説明

電子音楽装置及びプログラム

【課題】ドライバを決定することができる電子音楽装置を提供する。
【解決手段】外部機器とデバイスドライバの対応関係を記録した動作確認済みリストと、取得した外部機器情報に基づき前記動作確認済みリストを参照して前記外部機器に対応するドライバを検索する検索手段と、前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記動作確認済みリストから検出した場合に、当該検出したデバイスドライバを用いて前記外部機器を制御するように決定する第1の決定手段と、前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記動作確認済みリストから検出しない場合に、記憶手段に記憶されているデバイスドライバを順次使用して前記外部機器に対して所定のコマンドを実行し、エラーとならないデバイスドライバを前記外部機器に対応するデバイスドライバとして決定する第2の決定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子音楽装置に関し、より詳しくは、外部機器を接続して使用することのできる電子音楽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子楽器や音源装置、ミキサー等の電子音楽装置の汎用スロットに、例えば、LANカード等の外部機器を挿入して、電子音楽装置の機能を拡張することが行われている。外部機器を電子音楽装置で使用可能にするには、当該外部機器に対応するデバイスドライバ(以下、単にドライバと呼ぶ)を組み込む必要がある。
【0003】
通常、ドライバの設定は、装置に内蔵されているドライバの中から選択する。装置に内蔵されているドライバに対応するものが無い場合は、外部機器に付属するCD−ROM等の記録メディアから当該外部機器を接続する装置に読み込むか、又はインターネット等の公衆ネットワークを介してダウンロードすることにより行われる。
【0004】
外部機器を接続する際のドライバの決定方法として、従来、複数のドライバから当該外部機器に対応するドライバを検出する通信設定装置が知られている。この通信設定装置では、複数のドライバの一つ一つを介して外部機器に所定のデータを送信し、そのデータに対する回答の有無によりドライバの対応状況を判断している。(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−256348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来の装置では、既に動作確認済みの外部機器を接続した場合にも、全てのドライバについて検証作業を行っているため、使用するドライバを決定するのに時間が必要となる。
【0007】
本発明の目的は、迅速に使用ドライバを決定することができる電子音楽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、電子音楽装置は、外部機器を接続することができる汎用インターフェイスと、外部機器を動作させるためのデバイスドライバと、外部機器と前記デバイスドライバの対応関係を記録した動作確認済みリストとを記憶する記憶手段と、前記汎用インターフェイスに接続される外部機器から外部機器情報を取得する取得手段と、前記取得した外部機器情報に基づき前記動作確認済みリストを参照して前記外部機器に対応するドライバを検索する検索手段と、前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記動作確認済みリストから検出した場合に、当該検出したデバイスドライバを用いて前記外部機器を制御するように決定する第1の決定手段と、前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記動作確認済みリストから検出しない場合に、前記記憶手段に記憶されているデバイスドライバを順次使用して前記外部機器に対して所定のコマンドを実行し、エラーとならないデバイスドライバを前記外部機器に対応するデバイスドライバとして決定する第2の決定手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、迅速に使用ドライバを決定することができる電子音楽装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の実施例による電子音楽装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0012】
電子音楽装置1は、例えば、キーボード等の電子楽器、音源装置、ミキサー、レコーダー等のPA機器、ステレオコンポ等のAV機器であり、音楽に関連する処理を行う電子機器である。
