説明

電気二重層キャパシター

【課題】コンパクトでありながら、内部ショートや電極材の経年剥離を防止し、製造が容易な、大容量の電気二重層キャパシターを提供する。
【解決手段】電気二重層キャパシター100は、絶縁性を具備する板状の高分子シート9と、高分子シート9に当接した板状の第1集電体1bと、高分子シート9に通電自在に当接または接合した板状の第1分極性電極2bと、第1集電体1bに通電自在に当接した、カチオンとアニオンとを溶融した電解液が含浸された板状のセパレーター3、セパレーター3に通電自在に当接した板状の第2分極性電極2aと、第2分極性電極2aに通電自在に当接または接合した板状の第2集電体1aと、第2集電体1aに当接する絶縁性を具備する板状の高分子カバー6と、が積層されている。高分子シート9の上面には複数の杭5が一体的に形成され、複数の杭5の上端が高分子カバー6に接着、溶融している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気二重層キャパシター、特に、大容量を可能にする電気二重層キャパシターに関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシター(以下、単に「キャパシター」と称する場合がある)は分極性電極と電解液界面とに生じる電気二重層を利用した、ファラッドオーダーの大きな静電容量を持つキャパシターのことである。
そして、(あ)充放電は電解質イオンの電極表面への物理吸脱着現象である為、化学反応を利用する二次電池に比べて充放電に拠る劣化は極めて小さい。(い)電極の単位容積あたり、イオンの吸着が出来る面積が大きいほど大きな静電容量を得ることが出来る。(う)充放電時間は通常の二次電池に比べて格段に早くできる。等の特徴を有する。
しかし、従来の電気二重層キャパシターは補助電源用に開発されてきたから、大きな静電容量を実現する為の発想が抜けていた。
【0003】
従来の電気二重層キャパシターの代表的な断面構造は、電界液を含浸したセパレーターと、これを挾持する一対の分極性電極と、該分極性電極のそれぞれに接続された一対の集電体と、がサンドイッチ状に積層され、該積層体(以下「キャパシター要素」と称する場合がある)が容器に液密的に封入されたものである。このとき、電解液はカチオンおよびアニオンを溶解させたものであり、活性炭によって形成された分極性電極が、白金やアルミニウム等の良導電製材料によって形成された集電体に導電接着剤等によって電気的に接続されていた。また、外部との電気的な接続の為の外部接続リードが、容器内に液密的に侵入して集電体に接続されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−32938号公報(第4−5頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、前記セパレーターが薄い板状であり、前記キャパシター要素が収容される容器が、それぞれ矩形の窪みが形成された一対の直方体ブロックを組み合わせて構成されるものであるため、大容量の大型キャパシターを得ようとすると、以下のような問題があった。このため、特許文献1に開示された発明では、小型のキャパシターを作ることは出来ても、太陽電池発電の蓄電用や電気自動車用等の大きな静電容量のキャパシターを、大面積で薄いキャパシター要素によって提供することが困難であった。
【0006】
(イ)キャパシター要素が矩形の窪み内に収容されるため、キャパシター要素が当該窪み内を移動するおそれがあった。このため、キャパシター要素を広い面積にして、略鉛直に配置した場合、キャパシター要素が下方側に移動して、キャパシター要素を構成する部材同士の密着性の低下(剥離等)やこれを収納する容器の変形等を生じ、結果として、設計当初の静電容量が保証されないおそれがある。
(ロ)一方、前記キャパシター要素を構成する部材同士の剥離やこれを収納する容器の変形等を防止するために、前記矩形の窪みを形成する底部分(天井部分に同じ)を厚くしたのでは、キャパシターとして機能する前記キャパシター要素の容積よりも、全体を保持するための前記直方体ブロックの容積の方が、圧倒的に大きくなり、キャパシターのコンパクト化(小型化、軽量化)に逆行する。
また、大型になった一対の直方体ブロックを堅固に保持しようとすると、大型の固定用ボルト/ナットによって締め付ける必要が生じ、さらに、キャパシターのコンパクト化(小型化、軽量化)に逆行する。
【0007】
(ハ)また、予め電解液を十分含浸させたセパレーターと、予め電解液を十分含浸させた一対の分極性電極と、該分極性電極のそれぞれに接合された一対の集電体と、を積層して、一緒に封じてキャパシターを製造することは、電解液が漏洩し易いため、製造が困難であった。
(ニ)また、製造時には保証された広い面積における電気的接続が、充放電を繰り返すうちに発生するキャパシター要素を構成する部材同士の密着性の低下(電極材の剥離等)によって、十分に性能保証できなくなるおそれがあった。
【0008】
