電子部品および電子部品の接続構造
【課題】電極端子の電極面に対する可撓性導体の接合不良などが発生しにくい。
【解決手段】電子部品本体110と、前記電子部品本体110から突出し、電極面に可撓性導体400が接合されることにより電子部品100と外部電極とを電気的に接続する電極端子120と、絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体110に接合されたホルダ130と、を備える電子部品100であって、前記ホルダ130は、前記電子部品100が取付板500に取り付けられた際に前記取付板500と前記電子部品本体110との間に介在し、前記電極端子120における前記電極面と反対側の面と当接している。
【解決手段】電子部品本体110と、前記電子部品本体110から突出し、電極面に可撓性導体400が接合されることにより電子部品100と外部電極とを電気的に接続する電極端子120と、絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体110に接合されたホルダ130と、を備える電子部品100であって、前記ホルダ130は、前記電子部品100が取付板500に取り付けられた際に前記取付板500と前記電子部品本体110との間に介在し、前記電極端子120における前記電極面と反対側の面と当接している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品および電子部品の接続構造に関する。より詳しくは、表面実装型電子部品の端子と回路基板とを電気的に接続する際の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装型部品と回路基板との電気的な接続方法としては様々な方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば特許文献1に記載のように、表面実装型トランスを回路基板上に形成された導電パターンと電気的に接続する方法としては、トランスのリード端子と回路基板上の導電パターンとをハンダなどで固定する方法が採用されている。また、これ以外の方法としては、リード端子と導電パターンとの間に金属パッドを介在させてレーザ溶着する方法や、導電性接着剤を用いてリード端子と導電パターンとを接着する方法なども知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−168609号公報参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表面実装型部品をハンダにて固定する方法や導電性接着剤を用いて接着する方法では、電子部品から突出しているリード端子の反りや曲がりに起因して接合不良が発生することがあり、また、接合部分の信頼性も高くはなかった。また、レーザ溶着により固定する方法では、金属パッドが必要であるため、部材コストの上昇を招くという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、電子部品本体と、前記電子部品本体から突出し、電極面に可撓性導体が接合されることにより前記電子部品と外部電極とを電気的に接続する電極端子と、絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体に接合されたホルダと、を備える電子部品であって、前記ホルダは、前記電子部品が取付板に取り付けられた際に前記取付板と前記電子部品本体との間に介在し、前記電極端子における前記電極面と反対側の面と当接していることを特徴とする電子部品を提供する。
【0006】
このような電子部品によれば、電極端子が電極面と反対側の面においてホルダと当接しているので、電極端子に反りや曲がりが生じにくい。したがって、例えば超音波接合などの方法を用いて電極面に可撓性導体を接合する際に接合不良などが発生しにくい。また、ホルダが絶縁性材料で形成されているので、電子部品を取り付ける取付板として放熱性に優れる金属板を用いることができる。
【0007】
また、上記電子部品における前記ホルダおよび前記電極端子の少なくとも一方には、前記電極端子が前記ホルダから離れる方向へ移動するのを規制する規制部が設けられていることが好ましい。
【0008】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのをより確実に抑えることができる。
【0009】
また、上記電子部品において、前記規制部は、前記電極端子と一体に設けられ、前記電極端子を前記ホルダに係止することが好ましい。
【0010】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのを簡易な構成によって確実に抑えることができる。
【0011】
また、上記電子部品において、前記規制部は、前記ホルダ側に設けられ、前記電極端子を前記電極面が露出した状態で保持することが好ましい。
【0012】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのを簡易な構成によってより確実に抑えることができる。
【0013】
また、本発明は、の電子部品と、前記電子部品が取り付けられる取付板と、前記取付板における前記電子部品と異なる位置に取り付けられる回路基板と、
一端が前記回路基板と電気的に接続されるとともに、他端が前記電極面に接合される可撓性導体と、を備えることを特徴とする電子部品の接続構造を提供する。
【0014】
このような接続構造によって上記の電子部品を回路基板と接続することにより、電極面に可撓性導体を接合する際に接合不良などが発生しにくい。また、ホルダが絶縁性材料で形成されているので、電子部品を取り付ける取付板として放熱性に優れる金属板を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る電子部品100の上面図である。
【図2】電子部品100の側面図である。
【図3】金属ベース500上に接着剤200によって固定された固定された電子部品100の側面図である。
【図4】電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。
