電極アセンブリ及びその使用方法
電気的刺激をユーザの前庭系に供給するため、又はユーザの生理学的パラメータをモニタリングするための電極アセンブリを開示する。この装置は、電極支持部及び電極支持部から伸びる湾曲部を有する本体部材、並びに電極支持部に結合する電極を含む。さらにそのような装置を使用する方法が開示される。本発明は、また、本体部材、本体部材に結合する電極、電極の少なくとも一部に配置されるヒドロゲル素子を含む電極アセンブリを提供する。一実施例において、ヒドロゲル素子は、ヒドロゲル材料及び当該ヒドロゲル材料上に又はその中に配置される絶縁材を含み、絶縁層は、ヒドロゲル材料を通して電極によって伝達されるエネルギーを分散させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ(例えばユーザ前庭系)を刺激するため及び/又はユーザをモニタリングするための電極アセンブリに関し、特に、外耳の周囲にフィットするように構成される本体、並びに本体部材に結合され、エネルギーをユーザ(例えば前庭系)に供給し及び/又はユーザをモニタリングするように配置される電極を有する電極アセンブリに関し、さらにそのような装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前庭系は、空間中の頭部の位置及び動きの検出を担う。(内耳中に位置する)三半規管は前庭系の感覚器官であり、頭部の位置及び動きの情報を収集して、第八脳神経を介して中枢神経系にそれを送信する。前庭系の異常は、生理的異常(例えば目眩及び嘔気)をもたらす場合があり、症状は重大度において軽度のものから完全に衰弱させるものまでの範囲にわたる。
【0003】
三半規管、卵形嚢、球形嚢若しくは他の耳石器官のいずれかの刺激、及びこれらの器官若しくは第八脳神経からつながる神経線維の刺激、又はこれらの組み合わせは、正常な人に運動感覚をもたらす。前庭系の適度な刺激は、不快でない軽度の移動の知覚を引き起こす場合があるが、有益な特性(例えば患者の睡眠状態を促進すること)を備えることができる。
【0004】
前庭系を刺激するための多くの技術が存在する。これらの方法は、熱量測定アプローチ、化学的アプローチ及び電気的アプローチを含む。熱量測定及び化学的刺激は、一般的に暖かい溶液の直接適用、又は第八脳神経に対する直接的若しくは間接的な化学化合物の適用という形をとる。前庭系の電気的刺激は、一般的に、皮膚の表面上(例えば、耳の後の乳様突起上)の電極の配置、又は三半規管の直接刺激のための電極によって鼓膜を突き通すことを含む。内耳の中に埋め込まれる侵襲性の電極によって前庭系を刺激することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前庭系を刺激するのに用いられる従来の表面電極は、患者の快適さのために最適化されていない。それらは、一般的に、患者の表面に、一般的に乳様突起の近くに適用されるパッチ型電極から成る。この種の電極は、電極をユーザの表面に固定するのに十分に強い粘着層を含む。当然、そのような粘着剤を使用することは好ましくない。例えば、電極の除去は、ユーザの表面から粘着剤を取り外すことを必要とし、特に粘着剤が毛髪に固定されている場合、それは痛みを伴うプロセスである。
【0006】
加えて、刺激が供給されるべき正確な位置に表面電極を適用することは、素人にとって難しい。ユーザが電極を自分自身に適用することを試みている場合、頭部の側面は、ユーザの手が容易に届かず、さらに容易に見ることができないので、パッチ型電極を適切に配置することはさらに難しい。表面電極がユーザの所望の位置に適切に配置されない場合、表面電極によって提供される刺激エネルギーは望ましくない結果(例えば顔面筋の非特異的活性化、不随意攣縮、聴覚器官の知覚誤り又は頸部の頚動脈/血脈洞領域の神経の変調)を引き起こす可能性がある。
【0007】
耳道中に配置される電極を用いて前庭系を刺激することが知られている。しかしながら、ユーザは、いくつかの状況においてユーザが寝入るとき及び/又は眠っているときに行われる刺激治療の間に、耳の中に異物があることを好まないであろう。実際、人々の約15-30%が、耳の中に何かがあることを嫌うと考えられる。
【0008】
したがって、医療分野において、長い期間(例えば睡眠の間、及び平静安静時の期間)、患者にとって装着するのが十分に快適な、前庭系の特定の及び非侵襲的な活性化を可能にするシステムが、長らく必要とされている。システムは、ユーザが、適切な位置に、かつ補助なしで、頭部に刺激電極を自分自身で容易に配置できなければならない。加えて、そのようなシステムは、内耳の前庭系への様々な刺激周波数及び波形の供給を可能にしなければならない。
【0009】
システムが患者と下に横たわる支持体との間に配置される場合(例えば患者の頭部が枕の上にあり、刺激システムが頭部と枕との間に位置する場合)でさえも、システムは患者にとって快適でなければならない。加えて、例えば睡眠中の及び入眠しようと試みている時の寝返りのような通常の動き及び接触力にもかかわらず、刺激エネルギーが所望の解剖学的な位置に供給されるように、システムは、あるべき場所に確実にとどまらなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の目的は、従来の前庭刺激システムの欠点を克服する前庭刺激システムを提供することである。この目的は、電気的刺激をユーザの前庭系に供給するための電極アセンブリを含む前庭刺激システムを提供することによって、本発明の1つの実施の形態によって達成される。電極アセンブリは、電極支持部を持つ本体部材及び前記電極支持部から伸びる湾曲部を含む。湾曲部は、電極アセンブリがユーザに結合されたときに電極支持部がユーザ上の適切な刺激適用位置に配置されるように、電極アセンブリが外耳の後部の周囲に配置されることを可能にする。電極支持部に結合される電極は、刺激エネルギーを供給する。
【0011】
本発明の他の目的は、従来の前庭刺激技術に関連する不利な点を被らない前庭系に刺激エネルギーを提供する方法を提供することである。この目的は、電極アセンブリの少なくとも一部で人の耳の後ろの周囲の少なくとも一部を包むことによって電極アセンブリをユーザの表面に固定し、乳様突起の近傍にエネルギー供給部を提供する方法を提供することによって達成される。刺激エネルギーは、電極アセンブリに提供される。
【0012】
他の実施例において、この目的は、電極アセンブリを提供し、ヒドロゲル素子を電極アセンブリの一部に適用し、ユーザに電極アセンブリを貼り、そのようなユーザにエネルギーを供給するために電極アセンブリを使用し、電極アセンブリからヒドロゲル素子を除去し、電極アセンブリの前記一部に次のヒドロゲル素子を適用し、そのようなユーザにエネルギーを供給するために電極アセンブリを再利用することを含む、電気的刺激をユーザに供給する方法を提供することによって達成される。
【0013】
他の一実施例において、本発明は、本体部材、本体部材に結合された電極、電極の少なくとも一部に配置されているヒドロゲル素子を含む電極アセンブリを提供することを考える。ヒドロゲル素子は、ヒドロゲル材料及び当該ヒドロゲル材料上に又はその中に配置された絶縁材料を含み、絶縁層は、電極によって伝達されるエネルギーを分散させる。
【0014】
また更なる実施の形態において、本発明は、エネルギーをユーザに供給することに加えて、又はその代わりに、ユーザの生理的パラメータをモニタリングするために上記システム、方法及び装置を使用することを考える。
【0015】
電極アセンブリが、前庭系を刺激するのに用いられるものとして上述されたが、それは、前庭系に加えて又はその代わりに、上述のようにユーザの他の部分を刺激するための電極アセンブリ及びその使用方法を提供することが、本発明のさらに他の目的である。
【0016】
操作方法、構造及び部品の組み合わせの関連した要素の機能、並びに製造の経済と同様に、本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性は、添付の図面を参照して以下の説明及び添付された請求の範囲を考慮することで、より明らかになる。すべての図面はこの明細書の一部を構成し、それぞれの図において、同様の参照番号は対応する部分を指す。しかしながら、図面は図示及び説明のみを目的とするものであって、本発明の範囲を定めるものとしては意図されていないことが明白に理解されるべきである。本明細書及び請求の範囲において用いられるように、単数形の名詞は、別途特に述べられない限り、その名詞が指すものが複数存在することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の原理による電極アセンブリの第1の実施の形態の背面斜視図。
【図2】図1のスパイラル電極の分解図。
【図3】図1の電極アセンブリのユーザ上の位置を示す人の頭部の側面図。
【図4】本発明の原理による電極アセンブリの第2の実施の形態の正面斜視図。
【図5】図4のスパイラル電極の分解図。
【図6】図4の電極アセンブリの一部の詳細な正面斜視図。
【図7A】粘着剤アセンブリを本体部材に取り付ける方法を図示する正面斜視図。
【図7B】粘着剤アセンブリを本体部材に取り付ける方法を図示する正面斜視図。
【図8】本発明の原理による電極アセンブリの第3の実施の形態の背面斜視図。
【図9】図8の電極アセンブリの本体部材の正面斜視図。
【図10】図8の電極アセンブリの電気的導線の正面斜視図。
【図11】図8の電極アセンブリの図9の本体部材への図10の電気的導線の取り付けを示す正面斜視図。
【図12】図8の電極アセンブリのための製造プロセス中のステップとして、本体部材への粘着剤部材の取り付けを示す背面斜視図。
【図13】図8の電極アセンブリのための製造プロセス中のステップとして、本体部材及び粘着剤部材への導電性部材の適用を示す背面斜視図。
【図14】図8の電極アセンブリのための製造プロセスにおける電極アセンブリの残りの部分への患者接触パッドの適用を示す背面斜視図。
【図15】本発明の原理による電極アセンブリの第4の実施の形態の分解図。
【図16】本発明の原理による電極アセンブリの第5実施の形態の分解図。
【図17】ストラップを介して互いに接続される一組の電極アセンブリを図示する正面斜視図。
【図18】本発明の原理による電極アセンブリの第6の実施の形態の背面斜視図。
【図19】図18の電極アセンブリにおける本体部材のアセンブリを示す背面斜視図及び本体部材の一部の詳細図。
【図20】図18の電極アセンブリの本体部材を示す正面斜視図。
【図21】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材との電極のアセンブリを示す背面斜視図。
【図22】図21に示される電極の正面斜視図。
【図23】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材への電気的導線の取り付けを示す正面斜視図。
【図24】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材に対する保護カバーのアセンブリを示す正面斜視図。
【図25】図18の組み立てられた電極アセンブリの一部を示している正面斜視図。
【図26】図22の電極及び図24に示されるカバーへの電気的導線の接続を示す断面正面斜視図。
【図27A】図18の電極アセンブリへの粘着剤アセンブリの取り付けを示す分解図。
【図27B】図18の電極アセンブリにおける使用に適した粘着剤アセンブリのための代わりの構造を示す分解図。
【図28】共通の裏地シートに配置されている、図18の電極アセンブリでの使用に適した複数の粘着剤アセンブリの斜視図。
【図29】本発明の原理による電極アセンブリの第7の実施の形態のアセンブリを示す背面分解図。
【図30A】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30B】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30C】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30D】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30E】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図31】図29の電極アセンブリへの粘着剤アセンブリの取り付けを示している背面分解図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1-3は、電気的刺激をユーザの前庭系に供給するための前庭刺激システム20を示す。特に、これらの図は、前庭刺激システムに用いられる本発明の原理による電極アセンブリ30の第1の実施の形態を示す。電極アセンブリ30及びその代替実施例の詳細は以下に示される。電極アセンブリ30に加えて、前庭刺激システム20は、電極アセンブリが結合される刺激エネルギーソース/コントローラ32を含む。
【0019】
ソース/コントローラ32は、一般的に、電極アセンブリ30への電流の形でエネルギーを提供する。ソース/コントローラ32は、コントローラ及びエネルギーソースを含み、コントローラは、エネルギーソースから電極アセンブリへのエネルギーの供給を制御し、それによって、電極アセンブリを介してユーザに供給されている刺激エネルギー又は治療を制御する。その最も単純な形態において、コントローラは、手動で作動する装置、例えば断続スイッチであることができる。より高度な実施の形態において、コントローラは、ソース32によって電極アセンブリ30に供給されるエネルギーの量及び/又はエネルギーのパターンを調整する。コントローラは、プロセッサ、回路又は電極アセンブリに提供されるエネルギーを制御する他の電気的/電気機械的装置を含むことができる。ワイヤ又は電気的導線34は、電極アセンブリにエネルギーソースを結合させる。エネルギーソースは、交流電源又は直流電源(例えば一つ以上のバッテリー)によって電力を供給されることができる。もちろん、コントローラ/ソース32は、電極アセンブリに電気的エネルギーを提供する機能を実行するための必要な回路、入出力装置、プログラミング及び他の特徴を含む。
