説明

電気二重層キャパシタ

【課題】陽極と陰極との間の電位差を調節して、セルのエネルギ密度を高めて、耐電圧を改善させた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】本発明の電気二重層キャパシタは、陽極活物質112及び陰極活物質122の粒子大きさが異なり、該陽極活物質112及び該陰極活物質122の粒子大きさは、3〜10μmの差を有することを特徴にする 。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気二重層キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品機能の高級化に伴って、電気自動車、家庭、産業用電子機器などに安定な電源を供給するために、二次電池及び電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor:EDLC)主に使われている。
【0003】
しかし、二次電池は、EDLCに比べて電力密度が低く、環境汚染を引き起こし、短い充放電サイクル、過充電及び高温での爆発危険性を有している。そのため、最近には、エネルギ密度を向上した高性能EDLCの開発が活発に進められている実情である。
【0004】
最近のEDLCの応用分野では、独立な電源供給装置が求められるシステム、瞬間的に発生する過負荷を調節するシステム、エネルギ貯蔵装置などのように、その市場が拡がっている。
【0005】
特に、二次電池に比べて、エネルギ入出力(電力密度)が優秀で、瞬間停電時に作動する補助電源であるバックアップ電源へと、その応用範囲が拡がっている。
【0006】
また、充放電効率や寿命が二次電池より優秀であり、使用可能温度、電圧範囲が相対的に広く、保持補修が必要なく、環境親和的な長所を有するため、二次電池の代替用でも検討されている実情である。
【0007】
一般に、電気二重層キャパシタの場合、図1に示すように、充放電時、陽極と陰極との電位が等しいと知られている。また、該陽極の電位を調整することによって、高電圧を得ることができると報告されている。
【0008】
現在知られた電気二重層キャパシタの電極電位調節方法は、陽極と陰極との重さを異に設けることによって、これらの陽極及び陰極の両方に抵抗の差を与えることによって、セルの電圧を高める。
【0009】
すなわち、図2に示すように、同じ電極活物質を用いる場合、陽極集電体11上に陽極活物質12を含む陽極10と、陰極集電体21上に陰極活物質22を含む陰極20とからなる電極30において、これらの陽極活物質12及び陰極活物質22の厚さを調節する方法がある。
【0010】
他の方法では、陽極及び陰極に塗布される活物質の重さを調節して、電極電位を調節する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−178754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、現在まで使われている方法では、陽極と陰極との間の電位差を効率よく調節しにくく、電気二重層キャパシタセルの電圧やエネルギ密度を向上するのに限界がある。
【0013】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、陽極と陰極との間の電位差を調節して、セルのエネルギ密度を高めて、耐電圧を改善させた電気二重層キャパシタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を解決するために、本発明の一実施形態による電気二重層キャパシタは、陽極活物質及び陰極活物質の粒子大きさが異なり、該陽極活物質及び該陰極活物質の粒子大きさは、3〜10μmの差を有することを特徴にする。
【0015】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質のD50は、望ましくは、3〜20μmの範囲を有する。
【0016】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質は、同じまたは異なってもよく、望ましくは、各々活性炭、炭素ナノチューブ(CNT)、グラファイト、カーボンエアロゲル、ポリアクリロニトリル(PAN)、炭素ナノ繊維(CNF)、活性化炭素ナノ繊維(ACNF)、気相成長炭素繊維(VGCF)及びグラフェンよりなる群から選ばれる1種以上の炭素材料からなる。
【0017】
前記陰極活物質と前記陽極活物質とは、望ましくは、比表面積1,500〜3,000m/gの活性炭からなる。
【0018】
本発明の他の実施形態による電気二重層キャパシタは、陽極及び陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量が異なり、前記陽極及び前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量差は、5〜25重量%であることを特徴にする。
【0019】
前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量は、望ましくは、前記陽極の電極活物質の組成に含まれる導電材より相対的にたくさん含まれる。
【0020】
本発明による前記導電材は、スーパ−P(Super−P)、ケチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック及びグラファイトよりなる群から選ばれる1種以上の導電性粉末が望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、粒子大きさが異なる電極活物質を陽極及び陰極として使うか、または陽極及び陰極に用いる導電材の含量を異なるようにして含ませることによって、陽極と陰極との間の抵抗差によって電気二重層キャパシタセルの電位差を調節した。よって、従来方式に比べて、容量の減少を最小化すると共に、セルの耐電圧を向上して、セルのエネルギ密度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来EDLCの充放電による電位値を示すグラフである。
