説明

電子部品収納構造、及び電子機器

【課題】カメラモジュールのような精密な電子部品であっても衝撃に強い実装を提供する。
【解決手段】筐体(3)内に設けられる収納部に電子部品70を収納する構造であって、電子部品70を覆って保護するための、緩衝材からなる保持部材73と、この保持部材73よりも剛性の高い材料からなり、保持部材73の外側に装着する中ケース74と、を備える。そして、筐体(3)内の収納部に、電子部品70を覆った状態の保持部材73の外側に装着された状態の中ケース74を収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュールのような精密な電子部品を筐体に収納する構造と、そのような電子部品収納構造を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付き携帯端末では一般に、筐体端部に設けられた収納部にカメラモジュールを収納している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005‐198279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ付き携帯端末の場合には、表示部、操作部などの配置位置の都合から、特許文献1のように、カメラモジュールを筐体端部に設けることが多いが、端部からの筐体落下などによる衝撃は大きく、破損の危険があった。特に、カメラモジュールが大型化した場合はさらに衝撃は大きくなり、破損の危険度は増す。
【0005】
本発明の課題は、カメラモジュールのような精密な電子部品であっても衝撃に強い実装を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筐体内に設けられる収納部に電子部品を収納する構造であって、前記電子部品を覆って保護するための、緩衝材からなる保持部材と、この保持部材よりも剛性の高い材料からなり、前記保持部材の外側に装着する中ケースと、を備え、前記筐体内の前記収納部に、前記電子部品を覆った状態の前記保持部材の外側に装着された状態の前記中ケースを収納することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品収納構造であって、第1筐体と第2筐体とを備え、両筐体を折り畳んだ状態から相対的に回転させて開放させるヒンジ筐体内に前記収納部が設けられることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品収納構造であって、第1筐体と第2筐体とを備え、両筐体を折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させたり、横方向に開放させたりするヒンジ筐体内に前記収納部が設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品収納構造であって、前記電子部品に接続される基板を前記中ケースに固定することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品収納構造であって、前記中ケースは、複数部材からなり、その複数部材を組み合わせることで前記保持部材の外側に装着されることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子部品収納構造であって、前記中ケースは、前記保持部材の上面に装着される上面部材も備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品収納構造を備える電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カメラモジュールのような精密な電子部品であっても衝撃に強い実装とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話の折り畳み状態を示した斜視図である。
【図2】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図3】図1の携帯電話を横方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図4】図1の携帯電話のムービースタイル状態を示した斜視図である。
【図5】図1の折り畳み状態でのヒンジユニットを示した図である。
【図6】図1の折り畳み状態での配線の仕方を示した図である。
【図7】図5のヒンジユニットと図6の配線を組み合わせた拡大斜視図である。
【図8】図7のヒンジユニットの折り畳み状態に対応した斜視図である。
【図9】図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見た拡大図である。
【図10】図2の縦方向開放状態での画面とカメラの方向を示した図である。
【図11】図10と反対側から見た図である。
【図12】図10と反対側でバンパー部も示した図である。
【図13】図8のヒンジユニットの縦方向開放状態に対応した図である。
【図14】図3の横方向開放状態でのブックスタイルを示した図である。
【図15】図8のヒンジユニットのブックスタイルに対応した図である。
【図16】図4のムービースタイルでの画面とカメラの方向を示した図である。
【図17】図16の上方向から見た平面図である。
【図18】図16のムービースタイルでの反対側から見た持ち方を示した図である。
【図19】図8のヒンジユニットのムービースタイルに対応した図である。
【図20】本発明の電子部品収納構造の実施形態1を示すもので、図7の撮影部を構成するカメラモジュールとその保持部材及び中ケース等の分解斜視図である。
