説明

電子顕微鏡、試料ステージおよび試料ステージの制御方法

【課題】試料台を任意の方向に大きな角度でも容易にユーセントリックに傾斜させる。
【解決手段】電子顕微鏡100は、その試料ステージ1として、X,Y,Z方向に自在に移動可能な基体ステージ10、基体ステージ10上に回転自在に配設される回転ステージ20、回転ステージ20上にX,Y方向に自在に移動可能に配設される球体駆動ステージ30、試料台42がその表面上方にその表面に平行に取付けられた試料傾斜駆動球体40などを備える。制御装置70は、試料台42を傾斜させる方向角と傾斜角と試料傾斜駆動球体40の半径とに基づき、球体駆動ステージ30のX,Y方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ球体駆動ステージ30を移動させ、さらに、試料台42の傾斜に伴い試料80の観察対象領域が移動するX,Y,Z方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ、その移動方向とは反対方向に、基体ステージ10を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料台をユーセントリックに傾斜させることが可能な電子顕微鏡、試料ステージおよび試料ステージの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SEM(Scanning Electron Microscope)などの電子顕微鏡で試料表面の凹凸を詳しく観察する場合には、しばしば、その試料を傾斜させて、斜め上方からの視点で観察する。その場合に、試料を傾斜させると、観察対象部分が視野から外れてしまったり、焦点がぼけてしまったりすることがある。そこで、近年の多くの電子顕微鏡の試料ステージには、試料をユーセントリックに傾斜させる機能が設けられており、試料を傾斜させても、観察対象部分が視野から外れたり、焦点がぼけたりすることが防止されている。
なお、ユーセントリックとは、電子顕微鏡などにおいて、試料を傾斜させたり回転したりしても、観察対象部分が視野から外れたり、焦点がぼけたりしないことをいう。
【0003】
特許文献1には、電子顕微鏡などで一般的に用いられているユーセントリック試料ステージの例が開示されている。特許文献1によれば、その試料ステージは、試料をX,Y,R(回転)方向に移動自在に保持する保持ステージと、その保持ステージを保持して傾斜させる基体ステージと、により構成されている。そして、その基体ステージは、電子ビームの照射方向に垂直で、かつ、電子ビームの照射軸と交差する直線を中心軸(以下、この中心軸をC軸と呼ぶ)とする円筒の側面上に配置されるとともに、その円筒の側面に沿って、C軸を中心に回転自在に構成されている。そして、前記の保持ステージは、基体ステージの円筒の内側に相当する面上に保持されている。
【0004】
このような試料ステージでは、保持ステージに保持されている試料の観察対象領域が、C軸上にあり、かつ、電子ビームの照射軸上にあり、さらに、電子ビームの焦点が合っている場合には、基体ステージをC軸の周りで回転させることにより、試料をユーセントリックに傾斜させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−251407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されているユーセントリック試料ステージでは、基体ステージが大きな円筒の側面上を回転することになるので、その基体ステージを収納する真空試料室のサイズが大きくなってしまう。あるいは、その真空試料室を小型化した場合には、電子顕微鏡の他の部材、例えば、二次電子検出器などの配置との兼ね合いなどから、基体ステージが回転可能な角度、すなわち、試料を傾斜させることが可能な角度を大きくすることができない。
【0007】
また、この場合にユーセントリックな傾斜が可能なのは、C軸に直交する方向だけである。これでは、ユーザは、試料を様々な斜め上方から見た、それぞれ異なった陰影のあるSEM画像を得ることができない。もちろん、この試料ステージでも、保持ステージを水平に戻した上で、回転させ、再度傾斜させれば、様々な斜め上方から見た試料のSEM画像を得ることは可能であるが、その分、操作手数は余計に掛かることになる。
【0008】
