説明

電子装置

【課題】接続部材とこの接続部材を挿通させるための挿通用開口部との間に過剰な隙間を設けることなくケースに対するカバーの組み付け性を向上させ得る電子装置を提供する。
【解決手段】カバー30には、挟持部22によるガイド部33の組付け中および案内完了時にケース20に収容された回路基板40の上側板面40aを付勢して支持する付勢部32が形成される。そして、ガイド部33は、その基端部位33aが案内完了時に挟持部22により案内されるとともに、その先端部位33bが案内開始時に挟持部22により案内されるように形成される。そして、基端部位33aは、案内完了時に挿通用開口部31aがコネクタ42との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成され、先端部位33bには、基端部位33aよりも付勢方向に突出する突起部33dが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースの開口部を閉塞するカバーに接続部材が挿通する挿通用開口部が形成される電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ケースの開口部を閉塞するカバーに接続部材が挿通する挿通用開口部が形成される電子装置として、下記特許文献1に開示される制御機器が知られている。この制御機器では、ケースに、外部装置に接続する接続部材としてコネクタ部材が実装されたプリント基板が収容されている。そして、ケースの開口部側にはカバーが嵌着され、このカバーのコネクタ用角穴部からコネクタ部材の接続端子側がケース外に臨むように構成されている。そして、ケースに収容されるプリント基板は、ケースの左右の内壁面に設けられる一対の支持レールおよびストッパ部とカバーに形成された保持部とによって支持されている。これにより、ケースに対するプリント基板のがたつきを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−261166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示されるように、接続部材が挿通する挿通用開口部が形成されるカバーをケースに組み付ける構成では、ケースに対するカバーの組み付け性を向上させるために、カバーにガイド部を設けてこのガイド部をケースに設けられる挟持部により挟持して案内することが考えられる。この場合、挟持部とガイド部との間には、組み付け性を確保するために所定の隙間が設けられる。
【0005】
しかしながら、上記所定の隙間があるために、挿通前に挿通用開口部が接続部材に対して傾くことで当該挿通用開口部の縁部が接続部材に接触してしまい、ケースに対するカバーの組み付け性が悪くなるという問題がある。
【0006】
また、ケースの反りを考慮してカバー外形寸法を設定した上で、挟持部の隙間寸法に対してガイド部の公差を設定することも考えられる。しかしながら、ガイド部の挟持部に案内される面に関する寸法を精度良く設定する事が困難であるため、結果としてカバーの挿通用開口部を大きくする必要があった。一方、組み付け性を改善するために単に挿通用開口部を大きくすると、挿通用開口部と接続部材との間に隙間ができてしまい、異物の混入やケース内の結露等が生じる可能性が高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、接続部材とこの接続部材を挿通させるための挿通用開口部との間に過剰な隙間を設けることなくケースに対するカバーの組み付け性を向上させ得る電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電子装置では、外部装置に接続するための接続部材が実装される基板と、前記基板がケース開口部を介して収容されるケースと、前記接続部材を挿通させるための挿通用開口部と前記ケースに形成される挟持部により挟持されて案内されるガイド部とを有し、前記挿通用開口部を介して前記接続部材を挿通させた状態で前記ガイド部を前記挟持部に案内させて前記ケースに組み付けられることで前記ケース開口部を閉塞するカバーと、を備える電子装置であって、前記カバーには、前記挟持部による前記ガイド部の組付け中および案内完了時に前記ケースに収容された前記基板の板面を付勢して支持する付勢部が形成され、前記ガイド部は、その基端部位が前記案内完了時に前記挟持部により案内されるとともに、その先端部位が案内開始時に前記挟持部により案内されるように形成され、前記基端部位は、前記案内完了時に前記挿通用開口部が前記接続部材との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成され、前記先端部位には、前記基端部位に対して突出するように突起部が形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子装置において、前記突起部は、前記基端部位側が前記基端部位に近づくほどその突出長さが小さくなるように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、カバーには、挟持部によるガイド部の組付け中および案内完了時にケースに収容された基板の板面を付勢して支持する付勢部が形成される。そして、ガイド部は、その基端部位が案内完了時に挟持部により案内されるとともに、その先端部位が案内開始時に挟持部により案内されるように形成される。そして、基端部位は、案内完了時に挿通用開口部が接続部材との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成され、先端部位には、基端部位に対して突出するように突起部が形成される。
