説明

電子装置及び電子システム

【課題】人力による発電及び健康の増進を促進することができる電子装置及び電子システムを提供する。
【解決手段】電子装置10は、運動器具12と、運動器具12を介して入力される人力により発電する発電手段14と、発電手段14により発電された発電量を検出する検出手段16と、検出手段16により検出された発電量を集計する集計手段34と、集計手段34により集計された発電量に関する表示情報を生成する表示情報生成手段36とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自然現象に左右されない発電装置として、人力で発電する発電機をエアロバイクに搭載し、ペダルを漕ぐことで発電される電力をバッテリーに充電することについて開示している。
【0003】
また、特許文献2は、グリーンエネルギー認証システムとして、太陽光発電によって発電されたグリーン電力の検針データ及び発電者データを携帯電話によりサーバに送信し、サーバでは、受信した検針データ及び発電者データに基づいて、発電者の発電データを計算することについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−57347号公報
【特許文献2】特開2010−244107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した背景からなされたものであって、人力による発電及び健康の増進を促進することができる電子装置及び電子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[電子装置]
本発明は、運動器具と、前記運動器具を介して入力される人力により発電する発電手段と、前記発電手段により発電された発電量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された発電量を集計する集計手段と、前記集計手段により集計された発電量に関する表示情報を生成する表示情報生成手段とを有する電子装置である。
【0007】
好適には、前記表示情報生成手段は、発電する人ごとの表示情報を生成する。
【0008】
好適には、前記運動器具は複数設けられ、前記発電手段は前記運動器具ごとに設けられる。
【0009】
好適には、前記表示情報生成手段は、前記運動器具ごとの表示情報を生成する。
【0010】
好適には、前記複数の運動器具及び前記複数の発電手段は、運動施設に設けられる。
【0011】
好適には、前記発電手段により発電された電気を蓄積する蓄電手段をさらに有する。
【0012】
好適には、前記運動器具ごとに設けられた発電手段のうち、少なくとも2つ以上の発電手段の発電効率が相互に異なり、前記表示手段は、前記運動器具ごとに発電量を表示する。
【0013】
[電子システム]
また、本発明は、運動器具と、前記運動器具を介して入力される人力により発電する発電手段と、前記発電手段により発電された発電量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された発電量を送信する送信手段とを有する電子装置と、前記送信手段により送信された発電量を集計する集計手段と、前記集計手段により集計された発電量に関する表示情報を生成する表示情報生成手段とを有するサーバとを備える電子システムである。
【0014】
好適には、前記電子装置は複数の運動器具を有し、前記発電手段は前記運動器具ごとに設けられる。
【0015】
好適には、前記電子装置は複数設けられる。
【0016】
好適には、前記電子装置は複数の運動施設に設けられ、前記表示情報生成手段は運動施設ごとの表示情報を生成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、本構成を有していない場合と比べ、人力による発電及び健康の増進を促進することができる電子装置及び電子システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置10の構成を示す模式図である。
【図2】情報処理プログラム32の構成を示すブロック図である。
【図3】表示情報生成部36により生成される表示情報の一例を示すグラフであり、利用者ごとの発電量を扇の面積の大きさにより示したグラフである。
【図4】表示情報生成部36により生成される表示情報の一例を示すグラフであり、利用者ごとの発電量を月ごとに示すレーダーチャートである。
