説明

電子装置

【課題】プリント基板の伝熱方向が制御された電子装置をすることを課題とする。
【解決手段】電子装置は、プリント基板と、前記プリント基板上に配置された発熱部品と、前記プリント基板、及び前記発熱部品を収納し、その外部から内部に空気が流れる筐体と、を備え、前記プリント基板は、第1及び第2逃げ部、前記第1及び第2逃げ部の間に位置し、前記発熱部品と対向し、前記筐体内において前記空気が流れる方向に沿って延び、導体パターンが形成された延在部、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板と発熱する発熱部品とプリント基板及び発熱部品を収納した筐体とを備えた電子装置が知られている。(例えば、特許文献1、2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9‐258849号公報
【特許文献2】特開昭62‐257786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリント基板と発熱部品とが近いと、発熱部品の熱がプリント基板に伝達される。プリント基板での伝熱方向によっては、放熱しにくい部分に熱が伝わってプリント基板が高温化するおそれがある。これにより、筐体内が高温化するおそれがある。
【0005】
本発明は、プリント基板での伝熱方向が制御された電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の電子装置は、プリント基板と、前記プリント基板上に配置された発熱部品と、前記プリント基板、及び前記発熱部品を収納し、その外部から内部に空気が流れる筐体と、を備え、前記プリント基板は、第1及び第2逃げ部、前記第1及び第2逃げ部の間に位置し、前記発熱部品と対向し、前記筐体内において前記空気が流れる方向に沿って延び、導体パターンが形成された延在部、を含む。
【発明の効果】
【0007】
プリント基板での伝熱方向が制御された電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1A、1Bは、本実施例のノート型コンピュータの説明図である。
【図2】図2A、2Bは、本実施例のノート型コンピュータの説明図である。
【図3】図3は、筐体の分解斜視図である。
【図4】図4は、筐体の背面側を示した筐体の分解斜視図である。
【図5】図5は、プリント基板の裏面側の図である。
【図6】図6は、プリント基板の表面側の斜視図である。
【図7】図7は、プリント基板の裏面側の斜視図である。
【図8】図8は、プリント基板単体の図である。
【図9】図9は、プリント基板単体の図である。
【図10】図10は、表面側から見た延在部周辺の拡大図である。
【図11】図11は、空気の流れを説明するための筐体の部分断面図である。
【図12】図12Aは、裏面側から見た延在部の拡大図であり、図12Bは、延在部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ノート型コンピュータを電子装置の一例として説明する。図1A、1B、2A、2Bは、本実施例のノート型コンピュータ1の説明図である。ノート型コンピュータ1は、筐体10、20を有している。筐体10、20は、2軸ヒンジHにより連結されている。2軸ヒンジHにより、筐体10、20は、互いに直交する2軸周りに相対回転可能に連結されている。筐体10は、ノート型コンピュータ1を操作するためのキーボードK、タッチパッドTPを備える。筐体10内には、ノート型コンピュータ1の動作全体を制御するためのプリント基板が収納されている。筐体20は、ディスプレイDPを備える。ディスプレイDPは、画像を表示可能な表示パネルと、接触により操作可能なタッチパネルとを含んでいる。図1Bに示すように、筐体10の左側の側面には排出口17が形成されている。図1A、1Bは、筐体10、20が開いた状態を示している。
【0010】
図2A、2Bは、筐体10、20が閉じた状態でのノート型コンピュータ1を示している。図2Aは、ノート型コンピュータ1の正面側の側面を示しており、図2Bは、筐体10の底面を示している。図2Aに示すように、筐体10の正面側の側面には、その2箇所に吸入口16が設けられている。なお、2箇所の吸入口16間における筐体10の側面には、ヘッドフォン端子、マイク端子、データ通信用インタフェースが設けられている。図2Bに示すように、筐体10内には、ハードディスクドライブD、ファンFが収納されている。ファンFが駆動することにより、筐体10内に空気が流れる。筐体10の底面側にはバッテリBが設けられている。
