説明

電子部品用ソケット

【課題】 ICチップなどの電子部品が装着される電子部品用ソケットにおいて、電子部品の部品電極に対して、比較的短い端子部を適度な弾性力で接触させることができる電子備品用ソケットを提供する。
【解決手段】 絶縁性のハウジング2に、複数の中間端子部10が規則的に配列して保持されている。中間端子部10は、第1の金属片11と第2の金属片12とが重ねられて構成されている。第1の金属片11は、湾曲部11cと平板部11dが第1の弾性片で、第2の金属片12は、湾曲部12cと平板部12dが第2の弾性片である。外力が作用していないときに、第1の金属片11の第1の弾性片と第2の金属片12の第2の弾性片とが離れている。電子部品の部品電極部で中間端子部10が押されると、最初は第1の金属片11のみが変形し、その後第1の金属片11と第2の金属片12が一緒に変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップなどの電子部品を支持する電子部品用ソケットに係り、特に、電子部品の底面に設けられた電極部に端子部を安定した弾性力で接触させることができる電子部品用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1に、ICチップなどの電子部品を支持するソケットが開示されている。このソケットでは、プリント基板上に設置されるフレームの内部に絶縁基板が固定されており、この絶縁基板に板ばねで形成された複数の端子部(コンタクト)が設けられている。
【0003】
下面に複数の電極部を有する電子部品がフレームに装着されると、板ばねで形成された端子部(コンタクト)が電子部品の電極部で押されて撓み変形し、その弾性反力によって、端子部と電極部とが圧接されて導通状態となる。
【0004】
片持ち梁である板ばねの端子部に集中荷重が作用して撓みを発生するとき、その自由長が長く断面二次モーメントが小さいと撓み量が大きく、その逆では撓み量が小さくなる。すなわち、端子部の断面が一定であると、自由長を長くするとばね定数が小さくなり、自由長を短くするとばね定数が大きくなる。
【0005】
端子部の自由長を長くすると、電子部品の電極部が当接したときの弾性反力が小さくなるため、端子部を電子部品の電極部に確実に接触させるためには、端子部の撓み量を大きくしなくてはならない。しかし、端子部の撓み量を大きくすると、端子部の配列ピッチを短くすることが難しくなり、電極部の配列密度が高い電子部品を支持するソケットに適用できなくなる。
【0006】
逆に、端子部の自由長を短くすると、電子部品の電極部が接触したときの弾性反力が大きくなり、電子部品を装着しにくくなる。端子部の自由長を短くし且つばね定数を小さくするためには、断面二次モーメントを小さくすることが必要であるが、断面二次モーメントを小さくすると、断面係数が小さくなって、端子部の基端部に作用する最大応力が大きくなり、端子部の強度ならびに寿命を低下させることになる。
【0007】
以下の特許文献2に記載されたコネクタでは、絶縁性のハウジングに複数の弾性コンタクトが取り付けられており、それぞれのコンタクトは、母コンタクトターミナルの下部に2つの子コンタクトターミナルが密着した構造となっている。
【0008】
特許文献2には、電子部品が実装されてコンタクトが押圧されたときに、コンタクトが多重構造であるために十分な弾性と強度(enough elasticity and strength)を発揮できると記載されている。
【0009】
特許文献2に記載されているように、弾性変形するコンタクトターミナルを複数枚重ねると、電子部品の電極部の押圧力を複数枚のコンタクトターミナルで分担することができる。1個のコンタクトターミナルに作用する荷重がコンタクトターミナルの数に応じて小さくなるために、個々のコンタクトターミナルに作用する曲げモーメントを小さくでき、コンタクトターミナルの断面係数を小さくしても、コンタクトターミナルに作用する最大応力が過大にならない。その結果、コンタクトの自由長が短くても、適正な弾性反力を発揮できるようになり、また強度と寿命を高く設定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3284342号公報
【特許文献2】米国特許明細書第7,780,456号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献2に記載されたコネクタは、外力が作用していない状態で3つのコンタクトターミナルが互いに密着した構造である。そのため、電子部品の電極部がターミナルに接触し始めたときから電子部品のハウジングへの装着が完了するまで間、ターミナルから電子部品の電極部に作用する弾性反力が終始大きいままである。ターミナルは電子部品の電極部の数に合わせて多数設けられているため、電子部品を装着するときの反力が非常に大きくなる。
【0012】
