電子辞書、および電子辞書の制御方法
【課題】見出し語の派生語、複合語、成句等の関連語のみを集中して学習させる。
【解決手段】本発明の電子辞書1は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶し、見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、見出し語と1または複数の関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部41と、問題として出題可能な見出し語を記憶する単語帳データ記憶部42と、単語帳データ記憶部42から、出題する問題を抽出する出題用単語帳抽出部31と、表示部12に、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける問題出力処理部32と、問題出力処理部32が、関連語が選択されたことを受け付けると、出題用単語帳抽出部31が抽出した、見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として表示部12に表示させる出題表示部36と、を備えている。
【解決手段】本発明の電子辞書1は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶し、見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、見出し語と1または複数の関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部41と、問題として出題可能な見出し語を記憶する単語帳データ記憶部42と、単語帳データ記憶部42から、出題する問題を抽出する出題用単語帳抽出部31と、表示部12に、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける問題出力処理部32と、問題出力処理部32が、関連語が選択されたことを受け付けると、出題用単語帳抽出部31が抽出した、見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として表示部12に表示させる出題表示部36と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見出し語を問題として表示し、解答としてその意味を表示する電子辞書および電子辞書の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、見出し語とその見出し語に対応する訳とをメモリに記憶し、見出し語が入力されるとその訳を表示する電子辞書が存在している。
【0003】
また、電子辞書の中には、単に訳を表示するだけでなく、見出し語のみを表示して、ユーザの操作によりその訳を表示するというように、ユーザが見出し語の訳を覚えているか否かをテストすることができる機能を有するものもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、見出し語が入力された後、見出し語検索キーが操作されると入力された見出し語だけを表示手段に表示させ、さらに所定の操作がされたときにのみ、見出し語に対応する訳語を表示させる訳語表示装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、英語を表示する第1モードと、日本語と英語とを併記する第2モードと、文章においてユーザが暗記しようとしている単語を非表示で表示する第3モードとを切り替えて表示することができる表示切替機能付き電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−89173号公報(1990年3月29日公開)
【特許文献2】特開2006−293185号公報(2006年10月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
単語には、その単語から派生した語、その単語を含む複合語、成句など、関連する語句が多数存在する場合が多い。そして、単語学習を行う場合、単語の学習は容易だが、派生語・複合語・成句等の関連語がなかなか学習できないということが多い。このような場合、派生語・複合語・成句等の関連語のみを集中して学習した方が、学習効率が高い。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1、2の構成では、上記関連語を集中して学習することができない。具体的には、特許文献1の場合、見出し語とその訳とを表示するのみなので、見出し語単独で学習することしかできない。また、特許文献2の場合も、ユーザが暗記しようとする単語を非表示とするのみなので、その単語を単独で学習することしかできない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、見出し語の派生語、複合語、成句等の関連語のみを集中して学習することができる電子辞書等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子辞書は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書において、上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、上記選択受付手段で関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る電子辞書の制御方法は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書の制御方法であって、上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、上記選択受付ステップで関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成または方法によれば、出題データ記憶部に記憶されている見出し語のうち、所定の数の見出し語が抽出される。そして、表示する問題として関連語が選択されると、抽出された見出し語に対応付けられた関連語のみが、所定のタイミングで、連続して問題として表示される。これにより、ユーザに対し、関連語のみを連続して学習させること、すなわち集中して学習させることができる。
【0013】
ここで、所定のタイミングとは、所定の時間(例えば、10秒)毎であってもよいし、何らかの操作(例えば、次の問題を表示させる操作)を受け付ける毎であってもよい。
【0014】
本発明に係る電子辞書では、出題された見出し語または関連語をユーザが暗記済みか否かの入力を受け付ける入力受付部と、上記入力受付部が暗記済みの入力を受け付けると、上記出題データ記憶部に、見出し語または関連語に対応付けて、当該見出し語または関連語が暗記済みであることを示す暗記済情報を記録する暗記済情報記録手段と、を備え、上記問題表示手段は、上記関連語を問題として上記表示部に表示させるときに、上記問題抽出手段が抽出した見出し語に対応付けられた1または複数の関連語のうち、暗記済情報が記録されていない関連語を表示させるものであってもよい。
【0015】
上記の構成によれば、出題された見出し語または関連語について、ユーザが暗記済みか否かを示す暗記済情報を記録する。そして、ユーザが暗記済みでない関連語のみを問題として表示する。
【0016】
これにより、ユーザが暗記済みでない関連語のみを連続して出題することができる。よって、ユーザは、暗記できていない関連語のみを集中して学習することができる。
【0017】
本発明に係る電子辞書では、上記出題データ記憶部に、1つの見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語の全てについて暗記済情報が記録されると、該見出し語に対応付けて学習済情報を記録する学習済情報記録手段を備え、上記問題抽出手段は、上記出題データ記憶部に記憶された見出し語のうち、学習済情報が記録された見出し語以外の見出し語を問題として抽出するものであってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、見出し語および該見出し語と対応付けられた1または複数の関連語の全てが暗記済みとなると、学習済情報記録手段が、該見出し語が学習済みであることを示す学習済情報を記録する。そして、学習済情報が記録された見出し語については、問題抽出手段は、問題として抽出しない。そして、問題表示手段は、見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語全てについて暗記済みの見出し語以外の見出し語を問題として表示させる。これにより、ユーザが未暗記の見出し語または関連語のみが問題として出題されるので、ユーザの学習効率を高めることができる。
【0019】
本発明に係る電子辞書では、上記関連語は、上記見出し語の派生語、該見出し語を含む複合語、および該見出し語を含む成句の少なくともいずれか1つであってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、見出し語の派生語、見出し語を含む複合語、見出し語を含む成句を関連語として出題することができる。
【0021】
本発明に係る電子辞書では、上記選択受付手段は、問題として上記表示部に、上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれを表示するかの選択を受け付け、上記問題表示手段は、上記選択受付手段が受け付けた上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれかのみを、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させるものであってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、問題表示手段は、選択受付手段が受け付けた派生語、複合語、成句のうちのいずれかのみを連続して問題として表示する。これにより、ユーザに対し、派生語、複合語、成句のうちのいずれかのみを集中して学習させることができる。
【0023】
なお、上記電子辞書は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記電子辞書をコンピュータにて実現させる電子辞書の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る電子辞書は、問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、上記選択受付手段が、関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えている構成である。
【0025】
また、本発明に係る電子辞書の制御方法は、問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、上記選択受付ステップで、関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含む方法である。
【0026】
これにより、ユーザに対し、関連語のみを連続して学習させること、すなわち集中して学習させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、電子辞書の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記電子辞書の外観を示す図である。
【図3】上記電子辞書の辞書データ記憶部に記憶されている辞書データのデータ構造を示す図である。
【図4】上記電子辞書の単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データのデータ構造を示す図であり、(a)は単語帳データ1の1つ1つのデータ構造を示す図、(b)は学習達成状況を示すフラグの例を示す図、(c)は単語帳全体の構造を示す図である。
【図5】上記単語帳データの具体例を示す図である。
【図6】上記電子辞書においてテストを行うときの流れを示すフローチャートであり、(a)は、テストを行うための単語を登録する流れを示すフローチャート、(b)は、テストを行う流れを示すフローチャートである。
【図7】テスト対象を設定するための設定画面を示す図である。
【図8】単語帳に単語を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】単語登録を行うときの登録画面を示す図である。
【図10】単語をランダムに抽出する場合の単語抽出処理を説明するための図であり、(a)は単語抽出処理の流れを示すフローチャート、(b)はサーチポインタの初期化を説明するための図である。
【図11】習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データから、出題用の単語帳データを抽出し、出題用単語帳記憶部に記憶させることについて説明するための図である。
【図13】テスト画面を示す図である。
【図14】問題表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】単語・複合・派生語、成句タブ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】見出しデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】複合・派生語データ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】成句データ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】複合・派生語テストのスキップ処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】成句テストのスキップ処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】任意テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【図22】選択テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【図23】選択されたテスト対象が1種類の場合についての説明図であり、(a)は単語のみが選択された設定画面の状態を示す図、(b)は単語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャート、(c)は複合・派生語のみが選択された設定画面の状態を示す図、(d)は複合・派生語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートである。
【図24】選択されたテスト対象が複数種類の場合についての説明図であり、(a)は単語、複合・派生語、成句が選択された状態を示す図、(b)は単語、複合・派生語、成句が選択された場合のテスト流れを示すフローチャートである。
【図25】スペリングテストの処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】スペリングテストにおける表示画面を示すであり、(a)は問題表示を示す図、(b)は解答表示を示す図である。
【図27】意味テストの処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】意味テストにおける表示画面を示すであり、(a)は問題表示を示す図であり、(b)は解答表示を示す図であり、(c)は解答入力表示を示す図である。
【図29】学習進捗保存処理を説明するための図であり、(a)は学習進捗保存処理の流れを示すフローチャート、(b)はサーチポインタの初期化を説明するための図である。
【図30】出題用単語帳記憶部に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データを更新することについて説明するための図である。
【図31】テスト方法を選択する画面における進捗表示の表示画面例である。
【図32】進捗グラフのグラフ枠の例を示す説明図であり、(a)は単語帳テスト設定で単語、複合・派生語、成句のすべてがチェックされている場合を示す図、(b)は単語帳テスト設定で単語、複合・派生語がチェックされ、成句のチェックが外されている場合を示す図、(c)は単語帳テスト設定で単語のみチェックされ、複合・派生語、成句のチェックが外されている場合を示す図である。
【図33】進捗グラフの作成方法を示す説明図であり、(a)は単語帳データを示す図、(b)は単語のグラフ例を示す図、(c)は複合・派生語のグラフ例を示す図、(d)は成句のグラフ例を示す図である。
【図34】学習の進捗に伴う、進捗グラフの変化を示す説明図である。
【図35】総合的な学習進捗を表示する画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【図36】問題表示画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は出題用単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(全体の構成)
本発明の一実施の形態について図1から図36に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係る電子辞書1は、見出し語の訳等を検索可能な電子辞書であって、見出し語からユーザが選択した単語等の訳のテスト、および訳から単語等のテスト等が行えるものである。
【0029】
より詳細には、電子辞書1は、ユーザが選択した単語、この単語の複合・派生語、成句のテストを行うことができる。また、テストは、単語のみ、複合・派生語のみ、成句のみで行うこともできるし、単語と、この単語の複合・派生語、成句を順に行うこともできる。また、テストを行うことにより、覚えていたか否かを記録し、学習進捗状態を表示させることもできる。さらに、テストは、英文または和文を表示させて行うこともできるし、音声を出力して行うこともできる。
【0030】
図2に、電子辞書1の外観を示す。図2に示すように、電子辞書1は、表示部12とキー操作部11とを備えている。キー操作部11は、ユーザが、電子辞書1に対する操作を行うために用いるものである。また、電子辞書1には、メインの表示部12(12A)が備えられるともに、キー操作部11と同じ面にサブの表示部12(12B)が備えられている。なお、表示部12が、タッチパネルで構成されることによって、キー操作部11とともに電子辞書1に対する操作等を受け付けるものであってもよい。タッチパネルで構成されている場合、タッチペンを備えていてもよい。また、表示部12Bは、必須の構成ではなく、備えられていなくてもよい。
【0031】
次に、図1を参照して、電子辞書1の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる電子辞書1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子辞書1は、キー操作部(入力受付部)11、表示部12、制御部13、記憶部14、およびスピーカ部15を備える構成である。また、制御部13は、単語帳データ登録部21、習得結果処理部(学習済情報記録手段)22、および出題処理部23を含み、出題処理部23は、出題用単語帳抽出部(問題抽出手段)31、問題出力処理部32、解答受付部(暗記済情報記録手段)33、および出題用単語帳記憶部34を含む構成である。また、記憶部14には、辞書データ記憶部41および単語帳データ記憶部(出題データ記憶部)42が含まれている。
【0032】
キー操作部11は、ユーザが、電子辞書1に対する操作を行うために用いるものであり、キーボード、スクロールキー、数字キー、「検索/決定」キー、「戻る」キー、「切替」キー等が含まれている。
【0033】
表示部12は、見出し語や訳等を表示するものであり、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等によって実現される。
【0034】
スピーカ部15は、音声等を出力するスピーカである。
【0035】
記憶部14は、電子辞書1で用いるデータ等を記憶している記憶部であり、辞書データ記憶部41および単語帳データ記憶部42を含んでいる。
【0036】
辞書データ記憶部41は、見出し語およびその訳等のデータを記憶している。辞書データ記憶部41に記憶されている辞書データについて、図3を参照して説明する。図3は、辞書データ301のデータ構造を示す図である。
【0037】
図3に示すように、辞書データ301のデータ構造は、種別302とその内容を示すデータ303とを含む構成であり、種別302には、見出し311、本文312、複合・派生語313、例文314、成句315が含まれている。見出し311は、見出し語を示すデータであり、図3に示す例では、「apple」である。本文312には、見出し語の品詞や訳等のデータが含まれている。複合・派生語313は、見出し語の複合語・派生語のデータが含まれている。例文314には、複合語・派生語を用いた例文のデータが含まれている。成句315には、見出し語を用いた成句のデータが含まれている。
【0038】
このように、辞書データ301のデータ構造は、見出し311、本文312、複合・派生語313、例文314、および成句315が識別できる構造となっている。また、複合・派生語または成句1つにつき、対応する複合・派生語313または成句315が1つ存在しており、複合・派生語または成句が複数存在する場合は、それぞれにつき複合・派生語313又は成句315が存在している。さらに、複合・派生語313および成句315のデータ303欄には、複合・派生語または成句とこれらの和訳が含まれており、複合・派生語または成句とこれらの和訳とは、セパレータ(改行コード)によって分割されている。
【0039】
単語帳データ記憶部42は、辞書データ記憶部41に記憶されている辞書データのうち、ユーザが選択した単語のデータを単語帳データ401として記憶している。単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データ401について、図4を参照して説明する。図4は、単語帳データ401のデータ構造を説明するための図であり、図4(a)は単語帳データ401の1つ1つのデータ構造を示す図であり、図4(b)は学習達成状況を示すフラグの例を示す図であり、図4(c)は単語帳全体の構造を示す図である。
【0040】
図4(a)に示すように、単語帳データ401のデータ構造は、見出し語410、ワードナンバー411、習得レベル412、データ数(複合・派生語)413、データ数(成句)414、学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、学習達成状況フラグ(成句)417、および学習済みフラグ418を含む構成である。なお、本実施の形態では、学習達成状況フラグおよび学習済みフラグとして、単語帳データ記憶部42に記憶される単語帳データ401に含まれる形態を例に説明するが、これらデータは、見出し語に対応付けられていればよく、いわゆるフラグの形態に限定されず、例えば、単語帳データ401とは異なるエリアに記憶するようにしてもよい。