本発明は前記問題を解決するものであって、キャパシター要素の移動やキャパシター要素を構成する部材同士の密着性の低下を防止し、コンパクトでありながら、大面積で大静電容量の電気二重層キャパシターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る電気二重層キャパシターは、
絶縁性を具備するシート状の第1支持体と、
該第1支持体に当接したシート状の第1集電体と、
該第1集電体に電気的に接続されたシート状の第1分極性電極と、
該第1分極性電極に当接した、カチオンとアニオンとを溶融した電解液が含浸された板状のセパレーターと、
該セパレーターに当接したシート状の第2分極性電極と、
該第2分極性電極に電気的に接続されたシート状の第2集電体と、
該第2集電体に当接する絶縁性を具備するシート状の第2支持体と、
が積層され、
前記第1集電体と、前記第1分極性電極と、前記セパレーターと、前記第2分極性電極と、前記第2集電体とが、これらの外周を包囲する堤体と、前記第1支持体と、前記第2支持体とによって液密的に封止され、
前記第1集電体に電気的に接続された第1外部接続体と、
前記第2集電体に電気的に接続された第2外部接続体と、
を有する電気二重層キャパシターであって、
前記第1支持体と前記第2支持体との両方に接合され、前記第1集電体に形成された複数の貫通孔と、前記第1分極性電極に形成された複数の貫通孔と、前記セパレーターに形成された複数の貫通孔と、前記第2分極性電極に形成された複数の貫通孔と、前記第2集電体に形成された複数の貫通孔とを貫通する、絶縁性を具備する複数の杭体を有することを特徴とする。
【0010】
(2)また、前記(1)において、前記第1支持体と、前記堤体と、前記杭体とが一体的に形成され、
前記第2支持体が、前記堤体の外周を包囲する堤覆体を一体的に有し、
該堤覆体の端部が前記第1支持体に接合してなることを特徴とする。
【0011】
(3)また、前記(1)において、前記杭体が管体であって、
前記第1支持体と、前記堤体と、前記杭体とが一体的に形成され、
前記第2支持体が、前記堤体の外周を包囲する堤覆体と、前記第1支持体の外面を包囲する第1支持覆体とを一体的に有し、
前記第2支持体の一部が、前記杭体の内部に充満してなることを特徴とする。
【0012】
(4)また、前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、 前記第2支持体が、少なくとも前記第2集電体に形成された貫通孔と前記杭体との隙間に侵入した隙間侵入体を一体的に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電気二重層キャパシターは以上であるから、下記の効果を奏する。
(i)対向して配置された第1支持体と第2支持体との両方に接合され、両者を連結する複数の杭体が、積層されている第1集電体と、第1分極性電極と、セパレーターと、第2分極性電極と、第2集電体と(以下、これらをまとめて「c」と称している)のそれぞれに形成された貫通孔を貫通するから、杭体がキャパシター要素の形態維持を維持する「リベット」として機能する。よって、自己形態維持構造が形成されるから、シート状の第1支持体と第2支持体とを具備するコンパクトでありながら、広い面積を具備する大容量の電気二重層キャパシターを得ることができる。
また、キャパシター要素は液密的に封止されるため、液漏れのおそれがない。そして、堤体をガス透過性を有する材料で形成しておけば、万一、内部においてガスが発生したとしても、当該ガスをキャパシター要素の外に離散させることが可能になる。
なお、本発明において、シート状とは厚さや剛性(または可撓性)の程度を限定するものではなく、たとえば、フィルム等の膜材や薄板材、あるいは所定に厚さを有する板材を含むものである。
【0014】
(ii)すなわち、キャパシター要素を広い面積にしても、キャパシター要素は複数箇所において「ピン止め」されるから、一方向に向かって移動するようなことがない。
(iii)また、第1支持体と第2支持体との間隔が、複数箇所において維持されるから、キャパシター要素を第1支持体と第2支持体とによって均一に挾持しておけば、キャパシター要素を構成する部材同士の密着性が広い範囲で均一に維持され、剥離等が防止されるから、長期間にわたる使用によっても十分に性能保証される。
【0015】
(iv)さらに、キャパシター要素が、この外周を包囲する堤体と第1支持体とによって形成される凹部に収納されるから、かかる状態においてキャパシター要素(特に、セパレーター)に電解液を含浸することが可能になり、電解液の漏洩が防止され、製造が容易になる。また、堤体を液密性に加え、ガス透過性を有する材料で形成しておけば、万一、内部においてガスが発生したとしても、当該ガスをキャパシター要素の外に離散させることが可能になる。
(v)さらに、第2支持体に一体的に接合された堤覆体が、堤体の外周を包囲すると共に、その端部が第1支持体に接合するため、前記キャパシター要素が、堤体および堤覆体によって二重に包囲されることになり、さらに電解液が漏洩することがない。
【0016】