そこで、本発明は、試料台を任意の方向に大きな角度でも容易にユーセントリックに傾斜させることが可能な電子顕微鏡、試料ステージおよび試料ステージの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る電子顕微鏡においては、その試料ステージを、真空試料室内に配設されて、その室内をX軸,Y軸およびZ軸の各方向に自在に移動する基体ステージと、その基体ステージの上面に配設され、その基体ステージの上面に支持されて配設され、その上面に平行な平面のX軸およびY軸の各方向に自在に移動する球体駆動ステージと、その球体駆動ステージの上面に載置され、その載置された球体駆動ステージの上面を回転する試料傾斜駆動球体と、観察対象の前記試料を保持する試料台と、を含んで構成されている。そして、前記試料傾斜駆動球体は、前記基体ステージと、前記基体ステージに支持されて前記球体駆動ステージの上方に配設された支持部材と、によって自身の回転中心位置が前記基体ステージの上方の所定の位置に固定されるように保持されおり、また、前記試料台は、前記試料傾斜駆動球体の表面の外側上方に、自身の上面が前記表面と平行になるように、その試料傾斜駆動球体に固定して配設されている。
【0010】
このような電子顕微鏡において、制御装置は、試料台を傾斜させる方向角と傾斜角の入力を受付けたときには、その方向角と傾斜角と前記試料傾斜駆動球体の半径とに基づき、球体駆動ステージのX軸およびY軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ前記球体駆動ステージを移動させる。さらに、制御装置は、前記試料台を傾斜させたことによる試料台に保持された試料の観察対象領域部分のX軸,Y軸およびZ軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ、その移動方向とは反対方向に、基体ステージを移動させる。
【0011】
すなわち、本発明における試料ステージでは、試料台を傾斜させることにより、試料の観察対象領域部分が移動した移動量と、同じ移動量を、基体ステージが反対方向に移動するので、試料の観察対象領域部分は、元の位置に戻ることになる。すなわち、試料傾斜時のユーセントリック性が実現されることになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、試料台を任意の方向に大きな角度でも容易にユーセントリックに傾斜させることが可能な電子顕微鏡、試料ステージおよび試料ステージの制御方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電子顕微鏡の構成の例を示した図。
【図2】試料台がX軸に対して傾斜角θで傾斜した場合に必要となるユーセントリック補正移動量を説明するための図。
【図3】試料台が方向角γの方向に傾斜角θで傾斜した場合に必要となるユーセントリック補正移動量を説明するための図。
【図4】本発明の実施形態に係る電子顕微鏡の制御装置で行われるユーセントリックなステージ制御の処理手順の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡の構成の例を示した図である。図1に示すように、電子顕微鏡100は、いわゆるSEMであり、電子銃50a、電子レンズ50bなどから構成された鏡体50と、観察対象の試料80を保持、移動させる試料ステージ1(試料台42、球体駆動ステージ30、基体ステージ10など)と、その試料ステージ1を収納する真空試料室60と、鏡体50および試料ステージを制御して、試料80の観察像を取得する制御装置70と、を含んで構成される。
【0016】
ここで、試料80は、試料台42の上面に保持され、その観察対象領域部分には、鏡体50の電子レンズ50bの対物レンズ部分から出射される電子ビーム51が照射される。電子ビーム51が照射された試料80の表面からは、その表面の材質や形状に応じた二次電子52が放出される。二次電子検出器53は、その放出された二次電子52を検出して、その二次電子52の検出量を電気信号などに変換し、二次電子検出信号として制御装置70へ送信する。
【0017】
制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)71およびメモリ72を少なくとも含んでなるコンピュータによって構成されるとともに、信号処理部73、鏡体制御部74、ステージ制御部75などを含んでいる。ここで、信号処理部73は、二次電子検出器53から送信された二次電子検出信号を受信する。そして、その受信した二次電子検出信号について、鏡体制御部74から鏡体50へ出力する電子ビーム51の走査制御信号などとの同期合わせを行い、試料80表面の二次元観察像を生成し、生成した二次元観察像をメモリ72に格納する。CPU71は、メモリ72に格納された二次元観察像を読み出して表示部76に表示する。
【0018】
本実施形態では、試料80の表面を斜め上方から見た二次元観察像を取得するために、試料80を保持する試料台42は、試料傾斜駆動球体40の表面の法線方向の上方に、その表面と平行(すなわち、球の接平面と平行)になるように支持部材41を介して取付けられる。つまり、試料台42は、その上面が、試料傾斜駆動球体40の中心と試料台42の中心部とを結ぶ直線と、垂直になるように試料傾斜駆動球体40上に取付けられる。従って、試料傾斜駆動球体40が任意の方向に任意の角度回転することによって、試料台42、つまり、試料80を任意の方向に任意の傾斜角だけ容易に傾斜させることができる。