【図21】図20の部品の組み付け状態を拡大して示した中央部断面の斜視図である。
【図22】図21のカメラモジュールとその保持部材の係合関係を示す分解図である。
【図23】図21のカメラモジュールとその保持部材及び中ケースの他の係合関係を示す図である。
【図24】図21の中ケースの筐体内の収納関係を示す分解図である。
【図25】図24の中ケースとフレームの組み付け状態を示す断面図である。
【図26】本発明の電子部品収納構造の実施形態2を示すもので、カメラモジュールとその保持部材及び中ケース等の分解斜視図である。
【図27】図26の部品の組み付け状態を示した中央部断面図である。
【図28】本発明の電子部品収納構造の実施形態3を示すもので、カメラモジュールとその保持部材及び中ケース等の分解斜視図である。
【図29】図28の部品の組み付け状態を示した中央部断面図である。
【図30】本発明の電子部品収納構造の実施形態4を示すもので、カメラモジュールとその保持部材及び中ケース等の分解斜視図である。
【図31】図30の部品の組み付け状態を示した中央部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図1から図4は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を示したもので、1は第1筐体、2は第2筐体、3は第3筐体、4は操作部、5は表示部、6はアンテナ、7は撮影部、8は照明部である。
【0016】
携帯電話は、図示のように、第1筐体1と第2筐体2と第3筐体3は後述する2軸ヒンジユニット10を介して結合されている。第1筐体1には操作部4が設けられ、第2筐体2には表示部5及びアンテナ6が設けられ、第3筐体3にはムービー撮影用の撮影部7及び照明部8が設けられている。
【0017】
図5及び図8は第3筐体3の内部に組み込まれる2軸ヒンジユニット10を示したもので、11は第1回転軸、12は第2回転軸、13は第3筐体3のフレーム、21は第1取付部材、22は第2取付部材である。
【0018】
2軸ヒンジユニット10は、図示のように、左右一対の第1回転軸11と、右側の第2回転軸12と、中央の第3筐体3のフレーム13と、第1回転軸11の各々に設けた左右一対の第1取付部材21と、第2回転軸12に設けた第2取付部材22とから構成される。
【0019】
すなわち、第1回転軸11は、軸線を左右方向に向けた中空状のもので、フレーム13の左右両側面にネジ止め固定したブラケット14の下部に軸受部材を介して各々回転自在に一体化されている。この第1回転軸11には、その軸線に対し直交方向に延びて第1筐体1の内部にネジ止め固定されるアーム状の第1取付部材21が各々圧入嵌合して一体化されている。この第1取付部材21の回転角度は、第1回転軸11の軸受部材との係合構造により約180度等に制限される。なお、図示左側の第1回転軸11は、90度等の所定角度に対応するクリック感が得られる軸受部材15を介してフレーム13に組み付けられている。
【0020】
そして、第2回転軸12は、軸線を前後方向に向けた中空状のもので、フレーム13の図示右側面のブラケット14の上部に一体に形成した突出部16に軸受部材を介して回転自在に一体化されている。この第2回転軸12には、その軸線に対し直交方向に延びて第2筐体2の内部にネジ止め固定されるアーム状の第2取付部材22が圧入嵌合して一体化されている。この第2取付部材22の回転角度は、第2回転軸12の外周に形成された溝12aに突出部16に設けられた係合片16aが係合することで制限される。
【0021】
図6は第1配線31及び第2配線32を示し、図7は2軸ヒンジユニット10と第1配線31及び第2配線32を組み合わせた図である。
【0022】
すなわち、第1配線31は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ31aを一端に備えて第3筐体3内の基板に接続されるコネクタ31cを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通されている。
【0023】
そして、第2配線32は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ32aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続されるコネクタ32bを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0024】
また、第1筐体1内の基板に接続される端子33aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続される端子33bを他端に備えるアンテナ線33も、第2配線32と同様に、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0025】
図9は図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見て拡大したもので、第3筐体3は下ケース34及び上ケース35から構成されていて、上ケース35より幅狭の下ケース34は第1筐体1の端部に形成した凹所1aに位置している。この下ケース34と第1筐体1の凹所1aの両側に位置する突出部1bとの間に第1回転軸11が貫通して、これにより、第3筐体3は第1筐体1に対し第1回転軸11を中心に縦方向に開閉可能である。
【0026】
また、図示のように、折り畳み状態において、上ケース35は第2筐体2の延長上に位置している。この上ケース35と第2筐体2との一側部の間に第2回転軸12が貫通して、これにより、第2筐体2は第3筐体3に対し一側部の第2回転軸12を中心に横方向に開閉可能である。
