説明

電極用バインダー、電極用塗料、電極及びリチウムイオン二次電池

【課題】従来の電極用バインダーでは、該電極用バインダーを含む電極の、集電体に対する接着性及び電解液膨潤性が、必ずしも十分に満足できるものではない場合があった。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを重合させて得られる電極用バインダー、該電極用バインダーと分散媒とを含有する電極用エマルション、該電極用バインダーを含有する電極、及び、該電極を有するリチウムイオン二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極用バインダー、電極用塗料、電極及びリチウムイオン二次電池等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リチウムイオン二次電池電極用バインダーとして、ポリフッ化ビニリデンが記載されている。
また、特許文献2には、リチウムイオン二次電池電極用バインダーとして、アクリル酸ブチルとメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸との共重合体が記載されている。
さらに、特許文献3には、リチウムイオン二次電池電極用バインダーとして、アクリル酸ブチルとアクリル酸とアクリロニトリルとの共重合体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−193932号公報
【特許文献2】特表2003−100298号公報
【特許文献3】特開平8−287915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電極用バインダーでは、該電極用バインダーを含む電極の、集電体に対する接着性及び電解液膨潤性が、必ずしも十分に満足できるものではない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記[1]〜[9]記載の発明を含む。
[1](メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを重合させて得られる電極用バインダー。
[2]全モノマー量100重量部に対し、(メタ)アクリル酸エステル20〜50重量部、アクリロニトリル1〜49重量部、架橋性基含有ビニルモノマー1〜5重量部及び酸性基含有ビニルモノマー30〜50重量部を重合させて得られる電極用バインダー。
[3](メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸ブチルである[1]又は[2]記載の電極用バインダー。
[4]架橋性基含有ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸グリシジルである[1]〜[3]のいずれか記載の電極用バインダー。
[5]酸性基含有ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸である[1]〜[4]のいずれか記載の電極用バインダー。
[6](メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを乳化重合させて得られる[1]〜[5]のいずれか記載の電極用バインダー。
[7][1]〜[6]のいずれか記載の電極用バインダーと、分散媒とを含有する電極用エマルション。
[8][1]〜[6]のいずれか記載の電極用バインダーと、電極活物質又は略球状粒子と、水及び/又は有機溶剤とを含有する電極用塗料。
[9][1]〜[6]のいずれか記載の電極用バインダーを含有する電極。
[10][9]記載の電極を有するリチウムイオン二次電池。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電極用バインダーによれば、集電体に対する優れた接着性を有し、且つ電解液膨潤性を抑えた電極を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[電極用バインダー]
本発明の電極用バインダー(以下「バインダー」という場合がある。)は、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを重合させて得られる。
【0008】
((メタ)アクリル酸エステル)
本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの総称をいう。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸ラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するメタアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、より好ましくは(メタ)アクリル酸ブチルが挙げられる。
【0009】
本発明のバインダーにおける(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、全モノマー量100重量部に対し、例えば20〜50重量部であり、好ましくは20〜30重量部である。
本明細書中、「全モノマー量」とは、本発明のバインダーを得るために使用する(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー、酸性基含有ビニルモノマー及びその他のモノマーの合計量をいう。
【0010】
(アクリロニトリル)
本発明のバインダーにおけるアクリロニトリルの使用量は、全モノマー量100重量部に対し、例えば1〜49重量部であり、好ましくは10〜49重量部であり、より好ましくは30〜49重量部である。
【0011】
(架橋性基含有ビニルモノマー)
架橋性基とは、加熱条件下や、酸性又はアルカリ性の条件下等において架橋反応を起こすことが可能な官能基であり、例えば、メトキシメチルカルバモイル基、エトキシメチルカルバモイル基、プロポキシメチルカルバモイル基、ブトキシメチルカルバモイル基、イソブトキシメチルカルバモイル基、t−ブトキシメチルカルバモイル基等の炭素数3〜6のアルコキシメチルカルバモイル基;グリシジル基;メチロールカルバモイル基;等が挙げられる。