【0011】
これにより、ガイド部の基端部位が挟持部に挟持されて案内される案内完了時には、挿通用開口部が接続部材との隙間をなくす位置に位置決めされた状態であって付勢部により基板が付勢されているため、ケースに対する基板のがたつきを抑制することができる。そして、ガイド部の先端部位が挟持部に挟持されて案内される案内開始時には、先端部位に形成される突起部が挟持部に接触することで、突起部が先端部位に形成されない場合と比較して、接続部材に対する挿通用開口部の傾きが抑制される。このため、案内開始時に挿通用開口部の縁部が接続部材に接触しにくくなるので、接続部材と挿通用開口部との間に過剰な隙間を設けることなくケースに対するカバーの組み付け性を向上させることができる。
【0012】
請求項2の発明では、突起部は、基端部位側が基端部位に近づくほどその突出長さが小さくなるように形成される。先端部位の突起部が基端部位に対して段差を構成するように突出して形成されていると、付勢部を介する抗力のために、挟持部によるガイド部の案内時に、突起部の案内が終わると基端部位が挟持部に衝突するように押し付けられることとなる。
【0013】
そこで、基端部位側が基端部位に近づくほどその突出長さが小さくなるように突起部を形成することで、突起部の案内が終わる場合でも挟持部に対する基端部位の衝突が抑制される。これにより、カバーの組み付け性を向上させるとともに、付勢部からの抗力の急な変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係る電子装置を示す斜視図である。
【図2】図2(A)は、図1の電子装置を側面から見た断面図であり、図2(B)は、上面から見た断面図である。
【図3】第1実施形態におけるカバーの詳細形状を説明するための説明図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は側面図である。
【図4】図4(A)は、第1実施形態において回路基板をケースに収容する前の組付状態を示す側面図であり、図4(B)は、案内開始時の組付状態を示す側面図である。
【図5】図5(C)は、第1実施形態においてガイド部の突起部による案内中の組付状態を示す側面図であり、図5(D)は、案内完了時の組付状態を示す側面図である。
【図6】第2実施形態におけるカバーの詳細形状を説明するための説明図であり、図6(A)は正面図であり、図6(B)は側面図である。
【図7】図7(A)は、第2実施形態において回路基板をケースに収容する前の組付状態を示す側面図であり、図7(B)は、案内開始時の組付状態を示す側面図である。
【図8】図8(C)は、第2実施形態においてガイド部の突起部による案内中の組付状態を示す側面図であり、図8(D)は、案内完了時の組付状態を示す側面図である。
【図9】図9(A)は、上記実施形態の第1変形例に係るガイド部の形状を示す側面図であり、図9(B)は、上記実施形態の第2変形例に係るガイド部の形状を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る電子装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電子装置10を示す斜視図である。図2(A)は、図1の電子装置10を側面から見た断面図であり、図2(B)は、上面から見た断面図である。図3は、第1実施形態におけるカバー30の詳細形状を説明するための説明図であり、図3(A)は正面図であり、図3(B)は側面図である。
【0016】
電子装置10は、たとえば自動車のように振動の影響を受ける機器に搭載され、コネクタ42を介して接続される外部装置(図示略)と通信する通信機能を有するものである。この電子装置10は、図1および図2に示すように、略直方体形状に形成される樹脂製のケース20と、このケース20のケース開口部21を閉塞する樹脂製のカバー30とにより外郭が構成されている。
【0017】
ケース20の内壁面には、回路基板40を案内して支持する支持レール(図示略)が形成されており、回路基板40は、ケース開口部21を介して上記支持レールに案内されてケース20内に収容されている。この回路基板40には、所定の配線パターンが形成されており、上記通信機能等を実現するための電子部品41等が実装されている。また、この回路基板40の上側板面40aの外縁近傍には、上記外部装置に接続するための接続部材として、コネクタ42が上記所定の配線パターンに対応して実装されている。