【0041】
ワードナンバー411は、単語帳データ401に記録した見出し語の番号を記録しているものである。この番号は、辞書データ301にも含まれており、ワードナンバー411を参照することで、当該単語の辞書データ301と対応付けられている。習得レベル412は、見出し語の習得レベルを記録しているものである。データ数(複合・派生語)413は、見出し語に対応する複合・派生語のデータ数を記録しているものである。データ数(成句)414は、見出し語に対応する成句のデータ数を記録しているものである。学習達成状況フラグ(単語)415は、単語の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習達成状況フラグ(複合・派生語)416は、複合・派生語の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習達成状況フラグ(成句)417は、成句の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習済みフラグ418は、出題済みであるか否かをフラグで記録しているものである。これは、単語帳からランダムに問題が出題された場合に、どの単語が出題され、どの単語が出題されていないかを判別するために用いる。なお、学習済みフラグ418は、単語帳に記憶されている全ての単語が出題されるとクリアされる。
【0042】
次に、図4(b)を参照して、学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、および学習達成状況フラグ(成句)417におけるフラグ例について説明する。図4(b)に示す例では、見出し語(単語)に対し、複合・派生語が4つ、成句が5つ存在する場合を示している。本実施の形態では、単語、複合・派生語・成句のそれぞれについて、暗記済みの場合は「1」、未暗記の場合は「0」としている。
【0043】
そして、複合・派生語または成句が複数存在する場合は、辞書データ301の順序通りに、フラグにより暗記済または未暗記を記憶している。このように、複合・派生語、成句が複数存在する場合、それぞれについて、暗記済か未暗記かを記憶することにより、暗記済みの語句については、再びテストで出題しないようにすることができる。
【0044】
次に、図4(c)を参照して、単語帳について説明する。単語帳は、辞書データからユーザが選択した単語を記録しているものであり、1つ1つの単語について、1つの単語帳データが作成され、ユーザが選択した単語数分の単語帳データが集まって単語帳となっている。よって、図4(c)に示すように、ユーザが選択した単語がN個あれば、単語帳データA、単語帳データB、…、単語帳データNというように、N個の単語帳データにより単語帳が形成される。
【0045】
次に、図5を参照して、単語帳データの具体例について説明する。図5は、単語帳データの具体例を示す図であり、同図(a)は見出し語が「apple」の場合を示す図であり、同図(b)は見出し語が「take」の場合を示す図であり、同図(c)は見出し語が「wave」の場合を示す図であり、同図(d)はデータの終端を示すである。
【0046】
図5(a)に示す例では、見出し語が「apple」、ワードナンバー411が「29101」、習得レベル412が「1」、データ数(複合・派生語)413が「6」、データ数(成句)414が「7」、学習達成状況フラグ(単語)415が「1」、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416が「100100」、学習達成状況フラグ(成句)417が「1110111」、学習済みフラグ418が「1」となっている。
【0047】
これにより、「apple」については、習得レベルが「1」で、複合・派生語が6つ、成句が7つ存在しており、単語については記憶済み、複合・派生語については6つのうち1番目と4番目について記憶済み、成句については7つのうち4番目以外を記憶済みであり、出題済みであることが分かる。
【0048】
以下、図5(b)の「take」、図5(c)の「wave」についても同様である。また、図5(d)に示すように、単語帳のデータ終端には、終端を示すワードナンバー411のみが記憶されている。
【0049】
次に、電子辞書1の制御部13について説明する。制御部13は、電子辞書1の様々な機能を実現するためのものである。なお、電子辞書1における、辞書としての機能は公知の技術を用いて実現可能であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0050】
単語帳データ登録部21は、ユーザがキー操作部11を用いて単語を登録する操作を行うと、辞書データ記憶部41に記憶されている当該単語の辞書データから単語帳データを作成し、作成した単語帳データを単語帳データ記憶部42に記憶するものである。
【0051】
習得結果処理部22は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを終了する操作を行うと、出題用単語帳記憶部34の記憶されているテスト結果を単語帳データ記憶部42の単語帳データに反映させるものである。
【0052】
出題処理部23は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを行う操作を行うと、出題の処理および解答の受付を行うものであり、出題用単語帳抽出部31、問題出力処理部32、解答受付部33、および出題用単語帳記憶部34を含む構成である。
【0053】
出題用単語帳抽出部31は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを行う操作を行うと、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データのうち、出題用の単語として、10個の単語の単語帳データを抽出して、出題用単語帳記憶部34に記憶させるものである。単語の抽出は、ランダムであってもよいし、習得レベルに応じるものであってもよい。
【0054】
問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データから問題を作成し、表示部12にテストの問題を表示させたり、スピーカ部15から音声を出力されたりするものであり、表示切替部(選択受付手段)35、出題表示部(問題表示手段)36、および進捗表示処理部24を含む構成である。
【0055】
表示切替部35は、表示部12に表示させる出題表示を切り替えるものである。例えば、表示を、「見出し語」のみ出題表示、「複合・派生語」のみ出題表示、「成句」のみ出題表示としたり、これら3つを順番に出題する出題表示としたりするものである。
【0056】
出題表示部36は、出題する単語の問題を表示部12に表示させるものである。
【0057】
進捗表示処理部24は、問題出力処理部32の指示により、学習の進捗状態を表示部12に表示させるものである。進捗表示処理部24の詳細については後述する。
【0058】
解答受付部33は、ユーザがキー操作部11を用いて行った解答を受け付けて、その内容を出題用単語帳記憶部34に記憶するものである。
【0059】
出題用単語帳記憶部34は、出題用単語帳抽出部31が抽出した10個の単語の単語帳データを記憶している一時メモリである。また、単語帳データは、解答受付部33が受け付けたユーザの解答により更新される。
【0060】
次に、図6を参照して、電子辞書1においてテストを行うときの流れについて説明する。図6は電子辞書1においてテストを行うときの流れを示すフローチャートであり、図6(a)は、テストを行うための単語を登録する流れを示すフローチャートであり、図6(b)は、テストを行う流れを示すフローチャートである。
【0061】
図6(a)に示すように、テストを行う単語を登録する場合、キー操作部11を操作されることにより、単語帳データ登録部21は、辞書データ記憶部41に記憶されている、対象となる単語の辞書データから単語帳データを作成し、単語帳データ記憶部42に記憶させる(S601)。以上が、単語を登録するときの処理である。
【0062】
次に、テストを行う場合について、図6(b)を参照して説明する。テストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、表示部12に進捗状態を表示させる(S611)。次に、出題用単語帳抽出部31は、出題用の単語の単語帳データを単語帳データ記憶部42から抽出し、出題用単語帳記憶部34に記憶させる(S612、問題抽出ステップ)。そして、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データから問題を作成して、表示部12に表示させる(S613、問題表示ステップ)。そして、キー操作部11が操作されることにより、切り替え指示があると、表示切替部35は、表示部12に表示する問題を切り替える(S614)。その後、ユーザの解答を受け付けると、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S615)。最後に、習得結果処理部22は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、更新された単語帳データを元に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新する(S616)。以上が、テストを行うときの処理である。
【0063】
次に、図7を参照して、テストを行う対象を設定する表示画面について説明する。図7は、テスト対象を設定するための設定画面701を示す図である。上述したように、テストは、単語のみ、複合・派生語のみ、成句のみで行うことも、これらを組み合わせることもできる。また、英語→日本語、日本語→英語のいずれも可能である。そこで、設定画面701では、これらの選択が可能なようになっている。具体的には、テスト対象、テスト項目、テスト方法を選択することができる。
【0064】
設定画面701のボックス711にチェックが入ると、単語がテスト対象に選択され、ボックス712にチェックが入ると、複合・派生語がテスト対象に選択され、ボックス713にチェックが入ると、成句がテスト対象に選択される。また、ボックス714にチェックが入ると、テスト方法がスペリングテストとなる。スペリングテストとは、スピーカ部15より英語の音声を出力し、そのスペルをテストするというものである。また、ボックス715にチェックが入るとテスト方法が意味テストとなる。意味テストとは、英単語が表示部12に表示され、その意味をテストするというものである。さらに、ボックス716が選択されると、選択した対象を全てテストするテスト方法(選択テストモード)となり、ボックス717を選択すると任意のテスト対象のみをテストするテスト方法(任意テストモード)となる。
【0065】
図7に示す例では、ボックス711からボックス715まで全てチェックが入り、ボックス716が選択されているので、単語、複合・派生語、成句について、スペリングテストおよび意味テストを、選択テストモードで行う設定となる。
【0066】
(登録処理)
次に、図8、9を参照して、単語帳(単語帳データ記憶部42)に単語を登録する登録処理について説明する。まず、登録処理の流れについて図8を参照して説明する。図8は、単語帳に単語を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
単語帳に単語を登録する場合、単語帳データ登録部21は、まず、登録する対象となる単語が既に、単語帳データ記憶部42に登録されているか否かを判定する(S801)。登録されていれば(S801でYES)、再び同じ単語を登録する必要はないので、処理は終了する。
【0068】
一方、登録されていない場合(S801でNO)、単語帳データ登録部21は、サーチポインタを初期化し、単語数カウントを「1」、複合・派生語数カウントを「0」、成句数カウントを「0」に設定する(S802)。サーチポインタを初期化するとは、登録する対象となる単語の辞書データの頭にサーチポインタを位置決めすることをいう。具体的には、図3に示す辞書データ301の「見出し」の部分にサーチポインタを位置決めする。
【0069】
次に、単語帳データ登録部21は、サーチの対象が複合・派生語か否かを判定する(S803)。複合・派生語でなければ(S803でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S805)。サーチポインタのカウントアップとは、サーチポインタを次の種別に移動させることをいう。具体的には、図3の辞書データ301において、「見出し」部分にサーチポインタが存在するときに、カウントアップをすると、次の種別である「本文」にサーチポインタが位置決めされる。
【0070】
一方、サーチの対象が複合・派生語の場合(S803でYES)、複合・派生語数カウントを「1」だけカウントアップする。そして、サーチポインタをカウントアップする(S805)。
【0071】
その後、辞書データのデータ終端までサーチすると(S806でYES)、再びサーチポインタを初期化する(S807)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。そして、単語帳データ登録部21は、サーチの対象が成句か否か判定する(S808)。サーチの対象が成句でなければ(S808でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S801)。一方、サーチの対象が成句であれば(S808でYES)、成句数カウントを「1」だけカウントアップし(S809)、サーチポインタをカウントアップする(S810)。
【0072】
そして、辞書データの終端まで、サーチが終了すると(S811でYES)、単語帳データ登録部21は、ワードナンバーを登録する(S812)。その後、習得レベルを初期化し(S813)、学習達成状況フラグ(単語)を初期化し(S814)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)を初期化し(S815)、学習達成状況フラグ(成句)を初期化する(S816)。そして、単語帳データを単語帳データ記憶部42に保存して(S817)、登録処理が終了する。
【0073】
次に、図9を参照して、単語登録を行うときの表示画面を説明する。図9は、単語登録を行うときの登録画面901を示す図である。登録画面901は、電子辞書1において、辞書検索を行った結果を示す画面であり、図9に示す例では「take」を検索した結果が表示されている。この状態で、単語登録操作を行うことにより、「take」の単語帳データが単語帳データ記憶部42に保存される。
【0074】
(学習処理)
次に、学習処理について説明する。学習処理には、進捗表示処理、単語抽出処理、問題表示処理、テスト処理、習得結果保存処理が含まれるので、これらに分けて説明する。本実施の形態において、学習処理は、まず、進捗状態が表示され、進捗状態の表示において、全単語モードか低習得レベルモードかの選択を受け付け、受け付けたモードに応じて、対応する単語を抽出し、抽出した単語をテストして、テスト結果を保存するという流れで行われる。
【0075】
(単語抽出処理)
単語抽出処理について、図10〜図12を参照して説明する。単語抽出処理とは、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語の中から、出題する単語を抽出する処理である。本実施の形態では、10個の単語(単語帳データ)を抽出している。まず、図10、11を参照して単語抽出処理の流れについて説明する。図10(a)は、単語をランダムに抽出する場合(全単語モード)の単語抽出処理の流れを示すフローチャートであり、図10(b)は、サーチポインタの初期化を説明するための図である。また、図11は、習得レベルの低い単語を抽出する場合(低習得レベルモード)の単語抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
単語をランダムに抽出する場合、図10(a)に示すように、出題用単語帳抽出部31は、まず、サーチポインタを初期化する(S1001)。ここで、サーチポインタの初期化とは、サーチ対象である、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データのうち、最初の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることをいう。すなわち、図10(b)に示すように、単語帳データが複数存在する場合、最初の単語帳データである単語帳データAにサーチポインタを位置決めする。
【0077】
そして、出題用単語帳抽出部31は、サーチ対象の単語が学習済か否か、すなわち学習済みフラグが「1」か否かを判定する(S1002)。学習済であれば(S1002でYES)、サーチポインタをカウントアップする(S1004)。サーチポインタのカウントアップとは、次の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることいい、図10(b)に示す例の場合では、単語帳データAにあったサーチポインタを単語帳データBに位置決めすることをいう。
【0078】
一方、学習済みでなければ(S1002でNO)、当該単語をテスト候補として登録する(S1003)。そして、サーチポインタをカウントアップする(S1004)。
【0079】
そして、単語帳のデータ終端までサーチを行うと(S1005でYES)、出題用単語帳抽出部31は、テスト候補として登録された単語が10個以下か否かを判定する(S1006)。10個以下であれば(S1006でYES)、テスト候補として登録された単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1008)。一方、テスト候補として登録された単語が10個より多い場合(S1006でNO)、テスト候補に登録された単語から10個を乱数で抽出する(S1007)。そして、抽出した10個の単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1008)。以上で、単語をランダムに抽出する場合の単語抽出処理が終了する。
【0080】
次に、習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理について、図11を参照して説明する。習得レベルの低い単語を抽出する場合も、図10のステップS1006までは同じ処理の流れなので、その説明を省略し、ステップS1106(図10のステップS1006)から説明する。
【0081】
出題用単語帳抽出部31は、テスト候補として登録された単語が10個以下か否かを判定する(S1106)。10個以下であれば(S1106でYES)、テスト候補として登録された単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1109)。一方、テスト候補として登録された単語が10個より多い場合(S1106でNO)、出題用単語帳抽出部31は、テスト候補に登録された単語を習得レベル順にソートする(S1107)。そして、習得レベルの低い順に、下から10個を抽出する(S1108)。なお、複数の単語が同一習得レベルにあり、全てを抽出すると10個を超えてしまう場合は、抽出単語が10個となるとにように、同一習得レベルにある単語から適切な数の単語を乱数で選択する。その後、抽出した10個の単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1009)。以上で、習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理が終了する。
【0082】
次に、図12を参照して、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データから、出題用の単語帳データを抽出し、出題用単語帳記憶部34に記憶させることについて説明する。出題に用いる単語帳データは、ユーザの解答によってデータを更新する必要があるので、書き換え可能な一時メモリである出題用単語帳記憶部34に記憶されている。
【0083】
図12に示す例では、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳1201に含まれる単語帳データのうち、単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが抽出され、出題用単語帳記憶部34に記憶されている。
【0084】
(問題表示処理)
次に、問題表示処理について、図13〜24を参照して説明する。まず、問題表示画面の例について、図13を参照して説明する。図13には、見出し語(単語)のテストを行う画面である表示画面1301と、複合・派生語のテストを行う画面である表示画面1302と、成句のテスト行う画面である表示画面1303とが示されている。
【0085】
そして、表示画面1301には、見出し語「Apple」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。表示画面1302には、見出し語「Apple」の複合・派生語である「Apple brandy」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。表示画面1303には、見出し語「Apple」の成句である「A bad[rotten] apple」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。なお、これら表示画面1301、表示画面1302、および表示画面1303は、キー操作部11に含まれている「切替」キーにより相互に切り替えることができる。
【0086】
次に、問題表示処理の流れについて、図14〜20を参照して説明する。図14〜20は、問題表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
図14に示すように、問題出力処理部32は、まず、出題用単語帳記憶部34に記憶されている複数の単語帳データから出題する単語帳データを取得する(S1401)。そして、問題出力処理部32は、取得した単語帳データのワードナンバー411を参照して(S1402)、当該ワードナンバーの辞書データを辞書データ記憶部41から取得する(S1403)。その後、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理を行う(S1404)。単語、複合・派生語、成句タブ表示処理については後述する。
【0088】
そして、問題出力処理部32は、表示する問題が見出し語であれば(S1405でYES)、見出し語データ取得処理を行う(S1406)。見出し語データ取得処理については後述する。そして、見出し語データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は見出し語の問題表示を行う(S1411)。一方、表示する問題が見出し語でなければ(S1405でNO)、問題出力処理部32は表示する問題が複合・派生語か否かを判定する(S1407)。そして、表示する問題が複合・派生語であれば(S1407でYES)、問題出力処理部32は複合・派生語データ取得処理を行う(S1408)。複合・派生語データ取得処理については後述する。複合・派生語データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は複合・派生語の問題表示を行う(S1411)。