(vi)さらに、管体である杭体の内部に第2支持体の一部が充満するため、杭体と第2支持体との接着性(一体化の程度)が増すと共に、第2支持体の一部が第1支持体に直接接着(一体化)するから、杭体の前記リベットとして機能が保証され、さらに堅固な自己形態維持構造が形成される。
(vii)さらに、 第2支持体が、少なくとも第2集電体に形成された貫通孔と杭体との隙間に侵入した隙間侵入体を一体的に有するから、隙間侵入体が前記貫通孔と杭体との隙間に侵入して、杭体の外周が隙間侵入体に包囲され、第2集電体に形成された貫通孔の内周が隙間侵入体を包囲するから、隙間侵入体(第2支持体に同じ)との接着性(一体化の程度)が増す。よって、杭体の前記リベットとして機能が保証され、さらに堅固な自己形態維持構造が形成される。このとき、隙間侵入体の前記隙間への侵入深さは大きい方が、接着性の向上に好適であり、隙間侵入体の一部が、第1支持体に直接接着されるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の断面図である。図1において、説明の便宜上、図中の左右方向を「幅方向」または「水平方向」と、図中の上下方向を「厚さ方向」または「高さ方向」と称す。また、各構成部材の幅方向の大きさ(以下「幅」と称す)や、厚さ方向の大きさ(以下「厚さ」または「高さ」と称す)は限定するものではなく、各部材相互の厚さ(高さ)の大小関係が図示するものと逆転する場合がある。
【0018】
(キャパシター要素)
図1において、電気二重層キャパシター(以下「キャパシター」と称す)100は、絶縁性を具備するシート状の第1支持体(以下「高分子シート」と称す)9と、高分子シート9に当接したシート状の第1集電体1bと、第1集電体1bに電気的に接続(通電自在に同じ)されたシート状の第1分極性電極2bと、第1分極性電極2bに当接した、カチオンとアニオンとを溶融した電解液が含浸された板状のセパレーター3、セパレーター3に当接したシート状の第2分極性電極2aと、第2分極性電極2aに電気的に接続されたシート状の第2集電体1aと、第2集電体1aに当接する絶縁性を具備するシート状の第2支持体(以下「高分子カバー」と称す)6と、が積層されている。
なお、以下の説明の便宜上、第1集電体1bと、第1分極性電極2bと、セパレーター3と、第2分極性電極2aと 、第2集電体1aと、が積層されたものを「キャパシター要素99」と称する。また、共通する内容を説明する際、名称を修飾する「第1、第2」および符号の添え字「a、b」を省略して称呼する場合がある。
【0019】
(密閉容器)
そして、高分子シート9の外周に沿って堤体(以下「堤」と称す)11が形成され、堤11の上端が高分子カバー6に接着、融合されている。したがって、高分子シート9と堤11と高分子カバー6とによって、液密性を具備する密閉容器98が形成されている。
また、第1集電体1bに接続された第1外部接続体(以下「第1外部接続リード」と称す)10bと、第2集電体1aに接続された第2外部接続体(以下「第2外部接続リード」と称す)10aとが、堤11を液密的に貫通している。したがって、キャパシター要素99は密閉容器98に液密的に封止されている。
【0020】
(堤)
なお、堤11は高分子シート9と予め一体に形成されたものであっても、高分子シート9の上にシール印刷などによって、別体として形成されたものであってもよい。
また、第1外部接続リード10bは、高分子シート9に堤11が形成された後に、堤11に予め形成されている貫通孔を貫通するものであっても、堤11が形成される前の高分子シート9に蒸着等によって形成されるものであってもよい。後者の場合、第1外部接続リード10bの上に堤11が設けられることになる。
【0021】
そして、高分子シート9と、高分子シート9に一体的に形成された堤11とによって液密的な凹部が形成されるから、かかる凹部にセパレーター3を収容して、これに電解液を含浸すれば、電解液を外部に漏洩させることなく、十分な電解液を容易に含浸することができる。
また、堤11は、前記のように電解液が外部に漏れないようにする機能と、後記する杭5と協働して、自己形態維持構造を形成するものである。なお、堤11は、高分子シート9に一体成型されたものであっても、別個に製造されて高分子シート9に接合されたものであってもよい。
【0022】
(電極材シート)
第1集電体1bと第1分極性電極2bとは電気的に接続(たとえば、電導性接着剤によって接着)され第1電極材シート8bが形成され、第1電極材シート8bには、杭5の配置に同じ配置の複数の第1シート孔7bが設けられている。同様に、第2集電体1aと第2分極性電極2aとは電気的に接続され第2電極材シート8aが形成され、第2電極材シート8aには、杭5の配置に同じ配置の複数の第2シート孔7aが設けられている。また、セパレーター3にも、杭5の配置に同じ配置の複数のセパレーター孔4が設けられている。
【0023】
(自己形態維持構造)
