電気かみそり
【課題】癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔に導入して短く仕上げることができ、且つ肌の刃孔を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止し、しかも使用時の滑りも良好な電気かみそりを提供する。
【解決手段】モータを内蔵する本体部1の外面に配設されるネット状の外刃4と、モータにより駆動されて外刃4の内側を摺動する内刃とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔を有する上記外刃4は、刃孔を囲んで形成される桟部の一部の刃厚を薄く設けたものとする。
【解決手段】モータを内蔵する本体部1の外面に配設されるネット状の外刃4と、モータにより駆動されて外刃4の内側を摺動する内刃とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔を有する上記外刃4は、刃孔を囲んで形成される桟部の一部の刃厚を薄く設けたものとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネット状の外刃を備える電気かみそりに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の刃孔を有するネット状の外刃50に対して内刃51を摺動させる電気かみそりにおいては、図14に示すように、一般的に外刃50の刃厚Tが大きければ体毛60を引掛け難く(図14(a)参照)、刃厚Tが小さくなるほどに体毛60を引掛けて刃孔内に導入し易くなる(図14(b)参照)。しかし、図15に示すように、刃厚Tを小さくすれば、押し付けた肌70が刃孔を通じて内側に突出する量Dも大きくなり(図15(b)参照)、肌70に与える刺激が増大するという問題がある。一方、刃厚Tを大きくすれば肌70の突出する量Dも小さくなって刺激は低減されるものの(図15(a)参照)、その場合は特に癖毛や寝た状態の体毛であれば刃孔に導入することが困難となる。
【0003】
これに対して、外刃上にノブ型の突起を分散して配置し、これにより外刃自体の刃厚を大きくせずに、肌の内側への突出量を抑制しようとするものが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このものにおいては、刃孔から離れた箇所に分散して突起があるだけなので、肌の突出量を充分に制御することができないという問題や、分散して存在する各突起が肌に食い込んでしまい、使用時の肌の滑りが悪くなるといった問題がある。
【特許文献1】特開平4−246396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔に導入して短く仕上げることができ、且つ肌の刃孔を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止し、しかも使用時の滑りも良好な電気かみそりを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明を、モータ18を内蔵する本体部1の外面に配設されるネット状の外刃4と、モータ18により駆動されて外刃4の内側を摺動する内刃15とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔5を有する上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される桟部25の一部の刃厚Tを薄く設けたものとする。上記構成の電気かみそりにあっては、桟部25のうち薄く設けた部分によって癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔5に導入して短く仕上げることができ、且つ桟部25の他の部分によって、肌の刃孔5を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止することができる。しかも、外刃4に突起等を設けるのでなく桟部25自体の厚みを途中で変化させているだけなので、使用時の滑りも良好である。
【0006】
上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25を、刃厚Tの厚い厚桟部25aと刃厚Tの薄い薄桟部25bとで形成したものであることが好適である。厚桟部25aは、内刃15との接触による肌刺激を抑制する刃厚であり、且つ薄桟部25bは、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込む刃厚である。このようにすることで、比較的薄く形成してある薄桟部25bによって癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔5に導入して短く仕上げることができ、比較的厚く形成してある厚桟部25aによって、肌の刃孔5を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止することができる。しかも、刃孔5を囲む複数の桟部25を厚桟部25aと薄桟部25bとで形成してあるだけなので、使用時の滑りも良好である。
【0007】
また上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25のうち、少なくとも対向位置にある一対の桟部25を厚桟部25aとし、他の桟部を薄桟部25bとしたものであることが好適である。このようにすることで、対向する一対の厚桟部25aによって、刃孔5からの肌の突出を確実に抑制することができる。
【0008】
また上記外刃4は、剃り方向と交差する方向に沿って形成される桟部25を、薄桟部25bとしたものであることが好適である。このようにすることで、癖毛や寝た状態の体毛であっても該体毛と肌との間に薄桟部25bが効果的に入り込み、体毛を起こして刃孔5に導入することができる。
【0009】
そして、上記外刃4は、その長手方向Xに沿って形成される桟部25を、薄桟部25bとしたものであることが更に好適である。このようにすることで、薄桟部25bは剃り方向と直交することとなり、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0010】
また上記外刃4は、その短手方向Yに沿って形成される桟部25を、厚桟部25aとしたものであることが好適である。このようにすることで、厚桟部25aは剃り方向に平行となり、肌当たりが更に向上することとなる。
【0011】
また上記外刃4は、隣接する二以上の刃孔5に跨って厚桟部25aを連続させたものであることが好適である。このようにすることで、肌当たりが向上するとともに、外刃4の強度が向上することとなる。
【0012】
また上記外刃4は、薄桟部25bの刃厚を45μm以下としたものであることが好適である。このようにすることで、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0013】
また上記外刃4は、薄桟部25bの刃先角βを厚桟部25aの刃先角αよりも小さく設けたものであることが好適である。このようにすることで、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0014】
また上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25のうち厚桟部25aの占める割合を薄桟部25bの占める割合よりも大きく設けたものであることが好適である。このようにすることで、刃孔5からの肌の突出を更に確実に抑制し、肌当たりを向上させることができる。
【0015】
なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜組合せ可能である。
【発明の効果】
【0016】