また、コンタクトが電極部で押されるときに、複数のコンタクトターミナルが常に密着したまま撓み変形するため、コンタクトターミナル相互の摩擦力が発生し、コンタクトが撓むときの抵抗力が大きくなり、また摩擦力のばらつきにより、個々のコンタクト毎に弾性力が不均一になりやすい。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、端子部の自由長を短くでき、且つ端子部が適切な反力と適切な接触状態で電子部品の電極部に接触することができる電子部品用ソケットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、電子部品が設置される部品支持部を有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて前記電子部品の底面に設けられた複数の部品電極部に接触する端子部とが設けられた電子部品用ソケットにおいて、
前記端子部は、前記ハウジング内の絶縁保持部に固定された支持片と、前記絶縁保持部から前記部品支持部に向けて延びる第1の弾性片および第2の弾性片とを有し、
前記電子部品が前記部品支持部に設置されたときに、前記第1の弾性片が前記部品電極部に押されて第1の側へ向けて曲げ変形可能であり、
前記第2の弾性片は、前記第1の弾性片よりも第1の側に位置し、前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片は、その先端部から前記絶縁保持部に向かう所定寸法の範囲で前記第1の弾性片から離れており、
前記第1の弾性片が第1の側へ所定距離だけ変形したときに、前記第1の弾性片と前記第2の弾性片とが接触することを特徴とするものである。
【0015】
本発明の電子部品用ソケットは、部品電極部から与えられる押圧力を2つの弾性片で分担するため、それぞれの弾性片のばね定数を低くでき、またそれぞれの弾性片の最大応力も低減できる。
【0016】
また、電子部品が部品支持部に装着されるときに、先に第1の弾性片が変形し、その後に第1の弾性片と第2の弾性片が接触して一緒に変形する。そのため、電子部品がハウジングに装着されるときの初期の反力を低減でき、電子部品を装着しやすい。
【0017】
なお、本発明では、第2の弾性片を補強するためにさらに第3の弾性片などが設けられてもよい。
【0018】
本発明は、前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片の先端部が、前記第1の弾性片の先端部よりも前記絶縁保持部に近い側に位置しているものが好ましい。
【0019】
この電子部品用ソケットでは、端子部が撓むときに第1の弾性片の変形領域から第2の弾性片がはみ出すのを防止でき、端子部の配列ピッチを短く設定しやすくなる。
【0020】
本発明は、前記第1の弾性片と前記第2の弾性片は、共に前記絶縁保持部側に湾曲部を有しており、前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片は、その先端部から前記湾曲部にかけての範囲で前記第1の弾性片から離れているものが好ましい。
【0021】
第1の弾性片と第2の弾性片に湾曲部が設けられていることで、第1の弾性片と第2の弾性片の自由長を実質的に長くできる。自由長を長くすることで、ばね定数を低下させることができ、その分だけ断面係数を大きくして最大応力を低下させて、強度と寿命を高めることが可能になる。また、荷重が作用していないときに、第1の弾性片と第2の弾性片は先端部から湾曲部にかけての範囲で離れているため、電子部品が装着されるときの初期の反力を小さくできる。
【0022】
本発明は、前記部品電極部で前記第1の弾性片が押されて変形するときに、前記第1の弾性片と前記第2の弾性片は、これらの長手方向の一箇所で接触した状態を維持したまま第1の側へ向けて弾性変形するものとして構成できる。
【0023】
本発明の電子部品用ソケットは、第1の弾性片と第2の弾性片が、長手方向の一箇所で接触したまま変形するため、変形時に摩擦力による抵抗力が作用しにくくなり、端子部から電極部に安定した反力を与えることが可能になる。
【0024】
本発明は、前記端子部は互いに独立した第1の金属片と第2の金属片とから構成されており、前記第1の金属片に前記第1の弾性片と第1の支持片が一体に形成され、前記第2の金属片に前記第2の弾性片と第2の支持片とが一体に形成されており、前記第1の支持片と前記第2の支持片とが密着して前記絶縁保持部に保持されているものとして構成できる。
【0025】
上記構造の電子部品用ソケットは、端子部が互いに独立した2つの金属片で構成されているが、それぞれの金属片の一部である支持片が絶縁保持部に密着して保持されているため、端子部と部品電極部との導通抵抗を2つの金属片で分担でき、抵抗値を低下させることができる。
【0026】
なお、本発明では、端子部が1つの金属片で形成され、この金属片が折り曲げられて、2つの弾性片と2つの支持片が一体に形成されたものであってもよい。
【0027】
本発明は、前記端子部に、前記絶縁保持部から前記部品支持部と逆の側に延びる基端片が設けられており、この基端片に、前記部品支持部と逆の側に対向する接続電極部に接続される導通片が形成されているものである。
【0028】
また、前記ハウジング内に金属板が保持されており、複数の前記端子部を保持した前記絶縁保持部が、前記金属板の貫通穴に保持されているものとすることができる。
【0029】