架橋性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、好ましくメタアクリル酸グリシジルが挙げられる。
本発明のバインダーにおける架橋性基含有ビニルモノマーの使用量は、全モノマー量100重量部に対し、例えば1〜5重量部である。
【0012】
(酸性基含有ビニルモノマー)
酸性基としては、−COOH等が挙げられる。
酸性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタアクリロイルオキシエチルサクシネート、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシエチルメタアクリレート等が挙げられ、好ましくはアクリル酸及びメタアクリル酸が挙げられ、より好ましくはアクリル酸が挙げられる。
本発明のバインダーにおける酸性基含有ビニルモノマーの使用量は、全モノマー量100重量部に対し、例えば30〜50重量部である。
【0013】
(その他のモノマー)
本発明のバインダーは、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー、酸性基含有ビニルモノマー及びその他のモノマーを重合させて得てもよい。その他のモノマーとは、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーとは異なるモノマーであり、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するマレイン酸ジアルキルエステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するフマル酸ジアルキルエステル;イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するイタコン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
本発明のバインダーにおけるその他のモノマーの使用量は、全モノマー量100重量部に対し、例えば0〜50重量部であり、好ましくは0〜40重量部であり、より好ましくは0重量部である。
【0014】
[本発明のバインダーの製造方法]
本発明のバインダーは、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを溶液重合又は乳化重合させて得られ、乳化重合させて得られることが好ましい。
【0015】
(溶液重合)
溶液重合は、(メタ)アクリル酸エステルと、アクリロニトリルと、架橋性基含有ビニルモノマーと、酸性基含有ビニルモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを、溶剤の存在下で重合させることにより実施される。その際、重合開始剤を用いることが好ましい。それらの混合順は、特に限定されない。重合温度条件下の溶剤中に、(メタ)アクリル酸エステルと、アクリロニトリルと、架橋性基含有ビニルモノマーと、酸性基含有ビニルモノマーと、必要に応じてその他のモノマーと、重合開始剤とを含む混合物を加えていきながら重合させることが好ましい。
溶剤としては、好ましくは非水溶剤が挙げられる。非水溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素極性溶剤などが挙げられる。好ましくは含窒素極性溶剤であり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドンである。これらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤としては、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられ、好ましくは過硫酸カリウムが挙げられる。
重合温度は、30〜120℃の範囲が好ましい。
得られた混合物に、必要により濾過処理等の後処理を施して、本発明の電極用バインダーを含む溶液が得られる。該溶液から溶剤を除去して、本発明の電極用バインダーを取り出すこともできる。
【0016】
(乳化重合)
乳化重合は、(メタ)アクリル酸エステルと、アクリロニトリルと、架橋性基含有ビニルモノマーと、酸性基含有ビニルモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを、水の存在下で重合させることにより実施される。その際、乳化剤及び重合開始剤を用いることが好ましい。それらの混合順は、特に限定されない。乳化剤と水との混合物中に、(メタ)アクリル酸エステルと、アクリロニトリルと、架橋性基含有ビニルモノマーと、酸性基含有ビニルモノマーと、必要に応じてその他のモノマーと、重合開始剤とを混合し、得られた混合物を攪拌しながら昇温し、重合させることが好ましい。
乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホサクシネート等のアニオン性界面活性剤;スルホ基を有していてもよいポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロースの等の水溶性高分子;等が挙げられる。
重合開始剤としては、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられ、好ましくは過硫酸カリウムが挙げられる。
重合温度は、20〜95℃の範囲が好ましい。
得られた混合物に、必要により濾過処理等の後処理を施して、本発明の電極用バインダーを含むエマルションが得られる。該エマルションは、そのまま次に述べる本発明の電極用エマルションとすることもできるし、該エマルションから水を除去して、本発明の電極用バインダーを取り出すこともできる。
【0017】
[電極用エマルション]
本発明の電極用エマルション(以下「エマルション」という場合がある。)は、本発明のバインダーと分散媒とを含有する。本発明のエマルションでは、分散媒中に本発明のバインダーが分散されている。
本発明のエマルションは、さらに乳化剤及び重合開始剤からなる群から選ばれる1以上を含有することが好ましい。