発明は、癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔に導入して短く仕上げることができ、且つ肌の刃孔を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止し、しかも使用時の滑りも良好であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明の実施形態における一例の電気かみそりの全体は図3に示すようなものであり、電池(図示せず)を内蔵するとともに正面にスイッチ部40を露出させてあるグリップ部2と、このグリップ部2の長手方向端部に揺動自在に接続させたヘッド部3とで、本体部1の主体を成している。以下、このグリップ部2に対してヘッド部3が接続してある方向を上方向とし、グリップ部2を把持してヘッド部3の刃面Sにものでありト刃のうち使用時に後側に位置する方に働くを肌に当てる際の手前側を前側、この反対側を後側として説明する。なお、通常の使用時に使用者がヘッド部3の刃面Sを肌に当てながら該ヘッド部3を動かす方向(即ち、剃り方向)は前後方向であり、後述の如く、各外刃4の短手方向Y(内刃15の往復摺動方向と直交する方向)がこの剃り方向となる。
【0018】
図1等に示すように、ヘッド部3に装着される外刃カセット30の上端面には、多数の外刃4が前後方向に一列に配設される刃面Sを形成してある。外刃4として具体的には、前側から後側へと向けて、第1のネット刃4a、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dが並設されている。
【0019】
ネット刃4a,4b,4dはいずれも、上方が凸となるように短手方向Yに沿ってU字状に湾曲させた長板状部材に多数の体毛導入用の刃孔5(図10,図11参照)を穿設したネット状の外刃4であり、第1及び第2のネット刃4a,4dの刃幅Wa,Wdに比較して仕上げ用ネット刃4bはその刃幅Wbを小さく設けてある(図2参照)。なお、この刃幅Wa,Wb,Wdは、各ネット刃4a,4b,4dにおける短手方向Y(換言すれば、外刃4の並設方向である前後方向)の幅のことである。このように、仕上げ用ネット刃4bは他のネット刃4a,4bに比して刃幅Wb、つまり湾曲される曲率半径を小さく設けているので、表面に押し付けた肌を刃孔5から大きく内側に突出させて体毛を短く剃ることが可能になっている。更に、仕上げ用ネット刃4bは、第1及び第2のネット刃4a,4dよりも少なくとも部分的に薄く形成してあるが、この点については後述する。
【0020】
スリット刃4cは、その短手方向Yに沿ってコ字状に湾曲させた長板状部材に、その平坦な上壁から側壁に至る体毛導入用の多数のスリットを穿設したものである。仕上げ用ネット刃4bを挟んでスリット刃4cと反対側となる位置には、肌ガード部材6が取り付けてあり、この仕上げ用ネット刃4bを前後に挟むスリット刃4cと肌ガード部材6とによって、曲率半径の小さな仕上げ用ネット刃4bに肌が強く押し付けられることを効果的に防止している。
【0021】
図4等に示すように、外刃4を成す各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cは、それぞれ専用の外刃枠7a,7b,7d,7cに取り付けられており、更に第1及び第2のネット刃4a,4dが取り付けられる外刃枠7a,7dには、それぞれ前側及び後側の外刃カバー8a,8dが取り付けられている。この前側及び後側の外刃カバー8a,8dと、両外刃カバー8a,8dに挟まれる二つの外刃枠7b,7cとは、それぞれに設けてあるリブ9a,9b,9c,9dを外刃フレーム10の上下溝11a,11b,11c,11dに係合させることで、独立して上下動自在に保持させている。これにより外刃カセット30が構成される。
【0022】
各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cを上下動自在に保持することとなる外刃フレーム10は、ヘッド部3の両側部に設けた着脱釦12によって、ヘッド部3の上端に着脱自在に装着される。外刃フレーム10即ち外刃カセット30の装着により、ヘッド部3の駆動桿13a,13b,13c,13dを露出させてある上端面(図5参照)の上方には、密閉された内刃収納空間が形成される。
【0023】
内刃15は、外刃4を成す各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cに対して専用のものが設置される。即ち図4に示すように、各ネット刃4a,4b,4dの下方においては、対応するネット刃4a,4b,4dの湾曲に沿うU字状の内刃15a,15b,15dが、基台14a,14b,14dに固定した状態で配してある。またスリット刃4cの下方においては、このスリット刃4cの湾曲に沿うコ字状のスリット内刃15cが基台14cに固定した状態で配してある。
【0024】
これら各基台14a,14b,14c,14dは、ヘッド部3の上端面から突出させてある専用の駆動桿13a,13b,13c,13dに装着される。内刃15a,15b,15dの基台14a,14b,14dが装着される駆動桿13a,13b,13dは、内部に備えてある押し上げばね16a,16b,16dの復元力により、各内刃15a,15b,15dに上方への付勢力を与えて各ネット刃4a,4b,4d内面に押し付ける。またスリット内刃15cの基台14cは、左右一対のスリット押し上げばね17を介して外刃枠7cに弾性的に連結され、このスリット押し上げばね17の復元力によりスリット内刃15cに付勢力を与えてスリット刃4cの内面に押し付ける。スリット内刃15c用の駆動桿13cは、外刃フレーム10がヘッド部3に装着される際に基台14cの溝部に連結されるようになっている。
【0025】
ヘッド部3内には、各内刃15a,15b,15c,15dを往復駆動するためのモータ18として、図2や図7に示すようなリニアモータを内蔵している。このモータ18は、第1のネット刃4a及び仕上げ用ネット刃4bと対応する内刃15a,15bに連結される一対の駆動桿13a,13bを一体に往復駆動させるとともに、第2のネット刃4dと対応する内刃15dに連結される駆動桿13dを、前記一対の駆動桿13a,13bとは逆方向に往復駆動させる。スリット内刃15cに連結される駆動桿13cは駆動桿13dから前方に延設されており、駆動桿13dと一体に往復駆動される。
【0026】
したがって、グリップ部2のスイッチ部40を操作してモータ18をオンにすると、前側の内刃15a,15bが駆動桿13a,13bを介して第1のネット刃4a及び仕上げ用ネット刃4bの内面に往復摺動するとともに、これと反対方向に向けて、後側のスリット内刃15c及び内刃15dが駆動桿13c,13dを介してスリット刃4c及び第2のネット刃4dの内面に往復摺動するものである。
【0027】
また、所定の上下範囲内にて上下動自在に設置される各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cには、それぞれ上方への付勢力が付与されている。各ネット刃4a,4b,4dにおいては、その内面に当たる各内刃15a,15b,15dを上方に押し上げる押し上げばね16a,16b,16dがこの付勢手段として機能し、スリット刃4cにおいては、隣接する仕上げ用ネット刃4bの外刃枠7bとの間に配される連結ばね19(図4,図6参照)がこの付勢手段として機能する。
【0028】
肌ガード部材6は、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bと一体に形成されており、この仕上げ用ネット刃4b及び外刃枠7bと一体に、上方への付勢力を伴って上下動自在に配された構造となっている。
【0029】