【0011】
図3は、筐体10の分解斜視図である。筐体10は、上面側のフロントケース10F、底面側のリアケース10Rを含む。フロントケース10Fの表面側にタッチパッドTPが設けられ、キーボードKが固定されている。キーボードKは複数の取付具KAによりフロントケース10Fに固定される。筐体10の収納空間内にはプリント基板30が収納される。プリント基板30には、後述するCPU(Central Processing Unit)40やメモリMが実装されている。また、プリント基板30に直接固定されているわけではないが、フロントケース10F側にはプリント基板30と対向するようにカードコネクタPCが固定される。カードコネクタPCは、PCカードが実装可能である。ファンFは、プリント基板30に所定の部材を介して固定されている。
【0012】
図4は、筐体10の底面側を示した筐体10の分解斜視図である。筐体10のリアケース10Rに固定された所定のカバーを取外すことにより、ファンFが露出し、ドライブユニットDUを取外すことができる。ドライブユニットDUは、ハードディスクドライブD、ハードディスクドライブDをリアケース10R側に固定するための取付用部品AD、を含む。
【0013】
図5は、プリント基板30の裏面側の図である。図5は、プリント基板30が筐体10内に収納された状態でのプリント基板30の裏面31R側の図である。裏面31Rは、リアケース10Rと対向する面である。プリント基板30の裏面31Rには、ファンFが固定されている。裏面31RにはCPU40が実装されている。CPU40にはパイプPの一端が熱的に接続されている。パイプPの他端にはヒートシンクRが熱的に接続されている。CPU40の熱がパイプPを介してヒートシンクRに伝達される。パイプPの一例はヒートパイプである。ファンFは、羽根車、モータおよびそれらを収納するケースを含む。羽根車は、モータの回転軸をその回転軸とし、回転軸の周りに複数の羽根を備え、モータの駆動によって回転する。ファンFは、回転軸の軸方向であるファンFの上下から空気を吸引し、軸方向と交差する方向に向けて空気を送る。それにより、ファンFはヒートシンクRに向けて空気を送る。ファンFの一例は遠心ファンである。これにより、ヒートシンクRの放熱が促進される。ヒートシンクRを通過した空気は、筐体10の排出口17を通過して筐体10の外部へ排出される。
【0014】
図6は、プリント基板30の表面31F側の斜視図である。表面31F側には、表面31Fと対向するようにしてフロントケース10Fに固定されたカードコネクタPCが配置される。図6では、カードコネクタPCをプリント基板30から離した図である。カードコネクタPCと対向するプリント基板30の部分には、2つの孔32H1、32H2、延在部33が設けられている。孔32H1、32H2は、それぞれプリント基板30の表裏を貫通し、それらが独立してプリント基板30に形成されている。延在部33は、孔32H1、32H2の間に位置している。孔32H1、32H2、延在部33は、このような形状以外であってもよい。孔32H1、32H2の大きさは、少なくとも一般的なスルーホールよりも大きい。孔32H1、32H2は、第1及び第2逃げ部の一例である。プリント基板30には、ファンFに吸引される空気が通過する逃げ孔32Fが設けられている。ファンFは逃げ孔32Fと対向するように配置される。これにより、プリント基板30の表面31F側の空気が、逃げ孔32Fを介してファンFに流れる。
【0015】
図7は、プリント基板30の裏面31R側の斜視図である。裏面31R側には、前述したようにドライブユニットDUが配置される。図7は、プリント基板30からドライブユニットDUを離した図である。ドライブユニットDUと対向するプリント基板30の部分に、孔32H1、32H2、延在部33が設けられている。延在部33は、ファンF側から縁31E側に向けて延びている。延在部33は、縁31Eに直交する方向に延びている。縁31Eは、筐体10の吸入口16が設けられている側面と対向する縁である。換言すれば、延在部33は、ファンF側から吸入口16側に延びている。延在部33には、複数のスルーホール34が形成されている。詳しくは後述する。
【0016】