上記構成では、複数の端子部が金属板でシールドされるため、外部ノイズからの影響を受けにくくなる。
【0030】
なお、本発明は、絶縁保持体が合成樹脂製のハウジングに一体に形成されており、複数の端子部がハウジングに直接に固定されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、端子部を構成する複数の弾性片が部品電極部からの押圧力を分担するため、弾性反力を適正に設定でき、しかも端子部の強度を高めることができる。その結果、端子部を比較的短くして配列ピッチを密にすることが可能になる。
また、端子部が複数の弾性片で構成されているため、電気抵抗も下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の電子部品用ソケットの斜視図、
【図2】本発明の実施の形態の電子部品用ソケットと、その接続部材装着部に装着される接続部材を示すものであり、図1のII−II線の断面図、
【図3】本発明の実施の形態の電子部品用ソケットに接続部材が装着された状態を示す断面図、
【図4】接続部材と2つの金属板を示す分解斜視図、
【図5】第1の金属板の平面図、
【図6】第1の金属板と、複数の中間端子部を保持した絶縁保持部とを示す分解斜視図、
【図7】中間端子部の詳細を示す図2の一部分の拡大図、
【図8】電子部品の部品電極部が中間端子部に接触した状態を示す拡大図、
【図9】中間端子部の変形ストロークと弾性反力との関係を示す線図、
【図10】本発明の第2の実施の形態の電子部品用ソケットを示す断面図、
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1ないし図3に示すように、本発明の実施の形態の電子部品用ソケット1は、絶縁性のハウジング2と、このハウジング2に埋設された第1の金属板3および第2の金属板4を有している。ハウジング2と2つの金属板3,4はいわゆるインサート成型法によって一体化されている。すなわち、第1の金属板3と第2の金属板4とが合わされて金型のキャビティの内部に支持された状態で、キャビティ内に溶融樹脂が射出され、2つの金属板3,4を埋設したハウジング2が形成される。
【0034】
図1ないし図3に示すように、ハウジング2の上部に支持側壁部2aが形成されており、この支持側壁部2aで4面が囲まれた上側凹部5が形成されている。4面の支持側壁部2aのそれぞれの内側面に段差底部2bが形成されており、上側凹部5は、段差底部2bよりも上側の部分が部品支持部5aとなり、段差底部2bよりも下側の部分が端子変形空間5bとなっている。第1の金属板3と第2の金属板4の一部は、上側凹部5の底部すなわち端子変形空間5bの底部に位置している。
【0035】
図2と図3に示すように、ハウジング2には、支持側壁部2aからさらに4方向の外側に張り出す天井壁部2cが形成され、天井壁部2cの周囲から下側に延びる装着側壁部2dが一体に形成されて、装着側壁部2dで4面が囲まれた下側凹部6が形成されている。下側凹部6は、天井壁部2cの下面2eよりも下側の部分が接続部材装着部6aとなり、前記下面2eよりも上側の部分が端子接続空間6bとなっている。ハウジング2は、接続部材装着部6aが部品支持部5aよりも外周側に張り出した構造である。
【0036】
合成樹脂製のハウジング2の内部では、上側凹部5と下側凹部6とが連通しており、上側凹部5と下側凹部6とが、第1の金属板3および第2の金属板4で仕切られている。
【0037】
第1の金属板3と第2の金属板4は、鋼板などの比較的低抵抗の金属板で構成されている。
【0038】
図4と図5に示すように、第1の金属板3は、平面で見た形状が矩形状である。第1の金属板3の中央部に、小さな面積の矩形状の中央開口部3aが形成され、中央開口部3aを囲む矩形状の領域が、端子保持部3bとなっている。端子保持部3bである矩形状の領域の全域に、複数の貫通穴7が規則的に並んで設けられている。貫通穴7は、第1の金属板3を貫通する長方形の穴である。
【0039】
図4と図5に示すように、第1の金属板3には、端子保持部3bと同一面で且つ端子保持部3bから4方向の側方に延びる天井シールド面3dが設けられている。天井シールド面3dには貫通穴7が形成されていない。端子保持部3bから4方向の側方へ離れた位置に、天井シールド面3dからほぼ直角に折り曲げられた4面の側部シールド面3cが形成されている。
【0040】
図4に示すように、第2の金属板4は平板であり、第1の金属板3から側部シールド面3cを削除したものと同じ形状で同じ大きさである。第2の金属板4は、中央部に矩形状の中央開口部4aが形成されている。中央開口部4aの周囲の矩形状の領域が端子保持部4bであり、その外周部に天井シールド面4dが一体に形成されている。中央開口部4aおよび端子保持部4bの形状と大きさは、第1の金属板3の中央開口部3aならびに端子保持部3bと同じである。
【0041】
図2と図3に示すように、第2の金属板4の端子保持部4bに複数の貫通穴8が形成されている。この貫通穴8の開口面積と形状、ならびに配列状態は、第1の金属板3の端子保持部3bに形成された貫通穴7と同じである。
【0042】