【0019】
ここで、試料傾斜駆動球体40は、球体駆動Xステージ31の水平な上面に載置され、その上面を滑ることなく自由に転がる、つまり、回転することができる。また、試料台42は、試料傾斜駆動球体40と一体となって回転するように構成されている。このとき、試料傾斜駆動球体40および球体駆動Xステージ31の材料としては、その相互の表面のすべり摩擦が十分に大きいものが選ばれる。その結果、試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面を転がると、試料台42は、その転がる方向と距離とに応じて傾斜することになる。
【0020】
そこで、本実施形態では、試料傾斜駆動球体40の中心の位置を固定するとともに、球体駆動Xステージ31を任意の水平方向に適当な距離だけ自在に移動可能なように構成する。そうすれば、ユーザは、球体駆動Xステージ31を適当な方向へ適当な距離だけ移動させることによって、試料傾斜駆動球体40を回転させ、試料台42を所望の方向に、所望の角度だけ傾斜させることができるようになる。
【0021】
まず、球体駆動Xステージ31を任意の方向(水平方向)に適当な距離だけ自在に移動可能にする構成について説明する。図1に示すように、球体駆動Xステージ31は、球体駆動Yステージ32の水平な上面にX方向に移動自在に配設され、また、球体駆動Yステージ32は、回転ステージ20の水平な上面にY方向に移動自在に配設される。例えば、球体駆動Xステージ31は、球体駆動Yステージ32の上面に設けられたX方向のレール上を、そのレールに沿ってX方向にのみ移動するステージとして構成され、また、球体駆動Yステージ32は、回転ステージ20の上面に設けられたY方向のレール上を、そのレールに沿ってY方向にのみ移動するステージとして構成される。
【0022】
このように構成された球体駆動Xステージ31および球体駆動Yステージ32は、実質的には一体となって回転ステージ20の水平な上面をX,Y方向に自在に移動するステージであり、本明細書では、以下、これらのステージを纏めて球体駆動ステージ30と呼ぶ。すなわち、球体駆動ステージ30は、回転ステージ20の上面をX,Y方向に自在に移動可能になる。
【0023】
なお、図1において、X軸方向は、水平方向で、紙面の左から右に向かう方向、Y軸方向は、水平方向で、紙面の表側から裏側に向かう方向、Z軸方向は、垂直方向で、紙面の下側から上側へ向かう方向をいう。また、本明細書では、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向を、それぞれ、単に、X方向、Y方向、Z方向と略称する。
【0024】
次に、試料傾斜駆動球体40の中心の位置を回転ステージ20上で固定する構成について説明する。その構成は、図1に示すように、球体保持部材22と、球体保持部材22を回転ステージ20に離間させて固定する接続部材21と、によって実現される。
【0025】
すなわち、球体保持部材22は、その中央部に試料傾斜駆動球体40の直径よりをわずかに小さい直径の開口部を有する板材であり、その開口部の内壁側には、試料傾斜駆動球体40に接するベアリング23が設けられている。そして、球体保持部材22は、その開口部の下側に試料傾斜駆動球体40を収容するとともに、その収容した試料傾斜駆動球体40を、球体保持部材22と球体駆動Xステージ31の上面とにより挟み込むように保持して、試料傾斜駆動球体40の中心位置を固定する。このとき、球体保持部材22の開口部の内壁側にはベアリング23が設けられているので、試料傾斜駆動球体40は、球体保持部材22の開口部内で滑らかに回転することができる。
【0026】
次に、回転ステージ20は、基体Xステージ11の水平な上面に、その水平面内で回転自在なように配設されている。回転ステージ20は、通常の電子顕微鏡に一般的に設けられているステージでもある。すなわち、回転ステージ20は、試料傾斜駆動球体40および支持部材41を介して試料台42が水平に保たれているとき、その試料台42およびその上面に保持された試料80を任意の水平方向に回転させる役割を担っている。
【0027】
なお、本実施形態では、前記の球体保持部材22は、接続部材21により回転ステージ20に取付けられるときには、その開口部の中心が回転ステージ20の回転軸とほぼ一致するように取付けられるものとする。
【0028】
次に、試料台42が水平に保たれた状態で、鏡体50から照射される電子ビーム51の焦点位置が試料80の観察対象領域部分に合わせられているとき、球体駆動ステージ30を移動させることにより、試料傾斜駆動球体40を回転させ、試料台42を傾斜させることを考える。その場合、回転ステージ20が鏡体50に対して静止しているときには、試料傾斜駆動球体40が回転し、試料台42が傾斜すると、試料80の観察対象領域部分は、その傾斜に伴って移動するため、電子ビーム51の焦点位置から外れてしまう。
