説明

電子装置

【課題】入出力プラグ構成の違う接続機器に対し、音声入力と音声出力とを自動認識する。
【解決手段】入出力兼用ジャック1と前記入出力兼用ジャック1を通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択するスイッチ3、スイッチ4と前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択するスイッチ5、スイッチ6と前記プラグ判別用信号経路と電源電圧の印加端との間に接続された電位発生用抵抗と前記プラグ判別用信号経路に現れる電位発生信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部8と前記セレクタの接続切換制御を行う制御部9とを有し、制御部9はプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャック1を前記プラグ判別用信号経路に接続するように制御し、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも高いときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホームシアター装置などのAV(Audio Visual)機器をはじめとする電子装置では、MP3プレーヤ音声入力ジャックやヘッドホン音声出力ジャックを備えたものがある。
【0003】
例えば、従来の電子装置110の回路構成図を図29に示す。図29に示すように、従来の電子装置110はヘッドホン出力ジャック100とMP3プレーヤ入力ジャック101をそれぞれ備えている。そして、ヘッドホン音声R信号出力回路102からヘッドホン音声出力R信号S12を端子100bを通してヘッドホン出力ジャック100へ出力し、ヘッドホン音声L信号出力回路104からヘッドホン音声出力L信号S10を端子100aを通して、ヘッドホン出力ジャック100へ出力する。
【0004】
また、MP3プレーヤ入力ジャック101から端子101aを通して、MP3プレーヤ音声入力L信号S11をMP3音声L信号入力回路105へ出力し、MP3プレーヤ入力ジャック101から端子101bを通して、MP3プレーヤ音声入力R信号S13をMP3音声R信号入力回路103へ出力する。
【0005】
しかし、近年の小型化されている電子装置では、音声や映像に関わる入出力ジャックの装備は、厳しい物理的制約によりヘッドホン音声出力ジャック又はMP3プレーヤ音声入力ジャックの単一のジャックのみを搭載するのが一般的である。そうすると、ヘッドホン音声出力ジャック又はMP3プレーヤ音声入力ジャックのいずれか1つしか備えていない。このような電子装置では、ユーザのニーズに乏しく、利便性に欠ける問題があった。
【0006】
このため、ヘッドホン音声出力ジャック又はMP3プレーヤ音声入力ジャックを兼用化して、電子装置を小型化しながらも利便性を確保する従来技術が幾つかの技術文献に開示されている。(例えば特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−163686号公報
【特許文献2】特開平10−136483号公報
【特許文献3】特開2004−428419号公報
【特許文献4】特開2001−086416号公報
【特許文献5】特開平06−062382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献では、入出力プラグ構成の違う接続機器に対して、自動認識するものではないという問題がある。また、使用する入出力プラグの形状が限定的であるという問題がある。そうすると、ユーザのニーズに乏しく、利便性に欠ける問題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、音声ジャックを1つしか備えていない電子装置において、入出力プラグ構成の違う接続機器に対して、音声入力と音声出力とを自動認識することができる電子装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子装置は、入出力兼用ジャックと;前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタと;前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタと;前記プラグ判別用信号経路と電源電圧の印加端との間に接続された電位発生用抵抗と;前記プラグ判別用信号経路に現れる電位発生信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部と;前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部と;を有し、前記制御部は、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、第1セレクタは、入出力兼用ジャックと前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する。第2セレクタは、前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する。比較部において、前記プラグ判別用信号経路に現れる電位発生信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較する。そして、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御する。
【0012】
また、本発明に係る電子装置は、前記信号入力用経路を第1信号入力用経路と第2信号入力用経路のいずれに接続するかを選択する第3セレクタをさらに有し、前記比較回路は、前記閾値電圧として、第1閾値電圧とこれよりも高い第2閾値電圧を備え、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とを各々比較して前記比較結果信号を生成するものであり、前記制御部は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタ及び前記第3セレクタを各々制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る電子装置は、前記入出力兼用ジャックは、これに挿入されたプラグとの接点として、第1端子と第2端子を備えており、前記第1セレクタ、前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、前記電位発生用抵抗、前記通常用信号経路、前記プラグ判別用信号経路、前記信号入力用経路、前記第1信号入力用経路、前記第2信号入力用経路、及び、前記信号出力用経路は、前記第1端子と前記第2端子に各々対応して2系統設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電子装置は、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第4セレクタをさらに有し、前記比較回路は、2系統設けられた前記プラグ判定用信号経路に各々現れる電位発生信号が一致しているか否かを示す一致判定信号をさらに生成するものであり、前記制御部は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、及び、前記第4セレクタを各々制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る電子装置は、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第5セレクタと;前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として択一的に用いられる第1抵抗及びこれよりも低抵抗値の第2抵抗と;前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗を用いるか前記第2抵抗を用いるかを選択する第6セレクタと;をさらに有し、前記比較回路は、前記閾値電圧として、前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とは異なる第3閾値電圧を備え、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とを各々比較して前記比較結果信号を生成する一方、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第3閾値電圧とを比較して前記比較結果信号を生成するものであり、前記制御部は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて前記第6セレクタを制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗から前記第2抵抗に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第3閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗から前記第2抵抗に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧よりも高いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、前記第4セレクタ、及び、前記第5セレクタを各々制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る電子装置は、入出力兼用ジャックと;前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタと;前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタと;前記プラグ判別用信号経路に現れる電圧信号を平滑化して平滑電圧信号を生成する平滑部と;前記平滑電圧信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部と;前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部と;を有し、前記制御部は、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御するので、入出力兼用ジャックを自動で判別することができる。従って、ユーザのニーズに応じた利便性のよい電子装置を提供することができる。また、例えば、別々にヘッドホン音声出力ジャックとMP3プレーヤ音声入力ジャックなどを設ける必要がなく、電子装置のコンパクト化も同時に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る電子装置の機能ブロック図の一例である。
【図2A】本発明に係る電子装置の回路配置図の一例である。
【図2B】本発明に係る電子装置の正面図の一例である。
【図3】本発明に係る電子装置の回路構成図の第2実施形態の一例である。
【図4A】本発明に係る電子装置で使用する3極ステレオプラグの一例である。
【図4B】本発明に係る電子装置で使用する3極モノラルプラグの一例である。
【図4C】本発明に係る電子装置で使用する2極モノラルプラグの一例である。
【図5】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図6】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図7A】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図7B】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図7C】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図8】本発明に係る電子装置の回路構成図の第2実施形態の一例である。
【図9】一般的なヘッドホンの等価回路図の一例である。
【図10A】本発明に係るMP3プレーヤの等価回路図の一例である。
【図10B】本発明に係るMP3プレーヤの等価回路図の一例である。
【図11】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図12】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図13A】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図13B】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図13C】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図14】本発明に係る電子装置の回路構成図の第3実施形態の一例である。