【0089】
一方、表示する問題が複合・派生語でなければ(S1407でNO)、問題出力処理部32は、表示問題は成句か否かを判定する(S1409)。そして、表示する問題が成句であれば(S1409でYES)、問題出力処理部32は成句データ取得処理を行う(S1410)。成句データ取得処理については後述する。成句データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は成句の問題表示を行う(S1411)。また、表示する問題が成句でなければ(S1409でNO)、問題出力処理部32は、エラー表示を行う(S1412)。以上で、問題表示処理が終了する。
【0090】
次に、図15を参照して、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、単語(見出し語)タブ表示を行う(S1501)。そして、当該単語に複合・派生語があれば(S1502でYES)、問題出力処理部32は複合・派生語タブ表示を行う(S1503)。さらに、当該単語に成句があれば(S1504でNO)、問題出力処理部32は成句タブ表示を行う(S1505)。なお、複合・派生語または成句がなければ(S1502でNO、S1504でNO)、そのまま処理を進める。以上で、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理が終了する。
【0091】
次に、図16を参照して、見出し語データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1601)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1602)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1603)。そして、種別が「見出し」であれば(S1603でYES)、「見出し」データを問題として取得する(S1604)。その後、「本文」データを解答として取得する(S1605)。一方、種別が「見出し」でなければ(S1603でNO)、処理を終了する。以上で、見出し語データの取得処理が終了する。
【0092】
次に、図17を参照して、複合・派生語データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1701)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1702)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1703)。種別が「見出し」であれば、複合・派生語の問題数Nを「0」に設定する(S1704)。
【0093】
そして、サーチポインタをカウントアップする(S1705)。カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端に位置していなければ(S1706でNO)、種別データを取得する(S1707)。そして、種別が「派生・複合語」か否かを判定する(S1708)。種別が「複合・派生語」であれば(S1708でYES)、単語帳データにおける、当該複合・派生語に対応する学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」(未暗記)か否かを判定する(S1709)。
【0094】
そして、学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」であれば(S1709でYES)、「複合・派生語」データのセパレータ以前の部分をN番目の問題として取得する(S1710)。続いて、「複合・派生語」データのセパレータ以降の部分をN番目の解答として取得する(S1711)。そして、複合・派生語の問題数Nを「1」だけカウントアップして(S1712)、ステップS1705に戻りサーチポインタをカウントアップする。
【0095】
一方、ステップS1703で、種別が「見出し語」でなければ(S1703でNO)、処理を終了する。また、ステップS1706で、カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端にあれば(S1706でYES)、そのまま処理を終了する。また、ステップS1708で種別が「複合・派生語」でなければ(S1708でNO)、ステップS1705に戻る。また、ステップS1709で、学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」でなければ(S1709でNO)、ステップS1705に戻る。以上が、複合・派生語データ取得処理である。
【0096】
次に、図18を参照して、成句データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1801)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1802)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1803)。種別が「見出し」であれば、成句の問題数Nを「0」に設定する(S1804)。
【0097】
そして、サーチポインタをカウントアップする(S1805)。カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端に位置していなければ(S1806でNO)、種別データを取得する(S1807)。そして、種別が「成句」か否かを判定する(S1808)。種別が「成句」であれば(S1808でYES)、単語帳データにおける、当該成句に対応する学習達成状況フラグ(成句)が「0」(未暗記)か否かを判定する(S1809)。
【0098】
そして、学習達成状況フラグ(成句)が「0」であれば(S1809でYES)、「成句」データのセパレータ以前の部分をN番目の問題として取得する(S1810)。続いて、「成句」データのセパレータ以降の部分をN番目の解答として取得する(S1811)。そして、成句の問題数Nを「1」だけカウントアップして(S1812)、ステップS1805に戻りサーチポインタをカウントアップする。
【0099】
一方、ステップS1803で、種別が「見出し語」でなければ(S1803でNO)、処理を終了する。また、ステップS1806で、カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端にあれば(S1806でYES)、そのまま処理を終了する。また、ステップS1808で種別が「成句」でなければ(S1808でNO)、ステップS1805に戻る。また、ステップS1809で、学習達成状況フラグ(成句)が「0」でなければ(S1809でNO)、ステップS1805に戻る。以上が、成句データ取得処理である。
【0100】
次に、図19を参照して、複合・派生語のテストをスキップする処理について説明する。複合・派生語のテストをスキップする処理とは、出題対象の単語に複合・派生語が存在しない場合に、出題を次の単語に進める処理である。
【0101】
まず、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、出題が終了した次の単語の単語帳データにサーチポインタを設定する(S1901)。そして、次の単語帳データがデータの終端でなければ(S1902でNO)、当該単語帳データからデータ数(複合・派生語)を取得する(S1903)。そして、データ数(複合・派生語)が「0」か否かを判定し(S1904)、データ数(複合・派生語)が「0」であれば(S1904でYES)、ステップS1901に戻り、次の単語帳データにサーチポインタを設定する。一方、データ数(複合・派生語)が「0」でなければ(S1904でNO)、複合・派生語データ取得処理を行う(S1905)。また、ステップS1902で、サーチポインタが設定された位置がデータの終端であれば(S1902でYES)、処理を終了する。以上が、複合・派生語のテストをスキップする処理である。
【0102】
次に、図20を参照して、成句のテストをスキップする処理について説明する。成句のテストをスキップする処理とは、出題対象の単語に成句が存在しない場合に、出題を次の単語に進める処理である。
【0103】
まず、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、出題が終了した次の単語の単語帳データにサーチポインタを設定する(S2001)。そして、次の単語帳データがデータの終端でなければ(S2002でNO)、当該単語帳データからデータ数(成句)を取得する(S2003)。そして、データ数(成句)が「0」か否かを判定し(S2004)、データ数(成句)が「0」であれば(S2004でYES)、ステップS2001に戻り、次の単語帳データにサーチポインタを設定する。一方、データ数(成句)が「0」でなければ(S2004でNO)、成句データ取得処理を行う(S2005)。また、ステップS2002で、サーチポインタが設定された位置がデータの終端であれば(S2002でYES)、処理を終了する。以上が、成句のテストをスキップする処理である。
【0104】
次に、図21を参照して、任意のテストを行う任意テストモードにおけるテストの流れを説明する。図21は、任意テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【0105】
まず、問題出力処理部32は、テストする単語を選択させる単語帳テストメニューを表示する(S2101)。そして、全単語モードまたは低習得レベルモードが選択されると、最初の単語をテストする表示を行う(S2102、単語テスト−1)。ここでは、設定されたテスト行う。すなわち、スペリングテストおよび意味テストの両方のテスト行う設定であれば、スペリングテスト→意味テストの順でテスト行う。いずれかのテスト行う設定であれば、設定されているテスト行う。そして、テストが終了し、切り替え指示を受けなければ、次の単語のテストを行う(S2103、単語テスト−2)。一方、テストが終了し、単語テストから複合・派生語テストへの切り替え指示を受けると、問題出力処理部32は、当該単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2111、複合・派生語テスト−1)。複合・派生語テストも、単語テストと同様にスペリングテスト→意味テストの順にテストを行う。また、成句テストへの切り替え指示を受けると、問題出力処理部32は、成句テスト画面を表示する(S2121、成句テスト−1)。成句テストは、スペリングテストはなく、意味テストのみを行う。
【0106】
そして、複合・派生語テストまたは成句テストが終了後、切り替え指示を受けなければ、それぞれのテストを次の単語について行う。すなわち、複合・派生語テスト−1が終了した後、問題出力処理部32は、次の単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2112、複合・派生語テスト−2)。同様に、成句テスト−1が終了した後、問題出力処理部32は、次の単語の成句テスト画面を表示する(S2122、成句テスト−2)。
【0107】
このようにして、出題用として抽出された10個の単語のテストが終了すると、ステップS2101に戻る。以上が、任意テストモードにおけるテストの流れである。
【0108】
次に、図22を参照して、選択したテスト対象を全て行う選択テストモードにおけるテスト流れを説明する。図22は、選択テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【0109】
まず、問題出力処理部32は、任意テストモードの場合と同様に、テストする単語を選択させる単語帳テストメニューを表示する(S2201)。そして、全単語モードまたは低習得レベルモードが選択されると、最初の単語をテストする表示を行う(S2202、単語テスト−1)。ここでは、設定されたテスト行う。すなわち、スペリングテストおよび意味テストの両方のテスト行う設定であれば、スペリングテスト→意味テストの順でテスト行う。いずれかのテスト行う設定であれば、設定されているテスト行う。そして、テストが終了すると、当該単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2203、複合・派生語テスト−1)。複合・派生語テストも、単語テストと同様にスペリングテスト→意味テストの順にテストを行う。次に、問題出力処理部32は、成句テスト画面を表示する(S2204、成句テスト−1)。成句テストは、スペリングテストはなく、意味テストのみを行う。
【0110】
そして、単語テスト−1、当該単語の複合・派生語テスト−1、成句テスト−1が終了すると、問題出力処理部32は、次の単語の単語テスト画面を表示する(S2205、単語テスト−2)。その後、当該単語の複合・派生語テスト(S2206、複合・派生語テスト−2)、成句テスト(S2207、成句テスト−2)と進み、抽出された10個の単語すべての単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストが終了すると(S2210)、ステップS2201に戻る。以上が、選択テストモードにおけるテストの流れである。
【0111】
次に、図23を参照して、選択されたテスト対象が1種類の場合について説明する。図23は、選択されたテスト対象が1種類の場合についての説明図であり、図23(a)は、単語のみが選択された設定画面701の状態を示す図であり、図23(b)は、単語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートであり、図23(c)は、複合・派生語のみが選択された設定画面701の状態を示す図であり、図23(d)は、複合・派生語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートである。
【0112】
図23(a)に示すように、テスト対象として単語のみが選択された場合、図23(b)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1のテスト画面を表示し(S2301)、次に単語−2のテスト画面を表示し(S2302)、というように、単語のテスト画面のみを順に表示していく。このようにして、抽出された10個の単語のテストを行って、処理が終了する。
【0113】
また、図23(c)に示すように、テスト対象として複合・派生語のみが選択された場合、図23(d)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1の最初の複合・派生語である複合・派生語1−1のテスト画面を表示する(S2311)。次に、問題出力処理部32は、当該単語の次の複合・派生語である複合・派生語1−2のテスト画面を表示する(S2312)。このようにして、当該単語の全ての複合・派生語テストが終了すると、次の単語へ進む。そして、次の単語に複合・派生語が存在しなければ、さらに、次の単語に進む。そして、当該単語の複合・派生語3−1のテスト画面を表示する(S2314)。このようにして、抽出された10個の単語の全ての複合・派生語のテストを行って処理が終了する。
【0114】
次に、図24を参照して、選択されたテスト対象が複数種類の場合について説明する。図24は、選択されたテスト対象が複数種類の場合についての説明図であり、図24(a)は、単語、複合・派生語、成句が選択された状態を示す図であり、図24(b)は、単語、複合・派生語、成句が選択された場合のテスト流れを示すフローチャートである。
【0115】
図24(a)に示すように、テスト対象として、単語、複合・派生語、成句が選択された場合、図24(b)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1のテスト画面を表示する(S2401)。次に、問題出力処理部32は、当該単語−1の最初の複合・派生語である複合・派生語1−1のテスト画面を表示する(S2402)。そして、単語−1の複合・派生語のテストが全て終了すると(S2404)、問題出力処理部32は、単語−1の最初の成句である成句1−1のテスト画面を表示する(S2405)。そして、単語−1の全ての成句のテストが終了すると(S2406)、問題出力処理部32は、次の単語である単語−2のテスト画面を表示する(S2407)。単語−2には、複合・派生語および成句は存在しないので、問題出力処理部32は、次に、単語−3のテスト画面を表示する(S2408)。その後、単語−3の複合・派生語、成句のテストを行い、抽出した10個すべての単語の単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストを行うと、テストを終了する。
【0116】
なお、任意テストモードにおいて、単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストの切り替えを行う場合、切り替え後は、切り替え先の最初からテストが行われる。
【0117】
また、図24(b)には、単語1について複合・派生語は3つ、成句が2つ、単語2については、複合・派生語、成句ともになし、単語3については複合・派生語が2つ、成句が3つ存在する場合を示している。
【0118】
(テスト処理)
次に、テスト処理について、図25〜28を参照して説明する。まず、スペリングテストにおける処理について、図25、26を参照して、説明する。図25は、スペリングテストの処理の流れを示すフローチャートである。また、図26は、スペリングテストにおける表示画面を示すであり、図26(a)は問題表示を示す図であり、図26(b)は解答表示を示す図である。
【0119】
スペリングテストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、問題表示画面を表示し(S2501)、出題対象の単語または複合・派生語の音声を出力する(S2502)。問題表示画面2601には、図26(a)に示すように、「音声を聞いてスペルを思い浮かべてください。」と表示されるとともに、「音声」キーが選択されると、再び音声を出力することが、「検索/決定」キーが選択されると解答を表示することが表示されている。
【0120】
次に、問題出力処理部32は、「音声」キーが選択されたか否かを判定し(S2503)、選択されれば(S2503でYES)、再び音声を出力する(S2502)。一方、「音声」キーが選択されなければ(S2503でNO)、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2504)、「検索/決定」キーが選択されると(S2504でYES)、解答表示を行う(S2505)。解答表示画面2602には、図26(b)に示すように、「解答を表示します。スペルは暗記できていましたか?」と表示されるとともに、正解のスペルが表示され、さらに、ユーザが、暗記できていれば「↑」キーを、できていなければ「↓」キーを選択するようにして、ユーザの暗記/未暗記を取得できる表示がされている。
【0121】
そして、解答受付部33は、「↑」キー、または「↓」キーの入力を受け付けると(S2506でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S2507)。以上で、スペリングテストの処理が終了する。
【0122】
次に、意味テストにおける処理について、図27、28を参照して説明する。図27は、意味テストの処理の流れを示すフローチャートである。また、図28は、意味テストにおける表示画面を示すであり、図28(a)は問題表示を示す図であり、図28(b)は解答表示を示す図であり、図28(c)は解答入力表示を示す図である。
【0123】
意味テストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、問題表示画面を表示し(S2701)、出題対象の単語または複合・派生語の音声を出力する(S2702)。問題表示画面2801には、図28(a)に示すように、「次のスペルの意味を思い浮かべてください。」と表示されるとともに、「検索/決定」キーが選択されると解答を表示することが表示されている。
【0124】
次に、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2504)、「検索/決定」キーが選択されると(S2504でYES)、解答表示を行う(S2505)。解答表示画面2802には、図28(b)に示すように、出題した単語の意味が表示されている。図28(b)に示す例では、「Apple」の意味である「りんご」等の表示がされている。
【0125】
さらに、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2705)、「検索/決定」キーが選択されると(S2705でYES)、解答入力表示を行う(S2706)。解答入力表示画面2803には、図28(c)に示すように、「スペルの意味は暗記できていましたか?」と表示されるとともに、スペルが表示され、さらに、ユーザが、暗記できていれば「↑」キーを、できていなければ「↓」キーを選択するようにして、ユーザの暗記/未暗記を取得できる表示がされている。
【0126】
そして、解答受付部33は、「↑」キー、または「↓」キーの入力を受け付けると(S2707でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S2708)。具体的には、「↑」(覚えていた)キーの入力を受け付けると、当該見出し語、複合・派生語、または成句に対応する学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、または学習達成状況フラグ(成句)417のフラグを「1」とする。以上で、意味テストの処理が終了する。
【0127】
(学習進捗保存処理)
次に、学習進捗保存処理について、図29、30を参照して説明する。まず、学習進捗保存処理の流れについて図29を参照して説明する。図29は、学習進捗保存処理を説明するための図であり、図29(a)は、学習進捗保存処理の流れを示すフローチャートであり、図29(b)は、サーチポインタの初期化を説明するための図である。
【0128】
まず、習得結果処理部22は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データをサーチするためのサーチポインタを初期化する。ここで、サーチポインタの初期化とは、図29(b)に示すように、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データのうち、最初の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることをいう。そして、習得結果処理部22は、単語帳データの学習状況達成フラグを確認し(S2902)、学習達成状況フラグ(単語)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)、学習達成状況フラグ(成句)の全てについて、フラグが「1」となっているか否かを判定する(S2903)。そして、全てについてフラグが「1」となっていれば(S2903でYES)、習得結果処理部22は、単語帳データの習得レベルを「+1」にする(S2904)。