【図2】従来の電極電位調節方法の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態による電極構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0024】
本明細書で使われた用語は、実摘形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳記する。
【0026】
本発明は、粒子大きさが異なる電極活物質を陽極及び陰極に使うか、または陽極及び陰極に用いる導電材の含量を異なるようにして含む電気二重層キャパシタに関する。
【0027】
詳しくは、本発明の一実施形態による電気二重層キャパシタは、陽極活物質及び陰極活物質の粒子大きさが異なり、該陽極活物質及び該陰極活物質の粒子大きさは、3〜10μmの差を有することを特徴にする。
【0028】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質のD50は、3〜20μmの範囲を有するのが望ましい。
【0029】
すなわち、陽極及び陰極の電極活物質に用いられる材料の大きさ分布を異に設けることによって、陽極及び陰極の電極密度に差を置くことによって、セルの電位差を調節するものである。この場合、陽極の電極密度が低く、陰極の電極密度を高くして、陰極の抵抗を低く保持することが望ましい。
【0030】
本発明において、該陽極活物質及び該陰極活物質の粒子大きさは、3〜10μmの差を有するように設計することが望ましい。前記陽極活物質及び前記陰極活物質の粒子大きさの差が3μm未満の場合、大きさ分布差があまり大きくなく、抵抗の差によるセル耐電圧を上げることができないという問題がある。また、前記陽極活物質及び前記陰極活物質の粒子大きさの差が10μmを超過する場合は、セル容量が減少するという問題がある。
【0031】
本発明による前記陽極活物質及び前記陰極活物質は、同じまたは異なってもよく、望ましくは、各々活性炭、炭素ナノチューブ(CNT)、グラファイト、カーボンエアロゲル、ポリアクリロニトリル(PAN)、炭素ナノ繊維(CNF)、活性化炭素ナノ繊維(ACNF)、気相成長炭素繊維(VGCF)及びグラフェンよりなる群から選ばれる1種以上の炭素材料が挙げられるが、これに限定するものではない。
【0032】
このうち、前記陰極活物質と前記陽極活物質とは、比表面積1,500〜3,000m/gの活性炭を用いるのが望ましい。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による電極130の一例を示す。これを参照して、陽極集電体111上に陽極活物質112を含む陽極110と、陰極集電体121上に陰極活物質122を塗布してなる陰極120とを含む。この時、前記陽極活物質112は、大きさ分布の大きい材料を使って電極密度を高め、また陰極活物質122は、大きさ分布が前記陽極活物質112に比べて相対的に小さな材料を使って電極密度を低めて、陰極の抵抗を低めた。
【0034】
本発明の他の実施形態による電気二重層キャパシタは、陽極及び陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量を異なるようにして含ませたもので、陽極と陰極との間の抵抗差を用いてセルの耐電圧を上げることができる。
【0035】
陰極に含まれる導電材の含量を、陽極に含まれる導電材に比べて相対的に高めることによって、すなわち、前記陽極及び前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量差を5〜25重量%になるようにして陰極の抵抗を低めた。
【0036】
前記陽極及び前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量差が5重量%未満の場合、陽極及び陰極の抵抗差が少なく、セルの耐電圧を上げることができないという問題があって望ましくない。また、導電材の含量差が25重量%を超過する場合、セルの容量が減少するという問題があって望ましくない。
【0037】
本発明による前記導電材は、望ましくは、スーパ−P、ケチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック及びグラファイトよりなる群から選ばれる1種以上の導電性粉末からなる。
【0038】
本発明による電気二重層キャパシタは、陽極集電体に陽極活物質、導電材、バインダなどを含む陽極活物質スラリを塗布してなる陽極と、陰極集電体上に導電層を形成し、該導電層上に陰極活物質、導電材、バインダなどを含む陰極活物質スラリを塗布してなる陰極とが分離膜を介して絶縁された構造で電解液に含浸されている。
【0039】
また、電極活物質、導電材及び溶媒混合物を前記バインダ樹脂を用いてシート形状に成形するか、押出方式によって押出された成形シートを集電体に導電性接着剤を用いて接合してもよい。
【0040】
本発明による陽極集電体としては、従来の電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池に使われている材料が挙げられる。例えば、アルミニウム、ステンレス、チタン、タンタル及びニオブよりなる群から選ばれる1種以上であり、この中でアルミニウムが望ましい。
【0041】
前記陽極集電体の厚さは、望ましくは、10〜40μm程度である。前記集電体としては、前記のような金属の箔だけでなく、エッチング済の金属箔、あるいは、エキスバンドメタル、パンチングメタル、網、発泡体などのように表裏面を貫く開口を有するものが挙げられる。
【0042】
また、本発明による陰極集電体は、従来の電気二重層キャパシタやりチウムイオン電池に使われているすべての材料が挙げられる。例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル及びこれらの合金などが挙げられ、この中でアルミニウムが望ましい。また、その厚さは、望ましくは、10〜40μm程度である。前記集電体としては、前記のような金属の箔だけでなく、エッチング済の金属箔、あるいは、エキスバンドメタル、パンチングメタル、網、発泡体などのように表裏面を貫く開口を有するものが挙げられる。