【0020】
ユーザに電気的刺激を提供するために、少なくとも2つの電極がユーザに設置されなければならないことが認識される。図1に示された実施例において、コントローラ/ソース32に同様に結合された第2の電極アセンブリ36が概略的に示される。もちろん、2つ以上の電極アセンブリが、エネルギーコントローラ/ソースに取り付けられることができる。第2の電極アセンブリ36は、電極アセンブリ30と同じ構造を持つことができるし、異なる構造を持つこともできる。
【0021】
前庭刺激システム20は、当業者に公知の任意の結果を達成するために前庭系に刺激を供給するために用いられることができる。例えば、米国特許第6,748,275号は、揺れる感覚を誘導し、それによって睡眠の開始を促進するため、及び上部呼吸筋を収縮させるために、前庭系にエネルギーを供給することを教示する。
【0022】
電極アセンブリ30は、一般に40で示される本体部材、及び本体部材に結合される電極42を含む。本体部材36は、電極支持部44、及び電極支持部から伸びる湾曲部46を含む。電極38は、本体部材の電極支持部40に結合される。より具体的には、本実施例において、電極42は、一般に円又は楕円の形状を持つ実質的に平らなスポット電極である。電極42は、任意の適切な導体又は材料の組み合わせから形成される。本体部材40は、様々な材料又は材料の組み合わせから形成されることができる。示された例示的な実施の形態において、本体部材は、半剛体の又は柔軟な材料から形成され、本体部材、特に湾曲部46は、以下に詳述するように、ユーザにフィットするように曲がることができる。
【0023】
電極42及び電極支持部44は、電極が本体部材に取り付けられるように構成される。この目的のために、電極支持部44は、電極を受け入れるようなサイズで構成される開口部48を含む。電極支持部が、電極を受け入れ、一旦電極が開口部48に配置されるとその元の形に戻るように曲がることができ、それによってぴったりと本体部材に電極を固定するように、切込み50が提供される。電極は、単に開口部からそれをスナップ式で取り外すことによって、本体部材から取り外されることができる。
【0024】
本体部材40の湾曲部46は、半円、スパイラル、卵形又は楕円に成型される。これらの形状が一般に人の耳の後ろの形状に対応するからである。図3に示されるように、人の耳の外側部分は、頭部の表面から突出する軟骨である耳介又は耳翼52を含む。そこでは耳翼が頭部又は頭蓋骨から伸び、一般に54で示される耳の後ろのひだは、不規則に凹状である。湾曲部がこのひだで又はその近くで静止するように、本体部材40の湾曲部46は、一般に人の解剖学的構造のこの部分に適合するように成型される。つまり、湾曲部の形状は、耳の後ろへの電極アセンブリの自然なカーブのはめ合いを提供するように耳の形状を模倣する。
【0025】
湾曲部は、人の解剖学的構造についての知識をほとんど持たない人によって、電極アセンブリの電極部分がユーザに、すなわち乳様突起のところに、その上に、又はその近くに適切に設置されることができるように、耳の後ろのひだのところに配置される。耳のすぐ後ろの乳様突起は、前庭刺激を供給するための比較的大きな目標領域を提供する。パッチタイプの電極アセンブリが用いられる場合、人の解剖学的構造についてほとんど知らないユーザは、乳様突起上に電極を適切に配置することはおそらく困難だろう。これは、頭部の側面に電極を貼り付けようとするときに、頭部の側面を見ることが難しいので深刻である。本発明は、ユーザが単に耳の後ろに湾曲部を配置することによって所望の位置に電極を配置することができるように、基準のアンカー位置又は点として耳の背部を用いることにより、この問題を解決する。
【0026】
湾曲部はまた、少なくとも幾分、外耳の部分を包むことによって、電極アセンブリをユーザに固定するのを補助する。スパイラルの上部は、耳接触構造のための快適なアンカーポイントを形成して、耳の最上部で耳に「引っかかる」ための適切な場所を多少自動的に見つけ出す。つまり、例示的な実施の形態において、本体部材40の湾曲部46の末端47は、耳の先又は最上部の上に引っ掛かる。そうすることによって、電極アセンブリは、容易にユーザに設置されて、耳上のあるべき場所に保持される。電極アセンブリは、使用の間、例えば電極アセンブリが睡眠を誘導又は促進するように刺激を前庭系に供給するときに、ユーザがその上に横たわることができるように、一般に平坦な構造を持つ。
【0027】
示された実施の形態において、湾曲部46は、切抜き56を含む。これらは、ユーザに接触してしまう材料の量を低減し、電極アセンブリの下のユーザの表面が呼吸することを可能にするように提供され、若干のフレキシビリティを湾曲部に提供する。切抜き56の形状、サイズ、数及び構造は、要望通り変更することができる。
【0028】
電気的導線34は、任意の所望の長さを持つことができ、何らかの従来の様式で電極42に結合することができる。示された実施の形態において、それは比較的短く、例えば0.5-4.0インチであり、接続導線57及び接続導線の終端に接続端子58を含む。残りの電気的導線が他の電極アセンブリで再利用されることができつつ、電極アセンブリが使い捨てであることができる比較的小さいユニットとして提供されることを可能にする点で、この構造は有利である。接続端子58は、任意の適切な構造を持つことができる。
【0029】
粘着剤アセンブリ60は、電極アセンブリをユーザに取り付けるために提供される。本実施例において、粘着剤アセンブリ60は、粘着剤部材62、粘着剤部材の片側に配置される粘着剤支持体64及び粘着剤部材の他方の側に配置される取り外し可能な裏地66を含む。粘着剤部材62に接触していない粘着剤支持体の任意の部分が電極アセンブリに粘着するように、粘着剤の更なる層(図示せず)が粘着剤支持体64上に提供されることができる。取り外し可能な裏地66は、ユーザが裏地を把持して部材層62からそれを剥離することを可能にするタブ68を含む。粘着剤アセンブリやその個々の構成要素のサイズ、形状及び構造は変更されることができる。加えて、複数の粘着剤アセンブリが1つの電極アセンブリに提供されることができる。
【0030】
本発明は、粘着剤部材62が任意の適切な粘着剤であり、適切な粘着剤の例がヒドロゲルであることを意図する。この示された実施の形態において、電極42の少なくとも一部が、粘着剤部材に覆われる。その場合には、エネルギーが電極から粘着剤部材を通して患者に伝達されることができるように、粘着剤部材の当該一部は導電性である。導電性粘着剤は、ユーザの表面との良好な電気的接触を保証するという点でさらに有利である。
【0031】
粘着剤部材が電極上に提供される必要はなく、電極(又はその一部)をユーザの表面と直接接触させることがさらに理解される。その場合には、粘着剤は導電性でなくてもよい。粘着剤支持体64は、粘着剤部材を支持する任意の材料又は材料の組み合わせであることができる。適切な材料の例は、布又は発泡体のストリップである。
【0032】
電極アセンブリ30のこの実施の形態は、電極アセンブリの一部を使用し、そして再利用する2つの択一的態様を提供する。1つのバージョンにおいて、上記したように、電極アセンブリ全体が、一回以上の使用の後は使い捨てである。ユーザは、接続端子58を介してそれを分離することによって電気的導線34から電極アセンブリを取り外すことのみを必要とする。電極アセンブリは捨てられて、新しいものが電気的導線に取り付けられ、電気的導線の大部分が再利用されることを可能にする。これはさらに、異なる構造の電極アセンブリが、同じ電気的導線36及びソース/コントローラ32によって用いられることを可能にする。
【0033】
他のバージョンにおいて、一回以上の使用の後に取り換えられることを必要とする電極アセンブリの一部のみ(すなわち粘着剤アセンブリ60)が使い捨てである。粘着剤がもはやユーザに十分にくっつくことができなくなった後、粘着剤アセンブリは、単に粘着剤部材62及び裏地66を除去することによって、本体部材40及び電極42から除去されることができる。粘着剤支持体64も除去されることができるが、粘着剤支持体に使用される材料の種類によっては、これを同様に再利用することが可能である。新たな粘着剤部材62(及び必要ならば粘着剤支持体)が電極本体に貼り付けられると、電極アセンブリ全体の使用準備が整っており、電極又は本体部材を捨てる必要は無い。
【0034】
図4-7Bは、本発明の原理による電極アセンブリ130の第2の実施の形態を示す。電極アセンブリ130は、本体部材140及び粘着剤アセンブリ160を含む。本体部材140は、電極支持部144及び湾曲部146を含む。例示的な実施の形態において、湾曲部146は、約0.040インチの厚さを持つPolycarbonate GE Lexan HP1のような、かたい成型プラスチックから形成される。快適さのために、湾曲部は、かたいプラスチック部分を覆って成型される軟かい材料(例えば軟かいエラストマ)を含むことができる。
【0035】
電極支持部は、電極アセンブリ130が取り付ける本体部材の一部分である。電極支持部は、本体部材に電極アセンブリを選択的に結合させるため、及び本体部材に取り付けられる電気的導線34と粘着剤アセンブリに提供される電極142との間の電気的接続を提供するための、取付けアセンブリを含む。
【0036】
粘着剤アセンブリ160は、粘着剤部材162及び粘着剤支持体164を含む。例示的な実施の形態において、粘着剤支持体は、薄くて柔軟な材料から打ち抜かれる。先の実施の形態にあるように、粘着剤部材及び粘着剤支持体は様々なサイズ及び形状を持つことができ、一つ以上の種類の材料から作られることができる。取り外し可能な裏地166も、粘着剤部材の上に提供されることができる。
【0037】
本実施例において、電極142は、先の実施の形態にあるように本体部材に直接取り付けられるのではなく、粘着剤アセンブリに結合している。より具体的には、電極142は、例えば粘着剤支持体164を形成する材料に印刷又はコーティングされることによって、粘着剤支持体164上に配置される。電極142は、接続部148及び主要部150を含む。主要部は粘着剤部材162によって覆われ、接続部148は露出されたままである。
【0038】
示された例示的な実施の形態において、本体部材140に粘着剤アセンブリ160を結合させる取付けアセンブリは、電極支持部144に提供される突出部152及び粘着剤アセンブリ160に提供される対応する開口部154を含む。もちろん、本発明は、突出部が粘着剤アセンブリに提供され、開口部が本体部材に提供されるように、これらの構成要素の配置を逆転させることを意図している。
【0039】
電気的導線34と電極142との間の電気的接続を提供するために、接点端子156が電気的導線の終端に提供される。図6に最もよく示されるように、接点端子は、僅かにそこから伸びるように、本体部材に結合される。粘着剤アセンブリ160が本体部材140に結合されるときに、接点端子156は電極42の接続部148と電気的に接触する。重なり合う本体部材の一部、特に電極支持部が、図6において破線で示される。
【0040】
この実施の形態は、粘着剤アセンブリ160及び本体部材140が、別々の素子として製造及び販売されることを可能にする。したがってユーザは、刺激システムを複数回使用するためには1つの本体部材及び粘着剤アセンブリの供給のみを必要とし、本体部材を再利用し、適当なときに粘着剤アセンブリを交換する。本体部材と粘着剤アセンブリとの組み立ては、図7A及び7Bに示される。これは単純な二段階のプロセスである。最初に、粘着剤アセンブリは本体部材に対してある角度に向けられて、矢印158によって示されるように、突出部152が開口部154に入るように本体部材に接触するように動かされる。
【0041】
突出部154は、その基部に切込みを伴って構成され、矢印159に示されるように、粘着剤アセンブリを本体部材に対して回転させることによって、開口部154のエッジが切込みの下にトラップされ、それによって粘着剤アセンブリが本体部材に固定される。組み立てられた電極アセンブリが図4に示される。
【0042】
図8-14は、本発明の原理による電極アセンブリ230の第3の実施の形態を示す。電極アセンブリ230は、本体部材240及び粘着剤アセンブリ260を含む。本体部材240は、電極支持部244及び湾曲部246を含む。本実施例において、本体部材は、ポリカーボネートのような材料の一体部品から定められる。接続導線250は、電極支持部に接続する。
【0043】
多分最もよく図10及び11に示されるように、接続導線250は、本体部材の電極支持部に備えられるスロット254に挿入される第1の接続端子252を含む。例示的な実施の形態において、接続端子がスロットから外れることを防止するために、一つ以上のロックピンが、スロット、接続端子又はその両方に設けられる。以下に詳細に論じられるように、第1の接続端子252は電極242との接点としても機能する。接続導線250は、比較的短く、任意の適切な接続構造を用いて電気的導線に選択的に接続される第2の接続端子258を含む。
【0044】
第1の接続端子252がスロット254中に提供された後で、粘着剤アセンブリ260が本体部材240に結合される。図12を参照する。これは、最初に、粘着剤支持体が本体部材の電極支持部244に取り付けられるように、本体部材の片側に粘着剤支持体364を貼り付けることによって、達成される。本発明は、任意の適切な接続技術が、電極支持部244に粘着剤支持体264を結合させるのに用いられることができることを意図する。例示的な実施の形態において、粘着剤支持体264は、医用テープ(例えば、Avery Dennisonによって販売されるMED 5322P 医用テープ)である。
【0045】