【0029】
そこで、本実施形態では、試料傾斜駆動球体40が回転し、試料台42が傾斜することによって、試料80の観察対象領域部分が電子ビーム51の焦点位置から移動する場合には、その移動量と同じだけ、反対方向に、試料台42などを搭載した回転ステージ20全体を移動させ、試料80の観察対象領域部分を元の位置に戻すようにする。そうすれば、試料台42が傾斜しても、試料80の観察対象領域と電子ビーム51の焦点位置との相対位置関係は変化しないので、そのユーセントリック性が実現される。
【0030】
なお、この場合に、回転ステージ20全体を移動させるのは、回転ステージ20がその上面に配設されている基体Xステージ11である。ここで、基体Xステージ11は、基体Yステージ12の水平な上面にX方向に移動自在に配設され、また、基体Yステージ12は、基体Zステージ13の水平な上面にY方向に移動自在に配設され、さらに、基体Zステージ13は、真空試料室60の筐体内壁などにZ方向に移動自在に配設されている。従って、基体Xステージ11、基体Yステージ12および基体Zステージ13をそれぞれX方向、Y方向およびZ方向に適宜移動させることによって、回転ステージ20をX方向、Y方向およびZ方向に自在に移動させることができる。
【0031】
以上のように基体Xステージ11、基体Yステージ12および基体Zステージ13は、実質的には一体となって真空試料室60の筐体内でX,Y,Zの各方向に移動するステージであり、本明細書では、以下、これらのステージを纏めて、単に、基体ステージ10と呼ぶ。すなわち、基体ステージ10は、真空試料室60の筐体内をX,Y,Zの各方向に自在に移動可能なステージである。
【0032】
この基体ステージ10は、試料80傾斜時のユーセントリック性を確保するために新たに設けられたステージではなく、回転ステージ20と同様に通常の電子顕微鏡に一般的に設けられているステージである。なお、基体ステージ10は、通常は、試料80の観察対象領域の位置あわせや焦点合わせに用いられている。
【0033】
なお、以上に説明した基体ステージ10など試料ステージ1の駆動は、通常、真空試料室60の室外に設けられたステージ駆動部65により行われる。ステージ駆動部65は、駆動の動力源となるモータや、基体ステージ10を支持して、移動させる機構部などから構成されている。なお、回転ステージ20や球体駆動ステージ30の駆動部が真空試料室60内のそれぞれのステージ上に配設されことになるが、ここでは、その図示を省略している。
【0034】
また、以上の説明では、暗黙のうちに、球体駆動ステージ30が移動するX軸方向およびY軸方向は、基体ステージ10が移動するX軸方向およびY軸方向と同じであると仮定しているが、本実施形態では、回転ステージ20が存在するので、一般的には、その仮定は成立しない。しかしながら、本実施形態では、回転ステージ20が回転することは、実質的に想定されていないので、以下の説明でも、球体駆動ステージ30の移動方向に基づく座標系と、基体ステージ10の移動方向に基づく座標系は、同じであるとする。なお、両者の座標系が異なる場合については、最後に補足して説明する。
【0035】
続いて、図2および図3を参照して、試料台42を傾斜させるとき、そのユーセントリック性を確保するために、基体ステージ10を移動すべき移動量の計算式について説明する。なお、その移動量のX方向,Y方向およびZ方向の成分を(δX,δY,δZ)で表し、以下、ユーセントリック補正移動量と呼ぶ。
【0036】
図2は、試料台42がX軸に対して傾斜角θで傾斜した場合に必要となるユーセントリック補正移動量を説明するための図である。ここでは、図2に示すように、試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面と接する点を原点Oとする。そして、その原点Oを通り、球体駆動Xステージ31の上面に含まれ、かつ、球体駆動Xステージ31の移動方向に平行な直線(矢印付き実線で表示)をX軸とする。また、原点Oおよび試料傾斜駆動球体40の中心Qを通り、X軸に垂直な直線(矢印付き一点鎖線で表示)をZ軸とする。また、球体駆動Xステージ31の上面に含まれ、X軸に垂直な直線(原点Oを通り、紙面の表側から裏側に向かう図示しない直線)をY軸とする。
【0037】
さらに、試料傾斜駆動球体40に支持部材41で支持された試料台42(図示省略)の上面に保持された試料80の観察対象領域部分の傾斜駆動前の位置を点Aで表す。また、点Aから試料傾斜駆動球体40の中心Qまでの距離を記号aで表し、また、試料傾斜駆動球体40の半径を記号bで表す。
【0038】
そして、球体駆動Xステージ31をX軸の正方向に駆動し、試料台42を傾斜角θだけ傾けると、観察対象領域の位置は、点Aから点A’へ移動する。なお、このとき、球体駆動Xステージ31をX軸の正方向へ駆動する駆動量sは、
