説明

電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の制御回路、電気光学装置、及び電子機器

【課題】高品位な表示を行うことができる電気泳動表示装置の駆動方法を提供すること。
【解決手段】電気光学装置は、表示部10に第一画像を表示した後、第一画像に引き続いて表示される第二画像と第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と表示が維持される維持画素とを選別し、書き換え画素に印加される書き換え電圧を設定し、維持画素に隣り合う画素の書き換え電圧の和を取った後に、この和に応じて維持画素に印加される維持電圧を定め、こうして得られた書き換え電圧と維持電圧とを用いて表示部10に第二画像を表示する。これにより、輪郭残像をなくして高い画像品位が得られると共に、電気光学材料の信頼性が保たれ、更に電気泳動表示装置の高いエネルギー効率を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の駆動方法、電気光学装置の制御回路、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例としては、特許文献1に記載されている様に、電気泳動表示装置が知られている。電気泳動表示装置では、電気泳動材料を挟んで対向する画素電極及び共通電極間に電圧を印加して、黒色帯電粒子や白色帯電粒子等の電気泳動粒子を移動させる事で表示部に画像を形成している。電気泳動材料は電気泳動粒子を含有するマイクロカプセルから構成され、マイクロカプセルは画素電極と共通電極と間に接着剤によって固定されている。共通電極は対向電極と呼ばれる事もある。
このような電気泳動表示装置では、特許文献2に記載されている様に、表示部に表示されている画像を書き換える際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分に対応する画素のみの画素電極及び共通電極間に電圧を印加する事により、画像を部分的に書き換える駆動方法(以下「部分書き換え駆動」と適宜称する)が採用されていた。例えば、図9(a)に示される様に、白地にFの文字が表示されている画像を全面消去したい場合、従来の駆動方法では、Fの文字を為している黒色表示画素のみを白画像に書き換えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3750565号公報
【特許文献2】特開2010−113281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気泳動表示装置の駆動方法では、画像の書き換えの際に、前の画像の輪郭部に沿って、残像が発生するという課題が有った。尚、以下では、この様な輪郭部に沿った残像を「輪郭残像」と称する。例えば、図9(a)に示したFの文字を消去しようとしても、実際には図9(b)に示す様に、Fの文字の外周部に輪郭残像が出現していた。
この輪郭画像を強制的に消去すべく、特許文献2に示される様に、輪郭残像部や総ての画素に白画像を複数回書き込む駆動方法も検討されていた。しかしながら、こうした駆動方法を用いると、白画像書き込みの回数が黒画像書き込みの回数よりも著しく増える為に、長期的には電気泳動材料に直流成分が載る事になり、それ故に電気泳動材料が電気的に劣化するとの課題が有った。又、書き込み回数が増える為に、エネルギー効率も落ちるとの課題があった。換言すると、従来の電気泳動表示装置の駆動方法では、輪郭残像が発生しない所望の画像品位を得る事と、電気泳動材料の信頼性を保つ事及び電気泳動表示装置の高いエネルギー効率を維持する事と、を両立させるのが困難であるという課題が有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
(適用例1) 本適用例に係わる電気光学装置の駆動方法は、複数の画素を備えた表示部に第一画像を表示する工程と、第一画像に引き続いて表示される第二画像と第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と、表示が維持される維持画素と、を選別する工程と、書き換え画素に印加される書き換え電圧を設定する工程と、維持画素に隣り合う画素の書き換え電圧の和を取る工程と、書き換え電圧の和に応じて維持画素に印加される維持電圧を定める工程と、書き換え電圧と維持電圧とを用いて、表示部に第二画像を表示する工程と、を含む事を特徴とする。
この構成によれば、輪郭残像をなくして所望の画像品位が得られると共に、電気光学材料の信頼性が保たれ、更に電気泳動表示装置の高いエネルギー効率を維持する事も可能となる。
【0007】
(適用例2) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧の和がゼロでなく、維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合には、維持電圧を書き換え電圧の和と逆極性にする事が好ましい。