【0018】
ケース20の外壁面上であってケース開口部21の近傍には、後述するガイド部33を案内するための一対の挟持部22がそれぞれ設けられている。これら両挟持部22は、互いに平行な上側端面22aおよび下側端面22bが所定の距離を介して対向するようにそれぞれ形成されている。また、上側端面22aと下側端面22bとの間には、係合部23が後述する係合用開口部33cに係合可能に突出して形成されている。
【0019】
カバー30は、ケース20内に収容された回路基板40のコネクタ42を露出させた状態で、ケース開口部21を閉塞するもので、この閉塞により、ケース開口部21を介したケース20内への異物の混入や結露等が防止される。このカバー30は、図3(A),(B)に示すように、略平板状のカバー本体31と、このカバー本体31に対して下端近傍から略直交して突出する2つの付勢部32と、カバー本体31に対して長手方向両端から略直交して突出する一対のガイド部33と、を有するように形成されている。
【0020】
カバー本体31には、その中央部にコネクタ42の外形に応じて矩形状の挿通用開口部31aが形成されるとともに、四隅にケース20の内壁に係合するための4つの係合爪31bが形成されている。挿通用開口部31aは、各係合爪31bが上記内壁に係合してカバー本体31によりケース開口部21が閉塞される際に、コネクタ42を露出するように挿通させ、この閉塞時に当該挿通用開口部31aの縁部とコネクタ42との間の隙間を極力なくすように形成されている。
【0021】
両付勢部32は、カバー本体31によるケース開口部21の閉塞時に、ケース20に収容された回路基板40の上側板面40aのコネクタ側端部を上方から下方に向けて付勢して支持するためのものである。これら両付勢部32は、閉塞時に上側板面40aに対する付勢力を徐々に増加させるため、その下面が先端側(突出側)ほど上方に位置するようにテーパ状に形成されている。
【0022】
両ガイド部33は、カバー本体31によるケース開口部21の閉塞時に挟持部22によりそれぞれ案内されるもので、その基端部位33aが案内完了時に挟持部22により案内されるとともに、その先端部位33bが案内開始時に挟持部22により案内されるように形成されている。また、ガイド部33の側面中央には、上記閉塞時に係合部23に係合することでカバー30とケース20とを係脱自在に連結するための係合用開口部33cが形成されている。
【0023】
基端部位33aは、挟持部22による上記案内完了時に、挿通用開口部31aがコネクタ42との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成されている。また、先端部位33bには、基端部位33aに対して下方向に突出するように突起部33dが形成されている。すなわち、先端部位33bは、突起部33dにより、基端部位33aよりも付勢部32による付勢方向(上下方向)の長さが長くなるように突出して形成されている。
【0024】
次に、回路基板40を収容したケース20に対するカバー30の取り付けについて、図4および図5を用いて説明する。なお、図4(A)は、第1実施形態において回路基板40をケース20に収容する前の組付状態を示す側面図であり、図4(B)は、案内開始時の組付状態を示す側面図である。図5(C)は、第1実施形態においてガイド部33の突起部33dによる案内中の組付状態を示す側面図であり、図5(D)は、案内完了時の組付状態を示す側面図である。
【0025】
まず、図4(A)に示すように、回路基板40を、ケース20のケース開口部21を介して上記支持レールに案内されるように差し込む。次に、回路基板40をケース20内に収容した後に、カバー30の両ガイド部33の先端部位33b(突起部33d)をケース20の両挟持部22にそれぞれ案内させる。この案内開始直後では、コネクタ42が挿通用開口部31aに挿通していない。
【0026】
そして、先端部位33bが挟持部22に案内された状態でカバー30がケース20に近づけられると、図4(B)に示すように、コネクタ42が挿通用開口部31aに挿通する。このとき、先端部位33bに形成される突起部33dが挟持部22の下側端面22bに接触しているので、突起部33dが先端部位33bに形成されない場合と比較して、上側板面40aに対する両付勢部32の接触にかかわらず、コネクタ42に対する挿通用開口部31aの傾きが抑制されることとなる。
【0027】
さらにカバー30がケース20に近づけられると、図5(C)に示すように、両付勢部32が上側板面40aに接触して回路基板40のコネクタ側端部が上方から下方に向けて付勢される。これにより、ケース20に対する回路基板40のがたつきが抑制される。このとき、コネクタ42は既に挿通用開口部31aに挿通した状態であるため、挿通用開口部31aの縁部がコネクタ42に接触しても、ケース20に対するカバー30の組み付け性が悪くなることもない。