【0027】
そして、下ケース34の上部左右には、上ケース35の開放部を閉じる突出部が形成されており、この突出部の下面にゴム等の柔らかい材質の緩衝材によるバンパー23が設けられている。
【0028】
さらに、下ケース34の突出部と上ケース35の側面との間に、ロック解除ボタン24が組み付けられている。このロック解除ボタン24のスライド操作により、第3筐体3の端面から突出する方向にバネで付勢されて、第2筐体2の端面に形成された凹部(不図示)に係合するロック爪(不図示)を後退させてロックが解除される。
【0029】
先ず、図1及び図9は第1筐体1上に第1筐体2及び第3筐体3を重ねて折り畳んだ状態を示したもので、図8はその折り畳み状態に対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22は同一方向に平行に向いている。
【0030】
次に、図2及び図10から図12は第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開放した通常オープンスタイルを示したもので、図10及び図11において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図13はその通常オープンスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13に対し第1取付部材21と第2取付部材22が互いに反対方向に向いている。
【0031】
以上の通常オープンスタイルにおいて、第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開く際に、バンパー23は、第1筐体1の突出部1bの背面に当接して衝撃を緩衝する。
このように、通常オープンスタイルで緩衝するバンパー23は、デザイン性を考慮し、折り畳み状態において第3筐体3の内側面に設けられて外観から見えない位置に配置されている。
【0032】
次に、図3及び図14は第1筐体1及び第3筐体3に対し第2筐体2を、第2回転軸12を中心に横方向に開放して表示部5を横長としたブックスタイルを示したもので、図15はそのブックスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第1取付部材21に対し第2取付部材22が一側方に向いている。
【0033】
次に、図4及び図16から図18は第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を、第1回転軸11を中心に90度回転して表示部5を横長としたムービースタイルを示したもので、図16及び図17において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図19はそのムービースタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第2取付部材22に対し第1取付部材21が直角方向に向いている。
【0034】
そして、ムービースタイル時においては、図16から図18に示すように、第1筐体1の上面で第3筐体3に近い部分に設けたシャッターキー41及びズームキー42と、同じく第1筐体1の内側面で操作部4の上側に並んだサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49が使用される。
【0035】
なお、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分には、その旨印刷表示されている。
【0036】
また、第1筐体1の内側面で操作部4の前後には上下方向に沿ってバンパー51・52が設けられている。このバンパー51・52は、第1筐体1に対し第2筐体2及び第3筐体3を折り畳む際の衝撃を緩衝するもので、さらに、第1筐体1を構成する下ケース及び上ケースを合体固定するネジを隠すネジ隠しも兼用する。
【0037】
以上のムービースタイルにおいて、図18に仮想線で示したように、親指をバンパー51に沿わせて、ズームキー42に人差し指を、さらにシャッターキー41に中指をそれぞれ沿わせて右手で持つことができ、すなわち、右手で持ち易いグリップ感を具備したムービースタイルを実現できる。この場合、第3筐体3に近い側のバンパー51の表面には、親指に対し滑り止めとして機能するシボ加工が施されている。
【0038】
なお、第1筐体1のホワイトバランスキー48の上方に離間した部分にマイク穴53が設けられている。また、第2筐体2の表示部5と反対側の前面部の上部には左右一対のマイク穴54が設けられている。
【0039】
次に、以上のムービースタイル時において、撮像部7を有する第3筐体3に対し表示部5を有する第2筐体2を、上部の第2回転軸12を中心に向こう側に回転すると、表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルでムービー撮影時のファインダーとして見ることができる。また、第2筐体2を手前側に若干回転すると、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルでファインダーとして見ることができる。
【0040】
そして、第2筐体2を第3筐体3に対し上部の第2回転軸12を中心に手前側に回転すると、図12に示すように、規制プレート17の下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bの切り欠き部19cに入り込む。これにより、第1回転軸11の回転が規制される。
【0041】