尚、図6、7には、ファンFによって延在部33周辺に流れる空気の方向WDを示している。この空気の方向WDは、正確には、吸入口16とファンFを直接に結ぶ直線上となるが、延在部33はこの空気の方向WDに概ね沿った方向に延びている。延在部33の延長方向は、縁31Eと直交する方向でなくてもよく、例えば縁31Eと直角以外の角度となる方向でもよい。例えば、延在部33の延長方向は、2箇所の吸入口16のうち一方の吸入口16とファンFを直接に結ぶ直線に沿った方向であってもよい。また、例えば、延在部33の延長方向は、他方の吸入口16とファンFを直接に結ぶ直線に沿った方向であってもよい。つまり、延在部33の延長方向は、高熱部分から低熱部分に延びるものであればよい。例えば、本実施例においては、延在部33は、ファンFの駆動により外気が筐体10内に流入して最も低熱となる部分となる吸入口16が設けられた筐体10の側面と高熱部分との間で延びるようプリント基板30に形成されている。
【0017】
図8、9は、プリント基板30単体の図である。図8は、プリント基板30の表面31Fを示しており、図9は、プリント基板30の裏面31Rを示している。延在部33は、プリント基板の中心からずれた位置に設けられており、プリント基板30の縁31E側に設けられている。ファンFはプリント基板30の中心の近くに設けられる。換言すれば、プリント基板30の中心位置と延在部33との距離は、プリント基板30の中心位置とファンFとの距離よりも大きい。
【0018】
図10は、表面31F側から見た延在部33周辺の拡大図である。プリント基板30は、筐体10の正面側の側面と図10に示す位置関係で筐体10の内部に配置される。つまり、図10において右側となるプリント基板30の縁が、筐体10の正面側の側面に隣接し且つ対向するようプリント基板30は筐体10の内部に配置される。図10においては、プリント基板30の裏面31R側に配置されるハードディスクドライブDを点線で示している。2箇所の吸入口16は、ファンFによって外部から筐体10内に流れ、そしてファンFに向かう空気がハードディスクドライブDに直接当たるよう、筐体10の正面側の側面における所定位置に設けられている。
【0019】
なお、本実施例のように、筐体10の正面側の側面に設けたヘッドフォン端子、マイク端子、データ通信用インタフェース等の各種インタフェースやその他の部品をそこに配置しないのであれば、この2箇所の吸入口16を連結した1つの吸入口としてもよい。また、この2箇所の吸入口16に代えて、1つの吸入口を本実施例において配置している各種インタフェースの位置に設けるようにしてもよい。ハードディスクドライブDの略中心には、ハードディスクを回転させるためのアクチュエータDCが設けられている。アクチュエータDCが回転することにより、ハードディスクドライブDは発熱し、特にアクチュエータDC周辺が高温となる。延在部33の略中心とハードディスクドライブDとが対向している。
【0020】
延在部33は、延在部33の略中心にある領域R1、領域R1に隣接しプリント基板30の縁31E側に位置する領域R2、領域R1に隣接しプリント基板30の中心側に位置する領域R3、を含む。領域R1、R2では複数のスルーホール34が形成されている。領域R3では、スルーホール34は形成されていない。領域R1では、スルーホール34が延在部33の長手方向に対して5列に形成されている。領域R2では、スルーホール34が延在部33の長手方向に対して3列に形成されている。領域R2は、領域R1よりも延在部33の長手方向に長い。領域R1は、熱源であるハードディスクドライブDのアクチュエータACと対向している。
【0021】
図11は、空気の流れを説明するための筐体10の部分断面図である。延在部33を挟むようにして、ハードディスクドライブD、カードコネクタPCが配置される。また、ファンFの吸引力により、吸入口16を介して空気が筐体10内に導入される。筐体10内に導入された空気は、延在部33に沿うようにしてファンFに向かって流れる。上述したように、孔32H1、32H2を介して、空気は、プリント基板30の表面31F側又は裏面31R側に流れることが可能である。ファンFに吸引された空気は、ヒートシンクRに向けて放出される。ヒートシンクRを通過した空気は、筐体10の排出口17を通過して筐体10の外部へと放出される。
【0022】