【0129】
その後、単語帳データの学習達成状況フラグ(単語)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)、学習達成状況フラグ(成句)を初期化し(S2905)、学習済みフラグ418を「1」にして(S2906)、サーチポインタをカウントアップする(S2907)。そして、カウントアップ後のサーチポインタの位置がデータの終端であれば(S2908でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新する(S2909)。
【0130】
一方、ステップS2903で、全てについてフラグが「1」となっていない場合(S2903でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S2907)。以上で、学習進捗保存処理が終了する。
【0131】
次に、図30を参照して、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新することについて説明する。図30に示すように、出題用単語帳記憶部34に、単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが記憶されている場合、単語帳データ記憶部42に記憶されている、これらの単語帳データが更新される。すなわち、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLに上書きされる。
【0132】
(進捗表示処理)
以下、図31〜図36を参照しながら、進捗表示処理について説明する。
【0133】
ここで、本実施の形態における進捗表示とは、ユーザの学習の進捗状況を、単語、複合・派生語、成句の別でグラフ表示することをいう。具体的には、第一に、テスト方法を選択する画面に(図6(b)のステップS611)、それまでの学習の進捗状況を、単語帳に登録されている単語について総合的に表示する(図31)。第二に、テストの実行中に各問題を表示する画面に(図6(b)のステップS613)、画面に出題されている単語、複合・派生語、成句の進捗状況を表示する(図13)。
【0134】
そして、進捗表示処理は、問題表示処理部32の制御によって実行される。問題表示処理部32が表示する表示内容のうち、単語、複合・派生語、成句それぞれの進捗グラフは、進捗表示処理部24が表示内容を規定するデータを生成し、これに基づいて所定の形態で進捗グラフを表示する。
【0135】
なお、進捗グラフは、単語、複合・派生語、成句それぞれで色を変えて表示しても良い。また、本実施の形態では、棒グラフによって表示する実施例を説明するが、表示の形態は棒グラフに限定されず、他の形状の図形による表示や、比率を示す数字等の文字による表示でも構わない。
【0136】
まず、図31を参照しながら、テスト方法を選択する画面における進捗表示について説明する。図31は、テスト方法を選択する画面における進捗表示の表示画面例である。
【0137】
図31に示すように、テスト方法を選択する際には(図6(b)のステップS611)、単語、複合・派生、成句それぞれの総合的な学習進捗を表示する画面3101と、単語毎の学習進捗を表示する画面3102とが、「切替」キーにより切り替えて表示できるようになっている。なお、「切替」キーではなく、画面上方の[全単語]タブあるいは[単語帳テスト]タブを選択することによって画面を切替可能としても良い。
【0138】
具体的には、画面3101では、画面上方から、単語、複合・派生、成句の順で、単語帳に登録されているもののうち、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みのものの割合が、画面横方向に沿った棒グラフとして表示されている。例えば、一番上の単語グラムでは、単語帳に登録されている全単語の数に対する、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みである単語の数の割合が、画面横方向に沿った棒グラフとして表示されている。
【0139】
さらに、画面3101では、単語帳テストのモードが選択できるようになっている。本実施の形態では、単語帳テストのモードとしては、単語帳に登録されているすべての単語を対象にテストを行う全単語モードと、単語帳に登録されている単語のうち、習得レベルの低い単語を対象にテストを行う低習得レベルモードとがある。出題処理部23は、画面3101において、ユーザが単語帳テストのモードを選択することにより、単語帳テストを開始する。
【0140】
また、画面3102では、画面上方から、単語帳に登録されている単語毎に、単語、複合・派生、成句それぞれの、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みのものの割合を示す棒グラフを、画面横方向に沿って連結されたグラフ枠内に表示されている。そして、各単語について、見出し語の表示の右隣に、3つの棒グラフの枠領域が横方向に連結されたグラフ表示領域があり、さらのその右隣に、見出し語の習得レベルが表示されている。3つの棒グラフは、左からそれぞれ、単語の進捗状況を示す単語グラフ、複合・派生の進捗状況を示す複合・派生グラフ、成句の進捗状況を示す成句グラフである。
【0141】
また、図13に示すように、問題表示画面では、その画面で出題されている単語、複合・派生語、成句の進捗状況が、画面3102(図31)と同じ形態で表示されている。
【0142】
次に、進捗グラフのグラフ枠について説明する。図32は、進捗グラフのグラフ枠の例を示す説明図である。
【0143】
進捗表示処理部24は、単語帳テスト設定に応じて、単語、複合・派生語、成句のグラフ枠(グラフ表示領域)を表示するか否かを決定する。具体的には、例えば、単語帳テスト設定で単語、複合・派生語、成句のすべてがチェックされている場合、単語、複合・派生語、成句のすべてのグラフ枠、すなわちグラフを表示する(図32(a))。また、単語帳テスト設定で単語、複合・派生語がチェックされており、成句のチェックが外されている場合、単語、複合・派生語のグラフ枠を表示し、成句のグラフ枠は表示しない(図32(b))。また、単語帳テスト設定で単語のみチェックされており、複合・派生語、成句のチェックが外されている場合、単語のグラフ枠のみを表示し、複合・派生語、成句のグラフ枠は表示しない(図32(c))。
【0144】
また、同様に、進捗表示処理部24は、複合・派生語、成句が存在しない単語の場合も、そのグラフ枠、すなわちグラフを表示しない。なお、複合・派生語、成句が存在するか否かは、単語帳データのデータ数(複合・派生語)413、データ数(成句)414によって確認できる(図4(a))。
【0145】
次に、進捗グラフの作成方法を説明する。図33は、進捗グラフの作成方法を示す説明図である。ここでは、単語、複合・派生語、成句のグラフの作成方法を、図33(a)に示すデータ例を元に説明する。
【0146】
単語グラフについては、1つの単語帳データに登録できる単語が1つだけであるため、単語のグラフ枠内を学習達成フラグ(単語)415(図4(a))の状態に合わせて塗りつぶす。すなわち、図33(a)の例の場合、“学習達成状況フラグ(単語)=1”であり、当該単語は学習済みであるため、単語のグラフ枠内の全領域を緑色で塗りつぶすことになる(図33(b))。
【0147】
複合・派生語および成句については、1つの単語帳データに登録できる複合・派生語および成句のデータ数が見出し語(単語)によって異なる。そのため、複合・派生語および成句のデータ数によってそれぞれのグラフ枠(描画領域)を分割し、学習達成状況フラグが“1(学習済み)”の数だけ、グラフ枠の左から塗りつぶす処理を行う。すなわち、図33(a)の例の場合、複合・派生語については、“データ数(複合・派生語)=3”かつ“学習達成状況フラグ(複合・派生語)101”であり、3つの複合・派生語のうち2つが学習済みであるため、複合・派生語のグラフ枠の左から3分の2の領域を青色で塗りつぶすことになる(図33(c))。また、成句については、“データ数(成句)=4”かつ“学習達成状況フラグ(成句)1101”であり、4つの成句のうち3つが学習済みであるため、成句のグラフ枠の左から4分の3の領域をオレンジ色で塗りつぶすことになる(図33(d))。
【0148】
次に、学習が進捗するに伴って、進捗グラフがどのように変化するかを説明する。図34は、学習の進捗に伴う、進捗グラフの変化を示す説明図である。なお、図34に示す一例は、単語1つ、複合・派生語3つ、成句4つが含まれる見出し語(単語帳データ)の場合である。
【0149】
図34に示すように、学習開始直後は、単語帳テストを行っていないので、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417はいずれも、すべてのデータについて“0”であるため、グラフ枠内は塗りつぶされず、また、習得レベル412も“1”であるため、「レベル1」と表示される。
【0150】
その後、学習が進み、単語帳テストで正解することにより、対応する単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が“1”に書き換えられると、単語、複合・派生語、成句のグラフ枠が、それぞれの全データ数に対する暗記済みとなっているデータの数に応じた面積が塗りつぶされる。
【0151】
そして、「レベル1」の学習で、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417のいずれもが、すべてのデータについて“1”となったとき、習得レベル412が“2”と書き換えられるとともに、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が、すべてのデータについて“0”にクリアされる。その結果、「レベル2」の開始直後の進捗グラフでは、グラフ枠内は塗りつぶされず、「レベル2」と表示される。
【0152】
以後は、同様であり、単語帳テストで正解することにより、対応する単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が“1”に書き換えられるため、複合・派生語、成句の各グラフ枠がそれぞれの全データ数に対する暗記済みとなっているデータの数に応じた面積が塗りつぶされる。そして、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417のいずれもが、すべてのデータについて“1”となったとき、習得レベル412を1だけ加算されるとともに、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が、すべてのデータについて“0”にクリアされるため、進捗グラフも塗りつぶしのない状態に初期化される。
【0153】
このように、学習達成状況フラグによって各データが暗記されたかどうかを記録すると共に、見出し語毎に習得の程度を示す習得レベルを記録し、単語、複合・派生語、成句の学習が完了すると習得レベルがアップさせるとともに、学習達成状況フラグをクリアする。これにより、習得の悪い単語、複合・派生語、成句を優先して、単語帳テストを行うことができる。
【0154】
なお、上記の説明では、見出し語および関連語毎の学習達成状況をフラグ(学習達成状況フラグ)の形態で記録したため、習得レベルをアップさせる際に、見出し語に対応付けられた全ての学習達成状況フラグ、すなわち、該見出し語および該見出し語に対応付けられている全ての関連語についての学習達成状況フラグをクリアして、未暗記であることを示す状態にした。しかし、見出し語および関連語毎の学習達成状況は、フラグではなく、複数段階を管理できるデータ形態で記録してもよい。この場合、習得レベルをアップさせる際に、見出し語および関連語毎の学習達成状況を示す情報(学習達成状況情報)をクリアせずに、見出し語または関連語が次の習得レベルにおいて暗記済みとなったときに、数値を1だけ加算するなど、見出し語または関連語毎の習得レベルを所定数だけ上げるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、見出し語および関連語毎の学習達成状況情報を1→2→3というように加算される数値情報とし、3回暗記していれば(すなわち、見出し語に対応付けられた全ての学習達成状況情報が“3”となったとき)、習得レベルを1上げるというような習得レベル管理が可能となる。
【0155】
次に、図35を参照しながら、総合的な学習進捗を表示する画面3101を表示する処理の詳細について説明する。図35は、総合的な学習進捗を表示する画面3101を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【0156】
まず、問題出力処理部32は、画面3101(図31)を表示する際、進捗表示処理部24に、単語帳データ記憶部42に記憶されている全単語帳データに基づく進捗グラフを表示するためのデータを生成するように指示する。
【0157】
進捗表示処理部24は、この指示を受けて、単語、複合・派生語、成句それぞれの総数および達成数のデータを初期化する(S3501、S3502、S3503)。
【0158】
次に、進捗表示処理部24は、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データの先頭にサーチポインタを移動させる(S3504;図35(b))。
【0159】
そして、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、複合・派生語、成句それぞれのデータ数413、414(図4(a))及び単語、複合・派生語、成句それぞれの学習達成状況フラグ415、416、417(図4(a))を取得する(S3505)。
【0160】
そして、進捗表示処理部24は、単語の総数を1だけ加算する。これは、1つの単語帳データに登録できる単語が1つだけであるためである。また、取得した学習達成状況フラグ(単語)415が“1”であれば、単語の達成数を1だけ加算する(S3506)。
【0161】
さらに、進捗表示処理部24は、取得したデータ数(複合・派生語)413を、複合・派生語の総数に加算する。また、取得した学習達成状況フラグ(複合・派生語)416に含まれる“1”の数を数え、それを複合・派生語の達成数に加算する(S3507)。
【0162】
さらに、進捗表示処理部24は、取得したデータ数(成句)414を、成句の総数に加算する。また、取得した学習達成状況フラグ(成句)417に含まれる“1”の数を数え、それを成句の達成数に加算する(S3508)。
【0163】
その後、進捗表示処理部24は、上記の処理(S3505〜S3508)を、サーチポインタを進めながら(S3509)、データ終端に到達するまで繰り返す(S3510でNO)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。
【0164】
そして、進捗表示処理部24は、サーチポインタがデータ終端に到達したとき、すなわち、単語帳データ記憶部42に記憶されているすべての単語帳データの処理を終えたとき(S3510でYES)、算出した単語、複合・派生語、成句それぞれの総数および達成数のデータに基づいて、単語、複合・派生語、成句それぞれについて、総数に対する達成数の比率を算出して、その比率に応じた形状で進捗グラフを表示する(S3511、S3512、S3513;図31の画面3101)。
【0165】
次に、図36を参照しながら、単語帳テストの際に問題表示画面(図13)を表示する処理の詳細について説明する。図36は、問題表示画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は出題用単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【0166】
まず、問題出力処理部32は、単語帳テストを開始する際、出題用単語帳データ記憶部34に記憶されている出題用単語帳データの先頭にサーチポインタを移動させる(S3601;図36(b))。
【0167】
そして、問題出力処理部32は、サーチポインタが指す単語帳データから、見出し語410を取得し、その文字列を出題画面に表示する(S3602)。
【0168】
次に、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、学習達成状況フラグ(単語)415(図4(a))を取得する(S3603)。そして、学習達成状況フラグ(単語)415の値に応じて、単語グラフを表示する(S3604)。具体的には、学習達成状況フラグ(単語)415が“1”であれば、単語のグラフ枠内の全領域を塗りつぶし、“0”であれば、単語のグラフ枠内を塗りつぶさずに表示する。
【0169】
さらに、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、データ数(複合・派生語)413(図4(a))及び学習達成状況フラグ(複合・派生語)416(図4(a))を取得する(S3605)。そして、取得した学習達成状況フラグ(複合・派生語)416に含まれる“1”の数(暗記済み数)を数え、データ数(複合・派生語)413に対する比率を算出して、その比率に応じた形状で複合・派生語グラフを表示する(S3506)。具体的には、複合・派生語のグラフ枠を上記比率だけ塗りつぶして表示する。
【0170】
さらに、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、データ数(成句)414(図4(a))及び学習達成状況フラグ(成句)417(図4(a))を取得する(S3607)。そして、取得した学習達成状況フラグ(成句)414に含まれる“1”の数(暗記済み数)を数え、データ数(成句)417に対する比率を算出して、その比率に応じた形状で成句グラフを表示する(S3508)。具体的には、成句のグラフ枠を上記比率だけ塗りつぶして表示する。
【0171】
次に、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、習得レベル412(図4(a))を取得し(S3609)、進捗グラフの近傍に表示する(S3610)。
【0172】
その後、問題出力処理部32および進捗表示処理部24は、上記の処理(S3602〜S3610)を、サーチポインタを進めながら(S3611)、データ終端に到達するまで、すなわち、出題用単語帳記憶部34に読み込まれた10問の処理が終わるまで繰り返す(S3612でNO)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。
【0173】
なお、画面3102(図31)の進捗グラフの表示方法も、上記の処理と同じ処理によって表示できる。
【0174】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
(ソフトウェアによる処理)
最後に、電子辞書1の各ブロック、特に制御部13の単語帳データ登録部21、習得結果処理部22、出題処理部23、進捗表示処理部24、出題用単語帳抽出部31、問題出力処理部32、解答受付部33、表示切替部35、および出題表示部36は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していてもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0176】
後者の場合、電子辞書1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子辞書1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子辞書1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0177】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0178】
また、電子辞書1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0179】
見出し語に関連した語句である、派生語、複合語、成句のみを連続して出題することができるので、単語のテストを行う装置、例えば、テスト機能の付いた電子辞書に好適である。
【符号の説明】
【0180】
1 電子辞書
11 キー操作部(入力受付部)
12 表示部
22 習得結果処理部(学習済情報記録手段)
31 出題用単語帳抽出部(問題抽出手段)
32 問題出力処理部(選択受付手段)
33 解答受付部(暗記済情報記録手段)
36 出題表示部(問題表示手段)
41 辞書データ記憶部
42 単語帳データ記憶部(出題データ記憶部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、見出し語を問題として表示し、解答としてその意味を表示する電子辞書および電子辞書の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、見出し語とその見出し語に対応する訳とをメモリに記憶し、見出し語が入力されるとその訳を表示する電子辞書が存在している。
【0003】
また、電子辞書の中には、単に訳を表示するだけでなく、見出し語のみを表示して、ユーザの操作によりその訳を表示するというように、ユーザが見出し語の訳を覚えているか否かをテストすることができる機能を有するものもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、見出し語が入力された後、見出し語検索キーが操作されると入力された見出し語だけを表示手段に表示させ、さらに所定の操作がされたときにのみ、見出し語に対応する訳語を表示させる訳語表示装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、英語を表示する第1モードと、日本語と英語とを併記する第2モードと、文章においてユーザが暗記しようとしている単語を非表示で表示する第3モードとを切り替えて表示することができる表示切替機能付き電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−89173号公報(1990年3月29日公開)
【特許文献2】特開2006−293185号公報(2006年10月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