図6には、前側の二つのネット刃4a,4b(即ち、第1のネット刃4aと仕上げ用ネット刃4b)に働く上方への付勢力を低減させるように働くばね機構を示している。このばね機構は、圧縮状態で配される前述の連結ばね19と、仕上げ用ネット刃4bと第1のネット刃4aとの間に圧縮状態で配される連結ばね20とで主体を成している。連結ばね19は、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの下端部から後方に延設されるアーム21の上面にその下端を係止させ、且つスリット刃4cを固定する外刃枠7cの下面にその上端を当接させたものである。また連結ばね20は、第1のネット刃4aを固定する外刃枠7aの下端部から後方に延設されるアーム22の上面にその下端を係止させ、且つ仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの下面にその上端を当接させたものである。
【0030】
ここで、初期状態(即ち、肌の押し当てによる下方への押し下げ力が働いていない状態)において連結ばね19が発生させる伸張方向の弾性力は、連結ばね20が発生させる伸張方向の弾性力よりも大きくなるように設定してある。また、各押し上げばね16a,b,dが各ネット刃4a,4b,4dを押し上げる付勢力は、連結ばね19よりも大きな付勢力で略一致させてある。これにより仕上げ用ネット刃4bには、連結ばね19の弾性力から連結ばね20の弾性力を減じた弾性力が下向きに働き、第1のネット刃4aには、連結ばね20の弾性力が下向きに働く。
【0031】
つまり本例にあっては上記ばね構造により、ヘッド部3の刃面Sを肌に押し付けた際に、最も後方に位置する第2のネット刃4dに働く上方への付勢力と比べて、第1のネット刃4aと仕上げ用ネット刃4bに働く上方への付勢力の方が小さくなるように設けてある。各ネット刃4a,4b,4dに働く付勢力のバランスをこのような大小関係にすれば、例えば肌に押し当てた刃面Sを後方に滑らせていく際に、最も付勢力が大きく抵抗の強い第2のネット刃4dにより肌を後方に引っ張り、体毛を肌表面から大きく引き出した状態として短く仕上げることが可能となる。
【0032】
なお、上記ばね構造の連結ばね19,20は必ずしも両方を備える必要は無く、一方だけを備えるか或いは両方共に備えていない構成であっても、押し上げばね16a,16b,16c等の種類や配置を調整することで、第2のネット刃4dに働く付勢力を、第1のネット刃4aおよび仕上げ用ネット刃4bに働く付勢力よりも大きく設けることは可能である。
【0033】
次に、各外刃4の初期状態における上下高さについて詳述する。図2に示すように、刃面Sの前端に位置する第1のネット刃4aの初期状態での上下高さは、刃面Sの後端に位置する第2のネット刃4dの初期状態での上下高さよりも距離d1(=0.5〜3mm)だけ低い位置に配置してあり、仕上げ用ネット刃4bの初期状態での上下高さは、第2のネット刃4dの初期状態での上下高さと一致させてある。ここでの高さの基準となる上下方向は、各外刃4が上下動する方向である。
【0034】
また、初期状態においてスリット刃4cは、第1のネット刃4aよりも高く、且つ仕上げ用ネット刃4b及び第2のネット刃4dよりは距離d2(<d1)だけ低い位置に設けてある。更に、仕上げ用ネット刃4bと一体に上下動する肌ガード部材6は、仕上げ用ネット刃4bよりも距離d3(>d2)だけ低く、且つ初期状態においては第1のネット刃4aよりも高くなる位置に設けてある。
【0035】
このような上下高さに設定しておくことで、例えば図8のように顎下を剃る場合には、刃面S上に並設される第1のネット刃4a、肌ガード部材6、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dの全てが顎下の曲面に沿って略均等に当たり、それぞれに押し付け力を分散させながら剃り残し無く、短く仕上げることが可能となる。特に、刃幅Wbが小さくて痛みを感じさせ易い仕上げ用ネット刃4bにおいては、前後に位置する肌ガード部材6とスリット刃4cとが押し付け力の分散手段として機能するので、安定的な押し付け力によって大きな刺激を生じさせることなく、顎下の髭を短く仕上げることが可能になっている。
【0036】
一方、顎先や鼻下等の細部を剃る場合には、最も低く位置させてある手前側の第1のネット刃4aが肌に当たることがなくなり、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dを肌に当てながら細かく仕上げることが可能となる。特に、図9に示すように尖った顎先を小さな押し付け力で剃る場合には、第1及び第2のネット刃4a,4dが共に肌に当たらず、肌ガード部材6と仕上げ用ネット刃4bとスリット刃4cだけが肌に押し当たることとなるが、この場合でも仕上げ用ネット刃4bに対する押し当て力は両側の肌ガード部材6とスリット刃4cとに適度に分散されて痛みを感じることはない。スリット刃4cにあっても、肌ガード部材6と仕上げ用ネット刃4bとの間で分散された適度な押し付け力によって、癖毛や長毛を速やかに切断して適度な長さにした後で仕上げ用ネット刃4bに導入させることが可能である。
【0037】
次に、各外刃4のうち一つが大きく下方に移動すれば隣接する他の外刃4を一体として下方に移動させる連動構造について詳述する。図7に示すように、第1のネット刃4aを固定する外刃枠7aの後壁からは連動リブ23aが突設してあり、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの前壁からは、この連動リブ23aの下方に隙間を介して位置する受け部24bを設けてある。また仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの後壁からは連動リブ23bが突設してあり、スリット刃4cを固定する外刃枠7cの前壁からは、隙間を介してこの連動リブ23bの下方に位置する突起状の受け部24cを設けてある。更に第2のネット刃4dを固定する外刃枠7dの前壁からも同様の連動リブ23dが突設してあり、スリット刃4cを固定する外刃枠7cの後壁からは、隙間を介してこの連動リブ23dの下方に位置する同様の受け部24c′が設けてある。
【0038】
この連動構造を備えたことで、例えば仕上げ用ネット刃4b又は第2のネット刃4dだけが所定量を超えて下方に沈み込めば、連動リブ23bと受け部24cの当接又は連動リブ23dと受け部24c′との当接により、スリット刃4c及び外刃枠7cは下方へと一体に沈み込む。また第1のネット刃4aだけが所定量を超えて下方へと沈み込めば、連動リブ23aと受け部24bとの当接により、仕上げ用ネット刃4b及び外刃枠7bは下方へと一体に沈み込む。また図示例では備えていないが、同様の構成により、スリット刃4cだけが所定量を超えて下方に沈み込むと仕上げ用ネット刃4bが一体に沈み込むように設けても良い。このような連動構造によって、スリット刃4cや仕上げ用ネット刃4bだけが大きく突出し、肌に強く接触して痛みを与えるという事態が防止される。
【0039】
次に、仕上げ用ネット刃4bについて詳述する。図10,図11に示すように、ネット状の外刃4である仕上げ用ネット刃4bは、多数の刃孔5を一面に穿設することで、各刃孔5を複数の桟部25で囲んだ形状となっている。なお、ここでの桟部25とは、隣接する刃孔5との間にて桟状に形成される部分を意味する。多数の刃孔5のうち、少なくとも前後方向中央の領域(即ち、上が凸となるようにU字状に湾曲させた状態で上端側となる領域)に位置するものにおいては、各刃孔5を囲む複数の桟部25の内面側は面一に設けたうえで、これら桟部25のうち体毛を引掛けて刃孔5に導入するための部分を、他の部分よりも刃厚Tの小さな薄桟部25bとして形成している(図12参照)。
【0040】