【図5】電子装置10により発電量を表示する流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電子装置50の構成を示す模式図である。
【図7】発電量集計部34により作成されるテーブルの一例を示す表である。
【図8】表示情報生成部36が、図7に示したテーブルに基づいて生成する表示情報の一例を示すグラフである。
【図9】表示情報生成部36によってリアルタイムに生成された表示情報の一例を示すグラフである。
【図10】本発明の第3実施形態に係る電子システム60の構成を示す模式図である。
【図11】第3実施形態に係る電子システム60により発電量を表示する流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態に係る電子システム80の構成を示す模式図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る電子システム90の構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る電子システム90により表示される表示情報の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置10の構成を示す模式図である。電子装置10は、運動器具12、発電部14、発電量検出部16、情報処理部18、表示部20、及び蓄電部22から構成されている。
【0020】
運動器具12は、身体の運動に用いられる器具であり、例えば、健康の維持若しくは増進、又は筋力の強化などに用いられる。本実施形態に係る運動器具12では、エアロバイクとして構成されている。また、他にも、例えば、ランニングマシン、ローイングマシンなどのフィットネスマシンとして構成してもよい。
【0021】
運動器具12は、図1に示すように例えばペダル等として構成される可動部24を有しており、利用者が人力により可動部24を可動させることで身体の運動がなされる。運動器具12は、磁気カード又はICカードその他の記憶媒体の読取りをする読取部25を有していてもよい。また、運動器具12は、後述する情報処理部18に対する入出力を行なうユーザインタフェース26を有していてもよい。
【0022】
ユーザインタフェース26は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置並びにキーボード及びポインティングデバイスから構成されている。ユーザインタフェース26は、情報処理部18により生成された表示情報を表示する。なお、図1では、ユーザインタフェース26は、運動器具12に設けられているが、運動器具12とは別の場所に設置されていてもよい。また、読取部25に代えて、ユーザインタフェース26が、磁気カード又はICカードその他の記憶媒体の読取口を備えていてもよい。また、ユーザインタフェース26は、運動器具12に関する後述する識別情報を記憶した記憶装置を備えていてもよい。
【0023】
発電部14は、人力により発電する発電機として構成され、運動器具12の可動部24の可動に伴い、発電を行なう。発電部14は、運動器具12に内部に設置されていてもよく、また、外部に設置されていてもよい。
【0024】
発電量検出部16は、発電部14と電力ケーブル28により接続されており、例えば、電力計として構成されている。発電量検出部16は、発電部14により発電された発電量を検出し、情報処理部18へ出力する。
【0025】
情報処理部18は、発電量検出部16と例えば通信ケーブル30により接続されており、図示しないCPU及びメモリを含むコンピュータとして構成されている。情報処理部18は、発電量検出部16から出力された発電量を入力として、後述する情報処理プログラム32を実行し、発電量の集計及び発電量に関する表示情報を生成する。また、情報処理部18は、生成した表示情報を情報処理部18に接続された表示部20又はユーザインタフェース26へと出力する。
【0026】
なお、本実施形態に係る情報処理部18は、発電量検出部16、表示部20、読取部25、及びユーザインタフェース26と有線接続する構成としているが、無線接続する構成としてもよい。例えば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は無線LAN(Local Area Network)などの通信プロトコルによって無線通信を行なう構成としてもよい。
【0027】
表示部20は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、情報処理部18により生成された表示情報を表示する。