s=−b・θ
によって与えられる。
【0039】
すなわち、球体駆動Xステージ31をX軸の負方向に距離sだけ移動させると、試料台42、つまり、試料80は、傾斜角θだけ傾くことになる。そして、このときの点A’の座標(x,y,z)は、(a・sinθ,0,b+a・cosθ)となる。従って、このとき、点Aが点A’へ移動する移動量(ΔX,ΔY,ΔZ)は、
(ΔX,ΔY,ΔZ)=(a・sinθ,0,a・cosθ−a)
で与えられる。
【0040】
従って、基体ステージ10のユーセントリック補正移動量(δX,δY,δZ)は、
(δX,δY,δZ)=(−a・sinθ,0,a−a・cosθ)
となる。すなわち、試料台42をZ軸に対して傾斜角θだけ傾斜させた後、基体ステージ10をX軸の正方向に−a・sinθの距離だけ移動させ、Z軸の正方向にa−a・cosθの距離だけ移動させれば、観察対象領域部分の点A’は、元の点Aへ戻ることになり、観察対象領域部分の傾斜に対するユーセントリック性が確保されることになる。
【0041】
図3は、試料台42が方向角γの方向に傾斜角θで傾斜した場合に必要となるユーセントリック補正移動量を説明するための図である。この図3は、簡単にいえば、図2の構成に試料台42が傾斜する方向を表した方向角γを導入することにより、二次元の説明を三次元の説明に一般化した図である。従って、座標軸のとり方は、図2の場合と同じであるが、図示の仕方は、図2がY=0平面での断面図的表示であったのに対し、図3が斜視図的表示になっている点において異なっている。
【0042】
この図3において、点Pは、点A’のX−Y平面(Z=0平面)上への射影点である。このとき、方向角γは、線分OPがX軸となす角として定義される。また、傾斜角θは、線分QA’がZ軸となす角に相当する。従って、線分OPの長さは、a・sinθで与えられるので、点Pの座標(x,y)は、
(x,y)=(a・sinθ・cosγ,a・sinθ・sinγ)
となる。
【0043】
従って、図3の場合、試料80の観察対象領域部分が点A(図3では図示省略)から点A’へ移動する移動量(ΔX,ΔY,ΔZ)は、
(ΔX,ΔY,ΔZ)=
(a・sinθ・cosγ,a・sinθ・sinγ,a・cosθ−a)
で与えられる。よって、基体ステージ10のユーセントリック補正移動量(δX,δY,δZ)は、
(δX,δY,δZ)=
(−a・sinθ・cosγ,−a・sinθ・sinγ,a−a・cosθ)
となる。
【0044】
また、この場合、球体駆動ステージ30の駆動量sは、図2の場合と同じく
s=−b・θ
によって与えられ、そのそれぞれのX方向成分sxおよびY方向成分syは、
(sx,sy)=(−b・θ・cosγ,−b・θ・sinγ)
となる。
【0045】
こうして、球体駆動ステージ30の駆動距離sが与えられるが、この場合に注意すべきことは、球体駆動ステージ30の球体駆動Xステージ31および球体駆動Yステージ32を駆動するときには、試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面を回転するときの接点の軌跡が直線になるようにしなければならないことである。そうしなければ、先に求めた駆動量s(sx,sy)を用いることによって、試料80の観察対象領域部分を点A’へ正しく移動させることはできない。
【0046】
試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面を転がるときの接点の軌跡が直線になるようにするためには、球体駆動Xステージ31の移動速度と球体駆動Yステージ32の移動速度との比が常に一定であることが必要である。そこで、本実施形態では、そのそれぞれの目標速度を(Vx,Vy)としたとき、
(Vx,Vy)=(−b・θ・cosγ/Δt,−b・θ・sinγ/Δt)
で与えられる移動速度で、球体駆動Xステージ31および球体駆動Yステージ32を駆動する。
【0047】
ここで、Δtは、(Vx,Vy)を算出する前に設定しておくべき数値である。ここでは、例えば、Vaを球体駆動Xステージ31および球体駆動Yステージ32の平均的に採り得る最大速度であるとしたとき、Δtは、b・θ・cosγ/Va,b・θ・sinγ/Vaのうち、大きいほうの値であるとする。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡100の制御装置70で行われるユーセントリックなステージ制御の処理手順の例を示した図である。図1に示したように、制御装置70のCPU71およびステージ制御部75は、ステージ駆動部65を介して、基体ステージ10、回転ステージ20および球体駆動ステージ30を駆動する。
【0049】