それから電極242が、電極支持部244上に、粘着剤支持体264の少なくとも一部上に、そして第1の接続端子252と電気的に接触して、貼り付けられる。示された実施の形態において、電極242は、一般に矩形の構造を持つ導電性ストリップである。電極のための適切な材料の例は、3Mによって製造される9713X-Y-Zテープである。例えば、電極242が、任意の適切なサイズ又は形状であることができ、他の場所に設置されることができ、そして互いに電気的接続される複数の電極を含むことができることを、本発明が意図することが理解される。
【0046】
つぎに、粘着剤部材262が電極242の上に配置される。図14を参照する。示された例示的な実施の形態において、粘着剤部材262は、一般に粘着剤支持体264の形状に対応する形状を持ち、電極242はこれらの2つの構成部分の間に完全にはさまれる。しかしながら、本発明が、粘着剤部材の他の構造を意図することが理解されるべきである。粘着剤部材262としての用途に適している材料の例は、Amgel(R) Technologiesによって販売されるAG603ヒドロゲルである。
【0047】
例示的な実施の形態において、裏地及び粘着剤部材の両方が電極アセンブリに一体となって取り付けられるように、裏地266は粘着剤部材262に予め取り付けられる。もちろん、裏地は、粘着剤部材が電極アセンブリに貼られた後で、粘着剤部材262の全体又はその一部の上に貼り付けられることができる。あるいは、裏地は完全に省略されることができる。裏地266は、ユーザが裏地を除去して、自身の頭部に電極アセンブリを貼り付けるための粘着剤部材を露出させることを容易にするために、オプションのタブ268を含む。
【0048】
図15は、本発明の原理による電極アセンブリ330の第4の実施の形態を示す。電極アセンブリ330は、本体部材340及び粘着剤アセンブリ360を含む。本体部材340は、電極支持部344及び湾曲部346を含む。つかむことを容易にし、本体部材を人の耳の背部の周りでさらに伸ばすために、拡張部348が本体部材の端から形成される。電極支持部344は、粘着剤アセンブリ360の一部を受け入れるために、開口部350を含む。
【0049】
この実施の形態の粘着剤アセンブリ360は、電極342及びその電極に取り付けられる粘着剤部材362を含む。電極342は、粘着剤部材362がユーザの表面と電極342との間に配置されるように、矢印352によって示されるように開口部350中に受け入れられるようにサイズを設定され、構成される。示された実施の形態において、粘着剤部材362の相対的な位置が制御されることができるように、粘着剤アセンブリが本体部材340に対してどのように配置されるかについて、若干の柔軟度がある。しかしながら、本体部材に対する電極342の位置は、それが本体部材に対して(すなわち開口部350の場所に)固定されるので、変わらない。
【0050】
電極342が一般に円柱状であるとして示され、開口部350が一般に円形であるとして示されるが、電極アセンブリのこれらの構成要素のための他の構造が意図されることが理解されるべきである。粘着剤部材350は、粘着剤支持体を必要としないように十分に自立するヒドロゲル素子である。もちろん、電極とユーザの表面との間の電気的接続を妨害しない限り、本発明は粘着剤支持体を含むことを意図する。また、裏地(図示せず)が、粘着剤部材362の片方又は両方の面の上に提供されることができる。
【0051】
図16及び17は、本発明の原理による電極アセンブリ430の第5の実施の形態を示す。電極アセンブリ430は、先の実施の形態と同一の本体部材340、及び粘着剤アセンブリ460を含む。粘着剤アセンブリ460は、電極442、粘着剤部材462及びカバー部材470を含む。粘着剤部材460は、矢印452によって示されるように、本体部材340の開口部350に挿入される。粘着剤アセンブリ460は、粘着剤部材462がユーザの表面と電極442との間に配置されるように構成される。つまり、電極アセンブリの第1の面472はユーザの皮膚に隣接し、第2の面474は電極アセンブリが取り付けられるユーザの表面から離れて間隔を置いて配置される。図17に示されるように、容易に取り扱うことができるように2つの電極アセンブリを一緒につなぐために、接続ストラップ476が提供される。
【0052】
図18-28は、本発明の原理による電極アセンブリ530の第6の実施の形態を示す。電極アセンブリ530は、本体部材540及び本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリ560を含む。本体部材540は、電極支持部544及び湾曲部546を含む。先の実施の形態にあるように、本発明は、かたい成形されたプラスチック(例えばPolycarbonate GE Lexan HP1)から湾曲部を形成することを意図する。この例示的な実施の形態において、電極支持部544及び湾曲部546は取付けアセンブリ548によって一緒に結合される異なる構成部品から形成され、それは図19に最もよく示される。
【0053】
取付けアセンブリ548は、固定された(永久の)接続又は分離可能な接続で、湾曲部546に電極支持部544を結合させるためのメカニズムを含む。示された実施の形態において、取付けアセンブリ548におけるこのメカニズムは、湾曲部546に提供される複数のメス開口部550及び電極支持部544に提供される整合するオス突出部(図示せず)を含む。オス突出部は、本体部材の湾曲部を電極支持部に固定するために、メス開口部とかみ合う。接着剤結合、音波溶接又はスナップ式アセンブリを含む、電極支持部の湾曲部を固定するための他の技術が、本発明によって意図されることが理解されるべきである。
【0054】
電極支持部544は、電極アセンブリの側面から伸びるオプションの拡張部552を含む。この拡張部は、ユーザが電極アセンブリを耳の背後に入れ、又は使用後にそれを外すときに、より容易に電極アセンブリを把持することを可能にする。電極支持部544は、粘着剤アセンブリ560が配置される第1の領域554を含む。第1の領域の少なくとも一部の周囲に、リップ556が提供される。リップ556は、粘着剤アセンブリがその中に設置される小さい凹部又はキャビティを提供することによって第1の領域に粘着剤アセンブリをユーザが適切に配置するのを補助する。
【0055】
最後に、開口部558が、電極542を受け入れるために電極支持部544に提供され、それは図22に詳細に示される。開口部558は、電極の少なくとも一部のサイズ及び形状に一般的に対応するように大きさを決められ、構成され、及び配置されて、電極アセンブリの他の構成要素に対する電極アセンブリ530上での電極の位置を定めるのに用いられる。図20は、開口部558と、露出した即ちユーザが接触しない電極支持部544の面に提供される小さいこぶ即ち突出部564を示す。スロット565が突出部の壁を通して提供される。
【0056】
図21は、電極542がどのように開口部558に挿入されるかについて示し、図21-23は、電極及び電極支持部544に対する電極の取付けの詳細を示す。電極542は、一般に、平坦な又は平らな基部566及び鍵孔形の形であるネック部分568を含む。開口部558は一般に、電極が開口部に挿入されるときに、ネックが鍵孔状の開口部558内にあるように、ネック568の鍵孔形状と一致する。スロット565は、電気的導線34が電極542のネック部と電気的に接触するためのアクセスを提供する。スロット569は、電気的導線34を受け入れるために、ネック568に提供される。図24-26に示されるように、カバー570が、電極542上に電気的導線を圧着するためにネック542の上に提供される。あるべき場所にある場合、カバー570は突出部564の最上部と同一平面上であり、電気的導線34は、カバーの下にある電極に確実に固定される。
【0057】
図27Aは、電極支持部544の第1の領域554の上に提供される粘着剤アセンブリ560の例示的な実施の形態を示す。本実施例において、粘着剤アセンブリ560は、ヒドロゲル素子572及び裏地574を含む。ヒドロゲル素子572は、ヒドロゲル層576及び導電性部分578を含む。導電性部分578は、ヒドロゲル層中に又はその上に配置される導電性素子又は材料である。導電性部分の例は、粘着剤アセンブリが電極支持部に取り付けられるときに電極542に接触するようにヒドロゲル層の一部の上に提供される導電性裏地である。使用中、粘着剤アセンブリ560は、導電性部分578の少なくとも一部が電極542と電気的に接触するように電極支持部544上に位置している。裏地574は、裏地が容易に把持されることができ、ヒドロゲル素子から剥離されることができるように、ヒドロゲル素子572から伸びるタブ579を含む。
【0058】
電極アセンブリの大部分が再利用されることができるという点で、この実施の形態は有利である。定期的に取り替えられることを必要とする唯一の部分は、粘着剤アセンブリ560である。これは、図28に示されるように裏地シート580に取り付けられた複数の粘着剤アセンブリ560を提供することによって簡単になる。ユーザは、ヒドロゲル素子572及び裏地の両方(すなわち粘着剤アセンブリ全体)が裏打ちシート580からはずされるように、裏地574を穏やかに引っ張ることによって、裏打ちシートから粘着剤アセンブリのうちの1つをはずす。それから、ユーザは、裏打ちシートに隣接していたヒドロゲル素子572の表面を第1の領域554の表面に接触するように配置することによって、粘着剤アセンブリを電極支持部544の第1の領域554に貼り付ける。導電性部分578は、電極と電気的に接触しなければならない。ヒドロゲル素子572の他方の面は、ユーザが電極アセンブリを使用する準備ができるまで裏地574によって覆われたままである。必要に応じて、ユーザは、ヒドロゲル素子572から裏地574を取り外して、電極が乳様突起(すなわち前庭系)に近接するように、電極アセンブリを耳の後ろに貼り付ける。
【0059】
使用の後、ユーザは、例えば本体部材からヒドロゲル素子572を剥離することによって、電極支持部544の第1の領域554から粘着剤アセンブリ560を取り外す。電極支持部544及び/又は本体部材全体は、洗浄されて、新たな粘着剤アセンブリ560によって再利用されることができる。
【0060】
図27Bは、電極アセンブリ530'及びその電極アセンブリでの使用に適した粘着剤アセンブリ560'のちょっとしたバリエーションを示す。この実施の形態は、電極層又はフィルム579が電極支持部544の第1の領域554の上に提供される点を除いて、図27Aの実施の形態と同様である。例示的な実施の形態において、電極層579は、電極支持部544に密着する導電性ストリップ又はテープである。さらに例示的な実施の形態において、電極層579は、容易に取り外すことはできず、すなわち、電極支持部544に永久に結合される。電極層579の少なくとも一部の上に着脱自在に配置される粘着剤アセンブリ560'は、ヒドロゲル素子572'及び裏地574を含む。
【0061】
図29-32は、本発明の原理による電極アセンブリ630の第7の実施の形態を示す。電極アセンブリ630は、本体部材640、及び本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリ660を含む。本体部材640は、電極支持部644及び湾曲部646を含む。湾曲部646は、図8-14の電極アセンブリにおける本体部材の湾曲部246と一般に同様である。電気的導線34は、湾曲部に提供されるスロット中に設けられた接続端子を介して湾曲部646に結合する。この接続は、図8-14の電極アセンブリに関して上で論じられた接続と同様である。したがって、電気的導線を本体部材に取り付けることに関する詳細は、簡潔さのために省略される。
【0062】
電極支持部644は、支持部材又は層648及びパディング部材650を含む。支持部材648は、粘着剤のような任意の従来技術を用いて湾曲部646に結合される。パディング650もまた、粘着剤のような任意の従来技術を用いて支持部材648に結合される。支持部材648は、半剛体の材料又は材料の組み合わせから作成される。パディング650は、任意の柔軟な軟かい材料(例えばシリコーン樹脂又は発泡体)である。
【0063】
電極642は、電極支持部644の上に設けられている。この示された例示的な実施の形態において、電極は、湾曲部646の一部の上にも伸びる。電極642は、永久に又は本体部材の他の部分から取り外されることができるように、電極アセンブリのこれらの部分に結合される、柔軟な導電性層又はストリップである。
【0064】
図30A〜30Eに示されるように、絶縁層652が電極642の全体又は一部の上に設けられている。一実施例において、絶縁層652は、導電層の上に印刷又はコーティングされた材料のパターンである。絶縁層652は、粘着剤アセンブリ660のいずれかの表面上に、若しくは粘着剤アセンブリ中に、又はそれらの任意の組み合わせで配置されていることができる。絶縁層652は、ユーザの表面への刺激電流の適用がある位置に集中しないように電場を拡散又は分散させるために用いられる。電流がある位置に集中すると、ユーザの表面に好ましくない又はおそらく痛みさえ伴う感覚を引き起こす傾向がある。絶縁層は、電流が1つの位置に集中し過ぎることを防止し、それによって、ユーザに供給される電気エネルギーを拡散し、ユーザに提供される刺激治療の快適さを最大化する。
【0065】
絶縁層652は、ユーザに供給される電気エネルギーを拡散する目的が達成されれば、様々な異なるパターンを持つことができる。図30Aに図示された実施例において、絶縁層は、縁同士で接続された多数のリング又は円として構成される。図30B〜30Eは、絶縁層の異なる実施の形態(すなわち構造)を示す。これらの示された例示的な実施の形態において、絶縁層は、一連の波(図30B, 30D)、連結されたストランド(図30E)、又は絶縁繊維のランダムな分散(図30C)である。
【0066】