【図5】電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。
【図6】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図7】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100の他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図8】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図9】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図10】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図11】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る電子部品100の上面図である。また、図2は、電子部品100の側面図である。図3は、金属ベース500上に接着剤200によって固定された固定された電子部品100の側面図である。また、図4および図5は、電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。なお、電子部品100を金属ベース500上に固定する接着剤200と、回路基板300を金属ベース500上に固定する接着剤210には同じものを用いてもよい。
【0018】
本実施形態の電子部品100は、例えば車両用放電灯の制御装置に用いられる表面実装型のトランスであり、図1に示すように、電子部品本体110と、電子部品本体110の側方から延びる複数の電極端子120と、電子部品本体110の下方に配されて電子部品本体110と接合されているホルダ130と、を備える。なお、本例では、略直方体の電子部品本体110と、電子部品本体110の一方の側面から複数の電極端子120が突出する電子部品100を例示するが、電子部品100における電子部品本体110の形状や電極端子120の数などは本例に限られない。
【0019】
複数の電極端子120は、いずれも断面が略矩形の導体平板であって、略直方体の電子部品本体110の側面の下端から当該側面と垂直に(底面と平行に)突出している。ホルダ130は、例えば絶縁性の樹脂材料により形成され、電子部品本体110の底面に接合されている。そして、本例では、このホルダ130は、電極端子120の下面122まで延在しており、当該下面122と当接している。
【0020】
本例の電子部品100を車両用放電灯の制御装置に使用する場合、電子部品100は、例えば共通の取付板に取り付けられた回路基板と電気的に接続されるが、このような構成は、例えば図3から図5に示す方法により組み立てられる。すなわち、まず、図3に示すように、電子部品100を金属ベース500上に接着剤200によって固定し、その後、図4および図5に示すように、金属ベース500上における電子部品100と異なる位置に接着剤210によって固定された回路基板300と電子部品100の電極端子120とを金属リボン400によって接続される。なお、金属リボン400は、本発明における可撓性導体の一例である。また、金属ベース500は、本発明における取付板の一例である。
【0021】
より具体的には、まず、図4に示すように、リボンガイド1100から引き出された金属リボン400の先端部を電極端子120の上面121と当接させて接合用ツール1000によって金属リボン400に超音波振動を与えることによって金属リボン400を電極端子120の上面121(電極面)に接合する。そして、リボンガイド1100からさらに金属リボン400を引き出して当該金属リボン400を回路基板300の上面に形成された導電パターンに上記と同様に接合する。
【0022】
ここで、上記のように、電極端子120の下面122がホルダ130と当接しているので、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を超音波接合する際に電極端子120が下側からホルダ130によって支持される。したがって、金属リボン400との接合の際に電極端子120に反りや曲がりが生じにくく、接合不良などが発生しにくい。また、本例では、ホルダ130が絶縁性を有する材料で形成されているので、電子部品100を放熱性に優れる金属ベース500に取り付けることができる。
【0023】
次に、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100について説明する。図6は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100における電極端子120近傍を拡大した図である。なお、図6では、電極端子120の構造を説明するための便宜上、ホルダ130を想像線で示している(図7および図8についても同様)。
【0024】
図6に示す端子構造では、電極端子120の先端部125が二つに分割されている。そして、電子部品100を組み立てる際には、図6に示すように、電極端子120の先端部125の一方をホルダ130に設けられた端子挿通穴131に挿通するとともに、電極端子120の先端部125における当該一方と他方とでホルダ130を抱え込むように当該先端部125を折り曲げる。
【0025】
これにより、電極端子120の先端部125は、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120をこのような端子構造とすることにより、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくい。
【0026】
図7は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100の他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図7に示す端子構造では、電極端子120の電子部品本体110側に電極端子120を折り曲げた折り曲げ部127が設けられている。本例では、この折り曲げ部127は、下方に突出しており、ホルダ130に設けられた端子挿通溝132に圧入されることにより当該端子挿通溝132に対して締まり嵌め状態で挿通されている。