【0028】
蓄電部22は、蓄電池として構成され、発電部14により生成された電気を蓄える。また、蓄電部22は、蓄電池への蓄電を制御する蓄電制御装置をさらに備え、蓄電制御装置の制御のもと電気を蓄えてもよい。なお、蓄電を必要としない場合には、蓄電部22を設けなくてもよい。
【0029】
また、電子装置10は、以上説明した構成に加え、運動器具12における負荷の大きさ(例えば、運動器具12に設定される運動メニュー)を制御する負荷制御装置23を設けてもよい。ここで、運動器具12における負荷とは、利用者の運動への負荷をいい、例えば、可動部24にかかる負荷が該当する。負荷制御装置23は、運動器具12の内部又は外部に設置されており、発電部14と電気的に接続されている。負荷制御装置23が、発電部14へ電気的に負荷をかけることにより、可動部24にかかる負荷が調整される。また、負荷制御装置23は、さらにユーザインタフェース26と接続されていてもよい。なお、負荷制御装置23は、可動部24に直接、電気的に負荷をかけてもよい。
【0030】
次に、電子装置10の情報処理部18で実行される情報処理プログラム32について説明する。
【0031】
図2は、情報処理プログラム32の構成を示すブロック図である。
情報処理プログラム32は、発電量集計部34及び表示情報生成部36から構成されている。
【0032】
発電量集計部34は、情報処理部18に接続された発電量検出部16から送られる発電量を示すデータを集計する。また、本実施形態に係る情報処理プログラム32では、発電量集計部34は、発電量に関する識別情報を受付け、識別情報と集計した発電量とを関連付ける。発電量集計部34は、関連付けた発電量及び識別情報を表示情報生成部36へと出力する。
【0033】
なお、発電量集計部34は、テーブルを用いて発電量と識別情報とを関連付けてもよい。また、発電量と識別情報との関連付けをデータベースとして実現してもよい。
【0034】
ここで、識別情報とは、少なくとも運動器具12の利用者を識別する情報(以下、利用者識別情報という)であり、さらに、運動器具12を識別する情報(以下、運動器具識別情報という)、又は運動器具12の設置場所を識別する情報(以下、設置場所識別情報という)を含んでもよい。また、識別情報として、発電がなされた日時を含んでもよい。
【0035】
利用者識別情報は、例えば、ユーザインタフェース26により利用者によって入力される。利用者識別情報は、例えば利用者の氏名又は利用者のIDなど、利用者を識別できる情報であればよい。また、例えば、磁気カード又はICカードなどの記憶媒体に記憶された利用者情報が読取部25により読み取られ、読み取られたデータが、情報処理部18へ出力されてもよい。
【0036】
運動器具識別情報は、運動器具12を識別する情報であればよく、例えば、エアロバイク、ランニングマシン、ローイングマシンなどといった運動器具12の種類でもよいし、さらに細かい識別情報として、運動器具の型番などを識別情報としてもよい。また、運動器具識別情報として、発電部14の発電効率を用いてもよい。
【0037】
設置場所識別情報は、運動器具12が設置されている場所を識別する情報であればよく、例えば、自宅に設置されているのか、それともフィットネスクラブ若しくは体育館などの運動施設に設置されているのか、又は、どこの運動施設に設置されているかなどの情報を用いてもよい。
【0038】
運動器具識別情報及び設置場所識別情報は、例えば、ユーザインタフェース26を介して利用者により情報処理部18へ入力されてもよいし、ユーザインタフェース26に備えられた記憶装置に予め記憶された運動器具識別情報及び設置場所識別情報が情報処理部18へ入力されてもよい。
【0039】
表示情報生成部36は、発電量集計部34から出力された発電量データから、利用者が運動器具12により運動することにより発電した発電量を示す表示情報を生成する。本実施形態に係る情報処理プログラム32では、表示情報生成部36は、発電量集計部34により関連付けられた発電量及び識別情報に基づいて、利用者ごとの発電量を表示する表示情報を生成する。さらに、表示情報生成部36は、生成した表示情報を表示部20又はユーザインタフェース26へと出力する。
【0040】
図3及び図4は、それぞれ表示情報生成部36により生成される表示情報の一例を示すグラフである。
図3は、利用者ごとの発電量をグラフとして示された扇の面積の大きさにより示している。また、図4は、利用者ごとの発電量を、月ごとに示すレーダーチャートである。
【0041】