つまり、各刃孔5を囲む複数の桟部25は、全体の刃厚T(=Ta)を一様に小さく設けた薄桟部25bと、全体の刃厚T(=Tb)を一様に大きく設けた厚桟部25aとで形成されている。具体的には、六角形状を成す刃孔5の周囲を囲む都合三対の桟部25のうち、剃り方向と直交する左右方向(即ち、外刃4の長手方向X)に沿って形成される一対の桟部25を薄桟部25bとし、剃り方向である前後方向(即ち、外刃4の短手方向Y)に沿って形成される二対の桟部25を厚桟部25aとしている。各刃孔5の前後方向に隣接する厚桟部25aは外面側が面一となるように連続させてあり、更に、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨ってこの厚桟部25aを外面側が面一となるように連続させてあるので、仕上げ用ネット刃4b全体としては、前後方向に沿ってジグザグ状に連続する厚桟部25aが左右方向に多数並設されるとともに、隣接するジグザグ状の厚桟部25a同士を、前後方向に並設される多数の薄桟部25bで繋いだ構造となっている。
【0041】
刃厚Tを上記のように設定することで、剃り方向である前後方向(即ち外刃4の短手方向Y)に沿って伸びる厚桟部25aによって肌が刃孔5を通じて内側に大きく突出することを抑制しながら、剃り方向とは交差する左右方向(即ち外刃4の長手方向X)に沿って伸びる薄桟部25bによって体毛を効率的に起こして刃孔5内に導入し、痛みを感じさせることなく短く仕上げることを可能にしている。
【0042】
具体的な寸法としては、刃孔5の前後方向の長さ0.3mm、左右方向の長さ0.5mmとし、厚桟部25aの刃厚Ta=50〜80μm、薄桟部25bの刃厚Tb≦45μmとすることが好ましく、ここでは厚桟部25aの刃厚Ta=60μm、薄桟部25bの刃厚Tb=35μmとしてある。この寸法とすることで、厚桟部25aでは内刃15との接触による肌刺激を抑制し、且つ薄桟部25bでは、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込むことが可能になっている。なお、第1及び第2のネット刃4a,4bにおいては、刃孔を囲む各桟部の刃厚は仕上げ用ネット刃4bの厚桟部25aと同様に50〜80μm、対を成す桟部の間隔は0.3〜0.8mmに設けてある。
【0043】
また図12に示すように、薄桟部25bの鋭角を成す刃先角βは、同じく鋭角を成す厚桟部25aの刃先角αよりも更に小さく形成しており、これにより薄桟部25bの刃先で体毛を引掛けて起こすことのできる確率を向上させてある。
【0044】
図13には、仕上げ用ネット刃4bの変形例を示している。図中にて斜線で示す部分が薄桟部25bである。図13(a)に示す変形例にあっては刃孔5を円形状に設けてあるが、この場合も刃孔5を囲む複数の桟部25のうち外刃4の長手方向Xに沿って形成される一対の桟部25を薄桟部25bとし、外刃4の短手方向Yに沿う他の部分を厚桟部25aとすることで、厚桟部25aの占める割合を薄桟部25bの占める割合よりも大きく設けてある。また、この変形例にあっても、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨って厚桟部25aを略一直線状に連続させている。
【0045】
図13(b)に示す変形例にあっては刃孔5を三角形状に設けてあるが、この場合であっても各刃孔5を囲む厚桟部25aが占める割合を薄桟部25bが占める割合よりも大きく設けるとともに、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨って厚桟部25aを略一直線状に連続させている。
【0046】
以上、刃面Sの前側から後側へと向けて、第1のネット刃4a、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dの順に並設されたものについて述べたが、この配列が前後逆となっても構わない。また内刃15の構成についても、本例のように外刃4の長手方向Xに摺動する往復刃に限定されず、外刃4の短手方向Yに摺動する回転刃であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態における一例の電気かみそりの要部斜視図である。
【図2】同上の電気かみそりの要部側断面図である。
【図3】同上の電気かみそりの全体正面図である。
【図4】同上の電気かみそりの外刃カセットや内刃を示す分解斜視図である。
【図5】同上の電気かみそりの外刃カセットや内刃を外した状態のヘッド部を示す斜視図である。
【図6】同上の電気かみそりのばね構造を示す説明用断面図である。
【図7】同上の電気かみそりのヘッド部を示す側断面図である。
【図8】同上の電気かみそりを用いて顎下を剃る場合を示す説明図である。
【図9】同上の電気かみそりを用いて顎先を剃る場合を示す説明図である。
【図10】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃を示す平面図である。
【図11】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃を示す要部斜視図である。
【図12】(a)は図11のA−A線断面図、(b)は図11のB−B線断面図である。
【図13】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃の変形例の説明図であり、(a)は第1の変形例、(b)は第2の変形例を示している。
【図14】電気かみそりの外刃の刃孔内に体毛を導入する様子を示す説明図であり、(a)は刃厚を大きくした場合、(b)は刃厚を小さくした場合を示している。
【図15】電気かみそりの外刃の刃孔内に肌が突出する様子を示す説明図であり、(a)は刃厚を大きくした場合、(b)は刃厚を小さくした場合を示している。
【符号の説明】
【0048】
1 本体部
4 外刃
5 刃孔
15 内刃
18 モータ
25 桟部
25a 厚桟部
25b 薄桟部
T 刃厚
Ta 刃厚
Tb 刃厚
X 長手方向
Y 短手方向
α 刃先角
β 刃先角
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネット状の外刃を備える電気かみそりに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の刃孔を有するネット状の外刃50に対して内刃51を摺動させる電気かみそりにおいては、図14に示すように、一般的に外刃50の刃厚Tが大きければ体毛60を引掛け難く(図14(a)参照)、刃厚Tが小さくなるほどに体毛60を引掛けて刃孔内に導入し易くなる(図14(b)参照)。しかし、図15に示すように、刃厚Tを小さくすれば、押し付けた肌70が刃孔を通じて内側に突出する量Dも大きくなり(図15(b)参照)、肌70に与える刺激が増大するという問題がある。一方、刃厚Tを大きくすれば肌70の突出する量Dも小さくなって刺激は低減されるものの(図15(a)参照)、その場合は特に癖毛や寝た状態の体毛であれば刃孔に導入することが困難となる。
【0003】
これに対して、外刃上にノブ型の突起を分散して配置し、これにより外刃自体の刃厚を大きくせずに、肌の内側への突出量を抑制しようとするものが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このものにおいては、刃孔から離れた箇所に分散して突起があるだけなので、肌の突出量を充分に制御することができないという問題や、分散して存在する各突起が肌に食い込んでしまい、使用時の肌の滑りが悪くなるといった問題がある。