【0027】
また、図7に示す端子構造では、電極端子120の先端部126がホルダ130の側面と当接するように折り曲げられており、電極端子120の先端部126と折り曲げ部127とによってホルダ130の一部を挟み込んだ状態となっている。したがって、本例の端子構造では、電極端子120の先端部126と折り曲げ部127、さらには折り曲げ部127が挿通されるホルダ130の端子挿通溝132が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。
【0028】
電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0029】
図8は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図8に示す端子構造では、電極端子120がホルダ130の一部を抱え込むように、電極端子120の先端部128を略コの字型に折り曲げている。
【0030】
したがって、本例の端子構造では、電極端子120の先端部128が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0031】
図9は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図9に示す端子構造では、電極端子120がホルダ130に設けられた端子差込部133に差し込まれており、電極端子120は、この端子差込部133によって、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0032】
したがって、本例の端子構造において、ホルダ130に設けられた端子差込部133は、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0033】
図10は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図10に示す端子構造では、電極端子120の一部がホルダ130と一体に形成された端子封止部134によって封止されており、電極端子120は、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0034】
したがって、本例の端子構造では、端子封止部134が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。なお、いうまでもなく、端子封止部134は、電極端子120の上面121(電極面)が金属リボン400の接合に十分な面積だけ露出するように設けられている。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0035】
図11は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図11に示す端子構造では、ホルダ130に電極端子120の幅と略等しい(電極端子120の幅よりもやや小さい)幅の端子係合溝135が形成されており、電極端子120がこの端子係合溝135に圧入されることにより当該端子係合溝135に締まり嵌め状態で嵌め込まれている。これにより、電極端子120は、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0036】
したがって、本例の端子構造では、ホルダ130に設けられた端子係合溝135が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0037】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
100…電子部品
110…電子部品本体
120…電極端子
121…上面(電極面)
122…下面
125,126,128…先端部(規制部)
127…折り曲げ部(規制部)
130…ホルダ
131…端子挿通穴
132…端子挿通溝(規制部)
133…端子差込部(規制部)
134…端子封止部(規制部)
135…端子係合溝(規制部)
200,210…接着剤
300…回路基板(放電点灯制御用の回路基板)
400…金属リボン(可撓性導体)
500…金属ベース(取付板)
1000…接合用ツール
1100…リボンガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品および電子部品の接続構造に関する。より詳しくは、表面実装型電子部品の端子と回路基板とを電気的に接続する際の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装型部品と回路基板との電気的な接続方法としては様々な方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば特許文献1に記載のように、表面実装型トランスを回路基板上に形成された導電パターンと電気的に接続する方法としては、トランスのリード端子と回路基板上の導電パターンとをハンダなどで固定する方法が採用されている。また、これ以外の方法としては、リード端子と導電パターンとの間に金属パッドを介在させてレーザ溶着する方法や、導電性接着剤を用いてリード端子と導電パターンとを接着する方法なども知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−168609号公報参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表面実装型部品をハンダにて固定する方法や導電性接着剤を用いて接着する方法では、電子部品から突出しているリード端子の反りや曲がりに起因して接合不良が発生することがあり、また、接合部分の信頼性も高くはなかった。また、レーザ溶着により固定する方法では、金属パッドが必要であるため、部材コストの上昇を招くという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、電子部品本体と、前記電子部品本体から突出し、電極面に可撓性導体が接合されることにより前記電子部品と外部電極とを電気的に接続する電極端子と、絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体に接合されたホルダと、を備える電子部品であって、前記ホルダは、前記電子部品が取付板に取り付けられた際に前記取付板と前記電子部品本体との間に介在し、前記電極端子における前記電極面と反対側の面と当接していることを特徴とする電子部品を提供する。