第1の金属板3と第2の金属板4は、中央開口部3aと中央開口部4aとが一致し、複数の貫通穴7と複数の貫通穴8が個別に一致するように重ねられて、金型のキャビティ内に保持される。なお、第2の金属板4は第1の金属板3の下面側に重ねられる。そして、キャビティ内に溶融樹脂が射出されてハウジング2が成型される。
【0043】
上記工程で成型された電子部品用ソケット1は、図1ないし図3に示すように、第1の金属板3の中央開口部3aおよび端子保持部3bと、第2の金属板4の中央開口部4aおよび端子保持部4bとが、上側凹部5と下側凹部6との境界部に位置する。
【0044】
第1の金属板3の天井シールド面3dと第2の金属板4の天井シールド面4dは、ハウジング2の天井壁部2cの上に位置し、第1の金属板3の天井シールド面3dが天井壁部2cの最表面に現れる。また、第1の金属板3の側部シールド面3cが、装着側壁部2dの表面に現れる。部品支持部5aよりも周囲に張り出した形状の接続部材装着部6aは、天井部と4面の側部が金属板で覆われることになる。
【0045】
ハウジング2に埋設された第1の金属板3の端子保持部3bと第2の金属板4の端子保持部4bに、端子部である複数の中間端子部10が保持されている。中間端子部10は、端子保持部3bおよび端子保持部4bの領域の全域に配置されているが、図2と図3には、図示の都合上一部の中間端子部10のみが図示されている。
【0046】
図6に示すように、複数の中間端子部10は、合成樹脂材料で形成された絶縁保持部15に保持されている。絶縁保持部15は細長い棒形状であり、上下に貫通する保持穴15aが、長手方向に向けて一定のピッチで開口している。それぞれの中間端子部10は、保持穴15aに個別に圧入されて保持されている。あるいは、いわゆるインサート成型法で、絶縁保持部15と複数の中間端子部10とが一体化されている。
【0047】
図6に示すように、絶縁保持部15に、長手方向の幅寸法が一定の値Wとなるように区分されて下向きに突出する複数の凸部15bが一体に形成されている。それぞれの凸部15bには、2個の保持穴15aが含まれ、絶縁保持部15は、幅寸法Wの範囲にそれぞれ2組の中間端子部10を保持している。
【0048】
前記凸部15bは、第1の金属板3の端子保持部3bに形成された貫通穴7および第2の金属板4の端子保持部4bに形成された貫通穴8に個別に圧入できる寸法で形成されている。それぞれの凸部15bが、上下に並んでいる2つの貫通穴7,8に圧入されて、複数の中間端子部10が、端子保持部3bおよび端子保持部4bの領域に保持される。
【0049】
信号線を伝達するための中間端子部10と2つの金属板3,4との間は、絶縁保持部15で絶縁されている。図6に示すように、絶縁保持部15では、凸部15bの側部に、少なくともアース端子として機能する中間端子部10が露出する凹部15cが形成されている。この凹部15cに対向する部分に、金属板3に形成された一部の貫通穴7の内縁部から一体に突出する導通突起7aが設けられている。絶縁保持部15が貫通穴7に保持されたときに、導通突起7aが凹部15cの内部に入り込んで中間端子部10と接触し、第1の金属板3が、アース端子として機能する中間端子部10と同電位に設定される。
【0050】
また、第2の金属板4の貫通穴8の内縁部に導通突起を形成し、第2の金属板4をアース端子として機能する中間端子部10に導通させてもよい。
【0051】
第1の金属板3と第2の金属板4とが重ねられて導通しているため、第1の金属板3と第2の金属板4のいずれか一方を前記中間端子10に導通させることで、両金属板3,4を接地電位に設定することができる。
【0052】
あるいは、第1の金属板3の貫通穴7と第2の金属板4の貫通穴8の双方に導通突起を設け、それぞれの導通突起を、前記中間端子10に導通させてもよい。この場合に、第1の金属板3の導通突起7aと第2の金属板の導通突起を、互いに重なる位置に形成して、同じ中間端子10に導通させてもよいし、第1の金属板3の導通突起7aと第2の金属板の導通突起を異なる位置に形成して、別々の中間端子10に導通させてもよい。
【0053】
ハウジング2の上側凹部5と下側凹部6の境界部に、第1の金属板3の端子保持部3bと第2の金属板4の端子保持部4bが重ねられて位置しているため、ハウジング2の内部空間内に位置する端子保持部3b,4bの強度を高く維持でき、撓みなどが発生しにくくなる。また、中間端子部10を保持している絶縁保持部15の凸部15bが、上下に重ねられた2つの金属板3,4の貫通穴7,8で保持されるため、絶縁保持部15の保持強度が高くなる。
【0054】
中間端子部10を組み付ける工程としては、先に第1の金属板3と第2の金属板4が重ねられて、貫通穴7,8に絶縁保持部15の凸部15bが圧入された後に、中間端子部10を保持した第1の金属板3と第2の金属板4とが金型のキャビティ内に保持された状態で、溶融樹脂が射出されてハウジング2が形成される。あるいは、第1の金属板3と第2の金属板4が埋設されたハウジング2が成型された後の工程で、端子保持部3b,4bの貫通穴7,8に、絶縁保持部15が圧入されてもよい。
【0055】
図7と図8に拡大して示すように、それぞれの中間端子部10は第1の金属片11と第2の金属片12とが重ねられて構成されている。第1の金属片11と第2の金属片12は、リン青銅板などの板ばね材料で形成され、表面にニッケルメッキ層がさらにその表面に金メッキ層が積層されている。