まず、CPU71は、図示しないキーボードなどの入力装置から、ユーザが所望する試料80(試料台42)の傾斜角θおよび方向角γを取得する(ステップS11)。次に、CPU71は、その取得した傾斜角θおよび方向角γ、ならびに、試料傾斜駆動球体40の半径bに基づき、試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面を転がる距離s(s=−b・θ)を算出する(ステップS12)。さらに、CPU71は、その距離sおよび方向角γに基づき、球体駆動ステージ30の移動量(Δx,Δy)を算出する(ステップS13)。ここで、Δx=−s・cosγ,Δy=−s・sinγである。
【0050】
次に、CPU71は、試料傾斜駆動球体40が球体駆動Xステージ31の上面を直線的に転がるための球体駆動ステージ30の目標移動速度(Vx,Vy)を算出する(ステップS14)。ここで、Vx=−s・cosγ/Δt,Vy=−s・sinγ/Δtであり、このとき、Δtは、例えば、前記したように、b・θ・cosγ/Va,b・θ・sinγ/Vaのうち、大きいほうの値であるとする。
【0051】
次に、CPU71は、ステージ制御部75を介してステージ駆動部65に対し、球体駆動ステージ30を目標移動速度(Vx,Vy)で移動量(Δx,Δy)だけ移動させることを指示する(ステップS15)。ステージ駆動部65は、この指示に基づき、球体駆動ステージ30を移動させ、その結果、試料80(試料台42)は、方向角γの方向に、傾斜角θで傾斜する。
【0052】
次に、CPU71は、球体駆動ステージ30の移動に基づく試料80の観察対象領域部分の移動量(ΔX,ΔY,ΔZ)を算出する(ステップS16)。ここで、
ΔX=a・sinθ・cosγ,ΔY=a・sinθ・sinγ,ΔZ=a・cosθ−a
である。
【0053】
次に、CPU71は、ステージ駆動部65に対し、基体ステージ10を移動量(−ΔX,−ΔY,−ΔZ)だけ移動させることを指示する(ステップS17)。この指示に基づき、ステージ駆動部65は、基体ステージ10を移動量(−ΔX,−ΔY,−ΔZ)だけ移動させるので、観察対象領域部分は、試料80(試料台42)が傾斜駆動される前と同じ位置に戻る。その結果、観察対象領域部分の傾斜に対するユーセントリック性が確保されることになる。
【0054】
なお、以上の図3および図4を用いた説明では、基体ステージ10のユーセントリック補正移動量(δX,δY,δZ)を、球体駆動ステージ30における座標軸に基づき算出している。従って、基体ステージ10の移動方向に基づくXY座標系が球体駆動ステージ30に基づくXY座標系を、任意の角度β、回転したものである場合には、基体ステージ10のユーセントリック補正移動量(δX,δY,δZ)は、基体駆動ステージ10に基づくXY座標系で算出する必要がある。
【0055】
そこで、基体ステージ10によるXY座標系が球体駆動ステージ30によるXY座標系を角度βだけ回転したものであるとする。その場合には、図3における点A’の射影点である点Pの座標(x’,y’)を、基体ステージ10によるXY座標系で表すと、
(x’,y’)=(a・sinθ・cos(γ−β),a・sinθ・sin(γ−β))
となる。
従って、基体ステージ10におけるXY座標系に基づいたユーセントリック補正移動量(δX,δY,δZ)のδXおよびδYは、
δX=−a・sinθ・cos(γ−β)
δY=−a・sinθ・sin(γ−β)
として、簡単に求めることができる。
【0056】
以上、本実施形態によれば、従来から用いられている基体ステージ10および回転ステージ20の上に、球体駆動ステージ30および試料傾斜駆動球体40を設けることによって、試料台42、つまり、試料80を任意の方向角γの方向に、任意の傾斜角θに傾斜させることが可能になった。また、その傾斜に伴う試料80の観察対象領域の位置移動を、基体ステージ10の移動によってキャンセルすることができるので、試料台42を傾斜したときのユーセントリック性を実現することができる。
【0057】
また、本実施形態では、方向角γは、0〜360度の任意の角度が許容される。一方、傾斜角θは、任意といっても、支持部材41を試料傾斜駆動球体40の中心を通る水平面よりわずかに上側に配設して、その試料傾斜駆動球体40を保持する必要があるため、その最大傾斜角は80度程度に制約される。しかしながら、80度は、実用上十分大きな傾斜角であり、とくに問題ない。
【0058】
また、特許文献1に記載されているユーセントリックステージでは、ユーセントリックに試料を傾斜させるステージが、試料をX,Y,Z方向へ移動させる一般的な移動ステージを保持している構成である。これに対し、本実施形態では、試料80(試料台42)を傾斜させるステージ(球体駆動ステージ30、試料傾斜駆動球体40など)が、試料80をR,X,Y,Z方向へ移動させる一般的なステージ(基体ステージ10)に保持される構成となっている。しかも、試料80傾斜時のユーセントリック性は、その基体ステージ10を利用することによって実現されている。従って、本実施形態における試料ステージ1のほうが、特許文献1に記載されているユーセントリックステージよりも、そのステージサイズを小型化することが容易である。よって、真空試料室60のサイズを小型化することができる。