【0006】
このような電子部品によれば、電極端子が電極面と反対側の面においてホルダと当接しているので、電極端子に反りや曲がりが生じにくい。したがって、例えば超音波接合などの方法を用いて電極面に可撓性導体を接合する際に接合不良などが発生しにくい。また、ホルダが絶縁性材料で形成されているので、電子部品を取り付ける取付板として放熱性に優れる金属板を用いることができる。
【0007】
また、上記電子部品における前記ホルダおよび前記電極端子の少なくとも一方には、前記電極端子が前記ホルダから離れる方向へ移動するのを規制する規制部が設けられていることが好ましい。
【0008】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのをより確実に抑えることができる。
【0009】
また、上記電子部品において、前記規制部は、前記電極端子と一体に設けられ、前記電極端子を前記ホルダに係止することが好ましい。
【0010】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのを簡易な構成によって確実に抑えることができる。
【0011】
また、上記電子部品において、前記規制部は、前記ホルダ側に設けられ、前記電極端子を前記電極面が露出した状態で保持することが好ましい。
【0012】
これにより、電極面に例えば金属ワイヤや金属リボンなどの可撓性導体を接合する際に電極端子に反りや曲がりが生じるのを簡易な構成によってより確実に抑えることができる。
【0013】
また、本発明は、の電子部品と、前記電子部品が取り付けられる取付板と、前記取付板における前記電子部品と異なる位置に取り付けられる回路基板と、
一端が前記回路基板と電気的に接続されるとともに、他端が前記電極面に接合される可撓性導体と、を備えることを特徴とする電子部品の接続構造を提供する。
【0014】
このような接続構造によって上記の電子部品を回路基板と接続することにより、電極面に可撓性導体を接合する際に接合不良などが発生しにくい。また、ホルダが絶縁性材料で形成されているので、電子部品を取り付ける取付板として放熱性に優れる金属板を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る電子部品100の上面図である。
【図2】電子部品100の側面図である。
【図3】金属ベース500上に接着剤200によって固定された固定された電子部品100の側面図である。
【図4】電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。
【図5】電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。
【図6】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図7】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100の他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図8】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図9】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図10】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【図11】電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る電子部品100の上面図である。また、図2は、電子部品100の側面図である。図3は、金属ベース500上に接着剤200によって固定された固定された電子部品100の側面図である。また、図4および図5は、電子部品100の電極端子120と金属ベース500上に接着剤210で固定された回路基板300とを金属リボン400によって電気的に接続する様子を示す側面図である。なお、電子部品100を金属ベース500上に固定する接着剤200と、回路基板300を金属ベース500上に固定する接着剤210には同じものを用いてもよい。
【0018】
本実施形態の電子部品100は、例えば車両用放電灯の制御装置に用いられる表面実装型のトランスであり、図1に示すように、電子部品本体110と、電子部品本体110の側方から延びる複数の電極端子120と、電子部品本体110の下方に配されて電子部品本体110と接合されているホルダ130と、を備える。なお、本例では、略直方体の電子部品本体110と、電子部品本体110の一方の側面から複数の電極端子120が突出する電子部品100を例示するが、電子部品100における電子部品本体110の形状や電極端子120の数などは本例に限られない。
【0019】
複数の電極端子120は、いずれも断面が略矩形の導体平板であって、略直方体の電子部品本体110の側面の下端から当該側面と垂直に(底面と平行に)突出している。ホルダ130は、例えば絶縁性の樹脂材料により形成され、電子部品本体110の底面に接合されている。そして、本例では、このホルダ130は、電極端子120の下面122まで延在しており、当該下面122と当接している。
【0020】