図31に示されるように、電極アセンブリをユーザに取り付けるために、粘着剤アセンブリ660が絶縁層652の上に提供される。本実施例において、粘着剤アセンブリ660は、ヒドロゲル層又は素子である。先の実施の形態にあるように、粘着剤アセンブリは、使用のためにヒドロゲルを露出させるようにヒドロゲルから剥離される裏地(図示せず)を含むことができる。
【0067】
図30A-31の実施の形態において、絶縁層は電極上に形成される。しかしながら、本発明は、完成した電極アセンブリを形成するために本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリの一部として絶縁層を提供することも意図する。例示的な実施の形態において、絶縁層は、例えばヒドロゲル層の上又は下に配置される絶縁層として、ヒドロゲルに接触して配置される。本発明はまた、ヒドロゲル材料中に絶縁材を埋込むことを意図する。
【0068】
本発明の様々な実施の形態の特徴は組み合わせられることができることが再度強調されるべきである。例えば、電極242又は642のようなストリップ電極が、図18-27の実施の形態における電極542の上に提供されることができる。ユーザに供給される電気エネルギーを分散させるために、ヒドロゲル及び絶縁層652を含む粘着剤アセンブリが、このストリップ電極の上に提供されることができる。結果として生じる電極は、本体部材540、電極242又は642、及び(絶縁層を伴う)粘着剤アセンブリ660を持つ。加えて、電極アセンブリは、電極アセンブリ上に複数の電極を提供することによって複数の電極をユーザに取り付けるために用いられることができる。
【0069】
本発明は、さらに、電極アセンブリ上に一つ以上のセンサを提供することを意図する。例えば、温度センサ、動きセンサ、マイクロフォン、酸素測定センサ又はそれらの任意の組み合わせが、ユーザの様々な生理的パラメータを検出するために提供されることができる。これらのセンサの出力は、ユーザによって提供される刺激治療を制御するのに用いられ、監視目的で記録され、遠隔地に送信されることができ、又はそれらの任意の組み合わせに用いられることができる。
【0070】
本発明の刺激システムとしての電極アセンブリは、患者の他の部分を刺激するのに用いられることができる。刺激装置として、本発明は、顔面神経、皮膚神経、頚動脈血脈洞領域神経(例えばHerring神経)、又は、耳のスパイラルアンカー点を基準点として用いることができる頭部若しくは首の任意の他の神経を刺激するのに用いられることができる。刺激エネルギーはまた、一般的に、例えばユーザを睡眠や眠気から起こす若しくは覚醒させるために、又は、例えばインタラクティブゲームやシミュレーションにおける触覚フィードバック機能として、適用されることができる。
【0071】
本発明の電極アセンブリはエネルギーを供給するために用いられる必要はなく、患者の様々な生理的パラメータ(例えば電気生理学的インピーダンス信号、生理学的抵抗など)のうちの一つ以上をモニタリングするために用いられることができる。これは、単独で(すなわちユーザにエネルギーも供給することはせずに)、又はエネルギー供給機能と組み合わせて、実行されることができる。本発明の電極アセンブリによってモニタリングされることができる他のパラメータは、電気皮膚反応及び耳と耳との間のインピーダンス変化を含む。電極アセンブリはさらに、耳(あるいはこめかみ又は額)の近くの電気生理学的信号をモニタリングするための基準プラットホームを提供することができる。
【0072】
示された実施の形態において、エネルギーを電極アセンブリに供給するために、電気的導線が用いられる。本発明はさらに、電極を省いて、電極アセンブリを無線にすることを意図する。その場合には、電極にエネルギーを提供するために、電力源が必要である。また、トランシーバが、刺激エネルギーの供給を制御するために必要だろう。
【0073】
本発明は、必要な場合に新しいヒドロゲルと取り替えられることができるように、粘着剤アセンブリ(すなわちヒドロゲル)を電極アセンブリから迅速かつ容易に取り外すことを可能にすることが、本発明の前記説明から認識されることができる。電極アセンブリの本体部材の大部分及び電気的導線が長期間にわたって再利用され、一方取り外し可能な部品(すなわち、粘着剤部材)は、使い捨てであるか、必要となる前に予めユーザが適切に準備する便利な再使用可能な収納カートリッジである。
【0074】
本発明が、最も実用的かつ好ましい実施の形態であると現在考えられるものに基づいて解説のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであって、本発明は、開示された実施の形態に制限されず、それどころか、添付された請求の範囲の精神及び範囲内である変更及び同等の装置をカバーすることが意図される。例えば、任意の実施の形態の一つ以上の特徴が可能な限り任意の他の実施の形態の一つ以上の特徴と組み合わせられることができることを、本発明が意図していることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ(例えばユーザ前庭系)を刺激するため及び/又はユーザをモニタリングするための電極アセンブリに関し、特に、外耳の周囲にフィットするように構成される本体、並びに本体部材に結合され、エネルギーをユーザ(例えば前庭系)に供給し及び/又はユーザをモニタリングするように配置される電極を有する電極アセンブリに関し、さらにそのような装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前庭系は、空間中の頭部の位置及び動きの検出を担う。(内耳中に位置する)三半規管は前庭系の感覚器官であり、頭部の位置及び動きの情報を収集して、第八脳神経を介して中枢神経系にそれを送信する。前庭系の異常は、生理的異常(例えば目眩及び嘔気)をもたらす場合があり、症状は重大度において軽度のものから完全に衰弱させるものまでの範囲にわたる。
【0003】
三半規管、卵形嚢、球形嚢若しくは他の耳石器官のいずれかの刺激、及びこれらの器官若しくは第八脳神経からつながる神経線維の刺激、又はこれらの組み合わせは、正常な人に運動感覚をもたらす。前庭系の適度な刺激は、不快でない軽度の移動の知覚を引き起こす場合があるが、有益な特性(例えば患者の睡眠状態を促進すること)を備えることができる。
【0004】
前庭系を刺激するための多くの技術が存在する。これらの方法は、熱量測定アプローチ、化学的アプローチ及び電気的アプローチを含む。熱量測定及び化学的刺激は、一般的に暖かい溶液の直接適用、又は第八脳神経に対する直接的若しくは間接的な化学化合物の適用という形をとる。前庭系の電気的刺激は、一般的に、皮膚の表面上(例えば、耳の後の乳様突起上)の電極の配置、又は三半規管の直接刺激のための電極によって鼓膜を突き通すことを含む。内耳の中に埋め込まれる侵襲性の電極によって前庭系を刺激することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前庭系を刺激するのに用いられる従来の表面電極は、患者の快適さのために最適化されていない。それらは、一般的に、患者の表面に、一般的に乳様突起の近くに適用されるパッチ型電極から成る。この種の電極は、電極をユーザの表面に固定するのに十分に強い粘着層を含む。当然、そのような粘着剤を使用することは好ましくない。例えば、電極の除去は、ユーザの表面から粘着剤を取り外すことを必要とし、特に粘着剤が毛髪に固定されている場合、それは痛みを伴うプロセスである。
【0006】
加えて、刺激が供給されるべき正確な位置に表面電極を適用することは、素人にとって難しい。ユーザが電極を自分自身に適用することを試みている場合、頭部の側面は、ユーザの手が容易に届かず、さらに容易に見ることができないので、パッチ型電極を適切に配置することはさらに難しい。表面電極がユーザの所望の位置に適切に配置されない場合、表面電極によって提供される刺激エネルギーは望ましくない結果(例えば顔面筋の非特異的活性化、不随意攣縮、聴覚器官の知覚誤り又は頸部の頚動脈/血脈洞領域の神経の変調)を引き起こす可能性がある。
【0007】
耳道中に配置される電極を用いて前庭系を刺激することが知られている。しかしながら、ユーザは、いくつかの状況においてユーザが寝入るとき及び/又は眠っているときに行われる刺激治療の間に、耳の中に異物があることを好まないであろう。実際、人々の約15-30%が、耳の中に何かがあることを嫌うと考えられる。
【0008】
したがって、医療分野において、長い期間(例えば睡眠の間、及び平静安静時の期間)、患者にとって装着するのが十分に快適な、前庭系の特定の及び非侵襲的な活性化を可能にするシステムが、長らく必要とされている。システムは、ユーザが、適切な位置に、かつ補助なしで、頭部に刺激電極を自分自身で容易に配置できなければならない。加えて、そのようなシステムは、内耳の前庭系への様々な刺激周波数及び波形の供給を可能にしなければならない。
【0009】
システムが患者と下に横たわる支持体との間に配置される場合(例えば患者の頭部が枕の上にあり、刺激システムが頭部と枕との間に位置する場合)でさえも、システムは患者にとって快適でなければならない。加えて、例えば睡眠中の及び入眠しようと試みている時の寝返りのような通常の動き及び接触力にもかかわらず、刺激エネルギーが所望の解剖学的な位置に供給されるように、システムは、あるべき場所に確実にとどまらなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の目的は、従来の前庭刺激システムの欠点を克服する前庭刺激システムを提供することである。この目的は、電気的刺激をユーザの前庭系に供給するための電極アセンブリを含む前庭刺激システムを提供することによって、本発明の1つの実施の形態によって達成される。電極アセンブリは、電極支持部を持つ本体部材及び前記電極支持部から伸びる湾曲部を含む。湾曲部は、電極アセンブリがユーザに結合されたときに電極支持部がユーザ上の適切な刺激適用位置に配置されるように、電極アセンブリが外耳の後部の周囲に配置されることを可能にする。電極支持部に結合される電極は、刺激エネルギーを供給する。
【0011】
本発明の他の目的は、従来の前庭刺激技術に関連する不利な点を被らない前庭系に刺激エネルギーを提供する方法を提供することである。この目的は、電極アセンブリの少なくとも一部で人の耳の後ろの周囲の少なくとも一部を包むことによって電極アセンブリをユーザの表面に固定し、乳様突起の近傍にエネルギー供給部を提供する方法を提供することによって達成される。刺激エネルギーは、電極アセンブリに提供される。
【0012】
他の実施例において、この目的は、電極アセンブリを提供し、ヒドロゲル素子を電極アセンブリの一部に適用し、ユーザに電極アセンブリを貼り、そのようなユーザにエネルギーを供給するために電極アセンブリを使用し、電極アセンブリからヒドロゲル素子を除去し、電極アセンブリの前記一部に次のヒドロゲル素子を適用し、そのようなユーザにエネルギーを供給するために電極アセンブリを再利用することを含む、電気的刺激をユーザに供給する方法を提供することによって達成される。
【0013】
他の一実施例において、本発明は、本体部材、本体部材に結合された電極、電極の少なくとも一部に配置されているヒドロゲル素子を含む電極アセンブリを提供することを考える。ヒドロゲル素子は、ヒドロゲル材料及び当該ヒドロゲル材料上に又はその中に配置された絶縁材料を含み、絶縁層は、電極によって伝達されるエネルギーを分散させる。
【0014】
また更なる実施の形態において、本発明は、エネルギーをユーザに供給することに加えて、又はその代わりに、ユーザの生理的パラメータをモニタリングするために上記システム、方法及び装置を使用することを考える。
【0015】
電極アセンブリが、前庭系を刺激するのに用いられるものとして上述されたが、それは、前庭系に加えて又はその代わりに、上述のようにユーザの他の部分を刺激するための電極アセンブリ及びその使用方法を提供することが、本発明のさらに他の目的である。
【0016】
操作方法、構造及び部品の組み合わせの関連した要素の機能、並びに製造の経済と同様に、本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性は、添付の図面を参照して以下の説明及び添付された請求の範囲を考慮することで、より明らかになる。すべての図面はこの明細書の一部を構成し、それぞれの図において、同様の参照番号は対応する部分を指す。しかしながら、図面は図示及び説明のみを目的とするものであって、本発明の範囲を定めるものとしては意図されていないことが明白に理解されるべきである。本明細書及び請求の範囲において用いられるように、単数形の名詞は、別途特に述べられない限り、その名詞が指すものが複数存在することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の原理による電極アセンブリの第1の実施の形態の背面斜視図。
【図2】図1のスパイラル電極の分解図。
【図3】図1の電極アセンブリのユーザ上の位置を示す人の頭部の側面図。
【図4】本発明の原理による電極アセンブリの第2の実施の形態の正面斜視図。
【図5】図4のスパイラル電極の分解図。
【図6】図4の電極アセンブリの一部の詳細な正面斜視図。
【図7A】粘着剤アセンブリを本体部材に取り付ける方法を図示する正面斜視図。
【図7B】粘着剤アセンブリを本体部材に取り付ける方法を図示する正面斜視図。
【図8】本発明の原理による電極アセンブリの第3の実施の形態の背面斜視図。
【図9】図8の電極アセンブリの本体部材の正面斜視図。
【図10】図8の電極アセンブリの電気的導線の正面斜視図。
【図11】図8の電極アセンブリの図9の本体部材への図10の電気的導線の取り付けを示す正面斜視図。
【図12】図8の電極アセンブリのための製造プロセス中のステップとして、本体部材への粘着剤部材の取り付けを示す背面斜視図。
【図13】図8の電極アセンブリのための製造プロセス中のステップとして、本体部材及び粘着剤部材への導電性部材の適用を示す背面斜視図。