本発明のエマルションは、上記乳化重合で得たエマルションの他に、本発明の電極用バインダーと分散媒とを、必要に応じて乳化剤や重合開始剤の存在下で混合することにより得られるエマルションも挙げられる。
【0018】
(分散媒)
分散媒は、本発明のバインダーを乳化させ得る溶剤であればよい。かかる分散剤としては、水が好ましい。
本発明のエマルションの固形分量は、例えば5〜50であり、好ましくは5〜35である。本明細書中、「固形分量」とは、本発明のエマルションに対する、本発明のエマルションから分散媒を除いた成分の量(重量%)である。
【0019】
(乳化剤)
乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホサクシネート等のアニオン性界面活性剤;スルホ基を有していてもよいポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロースの等の水溶性高分子;等を挙げることができる。
本発明のエマルションにおける乳化剤の含有量は、例えば、0.5〜30重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。
【0020】
(重合開始剤)
重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられ、好ましくは過硫酸カリウムが挙げられる。
本発明のエマルションにおける重合開始剤の含有量は、例えば、0.01〜1重量%であり、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0021】
[電極用塗料]
本発明の電極用塗料は、集電体に塗布することにより集電体表面に電極活物質が結着した状態の電極を与えうるもの、又は、任意の電極に塗布することにより電極表面に略球状粒子が結着した状態の電極を与え得るものであり、本発明のバインダーと、電極活物質又は略球状粒子と、水及び/又は有機溶媒とを含有する。
本発明の電極用塗料は、電極活物質を含有する場合、さらに導電材を含有することが好ましい。
【0022】
(電極活物質)
電極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる活物質が好ましく用いられる。電極活物質には正極活物質と負極活物質とがある。
【0023】
正極活物質としては、金属複合酸化物、特にリチウム及び鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの少なくとも1種類以上の金属を含有する金属複合酸化物等が挙げられ、好ましくは、LiMO(但し、Mは1種以上の遷移金属、好ましくはCo、MnまたはNiの少なくとも一種を表し、1.10>x>0.05である)、または、Li(式中、Mは1種以上の遷移金属、好ましくはMnを表し、1.10>x>0.05である。)を含んだ活物質が挙げられ、例えばLiCoO、LiNiO、LiNiCo(1−y)(式中、1.10>x>0.05、1>y>0である。)、LiMnで表される複合酸化物等が挙げられる。
【0024】
負極活物質としては、各種の珪素酸化物(SiO等)、炭素質物質、金属複合酸化物等が挙げられ、好ましくは、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、MCMB、ピッチ系炭素繊維、ポリアセンなどの炭素質材料;A(式中、AはLi、MはCo、Ni、Al、Sn及びMnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、zはそれぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、5.00≧z≧1.5の範囲の数である。)で表される複合金属酸化物やその他の金属酸化物などが挙げられる。
【0025】
(略球状粒子)
略球状粒子は、電極活物質以外の無機粉末、有機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものである。本発明において、略球状粒子は、真球状粒子を含むものであり、粒子のアスペクト比(粒子の長径/粒子の短径)が1以上1.5以下の範囲の値である粒子が挙げられる。粒子のアスペクト比は、電子顕微鏡写真により測定することができる。
【0026】
上記有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。該有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0027】
上記の無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、または炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。該無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。
【0028】
本発明において、略球状粒子の数平均粒径(直径)は、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.01〜1μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。ここで、数平均粒径は、走査型電子顕微鏡写真から測定される値を用いることができる。具体的には、該写真に撮影されている略球状粒子から任意に50個抽出し、それぞれの粒径を測定して、その平均値を用いればよい。
【0029】
本発明の塗料中の電極活物質及び/又は略球状粒子と、本発明のバインダーとの含有量の比は、重量比で、好ましくは100:0.1〜100:30であり、より好ましくは100:0.5〜100:20であり、さらに好ましくは100:0.5〜100:10である。
【0030】
(水)
本発明の塗料中の水の量は特に制限されず、集電体又は電極への塗布を行いやすい性状が得られる様な量とすればよい。本発明のバインダーに対して重量基準で、好ましくは1〜1000倍、より好ましくは2〜500倍、更に好ましくは3〜300倍、更により好ましくは5〜200倍になるように配合する。