【0056】
第1の金属片11が第1の支持片11aを有し、第2の金属片12が第2の支持片12aを有している。第1の支持片11aと第2の支持片12aは板厚方向に重ねられ、互いに密着して絶縁保持部15に保持されている。第1の支持片11aと第2の支持片12aが密着していることで、第1の金属片11と第2の金属片12が常に同電位である。
【0057】
第1の金属片11は、絶縁保持部15の上面15dから離れた位置に折曲げ部11bが設けられ、折曲げ部11bよりも上方に湾曲部11cが形成され、湾曲部11cの上端から連続する平板部11dが一体に形成されている。平板部11dの先部に、曲げ変形された接触部11eが一体に形成されている。
【0058】
第2の金属片12は、絶縁保持部15の上面15dから離れた位置に折曲げ部12bが設けられ、折曲げ部12bよりも上方に湾曲部12cが形成され、湾曲部12cの上端から平板部12dが一体に延びている。
【0059】
図7と図8に示すように、第1の金属片11と第2の金属片12は、絶縁保持部15の上面15dから折曲げ部11b,12bの範囲で互いに密着しており、この部分の曲げ剛性が高く変形しにくくなっている。すなわち、折曲げ部11b,12bから下の部分が第1の支持片11aおよび第2の支持片12aである。
【0060】
図7に示すように、中間端子部10に外力である荷重Fが作用していないとき、第1の金属片11と第2の金属片12が、折曲げ部11b,12bからそれぞれの先端部までの範囲で互いに離れている。すなわち、第1の金属片11と第2の金属片12は、湾曲部11c,12cと平板部11d,12dにおいて互いに板厚方向に離れている。
【0061】
第1の金属片11は、湾曲部11cと平板部11dが主な弾性変形領域であり、折曲げ部11bよりも先側の湾曲部11cと平板部11dが第1の弾性片として機能する。第2の金属片12も、湾曲部12cと平板部12dが主な弾性変形領域であり、折曲げ部12bよりも先側の湾曲部12cと平板部12dが第2の弾性片として機能する。
【0062】
第1の金属片11の湾曲部11cは曲がり梁として機能し、平板部11dは単純梁として機能し、接触部11eに下向きの荷重Fが作用したときに、主に湾曲部11cと平板部11dに曲げ変形が発生して、第1の金属片11が第1の側(α方向)へ向けて撓み変形する。第2の金属片12も、湾曲部12cが曲がり梁として機能し、平板部12dが単純梁として機能する。
【0063】
図6に示すように、第1の金属片11の第1の弾性片と、第2の金属片12の第2の弾性片の幅寸法は同じ寸法Waである。
【0064】
折曲げ部11bよりも下側は、第1の金属片11と第2の金属片12とが重ねられて剛性が高められ、その上に湾曲部11cが位置しているため、第1の金属片11が第1の側(α方向)へ向けて撓むときに、湾曲部11cで曲げ応力が分散され、絶縁保持部15の上面15dから突出している部分に過大な応力が集中するのを避けることができる。また、湾曲部11cを有するため、絶縁保持部15の上面15dから接触部11eまでの立ち上がり寸法を短くしても、折曲げ部11bよりも先の部分の第1の弾性片の実質的な自由長を長くできる。これは第2の金属片12の第2の弾性片においても同じである。
【0065】
図7に示すように、中間端子部10に下向きの荷重Fが作用していないとき、第1の金属片11の接触部11eが、ハウジング2の部品支持部5aの内部に位置しており、第1の金属片11と第2の金属片12とが離れて対向している部分が、端子変形空間5bの内部に位置している。
【0066】
図7と図8に示すように、第1の金属片11に絶縁保持部15の下面15eから下方へ突出する基端片11fが一体に設けられ、第2の金属片12に絶縁保持部15の下面15eから下方へ突出する基端片12fが一体に設けられている。基端片11fと基端片12fは互いに密着している。そして、第2の金属片12の基端片12fの下端部が直角に折り曲げられて、導通片12gが形成されている。導通片12gは、ハウジング2の内部の端子接続空間6bの内部に位置している。
【0067】
図2と図3に示すように、電子部品用ソケット1の接続部材装着部6aに、接続部材20が保持される。
【0068】
接続部材20は、コネクタ基板であり、上面20aに複数の上部接続電極部21が配列し、下面20bに複数の下部接続電極部22が配列している。上部接続電極部21は、表面に球形状の半田層を有している。下部接続電極部22も表面に球形状の半田層を有している。
【0069】
図4に示すように、接続部材20の上面20aに、矩形状の電極配列領域20cが形成され、この電極配列領域20cに複数の上部接続電極部21が規則的に配列している。電極配列領域20cの形状および面積は、第1の金属板3の端子保持部3bおよび第2の金属板4の端子保持部4bの領域の形状ならびに面積と同等である。また、上部接続電極部21の配列状態が、中間端子部10の配列状態と一致し、上部接続電極部21の配列ピッチP1が、中間端子部10の配列ピッチP1と一致している。
【0070】