本例の電子部品100を車両用放電灯の制御装置に使用する場合、電子部品100は、例えば共通の取付板に取り付けられた回路基板と電気的に接続されるが、このような構成は、例えば図3から図5に示す方法により組み立てられる。すなわち、まず、図3に示すように、電子部品100を金属ベース500上に接着剤200によって固定し、その後、図4および図5に示すように、金属ベース500上における電子部品100と異なる位置に接着剤210によって固定された回路基板300と電子部品100の電極端子120とを金属リボン400によって接続される。なお、金属リボン400は、本発明における可撓性導体の一例である。また、金属ベース500は、本発明における取付板の一例である。
【0021】
より具体的には、まず、図4に示すように、リボンガイド1100から引き出された金属リボン400の先端部を電極端子120の上面121と当接させて接合用ツール1000によって金属リボン400に超音波振動を与えることによって金属リボン400を電極端子120の上面121(電極面)に接合する。そして、リボンガイド1100からさらに金属リボン400を引き出して当該金属リボン400を回路基板300の上面に形成された導電パターンに上記と同様に接合する。
【0022】
ここで、上記のように、電極端子120の下面122がホルダ130と当接しているので、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を超音波接合する際に電極端子120が下側からホルダ130によって支持される。したがって、金属リボン400との接合の際に電極端子120に反りや曲がりが生じにくく、接合不良などが発生しにくい。また、本例では、ホルダ130が絶縁性を有する材料で形成されているので、電子部品100を放熱性に優れる金属ベース500に取り付けることができる。
【0023】
次に、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100について説明する。図6は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100における電極端子120近傍を拡大した図である。なお、図6では、電極端子120の構造を説明するための便宜上、ホルダ130を想像線で示している(図7および図8についても同様)。
【0024】
図6に示す端子構造では、電極端子120の先端部125が二つに分割されている。そして、電子部品100を組み立てる際には、図6に示すように、電極端子120の先端部125の一方をホルダ130に設けられた端子挿通穴131に挿通するとともに、電極端子120の先端部125における当該一方と他方とでホルダ130を抱え込むように当該先端部125を折り曲げる。
【0025】
これにより、電極端子120の先端部125は、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120をこのような端子構造とすることにより、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくい。
【0026】
図7は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100の他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図7に示す端子構造では、電極端子120の電子部品本体110側に電極端子120を折り曲げた折り曲げ部127が設けられている。本例では、この折り曲げ部127は、下方に突出しており、ホルダ130に設けられた端子挿通溝132に圧入されることにより当該端子挿通溝132に対して締まり嵌め状態で挿通されている。
【0027】
また、図7に示す端子構造では、電極端子120の先端部126がホルダ130の側面と当接するように折り曲げられており、電極端子120の先端部126と折り曲げ部127とによってホルダ130の一部を挟み込んだ状態となっている。したがって、本例の端子構造では、電極端子120の先端部126と折り曲げ部127、さらには折り曲げ部127が挿通されるホルダ130の端子挿通溝132が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。
【0028】
電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0029】
図8は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図8に示す端子構造では、電極端子120がホルダ130の一部を抱え込むように、電極端子120の先端部128を略コの字型に折り曲げている。
【0030】
したがって、本例の端子構造では、電極端子120の先端部128が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120がホルダ130から離れる方向へ(例えば上方へ)引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0031】
図9は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図9に示す端子構造では、電極端子120がホルダ130に設けられた端子差込部133に差し込まれており、電極端子120は、この端子差込部133によって、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0032】
したがって、本例の端子構造において、ホルダ130に設けられた端子差込部133は、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0033】
図10は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図10に示す端子構造では、電極端子120の一部がホルダ130と一体に形成された端子封止部134によって封止されており、電極端子120は、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0034】