【図14】図8の電極アセンブリのための製造プロセスにおける電極アセンブリの残りの部分への患者接触パッドの適用を示す背面斜視図。
【図15】本発明の原理による電極アセンブリの第4の実施の形態の分解図。
【図16】本発明の原理による電極アセンブリの第5実施の形態の分解図。
【図17】ストラップを介して互いに接続される一組の電極アセンブリを図示する正面斜視図。
【図18】本発明の原理による電極アセンブリの第6の実施の形態の背面斜視図。
【図19】図18の電極アセンブリにおける本体部材のアセンブリを示す背面斜視図及び本体部材の一部の詳細図。
【図20】図18の電極アセンブリの本体部材を示す正面斜視図。
【図21】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材との電極のアセンブリを示す背面斜視図。
【図22】図21に示される電極の正面斜視図。
【図23】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材への電気的導線の取り付けを示す正面斜視図。
【図24】図18の電極アセンブリのアセンブリにおける本体部材に対する保護カバーのアセンブリを示す正面斜視図。
【図25】図18の組み立てられた電極アセンブリの一部を示している正面斜視図。
【図26】図22の電極及び図24に示されるカバーへの電気的導線の接続を示す断面正面斜視図。
【図27A】図18の電極アセンブリへの粘着剤アセンブリの取り付けを示す分解図。
【図27B】図18の電極アセンブリにおける使用に適した粘着剤アセンブリのための代わりの構造を示す分解図。
【図28】共通の裏地シートに配置されている、図18の電極アセンブリでの使用に適した複数の粘着剤アセンブリの斜視図。
【図29】本発明の原理による電極アセンブリの第7の実施の形態のアセンブリを示す背面分解図。
【図30A】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30B】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30C】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30D】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図30E】図28の電極アセンブリにおける使用に適した、電極/導電層上に配置される絶縁層のための様々な実施の形態を示す背面図。
【図31】図29の電極アセンブリへの粘着剤アセンブリの取り付けを示している背面分解図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1-3は、電気的刺激をユーザの前庭系に供給するための前庭刺激システム20を示す。特に、これらの図は、前庭刺激システムに用いられる本発明の原理による電極アセンブリ30の第1の実施の形態を示す。電極アセンブリ30及びその代替実施例の詳細は以下に示される。電極アセンブリ30に加えて、前庭刺激システム20は、電極アセンブリが結合される刺激エネルギーソース/コントローラ32を含む。
【0019】
ソース/コントローラ32は、一般的に、電極アセンブリ30への電流の形でエネルギーを提供する。ソース/コントローラ32は、コントローラ及びエネルギーソースを含み、コントローラは、エネルギーソースから電極アセンブリへのエネルギーの供給を制御し、それによって、電極アセンブリを介してユーザに供給されている刺激エネルギー又は治療を制御する。その最も単純な形態において、コントローラは、手動で作動する装置、例えば断続スイッチであることができる。より高度な実施の形態において、コントローラは、ソース32によって電極アセンブリ30に供給されるエネルギーの量及び/又はエネルギーのパターンを調整する。コントローラは、プロセッサ、回路又は電極アセンブリに提供されるエネルギーを制御する他の電気的/電気機械的装置を含むことができる。ワイヤ又は電気的導線34は、電極アセンブリにエネルギーソースを結合させる。エネルギーソースは、交流電源又は直流電源(例えば一つ以上のバッテリー)によって電力を供給されることができる。もちろん、コントローラ/ソース32は、電極アセンブリに電気的エネルギーを提供する機能を実行するための必要な回路、入出力装置、プログラミング及び他の特徴を含む。
【0020】
ユーザに電気的刺激を提供するために、少なくとも2つの電極がユーザに設置されなければならないことが認識される。図1に示された実施例において、コントローラ/ソース32に同様に結合された第2の電極アセンブリ36が概略的に示される。もちろん、2つ以上の電極アセンブリが、エネルギーコントローラ/ソースに取り付けられることができる。第2の電極アセンブリ36は、電極アセンブリ30と同じ構造を持つことができるし、異なる構造を持つこともできる。
【0021】
前庭刺激システム20は、当業者に公知の任意の結果を達成するために前庭系に刺激を供給するために用いられることができる。例えば、米国特許第6,748,275号は、揺れる感覚を誘導し、それによって睡眠の開始を促進するため、及び上部呼吸筋を収縮させるために、前庭系にエネルギーを供給することを教示する。
【0022】
電極アセンブリ30は、一般に40で示される本体部材、及び本体部材に結合される電極42を含む。本体部材36は、電極支持部44、及び電極支持部から伸びる湾曲部46を含む。電極38は、本体部材の電極支持部40に結合される。より具体的には、本実施例において、電極42は、一般に円又は楕円の形状を持つ実質的に平らなスポット電極である。電極42は、任意の適切な導体又は材料の組み合わせから形成される。本体部材40は、様々な材料又は材料の組み合わせから形成されることができる。示された例示的な実施の形態において、本体部材は、半剛体の又は柔軟な材料から形成され、本体部材、特に湾曲部46は、以下に詳述するように、ユーザにフィットするように曲がることができる。
【0023】
電極42及び電極支持部44は、電極が本体部材に取り付けられるように構成される。この目的のために、電極支持部44は、電極を受け入れるようなサイズで構成される開口部48を含む。電極支持部が、電極を受け入れ、一旦電極が開口部48に配置されるとその元の形に戻るように曲がることができ、それによってぴったりと本体部材に電極を固定するように、切込み50が提供される。電極は、単に開口部からそれをスナップ式で取り外すことによって、本体部材から取り外されることができる。
【0024】
本体部材40の湾曲部46は、半円、スパイラル、卵形又は楕円に成型される。これらの形状が一般に人の耳の後ろの形状に対応するからである。図3に示されるように、人の耳の外側部分は、頭部の表面から突出する軟骨である耳介又は耳翼52を含む。そこでは耳翼が頭部又は頭蓋骨から伸び、一般に54で示される耳の後ろのひだは、不規則に凹状である。湾曲部がこのひだで又はその近くで静止するように、本体部材40の湾曲部46は、一般に人の解剖学的構造のこの部分に適合するように成型される。つまり、湾曲部の形状は、耳の後ろへの電極アセンブリの自然なカーブのはめ合いを提供するように耳の形状を模倣する。
【0025】
湾曲部は、人の解剖学的構造についての知識をほとんど持たない人によって、電極アセンブリの電極部分がユーザに、すなわち乳様突起のところに、その上に、又はその近くに適切に設置されることができるように、耳の後ろのひだのところに配置される。耳のすぐ後ろの乳様突起は、前庭刺激を供給するための比較的大きな目標領域を提供する。パッチタイプの電極アセンブリが用いられる場合、人の解剖学的構造についてほとんど知らないユーザは、乳様突起上に電極を適切に配置することはおそらく困難だろう。これは、頭部の側面に電極を貼り付けようとするときに、頭部の側面を見ることが難しいので深刻である。本発明は、ユーザが単に耳の後ろに湾曲部を配置することによって所望の位置に電極を配置することができるように、基準のアンカー位置又は点として耳の背部を用いることにより、この問題を解決する。
【0026】
湾曲部はまた、少なくとも幾分、外耳の部分を包むことによって、電極アセンブリをユーザに固定するのを補助する。スパイラルの上部は、耳接触構造のための快適なアンカーポイントを形成して、耳の最上部で耳に「引っかかる」ための適切な場所を多少自動的に見つけ出す。つまり、例示的な実施の形態において、本体部材40の湾曲部46の末端47は、耳の先又は最上部の上に引っ掛かる。そうすることによって、電極アセンブリは、容易にユーザに設置されて、耳上のあるべき場所に保持される。電極アセンブリは、使用の間、例えば電極アセンブリが睡眠を誘導又は促進するように刺激を前庭系に供給するときに、ユーザがその上に横たわることができるように、一般に平坦な構造を持つ。
【0027】
示された実施の形態において、湾曲部46は、切抜き56を含む。これらは、ユーザに接触してしまう材料の量を低減し、電極アセンブリの下のユーザの表面が呼吸することを可能にするように提供され、若干のフレキシビリティを湾曲部に提供する。切抜き56の形状、サイズ、数及び構造は、要望通り変更することができる。
【0028】
電気的導線34は、任意の所望の長さを持つことができ、何らかの従来の様式で電極42に結合することができる。示された実施の形態において、それは比較的短く、例えば0.5-4.0インチであり、接続導線57及び接続導線の終端に接続端子58を含む。残りの電気的導線が他の電極アセンブリで再利用されることができつつ、電極アセンブリが使い捨てであることができる比較的小さいユニットとして提供されることを可能にする点で、この構造は有利である。接続端子58は、任意の適切な構造を持つことができる。
【0029】
粘着剤アセンブリ60は、電極アセンブリをユーザに取り付けるために提供される。本実施例において、粘着剤アセンブリ60は、粘着剤部材62、粘着剤部材の片側に配置される粘着剤支持体64及び粘着剤部材の他方の側に配置される取り外し可能な裏地66を含む。粘着剤部材62に接触していない粘着剤支持体の任意の部分が電極アセンブリに粘着するように、粘着剤の更なる層(図示せず)が粘着剤支持体64上に提供されることができる。取り外し可能な裏地66は、ユーザが裏地を把持して部材層62からそれを剥離することを可能にするタブ68を含む。粘着剤アセンブリやその個々の構成要素のサイズ、形状及び構造は変更されることができる。加えて、複数の粘着剤アセンブリが1つの電極アセンブリに提供されることができる。
【0030】
本発明は、粘着剤部材62が任意の適切な粘着剤であり、適切な粘着剤の例がヒドロゲルであることを意図する。この示された実施の形態において、電極42の少なくとも一部が、粘着剤部材に覆われる。その場合には、エネルギーが電極から粘着剤部材を通して患者に伝達されることができるように、粘着剤部材の当該一部は導電性である。導電性粘着剤は、ユーザの表面との良好な電気的接触を保証するという点でさらに有利である。
【0031】
粘着剤部材が電極上に提供される必要はなく、電極(又はその一部)をユーザの表面と直接接触させることがさらに理解される。その場合には、粘着剤は導電性でなくてもよい。粘着剤支持体64は、粘着剤部材を支持する任意の材料又は材料の組み合わせであることができる。適切な材料の例は、布又は発泡体のストリップである。
【0032】
電極アセンブリ30のこの実施の形態は、電極アセンブリの一部を使用し、そして再利用する2つの択一的態様を提供する。1つのバージョンにおいて、上記したように、電極アセンブリ全体が、一回以上の使用の後は使い捨てである。ユーザは、接続端子58を介してそれを分離することによって電気的導線34から電極アセンブリを取り外すことのみを必要とする。電極アセンブリは捨てられて、新しいものが電気的導線に取り付けられ、電気的導線の大部分が再利用されることを可能にする。これはさらに、異なる構造の電極アセンブリが、同じ電気的導線36及びソース/コントローラ32によって用いられることを可能にする。
【0033】
他のバージョンにおいて、一回以上の使用の後に取り換えられることを必要とする電極アセンブリの一部のみ(すなわち粘着剤アセンブリ60)が使い捨てである。粘着剤がもはやユーザに十分にくっつくことができなくなった後、粘着剤アセンブリは、単に粘着剤部材62及び裏地66を除去することによって、本体部材40及び電極42から除去されることができる。粘着剤支持体64も除去されることができるが、粘着剤支持体に使用される材料の種類によっては、これを同様に再利用することが可能である。新たな粘着剤部材62(及び必要ならば粘着剤支持体)が電極本体に貼り付けられると、電極アセンブリ全体の使用準備が整っており、電極又は本体部材を捨てる必要は無い。
【0034】
図4-7Bは、本発明の原理による電極アセンブリ130の第2の実施の形態を示す。電極アセンブリ130は、本体部材140及び粘着剤アセンブリ160を含む。本体部材140は、電極支持部144及び湾曲部146を含む。例示的な実施の形態において、湾曲部146は、約0.040インチの厚さを持つPolycarbonate GE Lexan HP1のような、かたい成型プラスチックから形成される。快適さのために、湾曲部は、かたいプラスチック部分を覆って成型される軟かい材料(例えば軟かいエラストマ)を含むことができる。
【0035】
電極支持部は、電極アセンブリ130が取り付ける本体部材の一部分である。電極支持部は、本体部材に電極アセンブリを選択的に結合させるため、及び本体部材に取り付けられる電気的導線34と粘着剤アセンブリに提供される電極142との間の電気的接続を提供するための、取付けアセンブリを含む。
【0036】
粘着剤アセンブリ160は、粘着剤部材162及び粘着剤支持体164を含む。例示的な実施の形態において、粘着剤支持体は、薄くて柔軟な材料から打ち抜かれる。先の実施の形態にあるように、粘着剤部材及び粘着剤支持体は様々なサイズ及び形状を持つことができ、一つ以上の種類の材料から作られることができる。取り外し可能な裏地166も、粘着剤部材の上に提供されることができる。