図12Aは、裏面31R側から見た延在部33の拡大図である。図12Bは、延在部33の断面図である。図12Bに示すように、プリント基板30は、例えば10層からなる多層配線基板である。裏面31R側の延在部33の外面には導体パターン35が形成されている。従って、導体パターン35はハードディスクドライブDと対向する。導体パターン35は、第1導体パターンの一例である。裏面31R側から数えて2層目には、導体パターン36が形成されている。導体パターン36は、第2導体パターンの一例である。導体パターン35、36は、領域R1、R2に形成されている。導体パターン35、36は、銅によって形成されている。導体パターン35、36は、複数のスルーホール34を介して導通接続されている。具体的には、スルーホール34の内側を覆う銅めっきと、導体パターン35、36とが接続されている。スルーホール34は、プリント基板30を貫通している。
【0023】
領域R3では、スルーホール34、導体パターン35、36は形成されていない。従って、領域R3では、絶縁性の樹脂によって形成された層が複数積層されている。換言すれば、熱源であるハードディスクドライブDのアクチュエータACよりもプリント基板30の中心側に位置する領域R3には、スルーホール34、導体パターン35、36は形成されていない。アクチュエータACに対向する領域R1、及び領域R1よりもプリント基板30の縁31E側にある領域R2には、スルーホール34、導体パターン35、36が形成されている。尚、プリント基板30の延在部33以外の部分では、図12Bに示すように、プリント基板30の内層に多数のパターンが形成されている。プリント基板30の延在部33以外の部分に設けられたパターンは、プリント基板30に実装された電子部品に信号を送信したり電力を供給したりするためのものである。
【0024】
一般的に、樹脂の熱伝導率は金属の熱伝導率よりも小さい。従って、領域R3の熱伝達率は、領域R1、R2のそれぞれの熱伝達率よりも小さい。よって、ハードディスクドライブDの熱は、領域R3よりも、領域R1、R2に伝達しやすい。このため、プリント基板30においてハードディスクドライブDからの熱の伝熱方向が延在部33によって制御されている。ここで、延在部33は、プリント基板30の縁31E側に延びている。また、スルーホール34等が形成されている領域R1、R2は、プリント基板30の縁31E側に位置し、スルーホール34等が形成されていない領域R3は、プリント基板30の中心側に位置している。従って、伝熱方向はプリント基板30の縁31E側に制御され、プリント基板30の中心側にハードディスクドライブDの熱が伝わることが抑制されている。
【0025】
ファンFによって空気は延在部33に沿って方向WDに流れる。これにより、領域R1〜R3での放熱が促進される。前述したように、領域R3の熱伝導率は、領域R1、R2の熱伝導率よりも小さい。このため、領域R3は空気に対して放熱しにくく、領域R1、R2は空気に対して放熱しやすい。従って、領域R1〜R3の放熱が促進されることにより、領域R3の温度の低下分よりも領域R1、R2での温度の低下分の方が大きくなりやすい。一般的に、熱は高温の部分から低温の部分に伝わる。このため、領域R1〜R3の放熱が促進されることにより、ハードディスクドライブDからの熱は、領域R1、R2に伝わりやすく、領域R3には伝わりにくくなる。従って、プリント基板30の伝熱方向は、プリント基板30の縁31E側に制御されている。
【0026】
領域R2は領域R1よりも空気の流れの上流側に位置している。また、領域R1は熱源であるハードディスクドライブDのアクチュエータDCに近いが、領域R2は領域R1よりもアクチュエータDCから離れている。このため、領域R2は、領域R1よりも冷えやすく、領域R1の温度よりも領域R2の温度の方が低くなりやすい。このため、領域R1、R2とで温度差が生じる。即ち、導体パターン35上で温度差が生じ、同様に導体パターン36上でも温度差が生じる。熱は、高温の部分から低温の部分に伝達しやすい。従って、ハードディスクドライブDの熱は領域R1から領域R2に伝達されやすい。このように、伝熱方向はプリント基板30の縁31E側に制御される。
【0027】