【0028】
この状態からカバー本体31がケース開口部21を閉塞するまで近づけられると、図5(D)に示すように、先端部位33b(突起部33d)による案内が終わり、基端部位33aが挟持部22により案内されて、係合用開口部33cが係合部23に係合すると案内完了状態となる。この案内完了状態では、カバー本体31の各係合爪31bがケース20の内壁にそれぞれ係合することで、ケース開口部21に対するカバー本体31の位置決めがなされる。
【0029】
この閉塞時では、基端部位33aは、案内完了時に挿通用開口部31aがコネクタ42との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成されているため、ケース20内に異物の混入や結露等が生じることもない。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る電子装置10では、カバー30には、挟持部22によるガイド部33の組付け中および案内完了時にケース20に収容された回路基板40の上側板面40aを付勢して支持する付勢部32が形成される。そして、ガイド部33は、その基端部位33aが案内完了時に挟持部22により案内されるとともに、その先端部位33bが案内開始時に挟持部22により案内されるように形成される。そして、基端部位33aは、案内完了時に挿通用開口部31aがコネクタ42との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成され、先端部位33bには、基端部位33aよりも付勢方向に突出する突起部33dが形成される。
【0031】
これにより、ガイド部33の基端部位33aが挟持部22に挟持されて案内される案内完了時には、挿通用開口部31aがコネクタ42との隙間をなくす位置に位置決めされた状態であって付勢部32により回路基板40が付勢されているため、ケース20に対する回路基板40のがたつきを抑制することができる。そして、ガイド部33の先端部位33bが挟持部22に挟持されて案内される案内開始時には、先端部位33bに形成される突起部33dが挟持部22に接触することで、コネクタ42に対する挿通用開口部31aの傾きが抑制される。このため、案内開始時に挿通用開口部31aの縁部がコネクタ42に接触しにくくなるので、コネクタ42と挿通用開口部31aとの間に過剰な隙間を設けることなくケース20に対するカバー30の組み付け性を向上させることができる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電子装置について図6〜図8を参照して説明する。図6は、第2実施形態におけるカバー30aの詳細形状を説明するための説明図であり、図6(A)は正面図であり、図6(B)は側面図である。図7(A)は、第2実施形態において回路基板40をケース20に収容する前の組付状態を示す側面図であり、図7(B)は、案内開始時の組付状態を示す側面図である。図8(C)は、第2実施形態においてガイド部33の突起部33dによる案内中の組付状態を示す側面図であり、図8(D)は、案内完了時の組付状態を示す側面図である。
【0033】
本第2実施形態に係る電子装置10では、カバー30に代えてカバー30aを採用する点が、上記第1実施形態に係る電子装置と異なる。したがって、第1実施形態の電子装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
図6(A),(B)に示すように、カバー30aは、カバー30に対して、両付勢部32に代えて両付勢部32aを有するように形成されている。両付勢部32aは、カバー本体31によるケース開口部21の閉塞時に、ケース20に収容された回路基板40の下側板面40bのコネクタ側端部を下方から上方に向けて付勢して支持するためのものである。これら両付勢部32aは、閉塞時に下側板面40bに対する付勢力を徐々に増加させるため、その上面が先端側(突出側)ほど下方に位置するようにテーパ状に形成されている。
【0035】
このように構成される電子装置10において、回路基板40を収容したケース20に対するカバー30aの取り付けについて、図7および図8を用いて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様に、ケース20のケース開口部21を介して回路基板40を差し込む(図7(A)参照)。次に、回路基板40をケース20内に収容した後に、カバー30aの両ガイド部33の先端部位33b(突起部33d)をケース20の両挟持部22にそれぞれ案内させる。
【0036】
そして、先端部位33bが挟持部22に案内された状態でカバー30aがケース20に近づけられると、図7(B)に示すように、コネクタ42が挿通用開口部31aに挿通する。このとき、先端部位33bに形成される突起部33dが挟持部22の下側端面22bに接触しているので、突起部33dが先端部位33bに形成されない場合と比較して、下側板面40bに対する両付勢部32aの接触にかかわらず、コネクタ42に対する挿通用開口部31aの傾きが抑制されることとなる。