この構成によれば、維持画素の周辺での書き換えによる維持画素への影響を相殺させる事ができるので、輪郭残像をなくす事が可能になる。
【0008】
(適用例3) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧の絶対値よりも維持電圧の絶対値の方が小さい事が好ましい。
この構成によれば、維持電圧が小さいので、電気光学材料の電気的な劣化を抑制し、電気光学装置の信頼性を高めると共にその製品寿命も長く保つ事が可能となる。
【0009】
(適用例4) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、維持電圧の絶対値が、書き換え電圧の絶対値の100分の1から10分の1の範囲に有る事が好ましい。
この構成によれば、輪郭残像を抑制する事と電気光学装置の信頼性を高める事とを両立できる。
【0010】
(適用例5) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、維持電圧の絶対値が、書き換え電圧の和に比例する事が好ましい。
この構成によれば、維持画素の周辺から及ぼされる書き換えの影響をその強弱に応じて除去するので、輪郭残像を抑制する事と電気光学装置の信頼性を高める事とを効果的に両立できる。
【0011】
(適用例6) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧が二値で有る事が好ましい。
この構成によれば、大がかりな制御回路を用いなくとも、電気光学装置を正確に駆動できる。
【0012】
(適用例7) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧が三値以上の多値で有る事が好ましい。
この構成によれば、階調表現が実現し、高品位な表示を行う電気光学装置を提供できる。
【0013】
(適用例8) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧の和がゼロでなく、維持画素の表示と同種類の表示に相当する場合には、維持電圧はゼロで有る事が好ましい。
この構成によれば、維持画素の表示と、その周辺で書き換えられる平均的な表示とが同種である為に、維持画素が正しい表示を継続する事ができる。
【0014】
(適用例9) 上記適用例に係わる電気光学装置の駆動方法において、書き換え電圧の和がゼロの場合には、維持電圧はゼロで有る事が好ましい。
この構成によれば、周辺画素から維持画素への影響が殆ど無い時には維持電圧をゼロとするので、高品位な表示と低消費エネルギーとを両立できる。
【0015】
(適用例10) 本適用例に係わる電気光学装置の制御回路は、上記駆動方法により、表示部を表示駆動する事を特徴とする。
この構成によれば、輪郭残像の現れぬ高品位な画像を低消費電力で電気光学装置に表示し、而も電気光学装置の製品寿命を長く保つ制御回路を提供できる。
【0016】
(適用例11) 本適用例に係わる電気光学装置の制御回路は、第一画像に引き続いて表示される第二画像と第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と、表示が維持される維持画素と、を選別する選別機能と、書き換え画素に印加される書き換え電圧を設定する第一設定機能と、維持画素に隣り合う画素の書き換え電圧の和と維持画素の表示状態に応じて判断を分ける判断機能と、判断機能の判断結果に応じて、第二画像にて維持画素に印加される維持電圧を定める第二設定機能と、書き換え電圧と維持電圧とを用いて、表示部に第二画像を表示する駆動機能と、を有する事を特徴とする。
この構成によれば、輪郭残像の現れぬ高品位な画像を低消費電力で電気光学装置に表示し、而も電気光学装置の製品寿命を長く保つ制御回路を提供できる。
【0017】
(適用例12) 本適用例に係わる電気光学装置は、上記の制御回路を備えた事を特徴とする。
この構成によれば、輪郭残像の現れぬ高品位な画像を低消費電力で表示し、而も製品寿命の長い電気光学装置を提供できる。
【0018】
(適用例13) 本適用例に係わる電子機器は、上記の電気光学装置を備えた事を特徴とする。
この構成によれば、輪郭残像の現れぬ高品位な画像を低消費電力で表示し、而も製品寿命の長い電気光学装置を備えた電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る電気泳動表示装置の斜視図。
【図2】電気泳動表示装置を機能ブロックごとに表したブロック図。
【図3】(a)回路ブロック構成図、(b)画素の電気的な構成を示す等価回路図。
【図4】画素の断面構造を説明する図。
【図5】制御回路が実行するプログラムのフローチャートを説明する図。
【図6】電気光学装置の駆動方法の一例を説明した図。
【図7】電子ペーパーの構成を示す斜視図。
【図8】電子ノートの構成を示す斜視図。
【図9】従来の駆動方法で表示した画像の持つ課題点を説明した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
【0021】
(実施形態1)
「電子機器の概要」