【0031】
(有機溶媒)
有機溶媒としては、本発明のバインダーを溶解し得る有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の飽和脂肪族エーテル化合物;アリルエーテル、エチルアリルエーテル等の不飽和脂肪族エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル等の芳香族エーテル化合物;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル化合物;ギ酸、酢酸、無水酢酸、アクリル酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸化合物;ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、酪酸ブチル、炭酸ジエチル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、リン酸トリエチル等の有機酸エステル化合物;アセトン、エチルケトン、プロピルケトン、ブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン化合物;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ウンデカン二酸、ピルビン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸化合物;1,4−ジオキサン、フルフラール、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、N−メチルピロリドンが好ましい。
本発明の組成物中の有機溶媒の量は特に制限されず、集電体又は電極への塗布を行いやすい性状が得られる様な量とすればよい。本発明のバインダーに対して重量基準で、好ましくは1〜1000倍、より好ましくは2〜500倍、更に好ましくは3〜300倍、更により好ましくは5〜200倍になるように配合する。
【0032】
(導電材)
導電材としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭等の導電性カーボン;天然黒鉛、熱膨張黒鉛、鱗状黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系導電材;気相成長炭素繊維等の炭素繊維;アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金等の金属微粒子あるいは金属繊維;酸化ルテニウムあるいは酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。
少量で効果的に導電性が向上する点で、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラックが好ましい。
導電材の含有量は、電極活物質100重量部に対し、例えば、0〜50重量部程度であり、好ましくは、0〜30重量部程度である。
【0033】
[集電体]
集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金又はステンレス等の金属、例えば、炭素素材又は活性炭繊維に、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛又はこれらの合金をプラズマ溶射又はアーク溶射することによって形成されたもの、例えば、ゴム又はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)など樹脂に導電材を分散させた導電性フィルムなどが挙げられる。
集電体の形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチング状若しくはエンボス状であるもの又はこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。
集電体表面にエッチング処理により凹凸を形成させてもよい。
【0034】
[電極]
電極は、例えば、乾電池、圧電素子用センサー、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池及び燃料電池などの正極及び負極が挙げられる。
【0035】
本発明の電極は、本発明のバインダーを含有する。
【0036】
本発明の電極は、例えば、本発明の電極用塗料のうち電極活物質を含有するものを、集電体にドクターブレード法などで塗布又は浸漬し乾燥する方法や、本発明の電極用塗料のうち電極活物質を含有するものを混練、成形、乾燥させて得たシートを集電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後にプレス及び熱処理乾燥する方法や、本発明のバインダーと、上記の電極活物質とからなる混合物を集電体上に成形した後、得られたシート状の成形物を一軸又は多軸方向に延伸処理する方法などにより得ることができる。
【0037】
また、本発明の電極は、公知の電極や上記の方法により得られる本発明の電極等の任意の電極に、さらに本発明の電極用塗料のうち略球状粒子を含有するものを塗布又は浸漬し乾燥する方法により得られる電極も含まれる。かかる本発明の電極は、任意の電極にポリフッ化ビニリデンと略球状粒子とを含有する電極用塗料を塗布し、乾燥して得られる方法により得られる電極(例えば、特開2005−327680号公報参照)と比較して、初回充放電効率や容量保持率に優れたリチウムイオン二次電池を与える傾向にある。
電極をシート状とする場合、その厚みは、通常、5〜1000μm程度である。
【0038】
[リチウムイオン二次電池]
本発明の電極を有するリチウムイオン二次電池について以下に説明する。リチウムイオン二次電池とは、例えば、正極、負極、電解液及びセパレータ等を含み、正極及び負極の両極においてリチウムの酸化・還元が行われ、電気エネルギーを貯蔵、放出する電池である。
【0039】
(電解液)