単語には、その単語から派生した語、その単語を含む複合語、成句など、関連する語句が多数存在する場合が多い。そして、単語学習を行う場合、単語の学習は容易だが、派生語・複合語・成句等の関連語がなかなか学習できないということが多い。このような場合、派生語・複合語・成句等の関連語のみを集中して学習した方が、学習効率が高い。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1、2の構成では、上記関連語を集中して学習することができない。具体的には、特許文献1の場合、見出し語とその訳とを表示するのみなので、見出し語単独で学習することしかできない。また、特許文献2の場合も、ユーザが暗記しようとする単語を非表示とするのみなので、その単語を単独で学習することしかできない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、見出し語の派生語、複合語、成句等の関連語のみを集中して学習することができる電子辞書等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子辞書は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書において、上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、上記選択受付手段で関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る電子辞書の制御方法は、見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書の制御方法であって、上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、上記選択受付ステップで関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成または方法によれば、出題データ記憶部に記憶されている見出し語のうち、所定の数の見出し語が抽出される。そして、表示する問題として関連語が選択されると、抽出された見出し語に対応付けられた関連語のみが、所定のタイミングで、連続して問題として表示される。これにより、ユーザに対し、関連語のみを連続して学習させること、すなわち集中して学習させることができる。
【0013】
ここで、所定のタイミングとは、所定の時間(例えば、10秒)毎であってもよいし、何らかの操作(例えば、次の問題を表示させる操作)を受け付ける毎であってもよい。
【0014】
本発明に係る電子辞書では、出題された見出し語または関連語をユーザが暗記済みか否かの入力を受け付ける入力受付部と、上記入力受付部が暗記済みの入力を受け付けると、上記出題データ記憶部に、見出し語または関連語に対応付けて、当該見出し語または関連語が暗記済みであることを示す暗記済情報を記録する暗記済情報記録手段と、を備え、上記問題表示手段は、上記関連語を問題として上記表示部に表示させるときに、上記問題抽出手段が抽出した見出し語に対応付けられた1または複数の関連語のうち、暗記済情報が記録されていない関連語を表示させるものであってもよい。
【0015】
上記の構成によれば、出題された見出し語または関連語について、ユーザが暗記済みか否かを示す暗記済情報を記録する。そして、ユーザが暗記済みでない関連語のみを問題として表示する。
【0016】
これにより、ユーザが暗記済みでない関連語のみを連続して出題することができる。よって、ユーザは、暗記できていない関連語のみを集中して学習することができる。
【0017】
本発明に係る電子辞書では、上記出題データ記憶部に、1つの見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語の全てについて暗記済情報が記録されると、該見出し語に対応付けて学習済情報を記録する学習済情報記録手段を備え、上記問題抽出手段は、上記出題データ記憶部に記憶された見出し語のうち、学習済情報が記録された見出し語以外の見出し語を問題として抽出するものであってもよい。
【0018】
上記の構成によれば、見出し語および該見出し語と対応付けられた1または複数の関連語の全てが暗記済みとなると、学習済情報記録手段が、該見出し語が学習済みであることを示す学習済情報を記録する。そして、学習済情報が記録された見出し語については、問題抽出手段は、問題として抽出しない。そして、問題表示手段は、見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語全てについて暗記済みの見出し語以外の見出し語を問題として表示させる。これにより、ユーザが未暗記の見出し語または関連語のみが問題として出題されるので、ユーザの学習効率を高めることができる。
【0019】
本発明に係る電子辞書では、上記関連語は、上記見出し語の派生語、該見出し語を含む複合語、および該見出し語を含む成句の少なくともいずれか1つであってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、見出し語の派生語、見出し語を含む複合語、見出し語を含む成句を関連語として出題することができる。
【0021】
本発明に係る電子辞書では、上記選択受付手段は、問題として上記表示部に、上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれを表示するかの選択を受け付け、上記問題表示手段は、上記選択受付手段が受け付けた上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれかのみを、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させるものであってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、問題表示手段は、選択受付手段が受け付けた派生語、複合語、成句のうちのいずれかのみを連続して問題として表示する。これにより、ユーザに対し、派生語、複合語、成句のうちのいずれかのみを集中して学習させることができる。
【0023】
なお、上記電子辞書は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記電子辞書をコンピュータにて実現させる電子辞書の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る電子辞書は、問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、上記選択受付手段が、関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えている構成である。
【0025】
また、本発明に係る電子辞書の制御方法は、問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、上記選択受付ステップで、関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含む方法である。
【0026】
これにより、ユーザに対し、関連語のみを連続して学習させること、すなわち集中して学習させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、電子辞書の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記電子辞書の外観を示す図である。
【図3】上記電子辞書の辞書データ記憶部に記憶されている辞書データのデータ構造を示す図である。
【図4】上記電子辞書の単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データのデータ構造を示す図であり、(a)は単語帳データ1の1つ1つのデータ構造を示す図、(b)は学習達成状況を示すフラグの例を示す図、(c)は単語帳全体の構造を示す図である。
【図5】上記単語帳データの具体例を示す図である。
【図6】上記電子辞書においてテストを行うときの流れを示すフローチャートであり、(a)は、テストを行うための単語を登録する流れを示すフローチャート、(b)は、テストを行う流れを示すフローチャートである。
【図7】テスト対象を設定するための設定画面を示す図である。
【図8】単語帳に単語を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】単語登録を行うときの登録画面を示す図である。
【図10】単語をランダムに抽出する場合の単語抽出処理を説明するための図であり、(a)は単語抽出処理の流れを示すフローチャート、(b)はサーチポインタの初期化を説明するための図である。
【図11】習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データから、出題用の単語帳データを抽出し、出題用単語帳記憶部に記憶させることについて説明するための図である。
【図13】テスト画面を示す図である。
【図14】問題表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】単語・複合・派生語、成句タブ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】見出しデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】複合・派生語データ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】成句データ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】複合・派生語テストのスキップ処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】成句テストのスキップ処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】任意テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【図22】選択テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【図23】選択されたテスト対象が1種類の場合についての説明図であり、(a)は単語のみが選択された設定画面の状態を示す図、(b)は単語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャート、(c)は複合・派生語のみが選択された設定画面の状態を示す図、(d)は複合・派生語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートである。
【図24】選択されたテスト対象が複数種類の場合についての説明図であり、(a)は単語、複合・派生語、成句が選択された状態を示す図、(b)は単語、複合・派生語、成句が選択された場合のテスト流れを示すフローチャートである。
【図25】スペリングテストの処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】スペリングテストにおける表示画面を示すであり、(a)は問題表示を示す図、(b)は解答表示を示す図である。
【図27】意味テストの処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】意味テストにおける表示画面を示すであり、(a)は問題表示を示す図であり、(b)は解答表示を示す図であり、(c)は解答入力表示を示す図である。
【図29】学習進捗保存処理を説明するための図であり、(a)は学習進捗保存処理の流れを示すフローチャート、(b)はサーチポインタの初期化を説明するための図である。
【図30】出題用単語帳記憶部に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部に記憶されている単語帳データを更新することについて説明するための図である。
【図31】テスト方法を選択する画面における進捗表示の表示画面例である。
【図32】進捗グラフのグラフ枠の例を示す説明図であり、(a)は単語帳テスト設定で単語、複合・派生語、成句のすべてがチェックされている場合を示す図、(b)は単語帳テスト設定で単語、複合・派生語がチェックされ、成句のチェックが外されている場合を示す図、(c)は単語帳テスト設定で単語のみチェックされ、複合・派生語、成句のチェックが外されている場合を示す図である。
【図33】進捗グラフの作成方法を示す説明図であり、(a)は単語帳データを示す図、(b)は単語のグラフ例を示す図、(c)は複合・派生語のグラフ例を示す図、(d)は成句のグラフ例を示す図である。
【図34】学習の進捗に伴う、進捗グラフの変化を示す説明図である。
【図35】総合的な学習進捗を表示する画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【図36】問題表示画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は出題用単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(全体の構成)
本発明の一実施の形態について図1から図36に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係る電子辞書1は、見出し語の訳等を検索可能な電子辞書であって、見出し語からユーザが選択した単語等の訳のテスト、および訳から単語等のテスト等が行えるものである。
【0029】
より詳細には、電子辞書1は、ユーザが選択した単語、この単語の複合・派生語、成句のテストを行うことができる。また、テストは、単語のみ、複合・派生語のみ、成句のみで行うこともできるし、単語と、この単語の複合・派生語、成句を順に行うこともできる。また、テストを行うことにより、覚えていたか否かを記録し、学習進捗状態を表示させることもできる。さらに、テストは、英文または和文を表示させて行うこともできるし、音声を出力して行うこともできる。
【0030】
図2に、電子辞書1の外観を示す。図2に示すように、電子辞書1は、表示部12とキー操作部11とを備えている。キー操作部11は、ユーザが、電子辞書1に対する操作を行うために用いるものである。また、電子辞書1には、メインの表示部12(12A)が備えられるともに、キー操作部11と同じ面にサブの表示部12(12B)が備えられている。なお、表示部12が、タッチパネルで構成されることによって、キー操作部11とともに電子辞書1に対する操作等を受け付けるものであってもよい。タッチパネルで構成されている場合、タッチペンを備えていてもよい。また、表示部12Bは、必須の構成ではなく、備えられていなくてもよい。
【0031】
次に、図1を参照して、電子辞書1の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる電子辞書1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子辞書1は、キー操作部(入力受付部)11、表示部12、制御部13、記憶部14、およびスピーカ部15を備える構成である。また、制御部13は、単語帳データ登録部21、習得結果処理部(学習済情報記録手段)22、および出題処理部23を含み、出題処理部23は、出題用単語帳抽出部(問題抽出手段)31、問題出力処理部32、解答受付部(暗記済情報記録手段)33、および出題用単語帳記憶部34を含む構成である。また、記憶部14には、辞書データ記憶部41および単語帳データ記憶部(出題データ記憶部)42が含まれている。
【0032】
キー操作部11は、ユーザが、電子辞書1に対する操作を行うために用いるものであり、キーボード、スクロールキー、数字キー、「検索/決定」キー、「戻る」キー、「切替」キー等が含まれている。
【0033】
表示部12は、見出し語や訳等を表示するものであり、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等によって実現される。
【0034】
スピーカ部15は、音声等を出力するスピーカである。
【0035】
記憶部14は、電子辞書1で用いるデータ等を記憶している記憶部であり、辞書データ記憶部41および単語帳データ記憶部42を含んでいる。
【0036】
辞書データ記憶部41は、見出し語およびその訳等のデータを記憶している。辞書データ記憶部41に記憶されている辞書データについて、図3を参照して説明する。図3は、辞書データ301のデータ構造を示す図である。
【0037】
図3に示すように、辞書データ301のデータ構造は、種別302とその内容を示すデータ303とを含む構成であり、種別302には、見出し311、本文312、複合・派生語313、例文314、成句315が含まれている。見出し311は、見出し語を示すデータであり、図3に示す例では、「apple」である。本文312には、見出し語の品詞や訳等のデータが含まれている。複合・派生語313は、見出し語の複合語・派生語のデータが含まれている。例文314には、複合語・派生語を用いた例文のデータが含まれている。成句315には、見出し語を用いた成句のデータが含まれている。
【0038】
このように、辞書データ301のデータ構造は、見出し311、本文312、複合・派生語313、例文314、および成句315が識別できる構造となっている。また、複合・派生語または成句1つにつき、対応する複合・派生語313または成句315が1つ存在しており、複合・派生語または成句が複数存在する場合は、それぞれにつき複合・派生語313又は成句315が存在している。さらに、複合・派生語313および成句315のデータ303欄には、複合・派生語または成句とこれらの和訳が含まれており、複合・派生語または成句とこれらの和訳とは、セパレータ(改行コード)によって分割されている。
【0039】
単語帳データ記憶部42は、辞書データ記憶部41に記憶されている辞書データのうち、ユーザが選択した単語のデータを単語帳データ401として記憶している。単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データ401について、図4を参照して説明する。図4は、単語帳データ401のデータ構造を説明するための図であり、図4(a)は単語帳データ401の1つ1つのデータ構造を示す図であり、図4(b)は学習達成状況を示すフラグの例を示す図であり、図4(c)は単語帳全体の構造を示す図である。
【0040】
図4(a)に示すように、単語帳データ401のデータ構造は、見出し語410、ワードナンバー411、習得レベル412、データ数(複合・派生語)413、データ数(成句)414、学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、学習達成状況フラグ(成句)417、および学習済みフラグ418を含む構成である。なお、本実施の形態では、学習達成状況フラグおよび学習済みフラグとして、単語帳データ記憶部42に記憶される単語帳データ401に含まれる形態を例に説明するが、これらデータは、見出し語に対応付けられていればよく、いわゆるフラグの形態に限定されず、例えば、単語帳データ401とは異なるエリアに記憶するようにしてもよい。
【0041】
ワードナンバー411は、単語帳データ401に記録した見出し語の番号を記録しているものである。この番号は、辞書データ301にも含まれており、ワードナンバー411を参照することで、当該単語の辞書データ301と対応付けられている。習得レベル412は、見出し語の習得レベルを記録しているものである。データ数(複合・派生語)413は、見出し語に対応する複合・派生語のデータ数を記録しているものである。データ数(成句)414は、見出し語に対応する成句のデータ数を記録しているものである。学習達成状況フラグ(単語)415は、単語の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習達成状況フラグ(複合・派生語)416は、複合・派生語の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習達成状況フラグ(成句)417は、成句の学習達成状況をフラグで記録しているものである。学習済みフラグ418は、出題済みであるか否かをフラグで記録しているものである。これは、単語帳からランダムに問題が出題された場合に、どの単語が出題され、どの単語が出題されていないかを判別するために用いる。なお、学習済みフラグ418は、単語帳に記憶されている全ての単語が出題されるとクリアされる。
【0042】
次に、図4(b)を参照して、学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、および学習達成状況フラグ(成句)417におけるフラグ例について説明する。図4(b)に示す例では、見出し語(単語)に対し、複合・派生語が4つ、成句が5つ存在する場合を示している。本実施の形態では、単語、複合・派生語・成句のそれぞれについて、暗記済みの場合は「1」、未暗記の場合は「0」としている。
【0043】
そして、複合・派生語または成句が複数存在する場合は、辞書データ301の順序通りに、フラグにより暗記済または未暗記を記憶している。このように、複合・派生語、成句が複数存在する場合、それぞれについて、暗記済か未暗記かを記憶することにより、暗記済みの語句については、再びテストで出題しないようにすることができる。
【0044】
次に、図4(c)を参照して、単語帳について説明する。単語帳は、辞書データからユーザが選択した単語を記録しているものであり、1つ1つの単語について、1つの単語帳データが作成され、ユーザが選択した単語数分の単語帳データが集まって単語帳となっている。よって、図4(c)に示すように、ユーザが選択した単語がN個あれば、単語帳データA、単語帳データB、…、単語帳データNというように、N個の単語帳データにより単語帳が形成される。
【0045】
次に、図5を参照して、単語帳データの具体例について説明する。図5は、単語帳データの具体例を示す図であり、同図(a)は見出し語が「apple」の場合を示す図であり、同図(b)は見出し語が「take」の場合を示す図であり、同図(c)は見出し語が「wave」の場合を示す図であり、同図(d)はデータの終端を示すである。
【0046】
図5(a)に示す例では、見出し語が「apple」、ワードナンバー411が「29101」、習得レベル412が「1」、データ数(複合・派生語)413が「6」、データ数(成句)414が「7」、学習達成状況フラグ(単語)415が「1」、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416が「100100」、学習達成状況フラグ(成句)417が「1110111」、学習済みフラグ418が「1」となっている。
【0047】
これにより、「apple」については、習得レベルが「1」で、複合・派生語が6つ、成句が7つ存在しており、単語については記憶済み、複合・派生語については6つのうち1番目と4番目について記憶済み、成句については7つのうち4番目以外を記憶済みであり、出題済みであることが分かる。
【0048】
以下、図5(b)の「take」、図5(c)の「wave」についても同様である。また、図5(d)に示すように、単語帳のデータ終端には、終端を示すワードナンバー411のみが記憶されている。
【0049】
