1】
歩行中の使用者の加速度を検出して歩行に対応する歩行信号を出力する加速度センサと、前記歩行信号に基づいて前記使用者の歩数を算出する算出手段と、少なくとも前記加速度センサを前記使用者の手首に装着するためのベルトとを有し、少なくとも前記加速度センサを前記ベルトによって前記使用者の手首に装着して使用する電子歩数計において、
前記加速度センサの感度軸は、前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲、又は、前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されて成ることを特徴とする電子歩数計。
【請求項2】
前記加速度センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から反時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の左手首に装着して使用され、
前記加速度センサの感度軸が前記ベルトの長手方向に対して90度から時計回りに30度以内の範囲に位置するように配設されている場合には前記使用者の右手首に装着して使用されることを特徴とする請求項1記載の電子歩数計。
【請求項3】
時間を計時する計時手段を備えて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の電子歩数計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−227918(P2011−227918A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140681(P2011−140681)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【分割の表示】特願2004−124657(P2004−124657)の分割
【原出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【分割の表示】特願2004−124657(P2004−124657)の分割
【原出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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