【図15】一般的なマイクの等価回路図の一例である。
【図16】本発明に係る電子装置のロジック部の一例である。
【図17】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図18】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図19】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図20A】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図20B】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図20C】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図21】本発明に係る電子装置の回路構成図の第4実施形態の一例である。
【図22】本発明に係る電子装置のロジック部の一例である。
【図23】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図24】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図25】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図26】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図27】本発明に係る電子装置のタイミングチャートの一例である。
【図28A】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図28B】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図28C】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図28D】本発明に係る電子装置の動作図の一例である。
【図29】従来の電子装置の回路図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
まず図1を参照しながら、本実施形態に係る利用形態について簡単に説明する。図1は、本実施形態に係る電子装置85を用いた機能ブロック図の一例を示す。
【0021】
電子装置85は、ホームシアター装置として好適に適用可能である。また、電子装置85は、FL表示管60と、MP3入力回路61と、外部音声入力回路62と、外部映像入力回路63と、外部映像出力回路64と、入力切換回路65と、ADC(ADコンバータ)66と、各種スイッチ67と、マイコン回路9(制御部)と、電源回路69と、電源スイッチ70と、ローダー装置71と、DISCデータ処理・ローダー管理制御回路72と、音声信号処理回路73と、デジタルアンプ回路74と、ヘッドホン回路75を有する。
【0022】
FL表示管60はマイコン回路9に接続されており、マイコン回路9による制御のもと、日付や時刻、テレビ放送信号の受信チャンネル、録画動作中である旨などを表示する。
【0023】
MP3入力回路61は入力切換回路65に接続されており、外部からMP3信号を受け付ける回路である。外部音声入力回路62は入力切換回路65に接続されており、外部から音声端子としてRCA端子などから音声信号を受け付ける回路である。
【0024】
外部映像入力回路63はADC(ADコンバータ)66へ接続されており、外部からの映像の入力を受け付ける回路である。外部映像出力回路64はDISCデータ処理・ローダー管理制御回路72と接続されており、DISCデータ処理・ローダー管理制御回路72からの信号を受けて、外部へ映像を出力する回路である。外部映像出力回路64はビデオドライバ76を通じて動作する。
【0025】
入力切換回路65は、MP3入力回路61と外部音声入力回路62とADC66とに接続されており、所定の条件によって、MP3入力回路61からの出力か、外部音声入力回路62かを切り換え、ADC66へ出力する。
【0026】
各種スイッチ67は、マイコン回路9へ接続されており、再生、停止、巻き戻しなどのボタン操作の入力を受け付ける。マイコン回路9は、各ブロックの管理・制御を行う。電源回路69はマイコン回路9に接続されており、マイコン回路9の制御のもとで、各種電源へと出力し、例えば電源オンやスタンバイ等の管理・制御がされる。AC電源入力を受け付ける回路である。電源スイッチ70はマイコン回路9に接続されており、ユーザからの電源のオン/オフの操作を受け付ける。
【0027】
ローダー装置71はDISCデータ処理・ローダー管理制御回路72と接続されており、電子装置85で利用されるDISCの挿入や取出を行う。DISCデータ処理・ローダー管理制御回路72は、ローダー装置71とADC66と外部映像出力回路64などと接続されており、電子装置85で利用されるDISCデータ処理・ローダー管理制御を行う。
【0028】
音声信号処理回路73は、DISCデータ処理・ローダー管理制御回路72とデジタルアンプ回路74とヘッドホン回路75などと接続されており、音声信号を処理する回路である。デジタルアンプ回路74は音声信号処理回路73などと接続されており、スピーカーへ音声を出力する回路である。ヘッドホン回路75は、音声信号処理回路73と接続されており、ヘッドホンへ出力する回路である。
【0029】
図2Aは、電子装置85の回路配置図の一例である。図1に記載の機能ブロックは概ね図2Aのように備えられている。なお、この配置に限定される訳ではない。
【0030】
図2Bは、電子装置85の正面図の一例である。図2Bに記載のように、正面から見ると左から電源スイッチ70と、ローダー装置71と、各種スイッチ67と、(音声)入出力兼用ジャック1とを備える。音声入出力兼用ジャック1は、外部からのMP3の入力信号とヘッドホンへの出力信号との処理を兼用する端子(ジャック)である。
【0031】
(第1実施形態)
第1実施形態では、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として信号有無判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1がMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられるのか、ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのかを判定する。
【0032】
本実施形態において、音声入出力兼用ジャック1に接続される対象はヘッドホン音声出力プラグ、MP3プレーヤ音声入力プラグの2つとし、また、そのプラグ形状としては、図4Aに記載のように3極ステレオプラグ23を使用する。また、主流の低インピーダンス(6〜32Ω程度)のヘッドホンを使用するものとする。さらに、音声入出力兼用ジャック1に接続されたプラグ信号の判別方式には、信号有無判別方式を用いる。
【0033】
図3は、電子装置85の回路構成図の一例である。当該回路構成図には、音声入出力兼用ジャック1と、挿入検知用のプルアップ抵抗2と、第1のテスト通常切換スイッチ3(第1セレクタ)と、第2のテスト通常切換スイッチ4(第1セレクタ)と、第1の入出力音声切換スイッチ5(第2セレクタ)と、第2の入出力音声切換スイッチ6(第2セレクタ)と、平滑回路7と、比較回路8と、マイコン回路9と、ヘッドホン音声出力L信号S10と、MP3プレーヤ音声入力L信号S11と、ヘッドホン音声出力R信号S12と、MP3プレーヤ音声入力R信号S13と、テスト通常切換信号S14と、入出力音声切換信号S15と、ジャック接続L信号S16と、ジャック接続R信号S17と、信号有無検知用L信号S18と、信号有無検知用R信号S19と、挿入検知信号S20と、比較1信号S21と、比較2信号S22と、が描写されている。また、平滑回路7から比較回路8へは平滑後の信号である平滑後信号有無検知用L信号S18sと、平滑後信号有無検知用R信号S19sが送信される。
【0034】
電子装置85の音声入出力兼用ジャック1は、図3の左から端子1aと端子1bと端子1cと端子1dと端子1eとを備える。端子1aは第2のテスト通常切換スイッチ4へ接続され、第2のテスト通常切換スイッチ4は平滑回路7と第2の入出力音声切換スイッチ6へ接続されている。端子1bは第1のテスト通常切換スイッチ3へ接続され、第1のテスト通常切換スイッチ3は平滑回路7と第1の入出力音声切換スイッチ5へ接続されている。端子1cは平滑回路7と比較回路8とマイコン回路9とに接続されている。端子1dと端子1eはGND(グラウンド)へ接続されている。
【0035】
挿入検知用のプルアップ抵抗2は、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23が挿入されたときに、挿入検知信号S20を“H”(ハイレベル(電源電圧))に引き上げるための抵抗器である。本実施形態において、挿入検知用のプルアップ抵抗2は、10KΩ程度のものを使用する。
【0036】
平滑回路7は電子回路の一種で、信号有無検知用L信号S18や信号有無検知用R信号S19を各々平滑化する。平滑後は、比較回路8へ平滑後信号有無検知用L信号S18sと、平滑後信号有無検知用R信号S19sとが送信される。なお、平滑回路7は、挿入検知信号S20が“H”(ハイレベル)となったときに起動される。
【0037】
比較回路8は電子回路の一種で、平滑回路7からの信号を受け付け、比較1信号S21
や比較2信号S22をマイコン回路9へ出力する。なお、比較回路8は、挿入検知信号S20がハイレベルとなったときに起動される。
【0038】
音声入出力兼用ジャック1の端子1cは、外部から図4Aに記載のような3極ステレオプラグ23が未挿入時には、音声入出力兼用ジャック1の端子1dと接続されている。
【0039】
本実施形態で使用の3極ステレオプラグ23の一例を図4Aに示す。3極ステレオプラグ23は、いわゆるステレオ用プラグである。3極ステレオプラグ23の先端に形成される電極である音声L信号電極23Cには、突起を備えており、音声L信号を送受信する。音声L信号電極23Cと音声R信号電極23Bとの間には絶縁リング23Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。また、音声R信号電極23Bとグラウンド信号電極23Aにも絶縁リング23Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。
【0040】
音声入出力兼用ジャック1の端子1dについては、外部からの3極ステレオプラグ23が挿入されると、音声L信号電極23Cの突起部による押し上げにより、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと無接続になるものを使用する。
【0041】
図5及び6のタイミングチャートを用いて、音声入出力兼用ジャック1へ挿入された3極ステレオプラグ23が信号有無によって、MP3プレーヤ接続かヘッドホン接続かを判定する制御について説明する。図5はMP3プレーヤ接続の場合であり、図6はヘッドホン接続の場合である。
【0042】
時刻t11以前は、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23が挿入されていない状態である。すなわち、端子1a及び1bはいずれもオープン状態となっており、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17は、各々の電位が不定状態となっている。また、時刻t11以前は、システムに電源が投入されていないため、比較信号S21及びS22、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15の論理レベルも不定状態となっている。
【0043】
時刻t11において、電子装置85に電源が投入されると、マイコン回路9が起動して、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15が各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)及び“H”(ハイレベル)とされる。これにより、第1のテスト通常切換スイッチ3及び第2のテスト通常切換スイッチ4は、各々の入力端子と第1選択端子(L:テスト側)を接続する状態となり、第1の入出力音声切換スイッチ5及び第2の入出力音声切換スイッチ6は、各々の入力端子と第2選択端子(H:入力側)を接続する状態となる。
【0044】
また、時刻t11において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23が未挿入のままであり、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが接続された状態、すなわち、挿入検知信号S20が“L”(ローレベル)である状態となっているため、平滑回路7及び比較回路8はいずれも非動作状態に維持されている。このとき、比較回路8の出力である比較信号S21及びS22は、各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)となる。