接続部材20はいわゆる多層基板であり、厚さ方向に重ねられた複数の絶縁層によって構成されている。図2に示すように、接続部材20の内部の各層の表面に内部配線層23がパターン形成されており、上部接続電極部21と下部接続電極部22とが、内部配線層23を介して一対一の関係で導通している。そして、下部接続電極部22の配列ピッチP2が、上部接続電極部21の配列ピッチP1よりも広く形成されている。
【0071】
図3に示すように、接続部材20は、ハウジング2の接続部材装着部6aの内部に挿入される。接続部材20を装着側壁部2dの内部に挿入し、天井壁部2cの下面2eに突き当てることで、ハウジング2に対して接続部材20が位置決めされ、それぞれの中間端子部10の導通片12gと接続部材20の上部接続電極部21とが当接させられる。この状態で加熱炉に供給されると、上部接続電極部21の表面の半田層が溶融し、上部接続電極部21と中間端子部10の導通片12gとが個別に半田付けされて、ハウジング2に接続部材20が保持される。
【0072】
または、導通片12cの上部接続電極部21と対向する部分に、予め球状の半田層が付着して設けられ、前記半田層と上部接続電極部21とを当接させた状態で加熱炉に供給し、半田層を溶融させて上部接続電極部21と導通片12cとが半田付けされてもよい。
【0073】
電子部品用ソケット1が実装されるメイン基板(マザーボード)は、その表面にメイン電極部を有しており、メイン電極部は、接続部材20の下部接続電極部22の配列ピッチP2と同じピッチで配置されている。接続部材20の下部接続電極部22と、メイン電極部とを個別に対面させ、下部接続電極部22の半田層を溶融させることで、下部接続電極部22とメイン電極部とが個別に半田付けされ、電子部品用ソケット1が接続部材20を介してメイン基板に実装される。
【0074】
また、複数の中間端子部10のうちのアース端子が、図6に示される導通突起7aによって2つの金属板3,4に導通されるため、2つの金属板3,4が接地電位に設定される。
【0075】
中間端子部10の配列ピッチP1に対し、下部接続電極部22の配列ピッチP2が広いため、メイン基板のメイン電極部のピッチを広くでき、多層基板であるメイン基板の層の数を少なくして、メイン基板の製造コストを削減することが可能である。
【0076】
図3および図8に示すように、メイン基板に実装された電子部品用ソケット1に、電子部品30が装着される。電子部品30は、ICのベアチップ、あるいはICパッケージである。電子部品30の底面30aに、複数の部品電極部31が形成されている。部品電極部31は表面が平坦面の金属層で形成されている。電子部品30の底面30aにおける部品電極部31の配列領域は、多数の中間端子部10が配列している領域と同じである。部品電極部31の配列ピッチP1は、中間端子部10の配列ピッチP1と同じである。
【0077】
電子部品30は、電子部品用ソケット1の部品支持部5aに挿入されて、支持側壁部2aで囲まれて平面方向へ動かないように位置決めされ、部品電極部31と中間端子部10とが、上下に個別に対向する。そして、電子部品30が上方から図示しない押さえ部材で押さえられて固定される。
【0078】
電子部品30が部品支持部5aに挿入されると、部品電極部31が、図7に示すように部品支持部5a内に突出している第1の金属片11の接触部11eに当接する。電子部品30が押し込まれると、接触部11eに下向きの荷重Fが与えられ、まず第1の金属片11のみが第1の側(α方向)へ撓み変形し、その後に第1の金属片11と第2の金属片12が当接して、一緒に第1の側(α方向)へ撓み変形する。
【0079】
第1の金属片11と第2の金属片12は、折曲げ部11b,12bよりも先の部分が離れているため、荷重Fが作用し始めたときに、第1の金属片11は、湾曲部11cと平板部11dとから成る第1の弾性片が第2の金属片12に当たることなく変形する。第1の金属片11の湾曲部11cと平板部11dから部品電極部31に作用する弾性反力を比較的小さく設定しておくことにより、電子部品30を比較的軽い力で、部品支持部5aに押し込むことができる。
【0080】
第1の金属片11が第1の側(α方向)へ撓む途中で、第1の金属片11の平板部11dと第2の金属片12の平板部12dとが当接部10aで当接し、その後は、第1の金属片11と第2の金属片12とが一緒に第1の側(α方向)に向けて撓み変形する。2つの弾性片が当接する当接部10aは、第1の弾性片および第2の弾性片の長手方向(湾曲部から平板部へ向う方向)における一箇所であり、第1の弾性片と第2の弾性片が一緒に撓む間、この状態が維持される。
【0081】
図9の線図は、横軸が接触部11eの下方向への移動距離で、縦軸が接触部11eから部品電極部31に与えられる弾性反力である。この線図で示されるように、部品電極部31が接触部11eに接触した後の第1の期間で、第1の金属片11のみが撓み変形し、このときの中間端子部10のばね定数がE1である。第1の金属片11と第2の金属片12とが当接した後は、第1の金属片11と第2の金属片12の双方が撓み変形するため、その後の第2の期間では、ばね定数がE2である。第1の金属片11と第2の金属片12は板厚寸法と幅寸法Waが同じであるため、ばね定数E2はほぼ2×E1となる。