【0059】
以上に説明した実施形態は、SEMなどの電子顕微鏡100およびその電子顕微鏡100で用いられる試料ステージ1に関するものであるが、その説明は、イオンビーム加工装置(FIB(Focused Ion Beam)加工装置)にも、ほとんど同様に適用可能であり、従って、本発明は、イオンビーム加工装置およびその試料ステージにも適用される。
【符号の説明】
【0060】
1 試料ステージ
10 基体ステージ
11 基体Xステージ
12 基体Yステージ
13 基体Zステージ
20 回転ステージ
21 接続部材
22 球体保持部材
23 ベアリング
30 球体駆動ステージ
31 球体駆動Xステージ
32 球体駆動Yステージ
40 試料傾斜駆動球体
41 支持部材
42 試料台
50 鏡体
50a 電子銃
50b 電子レンズ
51 電子ビーム
52 二次電子
53 二次電子検出器
60 真空試料室
65 ステージ駆動部
70 制御装置
71 CPU
72 メモリ
73 信号処理部
74 鏡体制御部
75 ステージ制御部
76 表示部
80 試料
100 電子顕微鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子銃および電子レンズを含んでなる鏡体と、試料を保持する試料ステージと、前記試料ステージを収納する真空試料室と、前記試料ステージの動作を制御する制御装置と、を含んで構成された電子顕微鏡であって、
前記試料ステージは、
前記真空試料室内に配設されて、その室内をX軸,Y軸およびZ軸の各方向に自在に移動する基体ステージと、
前記基体ステージの上面に支持されるとともに、その上面に平行な平面内でX軸およびY軸の各方向に自在に移動する球体駆動ステージと、
前記球体駆動ステージの上面に載置され、その載置された球体駆動ステージの上面を回転する試料傾斜駆動球体と、
観察対象の前記試料を保持する試料台と、
を含んで構成され、
前記試料傾斜駆動球体は、
前記基体ステージと、前記基体ステージに支持されて前記球体駆動ステージの上方に配設された支持部材と、によって自身の回転中心位置が前記基体ステージの上方の所定の位置に固定されるように保持され、
前記試料台は、
前記試料傾斜駆動球体の表面の外側上方に、自身の上面が前記表面と平行になるように前記試料傾斜駆動球体に固定して配設され、
前記制御装置は、
前記試料台を傾斜させる方向角と傾斜角の入力を受付けたときには、その方向角と傾斜角と前記試料傾斜駆動球体の半径とに基づき、前記球体駆動ステージのX軸およびY軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ前記球体駆動ステージを移動させ、
前記試料台を傾斜させたことによる前記試料台に保持された前記試料の観察対象領域部分のX軸,Y軸およびZ軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ、その移動方向とは反対方向に、前記基体ステージを移動させること
を特徴とする電子顕微鏡。
【請求項2】
前記試料ステージは、さらに、回転ステージを含んで構成され、
前記回転ステージは、
前記基体ステージの上面に、その上面に平行な平面内で回転自在に支持されて配設されるとともに、
前記球体駆動ステージは、
前記回転ステージの上面に、その上面におけるX軸およびY軸の各方向に移動自在に配設されること
を特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記球体駆動ステージを移動させる場合には、前記試料傾斜駆動球体が回転するときに前記球体駆動ステージの上面と接する点の軌跡が直線を描くように、X軸方向およびY軸方向のそれぞれの移動速度を調節して前記球体駆動ステージを移動させること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子顕微鏡。
【請求項4】
電子銃および電子レンズを含んでなる鏡体と、試料を保持する試料ステージと、前記試料ステージを収納する真空試料室と、前記試料ステージの動作を制御する制御装置と、を含んで構成された電子顕微鏡における試料ステージであって、
前記真空試料室内に配設されて、その室内をX軸,Y軸およびZ軸の各方向に自在に移動する基体ステージと、
前記基体ステージの上面に支持されるとともに、その上面に平行な平面内でX軸およびY軸の各方向に自在に移動する球体駆動ステージと、
前記球体駆動ステージの上面に載置され、その載置された球体駆動ステージの上面を回転する試料傾斜駆動球体と、
観察対象の前記試料を保持する試料台と、
を含んで構成され、
前記試料傾斜駆動球体は、