【特許文献1】特開平4−246396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔に導入して短く仕上げることができ、且つ肌の刃孔を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止し、しかも使用時の滑りも良好な電気かみそりを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明を、モータ18を内蔵する本体部1の外面に配設されるネット状の外刃4と、モータ18により駆動されて外刃4の内側を摺動する内刃15とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔5を有する上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される桟部25の一部の刃厚Tを薄く設けたものとする。上記構成の電気かみそりにあっては、桟部25のうち薄く設けた部分によって癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔5に導入して短く仕上げることができ、且つ桟部25の他の部分によって、肌の刃孔5を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止することができる。しかも、外刃4に突起等を設けるのでなく桟部25自体の厚みを途中で変化させているだけなので、使用時の滑りも良好である。
【0006】
上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25を、刃厚Tの厚い厚桟部25aと刃厚Tの薄い薄桟部25bとで形成したものであることが好適である。厚桟部25aは、内刃15との接触による肌刺激を抑制する刃厚であり、且つ薄桟部25bは、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込む刃厚である。このようにすることで、比較的薄く形成してある薄桟部25bによって癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔5に導入して短く仕上げることができ、比較的厚く形成してある厚桟部25aによって、肌の刃孔5を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止することができる。しかも、刃孔5を囲む複数の桟部25を厚桟部25aと薄桟部25bとで形成してあるだけなので、使用時の滑りも良好である。
【0007】
また上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25のうち、少なくとも対向位置にある一対の桟部25を厚桟部25aとし、他の桟部を薄桟部25bとしたものであることが好適である。このようにすることで、対向する一対の厚桟部25aによって、刃孔5からの肌の突出を確実に抑制することができる。
【0008】
また上記外刃4は、剃り方向と交差する方向に沿って形成される桟部25を、薄桟部25bとしたものであることが好適である。このようにすることで、癖毛や寝た状態の体毛であっても該体毛と肌との間に薄桟部25bが効果的に入り込み、体毛を起こして刃孔5に導入することができる。
【0009】
そして、上記外刃4は、その長手方向Xに沿って形成される桟部25を、薄桟部25bとしたものであることが更に好適である。このようにすることで、薄桟部25bは剃り方向と直交することとなり、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0010】
また上記外刃4は、その短手方向Yに沿って形成される桟部25を、厚桟部25aとしたものであることが好適である。このようにすることで、厚桟部25aは剃り方向に平行となり、肌当たりが更に向上することとなる。
【0011】
また上記外刃4は、隣接する二以上の刃孔5に跨って厚桟部25aを連続させたものであることが好適である。このようにすることで、肌当たりが向上するとともに、外刃4の強度が向上することとなる。
【0012】
また上記外刃4は、薄桟部25bの刃厚を45μm以下としたものであることが好適である。このようにすることで、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0013】
また上記外刃4は、薄桟部25bの刃先角βを厚桟部25aの刃先角αよりも小さく設けたものであることが好適である。このようにすることで、体毛を起こして刃孔5に導入する確率が更に向上する。
【0014】
また上記外刃4は、刃孔5を囲んで形成される複数の桟部25のうち厚桟部25aの占める割合を薄桟部25bの占める割合よりも大きく設けたものであることが好適である。このようにすることで、刃孔5からの肌の突出を更に確実に抑制し、肌当たりを向上させることができる。
【0015】
なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜組合せ可能である。
【発明の効果】
【0016】
発明は、癖毛や寝た状態の体毛であっても刃孔に導入して短く仕上げることができ、且つ肌の刃孔を通じての突出量を抑制して使用者に刺激を与えることを防止し、しかも使用時の滑りも良好であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明の実施形態における一例の電気かみそりの全体は図3に示すようなものであり、電池(図示せず)を内蔵するとともに正面にスイッチ部40を露出させてあるグリップ部2と、このグリップ部2の長手方向端部に揺動自在に接続させたヘッド部3とで、本体部1の主体を成している。以下、このグリップ部2に対してヘッド部3が接続してある方向を上方向とし、グリップ部2を把持してヘッド部3の刃面Sにものでありト刃のうち使用時に後側に位置する方に働くを肌に当てる際の手前側を前側、この反対側を後側として説明する。なお、通常の使用時に使用者がヘッド部3の刃面Sを肌に当てながら該ヘッド部3を動かす方向(即ち、剃り方向)は前後方向であり、後述の如く、各外刃4の短手方向Y(内刃15の往復摺動方向と直交する方向)がこの剃り方向となる。
【0018】
図1等に示すように、ヘッド部3に装着される外刃カセット30の上端面には、多数の外刃4が前後方向に一列に配設される刃面Sを形成してある。外刃4として具体的には、前側から後側へと向けて、第1のネット刃4a、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dが並設されている。
【0019】
ネット刃4a,4b,4dはいずれも、上方が凸となるように短手方向Yに沿ってU字状に湾曲させた長板状部材に多数の体毛導入用の刃孔5(図10,図11参照)を穿設したネット状の外刃4であり、第1及び第2のネット刃4a,4dの刃幅Wa,Wdに比較して仕上げ用ネット刃4bはその刃幅Wbを小さく設けてある(図2参照)。なお、この刃幅Wa,Wb,Wdは、各ネット刃4a,4b,4dにおける短手方向Y(換言すれば、外刃4の並設方向である前後方向)の幅のことである。このように、仕上げ用ネット刃4bは他のネット刃4a,4bに比して刃幅Wb、つまり湾曲される曲率半径を小さく設けているので、表面に押し付けた肌を刃孔5から大きく内側に突出させて体毛を短く剃ることが可能になっている。更に、仕上げ用ネット刃4bは、第1及び第2のネット刃4a,4dよりも少なくとも部分的に薄く形成してあるが、この点については後述する。
【0020】
スリット刃4cは、その短手方向Yに沿ってコ字状に湾曲させた長板状部材に、その平坦な上壁から側壁に至る体毛導入用の多数のスリットを穿設したものである。仕上げ用ネット刃4bを挟んでスリット刃4cと反対側となる位置には、肌ガード部材6が取り付けてあり、この仕上げ用ネット刃4bを前後に挟むスリット刃4cと肌ガード部材6とによって、曲率半径の小さな仕上げ用ネット刃4bに肌が強く押し付けられることを効果的に防止している。
【0021】
図4等に示すように、外刃4を成す各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cは、それぞれ専用の外刃枠7a,7b,7d,7cに取り付けられており、更に第1及び第2のネット刃4a,4dが取り付けられる外刃枠7a,7dには、それぞれ前側及び後側の外刃カバー8a,8dが取り付けられている。この前側及び後側の外刃カバー8a,8dと、両外刃カバー8a,8dに挟まれる二つの外刃枠7b,7cとは、それぞれに設けてあるリブ9a,9b,9c,9dを外刃フレーム10の上下溝11a,11b,11c,11dに係合させることで、独立して上下動自在に保持させている。これにより外刃カセット30が構成される。