【0013】
電子音楽装置1は、バス6、RAM7、ROM8、CPU9、タイマ10、検出回路11、パネル操作子12、演奏操作子22、表示回路13、ディスプレイ14、外部記憶装置15、MIDIインターフェイス16、音源回路18、効果回路19、サウンドシステム20、汎用スロット23を含んで構成される。
【0014】
バス6には、RAM7、ROM8、CPU9、外部記憶装置15、検出回路11、表示回路13、MIDIインターフェイス16、音源回路18、効果回路19、汎用スロット23が接続される。
【0015】
RAM7は、バッファ領域、フラグ、レジスタ、各種パラメータ等を記憶するCPU9のワーキングエリアを有する。
【0016】
ROM8には、各種パラメータ及び制御プログラム、又は本実施例を実現するためのプログラム等を記憶することができる。また、ROM8は、複数種類の外部機器24で用いるデバイスドライバ(ドライバ)を記録している。
【0017】
CPU9は、ROM8に記憶されている制御プログラム等に従い、演算又は制御を行う。タイマ10は、CPU9に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング等をCPU9に供給する。
【0018】
ユーザは、検出回路11に接続されるパネル操作子12を用いて、各種入力及び設定をすることができる。パネル操作子12は、例えば、スイッチ、パッド、フェーダ、スライダ、文字入力用キーボード、マウス、ロータリーエンコーダ、ジョイスティック、ジョグシャトル等、ユーザの入力に応じた信号を出力できるものならどのようなものでもよい。また、パネル操作子12は、マウス等の他の操作子を用いて操作するディスプレイ14上に表示されるソフトスイッチ等でもよい。
【0019】
演奏操作子22は、検出回路11に接続され、ユーザの演奏動作に従い、演奏情報を供給する。演奏操作子22として、演奏用の鍵盤、パッド等を用いることができる。なお、演奏操作子22はこれらに限らず、ユーザが演奏情報を入力できるものであればどのようなものでもよい。
【0020】
表示回路13は、ディスプレイ14に接続され、各種情報をディスプレイ14に表示することができる。ユーザは、このディスプレイ14に表示される情報を参照して、各種入力及び設定を行う。また、ディスプレイ14は、外部の表示装置を接続することにより構成してもよい。
【0021】
MIDIインターフェイス(MIDI I/F)16は、MIDI機器17、その他の楽器、音響機器、コンピュータ等に接続できるものであり、少なくともMIDI信号を送受信できるものである。MIDIインターフェイス16は、専用のMIDIインターフェイスに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェイスを用いて構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。
【0022】
MIDI機器17は、MIDIインターフェイス16に接続される音響機器及び楽器等である。MIDI機器17の形態は鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、音源装置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信方法用いて各装置を接続するものであってもよい。
【0023】
音源回路18は、ROM8又はRAM7等に記録された音楽コンテンツ若しくは演奏操作子22又はMIDIインターフェイス16に接続されたMIDI機器17等から供給される演奏信号、MIDI信号等に応じて楽音信号を生成し、効果回路19を介して、サウンドシステム20に供給する。
【0024】
効果回路19は、音源回路18から供給される楽音信号に対して、各種音楽的効果を付与する。
【0025】
サウンドシステム20は、D/A変換器及びスピーカを含み、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音する。
【0026】
汎用スロット23は、PCIスロット、PCMCIAスロット等の外部機器装着用の汎用インターフェイスであり、該汎用スロット23を介して外部機器24が接続される。なお、汎用スロット23は、いわゆる拡張用スロットに限らず、外部機器を接続して使用できるものであれば良く、例えば、USBインターフェイス等でも良い。
【0027】
外部機器24は、電子音楽装置1の機能を拡張するために汎用スロット23に挿入(接続)されるものであり、パソコン用に一般的に入手できる装置である。例えば、LANアダプタ、オーディオインターフェイス、USBスピーカー、ストレージデバイス(半導体メモリ、HDD、FDD、DVDドライブ、CD−ROMドライブ等)、モデム、ビデオアダプタ、モニターディスプレイ、外部音源装置など、メーカー(ベンダー)が多数ありながら、当該外部機器に実装されているチップのメーカーが限られ、一つのドライバで複数メーカーの外部機器に対応できる種類の装置であることが望ましい。