高分子シート9の上面には複数の杭体(以下「杭」と称す)5が一体的に形成され、複数の杭5の上端が高分子カバー6に接着(溶融固着)している。このとき、杭5は、第1シート孔7bと、セパレーター孔4と、第2シート孔7aとを貫通するようにセットされている。このため、複数の杭5が高分子シート9と高分子カバー6との間の形態を維持するリベットとして機能するため、密閉容器98は、堤11と複数の杭5とによって全体が固定された「自己形態維持構造」を実現している。
したがって、キャパシター要素99を広い面積(大きな幅に同じ)のものにして、密閉容器98を扁平にしたとしても、キャパシター要素99は複数箇所において「ピン止め」されるから、一方向に向かって移動することがない。
また、高分子シート9と高分子カバー6との間隔が、複数箇所において維持され、互いに平行な平面を保つから、キャパシター要素99を予め均一に挾持しておけば、キャパシター要素99を構成する部材同士の密着性が広い範囲で均一に維持され、剥離等が防止されるから、長期間にわたる使用によっても十分に性能保証される。 なお、本発明は杭5の数量や形状を限定するものではない。
【0024】
(構成部材の材質)
本発明を構成する部材の形状や材質は、所定の機能(液密性、接着性等)を奏する限り限定するものではない。以下に、代表的なものを例示する。
セパレーター3はポリカーボネート等の不織布を用いる。
第1集電体1bおよび第2集電体1aにはステンレス、アルミニウム、タンタル、チタンなどの薄板シートを用いる。
第1分極性電極2bおよび第2分極性電極2aは、活性炭、導電剤、バインダーなどであって、シート状に形成されている。
【0025】
高分子シート9(複数の杭5が形成される)には高分子カバー6よりも融点の高い高分子樹脂を用いる。たとえば、高分子カバー6にポリエチレンや、ポリプロピレンを用いる場合、高分子シート9にはポリカーボネート等を用いる。そして、いずれも、所定の厚さの板状に形成され、互いに接着(溶融固着する)して前記自己形態維持構造を形成するものである。
なお、本発明は、高分子カバー6(第2支持体)の溶融温度が高分子シート9(第1支持体)の溶融温度より低いものに限定するものではなく、略同じ温度や、やや高い温度であってもよい。要するに、高分子カバー6は溶解した状態で塗布自在であって、第2分極性電極2aの上面を液密的に覆うと共に、杭5および堤11の上部に接着(溶融固着)するものであればよい。したがって、熱可塑性の高分子樹脂に替えて、常温では液状であって、加熱硬化する高分子樹脂や、紫外線照射によって硬化(UV硬化)する高分子樹脂であってもよい。
【0026】
(電解液)
電解液にはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどを用いる。
カチオン用溶質には、トリエチルメチルアンモニウムイオン等でなる第4級オニウムカチオンや、リチウイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属カチオンを用いる。一方、アニオン用溶質には、BF4−、PF6−等のアニオンを組み合わせた塩を用いる。勿論、KOH等の水溶性の電解液を用いることも出来る。この場合、堤11の表面および杭5の表面をあらかじめ撥水処理しておけば、組み立て時やその後の工程において、電解液が外に漏れ出して悪い影響をすることが防止される。
なお、本発明は、電解液がセパレーター3のみに含浸されるものに限定するものではなく、予め第1分極性電極2bや第2分極性電極2aに含浸させて、キャパシター100における電解液のトータル含浸量を増してもよい。また、固体電解質を用いてもよい。
【0027】
(杭)
図2は本発明の実施の形態1に係る電気二重層キャパシターにおける杭体の例を模式的に示す側面視の断面図である。
図2の(a)において、円錐や多角錘等の錘状の杭51が高分子シート9に形成され、図2の(b)において、円柱や多角柱等の柱状の杭52が高分子シート9に形成され、図2の(c)において、円筒や内外形状が多角形の筒状の杭53が高分子シート9に形成されているが、本発明はかかる形状を限定するものではない。
なお、杭51および杭52および杭53は、高分子シート9に一体成形されるものに限定するものではなく、高分子シート9とは別個に製造した後、接合してもよい。また、同一の高分子シート9に、杭51または杭52または杭53の何れかが混在してもよい。
【0028】
(製造方法)
図3および図4は、本発明の実施の形態1に係る電気二重層キャパシターの製造方法を模式的に説明する側面視の断面図および一部の斜視図である。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。以下、図3および図4に基づいて説明する。
【0029】
(1:電極材シートの形成)
第1集電体1bと第1分極性電極2bとを一体化して第1電極材シート8bを形成する。同様に、第2集電体1aと第2分極性電極2aとを一体化して第2電極材シート8aを形成する。
【0030】
(2:シート孔およびセパレーター孔の形成)
積層された際、高分子シート9に設けられている複数の杭5が貫通するように、その位置および大きさに対応して、第1電極材シート8bに第1シート孔7bと、第2電極材シート8aに第2シート孔7aと、セパレーター3にセパレーター孔4を形成する。