【0022】
各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cを上下動自在に保持することとなる外刃フレーム10は、ヘッド部3の両側部に設けた着脱釦12によって、ヘッド部3の上端に着脱自在に装着される。外刃フレーム10即ち外刃カセット30の装着により、ヘッド部3の駆動桿13a,13b,13c,13dを露出させてある上端面(図5参照)の上方には、密閉された内刃収納空間が形成される。
【0023】
内刃15は、外刃4を成す各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cに対して専用のものが設置される。即ち図4に示すように、各ネット刃4a,4b,4dの下方においては、対応するネット刃4a,4b,4dの湾曲に沿うU字状の内刃15a,15b,15dが、基台14a,14b,14dに固定した状態で配してある。またスリット刃4cの下方においては、このスリット刃4cの湾曲に沿うコ字状のスリット内刃15cが基台14cに固定した状態で配してある。
【0024】
これら各基台14a,14b,14c,14dは、ヘッド部3の上端面から突出させてある専用の駆動桿13a,13b,13c,13dに装着される。内刃15a,15b,15dの基台14a,14b,14dが装着される駆動桿13a,13b,13dは、内部に備えてある押し上げばね16a,16b,16dの復元力により、各内刃15a,15b,15dに上方への付勢力を与えて各ネット刃4a,4b,4d内面に押し付ける。またスリット内刃15cの基台14cは、左右一対のスリット押し上げばね17を介して外刃枠7cに弾性的に連結され、このスリット押し上げばね17の復元力によりスリット内刃15cに付勢力を与えてスリット刃4cの内面に押し付ける。スリット内刃15c用の駆動桿13cは、外刃フレーム10がヘッド部3に装着される際に基台14cの溝部に連結されるようになっている。
【0025】
ヘッド部3内には、各内刃15a,15b,15c,15dを往復駆動するためのモータ18として、図2や図7に示すようなリニアモータを内蔵している。このモータ18は、第1のネット刃4a及び仕上げ用ネット刃4bと対応する内刃15a,15bに連結される一対の駆動桿13a,13bを一体に往復駆動させるとともに、第2のネット刃4dと対応する内刃15dに連結される駆動桿13dを、前記一対の駆動桿13a,13bとは逆方向に往復駆動させる。スリット内刃15cに連結される駆動桿13cは駆動桿13dから前方に延設されており、駆動桿13dと一体に往復駆動される。
【0026】
したがって、グリップ部2のスイッチ部40を操作してモータ18をオンにすると、前側の内刃15a,15bが駆動桿13a,13bを介して第1のネット刃4a及び仕上げ用ネット刃4bの内面に往復摺動するとともに、これと反対方向に向けて、後側のスリット内刃15c及び内刃15dが駆動桿13c,13dを介してスリット刃4c及び第2のネット刃4dの内面に往復摺動するものである。
【0027】
また、所定の上下範囲内にて上下動自在に設置される各ネット刃4a,4b,4d及びスリット刃4cには、それぞれ上方への付勢力が付与されている。各ネット刃4a,4b,4dにおいては、その内面に当たる各内刃15a,15b,15dを上方に押し上げる押し上げばね16a,16b,16dがこの付勢手段として機能し、スリット刃4cにおいては、隣接する仕上げ用ネット刃4bの外刃枠7bとの間に配される連結ばね19(図4,図6参照)がこの付勢手段として機能する。
【0028】
肌ガード部材6は、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bと一体に形成されており、この仕上げ用ネット刃4b及び外刃枠7bと一体に、上方への付勢力を伴って上下動自在に配された構造となっている。
【0029】
図6には、前側の二つのネット刃4a,4b(即ち、第1のネット刃4aと仕上げ用ネット刃4b)に働く上方への付勢力を低減させるように働くばね機構を示している。このばね機構は、圧縮状態で配される前述の連結ばね19と、仕上げ用ネット刃4bと第1のネット刃4aとの間に圧縮状態で配される連結ばね20とで主体を成している。連結ばね19は、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの下端部から後方に延設されるアーム21の上面にその下端を係止させ、且つスリット刃4cを固定する外刃枠7cの下面にその上端を当接させたものである。また連結ばね20は、第1のネット刃4aを固定する外刃枠7aの下端部から後方に延設されるアーム22の上面にその下端を係止させ、且つ仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの下面にその上端を当接させたものである。
【0030】
ここで、初期状態(即ち、肌の押し当てによる下方への押し下げ力が働いていない状態)において連結ばね19が発生させる伸張方向の弾性力は、連結ばね20が発生させる伸張方向の弾性力よりも大きくなるように設定してある。また、各押し上げばね16a,b,dが各ネット刃4a,4b,4dを押し上げる付勢力は、連結ばね19よりも大きな付勢力で略一致させてある。これにより仕上げ用ネット刃4bには、連結ばね19の弾性力から連結ばね20の弾性力を減じた弾性力が下向きに働き、第1のネット刃4aには、連結ばね20の弾性力が下向きに働く。
【0031】
つまり本例にあっては上記ばね構造により、ヘッド部3の刃面Sを肌に押し付けた際に、最も後方に位置する第2のネット刃4dに働く上方への付勢力と比べて、第1のネット刃4aと仕上げ用ネット刃4bに働く上方への付勢力の方が小さくなるように設けてある。各ネット刃4a,4b,4dに働く付勢力のバランスをこのような大小関係にすれば、例えば肌に押し当てた刃面Sを後方に滑らせていく際に、最も付勢力が大きく抵抗の強い第2のネット刃4dにより肌を後方に引っ張り、体毛を肌表面から大きく引き出した状態として短く仕上げることが可能となる。
【0032】
なお、上記ばね構造の連結ばね19,20は必ずしも両方を備える必要は無く、一方だけを備えるか或いは両方共に備えていない構成であっても、押し上げばね16a,16b,16c等の種類や配置を調整することで、第2のネット刃4dに働く付勢力を、第1のネット刃4aおよび仕上げ用ネット刃4bに働く付勢力よりも大きく設けることは可能である。
【0033】
次に、各外刃4の初期状態における上下高さについて詳述する。図2に示すように、刃面Sの前端に位置する第1のネット刃4aの初期状態での上下高さは、刃面Sの後端に位置する第2のネット刃4dの初期状態での上下高さよりも距離d1(=0.5〜3mm)だけ低い位置に配置してあり、仕上げ用ネット刃4bの初期状態での上下高さは、第2のネット刃4dの初期状態での上下高さと一致させてある。ここでの高さの基準となる上下方向は、各外刃4が上下動する方向である。
【0034】
また、初期状態においてスリット刃4cは、第1のネット刃4aよりも高く、且つ仕上げ用ネット刃4b及び第2のネット刃4dよりは距離d2(<d1)だけ低い位置に設けてある。更に、仕上げ用ネット刃4bと一体に上下動する肌ガード部材6は、仕上げ用ネット刃4bよりも距離d3(>d2)だけ低く、且つ初期状態においては第1のネット刃4aよりも高くなる位置に設けてある。
【0035】