【0028】
なお、外部機器24は、外部機器の製造(販売)会社を特定するベンダーID、及び製品を特定するプロダクトIDを含む外部機器情報を内部に記録していて、電子音楽装置1からの要求に従い。外部機器情報を電子音楽装置1に供給する。なお、外部機器情報はベンダーID及びプロダクトIDの組み合わせに限らず、当該外部機器を特定できるものであれば、どのようなものでもよい。
【0029】
外部記憶装置15は、外部記憶装置用のインターフェイスを含み、そのインターフェイスを介してバス6に接続される。
【0030】
外部記憶装置15は、後述するユーザリストCL2を記録するための記録領域を有する。外部記憶装置15としては、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリが考えられる。
【0031】
なお、外部記憶装置15として、さらに、例えばフレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HDD)、光磁気ディスク(MO)ドライブ、CD−ROM(コンパクトディスク−リードオンリィメモリ)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等が接続されていても良い。なお、これらの記憶装置は、上述の汎用スロット23を介して接続しても良い。
【0032】
また、通信インターフェイス21を備えていても良い。通信インターフェイス21は、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク3に接続可能であり、該通信ネットワーク3を介して、サーバ5と相互に接続可能である。
【0033】
なお、通信インターフェイス21及び通信ネットワーク3は、有線のものに限らず無線でもよい。また双方を備えていてもよい。また、通信インターフェイス21は、内蔵のものでも良いし、上述の汎用スロット23を介して接続しても良い。
【0034】
なお、本実施例は、外部記録メディアを挿入して用いるタイプの外部記憶装置や通信インターフェイス21を出荷時には装備しておらず、外部機器24とともに供給されるドライバをインストールすることが困難な電子音楽装置1に対して特に効果的である。よって、外部記録メディアを挿入して用いるタイプの外部記憶装置や通信インターフェイス21は、本実施例を行う上では特に必要ではない。
【0035】
図2は、本実施例による動作確認済みリストの概念図である。図2(A)は、ROM8等に予め記録されている動作確認済みリスト(プリセットリスト)CL1を表し、図2(B)は、後述するドライバ決定処理により作成・追記される動作確認済みリスト(ユーザリスト)CL2を表す。
【0036】
プリセットリストCL1及びユーザリストCL2は双方ともに、外部機器の製造元を特定するベンダーID及び製品を特定するプロダクトIDからなる外部機器情報と、当該外部機器情報を有する外部機器に対応するドライバを特定するためのドライバIDの対応関係を記録している。
【0037】
なお、ユーザリストCL2では、電子音楽装置1で使用することができないと確認された外部機器が非対応機器として記録されている。本実施例では、対応するドライバがないことをドライバIDを#0とすることで表している。なお、これに限らず対応ドライバが無いことを判断できれば、どのような記録方法でも良い。
【0038】
図3は、図2に示す動作確認済みリストで表されるドライバと外部機器の対応付けを表す概念図である。
【0039】
本実施例の電子音楽装置1は、例えば、図1のROM8内にドライバ記憶領域DSを有し、該ドライバ記憶領域DS内に複数種類のドライバ(ドライバA、ドライバB、ドライバC、…)を記憶している。なお、これらのドライバに、例えば、機能面若しくは汎用性から見た順位付けを施すようにしても良い。
【0040】
例えば、A社の製品Aが図1の汎用スロット23に挿入・接続されると、まず、ベンダーID(#2)及びプロダクトID(#5)をキーとしてユーザリストCL2内を検索し、その後、プリセットリストCL1内を検索する。そこで、プリセットリストCL1によるとベンダーID(#2)及びプロダクトID(#5)に対応するドライバはドライバID(#1)を有するドライバAであることが分かる。
【0041】
また、例えば、B社の製品Cが図1の汎用スロット23に挿入・接続されると、まず、ベンダーID(#10)及びプロダクトID(#21)をキーとしてユーザリストCL2内を検索し、その後、プリセットリストCL1内を検索する。そこで、プリセットリストCL1によるとベンダーID(#10)及びプロダクトID(#21)に対応するドライバはドライバID(#1)を有するドライバAであることが分かる。