【0082】
図8に示すように、電子部品30が段差底部2bに押し付けられて位置決めされたときに、第1の金属片11および第2の金属片12のばね定数E2によって、接触部11eが部品電極部31に圧接させられる。このときの弾性反力を十分大きく設定しておくことで、接触部11eを部品電極部31に確実に接触させることができ、導通抵抗を小さくできる。
【0083】
図8に示すように、第1の金属片11と第2の金属片12が第1の側(α方向)へ撓んでいるときに、部品電極部31から下向きに与えられる荷重Fは、第1の金属片11と第2の金属片12のそれぞれに、ほぼF/2ずつ作用する。
【0084】
電子部品30の部品電極部31の配列ピッチP1が短い場合には、絶縁保持部15からの中間端子部10の立ち上がり寸法を短くし、且つ部品電極部31で押されたときの撓み変形量を小さくすることが必要である。ここで、仮に中間端子部10が1枚の板ばねで構成されているとすると、その自由長を短くするとばね定数が大きくなるため、ばね定数を小さくするためには、板ばねの断面二次モーメントを小さくすることが必要になる。その結果、断面係数が小さくなり、(曲げモーメント)/(断面係数)で求められる最大応力が大きくなる。
【0085】
しかし、図7と図8に示すように、荷重Fを2つの金属片11,12で分担して受けることで、それぞれの金属片11,12に作用する曲げモーメントを、1つの板ばねの場合のほぼ半分にでき、その結果、最大応力を低減することができる。よって、第1の金属片11と第2の金属片12とによるばね定数E2を適度な値に設定し、しかも中間端子部10を短くして、個々の金属片11,12の強度と寿命を高めることが可能になる。
【0086】
図7と図8に示すように、第1の金属片11と第2の金属片12が第1の側(α方向)に撓み変形するときに、第2の金属片12の先端部が、第1の金属片11の先端部から突出しないため、中間端子部10を2層構造にしても、撓み変形に必要なスペースが大きくならない。
【0087】
また、第1の金属片11と第2の金属片12が第1の側(α方向)へ向けて変形するときに、第1の金属片11と第2の金属片12が常に長手方向の一箇所の当接部10aで当接し、折曲げ部11b,12bよりも先部では、それ以外の場所で2つの金属片11,12が当接していない。この当接部10aは、第1の金属片11の平板部11dと接触部11eの境界部である。
【0088】
第1の金属片11と第2の金属片12とが一箇所の当接部10aで当接しながら変形することで、2つの金属片11,12が変形するときに互いの接触による摩擦抵抗が小さくなり、複数の中間端子部10で反力のばらつきが発生するのを防止できるようになる。
【0089】
また、中間端子部20が2つの金属片11,12で構成されているため、中間端子部20の電気抵抗も低くできる。
【0090】
この電子部品用ソケット1は、複数の中間端子部10が2つの金属板3,4に形成された複数の貫通穴7,8を貫通しているため、2つの金属板3,4によって中間端子部10が相互にシールドされることになり、中間端子部10で伝送される信号に外部ノイズが重畳されにくくなる。
【0091】
接続部材20は、上面が2つの金属板3,4で覆われ、4面の側部が側部シールド面3cで覆われる構造であるため、接続部材20の上部接続電極部21と中間端子部10との導通部、および下部接続電極部22とメイン基板のメイン電極部との接続部、さらには内部配線層23をシールドすることができ、接続部材20を介して伝送される信号を外部ノイズから保護しやすくなる。
【0092】
図2と図3に示すように、接続部材20は、中間端子部10に接続される上部接続電極部21の配列ピッチP1よりも、メイン基板に接続される下部接続電極部22の配列ピッチP2が広くなっている。したがって、接続部材20が設置される接続部材装着部6aは、部品支持部5aよりも側方へ張り出した形状である。この張り出した部分の天井部が天井シールド面3d,4dで覆われ、側部が側部シールド面3cで覆われているため、接続部材20の電子部品30からはみ出した部分を効果的にシールドでき、接続部材20で伝送される信号を保護できるようになる。
【0093】
図10に示す第2の実施の形態の電子部品用ソケット101は、合成樹脂製のハウジング102に上側凹部105が形成され、その内部が部品支持部105aと端子変形空間105bとなっている。第1の金属板103と第2の金属板104が重ねられて、ハウジング102の底部に設置されて、金属板103,104とハウジング102とが一体に固定されている。第1の金属板103に貫通穴107が、第2の金属板104に貫通穴108が形成されて、両貫通穴107,108に絶縁保持部15が保持されている。
【0094】
絶縁保持部15に保持されている中間端子部10の構造は図6ないし図8に示したものと同じであり第1の金属片11と第2の金属片12を有している。第2の金属片12の下端に一体に形成された導通片12gが第1の金属板103から下側に突出している。
【0095】