次に、電子辞書1の制御部13について説明する。制御部13は、電子辞書1の様々な機能を実現するためのものである。なお、電子辞書1における、辞書としての機能は公知の技術を用いて実現可能であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0050】
単語帳データ登録部21は、ユーザがキー操作部11を用いて単語を登録する操作を行うと、辞書データ記憶部41に記憶されている当該単語の辞書データから単語帳データを作成し、作成した単語帳データを単語帳データ記憶部42に記憶するものである。
【0051】
習得結果処理部22は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを終了する操作を行うと、出題用単語帳記憶部34の記憶されているテスト結果を単語帳データ記憶部42の単語帳データに反映させるものである。
【0052】
出題処理部23は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを行う操作を行うと、出題の処理および解答の受付を行うものであり、出題用単語帳抽出部31、問題出力処理部32、解答受付部33、および出題用単語帳記憶部34を含む構成である。
【0053】
出題用単語帳抽出部31は、ユーザがキー操作部11を用いてテストを行う操作を行うと、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データのうち、出題用の単語として、10個の単語の単語帳データを抽出して、出題用単語帳記憶部34に記憶させるものである。単語の抽出は、ランダムであってもよいし、習得レベルに応じるものであってもよい。
【0054】
問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データから問題を作成し、表示部12にテストの問題を表示させたり、スピーカ部15から音声を出力されたりするものであり、表示切替部(選択受付手段)35、出題表示部(問題表示手段)36、および進捗表示処理部24を含む構成である。
【0055】
表示切替部35は、表示部12に表示させる出題表示を切り替えるものである。例えば、表示を、「見出し語」のみ出題表示、「複合・派生語」のみ出題表示、「成句」のみ出題表示としたり、これら3つを順番に出題する出題表示としたりするものである。
【0056】
出題表示部36は、出題する単語の問題を表示部12に表示させるものである。
【0057】
進捗表示処理部24は、問題出力処理部32の指示により、学習の進捗状態を表示部12に表示させるものである。進捗表示処理部24の詳細については後述する。
【0058】
解答受付部33は、ユーザがキー操作部11を用いて行った解答を受け付けて、その内容を出題用単語帳記憶部34に記憶するものである。
【0059】
出題用単語帳記憶部34は、出題用単語帳抽出部31が抽出した10個の単語の単語帳データを記憶している一時メモリである。また、単語帳データは、解答受付部33が受け付けたユーザの解答により更新される。
【0060】
次に、図6を参照して、電子辞書1においてテストを行うときの流れについて説明する。図6は電子辞書1においてテストを行うときの流れを示すフローチャートであり、図6(a)は、テストを行うための単語を登録する流れを示すフローチャートであり、図6(b)は、テストを行う流れを示すフローチャートである。
【0061】
図6(a)に示すように、テストを行う単語を登録する場合、キー操作部11を操作されることにより、単語帳データ登録部21は、辞書データ記憶部41に記憶されている、対象となる単語の辞書データから単語帳データを作成し、単語帳データ記憶部42に記憶させる(S601)。以上が、単語を登録するときの処理である。
【0062】
次に、テストを行う場合について、図6(b)を参照して説明する。テストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、表示部12に進捗状態を表示させる(S611)。次に、出題用単語帳抽出部31は、出題用の単語の単語帳データを単語帳データ記憶部42から抽出し、出題用単語帳記憶部34に記憶させる(S612、問題抽出ステップ)。そして、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データから問題を作成して、表示部12に表示させる(S613、問題表示ステップ)。そして、キー操作部11が操作されることにより、切り替え指示があると、表示切替部35は、表示部12に表示する問題を切り替える(S614)。その後、ユーザの解答を受け付けると、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S615)。最後に、習得結果処理部22は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、更新された単語帳データを元に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新する(S616)。以上が、テストを行うときの処理である。
【0063】
次に、図7を参照して、テストを行う対象を設定する表示画面について説明する。図7は、テスト対象を設定するための設定画面701を示す図である。上述したように、テストは、単語のみ、複合・派生語のみ、成句のみで行うことも、これらを組み合わせることもできる。また、英語→日本語、日本語→英語のいずれも可能である。そこで、設定画面701では、これらの選択が可能なようになっている。具体的には、テスト対象、テスト項目、テスト方法を選択することができる。
【0064】
設定画面701のボックス711にチェックが入ると、単語がテスト対象に選択され、ボックス712にチェックが入ると、複合・派生語がテスト対象に選択され、ボックス713にチェックが入ると、成句がテスト対象に選択される。また、ボックス714にチェックが入ると、テスト方法がスペリングテストとなる。スペリングテストとは、スピーカ部15より英語の音声を出力し、そのスペルをテストするというものである。また、ボックス715にチェックが入るとテスト方法が意味テストとなる。意味テストとは、英単語が表示部12に表示され、その意味をテストするというものである。さらに、ボックス716が選択されると、選択した対象を全てテストするテスト方法(選択テストモード)となり、ボックス717を選択すると任意のテスト対象のみをテストするテスト方法(任意テストモード)となる。
【0065】
図7に示す例では、ボックス711からボックス715まで全てチェックが入り、ボックス716が選択されているので、単語、複合・派生語、成句について、スペリングテストおよび意味テストを、選択テストモードで行う設定となる。
【0066】
(登録処理)
次に、図8、9を参照して、単語帳(単語帳データ記憶部42)に単語を登録する登録処理について説明する。まず、登録処理の流れについて図8を参照して説明する。図8は、単語帳に単語を登録する処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
単語帳に単語を登録する場合、単語帳データ登録部21は、まず、登録する対象となる単語が既に、単語帳データ記憶部42に登録されているか否かを判定する(S801)。登録されていれば(S801でYES)、再び同じ単語を登録する必要はないので、処理は終了する。
【0068】
一方、登録されていない場合(S801でNO)、単語帳データ登録部21は、サーチポインタを初期化し、単語数カウントを「1」、複合・派生語数カウントを「0」、成句数カウントを「0」に設定する(S802)。サーチポインタを初期化するとは、登録する対象となる単語の辞書データの頭にサーチポインタを位置決めすることをいう。具体的には、図3に示す辞書データ301の「見出し」の部分にサーチポインタを位置決めする。
【0069】
次に、単語帳データ登録部21は、サーチの対象が複合・派生語か否かを判定する(S803)。複合・派生語でなければ(S803でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S805)。サーチポインタのカウントアップとは、サーチポインタを次の種別に移動させることをいう。具体的には、図3の辞書データ301において、「見出し」部分にサーチポインタが存在するときに、カウントアップをすると、次の種別である「本文」にサーチポインタが位置決めされる。
【0070】
一方、サーチの対象が複合・派生語の場合(S803でYES)、複合・派生語数カウントを「1」だけカウントアップする。そして、サーチポインタをカウントアップする(S805)。
【0071】
その後、辞書データのデータ終端までサーチすると(S806でYES)、再びサーチポインタを初期化する(S807)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。そして、単語帳データ登録部21は、サーチの対象が成句か否か判定する(S808)。サーチの対象が成句でなければ(S808でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S801)。一方、サーチの対象が成句であれば(S808でYES)、成句数カウントを「1」だけカウントアップし(S809)、サーチポインタをカウントアップする(S810)。
【0072】
そして、辞書データの終端まで、サーチが終了すると(S811でYES)、単語帳データ登録部21は、ワードナンバーを登録する(S812)。その後、習得レベルを初期化し(S813)、学習達成状況フラグ(単語)を初期化し(S814)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)を初期化し(S815)、学習達成状況フラグ(成句)を初期化する(S816)。そして、単語帳データを単語帳データ記憶部42に保存して(S817)、登録処理が終了する。
【0073】
次に、図9を参照して、単語登録を行うときの表示画面を説明する。図9は、単語登録を行うときの登録画面901を示す図である。登録画面901は、電子辞書1において、辞書検索を行った結果を示す画面であり、図9に示す例では「take」を検索した結果が表示されている。この状態で、単語登録操作を行うことにより、「take」の単語帳データが単語帳データ記憶部42に保存される。
【0074】
(学習処理)
次に、学習処理について説明する。学習処理には、進捗表示処理、単語抽出処理、問題表示処理、テスト処理、習得結果保存処理が含まれるので、これらに分けて説明する。本実施の形態において、学習処理は、まず、進捗状態が表示され、進捗状態の表示において、全単語モードか低習得レベルモードかの選択を受け付け、受け付けたモードに応じて、対応する単語を抽出し、抽出した単語をテストして、テスト結果を保存するという流れで行われる。
【0075】
(単語抽出処理)
単語抽出処理について、図10〜図12を参照して説明する。単語抽出処理とは、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語の中から、出題する単語を抽出する処理である。本実施の形態では、10個の単語(単語帳データ)を抽出している。まず、図10、11を参照して単語抽出処理の流れについて説明する。図10(a)は、単語をランダムに抽出する場合(全単語モード)の単語抽出処理の流れを示すフローチャートであり、図10(b)は、サーチポインタの初期化を説明するための図である。また、図11は、習得レベルの低い単語を抽出する場合(低習得レベルモード)の単語抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
単語をランダムに抽出する場合、図10(a)に示すように、出題用単語帳抽出部31は、まず、サーチポインタを初期化する(S1001)。ここで、サーチポインタの初期化とは、サーチ対象である、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データのうち、最初の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることをいう。すなわち、図10(b)に示すように、単語帳データが複数存在する場合、最初の単語帳データである単語帳データAにサーチポインタを位置決めする。
【0077】
そして、出題用単語帳抽出部31は、サーチ対象の単語が学習済か否か、すなわち学習済みフラグが「1」か否かを判定する(S1002)。学習済であれば(S1002でYES)、サーチポインタをカウントアップする(S1004)。サーチポインタのカウントアップとは、次の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることいい、図10(b)に示す例の場合では、単語帳データAにあったサーチポインタを単語帳データBに位置決めすることをいう。
【0078】
一方、学習済みでなければ(S1002でNO)、当該単語をテスト候補として登録する(S1003)。そして、サーチポインタをカウントアップする(S1004)。
【0079】
そして、単語帳のデータ終端までサーチを行うと(S1005でYES)、出題用単語帳抽出部31は、テスト候補として登録された単語が10個以下か否かを判定する(S1006)。10個以下であれば(S1006でYES)、テスト候補として登録された単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1008)。一方、テスト候補として登録された単語が10個より多い場合(S1006でNO)、テスト候補に登録された単語から10個を乱数で抽出する(S1007)。そして、抽出した10個の単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1008)。以上で、単語をランダムに抽出する場合の単語抽出処理が終了する。
【0080】
次に、習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理について、図11を参照して説明する。習得レベルの低い単語を抽出する場合も、図10のステップS1006までは同じ処理の流れなので、その説明を省略し、ステップS1106(図10のステップS1006)から説明する。
【0081】
出題用単語帳抽出部31は、テスト候補として登録された単語が10個以下か否かを判定する(S1106)。10個以下であれば(S1106でYES)、テスト候補として登録された単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1109)。一方、テスト候補として登録された単語が10個より多い場合(S1106でNO)、出題用単語帳抽出部31は、テスト候補に登録された単語を習得レベル順にソートする(S1107)。そして、習得レベルの低い順に、下から10個を抽出する(S1108)。なお、複数の単語が同一習得レベルにあり、全てを抽出すると10個を超えてしまう場合は、抽出単語が10個となるとにように、同一習得レベルにある単語から適切な数の単語を乱数で選択する。その後、抽出した10個の単語を出題用単語として出題用単語帳記憶部34に記憶する(S1009)。以上で、習得レベルの低い単語を抽出する場合の単語抽出処理が終了する。
【0082】
次に、図12を参照して、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データから、出題用の単語帳データを抽出し、出題用単語帳記憶部34に記憶させることについて説明する。出題に用いる単語帳データは、ユーザの解答によってデータを更新する必要があるので、書き換え可能な一時メモリである出題用単語帳記憶部34に記憶されている。
【0083】
図12に示す例では、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳1201に含まれる単語帳データのうち、単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが抽出され、出題用単語帳記憶部34に記憶されている。
【0084】
(問題表示処理)
次に、問題表示処理について、図13〜24を参照して説明する。まず、問題表示画面の例について、図13を参照して説明する。図13には、見出し語(単語)のテストを行う画面である表示画面1301と、複合・派生語のテストを行う画面である表示画面1302と、成句のテスト行う画面である表示画面1303とが示されている。
【0085】
そして、表示画面1301には、見出し語「Apple」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。表示画面1302には、見出し語「Apple」の複合・派生語である「Apple brandy」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。表示画面1303には、見出し語「Apple」の成句である「A bad[rotten] apple」が問題として表示されるとともに、見出し語「Apple」の現在のレベルが「レベル1」であることが表示され、さらに、見出し語「Apple」についての進捗状態が表示されている。なお、これら表示画面1301、表示画面1302、および表示画面1303は、キー操作部11に含まれている「切替」キーにより相互に切り替えることができる。
【0086】
次に、問題表示処理の流れについて、図14〜20を参照して説明する。図14〜20は、問題表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
図14に示すように、問題出力処理部32は、まず、出題用単語帳記憶部34に記憶されている複数の単語帳データから出題する単語帳データを取得する(S1401)。そして、問題出力処理部32は、取得した単語帳データのワードナンバー411を参照して(S1402)、当該ワードナンバーの辞書データを辞書データ記憶部41から取得する(S1403)。その後、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理を行う(S1404)。単語、複合・派生語、成句タブ表示処理については後述する。
【0088】
そして、問題出力処理部32は、表示する問題が見出し語であれば(S1405でYES)、見出し語データ取得処理を行う(S1406)。見出し語データ取得処理については後述する。そして、見出し語データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は見出し語の問題表示を行う(S1411)。一方、表示する問題が見出し語でなければ(S1405でNO)、問題出力処理部32は表示する問題が複合・派生語か否かを判定する(S1407)。そして、表示する問題が複合・派生語であれば(S1407でYES)、問題出力処理部32は複合・派生語データ取得処理を行う(S1408)。複合・派生語データ取得処理については後述する。複合・派生語データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は複合・派生語の問題表示を行う(S1411)。
【0089】
一方、表示する問題が複合・派生語でなければ(S1407でNO)、問題出力処理部32は、表示問題は成句か否かを判定する(S1409)。そして、表示する問題が成句であれば(S1409でYES)、問題出力処理部32は成句データ取得処理を行う(S1410)。成句データ取得処理については後述する。成句データ取得処理が終了すると、問題出力処理部32は成句の問題表示を行う(S1411)。また、表示する問題が成句でなければ(S1409でNO)、問題出力処理部32は、エラー表示を行う(S1412)。以上で、問題表示処理が終了する。
【0090】
次に、図15を参照して、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、単語(見出し語)タブ表示を行う(S1501)。そして、当該単語に複合・派生語があれば(S1502でYES)、問題出力処理部32は複合・派生語タブ表示を行う(S1503)。さらに、当該単語に成句があれば(S1504でNO)、問題出力処理部32は成句タブ表示を行う(S1505)。なお、複合・派生語または成句がなければ(S1502でNO、S1504でNO)、そのまま処理を進める。以上で、単語、複合・派生語、成句タブ表示処理が終了する。
【0091】
次に、図16を参照して、見出し語データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1601)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1602)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1603)。そして、種別が「見出し」であれば(S1603でYES)、「見出し」データを問題として取得する(S1604)。その後、「本文」データを解答として取得する(S1605)。一方、種別が「見出し」でなければ(S1603でNO)、処理を終了する。以上で、見出し語データの取得処理が終了する。
【0092】
次に、図17を参照して、複合・派生語データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1701)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1702)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1703)。種別が「見出し」であれば、複合・派生語の問題数Nを「0」に設定する(S1704)。
【0093】
そして、サーチポインタをカウントアップする(S1705)。カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端に位置していなければ(S1706でNO)、種別データを取得する(S1707)。そして、種別が「派生・複合語」か否かを判定する(S1708)。種別が「複合・派生語」であれば(S1708でYES)、単語帳データにおける、当該複合・派生語に対応する学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」(未暗記)か否かを判定する(S1709)。
【0094】
そして、学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」であれば(S1709でYES)、「複合・派生語」データのセパレータ以前の部分をN番目の問題として取得する(S1710)。続いて、「複合・派生語」データのセパレータ以降の部分をN番目の解答として取得する(S1711)。そして、複合・派生語の問題数Nを「1」だけカウントアップして(S1712)、ステップS1705に戻りサーチポインタをカウントアップする。
【0095】
一方、ステップS1703で、種別が「見出し語」でなければ(S1703でNO)、処理を終了する。また、ステップS1706で、カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端にあれば(S1706でYES)、そのまま処理を終了する。また、ステップS1708で種別が「複合・派生語」でなければ(S1708でNO)、ステップS1705に戻る。また、ステップS1709で、学習達成状況フラグ(複合・派生語)が「0」でなければ(S1709でNO)、ステップS1705に戻る。以上が、複合・派生語データ取得処理である。