したがって、本例の端子構造では、端子封止部134が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。なお、いうまでもなく、端子封止部134は、電極端子120の上面121(電極面)が金属リボン400の接合に十分な面積だけ露出するように設けられている。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0035】
図11は、電極端子120がホルダ130に固定された形態の電子部品100のさらに他の一例における電極端子120近傍を拡大した図である。図11に示す端子構造では、ホルダ130に電極端子120の幅と略等しい(電極端子120の幅よりもやや小さい)幅の端子係合溝135が形成されており、電極端子120がこの端子係合溝135に圧入されることにより当該端子係合溝135に締まり嵌め状態で嵌め込まれている。これにより、電極端子120は、ホルダ130に対して水平方向および垂直方向のいずれの方向にも動かない。
【0036】
したがって、本例の端子構造では、ホルダ130に設けられた端子係合溝135が、電極端子120がホルダ130から離れる方向へ移動するのを規制する規制部として機能する。電子部品100の電極端子120を本例の端子構造とすることにより、上記の他の例と同様に、電極端子120の上面121(電極面)に金属リボン400を接合する際に電極端子120が引っ張られた場合でも、電極端子120に反りや曲がりが生じるのを防ぐことができるので、接合不良などが生じにくく、また、電極端子120が引っ張られた状態で接合されることによる残量応力などが生じにくいことから、接合面の信頼性が向上する。
【0037】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0038】
100…電子部品
110…電子部品本体
120…電極端子
121…上面(電極面)
122…下面
125,126,128…先端部(規制部)
127…折り曲げ部(規制部)
130…ホルダ
131…端子挿通穴
132…端子挿通溝(規制部)
133…端子差込部(規制部)
134…端子封止部(規制部)
135…端子係合溝(規制部)
200,210…接着剤
300…回路基板(放電点灯制御用の回路基板)
400…金属リボン(可撓性導体)
500…金属ベース(取付板)
1000…接合用ツール
1100…リボンガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品本体と、
前記電子部品本体から突出し、電極面に可撓性導体が接合されることにより前記電子部品と外部電極とを電気的に接続する電極端子と、
絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体に接合されたホルダと、
を備える電子部品であって、
前記ホルダは、前記電子部品が取付板に取り付けられた際に前記取付板と前記電子部品本体との間に介在し、前記電極端子における前記電極面と反対側の面と当接していることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記ホルダおよび前記電極端子の少なくとも一方には、前記電極端子が前記ホルダから離れる方向へ移動するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記規制部は、前記電極端子と一体に設けられ、前記電極端子を前記ホルダに係止することを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記規制部は、前記ホルダ側に設けられ、前記電極端子を前記電極面が露出した状態で保持することを特徴とする請求項2または3に記載の電子部品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品と、
前記電子部品が取り付けられる取付板と、
前記取付板における前記電子部品と異なる位置に取り付けられる回路基板と、
一端が前記回路基板と電気的に接続されるとともに、他端が前記電極面に接合される可撓性導体と、
を備えることを特徴とする電子部品の接続構造。
【請求項1】
電子部品本体と、
前記電子部品本体から突出し、電極面に可撓性導体が接合されることにより前記電子部品と外部電極とを電気的に接続する電極端子と、
絶縁性材料により形成され、前記電子部品本体に接合されたホルダと、
を備える電子部品であって、
前記ホルダは、前記電子部品が取付板に取り付けられた際に前記取付板と前記電子部品本体との間に介在し、前記電極端子における前記電極面と反対側の面と当接していることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記ホルダおよび前記電極端子の少なくとも一方には、前記電極端子が前記ホルダから離れる方向へ移動するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記規制部は、前記電極端子と一体に設けられ、前記電極端子を前記ホルダに係止することを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記規制部は、前記ホルダ側に設けられ、前記電極端子を前記電極面が露出した状態で保持することを特徴とする請求項2または3に記載の電子部品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品と、
前記電子部品が取り付けられる取付板と、
前記取付板における前記電子部品と異なる位置に取り付けられる回路基板と、
一端が前記回路基板と電気的に接続されるとともに、他端が前記電極面に接合される可撓性導体と、
を備えることを特徴とする電子部品の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−74551(P2012−74551A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218451(P2010−218451)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
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