【0037】
本実施例において、電極142は、先の実施の形態にあるように本体部材に直接取り付けられるのではなく、粘着剤アセンブリに結合している。より具体的には、電極142は、例えば粘着剤支持体164を形成する材料に印刷又はコーティングされることによって、粘着剤支持体164上に配置される。電極142は、接続部148及び主要部150を含む。主要部は粘着剤部材162によって覆われ、接続部148は露出されたままである。
【0038】
示された例示的な実施の形態において、本体部材140に粘着剤アセンブリ160を結合させる取付けアセンブリは、電極支持部144に提供される突出部152及び粘着剤アセンブリ160に提供される対応する開口部154を含む。もちろん、本発明は、突出部が粘着剤アセンブリに提供され、開口部が本体部材に提供されるように、これらの構成要素の配置を逆転させることを意図している。
【0039】
電気的導線34と電極142との間の電気的接続を提供するために、接点端子156が電気的導線の終端に提供される。図6に最もよく示されるように、接点端子は、僅かにそこから伸びるように、本体部材に結合される。粘着剤アセンブリ160が本体部材140に結合されるときに、接点端子156は電極42の接続部148と電気的に接触する。重なり合う本体部材の一部、特に電極支持部が、図6において破線で示される。
【0040】
この実施の形態は、粘着剤アセンブリ160及び本体部材140が、別々の素子として製造及び販売されることを可能にする。したがってユーザは、刺激システムを複数回使用するためには1つの本体部材及び粘着剤アセンブリの供給のみを必要とし、本体部材を再利用し、適当なときに粘着剤アセンブリを交換する。本体部材と粘着剤アセンブリとの組み立ては、図7A及び7Bに示される。これは単純な二段階のプロセスである。最初に、粘着剤アセンブリは本体部材に対してある角度に向けられて、矢印158によって示されるように、突出部152が開口部154に入るように本体部材に接触するように動かされる。
【0041】
突出部154は、その基部に切込みを伴って構成され、矢印159に示されるように、粘着剤アセンブリを本体部材に対して回転させることによって、開口部154のエッジが切込みの下にトラップされ、それによって粘着剤アセンブリが本体部材に固定される。組み立てられた電極アセンブリが図4に示される。
【0042】
図8-14は、本発明の原理による電極アセンブリ230の第3の実施の形態を示す。電極アセンブリ230は、本体部材240及び粘着剤アセンブリ260を含む。本体部材240は、電極支持部244及び湾曲部246を含む。本実施例において、本体部材は、ポリカーボネートのような材料の一体部品から定められる。接続導線250は、電極支持部に接続する。
【0043】
多分最もよく図10及び11に示されるように、接続導線250は、本体部材の電極支持部に備えられるスロット254に挿入される第1の接続端子252を含む。例示的な実施の形態において、接続端子がスロットから外れることを防止するために、一つ以上のロックピンが、スロット、接続端子又はその両方に設けられる。以下に詳細に論じられるように、第1の接続端子252は電極242との接点としても機能する。接続導線250は、比較的短く、任意の適切な接続構造を用いて電気的導線に選択的に接続される第2の接続端子258を含む。
【0044】
第1の接続端子252がスロット254中に提供された後で、粘着剤アセンブリ260が本体部材240に結合される。図12を参照する。これは、最初に、粘着剤支持体が本体部材の電極支持部244に取り付けられるように、本体部材の片側に粘着剤支持体364を貼り付けることによって、達成される。本発明は、任意の適切な接続技術が、電極支持部244に粘着剤支持体264を結合させるのに用いられることができることを意図する。例示的な実施の形態において、粘着剤支持体264は、医用テープ(例えば、Avery Dennisonによって販売されるMED 5322P 医用テープ)である。
【0045】
それから電極242が、電極支持部244上に、粘着剤支持体264の少なくとも一部上に、そして第1の接続端子252と電気的に接触して、貼り付けられる。示された実施の形態において、電極242は、一般に矩形の構造を持つ導電性ストリップである。電極のための適切な材料の例は、3Mによって製造される9713X-Y-Zテープである。例えば、電極242が、任意の適切なサイズ又は形状であることができ、他の場所に設置されることができ、そして互いに電気的接続される複数の電極を含むことができることを、本発明が意図することが理解される。
【0046】
つぎに、粘着剤部材262が電極242の上に配置される。図14を参照する。示された例示的な実施の形態において、粘着剤部材262は、一般に粘着剤支持体264の形状に対応する形状を持ち、電極242はこれらの2つの構成部分の間に完全にはさまれる。しかしながら、本発明が、粘着剤部材の他の構造を意図することが理解されるべきである。粘着剤部材262としての用途に適している材料の例は、Amgel(R) Technologiesによって販売されるAG603ヒドロゲルである。
【0047】
例示的な実施の形態において、裏地及び粘着剤部材の両方が電極アセンブリに一体となって取り付けられるように、裏地266は粘着剤部材262に予め取り付けられる。もちろん、裏地は、粘着剤部材が電極アセンブリに貼られた後で、粘着剤部材262の全体又はその一部の上に貼り付けられることができる。あるいは、裏地は完全に省略されることができる。裏地266は、ユーザが裏地を除去して、自身の頭部に電極アセンブリを貼り付けるための粘着剤部材を露出させることを容易にするために、オプションのタブ268を含む。
【0048】
図15は、本発明の原理による電極アセンブリ330の第4の実施の形態を示す。電極アセンブリ330は、本体部材340及び粘着剤アセンブリ360を含む。本体部材340は、電極支持部344及び湾曲部346を含む。つかむことを容易にし、本体部材を人の耳の背部の周りでさらに伸ばすために、拡張部348が本体部材の端から形成される。電極支持部344は、粘着剤アセンブリ360の一部を受け入れるために、開口部350を含む。
【0049】
この実施の形態の粘着剤アセンブリ360は、電極342及びその電極に取り付けられる粘着剤部材362を含む。電極342は、粘着剤部材362がユーザの表面と電極342との間に配置されるように、矢印352によって示されるように開口部350中に受け入れられるようにサイズを設定され、構成される。示された実施の形態において、粘着剤部材362の相対的な位置が制御されることができるように、粘着剤アセンブリが本体部材340に対してどのように配置されるかについて、若干の柔軟度がある。しかしながら、本体部材に対する電極342の位置は、それが本体部材に対して(すなわち開口部350の場所に)固定されるので、変わらない。
【0050】
電極342が一般に円柱状であるとして示され、開口部350が一般に円形であるとして示されるが、電極アセンブリのこれらの構成要素のための他の構造が意図されることが理解されるべきである。粘着剤部材350は、粘着剤支持体を必要としないように十分に自立するヒドロゲル素子である。もちろん、電極とユーザの表面との間の電気的接続を妨害しない限り、本発明は粘着剤支持体を含むことを意図する。また、裏地(図示せず)が、粘着剤部材362の片方又は両方の面の上に提供されることができる。
【0051】
図16及び17は、本発明の原理による電極アセンブリ430の第5の実施の形態を示す。電極アセンブリ430は、先の実施の形態と同一の本体部材340、及び粘着剤アセンブリ460を含む。粘着剤アセンブリ460は、電極442、粘着剤部材462及びカバー部材470を含む。粘着剤部材460は、矢印452によって示されるように、本体部材340の開口部350に挿入される。粘着剤アセンブリ460は、粘着剤部材462がユーザの表面と電極442との間に配置されるように構成される。つまり、電極アセンブリの第1の面472はユーザの皮膚に隣接し、第2の面474は電極アセンブリが取り付けられるユーザの表面から離れて間隔を置いて配置される。図17に示されるように、容易に取り扱うことができるように2つの電極アセンブリを一緒につなぐために、接続ストラップ476が提供される。
【0052】
図18-28は、本発明の原理による電極アセンブリ530の第6の実施の形態を示す。電極アセンブリ530は、本体部材540及び本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリ560を含む。本体部材540は、電極支持部544及び湾曲部546を含む。先の実施の形態にあるように、本発明は、かたい成形されたプラスチック(例えばPolycarbonate GE Lexan HP1)から湾曲部を形成することを意図する。この例示的な実施の形態において、電極支持部544及び湾曲部546は取付けアセンブリ548によって一緒に結合される異なる構成部品から形成され、それは図19に最もよく示される。
【0053】
取付けアセンブリ548は、固定された(永久の)接続又は分離可能な接続で、湾曲部546に電極支持部544を結合させるためのメカニズムを含む。示された実施の形態において、取付けアセンブリ548におけるこのメカニズムは、湾曲部546に提供される複数のメス開口部550及び電極支持部544に提供される整合するオス突出部(図示せず)を含む。オス突出部は、本体部材の湾曲部を電極支持部に固定するために、メス開口部とかみ合う。接着剤結合、音波溶接又はスナップ式アセンブリを含む、電極支持部の湾曲部を固定するための他の技術が、本発明によって意図されることが理解されるべきである。
【0054】
電極支持部544は、電極アセンブリの側面から伸びるオプションの拡張部552を含む。この拡張部は、ユーザが電極アセンブリを耳の背後に入れ、又は使用後にそれを外すときに、より容易に電極アセンブリを把持することを可能にする。電極支持部544は、粘着剤アセンブリ560が配置される第1の領域554を含む。第1の領域の少なくとも一部の周囲に、リップ556が提供される。リップ556は、粘着剤アセンブリがその中に設置される小さい凹部又はキャビティを提供することによって第1の領域に粘着剤アセンブリをユーザが適切に配置するのを補助する。
【0055】
最後に、開口部558が、電極542を受け入れるために電極支持部544に提供され、それは図22に詳細に示される。開口部558は、電極の少なくとも一部のサイズ及び形状に一般的に対応するように大きさを決められ、構成され、及び配置されて、電極アセンブリの他の構成要素に対する電極アセンブリ530上での電極の位置を定めるのに用いられる。図20は、開口部558と、露出した即ちユーザが接触しない電極支持部544の面に提供される小さいこぶ即ち突出部564を示す。スロット565が突出部の壁を通して提供される。
【0056】
図21は、電極542がどのように開口部558に挿入されるかについて示し、図21-23は、電極及び電極支持部544に対する電極の取付けの詳細を示す。電極542は、一般に、平坦な又は平らな基部566及び鍵孔形の形であるネック部分568を含む。開口部558は一般に、電極が開口部に挿入されるときに、ネックが鍵孔状の開口部558内にあるように、ネック568の鍵孔形状と一致する。スロット565は、電気的導線34が電極542のネック部と電気的に接触するためのアクセスを提供する。スロット569は、電気的導線34を受け入れるために、ネック568に提供される。図24-26に示されるように、カバー570が、電極542上に電気的導線を圧着するためにネック542の上に提供される。あるべき場所にある場合、カバー570は突出部564の最上部と同一平面上であり、電気的導線34は、カバーの下にある電極に確実に固定される。
【0057】
図27Aは、電極支持部544の第1の領域554の上に提供される粘着剤アセンブリ560の例示的な実施の形態を示す。本実施例において、粘着剤アセンブリ560は、ヒドロゲル素子572及び裏地574を含む。ヒドロゲル素子572は、ヒドロゲル層576及び導電性部分578を含む。導電性部分578は、ヒドロゲル層中に又はその上に配置される導電性素子又は材料である。導電性部分の例は、粘着剤アセンブリが電極支持部に取り付けられるときに電極542に接触するようにヒドロゲル層の一部の上に提供される導電性裏地である。使用中、粘着剤アセンブリ560は、導電性部分578の少なくとも一部が電極542と電気的に接触するように電極支持部544上に位置している。裏地574は、裏地が容易に把持されることができ、ヒドロゲル素子から剥離されることができるように、ヒドロゲル素子572から伸びるタブ579を含む。
【0058】
電極アセンブリの大部分が再利用されることができるという点で、この実施の形態は有利である。定期的に取り替えられることを必要とする唯一の部分は、粘着剤アセンブリ560である。これは、図28に示されるように裏地シート580に取り付けられた複数の粘着剤アセンブリ560を提供することによって簡単になる。ユーザは、ヒドロゲル素子572及び裏地の両方(すなわち粘着剤アセンブリ全体)が裏打ちシート580からはずされるように、裏地574を穏やかに引っ張ることによって、裏打ちシートから粘着剤アセンブリのうちの1つをはずす。それから、ユーザは、裏打ちシートに隣接していたヒドロゲル素子572の表面を第1の領域554の表面に接触するように配置することによって、粘着剤アセンブリを電極支持部544の第1の領域554に貼り付ける。導電性部分578は、電極と電気的に接触しなければならない。ヒドロゲル素子572の他方の面は、ユーザが電極アセンブリを使用する準備ができるまで裏地574によって覆われたままである。必要に応じて、ユーザは、ヒドロゲル素子572から裏地574を取り外して、電極が乳様突起(すなわち前庭系)に近接するように、電極アセンブリを耳の後ろに貼り付ける。
【0059】