【0096】
次に、図18を参照して、成句データ取得処理について説明する。まず、問題出力処理部32は、出題する単語の辞書データにサーチポインタを設定する(S1801)。そして、辞書データの種別データを取得し(S1802)、種別が「見出し」か否かを判定する(S1803)。種別が「見出し」であれば、成句の問題数Nを「0」に設定する(S1804)。
【0097】
そして、サーチポインタをカウントアップする(S1805)。カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端に位置していなければ(S1806でNO)、種別データを取得する(S1807)。そして、種別が「成句」か否かを判定する(S1808)。種別が「成句」であれば(S1808でYES)、単語帳データにおける、当該成句に対応する学習達成状況フラグ(成句)が「0」(未暗記)か否かを判定する(S1809)。
【0098】
そして、学習達成状況フラグ(成句)が「0」であれば(S1809でYES)、「成句」データのセパレータ以前の部分をN番目の問題として取得する(S1810)。続いて、「成句」データのセパレータ以降の部分をN番目の解答として取得する(S1811)。そして、成句の問題数Nを「1」だけカウントアップして(S1812)、ステップS1805に戻りサーチポインタをカウントアップする。
【0099】
一方、ステップS1803で、種別が「見出し語」でなければ(S1803でNO)、処理を終了する。また、ステップS1806で、カウントアップ後のサーチポインタがデータの終端にあれば(S1806でYES)、そのまま処理を終了する。また、ステップS1808で種別が「成句」でなければ(S1808でNO)、ステップS1805に戻る。また、ステップS1809で、学習達成状況フラグ(成句)が「0」でなければ(S1809でNO)、ステップS1805に戻る。以上が、成句データ取得処理である。
【0100】
次に、図19を参照して、複合・派生語のテストをスキップする処理について説明する。複合・派生語のテストをスキップする処理とは、出題対象の単語に複合・派生語が存在しない場合に、出題を次の単語に進める処理である。
【0101】
まず、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、出題が終了した次の単語の単語帳データにサーチポインタを設定する(S1901)。そして、次の単語帳データがデータの終端でなければ(S1902でNO)、当該単語帳データからデータ数(複合・派生語)を取得する(S1903)。そして、データ数(複合・派生語)が「0」か否かを判定し(S1904)、データ数(複合・派生語)が「0」であれば(S1904でYES)、ステップS1901に戻り、次の単語帳データにサーチポインタを設定する。一方、データ数(複合・派生語)が「0」でなければ(S1904でNO)、複合・派生語データ取得処理を行う(S1905)。また、ステップS1902で、サーチポインタが設定された位置がデータの終端であれば(S1902でYES)、処理を終了する。以上が、複合・派生語のテストをスキップする処理である。
【0102】
次に、図20を参照して、成句のテストをスキップする処理について説明する。成句のテストをスキップする処理とは、出題対象の単語に成句が存在しない場合に、出題を次の単語に進める処理である。
【0103】
まず、問題出力処理部32は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている、出題が終了した次の単語の単語帳データにサーチポインタを設定する(S2001)。そして、次の単語帳データがデータの終端でなければ(S2002でNO)、当該単語帳データからデータ数(成句)を取得する(S2003)。そして、データ数(成句)が「0」か否かを判定し(S2004)、データ数(成句)が「0」であれば(S2004でYES)、ステップS2001に戻り、次の単語帳データにサーチポインタを設定する。一方、データ数(成句)が「0」でなければ(S2004でNO)、成句データ取得処理を行う(S2005)。また、ステップS2002で、サーチポインタが設定された位置がデータの終端であれば(S2002でYES)、処理を終了する。以上が、成句のテストをスキップする処理である。
【0104】
次に、図21を参照して、任意のテストを行う任意テストモードにおけるテストの流れを説明する。図21は、任意テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【0105】
まず、問題出力処理部32は、テストする単語を選択させる単語帳テストメニューを表示する(S2101)。そして、全単語モードまたは低習得レベルモードが選択されると、最初の単語をテストする表示を行う(S2102、単語テスト−1)。ここでは、設定されたテスト行う。すなわち、スペリングテストおよび意味テストの両方のテスト行う設定であれば、スペリングテスト→意味テストの順でテスト行う。いずれかのテスト行う設定であれば、設定されているテスト行う。そして、テストが終了し、切り替え指示を受けなければ、次の単語のテストを行う(S2103、単語テスト−2)。一方、テストが終了し、単語テストから複合・派生語テストへの切り替え指示を受けると、問題出力処理部32は、当該単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2111、複合・派生語テスト−1)。複合・派生語テストも、単語テストと同様にスペリングテスト→意味テストの順にテストを行う。また、成句テストへの切り替え指示を受けると、問題出力処理部32は、成句テスト画面を表示する(S2121、成句テスト−1)。成句テストは、スペリングテストはなく、意味テストのみを行う。
【0106】
そして、複合・派生語テストまたは成句テストが終了後、切り替え指示を受けなければ、それぞれのテストを次の単語について行う。すなわち、複合・派生語テスト−1が終了した後、問題出力処理部32は、次の単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2112、複合・派生語テスト−2)。同様に、成句テスト−1が終了した後、問題出力処理部32は、次の単語の成句テスト画面を表示する(S2122、成句テスト−2)。
【0107】
このようにして、出題用として抽出された10個の単語のテストが終了すると、ステップS2101に戻る。以上が、任意テストモードにおけるテストの流れである。
【0108】
次に、図22を参照して、選択したテスト対象を全て行う選択テストモードにおけるテスト流れを説明する。図22は、選択テストモードにおけるテストの流れを示すフローチャートである。
【0109】
まず、問題出力処理部32は、任意テストモードの場合と同様に、テストする単語を選択させる単語帳テストメニューを表示する(S2201)。そして、全単語モードまたは低習得レベルモードが選択されると、最初の単語をテストする表示を行う(S2202、単語テスト−1)。ここでは、設定されたテスト行う。すなわち、スペリングテストおよび意味テストの両方のテスト行う設定であれば、スペリングテスト→意味テストの順でテスト行う。いずれかのテスト行う設定であれば、設定されているテスト行う。そして、テストが終了すると、当該単語の複合・派生語テスト画面を表示する(S2203、複合・派生語テスト−1)。複合・派生語テストも、単語テストと同様にスペリングテスト→意味テストの順にテストを行う。次に、問題出力処理部32は、成句テスト画面を表示する(S2204、成句テスト−1)。成句テストは、スペリングテストはなく、意味テストのみを行う。
【0110】
そして、単語テスト−1、当該単語の複合・派生語テスト−1、成句テスト−1が終了すると、問題出力処理部32は、次の単語の単語テスト画面を表示する(S2205、単語テスト−2)。その後、当該単語の複合・派生語テスト(S2206、複合・派生語テスト−2)、成句テスト(S2207、成句テスト−2)と進み、抽出された10個の単語すべての単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストが終了すると(S2210)、ステップS2201に戻る。以上が、選択テストモードにおけるテストの流れである。
【0111】
次に、図23を参照して、選択されたテスト対象が1種類の場合について説明する。図23は、選択されたテスト対象が1種類の場合についての説明図であり、図23(a)は、単語のみが選択された設定画面701の状態を示す図であり、図23(b)は、単語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートであり、図23(c)は、複合・派生語のみが選択された設定画面701の状態を示す図であり、図23(d)は、複合・派生語のみが選択された場合のテストの流れを示すフローチャートである。
【0112】
図23(a)に示すように、テスト対象として単語のみが選択された場合、図23(b)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1のテスト画面を表示し(S2301)、次に単語−2のテスト画面を表示し(S2302)、というように、単語のテスト画面のみを順に表示していく。このようにして、抽出された10個の単語のテストを行って、処理が終了する。
【0113】
また、図23(c)に示すように、テスト対象として複合・派生語のみが選択された場合、図23(d)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1の最初の複合・派生語である複合・派生語1−1のテスト画面を表示する(S2311)。次に、問題出力処理部32は、当該単語の次の複合・派生語である複合・派生語1−2のテスト画面を表示する(S2312)。このようにして、当該単語の全ての複合・派生語テストが終了すると、次の単語へ進む。そして、次の単語に複合・派生語が存在しなければ、さらに、次の単語に進む。そして、当該単語の複合・派生語3−1のテスト画面を表示する(S2314)。このようにして、抽出された10個の単語の全ての複合・派生語のテストを行って処理が終了する。
【0114】
次に、図24を参照して、選択されたテスト対象が複数種類の場合について説明する。図24は、選択されたテスト対象が複数種類の場合についての説明図であり、図24(a)は、単語、複合・派生語、成句が選択された状態を示す図であり、図24(b)は、単語、複合・派生語、成句が選択された場合のテスト流れを示すフローチャートである。
【0115】
図24(a)に示すように、テスト対象として、単語、複合・派生語、成句が選択された場合、図24(b)に示すように、問題出力処理部32は、まず、最初の単語である単語−1のテスト画面を表示する(S2401)。次に、問題出力処理部32は、当該単語−1の最初の複合・派生語である複合・派生語1−1のテスト画面を表示する(S2402)。そして、単語−1の複合・派生語のテストが全て終了すると(S2404)、問題出力処理部32は、単語−1の最初の成句である成句1−1のテスト画面を表示する(S2405)。そして、単語−1の全ての成句のテストが終了すると(S2406)、問題出力処理部32は、次の単語である単語−2のテスト画面を表示する(S2407)。単語−2には、複合・派生語および成句は存在しないので、問題出力処理部32は、次に、単語−3のテスト画面を表示する(S2408)。その後、単語−3の複合・派生語、成句のテストを行い、抽出した10個すべての単語の単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストを行うと、テストを終了する。
【0116】
なお、任意テストモードにおいて、単語テスト、複合・派生語テスト、成句テストの切り替えを行う場合、切り替え後は、切り替え先の最初からテストが行われる。
【0117】
また、図24(b)には、単語1について複合・派生語は3つ、成句が2つ、単語2については、複合・派生語、成句ともになし、単語3については複合・派生語が2つ、成句が3つ存在する場合を示している。
【0118】
(テスト処理)
次に、テスト処理について、図25〜28を参照して説明する。まず、スペリングテストにおける処理について、図25、26を参照して、説明する。図25は、スペリングテストの処理の流れを示すフローチャートである。また、図26は、スペリングテストにおける表示画面を示すであり、図26(a)は問題表示を示す図であり、図26(b)は解答表示を示す図である。
【0119】
スペリングテストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、問題表示画面を表示し(S2501)、出題対象の単語または複合・派生語の音声を出力する(S2502)。問題表示画面2601には、図26(a)に示すように、「音声を聞いてスペルを思い浮かべてください。」と表示されるとともに、「音声」キーが選択されると、再び音声を出力することが、「検索/決定」キーが選択されると解答を表示することが表示されている。
【0120】
次に、問題出力処理部32は、「音声」キーが選択されたか否かを判定し(S2503)、選択されれば(S2503でYES)、再び音声を出力する(S2502)。一方、「音声」キーが選択されなければ(S2503でNO)、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2504)、「検索/決定」キーが選択されると(S2504でYES)、解答表示を行う(S2505)。解答表示画面2602には、図26(b)に示すように、「解答を表示します。スペルは暗記できていましたか?」と表示されるとともに、正解のスペルが表示され、さらに、ユーザが、暗記できていれば「↑」キーを、できていなければ「↓」キーを選択するようにして、ユーザの暗記/未暗記を取得できる表示がされている。
【0121】
そして、解答受付部33は、「↑」キー、または「↓」キーの入力を受け付けると(S2506でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S2507)。以上で、スペリングテストの処理が終了する。
【0122】
次に、意味テストにおける処理について、図27、28を参照して説明する。図27は、意味テストの処理の流れを示すフローチャートである。また、図28は、意味テストにおける表示画面を示すであり、図28(a)は問題表示を示す図であり、図28(b)は解答表示を示す図であり、図28(c)は解答入力表示を示す図である。
【0123】
意味テストを行う場合、まず、問題出力処理部32は、問題表示画面を表示し(S2701)、出題対象の単語または複合・派生語の音声を出力する(S2702)。問題表示画面2801には、図28(a)に示すように、「次のスペルの意味を思い浮かべてください。」と表示されるとともに、「検索/決定」キーが選択されると解答を表示することが表示されている。
【0124】
次に、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2504)、「検索/決定」キーが選択されると(S2504でYES)、解答表示を行う(S2505)。解答表示画面2802には、図28(b)に示すように、出題した単語の意味が表示されている。図28(b)に示す例では、「Apple」の意味である「りんご」等の表示がされている。
【0125】
さらに、問題出力処理部32は、「検索/決定」キーが選択されたか否かを判定し(S2705)、「検索/決定」キーが選択されると(S2705でYES)、解答入力表示を行う(S2706)。解答入力表示画面2803には、図28(c)に示すように、「スペルの意味は暗記できていましたか?」と表示されるとともに、スペルが表示され、さらに、ユーザが、暗記できていれば「↑」キーを、できていなければ「↓」キーを選択するようにして、ユーザの暗記/未暗記を取得できる表示がされている。
【0126】
そして、解答受付部33は、「↑」キー、または「↓」キーの入力を受け付けると(S2707でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データを更新する(S2708)。具体的には、「↑」(覚えていた)キーの入力を受け付けると、当該見出し語、複合・派生語、または成句に対応する学習達成状況フラグ(単語)415、学習達成状況フラグ(複合・派生語)416、または学習達成状況フラグ(成句)417のフラグを「1」とする。以上で、意味テストの処理が終了する。
【0127】
(学習進捗保存処理)
次に、学習進捗保存処理について、図29、30を参照して説明する。まず、学習進捗保存処理の流れについて図29を参照して説明する。図29は、学習進捗保存処理を説明するための図であり、図29(a)は、学習進捗保存処理の流れを示すフローチャートであり、図29(b)は、サーチポインタの初期化を説明するための図である。
【0128】
まず、習得結果処理部22は、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データをサーチするためのサーチポインタを初期化する。ここで、サーチポインタの初期化とは、図29(b)に示すように、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データのうち、最初の単語帳データにサーチポインタを位置決めすることをいう。そして、習得結果処理部22は、単語帳データの学習状況達成フラグを確認し(S2902)、学習達成状況フラグ(単語)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)、学習達成状況フラグ(成句)の全てについて、フラグが「1」となっているか否かを判定する(S2903)。そして、全てについてフラグが「1」となっていれば(S2903でYES)、習得結果処理部22は、単語帳データの習得レベルを「+1」にする(S2904)。
【0129】
その後、単語帳データの学習達成状況フラグ(単語)、学習達成状況フラグ(複合・派生語)、学習達成状況フラグ(成句)を初期化し(S2905)、学習済みフラグ418を「1」にして(S2906)、サーチポインタをカウントアップする(S2907)。そして、カウントアップ後のサーチポインタの位置がデータの終端であれば(S2908でYES)、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新する(S2909)。
【0130】
一方、ステップS2903で、全てについてフラグが「1」となっていない場合(S2903でNO)、サーチポインタをカウントアップする(S2907)。以上で、学習進捗保存処理が終了する。
【0131】
次に、図30を参照して、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データの内容に、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データを更新することについて説明する。図30に示すように、出題用単語帳記憶部34に、単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが記憶されている場合、単語帳データ記憶部42に記憶されている、これらの単語帳データが更新される。すなわち、出題用単語帳記憶部34に記憶されている単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLが、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データAA、BC、CD、EF、EG、EH、IJ、KL、KM、およびLLに上書きされる。
【0132】
(進捗表示処理)
以下、図31〜図36を参照しながら、進捗表示処理について説明する。
【0133】
ここで、本実施の形態における進捗表示とは、ユーザの学習の進捗状況を、単語、複合・派生語、成句の別でグラフ表示することをいう。具体的には、第一に、テスト方法を選択する画面に(図6(b)のステップS611)、それまでの学習の進捗状況を、単語帳に登録されている単語について総合的に表示する(図31)。第二に、テストの実行中に各問題を表示する画面に(図6(b)のステップS613)、画面に出題されている単語、複合・派生語、成句の進捗状況を表示する(図13)。
【0134】
そして、進捗表示処理は、問題表示処理部32の制御によって実行される。問題表示処理部32が表示する表示内容のうち、単語、複合・派生語、成句それぞれの進捗グラフは、進捗表示処理部24が表示内容を規定するデータを生成し、これに基づいて所定の形態で進捗グラフを表示する。
【0135】
なお、進捗グラフは、単語、複合・派生語、成句それぞれで色を変えて表示しても良い。また、本実施の形態では、棒グラフによって表示する実施例を説明するが、表示の形態は棒グラフに限定されず、他の形状の図形による表示や、比率を示す数字等の文字による表示でも構わない。
【0136】
まず、図31を参照しながら、テスト方法を選択する画面における進捗表示について説明する。図31は、テスト方法を選択する画面における進捗表示の表示画面例である。
【0137】
図31に示すように、テスト方法を選択する際には(図6(b)のステップS611)、単語、複合・派生、成句それぞれの総合的な学習進捗を表示する画面3101と、単語毎の学習進捗を表示する画面3102とが、「切替」キーにより切り替えて表示できるようになっている。なお、「切替」キーではなく、画面上方の[全単語]タブあるいは[単語帳テスト]タブを選択することによって画面を切替可能としても良い。
【0138】
具体的には、画面3101では、画面上方から、単語、複合・派生、成句の順で、単語帳に登録されているもののうち、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みのものの割合が、画面横方向に沿った棒グラフとして表示されている。例えば、一番上の単語グラムでは、単語帳に登録されている全単語の数に対する、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みである単語の数の割合が、画面横方向に沿った棒グラフとして表示されている。
【0139】
さらに、画面3101では、単語帳テストのモードが選択できるようになっている。本実施の形態では、単語帳テストのモードとしては、単語帳に登録されているすべての単語を対象にテストを行う全単語モードと、単語帳に登録されている単語のうち、習得レベルの低い単語を対象にテストを行う低習得レベルモードとがある。出題処理部23は、画面3101において、ユーザが単語帳テストのモードを選択することにより、単語帳テストを開始する。
【0140】