本発明のリチウムイオン電池で用いる電解液としては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液などが挙げられる。リチウム塩としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどのうち1種または2種以上の混合物が挙げられる。
リチウム塩として、これらの中でもフッ素を含むLiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、およびLiC(CFSOからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
【0040】
本発明の電解液で用いる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの2種以上を混合して用いる。
【0041】
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを分離し、電解液を保持する役割を担うもので、大きなイオン透過度を持ち、且つ機械的強度を持つ絶縁性の膜が用いられる。
セパレータとしては、例えば、ビスコースレーヨン又は天然セルロースなどの抄紙、セルロースやポリエステル等の繊維を抄紙して得られる混抄紙、電解紙、クラフト紙、マニラ紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエステル、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート不織布、パラ系全芳香族ポリアミド、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂などの不織布又は多孔質膜等が挙げられる。
セパレータとしては、シリカなどのセラミック粉末粒子と前記結合剤とからなる成形物であってもよい。該成形物は通常、作用極及び対極と一体成形される。また、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いたセパレータについては、親水性を向上させるために界面活性剤やシリカ粒子を混合させてもよい。さらに、セパレータには、アセトン等の有機溶媒、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤等が含有されていてもよい。
【0042】
セパレータとして、プロトン伝導型ポリマーを用いてもよい。
セパレータとしては、特に電解紙、ビスコースレーヨン又は天然セルロースの抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロース又はポリエステルの繊維を抄紙して得られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、マニラ麻シート、ガラス繊維シート等が好ましい。
セパレータの孔径は、通常、0.01〜10μm程度である。セパレータの厚さは、通常、1〜300μm程度、好ましくは5〜30μm程度である。
セパレータは空孔率の異なるセパレータを積層したものであってもよい。特に、ポリオレフィン多孔質膜とポリエステル樹脂多孔質膜とからなるセパレータが好適である。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。例中の部及び%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
固形分は、JIS K−6828に準じた測定方法で行った。
【0044】
実施例1(エマルションの製造例)
還流冷却器、温度計、撹拌翼、窒素吹き込み口を備えたガラス製重合容器に、イオン交換水230部と、乳化剤「アクアロン(登録商標)HS−10」(第一工業製薬社製)5部とを仕込んだ。得られた溶液を撹拌しながら、そこに、アクリル酸ブチル23部、アクリロニトリル43部、アクリル酸30部及びメタアクリル酸グリシジル4部からなるモノマー混合液を仕込んだ。モノマー仕込み後、昇温及び窒素置換を開始した。さらに、過硫酸カリウム0.2部を加え、75℃に昇温し、5時間重合を行った。反応終了後、冷却を行い、150μm相当のポリエステルメッシュにて濾過し、エマルションを得た。
【0045】
実施例2(電極用塗料及び電極の製造例)
電極活物質として平均粒径12μmのマンガン酸リチウム(宝泉株式会社製、HLB:0711216)92部、導電材としてカーボンブラック(電気化学工業株式会社製、デンカブラック HS−100)5部及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1部を混合し、さらに水42部を加えて混合した。得られた混合物に、実施例1で得られたエマルション2部(アクリル酸ブチル:アクリロニトリル:アクリル酸:メタアクリル酸グリシジル=23:43:30:4)を加えてさらに混合した。得られた混合物をドクターブレード法により厚さ20μmのアルミニウム集電体上に塗布し、80℃で2時間乾燥した。次いで、幅3cmの短冊状に切断して、剥離強度測定用電極を得た。
【0046】
(剥離強度評価)
短冊状に切断した電極の電極側と、ガラスエポキシ樹脂板とを両面接着テープで貼り付け、剥離強度測定器に固定し、小型卓上試験機(島津製、EZ Test EZ−L)を用いて厚み方向に剥離させた。そのときの力の大きさを両面接着テープの幅(2.5cm)で除した値を剥離強度(N/m)とした。
剥離強度が10N/m以上のものを○、10N/m未満のものを×とした。
【0047】
(膨潤性評価)
膨潤性評価として、バインダー(エマルションを用いる場合、水を除去してなるバインダー)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、アルミ製カップに塗布し、120℃、8時間真空乾燥させた。そこで得られたフィルム状のバインダーを2cm四方(50mg〜500mg)に切断し、試料の重量Wを測定した。この試料をエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート(=30:35:35)混合液に浸漬させた。24時間後、試料を取り出し重量Wを測定し、下記式から膨潤度(%)を算出した。
膨潤度(%)=100×(W−W)/W
[式中、Wは、浸漬前の重量を表す。
は、浸漬させてから24時間後の重量を表す。]