以上において、ブックスタイル時には、図3及び図14に示したように、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分に設けられる印刷表示は第2筐体2により覆われて見辛くなっている。このため、その表示部5の下部に沿ってサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49に対応した表示がなされる。
【0042】
また、折り畳み状態では、図8に示したように、2軸ヒンジユニット10のフレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22が同一方向に平行に向いており、第1筐体1と第2筐体2に対するネジ止め部が上下に位置するため、初期の重ねた際の両筐体1・2のズレを、組立工程の最後にチューニング(あるいはリペア)しやすいように工夫がなされている。
【0043】
(電子部品収納構造の実施形態1)
次に、図20は本発明の電子部品収納構造の実施形態1として図7の撮影部7を構成するカメラモジュール70とその保持部材であるカメラホルダー73及び中ケース74等を分解して示すものである。
【0044】
図示のように、ムービー撮影用のカメラモジュール70は、上面に撮影部としての撮影レンズ7と照明部としてのフラッシュライト8とタリーランプ9を備え、下面から側面に延びる2枚のFPC71を備え、その一側面にカメラ基板72が配置される。このカメラ基板72に実装した2個のコネクタ72aに、2枚のFPC71の先端部に設けたコネクタ71aがそれぞれ接続される。
【0045】
カメラホルダー73は、落下対策のために緩衝材としてのラバーにより、カメラモジュール70の下面、上面の撮影レンズ7、フラッシュライト8及びタリーランプ9を除いてカメラモジュール70の周囲を覆う形状に形成されている。図中、73a・73b・73cは、カメラホルダー73上面に形成された、撮影レンズ7、フラッシュライト8及びタリーランプ9が各々露出する窓部である。
【0046】
中ケース74は、カメラホルダー73の外側に装着するもので、落下対策と基板保持のために樹脂部材75に金属部材76をインサート成形して、カメラホルダー73と同様に、カメラモジュール70の下面、上面の撮影レンズ7、フラッシュライト8及びタリーランプ9を除いてカメラホルダー73の周囲を覆う形状に形成されている。具体的には、カメラホルダー73の周囲を覆う樹脂部材75の上面に、撮影レンズ7、フラッシュライト8及びタリーランプ9が各々露出する窓部76a・76b・76cを形成した板金製の金属部材76がインサート成形されている。
【0047】
カメラシート77は、中ケース74上面の板金による金属部材76上に接着するもので、撮影レンズ7、フラッシュライト8及びタリーランプ9に各々対応する透過窓部77a・77b・77cが形成されている。
【0048】
図21はカメラモジュール70、カメラホルダー73、中ケース74及びカメラシート77の組み付け状態を拡大して示したもので、図示のように、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73がカメラモジュール70に係合されて、カメラホルダー73に被せた中ケース74の樹脂部材75の一側面にカメラ基板72が装着されている。すなわち、カメラ基板72は、上端部に形成した一対の差し込み片72dを、中ケース74の金属部材76の一端部に形成した一対の差し込み穴76dにそれぞれ差し込んでから、中間部に形成した一対の係合穴72bに、樹脂部材75の一側面に形成した一対の係合突起75bをそれぞれ差し込んでいる。
【0049】
図22はカメラモジュール70とカメラホルダー73の係合関係を示すもので、図示のように、カメラモジュール70の対向する外側面に形成した凹部70dに、カメラホルダー73の対向する内側面に形成した凸部73dがそれぞれ係合する。
【0050】
図23はカメラモジュール70とカメラホルダー73及び中ケース74の他の係合関係を示すもので、図示のように、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73の対向する外側面に形成した凸部73eに、カメラホルダー73に被せた中ケース74の樹脂部材75の対向する内側面に形成した凹部75eがそれぞれ係合している。そして、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73の対向する外側面の上端部に形成した小肉厚部73fを、カメラホルダー73に被せた中ケース74の樹脂部材75の対向する内側面にそれぞれ圧入している。
【0051】
図24は中ケース74の第3筐体3内の収納関係を示すもので、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73にさらに被せた中ケース74を、図示のように、第3筐体3のフレーム13に係合して組み付ける。すなわち、中ケース74の樹脂部材75の長手方向に対向する起立部に形成した凸部75cを、フレーム13の長手方向に対向する側面部に形成した係合穴13cにそれぞれ係合している。なお、図示例では、一方が一対の凸部75c及び係合穴13cで、他方が単独の凸部75c及び係合穴13cとなっている。
【0052】
図25は中ケース74とフレーム13の組み付け状態を断面で示すもので、図示のように、フレーム13の長手方向の一側部に沿った起立片13dの上に、樹脂部材75の長手方向の一側部の上部に形成した凸部75dが位置している。
【0053】
そして、以上の組み付けにより一体化されたフレーム13及び中ケース74を、第3筐体3の下ケース34内に収納して、下ケース34に上ケース35を係合してネジ止め固定する。すなわち、図24に示したように、下ケース34の長手方向の両側部上に各々形成した一対の差し込み片34aを、上ケース35の長手方向の両側部下に各々形成した一対の差し込み溝35aにそれぞれ差し込んで、差し込み片34aに形成した係合穴34bに、差し込み溝35aに形成した係合突起35bをそれぞれ係合する。
