説明

電子表示ポスト

【課題】在庫のスペースを削減することのできる構成の電子表示ポストを提供する。
【解決手段】電子表示ポストは、柱状で、第1柱部および第2柱部から構成される電子表示ポストにおいて、上記第1柱部は、床に連結固定され、上記第2柱部は、上記第1柱部の上部に着脱自在に載せられると共に、発光ダイオードによる表示部を有する電子表示部および上記電子表示部を駆動するドライブ部を有する。また、上記第1柱部の下部には、空気を流入させる通気口が設けられており、上記第2柱部の上部には、上記空気を排出させる排出口が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子表示ポストの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子表示ポストは、エスカレータの上り方向の案内として用いられる。このLEDから成る電子表示部は、ドライブ基板により駆動されることにより、電子表示部が各LED素子による種々の表示を行うものである。例えば、電子表示部は、緑色の発色による「昇り」、緑色の発色による「降り」、赤色の発色による「停止」を表示する。
【0003】
このような電子表示ポストは、全体が一体として製作されていた。比較的安価な製造コ
ストと安定した品質の確保とを実現しつつ、LED表示部を正面以外から目視する者等が
その表示を視認し易く、また曲面部分を有する表示装置のデザイン性も損なわないものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−75813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子表示ポストは、電子表示部も含めて一体として製作されているので、電子表示部の表示サイズの種類が多くなると、そのサイズごとに多数の種類を有する電子表示ポストを設計、製作しておいて、表示サイズの要求に応じた電子表示ポストを供給していた。このため、多数の電子表示部の設計・製作が煩雑であると共に予め多数の種類の電子表示ポストを製作しておいて在庫を多数備えなければならないという課題があった。
【0006】
この発明の目的は、在庫のスペースを削減することのできる構成の電子表示ポストを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電子表示ポストは、柱状で、第1柱部および第2柱部から構成される電子表示ポストにおいて、上記第1柱部は、床に連結固定され、上記第2柱部は、上記第1柱部の上部に着脱自在に載せられると共に、発光ダイオードによる表示部を有する電子表示部および上記電子表示部を駆動するドライブ部を有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る電子表示ポストは、電子表示ポストが複数の表示内容を有する場合、第1柱部を共用にし、第2柱部のみを表示内容に応じて変更すれば良いので、電子表示ポスト全体を変える必要がなく、このため、設計が容易で、在庫スペースも少なくて良いという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る電子表示ポストを図1から図6を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る電子表示ポストをエスカレータの乗り場案内に用いた全体斜視図である。図2は、図1に示す電子表示ポストの正面図である。図3は、図2に示す電子表示ポストの分解斜視図である。図4は、図2に示す電子表示ポストの「上昇方向」電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図(a)とその電子表示部の斜視図(b)である。図5は、図2に示す電子表示ポストの「上昇方向」と「自動」との電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図(a)とその電子表示部の斜視図(b)である。図6は、図2に示す電子表示ポストの「矢印の上昇方向」と「自動」と「AUTO」の電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図(a)とその電子表示部の斜視図(b)である。
【0010】
この発明に係るエスカレータ1は、図1に示すように、乗客7が乗る踏み段3と、手摺5とを備えている。そして、エスカレータ1の乗降口9には、円柱状の電子表示ポスト10が床2に立設固定されている。
【0011】
この発明の実施の形態1に係る電子表示ポスト10は、図2および図3に示すように、円筒状であり、床2に連結固定されると共に、基柱となる第1柱部30と、該第1柱部30の上に載せられると共に、着脱自在な第2柱部とを備えている。ここで、電子表示ポスト10には、少なくとも1つの第1柱部30を有している。
第2柱部として、3種類の第1表示柱部50、第2表示柱部150、第3表示柱部250が用意され、この中から表示内容の要求に応じて1つを選択して第1柱部30の上に着脱自在に載せる。
【0012】
第1表示柱部50は、図3と図4に示すように、第1筒部材52と、発光ダイオードにより「矢印の上昇方向」示すと共に、柱に沿うように僅かに湾曲した板状の第1電子表示部54と、第1電子表示部54を駆動する電子基板から成る第1ドライブ部56と、第2柱部に共通な蓋58と、を有している。
第2表示柱部150は、図3と図5に示すように、第2筒部材152と、発光ダイオードにより「矢印の上昇方向」および「自動」を示すと共に、柱に沿うように僅かに湾曲した板状の第2電子表示部154と、第2電子表示部154を駆動する電子基板から成る第2ドライブ部156と、第2柱部に共通な蓋58と、を有している。
第3表示柱部250は、図3と図6に示すように、第3筒部材252と、発光ダイオードにより「矢印の上昇方向」および「自動」、「AUTO」を示すと共に、柱に沿うように僅かに湾曲した板状の第3電子表示部254と、第3電子表示部254を駆動する電子基板から成る第2ドライブ部256と、第2柱部に共通な蓋58と、を有している。
【0013】
このように構成された電子表示ポスト10の組み立てを、図2および図3を主に参照して説明する。
まず、表示内容に応じて、3種類の第1表示柱部50、第2表示柱部150および第3表示柱部250の内から1つを第2柱部として選択し、選択した第2注部を組み立てて準備する。そして、第1柱部30の基台34を床2に固定し、筒部材32を基台34の板部材にネジで固定する。それから、選択し組み立てて準備した第2注部を筒部材32の上にネジで固定して電子表示ポスト10が完成する。
【0014】