前記基体ステージと、前記基体ステージに支持されて前記球体駆動ステージの上方に配設された支持部材と、によって自身の回転中心位置が前記基体ステージの上方の所定の位置に固定されるように保持され、
前記試料台は、
前記試料傾斜駆動球体の表面の外側上方に、自身の上面が前記表面と平行になるように前記試料傾斜駆動球体に固定して配設され、
前記制御装置が前記試料台を傾斜させる方向角と傾斜角の入力を受付けたときには、
前記球体駆動ステージは、
前記制御装置が前記方向角と前記傾斜角と前記試料傾斜駆動球体の半径とに基づき算出したX軸およびY軸の各方向への移動量に従って移動し、
その後、前記基体ステージは、
前記制御装置が算出した、前記球体駆動ステージが移動し、前記試料台が傾斜することに伴う前記試料台に保持された前記試料の観察対象領域部分のX軸,Y軸およびZ軸の各方向への移動量と同じ移動量だけ、その移動方向とは反対方向に移動すること
を特徴とする試料ステージ。
【請求項5】
前記試料ステージは、さらに、回転ステージを含んで構成され、
前記回転ステージは、
前記基体ステージの上面に、その上面に平行な平面内で回転自在に支持されて配設されるとともに、
前記球体駆動ステージは、
前記回転ステージの上面に、その上面におけるX軸およびY軸の各方向に移動自在に配設されること
を特徴とする請求項4に記載の試料ステージ。
【請求項6】
前記球体駆動ステージは、移動する場合には、
前記試料傾斜駆動球体が回転するときに自身の上面と接する点の軌跡が直線を描くように、X軸方向およびY軸方向のそれぞれの移動速度を調節して移動すること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の試料ステージ。
【請求項7】
電子銃および電子レンズを含んでなる鏡体と、試料を保持する試料ステージと、前記試料ステージを収納する真空試料室と、前記試料ステージの動作を制御する制御装置と、を含んで構成された電子顕微鏡における試料ステージの制御方法であって、
前記試料ステージは、
前記真空試料室内に配設されて、その室内をX軸,Y軸およびZ軸の各方向に自在に移動する基体ステージと、
前記基体ステージの上面に支持されるとともに、その上面に平行な平面内でX軸およびY軸の各方向に自在に移動する球体駆動ステージと、
前記球体駆動ステージの上面に載置され、その載置された球体駆動ステージの上面を回転する試料傾斜駆動球体と、
観察対象の前記試料を保持する試料台と、
を含んで構成され、
前記試料傾斜駆動球体は、
前記基体ステージと、前記基体ステージに支持されて前記球体駆動ステージの上方に配設された支持部材と、によって自身の回転中心位置が前記基体ステージの上方の所定の位置に固定されるように保持され、
前記試料台は、
前記試料傾斜駆動球体の表面の外側上方に、自身の上面が前記表面と平行になるように前記試料傾斜駆動球体に固定して配設され、
前記制御装置は、
前記試料台を傾斜させる方向角と傾斜角の入力を受付けたときには、その方向角と傾斜角と前記試料傾斜駆動球体の半径とに基づき、前記球体駆動ステージのX軸およびY軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ前記球体駆動ステージを移動させ、
前記試料台を傾斜させたことによる前記試料台に保持された前記試料の観察対象領域部分のX軸,Y軸およびZ軸の各方向の移動量を算出し、その算出した移動量だけ、その移動方向とは反対方向に、前記基体ステージを移動させること
を特徴とする試料ステージの制御方法。
【請求項8】
前記試料ステージは、さらに、回転ステージを含んで構成され、
前記回転ステージは、
前記基体ステージの上面に、その上面に平行な平面内で回転自在に支持されて配設されるとともに、
前記球体駆動ステージは、
前記回転ステージの上面に、その上面におけるX軸およびY軸の各方向に移動自在に配設されること
を特徴とする請求項7に記載の試料ステージの制御方法。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記球体駆動ステージを移動させる場合には、前記試料傾斜駆動球体が回転するときに前記球体駆動ステージの上面と接する点の軌跡が直線を描くように、X軸方向およびY軸方向のそれぞれの移動速度を調節して前記球体駆動ステージを移動させること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載の試料ステージの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−243454(P2011−243454A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115463(P2010−115463)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】