また、画面3102では、画面上方から、単語帳に登録されている単語毎に、単語、複合・派生、成句それぞれの、過去のテストで正解した、すなわち、暗記済みのものの割合を示す棒グラフを、画面横方向に沿って連結されたグラフ枠内に表示されている。そして、各単語について、見出し語の表示の右隣に、3つの棒グラフの枠領域が横方向に連結されたグラフ表示領域があり、さらのその右隣に、見出し語の習得レベルが表示されている。3つの棒グラフは、左からそれぞれ、単語の進捗状況を示す単語グラフ、複合・派生の進捗状況を示す複合・派生グラフ、成句の進捗状況を示す成句グラフである。
【0141】
また、図13に示すように、問題表示画面では、その画面で出題されている単語、複合・派生語、成句の進捗状況が、画面3102(図31)と同じ形態で表示されている。
【0142】
次に、進捗グラフのグラフ枠について説明する。図32は、進捗グラフのグラフ枠の例を示す説明図である。
【0143】
進捗表示処理部24は、単語帳テスト設定に応じて、単語、複合・派生語、成句のグラフ枠(グラフ表示領域)を表示するか否かを決定する。具体的には、例えば、単語帳テスト設定で単語、複合・派生語、成句のすべてがチェックされている場合、単語、複合・派生語、成句のすべてのグラフ枠、すなわちグラフを表示する(図32(a))。また、単語帳テスト設定で単語、複合・派生語がチェックされており、成句のチェックが外されている場合、単語、複合・派生語のグラフ枠を表示し、成句のグラフ枠は表示しない(図32(b))。また、単語帳テスト設定で単語のみチェックされており、複合・派生語、成句のチェックが外されている場合、単語のグラフ枠のみを表示し、複合・派生語、成句のグラフ枠は表示しない(図32(c))。
【0144】
また、同様に、進捗表示処理部24は、複合・派生語、成句が存在しない単語の場合も、そのグラフ枠、すなわちグラフを表示しない。なお、複合・派生語、成句が存在するか否かは、単語帳データのデータ数(複合・派生語)413、データ数(成句)414によって確認できる(図4(a))。
【0145】
次に、進捗グラフの作成方法を説明する。図33は、進捗グラフの作成方法を示す説明図である。ここでは、単語、複合・派生語、成句のグラフの作成方法を、図33(a)に示すデータ例を元に説明する。
【0146】
単語グラフについては、1つの単語帳データに登録できる単語が1つだけであるため、単語のグラフ枠内を学習達成フラグ(単語)415(図4(a))の状態に合わせて塗りつぶす。すなわち、図33(a)の例の場合、“学習達成状況フラグ(単語)=1”であり、当該単語は学習済みであるため、単語のグラフ枠内の全領域を緑色で塗りつぶすことになる(図33(b))。
【0147】
複合・派生語および成句については、1つの単語帳データに登録できる複合・派生語および成句のデータ数が見出し語(単語)によって異なる。そのため、複合・派生語および成句のデータ数によってそれぞれのグラフ枠(描画領域)を分割し、学習達成状況フラグが“1(学習済み)”の数だけ、グラフ枠の左から塗りつぶす処理を行う。すなわち、図33(a)の例の場合、複合・派生語については、“データ数(複合・派生語)=3”かつ“学習達成状況フラグ(複合・派生語)101”であり、3つの複合・派生語のうち2つが学習済みであるため、複合・派生語のグラフ枠の左から3分の2の領域を青色で塗りつぶすことになる(図33(c))。また、成句については、“データ数(成句)=4”かつ“学習達成状況フラグ(成句)1101”であり、4つの成句のうち3つが学習済みであるため、成句のグラフ枠の左から4分の3の領域をオレンジ色で塗りつぶすことになる(図33(d))。
【0148】
次に、学習が進捗するに伴って、進捗グラフがどのように変化するかを説明する。図34は、学習の進捗に伴う、進捗グラフの変化を示す説明図である。なお、図34に示す一例は、単語1つ、複合・派生語3つ、成句4つが含まれる見出し語(単語帳データ)の場合である。
【0149】
図34に示すように、学習開始直後は、単語帳テストを行っていないので、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417はいずれも、すべてのデータについて“0”であるため、グラフ枠内は塗りつぶされず、また、習得レベル412も“1”であるため、「レベル1」と表示される。
【0150】
その後、学習が進み、単語帳テストで正解することにより、対応する単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が“1”に書き換えられると、単語、複合・派生語、成句のグラフ枠が、それぞれの全データ数に対する暗記済みとなっているデータの数に応じた面積が塗りつぶされる。
【0151】
そして、「レベル1」の学習で、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417のいずれもが、すべてのデータについて“1”となったとき、習得レベル412が“2”と書き換えられるとともに、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が、すべてのデータについて“0”にクリアされる。その結果、「レベル2」の開始直後の進捗グラフでは、グラフ枠内は塗りつぶされず、「レベル2」と表示される。
【0152】
以後は、同様であり、単語帳テストで正解することにより、対応する単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が“1”に書き換えられるため、複合・派生語、成句の各グラフ枠がそれぞれの全データ数に対する暗記済みとなっているデータの数に応じた面積が塗りつぶされる。そして、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417のいずれもが、すべてのデータについて“1”となったとき、習得レベル412を1だけ加算されるとともに、単語、複合・派生語、成句の学習達成状況フラグ415・416・417が、すべてのデータについて“0”にクリアされるため、進捗グラフも塗りつぶしのない状態に初期化される。
【0153】
このように、学習達成状況フラグによって各データが暗記されたかどうかを記録すると共に、見出し語毎に習得の程度を示す習得レベルを記録し、単語、複合・派生語、成句の学習が完了すると習得レベルがアップさせるとともに、学習達成状況フラグをクリアする。これにより、習得の悪い単語、複合・派生語、成句を優先して、単語帳テストを行うことができる。
【0154】
なお、上記の説明では、見出し語および関連語毎の学習達成状況をフラグ(学習達成状況フラグ)の形態で記録したため、習得レベルをアップさせる際に、見出し語に対応付けられた全ての学習達成状況フラグ、すなわち、該見出し語および該見出し語に対応付けられている全ての関連語についての学習達成状況フラグをクリアして、未暗記であることを示す状態にした。しかし、見出し語および関連語毎の学習達成状況は、フラグではなく、複数段階を管理できるデータ形態で記録してもよい。この場合、習得レベルをアップさせる際に、見出し語および関連語毎の学習達成状況を示す情報(学習達成状況情報)をクリアせずに、見出し語または関連語が次の習得レベルにおいて暗記済みとなったときに、数値を1だけ加算するなど、見出し語または関連語毎の習得レベルを所定数だけ上げるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、見出し語および関連語毎の学習達成状況情報を1→2→3というように加算される数値情報とし、3回暗記していれば(すなわち、見出し語に対応付けられた全ての学習達成状況情報が“3”となったとき)、習得レベルを1上げるというような習得レベル管理が可能となる。
【0155】
次に、図35を参照しながら、総合的な学習進捗を表示する画面3101を表示する処理の詳細について説明する。図35は、総合的な学習進捗を表示する画面3101を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【0156】
まず、問題出力処理部32は、画面3101(図31)を表示する際、進捗表示処理部24に、単語帳データ記憶部42に記憶されている全単語帳データに基づく進捗グラフを表示するためのデータを生成するように指示する。
【0157】
進捗表示処理部24は、この指示を受けて、単語、複合・派生語、成句それぞれの総数および達成数のデータを初期化する(S3501、S3502、S3503)。
【0158】
次に、進捗表示処理部24は、単語帳データ記憶部42に記憶されている単語帳データの先頭にサーチポインタを移動させる(S3504;図35(b))。
【0159】
そして、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、複合・派生語、成句それぞれのデータ数413、414(図4(a))及び単語、複合・派生語、成句それぞれの学習達成状況フラグ415、416、417(図4(a))を取得する(S3505)。
【0160】
そして、進捗表示処理部24は、単語の総数を1だけ加算する。これは、1つの単語帳データに登録できる単語が1つだけであるためである。また、取得した学習達成状況フラグ(単語)415が“1”であれば、単語の達成数を1だけ加算する(S3506)。
【0161】
さらに、進捗表示処理部24は、取得したデータ数(複合・派生語)413を、複合・派生語の総数に加算する。また、取得した学習達成状況フラグ(複合・派生語)416に含まれる“1”の数を数え、それを複合・派生語の達成数に加算する(S3507)。
【0162】
さらに、進捗表示処理部24は、取得したデータ数(成句)414を、成句の総数に加算する。また、取得した学習達成状況フラグ(成句)417に含まれる“1”の数を数え、それを成句の達成数に加算する(S3508)。
【0163】
その後、進捗表示処理部24は、上記の処理(S3505〜S3508)を、サーチポインタを進めながら(S3509)、データ終端に到達するまで繰り返す(S3510でNO)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。
【0164】
そして、進捗表示処理部24は、サーチポインタがデータ終端に到達したとき、すなわち、単語帳データ記憶部42に記憶されているすべての単語帳データの処理を終えたとき(S3510でYES)、算出した単語、複合・派生語、成句それぞれの総数および達成数のデータに基づいて、単語、複合・派生語、成句それぞれについて、総数に対する達成数の比率を算出して、その比率に応じた形状で進捗グラフを表示する(S3511、S3512、S3513;図31の画面3101)。
【0165】
次に、図36を参照しながら、単語帳テストの際に問題表示画面(図13)を表示する処理の詳細について説明する。図36は、問題表示画面を表示する処理の説明図であり、(a)は処理の流れを示すフローチャート、(b)は出題用単語帳データのサーチの概要を示す説明図である。
【0166】
まず、問題出力処理部32は、単語帳テストを開始する際、出題用単語帳データ記憶部34に記憶されている出題用単語帳データの先頭にサーチポインタを移動させる(S3601;図36(b))。
【0167】
そして、問題出力処理部32は、サーチポインタが指す単語帳データから、見出し語410を取得し、その文字列を出題画面に表示する(S3602)。
【0168】
次に、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、学習達成状況フラグ(単語)415(図4(a))を取得する(S3603)。そして、学習達成状況フラグ(単語)415の値に応じて、単語グラフを表示する(S3604)。具体的には、学習達成状況フラグ(単語)415が“1”であれば、単語のグラフ枠内の全領域を塗りつぶし、“0”であれば、単語のグラフ枠内を塗りつぶさずに表示する。
【0169】
さらに、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、データ数(複合・派生語)413(図4(a))及び学習達成状況フラグ(複合・派生語)416(図4(a))を取得する(S3605)。そして、取得した学習達成状況フラグ(複合・派生語)416に含まれる“1”の数(暗記済み数)を数え、データ数(複合・派生語)413に対する比率を算出して、その比率に応じた形状で複合・派生語グラフを表示する(S3506)。具体的には、複合・派生語のグラフ枠を上記比率だけ塗りつぶして表示する。
【0170】
さらに、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、データ数(成句)414(図4(a))及び学習達成状況フラグ(成句)417(図4(a))を取得する(S3607)。そして、取得した学習達成状況フラグ(成句)414に含まれる“1”の数(暗記済み数)を数え、データ数(成句)417に対する比率を算出して、その比率に応じた形状で成句グラフを表示する(S3508)。具体的には、成句のグラフ枠を上記比率だけ塗りつぶして表示する。
【0171】
次に、進捗表示処理部24は、サーチポインタが指す単語帳データから、習得レベル412(図4(a))を取得し(S3609)、進捗グラフの近傍に表示する(S3610)。
【0172】
その後、問題出力処理部32および進捗表示処理部24は、上記の処理(S3602〜S3610)を、サーチポインタを進めながら(S3611)、データ終端に到達するまで、すなわち、出題用単語帳記憶部34に読み込まれた10問の処理が終わるまで繰り返す(S3612でNO)。なお、データ終端であるか否かは、例えば、ワードナンバーが所定値“0xFFFFFFFF”(図5(d))であることを検出することによって判定できる。
【0173】
なお、画面3102(図31)の進捗グラフの表示方法も、上記の処理と同じ処理によって表示できる。
【0174】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
(ソフトウェアによる処理)
最後に、電子辞書1の各ブロック、特に制御部13の単語帳データ登録部21、習得結果処理部22、出題処理部23、進捗表示処理部24、出題用単語帳抽出部31、問題出力処理部32、解答受付部33、表示切替部35、および出題表示部36は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していてもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0176】
後者の場合、電子辞書1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子辞書1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子辞書1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0177】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0178】
また、電子辞書1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0179】
見出し語に関連した語句である、派生語、複合語、成句のみを連続して出題することができるので、単語のテストを行う装置、例えば、テスト機能の付いた電子辞書に好適である。
【符号の説明】
【0180】
1 電子辞書
11 キー操作部(入力受付部)
12 表示部
22 習得結果処理部(学習済情報記録手段)
31 出題用単語帳抽出部(問題抽出手段)
32 問題出力処理部(選択受付手段)
33 解答受付部(暗記済情報記録手段)
36 出題表示部(問題表示手段)
41 辞書データ記憶部
42 単語帳データ記憶部(出題データ記憶部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書において、
上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、
上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、
上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、
上記選択受付手段が関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えていることを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
出題された見出し語または関連語をユーザが暗記済みか否かの入力を受け付ける入力受付部と、
上記入力受付部が暗記済みの入力を受け付けると、上記出題データ記憶部に、見出し語または関連語に対応付けて、当該見出し語または関連語が暗記済みであることを示す暗記済情報を記録する暗記済情報記録手段と、を備え、
上記問題表示手段は、上記関連語を問題として上記表示部に表示させるときに、上記問題抽出手段が抽出した見出し語に対応付けられた1または複数の関連語のうち、暗記済情報が記録されていない関連語を表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子辞書。
【請求項3】
上記出題データ記憶部に、1つの見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語の全てについて暗記済情報が記録されると、該見出し語に対応付けて学習済情報を記録する学習済情報記録手段を備え、
上記問題抽出手段は、上記出題データ記憶部に記憶された見出し語のうち、学習済情報が記録された見出し語以外の見出し語を問題として抽出することを特徴とする請求項2に記載の電子辞書
【請求項4】
上記関連語は、上記見出し語の派生語、該見出し語を含む複合語、および該見出し語を含む成句の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子辞書。
【請求項5】
上記選択受付手段は、問題として上記表示部に、上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれを表示するかの選択を受け付け、
上記問題表示手段は、上記選択受付手段が受け付けた上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれかのみを、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させることを特徴とする請求項4に記載の電子辞書。
【請求項6】
見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書の制御方法であって、
上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、
上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、
上記選択受付ステップで関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含むことを特徴とする電子辞書の制御方法。
【請求項1】
見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書において、
上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部と、
上記出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出手段と、
上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付手段と、
上記選択受付手段が関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出手段が抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示手段と、を備えていることを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
出題された見出し語または関連語をユーザが暗記済みか否かの入力を受け付ける入力受付部と、
上記入力受付部が暗記済みの入力を受け付けると、上記出題データ記憶部に、見出し語または関連語に対応付けて、当該見出し語または関連語が暗記済みであることを示す暗記済情報を記録する暗記済情報記録手段と、を備え、
上記問題表示手段は、上記関連語を問題として上記表示部に表示させるときに、上記問題抽出手段が抽出した見出し語に対応付けられた1または複数の関連語のうち、暗記済情報が記録されていない関連語を表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子辞書。
【請求項3】
上記出題データ記憶部に、1つの見出し語および該見出し語に対応付けられた1または複数の関連語の全てについて暗記済情報が記録されると、該見出し語に対応付けて学習済情報を記録する学習済情報記録手段を備え、
上記問題抽出手段は、上記出題データ記憶部に記憶された見出し語のうち、学習済情報が記録された見出し語以外の見出し語を問題として抽出することを特徴とする請求項2に記載の電子辞書
【請求項4】
上記関連語は、上記見出し語の派生語、該見出し語を含む複合語、および該見出し語を含む成句の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子辞書。
【請求項5】
上記選択受付手段は、問題として上記表示部に、上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれを表示するかの選択を受け付け、
上記問題表示手段は、上記選択受付手段が受け付けた上記派生語、上記複合語、および上記成句のいずれかのみを、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させることを特徴とする請求項4に記載の電子辞書。
【請求項6】
見出し語と該見出し語の意味とを対応付けて記憶しているとともに、上記見出し語に関連する語である関連語と該関連語の意味とを対応付けて記憶し、かつ、上記見出し語と1または複数の上記関連語とを対応付けて記憶している辞書データ記憶部を備え、表示部に問題を表示する電子辞書の制御方法であって、
上記問題として出題可能な見出し語を記憶する出題データ記憶部から、所定の数の見出し語を出題する問題として抽出する問題抽出ステップと、
上記表示部に、問題として、見出し語または関連語のいずれを表示するかの選択を受け付ける選択受付ステップと、
上記選択受付ステップで関連語が選択されたことを受け付けると、上記問題抽出ステップで抽出した、所定の数の見出し語それぞれと対応付けられた1または複数の関連語を、所定のタイミングで連続して、問題として上記表示部に表示させる問題表示ステップと、を含むことを特徴とする電子辞書の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2012−22153(P2012−22153A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160006(P2010−160006)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]