【0042】
ここで、ドライバAは、A社の製品A及びB社の製品Cのいずれにも使用することが記録されている。このように、異なるベンダーの製品であっても同じドライバで動作可能な場合が多々あり、そのようの組み合わせを記録することにより、より多くの外部機器に対応可能となる。特に、CD−ROMドライブ等を装備せず且つインターネット等にも接続できないことが多い電子音楽装置では、外部機器に完全に対応したドライバを新たにインストールすることが困難であるので、異なるベンダーのドライバであってもの動作可能であれば対応関係を記録しておく。
【0043】
また、例えば、C社の製品Gが図1の汎用スロット23に挿入・接続されると、まず、ベンダーID(#83)及びプロダクトID(#31)をキーとしてユーザリストCL2内を検索し、ベンダーID(#83)及びプロダクトID(#31)に対応するドライバはドライバID(#3)を有するドライバCであることが分かる。
【0044】
さらに、例えば、A社の製品Fが図1の汎用スロット23に挿入・接続されると、まず、ベンダーID(#2)及びプロダクトID(#7)をキーとしてユーザリストCL2内を検索し、ベンダーID(#2)及びプロダクトID(#7)に対応するドライバが存在しない(ドライバID:#0)ことが分かる。
【0045】
その他の外部機器についても、上述の外部機器と同様に、動作確認済みリストを参照してドライバを決定し、図に示すような対応関係となる。
【0046】
図4は、本発明の実施例によるドライバ決定処理を表すフローチャートである。この処理は、電子音楽装置1のROM8等に記憶されているプログラムに基づくCPU9等による処理により行われる。また、ドライバ決定処理は、電子音楽装置1の電源投入時、外部機器に関する設定時、新たな外部機器24が接続されたことを検出した時、若しくはユーザが外部機器を使用する時に起動する。ここで、外部機器を使用する時とは、例えば、外部機器がLANアダプタや、モデムである場合は、ブラウザを立ち上げてインターネット等に接続しようとした場合である。
【0047】
ステップSA1では、ドライバ決定処理を開始し、ステップSA2では、汎用スロット23(図1)に接続されている(又は新たに接続された)未設定の外部機器24の情報を取得する。ここで取得する情報は、例えば、外部機器24に保存されているベンダーID及びプロダクトIDである。なお、ベンダーID及びプロダクトIDをまとめて外部機器情報と呼ぶ。
【0048】
ステップSA3では、ステップSA2で取得した外部機器情報をキーとして、例えば、図2(B)に示す動作確認済みリスト(ユーザリスト)CL2を参照して、当該外部機器に対応するドライバを検索する。なお、本実施例では、ユーザリストCL2の先頭から順次検索を行い、対応ドライバを検出した時点で検索を終了する。
【0049】
ステップSA4では、ステップSA3での検索で外部機器が非対応機器としてユーザリストCL2に登録されていた(例えば、ドライバIDが「#0」となっている)か否かを判断する。外部機器が非対応機器である場合は、YESの矢印で示すステップSA17に進む。非対応機器として登録されていない場合は、NOの矢印で示すステップSA5に進む。
【0050】
ステップSA5では、ステップSA3での検索で外部機器に対応するドライバを検出したか否かを判断する。対応ドライバを検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA16に進む。対応ドライバを検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA6に進む。
【0051】
ステップSA6では、ステップSA2で取得した外部機器情報をキーとして、例えば、図2(A)に示す動作確認済みリスト(プリセットリスト)CL1を参照して、当該外部機器に対応するドライバを検索する。なお、本実施例では、プリセットリストCL1の先頭から順次検索を行い、対応ドライバを検出した時点で検索を終了する。
【0052】
ステップSA7では、ステップSA6での検索で外部機器に対応するドライバを検出したか否かを判断する。対応ドライバを検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA16に進む。対応ドライバを検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA8に進む。
【0053】