このとき、第1シート孔7b、第2シート孔7aおよびセパレーター孔4の内径は、杭5の外径よりもやや大き目に設定する。なお、それぞれの孔の孔径(外径)は、たとえば、数mmであって、パンチングやレーザ加工等によって形成される。また、後記する積層工程の前に、第1分極性電極2bおよび第2分極性電極2aに、それぞれに対応する電解液(カチオンまたはアニオン)を予め十分注入してもよい。
【0031】
(3:第1の積層)
複数の杭5が形成された高分子シート9の上に、外部接続リード10が接続されている第1電極材シート8bを、杭5を複数の第1シート孔7bに貫通させてセット(載置)する。
【0032】
(4:堤の形成)
第1電極材シート8bの外周は高分子シート9の外周より少し小さく形成されている。そこで、高分子シート9の外周に堤11を形成する。堤11は内部にシリコン系のスペーサーを分散させた接着剤、あるいは比較的低温で溶融し、かつ、常温で硬化する高分子を用いる。堤11の形成は、ディスペンサーによる塗布か、スクリーン印刷で塗布し、常温硬化、UV硬化などで固定化する。堤11の高さは、内部に使用する電解液が外部に溢れでない高さが最低限必要である。
【0033】
(5:第2の積層)
そこで、前記形成された堤11によって包囲されている第1電極材シート8bの上に、セパレーター3を、セパレーター孔4を杭5に合わせて貫通させセット(載置)する。
【0034】
(6:電解液の含浸)
そして、第1電極材シート8bの上に載置されているセパレーター3に、カチオン、アニオンを十分溶解させた電解液を含浸させる。電解液はディスペンサーなどでセパレーター3に滴下させて十分含浸させる。なお、あらかじめ電解液を含浸させた後、セパレーターを堤11の内側にセットしてもよい。
【0035】
(7:第3の積層)
さらに、セパレーター3の上に第2電極材シート8aを、複数の杭5が第2シート孔7を貫通させてセット(載置)する。なお、杭5の高さは、キャパシター要素99の全厚より少し大きいから、杭5の上端は、第2電極材シート8aの上面から少し顔を出す(突出する)ことになる。すなわち、後記する高分子カバー6を形成したとき、杭5の上部が、高分子カバー6と十分接着、融合して内部のキャパシター要素99を十分挾持できるように、杭5および堤11の高さが、適時決定されている。
【0036】
(8:エアー抜き処理)
前記のようにサンドイッチ状に積層された、高分子シート9と、第1電極材シート8bと、セパレーター3と、第2電極材シート8aとを、弱真空装置に入れ、電解液の内部や電極材シートの内部に残されている空気あるいは水蒸気を徐徐に除去する。
【0037】
(9:高分子カバーの形成)
十分に内部空気や水蒸気を除去した後、比較的低温で溶融している高分子樹脂を、第2電極材シート8aの上面に全面塗布して高分子カバー6を形成する。このとき、キャパシター要素99に適切な加圧力を選択して、高分子樹脂を加圧をしながら電極材シート8aの全面に塗布する(このとき、加熱ローラーを使用してもよい)。
したがって、高分子カバー6は、電極材シート8aの上に顔を出している全ての杭5の上端を十分取り込むように、たとえば、高分子カバー6の厚さを0.3mm程度にしているから、前記加熱溶融状態で塗布された高分子が硬化することによって、堤11の上端と、全ての杭5の上端とが、高分子カバー6に接着される。
【0038】
この結果、高分子シート9と、堤11と、杭5と、高分子カバー6とによって自己形態維持構造が形成され、内部のキャパシター要素99を構成する各部材は互いに密着され、移動不能に固定された、コンパクトな電気二重層キャパシターが形成される。このとき、大きな面積のキャパシター要素99であっても、一定の面積ごとに杭5を分散配置することによって、キャパシター要素99を構成する各部材の密着性が維持され、キャパシター要素99は移動不能に固定されるから、長期にわたり十分な電気的接続を維持することができる。
【0039】
よって、本発明は、キャパシター材料に拠らず、従来、製造することが困難であった大面積で厚みの薄い、信頼性の高い大容量の電気二重層キャパシターをコンパクトに作成することができる。そして、本発明は、容積有効利用率が従来の方式に比べてはるかに高い点を特徴とし、大面積かつ薄いため、積層しても重量は軽く、大容量で、しかも急速充放電ができるから、今後、新たに開発される容量特性の優れたキャパシターにも当然適用できるものである。
【0040】
なお、前記高分子樹脂の溶融温度は、内部の電解液に悪影響を与えないように、できるだけ低温で溶融するものが適している。
また、高分子カバー6は、前記塗布の際、同時に堤11の外周を包囲することができる量が塗布され、これの接着、融合によって堤11の外周を包囲する堤覆体(以下「堤カバー」と称す)21が形成され、堤カバー21の下端が高分子シート9に接着している。したがって、キャパシター要素99は二重の堤(正確には、堤11および堤カバー21)によって包囲され、液密性が向上している。なお、堤カバー21の形成を省略してもよい。
【0041】
(実施例1)