【0045】
時刻t12において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23が挿入されると、音声L信号電極23Cの突起部による押し上げにより、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが無接続になる。これにより、挿入検知信号S20が“H”(ハイレベル)となり、平滑回路7及び比較回路8がいずれも動作状態に移行される。また、ジャック接続L信号S16、ジャック接続R信号S17は、信号有無検知用L信号S18、信号有無検知用R信号S19と接続されているので、平滑回路7に入力され、平滑回路7は動作する。
【0046】
時刻t13からt14において、音声入出力兼用ジャック1が、MP3プレーヤ接続かヘッドホン接続か判定する。
【0047】
時刻t13において、平滑回路7と比較回路8の起動を完了する。平滑回路7に入力された信号有無検知用L信号S18と信号有無検知用R信号S19とは、平滑処理されて、DC電圧として出力される。平滑回路7から出力された、平滑後信号有無検知用L信号S18sと、平滑後信号有無検知用R信号S19sと比較回路8に入力され、所定の閾値電圧(Vth)と比較される。そして、所定の閾値電圧(Vth)より低ければ、即ち、信号有無検知用L信号S18、信号有無検知用R信号S19が無信号ならば、“L”(ローレベル)となる。一方、所定の閾値電圧(Vth)より高ければ、即ち、信号有無検知用L信号S18,信号有無検知用R信号S19が有信号ならば、“H”(ハイレベル)を比較1信号S21、比較2信号S22から出力する。
【0048】
図5〜図7を用いて、さらに説明する。MP3プレーヤからの音声入力の場合には、図5の時刻t13〜t14に示すように、平滑回路7に入力された信号が平滑処理されることで得られる信号有無検知用L信号S18及び信号有無検知用R信号S19(DC電圧)が所定の閾値電圧(Vth)よりも大きくなる。一方、ヘッドホンへ音声出力する場合には、図6の時刻t13〜t14に示すように、無音であり、平滑回路7に入力された信号が平滑処理されることで得られる信号有無検知用L信号S18及び信号有無検知用R信号S19(DC電圧)が所定の電圧値(Vth)よりも小さくなる。
【0049】
図7Bは、音声入出力兼用ジャック1が、MP3プレーヤからの入力かヘッドホンへの音声出力か判定している。図に示すように、MP3プレーヤからの入力(接続)の場合には、ジャック接続L信号S16又は/及びジャック接続R信号S17にアナログ信号が入力されるので、「信号有」となる。
【0050】
時刻t14において、上記の判定処理を完了する。時刻t14〜t15は判定完了後(通常動作時)の制御である。図5の時刻t14〜t15で示すように、MP3プレーヤ接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“H”(ハイレベル)となる。一方、図6の時刻t14〜t15で示すように、ヘッドホン接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“L”(ローレベル)となる。
【0051】
時刻t15からは、音声入出力兼用ジャック1から3極ステレオプラグ23を抜き取った状態である。この場合、挿入検知信号S20が未検知状態“L”(ローレベル)となる。
【0052】
以上のように、音声入出力兼用ジャック1へ挿入された3極ステレオプラグ23の検知を挿入検知信号S20によって行った。
【0053】
本実施形態における電子装置85は、入出力兼用ジャック1と;前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)と;前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)と;前記プラグ判別用信号経路に現れる電圧信号を平滑化して平滑電圧信号を生成する平滑部(平滑回路)7と;前記平滑電圧信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部(比較回路)8と;前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部(マイコン回路)9と;を有し、前記制御部は、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御することを特徴とする。
【0054】
このため、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として信号有無判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1がMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられるのか、ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのかを判定することができる。そうすると、小型化され、利便性のよい電子装置85を提供することができる。
【0055】
(第2実施形態)
第2実施形態では、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1がMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのかを判定する。
【0056】
本実施形態において、音声入出力兼用ジャック1に接続される対象はヘッドホン音声出力プラグ、MP3プレーヤ音声入力プラグの2つとし、また、そのプラグ形状としては、図4Aに記載のように3極ステレオプラグ23を使用する。また、主流の低インピーダンス(6〜32Ω程度)のヘッドホン使用するものとする。さらに、音声入出力兼用ジャック1に接続されたプラグ信号の判別方式には、抵抗接続による電圧変化判別方式を用いる。
【0057】
図8は、電子装置85の回路構成図の一例である。第1の実施形態の図3と比較すると、図8では平滑回路7を備えていないが、第1の電位発生用抵抗24と、第2の電位発生用抵抗25と、電位発生L信号S26と、電位発生R信号S27と、を備える。
【0058】
第1の電位発生用抵抗24と、第2の電位発生用抵抗25とは、それぞれ、電源電圧の印加端と比較回路8との間に接続される。なお、後述する判定動作時において、電位発生L信号S26は第1のテスト通常切換スイッチ3を介して印加される端子1bの端子電圧と一致し、電位発生R信号S27は第2のテスト通常切換スイッチ4を介して印加される端子1aの端子電圧と一致する。
【0059】
本実施形態においても、図4Aに示す3極ステレオプラグ23を用いて、音声入出力兼用ジャック1がMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続かヘッドホン端子から出力のためのヘッドホン接続かを判別する。
【0060】
本実施形態においては、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25は1KΩ程度のものを使用する。
【0061】
図9は、一般的なヘッドホンAが音声入出力兼用ジャック1に接続された場合の等価回路図である。音声入出力兼用ジャック1にヘッドホンAが接続された場合、図9に示したように、端子1bがヘッドホンAのスピーカー抵抗(抵抗値R2)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26としては、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とスピーカー抵抗(抵抗値R2)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R2/(R1+R2)}×VDD)が得られることになる。
【0062】
図10A及び図10Bは、それぞれ、一般的なMP3プレーヤBが音声入出力兼用ジャック1に接続された場合の等価回路図である。音声入出力兼用ジャック1にMP3プレーヤBが接続された場合、図10Aのように、端子1bがDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となるか、或いは、図10Bに示したように、図10Aの状態に加えて、端子1bがプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となる。前者の場合、電位発生L信号S26は電源電圧VDDそのものとなり、後者の場合には、電位発生L信号S26として、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R3/(R1+R3)}×VDD)が得られることになる。
【0063】
従って、比較回路8において、電位発生L信号S26と所定の閾値電圧(Vth)とを比較することにより、音声入出力兼用ジャック1にヘッドホンAが接続されているのか、MP3プレーヤBが接続されているのかを判別することが可能となる。
【0064】
なお、上記では、電位発生L信号S26を例に挙げて説明を行ったが、3極ステレオプラグまたは3極モノラルプラグが接続される場合には、電位発生R信号S27についても上記と同様の電圧信号が得られる。
【0065】
図11及び12のタイミングチャートを用いて、音声入出力兼用ジャック1へ挿入された3極ステレオプラグ23が電圧の変化によって、MP3プレーヤ接続かヘッドホン接続かを判定する制御について説明する。図11はMP3プレーヤ接続の場合であり、図12はヘッドホン接続の場合である。
【0066】
時刻t21以前は、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23が挿入されていない状態である。すなわち、端子1a及び1bはいずれもオープン状態となっており、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17は、各々の電位が不定状態となっている。また、時刻t21以前は、システムに電源が投入されていないため、比較信号S21及びS22、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15の論理レベルも不定状態となっている。
【0067】
時刻t21において、電子装置85に電源が投入されると、マイコン回路9が起動して、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15が各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)及び“H”(ハイレベル)とされる。これにより、第1のテスト通常切換スイッチ3及び第2のテスト通常切換スイッチ4は、各々の入力端子と第1選択端子(L:テスト側)を接続する状態となり、第1の入出力音声切換スイッチ5及び第2の入出力音声切換スイッチ6は、各々の入力端子と第2選択端子(H:入力側)を接続する状態となる。
【0068】
また、時刻t21において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23が未挿入のままであり、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが接続された状態、すなわち、挿入検知信号S20がローレベルである状態となっているため、比較回路8は非動作状態に維持されている。このとき、比較回路8の出力である比較信号S21及びS22は、各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)となる。
【0069】
また、時刻t21から、ジャック接続L信号S16とジャック接続R信号S17は、VDD(電源電圧)となる。また、電位発生L信号S26と電位発生R信号S27も、VDD(電源電圧)となる。
【0070】
時刻t22において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23が挿入されると、音声L信号電極23Cの突起部による押し上げにより、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが無接続になる。これにより、挿入検知信号S20が“H”(ハイレベル)となり、比較回路8が動作状態に移行される。
【0071】
時刻t23からt24において、音声入出力兼用ジャック1が、MP3プレーヤ接続かヘッドホン接続か判定する。
【0072】