このような上下高さに設定しておくことで、例えば図8のように顎下を剃る場合には、刃面S上に並設される第1のネット刃4a、肌ガード部材6、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dの全てが顎下の曲面に沿って略均等に当たり、それぞれに押し付け力を分散させながら剃り残し無く、短く仕上げることが可能となる。特に、刃幅Wbが小さくて痛みを感じさせ易い仕上げ用ネット刃4bにおいては、前後に位置する肌ガード部材6とスリット刃4cとが押し付け力の分散手段として機能するので、安定的な押し付け力によって大きな刺激を生じさせることなく、顎下の髭を短く仕上げることが可能になっている。
【0036】
一方、顎先や鼻下等の細部を剃る場合には、最も低く位置させてある手前側の第1のネット刃4aが肌に当たることがなくなり、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dを肌に当てながら細かく仕上げることが可能となる。特に、図9に示すように尖った顎先を小さな押し付け力で剃る場合には、第1及び第2のネット刃4a,4dが共に肌に当たらず、肌ガード部材6と仕上げ用ネット刃4bとスリット刃4cだけが肌に押し当たることとなるが、この場合でも仕上げ用ネット刃4bに対する押し当て力は両側の肌ガード部材6とスリット刃4cとに適度に分散されて痛みを感じることはない。スリット刃4cにあっても、肌ガード部材6と仕上げ用ネット刃4bとの間で分散された適度な押し付け力によって、癖毛や長毛を速やかに切断して適度な長さにした後で仕上げ用ネット刃4bに導入させることが可能である。
【0037】
次に、各外刃4のうち一つが大きく下方に移動すれば隣接する他の外刃4を一体として下方に移動させる連動構造について詳述する。図7に示すように、第1のネット刃4aを固定する外刃枠7aの後壁からは連動リブ23aが突設してあり、仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの前壁からは、この連動リブ23aの下方に隙間を介して位置する受け部24bを設けてある。また仕上げ用ネット刃4bを固定する外刃枠7bの後壁からは連動リブ23bが突設してあり、スリット刃4cを固定する外刃枠7cの前壁からは、隙間を介してこの連動リブ23bの下方に位置する突起状の受け部24cを設けてある。更に第2のネット刃4dを固定する外刃枠7dの前壁からも同様の連動リブ23dが突設してあり、スリット刃4cを固定する外刃枠7cの後壁からは、隙間を介してこの連動リブ23dの下方に位置する同様の受け部24c′が設けてある。
【0038】
この連動構造を備えたことで、例えば仕上げ用ネット刃4b又は第2のネット刃4dだけが所定量を超えて下方に沈み込めば、連動リブ23bと受け部24cの当接又は連動リブ23dと受け部24c′との当接により、スリット刃4c及び外刃枠7cは下方へと一体に沈み込む。また第1のネット刃4aだけが所定量を超えて下方へと沈み込めば、連動リブ23aと受け部24bとの当接により、仕上げ用ネット刃4b及び外刃枠7bは下方へと一体に沈み込む。また図示例では備えていないが、同様の構成により、スリット刃4cだけが所定量を超えて下方に沈み込むと仕上げ用ネット刃4bが一体に沈み込むように設けても良い。このような連動構造によって、スリット刃4cや仕上げ用ネット刃4bだけが大きく突出し、肌に強く接触して痛みを与えるという事態が防止される。
【0039】
次に、仕上げ用ネット刃4bについて詳述する。図10,図11に示すように、ネット状の外刃4である仕上げ用ネット刃4bは、多数の刃孔5を一面に穿設することで、各刃孔5を複数の桟部25で囲んだ形状となっている。なお、ここでの桟部25とは、隣接する刃孔5との間にて桟状に形成される部分を意味する。多数の刃孔5のうち、少なくとも前後方向中央の領域(即ち、上が凸となるようにU字状に湾曲させた状態で上端側となる領域)に位置するものにおいては、各刃孔5を囲む複数の桟部25の内面側は面一に設けたうえで、これら桟部25のうち体毛を引掛けて刃孔5に導入するための部分を、他の部分よりも刃厚Tの小さな薄桟部25bとして形成している(図12参照)。
【0040】
つまり、各刃孔5を囲む複数の桟部25は、全体の刃厚T(=Ta)を一様に小さく設けた薄桟部25bと、全体の刃厚T(=Tb)を一様に大きく設けた厚桟部25aとで形成されている。具体的には、六角形状を成す刃孔5の周囲を囲む都合三対の桟部25のうち、剃り方向と直交する左右方向(即ち、外刃4の長手方向X)に沿って形成される一対の桟部25を薄桟部25bとし、剃り方向である前後方向(即ち、外刃4の短手方向Y)に沿って形成される二対の桟部25を厚桟部25aとしている。各刃孔5の前後方向に隣接する厚桟部25aは外面側が面一となるように連続させてあり、更に、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨ってこの厚桟部25aを外面側が面一となるように連続させてあるので、仕上げ用ネット刃4b全体としては、前後方向に沿ってジグザグ状に連続する厚桟部25aが左右方向に多数並設されるとともに、隣接するジグザグ状の厚桟部25a同士を、前後方向に並設される多数の薄桟部25bで繋いだ構造となっている。
【0041】
刃厚Tを上記のように設定することで、剃り方向である前後方向(即ち外刃4の短手方向Y)に沿って伸びる厚桟部25aによって肌が刃孔5を通じて内側に大きく突出することを抑制しながら、剃り方向とは交差する左右方向(即ち外刃4の長手方向X)に沿って伸びる薄桟部25bによって体毛を効率的に起こして刃孔5内に導入し、痛みを感じさせることなく短く仕上げることを可能にしている。
【0042】
具体的な寸法としては、刃孔5の前後方向の長さ0.3mm、左右方向の長さ0.5mmとし、厚桟部25aの刃厚Ta=50〜80μm、薄桟部25bの刃厚Tb≦45μmとすることが好ましく、ここでは厚桟部25aの刃厚Ta=60μm、薄桟部25bの刃厚Tb=35μmとしてある。この寸法とすることで、厚桟部25aでは内刃15との接触による肌刺激を抑制し、且つ薄桟部25bでは、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込むことが可能になっている。なお、第1及び第2のネット刃4a,4bにおいては、刃孔を囲む各桟部の刃厚は仕上げ用ネット刃4bの厚桟部25aと同様に50〜80μm、対を成す桟部の間隔は0.3〜0.8mmに設けてある。
【0043】
また図12に示すように、薄桟部25bの鋭角を成す刃先角βは、同じく鋭角を成す厚桟部25aの刃先角αよりも更に小さく形成しており、これにより薄桟部25bの刃先で体毛を引掛けて起こすことのできる確率を向上させてある。
【0044】
図13には、仕上げ用ネット刃4bの変形例を示している。図中にて斜線で示す部分が薄桟部25bである。図13(a)に示す変形例にあっては刃孔5を円形状に設けてあるが、この場合も刃孔5を囲む複数の桟部25のうち外刃4の長手方向Xに沿って形成される一対の桟部25を薄桟部25bとし、外刃4の短手方向Yに沿う他の部分を厚桟部25aとすることで、厚桟部25aの占める割合を薄桟部25bの占める割合よりも大きく設けてある。また、この変形例にあっても、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨って厚桟部25aを略一直線状に連続させている。
【0045】
図13(b)に示す変形例にあっては刃孔5を三角形状に設けてあるが、この場合であっても各刃孔5を囲む厚桟部25aが占める割合を薄桟部25bが占める割合よりも大きく設けるとともに、前後方向に隣接する複数の刃孔5に跨って厚桟部25aを略一直線状に連続させている。
【0046】
以上、刃面Sの前側から後側へと向けて、第1のネット刃4a、仕上げ用ネット刃4b、スリット刃4c、第2のネット刃4dの順に並設されたものについて述べたが、この配列が前後逆となっても構わない。また内刃15の構成についても、本例のように外刃4の長手方向Xに摺動する往復刃に限定されず、外刃4の短手方向Yに摺動する回転刃であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態における一例の電気かみそりの要部斜視図である。