次に、電気二重層キャパシター100を、極めて一般的な材料を使用して形成した実施例を説明する。なお、共通の内容の説明に際しては、名称を修飾する「第1、第2」や符号の添え字「a、b」の記載を省略する。
第1集電体1b(正極側)にはアルミニウム薄膜0.2mm、第2集電体1a(負極側)にはニッケル薄膜0.2mmを用いる。分極性電極2には、比表面積1000m2/g程度の活性炭を用いる。
【0042】
そして、電極材シート8は、極性電極2と集電体1とを、アセチレンブラックのような導電材とバインダーとを混合した接着材を介して、プレスによってシート状に一体化した。なお、電極材シート8の厚みは0.4mm、外形寸法は100mmxl00mmとした。
また、電極材シート8には幅50mm、厚さ0.3mmのCu(純銅および銅合金を含む)の外部接続リード10が接続されている。
【0043】
セパレーター3としては、105mmx105mmの面積で、0.2mm厚さのポリカーボネートを用いた。また、電極材シート8およびセパレーター3には、面積30mmx30mmごとに1個の、外径4mmのシート孔7およびセパレーター孔4が、同一位相になるようにパンチャーで形成した。
【0044】
高分子シート9は面積110mmx110mmで、0.2mm厚さのポリカーボネートを用い、30mmx30mm毎に1個の、外径4mm、高さ1.1mmの円柱状の杭5を設けている。
【0045】
堤11は、内部に0.8mm径の粒状シリカを分散させたポリカーボネートベースの堤形成用の高分子溶液を、ディスペンサーで高分子シート9の最外周に4mm幅、高さ1mm程度に形成した。
【0046】
プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの電解液に、R4N+、R4P+、等の第4級オニウムカチオン、BF4−、PF6−などのアニオンを十分溶解させた。そして、第1電極材シート8bの上に、セパレーター3をセット(載置)した後、前記電解液をディスペンサーを用いてセパレーター3の上に滴下し、十分に含浸させた。
【0047】
さらに、前記方法によって、第2電極材シート8aの積層、キャパシター要素99の内部空気及び水分の排除、ポリエチレンである高分子カバー6の全面塗布(堤11の全面覆い、高分子シート9に接合した堤カバー21が形成されている)を実施した。
したがって、薄いポリマーによって全体をカバーされ、一体化された、110mmx110mm 厚さ1.5mmの単一ユニットの電気二重層キャパシター100が形成された。なお、該構造によって、単位面積当たり0.20F/cm2、1ユニットで20Fの能力を実現した。
なお、実施例1における各構成要素の数値は最適化されたものではなく、本発明はこれに限定するものではない。適用する材料、それぞれの工程の精度、設計する商品サイズなどにより、変更されるものである。
【0048】
[実施の形態2]
図5は本発明の実施の形態2に係る電気二重層キャパシターを構成する堤を模式的に示す平面視の断面図である。図5において、実施の形態2に係る電気二重層キャパシター(図示しない)は、実施の形態1に示す電気二重層キャパシター100の堤11を堤211に置き換えたものであって、堤211は、高さを確保する為、一定の高さのスペーサ91がシール材92中に分散されている。
【0049】
[実施の形態3]
図6は本発明の実施の形態3に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す平面視の部分拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6において、電気二重層キャパシター300は、絶縁(並列配置)タイプの多層積層型のキャパシターであって、第1キャパシター要素93aと、第2キャパシター要素93bと、第3キャパシター要素93cと(以下、まとめて「キャパシター要素93」と称する場合がある)が、それぞれ板状の絶縁体13abおよび絶縁体13bcによって絶縁された状態で、積層されている。このとき、キャパシター要素93は、前記したキャパシター要素99に同じである。
【0050】
そして、それぞれのキャパシター要素93の第2集電体1aは、堤11の内部でまとめられ、第2外部接続リード10a(図示しない)として、堤11を液密的に貫通している。同様に、それぞれのキャパシター要素93の第1集電体1bは、堤11の内部でまとめられ、第1外部接続リード10b(図示しない)として、堤11を液密的に貫通している。
したがって、平面視の面積を増すことなく、合計したキャパシター要素の面積を増すことが可能になる。このとき、杭53が前記リベット効果を奏するから、キャパシター要素93に密着性の低下(剥離等)が生じることがなく、経年使用による性能低下が防止される。
なお、電気二重層キャパシター300の製造方法はキャパシター100に準じるものである。
【0051】
また、高分子シート9には筒状の杭53が形成されているから、上部の高分子カバー6を形成するときに、杭53の中に加熱溶融した高分子樹脂(以下、「杭内侵入体」と称する)60が充満している。したがって、高分子カバー6は杭53の上部と共に、内周の広い範囲に接着し、しかも、高分子カバー6の一部が高分子シート9に直接接着しているから、堅固な自己形態維持構造が形成されている。