時刻t23において、比較回路8の起動を完了する。そして、ヘッドホン接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれヘッドホンAのスピーカー抵抗(抵抗値R2)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27としては、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とスピーカー抵抗(抵抗値R2)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R2/(R1+R2)}×VDD)が得られることになる。
【0073】
一方、MP3プレーヤ接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となる。或いは、端子1a及び1bがそれぞれプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となる。前者の場合、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27はそれぞれ電源電圧VDDそのものとなり、後者の場合には、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27として、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R3/(R1+R3)}×VDD)が得られることになる。
【0074】
つまり、図13Bに示すように、ヘッドホン接続の場合には、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17のいずれも無信号となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも所定の閾値電圧(Vth)未満となる。
【0075】
一方、MP3プレーヤ接続の場合には、ジャック接続L信号S16はMP3プレーヤからの音声入力(L)となり、ジャック接続R信号S17はMP3プレーヤからの音声入力(R)となる。しかしながら、MP3プレーヤからの音声入力はなく、未入力の状態になる。この場合には、端子1a及び1bがそれぞれDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27はそれぞれ電源電圧VDDそのものとなる。或いは、端子1a及び1bがそれぞれプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27として、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号となる。そうすると、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも所定の閾値電圧(Vth)以上となる。
【0076】
時刻t24において、上記の判定処理を完了する。時刻t24〜t25は判定完了後(通常動作時)の制御である。図11の時刻t24〜t25で示すように、MP3プレーヤ接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“H”(ハイレベル)となる。一方、図12の時刻t24〜t25で示すように、ヘッドホン接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“L”(ローレベル)となる。
【0077】
時刻t25からは、音声入出力兼用ジャック1から3極ステレオプラグ23を抜き取った状態である。この場合、挿入検知信号S20が未検知状態“L”(ローレベル)となる。
【0078】
以上のようなタイミングチャートで処理は終了する。
【0079】
本実施形態における電子装置85は、(音声)入出力兼用ジャック1と;前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)と;前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)と;前記プラグ判別用信号経路と電源電圧の印加端との間に接続された電位発生用抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)と;前記プラグ判別用信号経路に現れる電位発生信号と所定の閾値電圧(Vth)とを比較して比較結果信号を生成する比較部(比較回路)8と;前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部(マイコン)9と;を有し、前記制御部は、前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記閾値電圧(Vth)よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記電位発生信号が前記閾値電圧(Vth)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)を制御することを特徴とする
【0080】
このため、第2実施形態では、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1がMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのかを判定することができる。即ち、電圧変化判別方式を採用しているため、第1実施形態に比べて細かな電圧の変換で検出することができる。また、小型化され、利便性のよい電子装置85を提供することができる。
【0081】
(第3実施形態)
第3実施形態では、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1が(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、のいずれか3通りのうちの1つを判定する。
【0082】
本実施形態において、音声入出力兼用ジャック1に接続される対象はヘッドホン音声出力プラグと、MP3プレーヤ音声入力プラグと、マイク音声入力プラグと、イヤホン出力プラグとする。ヘッドホン音声出力プラグとMP3プレーヤ音声入力プラグプラグの形状としては、図4Aに記載のように3極ステレオプラグ23を使用する。
【0083】
マイク音声入力端子やイヤホン出力プラグとしては、図4Bに示すように3極モノラルプラグ32である。3極モノラルプラグ32は、いわゆるモノラル用プラグである。3極モノラルプラグ32の先端に形成される電極である音声L信号電極32Cには、突起を備えており、音声L信号を送受信する。3極モノラルプラグ32を使用するため、32Bと32Cは同一信号電極である。音声L信号電極32Cと音声L信号電極32Bとの間には絶縁リング32Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。また、音声L信号電極32Bとグラウンド信号電極32Aとの間にも絶縁リング32Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。
【0084】
ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子とイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子から測定できる抵抗値は同じ程度のものを使用するものとする。マイク音声入力プラグからの測定できる抵抗値は2.3KΩ程度のものを使用するものとする。
【0085】
上記のような接続プラグにおいて、音声入出力兼用ジャック1に接続されたプラグ信号の判別方式には、抵抗接続による電圧変化判別方式を用いる。
【0086】
図14は、電子装置85の回路構成図の一例である。第2の実施形態の図8と比較すると、図14では、第1の入力音声切換スイッチ30と、第2の入力音声切換スイッチ31と、マイク音声入力信号S28と、入力音声切換信号S29と、をさらに備える。これらの構成により、第2の実施形態と比較するとマイク音声入力端子をさらに判別することができる。
【0087】
第1の入力音声切換スイッチ30は第1の入出力音声切換スイッチ5へと接続し、第2の入力音声切換スイッチ31は第2の入出力音声切換スイッチ6へと接続する。マイク音声入力信号S28は第1の入力音声切換スイッチ30と、第2の入力音声切換スイッチ31と、から出力される。入力音声切換信号S29はマイコン回路(マイコン)9から出力される。
【0088】
第1の電位発生用抵抗24と、第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R2)とは、それぞれ、電源電圧の印加端と比較回路8との間に接続される。なお、後述する判定動作時において、電位発生L信号S26は第1のテスト通常切換スイッチ3を介して印加される端子1bの端子電圧と一致し、電位発生R信号S27は第2のテスト通常切換スイッチ4を介して印加される端子1aの端子電圧と一致する。
【0089】
図15は、一般的なマイクCが音声入出力兼用ジャック1に接続された場合の等価回路図である。音声入出力兼用ジャック1にマイクCが接続された場合、図15に示したように、端子1bがマイクCの抵抗(抵抗値R4)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26としては、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とマイク抵抗(抵抗値R4)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)が得られることになる。
【0090】
そうすると、マイク音声入力端子が接続される場合には、MP3プレーヤ接続よりも電位発生信号は小さく、ヘッドホン接続よりも大きくなる。従って、第1閾値電圧(Vth1)と第2閾値電圧(Vth2)を定め、その間にマイク音声入力端子が接続された場合の電圧信号を調整することで、マイク音声入力端子の判別も可能となる。
【0091】
なお、上記では、電位発生L信号S26を例に挙げて説明を行ったが、3極ステレオプラグまたは3極モノラルプラグが接続される場合には、電位発生R信号S27についても上記と同様の電圧信号が得られる。
【0092】
図17〜19のタイミングチャートを用いて、(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、を判定する制御について説明する。図17はMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられている場合であり、図18はマイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられる場合であり、図19はヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられている場合である。
【0093】
時刻t31以前は、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23又は3極モノラルプラグ32が挿入されていない状態である。すなわち、端子1a及び1bはいずれもオープン状態となっており、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17は、各々の電位が不定状態となっている。また、時刻t31以前は、システムに電源が投入されていないため、比較信号S21及びS22、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15の論理レベルも不定状態となっている。さらに本実施形態で追加構成となった入力音声切換信号S29も不定状態となる。
【0094】
時刻t31において、電子装置85に電源が投入されると、マイコン回路9が起動して、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15が各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)及び“H”(ハイレベル)とされる。これにより、第1のテスト通常切換スイッチ3及び第2のテスト通常切換スイッチ4は、各々の入力端子と第1選択端子(L:テスト側)を接続する状態となり、第1の入出力音声切換スイッチ5及び第2の入出力音声切換スイッチ6は、各々の入力端子と第2選択端子(H:入力側)を接続する状態となる。
【0095】
さらに、時刻t31において、電子装置85に電源が投入されると、入力音声切換信号S29がデフォルト設定の“L”(ローレベル)とされる。これにより、第1の入力音声切換スイッチ30及び第2の入力音声切換スイッチ31は、各々の入力端子と第1選択端子(L:MP3入力側)を接続する状態となる。
【0096】
さらにまた、時刻t31において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23又は3極モノラルプラグ32は未挿入のままであり、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが接続された状態、すなわち、挿入検知信号S20がローレベルである状態となっているため、比較回路8は非動作状態に維持されている。このとき、比較回路8の出力である比較信号S21及びS22は、各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)となる。