使用の後、ユーザは、例えば本体部材からヒドロゲル素子572を剥離することによって、電極支持部544の第1の領域554から粘着剤アセンブリ560を取り外す。電極支持部544及び/又は本体部材全体は、洗浄されて、新たな粘着剤アセンブリ560によって再利用されることができる。
【0060】
図27Bは、電極アセンブリ530'及びその電極アセンブリでの使用に適した粘着剤アセンブリ560'のちょっとしたバリエーションを示す。この実施の形態は、電極層又はフィルム579が電極支持部544の第1の領域554の上に提供される点を除いて、図27Aの実施の形態と同様である。例示的な実施の形態において、電極層579は、電極支持部544に密着する導電性ストリップ又はテープである。さらに例示的な実施の形態において、電極層579は、容易に取り外すことはできず、すなわち、電極支持部544に永久に結合される。電極層579の少なくとも一部の上に着脱自在に配置される粘着剤アセンブリ560'は、ヒドロゲル素子572'及び裏地574を含む。
【0061】
図29-32は、本発明の原理による電極アセンブリ630の第7の実施の形態を示す。電極アセンブリ630は、本体部材640、及び本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリ660を含む。本体部材640は、電極支持部644及び湾曲部646を含む。湾曲部646は、図8-14の電極アセンブリにおける本体部材の湾曲部246と一般に同様である。電気的導線34は、湾曲部に提供されるスロット中に設けられた接続端子を介して湾曲部646に結合する。この接続は、図8-14の電極アセンブリに関して上で論じられた接続と同様である。したがって、電気的導線を本体部材に取り付けることに関する詳細は、簡潔さのために省略される。
【0062】
電極支持部644は、支持部材又は層648及びパディング部材650を含む。支持部材648は、粘着剤のような任意の従来技術を用いて湾曲部646に結合される。パディング650もまた、粘着剤のような任意の従来技術を用いて支持部材648に結合される。支持部材648は、半剛体の材料又は材料の組み合わせから作成される。パディング650は、任意の柔軟な軟かい材料(例えばシリコーン樹脂又は発泡体)である。
【0063】
電極642は、電極支持部644の上に設けられている。この示された例示的な実施の形態において、電極は、湾曲部646の一部の上にも伸びる。電極642は、永久に又は本体部材の他の部分から取り外されることができるように、電極アセンブリのこれらの部分に結合される、柔軟な導電性層又はストリップである。
【0064】
図30A〜30Eに示されるように、絶縁層652が電極642の全体又は一部の上に設けられている。一実施例において、絶縁層652は、導電層の上に印刷又はコーティングされた材料のパターンである。絶縁層652は、粘着剤アセンブリ660のいずれかの表面上に、若しくは粘着剤アセンブリ中に、又はそれらの任意の組み合わせで配置されていることができる。絶縁層652は、ユーザの表面への刺激電流の適用がある位置に集中しないように電場を拡散又は分散させるために用いられる。電流がある位置に集中すると、ユーザの表面に好ましくない又はおそらく痛みさえ伴う感覚を引き起こす傾向がある。絶縁層は、電流が1つの位置に集中し過ぎることを防止し、それによって、ユーザに供給される電気エネルギーを拡散し、ユーザに提供される刺激治療の快適さを最大化する。
【0065】
絶縁層652は、ユーザに供給される電気エネルギーを拡散する目的が達成されれば、様々な異なるパターンを持つことができる。図30Aに図示された実施例において、絶縁層は、縁同士で接続された多数のリング又は円として構成される。図30B〜30Eは、絶縁層の異なる実施の形態(すなわち構造)を示す。これらの示された例示的な実施の形態において、絶縁層は、一連の波(図30B, 30D)、連結されたストランド(図30E)、又は絶縁繊維のランダムな分散(図30C)である。
【0066】
図31に示されるように、電極アセンブリをユーザに取り付けるために、粘着剤アセンブリ660が絶縁層652の上に提供される。本実施例において、粘着剤アセンブリ660は、ヒドロゲル層又は素子である。先の実施の形態にあるように、粘着剤アセンブリは、使用のためにヒドロゲルを露出させるようにヒドロゲルから剥離される裏地(図示せず)を含むことができる。
【0067】
図30A-31の実施の形態において、絶縁層は電極上に形成される。しかしながら、本発明は、完成した電極アセンブリを形成するために本体部材に選択的に取り付けられる粘着剤アセンブリの一部として絶縁層を提供することも意図する。例示的な実施の形態において、絶縁層は、例えばヒドロゲル層の上又は下に配置される絶縁層として、ヒドロゲルに接触して配置される。本発明はまた、ヒドロゲル材料中に絶縁材を埋込むことを意図する。
【0068】
本発明の様々な実施の形態の特徴は組み合わせられることができることが再度強調されるべきである。例えば、電極242又は642のようなストリップ電極が、図18-27の実施の形態における電極542の上に提供されることができる。ユーザに供給される電気エネルギーを分散させるために、ヒドロゲル及び絶縁層652を含む粘着剤アセンブリが、このストリップ電極の上に提供されることができる。結果として生じる電極は、本体部材540、電極242又は642、及び(絶縁層を伴う)粘着剤アセンブリ660を持つ。加えて、電極アセンブリは、電極アセンブリ上に複数の電極を提供することによって複数の電極をユーザに取り付けるために用いられることができる。
【0069】
本発明は、さらに、電極アセンブリ上に一つ以上のセンサを提供することを意図する。例えば、温度センサ、動きセンサ、マイクロフォン、酸素測定センサ又はそれらの任意の組み合わせが、ユーザの様々な生理的パラメータを検出するために提供されることができる。これらのセンサの出力は、ユーザによって提供される刺激治療を制御するのに用いられ、監視目的で記録され、遠隔地に送信されることができ、又はそれらの任意の組み合わせに用いられることができる。
【0070】
本発明の刺激システムとしての電極アセンブリは、患者の他の部分を刺激するのに用いられることができる。刺激装置として、本発明は、顔面神経、皮膚神経、頚動脈血脈洞領域神経(例えばHerring神経)、又は、耳のスパイラルアンカー点を基準点として用いることができる頭部若しくは首の任意の他の神経を刺激するのに用いられることができる。刺激エネルギーはまた、一般的に、例えばユーザを睡眠や眠気から起こす若しくは覚醒させるために、又は、例えばインタラクティブゲームやシミュレーションにおける触覚フィードバック機能として、適用されることができる。
【0071】
本発明の電極アセンブリはエネルギーを供給するために用いられる必要はなく、患者の様々な生理的パラメータ(例えば電気生理学的インピーダンス信号、生理学的抵抗など)のうちの一つ以上をモニタリングするために用いられることができる。これは、単独で(すなわちユーザにエネルギーも供給することはせずに)、又はエネルギー供給機能と組み合わせて、実行されることができる。本発明の電極アセンブリによってモニタリングされることができる他のパラメータは、電気皮膚反応及び耳と耳との間のインピーダンス変化を含む。電極アセンブリはさらに、耳(あるいはこめかみ又は額)の近くの電気生理学的信号をモニタリングするための基準プラットホームを提供することができる。
【0072】
示された実施の形態において、エネルギーを電極アセンブリに供給するために、電気的導線が用いられる。本発明はさらに、電極を省いて、電極アセンブリを無線にすることを意図する。その場合には、電極にエネルギーを提供するために、電力源が必要である。また、トランシーバが、刺激エネルギーの供給を制御するために必要だろう。
【0073】
本発明は、必要な場合に新しいヒドロゲルと取り替えられることができるように、粘着剤アセンブリ(すなわちヒドロゲル)を電極アセンブリから迅速かつ容易に取り外すことを可能にすることが、本発明の前記説明から認識されることができる。電極アセンブリの本体部材の大部分及び電気的導線が長期間にわたって再利用され、一方取り外し可能な部品(すなわち、粘着剤部材)は、使い捨てであるか、必要となる前に予めユーザが適切に準備する便利な再使用可能な収納カートリッジである。
【0074】
本発明が、最も実用的かつ好ましい実施の形態であると現在考えられるものに基づいて解説のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであって、本発明は、開示された実施の形態に制限されず、それどころか、添付された請求の範囲の精神及び範囲内である変更及び同等の装置をカバーすることが意図される。例えば、任意の実施の形態の一つ以上の特徴が可能な限り任意の他の実施の形態の一つ以上の特徴と組み合わせられることができることを、本発明が意図していることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに電気的刺激を供給するため、若しくはユーザの生理学的パラメータをモニタリングするため、又はその両方のための電極アセンブリであって、
(a) 電極支持部、及び前記電極支持部から伸びる湾曲部を有する本体部材、並びに
(b) 前記電極支持部に結合される電極、
を有する電極アセンブリ。
【請求項2】
前記本体部材若しくは前記電極又はその両方に結合された、或いは前記本体部材若しくは前記電極又はその両方の上に配置された粘着剤部材を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記粘着剤部材の少なくとも一部の上に配置された取り外し可能な裏地を有する、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記粘着剤部材が、少なくとも部分的に、ヒドロゲル、ヒドロゲル素子、発泡体、テープ又はそれらの任意の組み合わせによって定められる、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記粘着剤部材が、第1の領域上で前記本体部材に配置され、前記本体部材が、前記第1の領域の少なくとも一部を囲むリップを有する、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記粘着剤部材の少なくとも一部が前記電極上に配置され、前記電極上に配置される前記粘着剤部材の前記一部が少なくとも部分的に導電性である、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記湾曲部が、人の耳の外部の背後の周囲に対応するスパイラル構造又は形状を持つ、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記湾曲部の少なくとも一部が、プラスチック、紙、ゴム、シリコン又はそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記本体部材の前記電極支持部に結合される絶縁層を有し、前記電極が、前記絶縁層上に又はその中に配置された導電材料又は導電層を含む、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記電極が、前記本体部材の前記電極支持部に選択的に結合される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記電極に結合される支持部材を有し、前記本体部材の前記電極支持部が電極支持結合器を含み、前記支持部材が、前記電極を前記本体部材に取り付けるように前記電極支持結合器に結合される咬合部を含む、請求項10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記電極若しくは前記支持部材又はその両方の少なくとも一部の上に配置されるヒドロゲル又はヒドロゲル素子を含む、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記電極が、前記支持部材の表面に配置される実質的に平らなストリップである、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記支持部材に結合される絶縁層を有し、前記電極が前記絶縁層上に又はその中に配置される、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記電極の少なくとも一部の上に配置されるヒドロゲル素子を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
前記ヒドロゲル素子が、ヒドロゲル材料及び前記ヒドロゲル材料上に又はその中に配置される絶縁材料を有する、請求項15に記載の電極アセンブリ。
【請求項17】
前記ヒドロゲル素子の少なくとも一部の上に配置される裏地材料を有する、請求項16に記載の電極アセンブリ。
【請求項18】
(c) 刺激エネルギーのソース、及び
(d) 前記電極への前記刺激エネルギーの供給を制御するコントローラ、
を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項19】
刺激エネルギーの前記ソースが、前記本体部材付近に、又は前記電極から離れて配置される、請求項18に記載の電極アセンブリ。
【請求項20】
ユーザに電気的刺激を供給するため、若しくはユーザの生理学的パラメータをモニタリングするため、又はその両方のための電極アセンブリであって、
ユーザに電気的刺激を供給するための刺激手段、
前記ユーザに前記刺激手段を固定するための支持手段を有し、
前記支持手段の少なくとも一部が、人の耳の背後の周囲の少なくとも一部を包む、電極アセンブリ。
【請求項21】
ユーザの表面に前記刺激手段若しくは前記支持手段又はその両方を固定する固定手段を有する、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項22】