【0054】
そして、下ケース34上の一方の差し込み片34aの外側に形成した結合片34cを、上ケース35の側面に当てて、図示のように、2本のネジにより結合片34cを上ケース35側面に固定する。
【0055】
以上、実施形態の携帯電話によれば、操作部4を有する第1筐体1と表示部5を有する第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて縦方向に開放させる第1回転軸11と、同様に横方向に開放させる第2回転軸12とを、撮影部7とともに第3筐体3に収納した筐体構造で、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放させた場合は、第3筐体3が第2筐体1とともに移動し、また、横方向に開放させた場合には、第3筐体3が第1筐体1とともに移動する構成としたことで、必要に応じムービースタイルにして、表示部5の画面を横長で見ながら撮影部7でムービー撮影することができる。
【0056】
さらに、ムービースタイル時において、撮影部7を有する第3筐体3に対し表示部5を有する第2筐体2を、中央部の第2回転軸12を中心に回転して、ムービー撮影時のファインダーとしての表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルとしたり、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルとすることもできる。
【0057】
また、2軸ヒンジユニット10は、第1回転軸11及び第2回転軸12が第3筐体3のフレーム13に組み付けられ、第1回転軸11に一体の第1取付部材21が第1筐体1に組み付けられて、第2回転軸12に一体の第2取付部材22が第2筐体2に組み付けられる構成なので、強度的に優れている。
【0058】
そして、第1筐体1内に一端を固定されて第3筐体3内に他端が固定される第1配線31を第1回転軸11の中空部内に通して、第1筐体1内に一端を固定されて第2筐体2内に他端が固定される第2配線32を第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通すことで、3つの筐体内の配線をすることができる。
【0059】
さらに、精密な電子部品であるカメラモジュール70を覆って保護するための、緩衝材(実施形態ではラバー)からなるカメラホルダー73と、このカメラホルダー73よりも剛性の高い材料(実施形態では樹脂部材75及び金属部材76)からなり、カメラホルダー73の外側に装着する中ケース74と、を備え、2軸ヒンジユニット10を内蔵する第3筐体3内の収納部に、カメラモジュール70を覆った状態のカメラホルダー73の外側に装着された状態の中ケース74を収納する構造なので、精密な電子部品であるカメラモジュール70であっても端部からの筐体落下などの衝撃に強い実装とすることができる。
【0060】
(電子部品収納構造の実施形態2)
次に、図26及び図27は本発明の電子部品収納構造の実施形態2を示すもので、前述した実施形態1と同様、70はカメラモジュール、72はカメラ基板、73はカメラホルダーであって、174は中ケース、175は樹脂部材、176は金属部材である。
【0061】
実施形態2において、図示のように、中ケース174は、カメラモジュール70の周囲三面を覆う樹脂部材175と、カメラモジュール70周囲の残る一面を覆う板金製の金属部材176との組み合わせで構成される。
【0062】
すなわち、カメラモジュール70周囲の一面を覆う板金製の金属部材176の両端部に突出して形成された上下一対の結合片176aを、カメラモジュール70周囲の三面を覆う樹脂部材175の両端部外側面に形成された上下一対の結合溝175aにそれぞれ重ねて、結合溝175aに形成された係合突起175bを、結合片176aに形成された係合穴176bにそれぞれ係合する。これにより、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73にさらに被せた中ケース174が合体される。
【0063】
そして、金属部材176の外側面の左右及び下部に突出して形成された基板保持爪176cに、カメラ基板72を挿入して保持する。このように、中ケース174の一側面の金属部材176にカメラ基板72を組み付けて保持してもよい。
【0064】
(電子部品収納構造の実施形態3)
また、図28及び図29は本発明の電子部品収納構造の実施形態3を示すもので、前述した実施形態1と同様、70はカメラモジュール、72はカメラ基板、73はカメラホルダーであって、274は中ケース、275は上面部、276・277・278は側面部である。
【0065】
実施形態3において、中ケース274は樹脂部材で、図示のように、カメラモジュール70の上面及び周囲面を覆う上面部275と側面部276・277・278を一体成形して構成される。
【0066】
すなわち、カメラモジュール70の上面及び周囲面を樹脂部材による中ケース274の上面部275と側面部276・277・278を直角に折り込んで覆って、一方の側面部278の端部に突出して形成された上下一対の結合片278aを、他方の側面部278の端部内側面に形成された上下一対の結合溝278cにそれぞれ重ねて、結合溝278cに形成された係合突起278dを、結合片278aに形成された係合穴278bにそれぞれ係合する。これにより、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73にさらに中ケース274が被せられる。