このように、本実施形態に係る表示情報生成部36は、利用者ごとに発電量を表示する表示情報を生成する。なお、図3及び図4で示した例では、グラフにより発電量を表示したが、グラフとともに又はグラフに代えて、発電量の具体的な数値を表示してもよい。また、各利用者の全利用者中の順位をあわせて表示してもよい。
【0042】
図5は、本実施形態に係る電子装置10により発電量を表示する流れを示すフローチャートの一例である。
【0043】
ステップ100(S100)において、運動器具12を用いて運動(発電)する利用者を識別する情報を含んだ識別情報が発電量集計部34へ入力される。
【0044】
ステップ102(S102)において、利用者による運動器具12を用いた運動が行なわれ、発電部14が発電を行なう。また、蓄電部22が、蓄電制御装置の制御のもと、発電された電気を蓄える。
【0045】
ステップ104(S104)において、発電量検出部16が、発電部14により発電された発電量を検出し、検出した発電量のデータを情報処理部18へ出力する。
【0046】
ステップ106(S106)において、発電量集計部34が、ステップ104で発電量検出部16から送られた発電量を示すデータを集計する。発電量集計部34は、集計された発電量と、ステップ100で入力された識別情報とを関連付けて、表示情報生成部36へ出力する。
【0047】
ステップ108(S108)において、表示情報生成部36が、発電量集計部34により関連付けられた識別情報と発電量とに基づいて、発電量を示す表示情報を生成し、生成した表示情報を表示部20又はユーザインタフェース26へと出力する。
【0048】
ステップ110(S110)において、表示部20又はユーザインタフェース26は、表示情報生成部36から出力された表示情報を表示する。
【0049】
本実施形態に係る電子装置10によれば、利用者ごとの発電量が表示される。利用者は、自らの運動により発電された発電量を表示により確認することができる。また、本実施形態に係る電子装置10によれば、利用者ごとの発電量が表示されるため、利用者は自らの発電量と他の利用者の発電量とを比較することができ、競争心が生まれ、更なる運動、すなわち健康の増進及び人力による発電を促進する。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る電子装置50の構成を示す模式図である。なお、第1実施形態と実質的に同様の構成機器については、同じ符号を示している。
【0051】
第2実施形態に係る電子装置50では、運動器具が複数ある点で第1の実施形態に係る電子装置10と異なる。各運動器具には、第1の実施形態に係る電子装置10と同様、それぞれ、発電部14、発電量検出部16、及び蓄電部22が構成されている。さらに、各運動器具には、第1実施形態同様、負荷制御装置23及びユーザインタフェース26が設けられてもよい。また、第2実施形態では、発電量検出部16と情報処理部18とが無線接続されている。
【0052】
図6に示す電子装置50の一例では、運動器具として、複数の運動器具12、及び運動器具12とは異なる種類の運動器具である複数の運動器具52から構成されている。運動器具52は、例えばローイングマシンとして構成されている。ただし、図6では、運動器具として2種類を示したが、1種類又は3種類以上であってもよい。
【0053】
また、電子装置50は、例えば、フィットネスクラブ若しくは体育館などの運動施設に設置されている。運動施設に電子装置50を設置することにより、運動施設の運営者等の管理下で電子装置50が運用され、発電量の改ざん等の不正を防止し、発電量の厳正な集計が期待できる。
【0054】
第2実施形態に係る情報処理部18は、情報処理プログラム32を実行し、各運動器具の発電量検出部16から無線により送られる発電量から、表示情報を生成する。
【0055】
図7は、第2実施形態に係る情報処理部18において、発電量集計部34により作成されるテーブルの一例である。
【0056】
図7に示すように、発電量集計部34は、例えば、発電量と、識別情報(運動(発電)がなされた日時、運動をした利用者、運動に用いた運動器具、当該器具の発電効率、運動器具の設置場所)とを関連づけたテーブルを作成する。表示情報生成部36は、例えば、図7に示したテーブルに基づいて、表示情報を生成する。
【0057】
図8は、表示情報生成部36が、図7に示したテーブルに基づいて生成する表示情報の一例である。図8に示すように、利用者ごとの発電量を運動器具ごとに表示することができる。図8に示した例では、さらに、各利用者における全利用者中の順位の表示がされており、利用者の競争心又は意欲を刺激することができる。