上述の実施の形態1に係る電子表示ポスト10は、柱状で、第1柱部30と第2柱部とから成る電子表示ポストにおいて、第1柱部30は、床に連結固定され、第2柱部は、第1柱部30の上に着脱自在に載せられると共に、発光ダイオードによる表示部を有する電子表示部と、該電子表示部を駆動するドライブ部とを有する、ものであるので、第1柱部30の上に載せられると共に、電子表示部と該電子表示を駆動するドライブ部とを有する第2柱部と、第1柱部30とを分割しており、電子表示部に異なる表示をさせたい場合でも、電子表示部を有する第2柱部のみを変更すれば良いので、設計、在庫が省スペースで足りる。
【0015】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストを図7から図9を参照して説明する。
図7は、この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストの第1柱部30の分解斜視図である。図8は、この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストの第2柱部の分解斜視図である。図9は、この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストの内側の空気の流れを示す図である。
【0016】
第1柱部30は、図7に示すように、筒部材32と、床2に固定される基台34と、基台34の天部に固定されると共に、電子表示ポスト10間を通過する乗客を検出するセンサ部36とを備えている。そして、一方の電子表示ポスト10にはセンサ部36として送信器が、他方の電子表示ポスト10にはセンサ部36として受信器が設置される。
基台34は、図7に示すように、床2に固定される円板34aと、円板34aに立設して固定される板部材34bとを有している。板部材34bには、2つのネジ穴34eが設けられていて、第1柱部30の筒部材32が床2との間に隙間gを有するように、ネジにより固定される。この隙間gが通気口を形成している。
【0017】
第1柱部30の上部に第2柱部として第1表示柱部50を選択して以下説明するが、第2表示柱部150または第3表示柱部250を選択した場合でも同様であるので、説明は省略する。
第1表示柱部50の第1筒部材52は、図8示すように、上部に、蓋58に蓋58の内側面に外側面が接するように挿入される円筒状の挿入部材が設けられ、挿入部材の円周上の一部に凹部52fが設けられており、蓋58の内側の空間と外側とを連通している。また、挿入部材には貫通するようにネジ穴が開けられ、第1筒部材52に蓋58が被せられたときネジにより第1筒部材52と蓋58が固定される。
このように構成された電子表示ポスト10では、図9に示すように、第1柱部30の下側から吸い込んだ空気を第2柱部の排出ロを通過して排出するように構成されている。
【0018】
図1に示すように、乗降口9に向かう乗客が左右に配置されている2本の電子表示ポスト10の間を通過すると、一方の電子表示ポストから投光された光が遮られて、他方の電子表示ポスト10で受光できなくなり、エスカレータ1への乗客の到来を検知することができ、例えば、エスカレータ1を上昇運転する。
【0019】
これにより、図9に示すように、第1柱部30の下部から吸い込んだ空気を第2柱部の排出ロを通過して排出するので、電子表示ポスト10内の結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1に係る電子表示ポストをエスカレータの乗場案内に用いた全体斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る電子表示ポストの正面図である。
【図3】図2に示す電子表示ポストの分解正面図である。
【図4】図2に示す電子表示ポストの「上昇方向」の電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図および電子表示部の斜視図である。
【図5】図2に示す電子表示ポストの「上昇方向」と「自動」との電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図および電子表示部の斜視図である。
【図6】図2に示す電子表示ポストの「上昇方向」と「自動」と「AUTO」との電子表示部を有する第2柱部の筐体斜視図および電子表示部の斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストの第1柱部の分解斜視図である。
【図8】図7に示す電子表示ポストの排気孔を有する第2柱部の分解斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る電子表示ポストの内側の空気の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 エスカレータ、2 床、3 踏み段、5 手摺り、7 乗客、9 乗降口、10 電子表示ポスト、30 第1柱部、32 筒部材、34 基台、34a 円板、34b 板部材、34e ネジ穴、36 センサ部、50 第1表示柱部、52 第1筒部材、52f 凹部、54 第1電子表示部、56 第1ドライブ部、58 蓋、150 第2表示柱部、152 第2筒部材、154 第2電子表示部、156 第2ドライブ部、250 第3表示柱部、252 第3筒部材、254 第3電子表示部、256 第3ドライブ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状で、第1柱部および第2柱部から構成される電子表示ポストにおいて、
上記第1柱部は、床に連結固定され、
上記第2柱部は、上記第1柱部の上部に着脱自在に載せられると共に、発光ダイオードによる表示部を有する電子表示部および上記電子表示部を駆動するドライブ部を有する、
ことを特徴とする電子表示ポスト。
【請求項2】
上記第2柱部は、蓋および筒部材から構成され、
上記蓋が着脱自在である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子表示ポスト。
【請求項3】
上記第1柱部の下部には、空気を流入させる通気口が設けられており、
上記第2柱部の上部には、上記空気を排出させる排出口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子表示ポスト。
【請求項4】
上記第1柱部には、光センサの送信部または受信部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子表示ポスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−19872(P2010−19872A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177472(P2008−177472)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】