【図2】同上の電気かみそりの要部側断面図である。
【図3】同上の電気かみそりの全体正面図である。
【図4】同上の電気かみそりの外刃カセットや内刃を示す分解斜視図である。
【図5】同上の電気かみそりの外刃カセットや内刃を外した状態のヘッド部を示す斜視図である。
【図6】同上の電気かみそりのばね構造を示す説明用断面図である。
【図7】同上の電気かみそりのヘッド部を示す側断面図である。
【図8】同上の電気かみそりを用いて顎下を剃る場合を示す説明図である。
【図9】同上の電気かみそりを用いて顎先を剃る場合を示す説明図である。
【図10】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃を示す平面図である。
【図11】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃を示す要部斜視図である。
【図12】(a)は図11のA−A線断面図、(b)は図11のB−B線断面図である。
【図13】同上の電気かみそりの仕上げ用ネット刃の変形例の説明図であり、(a)は第1の変形例、(b)は第2の変形例を示している。
【図14】電気かみそりの外刃の刃孔内に体毛を導入する様子を示す説明図であり、(a)は刃厚を大きくした場合、(b)は刃厚を小さくした場合を示している。
【図15】電気かみそりの外刃の刃孔内に肌が突出する様子を示す説明図であり、(a)は刃厚を大きくした場合、(b)は刃厚を小さくした場合を示している。
【符号の説明】
【0048】
1 本体部
4 外刃
5 刃孔
15 内刃
18 モータ
25 桟部
25a 厚桟部
25b 薄桟部
T 刃厚
Ta 刃厚
Tb 刃厚
X 長手方向
Y 短手方向
α 刃先角
β 刃先角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを内蔵する本体部の外面に配設されるネット状の外刃と、モータにより駆動されて外刃の内側を摺動する内刃とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔を有する上記外刃は、刃孔を囲んで形成される桟部の一部の刃厚を薄く設けたものであることを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部を、刃厚の厚い厚桟部と刃厚の薄い薄桟部とで形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項3】
厚桟部は、内刃との接触による肌刺激を抑制する刃厚であり、且つ薄桟部は、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込む刃厚であることを特徴とする請求項2に記載の電気かみそり。
【請求項4】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部のうち、少なくとも対向位置にある一対の桟部を厚桟部とし、他の桟部を薄桟部としたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気かみそり。
【請求項5】
上記外刃は、剃り方向と交差する方向に沿って形成される桟部を、薄桟部としたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項6】
上記外刃は、その長手方向に沿って形成される桟部を、薄桟部としたものであることを特徴とする請求項5に記載の電気かみそり。
【請求項7】
上記外刃は、その短手方向に沿って形成される桟部を、厚桟部としたものであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項8】
上記外刃は、隣接する二以上の刃孔に跨って厚桟部を連続させたものであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項9】
上記外刃は、薄桟部の刃厚を45μm以下としたものであることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項10】
上記外刃は、薄桟部の刃先角を厚桟部の刃先角よりも小さく設けたものであることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項11】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部のうち厚桟部の占める割合を薄桟部の占める割合よりも大きく設けたものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項1】
モータを内蔵する本体部の外面に配設されるネット状の外刃と、モータにより駆動されて外刃の内側を摺動する内刃とを具備する電気かみそりにおいて、多数の刃孔を有する上記外刃は、刃孔を囲んで形成される桟部の一部の刃厚を薄く設けたものであることを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部を、刃厚の厚い厚桟部と刃厚の薄い薄桟部とで形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項3】
厚桟部は、内刃との接触による肌刺激を抑制する刃厚であり、且つ薄桟部は、寝た状態にある体毛と肌との間に入り込む刃厚であることを特徴とする請求項2に記載の電気かみそり。
【請求項4】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部のうち、少なくとも対向位置にある一対の桟部を厚桟部とし、他の桟部を薄桟部としたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気かみそり。
【請求項5】
上記外刃は、剃り方向と交差する方向に沿って形成される桟部を、薄桟部としたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項6】
上記外刃は、その長手方向に沿って形成される桟部を、薄桟部としたものであることを特徴とする請求項5に記載の電気かみそり。
【請求項7】
上記外刃は、その短手方向に沿って形成される桟部を、厚桟部としたものであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項8】
上記外刃は、隣接する二以上の刃孔に跨って厚桟部を連続させたものであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項9】
上記外刃は、薄桟部の刃厚を45μm以下としたものであることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項10】
上記外刃は、薄桟部の刃先角を厚桟部の刃先角よりも小さく設けたものであることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【請求項11】
上記外刃は、刃孔を囲んで形成される複数の桟部のうち厚桟部の占める割合を薄桟部の占める割合よりも大きく設けたものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気かみそり。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−142275(P2008−142275A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332434(P2006−332434)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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