【0058】
なお、図8に示した例では、運動器具ごとの発電効率が備考として表示されているが、例えば、発電効率に基づいて発電量を換算し、換算された発電量をグラフ化してもよい。換算された発電量としては、例えば、発電量に発電効率の逆数を乗じた値を換算発電量として表示してもよい。また、図8に示した例では、運動器具別の表示を示したが、運動器具別の表示ではなく合計発電量の表示としてもよい。
【0059】
図8に示した例では、任意の期間(例えば、1ヶ月間)における総発電量を示しているが、表示情報生成部36は、利用者ごとの発電量をリアルタイムで表示情報を生成してもよい。
図9は、表示情報生成部36によってリアルタイムに生成された表示情報の一例である。図9に示した例では、横軸は時刻、縦軸は発電量とし、利用者ごとの現在の発電量及び現在までの発電量の推移をグラフ化している。図9に示す表示では、横軸の「現在時刻」の位置において、利用者の現在の運動による発電量を即時に表示している。また、横軸の「現在時刻」よりも左側には、現在時刻までの各利用者の発電量の推移が示されている。
なお、第2実施形態に係る表示情報生成部36においても、第1実施形態と同様に、図3又は図4を一例として説明した表示情報を生成してもよい。ここで、第1実施形態及び後述する第3実施形態においては、1つの運動器具が設けられている例を示しているため、第1実施形態及び第3実施形態に係る図3及び図4に示した表示では、各利用者の任意の期間における総発電量を示している。一方、本実施形態、後述する第4実施形態及び後述する第5実施形態においては、図4に示す表示については、第1実施形態及び第3実施形態と同様であるが、図3に示す表示としては、第1実施形態及び第3実施形態と同様に各利用者の任意の期間における総発電量の表示としてもよいし、各利用者の現在の運動による発電量を即時に同時に表示して、リアルタイムの比較をしてもよい。
【0060】
次に本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る電子システム60の構成を示す模式図である。図10においても、第1実施形態と実質的に同様の構成機器については、同じ符号を示している。
【0061】
第3実施形態に係る電子システム60では、ネットワーク66に接続されたサーバ68により、情報処理部18が構成されている点で異なる。
【0062】
電子システム60は、電子装置62とサーバ68とから構成されている。電子装置62は、第1実施形態に係る電子装置10と異なり、情報処理部18を有しておらず、発電量検出部16には通信機器64が接続されている。
【0063】
通信機器64は、発電量検出部16から出力された発電量をネットワーク66に接続されたサーバ68へと送信する。本実施形態に係る通信機器64は、例えば、ユーザインタフェース26を介して通信機器64に入力された識別情報についても、サーバ68へと送信する。
【0064】
なお、通信機器64は、発電量検出部16又はユーザインタフェース26と無線接続する構成でもよく、さらに、通信機器64は、ネットワーク66に無線接続する構成でもよい。また、通信機器64は、例えばスマートフォン、タブレット端末などとして構成されていてもよい。
【0065】
サーバ68には、第1実施形態に係る電子装置10と同様の情報処理部18が構成されている。サーバ68では、情報処理部18が第1実施形態と同様、情報処理プログラム32を実行し、ネットワーク66を介して通信機器64から送信された発電量の集計をし、さらに発電量に関する表示情報を生成する。
【0066】
また、サーバ68は、ネットワーク66に接続された表示部70に表示情報を出力する。なお、サーバ68は、ユーザインタフェース26へと出力する構成としてもよい。
【0067】
表示部70は、第1実施形態に係る電子装置10における表示部20と同様の構成でもよく、また、ユーザインタフェースとして構成され、サーバ68に対し、所望の表示情報を要求できる構成となっていてもよい。
【0068】
図11は、本実施形態に係る電子システム60により発電量を表示する流れを示すフローチャートの一例である。
【0069】
ステップ200(S200)において、電子装置62において、運動器具12を用いて運動(発電)する利用者を識別する情報を含んだ識別情報がユーザインタフェース26により識別される。
【0070】
ステップ202(S202)において、電子装置62は、識別情報をサーバ68へと送信する。