【0067】
なお、カメラホルダー73の一側面にカメラ基板72が接着して保持される。この場合、中ケース274の側面部276には、カメラ基板72に対応した窓部276aが形成されている。
【0068】
(電子部品収納構造の実施形態4)
また、図30及び図31は本発明の電子部品収納構造の実施形態4を示すもので、前述した実施形態1と同様、70はカメラモジュール、73はカメラホルダーであって、374は中ケース、375は上面部材、376は側面部材である。
【0069】
実施形態3において、中ケース374は、図示のように、カメラモジュール70の上面と周囲面を覆う樹脂部材による上面部材375と同じく樹脂部材による一対の平面視L形をなす側面部材376とで構成される。
【0070】
すなわち、カメラモジュール70の上面を樹脂部材による上面部材375で覆って、カメラモジュール70の周面を同じく樹脂部材による一対の平面視L形をなす側面部材376で覆って、一方の側面部材376の一端部に突出して形成された上下一対の結合爪376aを、他方の側面部材376の多端部の外側面に形成された結合溝376bに係合する。
【0071】
そして、上面部材375の両側部に突出して形成された結合片375aを、側面部材376の上部外側面に形成された一対の結合溝376cにそれぞれ重ねて、結合溝376cに形成された係合突起376dを、結合片375aに形成された係合穴375bにそれぞれ係合する。これにより、カメラモジュール70に被せたカメラホルダー73にさらに被せた中ケース374が合体される。
【0072】
(変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などで、ヒンジにカメラなどの電子部品を設けたもの全てに用いることができる。
また、ストレートタイプの携帯装置等であってもよい。
さらに、カメラは、筐体の端部でなく、筐体の中央にあってもよい。
また、筐体、保持部材及び中ケースの形状や材質等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 第1筐体
2 第2筐体
3 第3筐体
4 操作部
5 表示部
6 アンテナ
7 撮影部
8 照明部
9 タリーランプ
10 2軸ヒンジユニット
11 第1回転軸
12 第2回転軸
13 フレーム
14 ブラケット
15 軸受部材
16 突出部
21 第1取付部材
22 第2取付部材
23 緩衝材
24 ロック解除ボタン
31 第1配線
32 第2配線
33 アンテナ線
34 下ケース
35 上ケース
41 シャッターキー
42 ズームキー
43 サブメニューキー
44 画面表示切替キー
45 A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー
46 顔ピタON/OFFキー
47 逆光補正キー
48 ホワイトバランスキー
49 秒撮キー
51 バンパー
52 バンパー
53 マイク穴
54 マイク穴
70 カメラモジュール(電子部品)
71 FPC
72 カメラ基板
73 保持部材
74 中ケース
75 樹脂部材
76 金属部材
77 カメラシート
174 中ケース
175 樹脂部材
176 金属部材
274 中ケース
275 上面部
276・277・278 側面部
374 中ケース
375 上面部材
376 側面部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設けられる収納部に電子部品を収納する構造であって、
前記電子部品を覆って保護するための、緩衝材からなる保持部材と、
この保持部材よりも剛性の高い材料からなり、前記保持部材の外側に装着する中ケースと、を備え、
前記筐体内の前記収納部に、前記電子部品を覆った状態の前記保持部材の外側に装着された状態の前記中ケースを収納することを特徴とする電子部品収納構造。
【請求項2】
第1筐体と第2筐体とを備え、
両筐体を折り畳んだ状態から相対的に回転させて開放させるヒンジ筐体内に前記収納部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納構造。
【請求項3】
第1筐体と第2筐体とを備え、
両筐体を折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させたり、横方向に開放させたりするヒンジ筐体内に前記収納部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納構造。
【請求項4】
前記電子部品に接続される基板を前記中ケースに固定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品収納構造。
【請求項5】
前記中ケースは、複数部材からなり、その複数部材を組み合わせることで前記保持部材の外側に装着されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品収納構造。
【請求項6】
前記中ケースは、前記保持部材の上面に装着される上面部材も備えることを特徴とする請求項5に記載の電子部品収納構造。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品収納構造を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−263521(P2010−263521A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114219(P2009−114219)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】