先ず、実施形態1に係る電子機器の全体構成(概要)について、図1を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明における電子機器の斜視図である。
本発明に係る電子機器100は、電気光学装置と、電子機器100を操作するためのインターフェイスとを備えている。インターフェイスとは、具体的には操作部120で、スイッチなどから構成される。電気光学装置は表示部10を有するディスプレイモジュールである。表示部10は複数の画素から成り、これらの画素が電気的に制御される事で表示部10に画像が表示される。本実施形態では電気光学装置として電気泳動表示装置が使用されている。電気泳動表示装置では、電気泳動材料を用いて表示がなされる。
【0023】
電子機器100では、第一画像から第二画像へと画像が書き換えられる際に、部分書き換え駆動が用いられる。第二画像とは、或る画像(第一画像)に引き続いて表示される次の画像である。その際に、まず、第一画像と第二画像とを比較して、表示が書き換えられる画素(書き換え画素と称する)と、表示が維持される画素(維持画素と称する)とを選別する。次いで、書き換え画素に印加される電圧(書き換え電圧と称する)Vwを書き換えられる表示階調に適する様に設定する。電気光学装置の各画素は明表示と暗表示との間で表示を適宜変えるが、その変え具合が表示階調である。その後、維持画素の隣りに位置する周辺画素に印加される書き換え電圧Vwの和を計算する。次に、書き換え電圧Vwの和に応じて第二画像の表示時にその維持画素に印加される電圧(維持電圧と称する)Vrを定める。最後に、こうして得られた書き換え電圧Vwと維持電圧Vrとを用いて、表示部10に第二画像を表示する。こうする事で輪郭残像をなくすと共に、電気泳動材料の電気的劣化を抑制し、部分書き換え駆動による高エネルギー効率性を維持する事ができる。
【0024】
「電子機器の基本構成」
図2は本実施形態に係る電子機器を、機能ブロック毎に表したブロック図である。
電子機器100は、電気光学装置150と操作部120とを有している。場合によっては更に画像信号供給回路130を電子機器100が備えていても良い。操作部120はユーザーが電子機器100を操作する部位である。電気光学装置150は、表示部10と、表示部10に電圧を印加する駆動回路70と、制御回路140とを有している。更には、操作部120などを電気光学装置150が備えていても良い。制御回路140は、好適例として、制御部60と記憶部90と画像信号処理部80とフレームメモリー110とを含んで構成されている。記憶部90は表示部に表示するための画像データ等を記憶する。画像信号処理部80は駆動回路70に画像信号を供給する。制御部60はこれらを制御する。尚、本実施形態に係わる電子機器の基本構成は、上述の構成に限定される物ではなく、本実施形態に係る駆動方法を実現可能な回路構成であれば良い。
【0025】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)であり、各部の動作を制御する。また、制御部60には記憶部90が付随している。記憶部90は、例えば、フラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置により構成されている。記憶部90には表示部10に表示する各種画像データや、電子機器100の動作を定める各種プログラム或いはルックアップテーブル、などが記憶されている。これらのデータは、外部の画像信号供給回路130から入力され、必要に応じて入れ替えられる。尚、画像信号供給回路130は、主に入れ替えられるデータが画像信号で有る為に、この様に命名されているが、前述の各種プログラムやルックアップテーブルなども画像信号供給回路130を介して入れ替える事が可能である。画像信号供給回路130は、インターネットに接続するパーソナルコンピューターや携帯電話、或いはUSBメモリーやSDカードなどに備えられ、新たなデータを電子機器100に供給する。前述の如く、画像信号供給回路130を電子機器100が備えており、電子機器100単体でインターネットや携帯電話網などに接続する様にしても良い。
【0026】
画像信号処理部80は、フレームメモリー110を付随しており、記憶部90から取り出した画像データに応じて画像信号を作製し、これを駆動回路70に供給する。具体的には、フレームメモリー110に収納されている第一画像に対応する画像信号と記憶部90に収納されている第二画像データとから、画像信号処理部80と制御部60とが第二画像に対応する画像信号を生成する。画像信号処理部80は、こうして得られた画像信号を駆動回路70に供給する。尚、フレームメモリー110は、表示部10の少なくとも1フレーム分以上の画像データを記憶可能なメモリー容量を備えたVRAM(Video Random Access Memory)である。メモリー容量は2フレーム分以上有る事が望ましい。
【0027】
操作部120は、複数の操作ボタン(図1参照)を含んで構成されており、当該操作ボタンによって、ユーザーは電子機器100に、表示を切り換えるためのトリガー信号を与える。
【0028】