【0097】
また、時刻t31から、ジャック接続L信号S16とジャック接続R信号S17は、VDD(電源電圧)となる。また、電位発生L信号S26と電位発生R信号S27も、VDD(電源電圧)となる。
【0098】
時刻t32において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23又は3極モノラルプラグ32が挿入されると、音声L信号電極23C又は音声L信号電極32Cの突起部による押し上げにより、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが無接続になる。これにより、挿入検知信号S20が“H”(ハイレベル)となり、比較回路8が動作状態に移行される。
【0099】
時刻t33からt34において、音声入出力兼用ジャック1が、MP3プレーヤ接続か、ヘッドホン接続(イヤホン接続)か、マイク接続かを判定する。
【0100】
時刻t33において、比較回路8の起動を完了する。そして、ヘッドホン接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれヘッドホンAのスピーカー抵抗(抵抗値R2)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27としては、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とスピーカー抵抗(抵抗値R2)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R2/(R1+R2)}×VDD)が得られることになる。
【0101】
一方、MP3プレーヤ接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となる。或いは、端子1a及び1bがそれぞれプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となる。前者の場合、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27はそれぞれ電源電圧VDDそのものとなり、後者の場合には、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27として、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R3/(R1+R3)}×VDD)が得られることになる。
【0102】
さらに、本実施形態で追加されたマイク接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれマイクCの抵抗(抵抗値R4)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27としては、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とマイク抵抗(抵抗値R4)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)が得られることになる。
【0103】
図17及び図20Bに示すように、MP3プレーヤ接続の場合には、ジャック接続L信号S16はMP3プレーヤからの音声入力(L)となり、ジャック接続R信号S17はMP3プレーヤからの音声入力(R)となる。しかしながら、MP3プレーヤからの音声入力はなく、未入力の状態になる。この場合には、端子1bがDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となり、電位発生L信号S26は電源電圧VDDそのものとる。或いは、端子1bがプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となり、電位発生L信号S26として、第1の電位発生用抵抗24(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号となる。そうすると、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも第2閾値電圧(Vth2)以上となる。
【0104】
また、図19及び図20Bに示すように、ヘッドホン接続(イヤホン接続)の場合には、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17のいずれも無信号となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも第1閾値電圧(Vth1)未満となる。
【0105】
一方、図19及び図20Bに示すように、マイク接続の場合には、電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)であり、R4は2.3KΩ程度のものであるため、第1閾値電圧(Vth1)以上、第2閾値電圧(Vth2)未満となる。
【0106】
図16を用いて、さらに説明する。図16は比較回路8が備えるロジック部83の制御である。電位発生L信号S26は、コンパレータ81Lとコンパレータ82Lへ送信し、電位発生R信号S27は、コンパレータ81Rとコンパレータ82Rへ送信する。コンパレータ81Lとコンパレータ81Rとは第1閾値電圧(Vth1)を比較し、コンパレータ82Lとコンパレータ82Rとは第2閾値電圧(Vth2)を比較する。
【0107】
各コンパレータから入力された信号はロジック部83で、所定の演算を行い比較1信号S21と比較2信号S22とを出力する。例えば、ロジック部83は、4つのコンパレータの出力がいずれも“H”(ハイレベル)である場合には、信号S26及びS27がいずれも第2閾値電圧Vth2以上であると判断して、比較1信号S21と比較2信号S22をいずれもハイレベルとする。
【0108】
また、ロジック部83は、4つのコンパレータの出力がいずれもローレベルである場合には、信号S26及びS27がいずれも第1閾値電圧(Vth1)未満であると判断して、比較1信号S21と比較2信号S22をいずれも“L”(ローレベル)とする。
【0109】
また、4つのコンパレータのうち、コンパレータ81L及び81Rの出力が共にハイレベルであり、コンパレータ82L及び82Rの出力が共にローレベルである場合には、信号S26及びS27が第1閾値電圧(Vth1)以上、第2閾値電圧(Vth2)未満であると判断して、比較1信号S21を“H”(ハイレベル)とし、比較2信号S22を“L”(ローレベル)とする。
【0110】
すなわち、比較1信号S21と比較2信号S22は、4つの値(HH、HL、LH、LL)を取り得る2ビットの各ビット値であると言うことができる。これらの4つの値をロジック部83が制御し出力することで、(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、をマイコン9で判定する制御が可能となる。
【0111】
時刻t34において、上記の判定処理を完了する。時刻t34〜t35は判定完了後(通常動作時)の制御である。図17の時刻t34〜t35で示すように、MP3プレーヤ接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“H”(ハイレベル)となり、入力音声切換信号S29は“L”(ローレベル)となる。一方、図18の時刻t34〜t35で示すように、マイク接続の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“H”(ローレベル)となり、入力音声切換信号S29は“H”(ハイレベル)となる。また、図19の時刻t34〜t35で示すように、ヘッドホン接続(イヤホン接続)の場合には、テスト通常切換信号S14は“H”(ハイレベル)となり、入出力音声切換信号S15は“H”(ローレベル)となり、入力音声切換信号S29は“L”(ローレベル)となる
【0112】
時刻t35からは、音声入出力兼用ジャック1から3極ステレオプラグ23又は3極モノラルプラグ32を抜き取った状態である。この場合、挿入検知信号S20が未検知状態“L”(ローレベル)となる。
【0113】
以上のようなタイミングチャートで処理は終了する。
【0114】
本実施形態における電子装置85は、前記信号入力用経路を第1信号入力用経路と第2信号入力用経路のいずれに接続するかを選択する第3セレクタ(第1の入力音声切換スイッチ30、第2の入力音声切換スイッチ31)をさらに有し、前記比較回路8は、前記閾値電圧として、第1閾値電圧(Vth1)とこれよりも高い第2閾値電圧(Vth2)を備え、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧(Vth1)及び前記第2閾値電圧(Vth2)とを各々比較して前記比較結果信号を生成するものであり、前記制御部(マイコン)9は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記第2閾値電圧(Vth2)よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも高く、前記第2閾値電圧(Vth2)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)及び前記第3セレクタ(第1の入力音声切換スイッチ30、第2の入力音声切換スイッチ31)を各々制御することを特徴とする。
【0115】
上記のような構成にすることで、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1が(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、のいずれか3通りのうちの1つを判定することができる。即ち、電圧変化判別方式を採用しているため、第2実施形態に比べて多くの接続端子を検出することができる。また、小型化され、利便性のよい電子装置85を提供することができる。
【0116】
また、本実施形態における電子装置85は、前記入出力兼用ジャックは、これに挿入されたプラグとの接点として、第1端子と第2端子を備えており、前記第1セレクタ、前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、前記電位発生用抵抗、前記通常用信号経路、前記プラグ判別用信号経路、前記信号入力用経路、前記第1信号入力用経路、前記第2信号入力用経路、及び、前記信号出力用経路は、前記第1端子と前記第2端子に各々対応して2系統設けられていることを特徴とする。
【0117】
上記のような構成にすることで、ステレオ音源に対応する2系統の接続端子を検出することができる。
【0118】
(第4実施形態)
第4実施形態では、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1が(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、のいずれか3通りの1つを判定することを採用する。さらに、(ニ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子か、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)であるか、2極モノラルプラグ138であるか、(ホ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が3極モノラルプラグ32であるか、2極モノラルプラグ138であるかの判定も可能である。
【0119】
本実施形態において、音声入出力兼用ジャック1に接続される対象はヘッドホン音声出力プラグと、MP3プレーヤ音声入力プラグと、マイク音声入力プラグと、イヤホン出力プラグとする。ヘッドホン音声出力プラグとMP3プレーヤ音声入力プラグの形状としては、図4Aに記載のように3極ステレオプラグ23を使用する。
【0120】
マイク音声入力端子やイヤホン出力プラグとしては、図4Bに示すように3極モノラルプラグ32である。3極モノラルプラグ32は、いわゆるモノラル用プラグである。3極モノラルプラグ32の先端に形成される電極である音声L信号電極32Cには、突起を備えており、音声L信号を送受信する。3極モノラルプラグ32を使用するため、32Bと32Cは同一信号電極である。音声L信号電極32Cと音声L信号電極32Bとの間には絶縁リング32Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。また、音声L信号電極32Bとグラウンド信号電極32Aとの間にも絶縁リング32Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。
【0121】