【0043】
前記各電極活物質及び前記導電材は、前述のようである。
【0044】
前記バインダ樹脂には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)などのフッ素系樹脂と、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース系樹脂と、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム系樹脂及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種以上が挙げられるが、これに限定するものではない。通常の電気化学キャパシタに用いられるすべてのバインダ樹脂を用いてもよい。
【0045】
本発明による分離膜は、従来の電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池に用いられるすべての材料が挙げられる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、セルロース系高分子及びポリアクリル系高分子よりなる群から選ばれる1種以上の高分子から製造された微細多孔性フィルムが挙げられる。また、該多孔性フィルムを重合させた多層フィルムもが挙げられ、この中でセルロース系高分子が望ましく使われる。
【0046】
前記分離膜の厚さは、望ましくは、約15〜35μmであるが、これに限定するものではない。
【0047】
本発明の電解液は、スパイロ系塩、TEABF4、TEMABF4などの非リチウム塩を含むか、またはLiPF、LiBF、LiCLO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(SOCF、LiAsF及びLiAsFなどのリチウム塩を含む有機電解液、あるいはこれらの混合物からなってもよい。前記溶媒には、アクリロニトリル系の溶媒、エチレンカボネート、プロピレンカボネート、ジメチルカボネート、エチルメチルカボネート、スルフォラン及びジメトキシエタンよりなる群から選ばれる1種以上が挙げられるが、これに限定するものではない。これらの溶質と溶媒とを組合わせた電解液は、耐電圧が高く電気伝導度も高い。電解液内の電解質の濃度は、0.1〜2.5mol/Lの範囲、特に0.5〜2mol/Lの範囲が望ましい。
【0048】
本発明の電気化学キャパシタのケース(外付け材)には、二次電池及び電気二重層キャパシタに通常用いられるアルミニウムを含むラミネートフィルムが挙げられるが、これに限定するものではない。
<実施例1>
1)陰極の製造
【0049】
水蒸気復活処理された活性炭(D50=6μm、比表面積1800m/g)123g、導電材Super−P15g、パインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)3.8g、スチレンブタジエンゴム(SBR)5.3g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.2gを水473gに混合及び撹拌させて陰極活物質スラリを製造した。
【0050】
厚さ20μmのアルミニウム集電体上に前記陰極活物質スラリをコンマコータ(comma coater)を用いて塗布し、臨時乾燥した後、電極サイズが50mm×100mmになるように切断した。電極の断面厚さは、60μmであった。セルの組立の前に、120℃の真空状態で48時間の間乾燥した。
2)陽極の製造
【0051】
アルカリ復活処理された活性炭(D50=10μm、比表面積2200m/g)123g、導電材Super−P15g、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)3.8g、スチレンブタジエンゴム(SBR)5.3g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.2gを水473gに混合及び撹拌させて陽極活物質スラリを製造した。
【0052】
厚さ20μmのアルミニウムエッチング箔上に、前記陽極活物質スラリをコンマコータを用いて塗布し、臨時乾燥した後、電極サイズが50mm×100mmになるように切断した。電極の断面厚さは、60μmであった。セルの組立の前に、120℃の真空状態で48時間の間乾燥した。
3)電解液の製造
【0053】
アクリロニトリル系の溶媒に、スパイロ系塩1.3モル/リットルの濃度になるように溶解させて電解液を調剤した。
4)電気二重層キャパシタセルの組立
【0054】
前記製造された電極(陽極、陰極)を利用し、それらの間にセバレータ(NKK社製のTF4035、セルロース系分離膜)を挿入し、電解液を含浸させてラミネートフィルムケースに入れて密封した。
<実施例2>
1)陰極の製造
【0055】
水蒸気復活処理された活性炭(比表面積1800m/g)123g、導電材Super−P15g、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)3.8g、スチレンブタジエンゴム(SBR)5.3g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.2gを水473gに混合及び撹拌させて陰極活物質スラリを製造した。
【0056】
厚さ20μmのアルミニウム集電体上に前記陰極活物質スラリをコンマコータを用いて塗布し、臨時乾燥した後、電極サイズが50mm×100mmになるように切断した。電極の断面厚さは、60μmであった。セルの組立の前に、120℃の真空状態で48時間の間乾燥した。
2)陽極の製造
【0057】
水蒸気復活処理された活性炭(比表面積1800m/g)131g、導電材Super−P705g、バインダとしてCMC3.8g、SBR5.3g、PTFE2.2gを水473gに混合及び撹拌させて陰極活物質スラリを製造した。
【0058】