さらに、堤カバー21は下方が延設され、高分子シート9の外面を覆う第1支持覆体(以下「シートカバー」と称す)31が形成されている。したがって、高分子シート9と高分子カバー6とが、杭53中に侵入した杭内侵入体60によって連結・固定され、電気二重層キャパシター300は、高分子カバー6と堤カバー21とシートカバー31とによって、全外周が連続的に包囲・固定されている。
この場合も堤11は、前記のように、電解液が外部に漏れないようにする機能と、リベットとしての機構とを奏するものであって、その高さは非常に重要である。
【0052】
(実施例2)
全く同じ材料を用いて、300mmx300mmの電極材シートで、高さ2mm、のユニットを形成し、高さ100mmまで積層した時、50枚のユニットを1パッケージに形成すると、その蓄電容量は7500F/パッケージとなった。勿論、この場合も充放電に伴う、発熱も問題にならない。なお、実施例2における各構成要素の数値は最適化されたものではなく、本発明はこれに限定するものではない。適用する材料、それぞれの工程の精度、設計する商品サイズなどにより、変更されるものである。
【0053】
[実施の形態4]
図7は本発明の実施の形態4に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す平面視の部分拡大断面図である。なお、実施の形態3(図6)と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、電気二重層キャパシター400は、直列配置タイプの多層積層型のキャパシターであって、第1分極性電極2bとセパレーター3と第2分極性電極2aとが積層されてなるキャパシター単位層94を、両極性電極(ハイポーラ電極)14を解して積層したものである。
【0054】
すなわち、第1キャパシター単位層94a、両極性電極14ab、第2キャパシター単位層94b、両極性電極14bc、第3キャパシター単位層94c、が順次積層されている。
そして、第3キャパシター単位層94cの第2分極性電極2aは、第2集電体1aに当接して支持され、第2外部接続リード10bが接続されている。同様に、第1キャパシター単位層94aの第1分極性電極2bは、第1集電体1bに当接して支持され、第1外部接続リード10b(図示しない)が接続されている。
【0055】
したがって、プラス極、マイナス極を重ねるのに、単なる集電極でなく、両極性の材料を使うことによって、順次、キャパシター単位層94を積み重ねるだけで、高い電圧のキャパシターを簡単に得ることができる。たとえば、キャパシター単位層94が1層の場合に1.5Vであったものが、積み重ねるだけで、3Vや6Vにすることができる
このとき、杭53が前記リベット効果を奏するから、キャパシター単位層94と両極性電極14との密着性の低下(剥離等)が生じることがなく、経年使用による性能低下が防止される。
【0056】
なお、両極性電極14の材質は限定するものではなく、たとえば、グラファイトなどが使用される。
また、電気二重層キャパシター400の製造方法はキャパシター100に準じるものであって、それぞれのセパレーター3に電解液を別々に含浸してもよいし、全てのキャパシター要素93を積層した後に、まとめて(一度に)電解液を含浸してもよい。後者の場合、両極性電極14の多孔質であって、電解液が通過(含浸)自在なものにする。
【0057】
[実施の形態5]
図8は本発明の実施の形態5に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図8において、電気二重層キャパシター(以下「キャパシター」と称す)500は、キャパシター100(実施の形態1)の高分子シート9に形成された円柱状の杭5に替えて、高分子シート9に円錐状の杭51が形成されている。
そして、杭51と第2シート孔7aとの隙間77aと、杭51とセパレーター3との隙間73と、杭51と第1シート孔7bとの隙間77bとに、高分子カバー6の一部(以下、「隙間侵入体」と称す)61が侵入している。
【0058】
したがって、隙間侵入体61は、杭51の外面の広い範囲に接着している。さらに、隙間侵入体61の下端は高分子シート9に直接接着している。よって、高分子カバー6と高分子シート9とは堅固に接合され、自己形態維持構造を形成している。
なお、本発明は、高分子カバー6の一部が隙間77aにのみ侵入したものであってもよいが、侵入深さが深い程、隙間侵入体61と杭51外面との接着面積が増し、接着がより確実になる。
さらに、杭51に替えて、円柱状の杭52や円筒状の杭53(図2参照)を設置して、第2シート孔7aの内径を調整して、杭52や杭53と第2シート孔7aとの隙間に隙間侵入体61が侵入するようにしてもよい。勿論、セパレーター3との隙間や第1シート孔7bとの隙間に侵入するようにしてもよい。