ステップSA8では、未検証のドライバを、例えば、ドライバ記憶領域DSから、1つロードする。なお、本実施例では、複数のドライバが記憶されているが、このステップSA8でドライバを読み込む順番に優先順位をつけるようにしても良い。例えば、高性能のものを先にして、選択されやすくしたり、汎用性の高いもの又は入手しやすいものを先にして検証にかかる時間を短縮したりするようにしても良い。
【0054】
ステップSA9では、ステップSA8でロードしたドライバを使用して所定のコマンドシーケンスを実行する。ここで実行する所定のコマンドシーケンスとしては、例えば、初期化処理などが考えられる。ドライバごとにコマンドが異なるため、外部機器に合致していないドライバを使って初期化コマンドを送るとエラーとなり初期化に成功しない。
【0055】
ステップSA10では、ステップSA9で実行したコマンドシーケンスが成功しか否かを判断する。成功した場合は、YESの矢印で示すステップSA13に進む。失敗した場合、すなわちエラーとなった場合は、NOの矢印で示すステップSA11に進む。
【0056】
ステップSA11では、ドライバ記憶領域DSに記憶されている全てのドライバの検証を終了したか否かを判断する。全てのドライバの検証が終了している場合は、YESの矢印で示すステップSA12に進み、非対応機器として、外部機器をユーザリストCL2の先頭に追加する。その後、ステップSA17に進む。検証が終了していない場合は、NOの矢印で示すステップSA8に戻り、次のドライバをロードする。
【0057】
ステップSA13では、動作保証無しに当該外部機器を使用するか否かをユーザに問い合わせる。ユーザへの問い合わせは、例えば、ディスプレイ14に動作保証の無い旨を明示した上で当該外部機器を使用するか否かをユーザに選択させる。ここで、動作保証が無いのは、特定のコマンドシーケンスが成功したからといって、全ての動作が保証されるわけではないので、一部の動作に不具合が生じる場合があるためである。
【0058】
ステップSA14では、ステップSA13での問い合わせに対して、ユーザが使用することを選択したか否かを判断する。使用する場合は、YESの矢印で示すステップSA15に進む。使用しない場合は、NOの矢印で示すステップSA17に進む。
【0059】
ステップSA15では、外部機器とステップSA9でのコマンドシーケンスの実行に成功したドライバとの対応をユーザリストCL2に追加する。なお、ここでユーザリストCL2に追加されるのは、例えば、外部機器情報とドライバIDである。
【0060】
ステップSA16では、所定のドライバ(ステップSA5又はステップSA7で検出したドライバ若しくはステップSA10で検証に成功したドライバ)を使用して外部機器を使用するように電子音楽装置1を設定する。なお、ここでの処理は、外部機器を使った機能の有効化及び所定のドライバのロードを含む。その後、ステップSA18に進み、ドライバ決定処理を終了する。
【0061】
ステップSA17では、当該外部機器を使用しないように電子音楽装置1を設定する。その後、ステップSA18に進み、ドライバ決定処理を終了する。
【0062】
以上、本発明の実施例によれば、接続される外部機器とドライバの対応関係をユーザリストに記録するので、一度動作確認をした外部機器について再度動作確認をする必要が無く、迅速に使用するドライバを決定することができる。
【0063】
また、対応するドライバが無い外部機器に対しては非対応機器であることを記録するようにしたので、非対応機器を再度接続した場合には、迅速に非対応機器であることが分かり、無駄な検証時間を要さない。
【0064】
なお、実施例では、対応ドライバを検出できなかった外部機器をユーザリストCL2に追加するようにして、図4のステップSA4で最初に非対応機器であるか否かを判断しているが、処理を簡潔にするために、図4のステップSA4及びステップSA12の処理を省略しても良い。
【0065】
また、実施例では、動作確認済みリストをプリセットリストCL1とユーザリストCL2の二つとしたが、これらのリストを一つにまとめたものを用意しても良い。すなわち、プリセットリストに新たに動作確認された外部機器とドライバの組み合わせを追加するようにしてもよい。
【0066】
また、実施例では、ユーザリストCL2内の検索をプリセットリストCL1内の検索よりも先に行ったが、プリセットリストCL1内の検索を先に行うようにしても良い。
【0067】
なお、実施例では、通信インターフェイス21は特に必要が無いものとしたが、通信インターフェイス21を備えている場合もしくは既に外部機器24としてLANアダプタ等の通信機器が装着されている場合には、通信ネットワーク3等を介してサーバ5に接続し、プリセットリスト等を更新したり、サーバ5上の操作確認済みリストを参照したりするようにしても良い。このようにすることで、電子音楽装置用のデバイスドライバが開発されていないか、サーバ及び電子音楽装置の仕様によりネットワークにおける純正のデバイスドライバのインストールがインストールができない場合にも対応することができる。