図10に示す電子部品用ソケット101には、接続部材装着部6aが設けられておらず、第1の金属板103がソケットの底面に現れている。この電子部品用ソケット101は、接続部材20を使用せずに、メイン基板(マザーボード)の上に直接に設置され、前記導通片12gが、メイン基板に設けられたメイン電極部に個別に半田付けされる。
【0096】
なお、上記各実施の形態では、中間端子部10が2つの金属片11,12で構成されているが、中間端子部10が1枚の金属板を折り曲げて形成され、一方の折曲げ片に第1の支持片11a、湾曲部11c、平板部11d、接触部11eが形成され、他方の折曲げ片に湾曲部12c、平板部12dが形成されたものであってもよい。
【0097】
また、第2の金属片12をさらに補強する第3の金属片が設けられていてもよい。
さらに、ソケットに2つの金属板3,4または金属板103,104が設けられておらず、中間端子部10を保持する絶縁保持部15が、合成樹脂製のハウジング2と一体に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1,101 電子部品用ソケット
2,102 ハウジング
2a 支持側壁部
2b 段差底部
2c 天井壁部
2d 装着側壁部
3,103 第1の金属板
3b 端子保持部
3c 側部シールド面
3d 天井シールド面
4,104 第2の金属板
4b 端子保持部
4d 天井シールド面
5,105 上側凹部
5a,105a 部品支持部
5b,105b 端子変形空間
6 下側凹部
6a 接続部材装着部
6b 端子接続空間
7,8 貫通穴
7a 導通突起
10 中間端子部
10a 当接部
11 第1の金属片
11a 第1の支持片
11b 折曲げ部
11c 湾曲部(第1の弾性片)
11d 平板部(第1の弾性片)
11e 接触部
12 第2の金属片
12a 第2の支持片
12b 折曲げ部
12c 湾曲部(第2の弾性片)
12d 平板部(第2の弾性片)
15 絶縁保持部
20 接続部材
20c 電極配列領域
21 上部接続電極部
22 下部接続電極部
23 内部配線層
30 電子部品
31 部品電極部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が設置される部品支持部を有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて前記電子部品の底面に設けられた複数の部品電極部に接触する端子部とが設けられた電子部品用ソケットにおいて、
前記端子部は、前記ハウジング内の絶縁保持部に固定された支持片と、前記絶縁保持部から前記部品支持部に向けて延びる第1の弾性片および第2の弾性片とを有し、
前記電子部品が前記部品支持部に設置されたときに、前記第1の弾性片が前記部品電極部に押されて第1の側へ向けて曲げ変形可能であり、
前記第2の弾性片は、前記第1の弾性片よりも第1の側に位置し、前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片は、その先端部から前記絶縁保持部に向かう所定寸法の範囲で前記第1の弾性片から離れており、
前記第1の弾性片が第1の側へ所定距離だけ変形したときに、前記第1の弾性片と前記第2の弾性片とが接触することを特徴とする電子部品用ソケット。
【請求項2】
前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片の先端部が、前記第1の弾性片の先端部よりも前記絶縁保持部に近い側に位置している請求項1記載の電子部品用ソケット。
【請求項3】
前記第1の弾性片と前記第2の弾性片は、共に前記絶縁保持部側に湾曲部を有しており、前記端子部に外力が作用していないときに、前記第2の弾性片は、その先端部から前記湾曲部にかけての範囲で前記第1の弾性片から離れている請求項1または2記載の電子部品用ソケット。
【請求項4】
前記部品電極部で前記第1の弾性片が押されて変形するときに、前記第1の弾性片と前記第2の弾性片は、これらの長手方向の一箇所で接触した状態を維持したまま第1の側へ向けて弾性変形する請求項1ないし3のいずれかに記載の電子部品用ソケット。
【請求項5】
前記端子部は互いに独立した第1の金属片と第2の金属片とから構成されており、前記第1の金属片に前記第1の弾性片と第1の支持片が一体に形成され、前記第2の金属片に前記第2の弾性片と第2の支持片とが一体に形成されており、前記第1の支持片と前記第2の支持片とが密着して前記絶縁保持部に保持されている請求項1ないし4のいずれかに記載の電子部品用ソケット。
【請求項6】
前記端子部に、前記絶縁保持部から前記部品支持部と逆の側に延びる基端片が設けられており、この基端片に、前記部品支持部と逆の側に対向する接続電極部に接続される導通片が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の電子部品用ソケット。
【請求項7】
前記ハウジング内に金属板が保持されており、複数の前記端子部を保持した前記絶縁保持部が、前記金属板の貫通穴に保持されている請求項1ないし6のいずれかに記載の電子部品用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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