【0071】
ステップ204(S204)において、サーバ68は、ネットワーク66を介して、電子装置62から送信された識別情報を受信する。
【0072】
ステップ206(S206)において、電子装置62では、利用者による運動器具12を用いた運動が行なわれ、発電部14が発電を行なう。また、蓄電部22が、蓄電制御装置の制御のもと、発電された電気を蓄える。
【0073】
ステップ208(S208)において、電子装置62では、発電量検出部16が、発電部14により発電された発電量を検出し、検出した発電量のデータを通信機器64へ出力する。
【0074】
ステップ210(S210)において、電子装置62は、通信機器64により発電量のデータをサーバ68へと送信する。
【0075】
ステップ212(S212)において、サーバ68では、発電量集計部34がネットワーク66を介して送信した発電量を示すデータを集計し、集計された発電量と、ステップ204で受信した識別情報とを関連付けて、表示情報生成部36へ出力する。
【0076】
ステップ214(S214)において、表示部70は、サーバ68に対して、表示を要求する。
【0077】
ステップ216(S216)において、サーバ68では、表示情報生成部36が、表示部70による要求に応じた表示情報を、発電量集計部34により関連付けられた識別情報と発電量とに基づいて生成する。
【0078】
ステップ218(S218)において、サーバ68は、ステップ216で生成した表示情報を表示部70へと送信する。
【0079】
ステップ220(S220)において、表示部70は、サーバ68から送信された表示情報を表示する。これにより、表示部70には、例えば、図3又は図4を一例として説明した表示情報が表示される。
【0080】
次に本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。
図12は、本発明の第4実施形態に係る電子システム80の構成を示す模式図である。図12において、図10に示した第3実施形態と実質的に同様の構成機器については、同じ符号を示している。
【0081】
第4実施形態に係る電子システム80では、運動器具が複数ある点で第3実施形態に係る電子システム60と異なる。各運動器具には、第3実施形態に係る電子装置62と同様、それぞれ、発電部14、発電量検出部16、及び蓄電部22が構成されている。さらに、各運動器具には、第3実施形態同様、負荷制御装置23及びユーザインタフェース26が設けられてもよい。
【0082】
また、第4実施形態に係る電子システム80では、第3実施形態に係る電子装置62における通信機器64に代えて、ローカルサーバ63及びルータ65を備えている。ローカルサーバ63は、発電量検出部16と無線接続されており、ローカルサーバ63はルータ65を介して発電量検出部16から出力された発電量をネットワーク66に接続されたサーバ68へと送信する。
【0083】
ローカルサーバ63は、利用者を認証する機能を有していてもよい。例えば、ローカルサーバ63は、利用者を認証し、認証した利用者に基づいて利用者識別情報を生成して、ネットワーク66に接続されたサーバ68へ送信してもよい。また、ローカルサーバ63は、認証した利用者が利用する運動器具の運動器具識別情報をサーバ68へ送信してもよい。
【0084】
なお、第4実施形態では、発電量検出部16とローカルサーバ63とが無線接続されているが、有線接続としてもよい。
また、ローカルサーバ63は、ルータ65を介してネットワーク66と有線接続されているが、無線接続でもよい。
【0085】
電子システム80における電子装置82は、第3実施形態における電子装置62とは異なり、複数の運動器具による発電量データをサーバ68へと送信する。一方、サーバ68では、複数の運動器具による発電量データを受信し、表示情報を生成する。これにより、例えば、図3,図4,図8,及び図9を一例として説明した表示情報が生成される。なお、本実施形態においても、運動器具別の表示ではなく合計発電量の表示としてもよい。
【0086】
次に本発明の第5実施形態について図面を参照して説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係る電子システム90の構成を示す模式図である。図13において、図12に示した第4実施形態と実質的に同様の構成機器については、同じ符号を示している。
【0087】