【0037】
さらにカバー30aがケース20に近づけられると、図8(C)に示すように、両付勢部32aが下側板面40bに接触して回路基板40のコネクタ側端部が下方から上方に向けて付勢される。これにより、ケース20に対する回路基板40のがたつきが抑制される。このとき、コネクタ42は既に挿通用開口部31aに挿通した状態であるため、挿通用開口部31aの縁部がコネクタ42に接触しても、ケース20に対するカバー30aの組み付け性が悪くなることもない。
【0038】
この状態からカバー本体31がケース開口部21を閉塞するまで近づけられると、図8(D)に示すように、先端部位33b(突起部33d)による案内が終わり、基端部位33aが挟持部22により案内されて、係合用開口部33cが係合部23に係合すると案内完了状態となる。
【0039】
このように、両付勢部32aにより、回路基板40の下側板面40bのコネクタ側端部を下方から上方に向けて付勢して支持する構成であっても、コネクタ42と挿通用開口部31aとの間に過剰な隙間を設けることなくケース20に対するカバー30aの組み付け性を向上させることができる。
【0040】
なお、本発明は上記各実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)図9(A)は、上記実施形態の第1変形例に係るガイド部33の形状を示す側面図であり、図9(B)は、上記実施形態の第2変形例に係るガイド部33の形状を示す側面図である。
図9(A)に示すように、上記各実施形態の第1変形例として、ガイド部33の突起部33dは、基端部位側が基端部位33aに近づくほどその突出長さが小さくなるように形成されてもよい。先端部位33bの突起部33dが基端部位33aに対して段差を構成するように突出して形成されていると、付勢部32(32a)を介する抗力のために、挟持部22によるガイド部33の案内時に、突起部33dの案内が終わると基端部位33aが挟持部22に衝突するように押し付けられることとなる。
【0041】
そこで、基端部位側が基端部位33aに近づくほどその突出長さが小さくなるように突起部33dを形成することで、突起部33dの案内が終わる場合でも挟持部22に対する基端部位の衝突が抑制される。これにより、カバー30(30a)の組み付け性を向上させるとともに、付勢部32(32a)からの抗力の急な変化を抑制することができる。
【0042】
また、図9(B)に示すように、上記各実施形態の第2変形例として、ガイド部33の突起部33dは、その上端および下端において基端部位33aよりも突出するように形成されてもよい。
【0043】
(2)挿通用開口部31aに対して隙間無く挿通させる接続部材としては、コネクタ42に限定されることなく、例えば、ワイヤ等を採用しても同等の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0044】
10…電子装置
20…ケース
21…ケース開口部
22…挟時部
30,30a…カバー
31…カバー本体
31a…挿通用開口部
32,32a…付勢部
33…ガイド部
33a…基端部位
33b…先端部位
33d…突起部
40…基板
42…コネクタ(接続部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に接続するための接続部材が実装される基板と、
前記基板がケース開口部を介して収容されるケースと、
前記接続部材を挿通させるための挿通用開口部と前記ケースに形成される挟持部により挟持されて案内されるガイド部とを有し、前記挿通用開口部を介して前記接続部材を挿通させた状態で前記ガイド部を前記挟持部に案内させて前記ケースに組み付けられることで前記ケース開口部を閉塞するカバーと、
を備える電子装置であって、
前記カバーには、前記挟持部による前記ガイド部の組付け中および案内完了時に前記ケースに収容された前記基板の板面を付勢して支持する付勢部が形成され、
前記ガイド部は、その基端部位が前記案内完了時に前記挟持部により案内されるとともに、その先端部位が案内開始時に前記挟持部により案内されるように形成され、
前記基端部位は、前記案内完了時に前記挿通用開口部が前記接続部材との隙間をなくす位置に位置決めされるように形成され、
前記先端部位には、前記基端部位に対して突出するように突起部が形成されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記基端部位側が前記基端部位に近づくほどその突出長さが小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−119621(P2012−119621A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270419(P2010−270419)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】