さらに本実施形態から判定が可能となる2極モノラルプラグ138を図4Cに示す。2極モノラルプラグ138は、いわゆるモノラル用プラグである。2極モノラルプラグ138の先端に形成される電極である音声信号電極138Bには、突起を備えており、音声信号を送受信する。2極モノラルプラグ138には、音声信号用としてはひとつの信号電極(音声信号電極138B)しか備えていない。音声信号電極138Bとグラウンド信号電極138Aとの間には絶縁リング138Zが設けられており、両電極は互いに絶縁されている。なお、グラウンド信号電極138Aは、図4Aの音声R信号電極23Bや音声L信号電極32Bの位置まで延伸されている。従って、2極モノラルプラグ138が用いられる場合、音声入出力兼用ジャック1の端子1aは、常にGND固定となる。
【0122】
ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子とイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子から測定できる抵抗値は同じ程度のものを使用するものとする。マイク音声入力プラグからの測定できる抵抗値は2.3KΩ程度のものを使用するものとする。
【0123】
本実施形態においては、前記の実施形態と同様に、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25は1KΩ程度のものを使用する。また、第3の電位発生用抵抗33及び第4の電位発生用抵抗34は16Ω程度のものを使用する。
【0124】
上記のような接続プラグにおいて、音声入出力兼用ジャック1に接続されたプラグ信号の判別方式には、抵抗接続による電圧変化判別方式を用いる。
【0125】
図21は、電子装置85の回路構成図の一例である。第3の実施形態の図14と比較すると、図21では、第3実施形態に構成に加え、第3の電位発生用抵抗33と、第4の電位発生用抵抗34と、2極3極切換信号S36と、第1の2極3極切換スイッチ37と、第2の2極3極切換スイッチ38と、第1の抵抗切換スイッチ39と、第2の抵抗切換スイッチ40とをさらに備える。
【0126】
第1の2極3極切換スイッチ37と、第2の2極3極切換スイッチ38とはマイコン(マイコン回路)9から2極3極切換信号S36を受信する。比較3信号S35は比較回路8からマイコン9へ送信する。
【0127】
第1の電位発生用抵抗24と、第2の電位発生用抵抗25と、第3の電位発生用抵抗33と、第4の電位発生用抵抗34とは、それぞれ、電源電圧の印加端と比較回路8との間に接続される。なお、後述する判定動作時において、電位発生L信号S26は第1のテスト通常切換スイッチ3を介して印加される端子1bの端子電圧と一致し、電位発生R信号S27は第2のテスト通常切換スイッチ4を介して印加される端子1aの端子電圧と一致する。
【0128】
図23〜27のタイミングチャートを用いて、(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、を判定する制御について説明する。
【0129】
さらに、(ニ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子か、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)であるか、2極モノラルプラグ138であるか、(ホ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が3極モノラルプラグ32であるか、2極モノラルプラグ138であるかの判定の制御についても説明する。
【0130】
図23はMP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられて、3極ステレオプラグ23を用いる場合である。図24はマイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いて、3極モノラルプラグ32を用いた場合である。図25はマイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いて、2極モノラルプラグ138を用いた場合である。図26はヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか(3極ステレオプラグ23)、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン、3極モノラルプラグ32)端子として用いられている場合である。図27はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられている場合であって、2極モノラルプラグ138を用いた場合である。
【0131】
時刻t41以前は、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23又は3極モノラルプラグ32又は2極モノラルプラグ138が挿入されていない状態である。すなわち、端子1a及び1bはいずれもオープン状態となっており、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17は、各々の電位が不定状態となっている。また、時刻t41以前は、システムに電源が投入されていないため、比較信号S21及びS22、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15、入力音声切換信号S29の論理レベルも不定状態となっている。さらに本実施形態で追加構成となった2極3極切換信号S36も不定状態となる。
【0132】
時刻t41において、電子装置85に電源が投入されると、マイコン回路9が起動して、テスト通常切換信号S14及び入出力音声切換信号S15が各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)及び“H”(ハイレベル)とされる。これにより、第1のテスト通常切換スイッチ3及び第2のテスト通常切換スイッチ4は、各々の入力端子と第1選択端子(L:テスト側)を接続する状態となり、第1の入出力音声切換スイッチ5及び第2の入出力音声切換スイッチ6は、各々の入力端子と第2選択端子(H:入力側)を接続する状態となる。
【0133】
さらに、時刻t41において、電子装置85に電源が投入されると、入力音声切換信号S29がデフォルト設定の“L”(ローレベル)とされる。これにより、第1の入力音声切換スイッチ30及び第2の入力音声切換スイッチ31は、各々の入力端子と第1選択端子(L:MP3入力側)を接続する状態となる。
【0134】
さらにまた、時刻t41において、2極3極切換信号S36はデフォルト設定の“H”(ハイレベル)とされる。この場合、第1の2極3極切換スイッチ37及び第1の2極3極切換スイッチ38は、各々の共通端子と第1選択端子(H:3極信号側)を接続する状態となる。なお、信号S36が“L”(ローレベル)の場合、スイッチ37及び38は、各々の共通端子と第2選択端子(L:2極信号側)を接続する状態となる。また、2極3極切換信号S36は、第1の抵抗切換スイッチ39及び第2の抵抗切換スイッチ40へも接続されており、所定の条件によって、所定の電位発生用抵抗の切換を行う。具体的には、信号S36が”H”のときには、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25を選択し、信号S36が”L”のときには、第3の電位発生用抵抗33及び第4の電位発生用抵抗34を選択する。
【0135】
また、時刻t41において、音声入出力兼用ジャック1には3極ステレオプラグ23、3極モノラルプラグ32又は2極モノラルプラグ138のいずれもが未挿入のままである。音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが接続された状態、すなわち、挿入検知信号S20がローレベルである状態となっているため、比較回路8は非動作状態に維持されている。このとき、比較回路8の出力である比較信号S21及びS22は、各々デフォルト設定の“L”(ローレベル)となる。比較信号S35もローレベルである。
【0136】
時刻t41から、ジャック接続L信号S16とジャック接続R信号S17は、VDD(電源電圧)となる。また、電位発生L信号S26と電位発生R信号S27も、VDD(電源電圧)となる。
【0137】
時刻t42において、音声入出力兼用ジャック1に3極ステレオプラグ23、3極モノラルプラグ32又は2極モノラルプラグ138いずれかが挿入されると、プラグの突起部による押し上げにより、音声入出力兼用ジャック1の端子1cと端子1dとが無接続になる。これにより、挿入検知信号S20が“H”(ハイレベル)となり、比較回路8が動作状態に移行される。
【0138】
時刻t43からt44において、音声入出力兼用ジャック1が、3極ステレオプラグによるMP3プレーヤ接続か、3極モノラルプラグによるマイク接続か、2極モノラルプラグによるマイク接続か、ヘッドホン接続(イヤホン接続)かを判定(第1判定処理)する。また特に、後述する図26及び図27の時刻t44からt46においては、(ニ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)であるか、又は2極モノラルプラグ138であるか、の判定(第2判定処理)を行う。
【0139】
時刻t43において、比較回路8の起動を完了する。そして、ヘッドホン接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれヘッドホンAのスピーカー抵抗(抵抗値R2)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27としては、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とスピーカー抵抗(抵抗値R2)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R2/(R1+R2)}×VDD)が得られることになる。
【0140】
一方、MP3プレーヤ接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となる。或いは、端子1a及び1bがそれぞれプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となる。前者の場合、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27は電源電圧VDDそのものとなり、後者の場合には、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27として、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R3/(R1+R3)}×VDD)が得られることになる。
【0141】
さらに、3極モノラルプラグを用いたマイク接続の場合には、端子1a及び1bがそれぞれマイクCの抵抗(抵抗値R4)を介して接地端に接続された状態となる。従って、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27としては、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24(及び第2の電位発生用抵抗25抵抗値R1)とマイク抵抗(抵抗値R4)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)が得られることになる。一方、2極モノラルプラグを用いたマイク接続の場合には、端子1aが常にGND固定となるため、電位発生R信号S27は0Vとなる。
【0142】
図23及び図28Bに示すように、MP3プレーヤ接続の場合には、ジャック接続L信号S16はMP3プレーヤからの音声入力(L)となり、ジャック接続R信号S17はMP3プレーヤからの音声入力(R)となる。しかしながら、MP3プレーヤからの音声入力はなく、未入力の状態になる。この場合には、端子1a及び1bがそれぞれDCカット用コンデンサを介してアンプ(出力ハイインピーダンス状態)に接続されただけの状態となり、電位発生L信号S26は電源電圧VDDそのものとなる。
【0143】
或いは、端子1a及び1bがそれぞれプルダウン抵抗(抵抗値R3)を介して接地端に接続された状態となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27として、それぞれ、第1の電位発生用抵抗24及び第2の電位発生用抵抗25(抵抗値R1)とプルダウン抵抗(抵抗値R3)との抵抗比に応じて電源電圧VDDを分圧することにより得られる電圧信号となる。そうすると、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも第2閾値電圧(Vth2)以上となる。上記のようにMP3プレーヤ接続の場合には、第1判定処理にて判定が可能である。
【0144】