図3(a)は本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部と駆動回路との構成を示す回路ブロック構成図であり、(b)は画素の電気的な構成を示す等価回路図である。又、図4は画素の断面構造を説明する図である。次に、図3及び図4を用いて本実施例に係る電気泳動表示装置の表示部と駆動回路との構成、及び断面構造とを説明する。
【0029】
図3(a)に示されている様に、表示部10には、m行×n列分の画素20が行列状(二次元平面的)に配列されている。又、表示部10には、m本の走査線30(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線40(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線30は行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線40は列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線30とn本のデータ線40との交差点に対応して画素20が配置されている。
【0030】
表示部10には駆動回路70が付属している。駆動回路70は、コントローラー71や走査線駆動回路72、データ線駆動回路73、共通電位供給回路74などから構成されている。コントローラー71は、走査線駆動回路72とデータ線駆動回路73、及び共通電位供給回路74の動作を制御し、クロック信号やタイミング信号等の各種信号を各回路に供給する。
【0031】
走査線駆動回路72は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。データ線駆動回路73は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnに画像信号を供給する。画像信号は、書き換え電圧Vwや維持電圧Vr等であり、これらは高電位VH(例えば15V)と低電位VL(例えば−15V)との間で多値的な電位をとる。なお、本実施形態では、書き換え電圧Vwは二値であり、明表示(白の表示)に書き換えられる画素20に対して低電位VLの画像信号が供給され、暗表示(黒の表示)に書き換えられる画素20に対して高電位VHの画像信号が供給される。
【0032】
共通電位供給回路74は、共通電位線50に共通電位Vcomを供給する。尚、共通電位Vcomは一定の電位であっても良いし、例えば書き込む階調やフレームに応じて変えても良い。本実施形態では、共通電位Vcomが総ての電位に対する基準電位となり、共通電位を0Vとしている。従って、先の高電位VH(例えば15V)や低電位VL(例えば−15V)はそのまま共通電位Vcomに対する電位差ともなる。尚、コントローラー71、走査線駆動回路72、データ線駆動回路73及び共通電位供給回路74には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のない物については説明を省略している。
【0033】
図3(b)の回路図と図4の断面図とに示される様に、画素20は、画素スイッチング用トランジスター21と、画素電極22と、共通電極23と、電気泳動材料24と、保持容量25とを備えている。
【0034】
画素スイッチング用トランジスター21は、例えばN型トランジスターで構成されている。ここでは上ゲート型の薄膜トランジスターが採用されているが、下ゲート型の薄膜トランジスターで有っても構わない。画素スイッチング用トランジスター21は、そのゲートが走査線30に電気的に接続されており、そのソースがデータ線40に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極22及び保持容量25の一端に電気的に接続されている。保持容量25は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極(一端)が、画素電極22及び画素スイッチング用トランジスター21に電気的に接続され、他方の電極(他端)が共通電位線50に電気的に接続されている。この保持容量25によって画像信号を一定期間だけ維持することができる。画素スイッチング用トランジスター21は、データ線駆動回路73からデータ線40を介して供給される画像信号を、走査線駆動回路72から走査線30を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極22及び保持容量25に出力する。
【0035】
画素電極22には、データ線駆動回路73からデータ線40及び画素スイッチング用トランジスター21を介して、画像信号が供給される。画素電極22は、電気泳動材料24を介して共通電極23と互いに対向するように配置されている。共通電極23は、共通電位Vcomが供給される共通電位線50に電気的に接続されている。共通電極23は、画素電極22が形成された基板に対向する基板に設けられ、電気泳動粒子は図4に示す断面図の上下方向で電気泳動する。尚、共通電極23を画素電極22が形成された基板に設けて、電気泳動粒子が図4の断面図の水平方向(図4の左右方向)に電気泳動する構成としても良い。