前記固定手段が、前記刺激手段若しくは前記支持手段又はその両方に選択的に取り付けられる取り替え可能な部分を有する、請求項21に記載の電極アセンブリ。
【請求項23】
前記刺激手段が、ユーザに供給されるエネルギーを拡散させる手段を含む、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項24】
前記支持手段に前記刺激手段を選択的に取り付けるための取り付け手段を有する、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項25】
前記刺激手段にエネルギーを供給するためのエネルギー供給手段、及び
前記エネルギー供給手段を制御することによって前記電気的刺激の供給を制御するための制御手段、
を有する請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項26】
ユーザの前庭系に電気的刺激を供給する方法であって、
(a) 電極が乳様突起の近くに配置されるように、本体部材の電極支持部の少なくとも一部で、人の耳の背後の周囲の少なくとも一部の周りを包むことによって、ユーザの表面に電極を固定し、
(b) 前記電極にエネルギーを供給する方法。
【請求項27】
前記電極をユーザの表面に付着させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記電極によってユーザに供給されるエネルギーを拡散させる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ユーザに電気的刺激を供給する方法であって、
電極アセンブリを用意し、
前記電極アセンブリの一部にヒドロゲル素子を取り付け、
ユーザに前記電極アセンブリを貼り付け、
ユーザにエネルギーを供給するために前電極アセンブリを使用し、
前記電極アセンブリから前記ヒドロゲル素子を取り外し、
次のヒドロゲル素子を前記電極アセンブリの前記一部に取り付け、及び
ユーザにエネルギーを供給するために前記電極アセンブリを再利用する方法。
【請求項30】
ユーザにエネルギーを供給するための前記電極アセンブリの使用が、ユーザの表面にヒドロゲルを接触させることよって、ユーザの表面に前記電極アセンブリを貼り付けることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記電極アセンブリの前記一部に前記ヒドロゲル素子を取り付けることが、
前記ヒドロゲル素子及び当該ヒドロゲル素子の少なくとも一部上に配置される裏地を含むヒドロゲルアセンブリを選択し、
前記ヒドロゲルアセンブリを前記電極アセンブリの前記一部に取り付け、及び
ユーザに前記電極アセンブリを貼り付ける前に前記裏地を取り外す、
ことを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
(a) 本体部材、
(b) 前記本体部材に結合される電極、並びに
(c) 前記電極の少なくとも一部上に配置されるヒドロゲル素子を有し、
前記ヒドロゲル素子が、
(1) ヒドロゲル材料、及び
(2) 前記ヒドロゲル材料上に又はその中に配置される絶縁材料を有し、
前記絶縁層が、前記電極によって伝達されるエネルギーを分散させる、電極アセンブリ。
【請求項33】
前記ヒドロゲル素子の少なくとも一部の上に配置される取り外し可能な裏地を有する、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項34】
前記絶縁材料が前記ヒドロゲル材料の中又はその上に配置される、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項35】
前記ヒドロゲル素子が、第1の領域の上で前記本体部材に配置され、前記本体部材が前記第1の領域の少なくとも一部を囲むリップを有する、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項1】
ユーザに電気的刺激を供給するため、若しくはユーザの生理学的パラメータをモニタリングするため、又はその両方のための電極アセンブリであって、
(a) 電極支持部、及び前記電極支持部から伸びる湾曲部を有する本体部材、並びに
(b) 前記電極支持部に結合される電極、
を有する電極アセンブリ。
【請求項2】
前記本体部材若しくは前記電極又はその両方に結合された、或いは前記本体部材若しくは前記電極又はその両方の上に配置された粘着剤部材を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記粘着剤部材の少なくとも一部の上に配置された取り外し可能な裏地を有する、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記粘着剤部材が、少なくとも部分的に、ヒドロゲル、ヒドロゲル素子、発泡体、テープ又はそれらの任意の組み合わせによって定められる、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記粘着剤部材が、第1の領域上で前記本体部材に配置され、前記本体部材が、前記第1の領域の少なくとも一部を囲むリップを有する、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記粘着剤部材の少なくとも一部が前記電極上に配置され、前記電極上に配置される前記粘着剤部材の前記一部が少なくとも部分的に導電性である、請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記湾曲部が、人の耳の外部の背後の周囲に対応するスパイラル構造又は形状を持つ、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記湾曲部の少なくとも一部が、プラスチック、紙、ゴム、シリコン又はそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記本体部材の前記電極支持部に結合される絶縁層を有し、前記電極が、前記絶縁層上に又はその中に配置された導電材料又は導電層を含む、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記電極が、前記本体部材の前記電極支持部に選択的に結合される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記電極に結合される支持部材を有し、前記本体部材の前記電極支持部が電極支持結合器を含み、前記支持部材が、前記電極を前記本体部材に取り付けるように前記電極支持結合器に結合される咬合部を含む、請求項10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記電極若しくは前記支持部材又はその両方の少なくとも一部の上に配置されるヒドロゲル又はヒドロゲル素子を含む、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記電極が、前記支持部材の表面に配置される実質的に平らなストリップである、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記支持部材に結合される絶縁層を有し、前記電極が前記絶縁層上に又はその中に配置される、請求項11に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
前記電極の少なくとも一部の上に配置されるヒドロゲル素子を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項16】
前記ヒドロゲル素子が、ヒドロゲル材料及び前記ヒドロゲル材料上に又はその中に配置される絶縁材料を有する、請求項15に記載の電極アセンブリ。
【請求項17】
前記ヒドロゲル素子の少なくとも一部の上に配置される裏地材料を有する、請求項16に記載の電極アセンブリ。
【請求項18】
(c) 刺激エネルギーのソース、及び
(d) 前記電極への前記刺激エネルギーの供給を制御するコントローラ、
を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項19】
刺激エネルギーの前記ソースが、前記本体部材付近に、又は前記電極から離れて配置される、請求項18に記載の電極アセンブリ。
【請求項20】
ユーザに電気的刺激を供給するため、若しくはユーザの生理学的パラメータをモニタリングするため、又はその両方のための電極アセンブリであって、
ユーザに電気的刺激を供給するための刺激手段、
前記ユーザに前記刺激手段を固定するための支持手段を有し、
前記支持手段の少なくとも一部が、人の耳の背後の周囲の少なくとも一部を包む、電極アセンブリ。
【請求項21】
ユーザの表面に前記刺激手段若しくは前記支持手段又はその両方を固定する固定手段を有する、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項22】
前記固定手段が、前記刺激手段若しくは前記支持手段又はその両方に選択的に取り付けられる取り替え可能な部分を有する、請求項21に記載の電極アセンブリ。
【請求項23】
前記刺激手段が、ユーザに供給されるエネルギーを拡散させる手段を含む、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項24】
前記支持手段に前記刺激手段を選択的に取り付けるための取り付け手段を有する、請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項25】
前記刺激手段にエネルギーを供給するためのエネルギー供給手段、及び
前記エネルギー供給手段を制御することによって前記電気的刺激の供給を制御するための制御手段、
を有する請求項20に記載の電極アセンブリ。
【請求項26】
ユーザの前庭系に電気的刺激を供給する方法であって、
(a) 電極が乳様突起の近くに配置されるように、本体部材の電極支持部の少なくとも一部で、人の耳の背後の周囲の少なくとも一部の周りを包むことによって、ユーザの表面に電極を固定し、
(b) 前記電極にエネルギーを供給する方法。
【請求項27】
前記電極をユーザの表面に付着させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記電極によってユーザに供給されるエネルギーを拡散させる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ユーザに電気的刺激を供給する方法であって、
電極アセンブリを用意し、
前記電極アセンブリの一部にヒドロゲル素子を取り付け、
ユーザに前記電極アセンブリを貼り付け、
ユーザにエネルギーを供給するために前電極アセンブリを使用し、
前記電極アセンブリから前記ヒドロゲル素子を取り外し、
次のヒドロゲル素子を前記電極アセンブリの前記一部に取り付け、及び
ユーザにエネルギーを供給するために前記電極アセンブリを再利用する方法。
【請求項30】
ユーザにエネルギーを供給するための前記電極アセンブリの使用が、ユーザの表面にヒドロゲルを接触させることよって、ユーザの表面に前記電極アセンブリを貼り付けることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記電極アセンブリの前記一部に前記ヒドロゲル素子を取り付けることが、
前記ヒドロゲル素子及び当該ヒドロゲル素子の少なくとも一部上に配置される裏地を含むヒドロゲルアセンブリを選択し、
前記ヒドロゲルアセンブリを前記電極アセンブリの前記一部に取り付け、及び
ユーザに前記電極アセンブリを貼り付ける前に前記裏地を取り外す、
ことを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
(a) 本体部材、
(b) 前記本体部材に結合される電極、並びに
(c) 前記電極の少なくとも一部上に配置されるヒドロゲル素子を有し、
前記ヒドロゲル素子が、
(1) ヒドロゲル材料、及び
(2) 前記ヒドロゲル材料上に又はその中に配置される絶縁材料を有し、
前記絶縁層が、前記電極によって伝達されるエネルギーを分散させる、電極アセンブリ。
【請求項33】
前記ヒドロゲル素子の少なくとも一部の上に配置される取り外し可能な裏地を有する、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項34】
前記絶縁材料が前記ヒドロゲル材料の中又はその上に配置される、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【請求項35】
前記ヒドロゲル素子が、第1の領域の上で前記本体部材に配置され、前記本体部材が前記第1の領域の少なくとも一部を囲むリップを有する、請求項32に記載の電極アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図30D】
【図30E】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図30D】
【図30E】
【図31】
【公表番号】特表2010−502309(P2010−502309A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526916(P2009−526916)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/077278
【国際公開番号】WO2008/028063
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/077278
【国際公開番号】WO2008/028063
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】
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