図13に示すように、第5実施形態に係る電子システム90では、第4実施形態に係る電子装置82が複数の運動施設に設置されている点で、第4実施形態に係る電子システム80と異なる。図13では、運動施設α及び運動施設βにそれぞれ電子装置82が設置されているが、さらに多くの運動施設に電子装置82が設置されていてもよい。また、自宅等の運動施設以外に電子装置82が設置されていてもよいし、電子装置82の代わりに、図10に示した電子装置62が設置されていてもよい。
【0088】
電子システム90におけるサーバ68では、各運動施設に設置された電子装置82から送信される発電量データを受信し、表示情報を生成する。
【0089】
図14は、第5実施形態に係る電子システム90により表示される表示情報の一例を示すグラフである。図14に示すグラフのように、電子システム90は、例えば、運動施設ごと、利用者ごと、運動器具ごとに発電量を表示する。なお、第5実施形態においても、図3,図4,図8,及び図9を一例として説明した表示がなされてもよい。また、本実施形態においても、運動器具別の表示ではなく合計発電量の表示としてもよい。
【0090】
第1実施形態から第5実施形態において、発電された電気を蓄電部22に蓄電する構成としたが、蓄電部22は必ずしも必要ではなく、例えば、蓄電部22の代わりに、スマートグリッドなどの電力網に接続して、発電された電気を利用する構成としてもよい。
【0091】
以上説明した電子装置又は電子システムによれば、利用者は、自らの運動により発電された発電量を表示により確認することができる。また、利用者ごとの発電量が表示されるため、利用者は、自らの発電量と他の利用者の発電量とを比較することができ、競争心が生まれ、更なる運動、すなわち健康の増進及び人力による発電を促進する。
【符号の説明】
【0092】
10 電子装置
12 運動器具
14 発電部
16 発電量検出部
18 情報処理部
20 表示部
22 蓄電部
26 ユーザインタフェース
34 発電量集計部
36 表示情報生成部
68 サーバ
70 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動器具と、
前記運動器具を介して入力される人力により発電する発電手段と、
前記発電手段により発電された発電量を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された発電量を集計する集計手段と、
前記集計手段により集計された発電量に関する表示情報を生成する表示情報生成手段と
を有する電子装置。
【請求項2】
前記表示情報生成手段は、発電する人ごとの表示情報を生成する
請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記運動器具は複数設けられ、
前記発電手段は前記運動器具ごとに設けられる
請求項1又は2記載の電子装置。
【請求項4】
前記表示情報生成手段は、前記運動器具ごとの表示情報を生成する
請求項3記載の電子装置。
【請求項5】
前記複数の運動器具及び前記複数の発電手段は、運動施設に設けられる
請求項3又は4記載の電子装置。
【請求項6】
前記発電手段により発電された電気を蓄積する蓄電手段をさらに有する
請求項1乃至5記載の電子装置。
【請求項7】
前記運動器具ごとに設けられた発電手段のうち、少なくとも2つ以上の発電手段の発電効率が相互に異なり、
前記表示手段は、前記運動器具ごとに発電量を表示する
請求項3乃至6記載の電子装置。
【請求項8】
運動器具と、
前記運動器具を介して入力される人力により発電する発電手段と、
前記発電手段により発電された発電量を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された発電量を送信する送信手段と
を有する電子装置と、
前記送信手段により送信された発電量を集計する集計手段と、
前記集計手段により集計された発電量に関する表示情報を生成する表示情報生成手段と
を有するサーバと
を備える電子システム。
【請求項9】
前記電子装置は複数の運動器具を有し、
前記発電手段は前記運動器具ごとに設けられる
請求項8記載の電子システム。
【請求項10】
前記電子装置は複数設けられる
請求項8又は9記載の電子システム。
【請求項11】
前記電子装置は複数の運動施設に設けられ、
前記表示情報生成手段は運動施設ごとの表示情報を生成する
請求項9記載の電子システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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