【0068】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例による電子音楽装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例による動作確認済みリストの概念図である。
【図3】図2に示す動作確認済みリストで表されるドライバと外部機器の対応付けを表す概念図である。
【図4】本発明の実施例によるドライバ決定処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1…電子音楽装置、3…通信ネットワーク、5…サーバ、6…バス、7…RAM、8…ROM、9…CPU、10…タイマ、11…検出回路、12…設定操作子、13…表示回路、14…ディスプレイ、15…外部記憶装置、16…MIDI I/F、17…MIDI機器、18…音源回路、19…効果回路、20…サウンドシステム、21…通信I/F、22…演奏操作子、23…汎用スロット、24…外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器を接続することができる汎用インターフェイスと、
外部機器を動作させるためのデバイスドライバと、外部機器と前記デバイスドライバの対応関係とを記憶する記憶手段と、
前記汎用インターフェイスに接続される外部機器から外部機器情報を取得する取得手段と、
前記取得した外部機器情報に基づき前記対応関係を参照して前記外部機器に対応するドライバを検索する検索手段と、
前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記対応関係から検出した場合に、当該検出したデバイスドライバを用いて前記外部機器を制御するように決定する第1の決定手段と、
前記検索手段が前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記対応関係から検出しない場合に、前記記憶手段に記憶されているデバイスドライバを順次使用して前記外部機器に対して所定のコマンドを実行し、エラーとならないデバイスドライバを前記外部機器に対応するデバイスドライバとして決定する第2の決定手段と
を有する電子音楽装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに前記第2の決定手段によって決定されるデバイスドライバと前記外部機器の対応関係を記憶する請求項1記載の電子音楽装置。
【請求項3】
さらに、前記記憶手段に記憶されている全てのデバイスドライバで、前記第2の決定手段によって実行される所定のコマンドに対してエラーとなる場合は前記外部機器を非対応機器であると判断する判断手段を有する請求項1又は2記載の電子音楽装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、さらに前記外部機器が非対応機器であると判断された場合に前記外部機器が非対応機器であることを記憶する請求項3記載の電子音楽装置。
【請求項5】
外部機器を接続することができる汎用インターフェイスと、外部機器を動作させるためのデバイスドライバと、外部機器と前記デバイスドライバの対応関係とを記憶する記憶手段とを有する電子音楽装置において実行されるプログラムであって、
前記汎用インターフェイスに接続される外部機器から外部機器情報を取得する取得手順と、
前記取得した外部機器情報に基づき前記対応関係を参照して前記外部機器に対応するドライバを検索する検索手順と、
前記検索手順で前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記対応関係から検出された場合に、当該検出したデバイスドライバを用いて前記外部機器を制御するように決定する第1の決定手順と、
前記検索手順で前記外部機器に対応するデバイスドライバを前記対応関係から検出されない場合に、前記記憶手段に記憶されているデバイスドライバを順次使用して前記外部機器に対して所定のコマンドを実行し、エラーとならないデバイスドライバを前記外部機器に対応するデバイスドライバとして決定する第2の決定手順と
を有するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−47831(P2006−47831A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230930(P2004−230930)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】