領域R1、R2での温度差は、ファンFによって流れる空気によっても大きくなる。ファンFによって吸入口16から筐体10内に導入された空気は、領域R2近傍を通過した後、領域R1近傍を通過する。このため、領域R1近傍を通過する空気は、既に領域R2から受熱していることになる。従って、領域R1よりも領域R2の方が効率的に放熱される。また、領域R1は熱源であるハードディスクドライブDのアクチュエータDCに近く、領域R2は領域R1よりもアクチュエータDCから離れている。このため、領域R1では、領域R2よりも温度が低下しにくい。以上より、空気が流れていない場合と空気が流れている場合とで変化する領域R1での温度の変化量は、領域R2での温度の変化量よりも小さい。従って、空気が流れていない場合での領域R1、R2の温度差よりも、空気が流れている場合での領域R1、R2の温度差の方が大きい。従って、延在部33がファンFによって生じる空気の流動方向に延びていることにより、領域R1よりも領域R2の放熱が促進され、領域R1と領域R2とでの温度差が大きくなる。これによりプリント基板30の伝熱方向を制御することができる。尚、実際には領域R1、R2での温度分布は、アクチュエータDCから離れるほど温度が低下する。
【0028】
以上のように、本実施例においては、プリント基板30では伝熱方向がプリント基板30の縁31E側に向かう方向に制御されている。本実施例のプリント基板30は、プリント基板30の中心の周辺に数々の電子部品が実装されている。このため、プリント基板30の中心側にはファンFによる空気の流れが悪く、プリント基板30の中心側での放熱効率は縁31E側での放熱効率より悪い。このため、プリント基板30の中心側に熱が伝わると、プリント基板30が高温となり筐体10内が高温化するおそれがある。これにより、CPU40の熱暴走を防止するためにノート型コンピュータ1の電源が強制的に遮断されるおそれがある。本実施例では、ハードディスクドライブDから伝わったプリント基板30の伝熱方向をプリント基板30の縁31E側にすることにより、プリント基板30の高温化を抑制でき、筐体10内の高温化を抑制できる。
【0029】
延在部33は、孔32H1、32H2の間に位置しているので、孔32H1、32H2に空気が通過することにより、延在部33の放熱が促進される。また、ハードディスクドライブDの一部は、プリント基板30の裏面31R側から視認可能にプリント基板30の孔32H1、32H2から露出している。このため、孔32H1、32H2によって露出されたハードディスクドライブDの一部分に空気が流れやすくなり、ハードディスクドライブD自体の放熱も促進される。また、延在部33は、風の方向WDに延びているので、空気は延在部33の抵抗をあまり受けずに延在部33の表面及び裏面に沿って流れる。これにより、延在部33の放熱効率が促進されている。
【0030】
スルーホール34内を空気が通過することにより、導体パターン35、36の放熱が促進される。
【0031】
図11に示したように、延在部33には、アクチュエータDCもカードコネクタPCも接触していない。これにより、延在部33から空気への放熱が促進される。図10に示すように、孔32H1の一部はハードディスクドライブDと重なっていない。このため、吸入口16から筐体10内に導入されたプリント基板30の表面31F側の空気は、このハードディスクドライブDと重なっていない孔32H1の部分を通過して、ハードディスクドライブDのプリント基板30に向かう面側を通りやすくなる。これにより、ハードディスクドライブD自体の放熱効率が向上している。
【0032】
延在部33の2層にわたって導体パターン35、36が形成されているため、延在部33での受熱可能な熱量を確保されている。従って、延在部33のように狭い領域内でも、受熱可能な熱量を確保することができる。
【0033】
延在部33は、ハードディスクドライブDの熱源であるアクチュエータACと対向しているので、ハードディスクドライブDから効率的に受熱できる。
【0034】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
発熱部品は、ハードディスクドライブDのようにプリント基板30の近くに配置されプリント基板30に実装されていないものであってもよい。また、発熱部品は、プリント基板30に直接実装されているものであってもよい。発熱部品は、半導体チップ、コイル、スイッチング素子等であってもよい。半導体チップには、例えば、CPU、GMCH(Graphics Memory Controller Hub)、グラフィックカード等を含むがこれ以外であってもよい。発熱部品は、アクチュエータのように電力の供給を受けて物理的に駆動する駆動源自体、又はこのような駆動源を備えた装置であってもよい。
【0036】