厚さ20μmのアルミニウムエッチング箔上に、前記陽極活物質スラリをコンマコータを用いて塗布し、臨時乾燥した後、電極サイズが50mm×100mmになるように切断した。電極の断面厚さは、60μmであった。セルの組立の前に、120℃の真空状態で48時間の間乾燥した。
3)電解液の製造
【0059】
アクリロニトリル系の溶媒に、スパイロ系塩1.3モル/リットルの濃度になるように溶解させて電解液を調剤した。
4)電気二重層キャパシタセルの組立
【0060】
前記製造された電極(陽極、陰極)を利用し、それらの間にセバレータ(NKK社製のTF4035、セルロース系分離膜)を挿入し、電解液を含浸させてラミネートフィルムケースに入れて密封した。
<比較例1>
【0061】
水蒸気復活処理された活性炭(比表面積1800m/g)123g、導電材Super−P15g、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)3.8g、スチレンブタジエンゴム(SBR)5.3g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.2gを水473gに混合及び撹拌させて製造された活物質スラリを用いて陽極及び陰極集電体に塗布することを除いては、実施例1と同様な過程で電気二重層キャパシタを製造した。
<実験例>
電気化学キャパシタセルの容量及び抵抗の評価
【0062】
実施例1〜2及び比較例1によって製造された電気二重層キャパシタセルを25℃の恒温条件で、定電流一定電圧で1mA/cmの電流密度で2.5Vまで充電し、30分間維持した後、再度1mA/cmの定電流で3回放電させて、最後のサイクルの容量を測定した。その結果を下記の<表1>に表した。
【0063】
また、各セルの抵抗特性は、ampere−ohm meter及びimpedance spectroscopyで測定した。その結果を下記の<表1>に表した。
【表1】

【0064】
<表1>から分かるように、陽極及び陰極に含まれる電極活物質の大きさ分布を異に設けたことによって、同じ含量の活物質と導電材とを含む比較例1による電極に比べて、約10%の抵抗減少があり、また導電材の含量を異に設けることによって、抵抗を高めることができた。これを用いて、陽極と陰極との間の抵抗差を与えてセルの電位差を調整することによって、耐電圧を上げて、セルのエネルギ密度を向上することができる。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
11、111 陽極集電体
12、112 陽極活物質
10、110 陽極
21、121 陰極集電体
22、122 陰極活物質
20、20 陰極
30、130 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極活物質及び陰極活物質の粒子大きさが異なり、
該陽極活物質及び該陰極活物質の粒子大きさは、3〜10μmの差を有することを特徴にする電気二重層キャパシタ。
【請求項2】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質のメジアン径(D50)は、各々3〜20μmの範囲を有する請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項3】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質は、同じまたは異なり、各々活性炭、炭素ナノチューブ(CNT)、グラファイト、カーボンエアロゲル、ポリアクリロニトリル(PAN)、炭素ナノ繊維(CNF)、活性化炭素ナノ繊維(ACNF)、気相成長炭素繊維(VGCF)及びグラフェンよりなる郡から選ばれる1種以上の炭素材料である請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項4】
前記陽極活物質及び前記陰極活物質は、比表面積1,500〜3,000m/gの活性炭である請求項1から3の何れか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項5】
陽極及び陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量が異なり、
前記陽極及び前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量差は、5〜25重量%である電気二重層キャパシタ。
【請求項6】
前記陰極の電極活物質の組成に含まれる導電材の含量は、前記陽極の電極活物質組成に含まれる導電材より相対的に多い請求項5に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項7】
前記導電材は、スーパ−P(Super−P)、ケチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック及びグラファイトよりなる郡から選ばれる1種以上の導電性粉末である請求項5または6に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項8】
前記陽極の電極活物質及び前記陰極の電極活物質は、同じまたは異なり、各々活性炭、炭素ナノチューブ(CNT)、グラファイト、カーボンエアロゲル、ポリアクリロニトリル(PAN)、炭素ナノ繊維(CNF)、活性化炭素ナノ繊維(ACNF)、気相成長炭素繊維(VGCF)及びグラフェンよりなる群から選ばれる1種以上の炭素材料である請求項5から7の何れか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項9】
前記陰極の電極活物質と前記陽極の電極活物質とは、比表面積1,500〜3,000m/gの活性炭である請求項5から8の何れか1項に記載の電気二重層キャパシタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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