膨潤度が70%未満のものを○、70%以上のものを×とした。
【0048】
比較例1
(電極の製造例)
電極用バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポン・フロロケミカル株式会社製、31−JR)を用いること以外は実施例2と同様にして、電極を作製した。電極を用いて剥離強度評価及び膨潤性評価を行った。
【0049】
比較例2
(エマルションの製造例)
モノマー混合液としてアクリル酸ブチル69部、メタアクリル酸メチル23部及びアクリル酸8部を用いること以外は、実施例1と同様にしてエマルションを得た。
(電極の製造例)
電極用バインダーとしてアクリル酸ブチル: メタアクリル酸メチル:メタアクリル酸(=69:23:8)を用いること以外は実施例2と同様にして、電極を作製した。電極を用いて剥離強度評価及び膨潤性評価を行った。
【0050】
比較例3
(エマルションの製造例)
モノマー混合液としてアクリル酸ブチル68部、アクリロニトリル24部及びアクリル酸8部を用いること以外は実施例1と同様にして、エマルションを得た。
(電極の製造例)
電極用バインダーとしてアクリル酸ブチル: アクリロニトリル:メタアクリル酸(=68:24:8)を用いること以外は実施例2と同様にして、電極を作製した。電極を用いて剥離強度評価及び膨潤性評価を行った。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例3
(エマルションの製造例)
モノマー混合液としてアクリル酸ブチル23部、アクリロニトリル28部、アクリル酸45部及びメタアクリル酸グリシジル4部を用いること以外は、実施例1と同様にしてエマルションを得た。
【0053】
実施例4
(電極用塗料及び電極の製造例)
実施例3で得たエマルションを40℃、8時間真空乾燥させ、水を除去して得られるバインダーをN−メチルピロリドンに溶解させる。得られるバインダー溶液(固形分;3%)に、略球状粒子としてアルミナ粒子(平均粒子径;0.3μm)を、バインダー6部に対して100部となるように加えて混合する。得られる混合物をドクターブレード法により電極〔黒鉛/スチレン−1,3−ブタジエン共重合体/カルボキシメチルセルロース(重量比100/1.5/1)を銅箔に塗布することにより製造された市販の負極〕上に塗布し、120℃で30分乾燥し、電極を作製する。
【0054】
比較例4
(電極の製造例)
電極用バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製、L#1320)を用いること以外は実施例4と同様にして、電極を作製する。
【0055】
実施例5
(リチウムイオン二次電池の製造例)
実施例4で得られる電極を、ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在させて、互いに活物質が対向し、外装容器底面に正極として用いるリチウム箔が接触するように配置し、コイン型外装容器中に収納する。この容器中にエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを溶媒に、電解質としてLiPFを溶解した電解液注入し、コイン型電池を製造する。
【0056】
比較例5
実施例5において、実施例4で得られる電極に替えて比較例4で得られる電極を用いる以外は、実施例5と同様にしてコイン型電池を製造する。
【0057】
実施例5で得られるリチウムイオン二次電池は、比較例5で得られるリチウムイオン二次電池と比較して、初回充放電効率や容量保持率に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の電極用バインダーによれば、集電体に対する優れた接着性を有し、且つ電解液膨潤性を抑えた電極を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを重合させて得られる電極用バインダー。
【請求項2】
全モノマー量100重量部に対し、(メタ)アクリル酸エステル20〜50重量部、アクリロニトリル1〜49重量部、架橋性基含有ビニルモノマー1〜5重量部及び酸性基含有ビニルモノマー30〜50重量部を重合させて得られる電極用バインダー。
【請求項3】
(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸ブチルである請求項1又は2記載の電極用バインダー。
【請求項4】
架橋性基含有ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸グリシジルである請求項1〜3のいずれか記載の電極用バインダー。
【請求項5】
酸性基含有ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸である請求項1〜4のいずれか記載の電極用バインダー。
【請求項6】
(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、架橋性基含有ビニルモノマー及び酸性基含有ビニルモノマーを乳化重合させて得られる請求項1〜5のいずれか記載の電極用バインダー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか記載の電極用バインダーと、分散媒とを含有する電極用エマルション。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか記載の電極用バインダーと、電極活物質又は略球状粒子と、水及び/又は有機溶剤とを含有する電極用塗料。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか記載の電極用バインダーを含有する電極。
【請求項10】
請求項9記載の電極を有するリチウムイオン二次電池。

【公開番号】特開2013−93297(P2013−93297A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247138(P2011−247138)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】