上記実施例においては、電子装置の一例としてノート型コンピュータを例に説明したが、電子装置はそれ以外であってもよい。例えば、タブレット型コンピュータ、携帯電話、携帯テレビ、電子辞書、PDA、ゲーム機、カメラ、音楽プレイヤー、ナビゲーション装置等である。また、電子装置は、このような携帯装置のみならず、据置型の電子装置であってもよい。例えば、電子装置は、デスクトップ型コンピュータ、デスクトップ型のコンピュータに用いられるモニタ、コンピュータが内蔵されたモニタ、テレビ、オーディオ、その他の家電製品であってもよい。
【0037】
導体パターン36は、導体パターン35が形成されている裏面31R以外であれば、プリント基板30のどの層に形成されていてもよい。また、導体パターン36は、表面31Fに形成されていてもよい。また、更に導体パターン35、36が設けられた層以外の別の層に、更にパターンを設けてもよい。
【0038】
延在部33に沿うようにファンFからプリント基板30の縁31E側に風が向かうようにしてもよい。
【0039】
スルーホール34は、導体パターン35、36を接続するために設けられているが、スルーホール34以外であってもよい。例えば、スルーホール34の代わりに、ブラインドビアホール、表面ビアホールであってもよい。
【0040】
独立した2つの孔32H1、32H2の代わりに、それらの一部が連結した単一の孔がプリント基板30に形成されてもよい。この場合、プリント基板30の縁に近い延在部33の一端をプリント基板30に連続し、中心位置に近い延在部33の他端を自由端とすればよい。このような構造により、ハードディスクドライブD(特に、そのアクチュエータDC)から伝達された熱は、延在部33の自由端によってプリント基板30の中心へ伝達されることが抑止される。
【符号の説明】
【0041】
1 ノート型コンピュータ
10、20 筐体
10F フロントケース
10R リアケース
30 プリント基板
31F 表面
31R 裏面
31E 縁
32H1、32H2 孔
33 延在部
34 スルーホール
35、36 導体パターン
D ハードディスクドライブ
DC アクチュエータ
F ファン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板と、
前記プリント基板上に配置された発熱部品と、
前記プリント基板、及び前記発熱部品を収納し、その外部から内部に空気が流れる筐体と、を備え、
前記プリント基板は、
第1及び第2逃げ部、
前記第1及び第2逃げ部の間に位置し、前記発熱部品と対向し、前記筐体内において前記空気が流れる方向に沿って延び、導体パターンが形成された延在部、を含む、電子装置。
【請求項2】
前記筐体に形成され、前記プリント基板の縁と対向する吸入口と、
前記筐体内に収納され、前記吸入口を通過して前記筐体の外部から内部への空気の流れを生成するファンを備え、
前記延在部は、前記ファン側から前記プリント基板の縁側に延びている、請求項1の電子装置。
【請求項3】
前記第1及び第2逃げ部は、それらの一部が連結された単一の孔又はそれぞれが独立した孔である、請求項1又は2の電子装置。
【請求項4】
前記発熱部品の少なくとも一部は、前記発熱部品が配置されている前記プリント基板の面の裏面から視認可能に前記第1及び第2逃げ部の少なくとも一方から露出している、請求項1乃至3の何れかの電子装置。
【請求項5】
前記導体パターンは、前記延在部の前記プリント基板の縁に近い領域に設けられており、前記延在部の前記プリント基板の中心に近い領域には設けられていない、請求項1乃至4の何れかの電子装置。
【請求項6】
前記導体パターンは、前記延在部の外面に形成された第1導体パターン、前記外面以外の前記延在部に形成され前記第1導体パターンに接続された第2導体パターン、を含む、請求項1乃至5の何れかの電子装置。
【請求項7】
前記第1及び第2導体パターンは、スルーホール、ブラインドビアホール、及び表面ビアホールのうち少なくとも一つにより接続されている、請求項6の電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−256725(P2012−256725A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129076(P2011−129076)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】