そして、実施の形態5の形態は、実施の形態3や実施の形態4においても実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は以上のように、コンパクトでありながら大面積で大容量であるから、従来のキャパシターの概念をはるかに準えた人間社会に計り知れない貢献をする。たとえば、本格的な電気自動車の実際の社会生活での使用や、太陽電池を使用した本格的な電力供給システムの実現等、化石燃料や原子力燃料のような環境破壊のない理想的なエネルギーソースとして広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の断面図。
【図2】図1に示す電気二重層キャパシターにおける杭体の例を模式的に示す側面視の断面図。
【図3】図1に示す電気二重層キャパシターの製造方法を説明する側面視の断面図。
【図4】図1に示す電気二重層キャパシターの製造方法を説明する一部の斜視図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電気二重層キャパシターを構成する堤を模式的に示す平面視の断面図。
【図6】本発明の実施の形態3に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の部分拡大断面図。
【図7】本発明の実施の形態4に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の部分拡大断面図。
【図8】本発明の実施の形態5に係る電気二重層キャパシターを模式的に示す側面視の断面図。
【符号の説明】
【0061】
1 集電体
2 分極性電極
3 セパレーター
4 セパレーター孔
5 杭
6 高分子カバー
7 シート孔
8 電極材シート
9 高分子シート
10 外部接続リード
11 堤
13 絶縁体
14 両極性電極
21 堤カバー
31 シートカバー
51 杭
52 杭
53 杭
60 杭内侵入体
61 隙間侵入体
73 隙間(杭とセパレーター孔)
77 隙間(杭とシート孔)
91 スペーサ
92 シール材
93 キャパシター要素
94 キャパシター単位層
98 密閉容器
99 キャパシター要素
100 電気二重層キャパシター(実施の形態1)
211 堤(実施の形態2)
300 電気二重層キャパシター(実施の形態3)
400 電気二重層キャパシター(実施の形態4)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を具備するシート状の第1支持体と、
該第1支持体に当接したシート状の第1集電体と、
該第1集電体に電気的に接続されたシート状の第1分極性電極と、
該第1分極性電極に当接した、カチオンとアニオンとを溶融した電解液が含浸された板状のセパレーターと、
該セパレーターに当接したシート状の第2分極性電極と、
該第2分極性電極に電気的に接続されたシート状の第2集電体と、
該第2集電体に当接する絶縁性を具備するシート状の第2支持体と、
が積層され、
前記第1集電体と、前記第1分極性電極と、前記セパレーターと、前記第2分極性電極と、前記第2集電体とが、これらの外周を包囲する堤体と、前記第1支持体と、前記第2支持体とによって液密的に封止され、
前記第1集電体に電気的に接続された第1外部接続体と、
前記第2集電体に電気的に接続された第2外部接続体と、
を有する電気二重層キャパシターであって、
前記第1支持体と前記第2支持体との両方に接合され、前記第1集電体に形成された複数の貫通孔と、前記第1分極性電極に形成された複数の貫通孔と、前記セパレーターに形成された複数の貫通孔と、前記第2分極性電極に形成された複数の貫通孔と、前記第2集電体に形成された複数の貫通孔とを貫通する、絶縁性を具備する複数の杭体を有することを特徴とする電気二重層キャパシター。
【請求項2】
前記第1支持体と、前記堤体と、前記杭体とが一体的に形成され、
前記第2支持体が、前記堤体の外周を包囲する堤覆体を一体的に有し、
該堤覆体の端部が前記第1支持体に接合してなることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシター。
【請求項3】
前記杭体が管体であって、
前記第1支持体と、前記堤体と、前記杭体とが一体的に形成され、
前記第2支持体が、前記堤体の外周を包囲する堤覆体と、前記第1支持体の外面を包囲する第1支持覆体とを一体的に有し、
前記第2支持体の一部が、前記杭体の内部に充満してなることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシター。
【請求項4】
前記第2支持体が、少なくとも前記第2集電体に形成された貫通孔と前記杭体との隙間に侵入した隙間侵入体を一体的に有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気二重層キャパシター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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