図24は、マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が3極モノラルプラグ32である(3極マイク接続)。図24及び図30Bに示すように、2極マイク接続の場合には、電位発生L信号S26は電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27は、いずれも電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)であり、R4は2.3KΩ程度のものである。そうすると、電位発生L信号S26が第1閾値電圧(Vth1)以上、第2閾値電圧(Vth2)未満となる。一方、電位発生R信号S27はGNDである。
【0145】
図25は、マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が2極モノラルプラグ138である(2極マイク接続)。図25及び図30Bに示すように、3極マイク接続の場合には、電圧信号(={R4/(R1+R4)}×VDD)であり、R4は2.3KΩ程度のものである。そうすると、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27の一方が第1閾値電圧(Vth1)以上、第2閾値電圧(Vth2)未満となる。
【0146】
即ち、図25の時刻t42〜t44のジャック接続R信号S17がGNDの状態となっているため、電位発生R信号S27は“0“となる。これを受けて、比較3信号S35はデフォルトの“L”(ローレベル)から“H”(ハイレベル;S26とS27が不一致)へと変化し、マイコン9へ送信する。以上のように、マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が2極モノラルプラグ138である(2極マイク接続)の場合には、電位発生L信号S26と電位発生R信号S27との一致/不一致が判別可能であるため、2極/3極の判定が可能となる。
【0147】
図26はヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)の場合のタイミングチャートである。一方、図27はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が2極モノラルプラグ138の場合のタイミングチャートである。ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子からの接続(ヘッドホン接続)は、2極モノラルプラグ138からの接続の場合は無い。
【0148】
図26及び図27の時刻t43〜t44や図28Bで示すように、ヘッドホン接続(イヤホン接続)の場合には、3極プラグによる接続であっても、2極プラグによる接続であっても、ジャック接続L信号S16及びジャック接続R信号S17のいずれも無信号となり、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも第1閾値電圧(Vth1)未満となる。しかしながら、2極プラグによる接続の場合には、ジャック接続R信号S17がGNDされているため、2極イヤホン接続の場合のみ電位発生R信号S27が“0”になる。一方、2極イヤホン接続の場合の電位発生L信号S26や、3極イヤホン接続の場合の電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27は、いずれも第1閾値電圧(Vth1)未満となるが“0”ではない。つまり、3極プラグによる接続であっても、2極プラグによる接続であっても、電位発生L信号S26と電位発生R信号S27は共にVth1未満となるため、その一致/不一致によって2極/3極を判定することができない。
【0149】
そこで、第3閾値電圧(Vth3)を用いることによって、上記を判定するための第2判定処理を説明する。時刻t43〜t44で示すように、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27のいずれも第1閾値電圧(Vth1)未満となると、2極3極切換信号S36はデフォルトの“H”(ハイレベル)から“L”(ローレベル)へと切換を行う。切換が行なわれると、第1の抵抗切換スイッチ39は第3の電位発生用抵抗33へと、第2の抵抗切換スイッチ40は第4の電位発生用抵抗34へと切換が行われる。
【0150】
電位発生抵抗がより低抵抗なものに変更となることで、電位発生L信号S26及び電位発生R信号S27は、2極イヤホン接続の電位発生R信号S27以外は、第3閾値電圧(Vth3)を超えることになる。そうすると、図30Cのような結果を得ることで判定が可能となる。
【0151】
図22を用いて、さらに説明する。図22は比較回路8が備えるロジック部83の制御である。電位発生L信号S26は、コンパレータ81Lとコンパレータ82Lとコンパレータ84Lへ送信し、電位発生R信号S27は、コンパレータ81Rとコンパレータ82Rとコンパレータ84Rへ送信する。コンパレータ81Lとコンパレータ81Rとは第1閾値電圧(Vth1)を比較し、コンパレータ82Lとコンパレータ82Rとは第2閾値電圧(Vth2)を比較し、コンパレータ84Lとコンパレータ84Rとは第3閾値電圧(Vth3)を比較する。
【0152】
比較1信号S21と比較2信号S22と比較3信号S35は、図28に示すように、第1判定処理中には、(1)ヘッドホン接続、3極イヤホン接続、2極イヤホン接続(LLL)、(2)3極マイク接続(HLL)、(3)2極マイク接続(HLH)、(4)MP3プレーヤ接続、ヘッドホン接続(HHL)の4つの値を取り得る。また、図28Cに示すように、第2判定処理中には、(5)ヘッドホン接続、3極イヤホン接続(HHL)、(6)2極イヤホン接続(HLH)の2つの値を取り得る。これらの値を組み合わせて出力することで、(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、を判定する制御が可能とともに、(ニ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子か、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)であるか、2極モノラルプラグ138であるか、(ホ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が3極モノラルプラグ32であるか、2極モノラルプラグ138であるかの判定の制御についても可能となる。
【0153】
時刻t44(またはt46)において、上記の判定処理を完了する。時刻t44(またはt46)〜t45は判定完了後(通常動作時)の制御である。時刻t45からは、音声入出力兼用ジャック1から3極ステレオプラグ23、3極モノラルプラグ32又は2極モノラルプラグ38のいずれか1つを抜き取った状態である。この場合、挿入検知信号S20が未検知状態“L”(ローレベル)となる。
【0154】
以上のようなタイミングチャートで処理は終了する。
【0155】
本実施形態における電子装置85は、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第4セレクタ(第1の2極3極切換スイッチ37)をさらに有し、前記比較回路8は、2系統設けられた前記プラグ判定用信号経路に各々現れる電位発生信号が一致しているか否かを示す一致判定信号をさらに生成するものであり、前記制御部(マイコン)9は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧(Vth2)よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧(Vth1)よりも高く、前記第2閾値電圧(Vth2)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも高く、前記第2閾値電圧(Vth2)よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、 前記第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)、前記第3セレクタ(第1の入力音声切換スイッチ30、第2の入力音声切換スイッチ31)、及び、前記第4セレクタ(第1の2極3極切換スイッチ37)を各々制御することを特徴とする。
【0156】
上記構成により、接続端子(ジャック)のプラグ信号の判別方式として、電圧変化判別方式を採用し、音声入出力兼用ジャック1が(イ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子として用いられるのか又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子として用いられているのか、(ロ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子として用いられるのか、(ハ)MP3プレーヤ音声入力のためのMP3プレーヤ接続端子として用いられているのか、のいずれか3通りの1つを判定することを採用する。さらに、(ホ)マイク音声入力プラグからのマイク音声入力端子が3極モノラルプラグ32であるか、2極モノラルプラグ138であるかの判定が可能となる。
【0157】
また、本実施形態における電子装置85は、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第5セレクタ(第2の2極3極切換スイッチ38)と;前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として択一的に用いられる第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)及びこれよりも低抵抗値の第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)と;前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)を用いるか前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)を用いるかを選択する第6セレクタ(第1の抵抗切換スイッチ39、第2の抵抗切換スイッチ40)と;をさらに有し、前記比較回路8は、前記閾値電圧として、前記第1閾値電圧(Vth1)及び前記第2閾値電圧(Vth2)とは異なる第3閾値電圧(Vth3)を備え、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧(Vth1)及び前記第2閾値電圧(Vth2)とを各々比較して前記比較結果信号を生成する一方、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第3閾値電圧(Vth3)とを比較して前記比較結果信号を生成するものであり、前記制御部(マイコン)9は、前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて前記第6セレクタ(第1の抵抗切換スイッチ39、第2の抵抗切換スイッチ40)を制御し、前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタ(第1のテスト通常切換スイッチ3、第2のテスト通常切換スイッチ4)を制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧(Vth2)よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧(Vth1)よりも高く、前記第2閾値電圧(Vth2)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも高く、前記第2閾値電圧(Vth2)よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)から前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第3閾値電圧(Vth3)よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧(Vth1)よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗(第1の電位発生用抵抗24、第2の電位発生用抵抗25)から前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗(第3の電位発生用抵抗33、第4の電位発生用抵抗34)が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧(Vth3)よりも高いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧(Vth3)よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、前記第2セレクタ(第1の入出力音声切換スイッチ5、第2の入出力音声切換スイッチ6)、前記第3セレクタ(第1の入力音声切換スイッチ30、第2の入力音声切換スイッチ31)、前記第4セレクタ(第1の2極3極切換スイッチ37)、及び、前記第5セレクタ(第2の2極3極切換スイッチ38)を各々制御することを特徴とする。
【0158】
この構成により、(ニ)ヘッドホン音声出力のためのヘッドホン端子か、又はイヤホン出力プラグからのイヤホン接続(片耳用のヘッドホン)端子が3極ステレオプラグ23(イヤホン接続の場合は3極モノラルプラグ32)であるか、2極モノラルプラグ138であるか、の判定も可能となる。
【0159】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係る電子装置85の各部の具体的な構成は、種々に設計変更可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 音声入出力兼用ジャック
1a 端子
1b 端子
1c 端子
1d 端子
1e 端子
2 挿入検知用のプルアップ抵抗
3 第1のテスト通常切換スイッチ
4 第2のテスト通常切換スイッチ
5 第1の入出力音声切換スイッチ
6 第2の入出力音声切換スイッチ
7 平滑回路
8 比較回路
9 マイコン回路
S10 ヘッドホン音声出力L信号
S11 MP3プレーヤ音声入力L信号
S12 ヘッドホン音声出力R信号
S13 MP3プレーヤ音声入力R信号
S14 テスト通常切換信号
S15 入出力音声切換信号
S16 ジャック接続L信号
S17 ジャック接続R信号
S18 信号有無検知用L信号
S18s 平滑後信号有無検知用L信号
S19 信号有無検知用R信号
S19s 平滑後信号有無検知用R信号
S20 挿入検知信号
S21 比較1信号
S22 比較2信号
23 3極ステレオプラグ
23A グラウンド信号電極
23B 音声R信号電極
23C 音声L信号電極
23Z 絶縁リング
24 第1の電位発生用抵抗(抵抗値R1)
25 第2の電位発生用抵抗
S26 電位発生L信号
S27 電位発生R信号
S28 マイク音声入力信号
S29 入力音声切換信号
30 第1の入力音声切換スイッチ
31 第2の入力音声切換スイッチ
32 3極モノラルプラグ
33 第3の電位発生用抵抗
34 第4の電位発生用抵抗
S35 比較3信号
S36 2極3極切換信号
37 第1の2極3極切換スイッチ
38 第2の2極3極切換スイッチ
39 第1の抵抗切換スイッチ
40 第2の抵抗切換スイッチ
85 電子装置
138 2極モノラルプラグ
138A グラウンド信号電極
138B 音声信号電極
138Z 絶縁リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力兼用ジャックと;
前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタと;
前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタと;
前記プラグ判別用信号経路と電源電圧の印加端との間に接続された電位発生用抵抗と;
前記プラグ判別用信号経路に現れる電位発生信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部と;
前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部と;
を有し、
前記制御部は、
前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、
通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記電位発生信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記信号入力用経路を第1信号入力用経路と第2信号入力用経路のいずれに接続するかを選択する第3セレクタをさらに有し、
前記比較回路は、前記閾値電圧として、第1閾値電圧とこれよりも高い第2閾値電圧を備え、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とを各々比較して前記比較結果信号を生成するものであり、
前記制御部は、
前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、
前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、
前記電位発生信号が前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、
また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続するように、
また、前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、
前記第2セレクタ及び前記第3セレクタを各々制御することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記入出力兼用ジャックは、これに挿入されたプラグとの接点として、第1端子と第2端子を備えており、
前記第1セレクタ、前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、前記電位発生用抵抗、前記通常用信号経路、前記プラグ判別用信号経路、前記信号入力用経路、前記第1信号入力用経路、前記第2信号入力用経路、及び、前記信号出力用経路は、前記第1端子と前記第2端子に各々対応して2系統設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第4セレクタをさらに有し、
前記比較回路は、2系統設けられた前記プラグ判定用信号経路に各々現れる電位発生信号が一致しているか否かを示す一致判定信号をさらに生成するものであり、
前記制御部は、
前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、
前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、
2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、
また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、
また、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、
また、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、
前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、及び、前記第4セレクタを各々制御することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするか不使用状態とするかを選択する第5セレクタと;
前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として択一的に用いられる第1抵抗及びこれよりも低抵抗値の第2抵抗と;
前記第1端子及び前記第2端子に各々対応して設けられ、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗を用いるか前記第2抵抗を用いるかを選択する第6セレクタと;
をさらに有し、
前記比較回路は、前記閾値電圧として、前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とは異なる第3閾値電圧を備え、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧とを各々比較して前記比較結果信号を生成する一方、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている場合には、前記電位発生信号と前記第3閾値電圧とを比較して前記比較結果信号を生成するものであり、
前記制御部は、
前記プラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて前記第6セレクタを制御し、
前記通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号及び前記一致判定信号に基づいて、
前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第2閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、さらに、前記信号入力用経路を前記第1信号入力用経路に接続するように、
また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、
また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも高く、前記第2閾値電圧よりも低いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第1閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続した上で、前記信号入力用経路を前記第2信号入力用経路に接続し、さらに、2系統設けられた前記第2信号入力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、
また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗から前記第2抵抗に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第3閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を使用状態とするように、
また、前記電位発生用抵抗として前記第1抵抗が選択されている状態で、2系統の前記電位発生信号がいずれも前記第1閾値電圧よりも低いと判断された結果、前記電位発生用抵抗が前記第1抵抗から前記第2抵抗に切り替えられ、前記電位発生用抵抗として前記第2抵抗が選択されている状態で、前記第1端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧よりも高いと判断される一方で、前記第2端子に対応する前記電位発生信号が前記第3閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続した上で、さらに、2系統設けられた前記信号出力用経路のうち、前記第2端子に対応して設けられた系統を不使用状態とするように、
前記第2セレクタ、前記第3セレクタ、前記第4セレクタ、及び、前記第5セレクタを各々制御することを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
入出力兼用ジャックと;
前記入出力兼用ジャックを通常用信号経路とプラグ判別用信号経路のいずれに接続するかを選択する第1セレクタと;
前記通常用信号経路を信号入力用経路と信号出力用経路のいずれに接続するかを選択する第2セレクタと;
前記プラグ判別用信号経路に現れる電圧信号を平滑化して平滑電圧信号を生成する平滑部と;
前記平滑電圧信号と所定の閾値電圧とを比較して比較結果信号を生成する比較部と;
前記第1セレクタ及び前記第2セレクタの接続切換制御を行う制御部と;
を有し、
前記制御部は、
前記入出力兼用ジャックに接続されたプラグの種類を判別するプラグ判別動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記プラグ判別用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御し、
通常動作時には、前記入出力兼用ジャックを前記通常用信号経路に接続するように前記第1セレクタを制御するとともに、前記プラグ判別動作時に得られた前記比較結果信号に基づいて、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも高いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号入力用経路に接続するように、逆に、前記平滑電圧信号が前記閾値電圧よりも低いと判断されるときには、前記通常用信号経路を前記信号出力用経路に接続するように、前記第2セレクタを制御することを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−217228(P2011−217228A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84924(P2010−84924)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】