【0036】
電気泳動材料24は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。本実施形態では、例えば黒色の粒子は正に帯電しているものとし、白色の粒子は負に帯電しているものとする。従って、図4に示す様に、画素電極22に低電位VL(例えば−15V)を供給し、共通電位Vcomが0Vであると、正に帯電している黒色の粒子は画素電極22の近くに引き寄せられ、負に帯電している白色の粒子は共通電極23の近く引き寄せられる。従って電気光学装置150を図4の上方から見ると、その画素20は白表示している事になる。尚、帯電粒子は白黒に限らず、色相環(color circle)で正反対に位置する関係の色(相補的な色)の組み合わせとしても良い。例えば赤色微粒子と緑色微粒子との組み合わせや、黄色微粒子と紫色微粒子との組み合わせ、青色微粒子と橙色微粒子との組み合わせ、等にしても良い。その他にも赤色と緑色と青色との加法混色の三原色から適当な二色を組み合わせにしても良いし、或いは、シアンとマゼンタとイエローとの減法混色の三原色から適当な二色を組み合わせにしても良いし、更にはこれらの六色から適当な二色を組み合わせても良い。又、電気泳動粒子はマイクロカプセルに閉じ込められる必要もなく、例えば、隔壁を設けてその内部に収納しても良い。
【0037】
「電気光学装置の制御回路、及び電気光学装置の駆動方法」
図5は電気光学装置の制御回路が実行するプログラムのフローチャートを説明する図である。又、図6は電気光学装置の駆動方法の一例を説明した図である。以下、本実施形態に係る制御回路、及び電気光学装置の駆動方法について説明する。
【0038】
図5を用いて制御回路140が保有する機能について説明する。表示部10に表示されている第一画像を、部分書き換え駆動を用いて、第二画像に表示変更すべく、制御回路140は、選別機能(S1)と、第一設定機能(S2)と、判断機能(S3)と、第二設定機能(S4)と、駆動機能(S5)と、を保有している。
【0039】
第一画像の書き換えが開始すると、まず工程S1として選別機能が動作する。選別機能とは、第一画像に引き続いて表示される第二画像と第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と表示が維持される維持画素とを選別する機能である。
【0040】
次に、工程S2として第一設定機能が動作する。第一設定機能とは、書き換え画素に印加される書き換え電圧Vwを設定する機能である。この際に維持画素に印加される維持電圧Vrに仮の値として0Vを割り振っても良い。こうすると後の判断機能が容易になるからである。書き換え電圧Vwは、書き換え画素が白表示から黒表示への書き換えならば高電位VHであり、黒表示から白表示への書き換えならば低電位VLである。
【0041】
次に、工程S3として判断機能が動作する。判断機能とは維持画素を分類する機能である。或る一つの維持画素は自身に隣り合う画素の書き換え電圧Vwの和とその維持画素の表示状態に応じて、判断機能により、四種に分類される。判断機能は三段階で動作する。第一判断段階S3−1では維持画素の周りの書き換え電圧Vwの和がゼロか否かを判断する。本実施形態では画素20の形状が四角形で有る為に、平面視に於いて維持画素の上下左右に位置する四画素について書き換え電圧Vwの和を取り、この和を調べる。周辺四画素の内のどれが書き換え画素かを判定して、書き換え電圧Vwの和を取るよりも、維持電圧Vrに仮の値として0Vを割り振り、総ての周辺画素で和を取った方が容易であるので、工程S2では維持電圧Vrに仮の値として0Vを割り振っている。
【0042】
周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでないと、第二判断段階S3−2に進む。第二判断段階S3−2では、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が、今対象としている維持画素の表示と同種類で有るかどうかを判断する。即ち、対象としている維持画素が第一画像にて行っている表示に書き換えられた際に印加された書き換え電圧Vwの極性(正負)と、第二画像を作製する際に、維持画素の周辺画素の書き換え電圧Vwの和の極性と、を比較する。例えば、維持画素が黒色で有る場合、黒色に書き換える際にはその維持画素には高電位VH(正の電位)が加えられている。この場合には、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が正であれば、周辺画素での書き換え電圧Vwの和は同種類の表示に相当する。反対に周辺画素での書き換え電圧Vwの和が負であれば、周辺画素での書き換え電圧Vwの和は同種類の表示には相当しない。同様に、維持画素が白色で有る場合、白色に書き換える際にはその維持画素には低電位VL(負の電位)が加えられている。この場合には、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が負であれば、周辺画素での書き換え電圧Vwの和は同種類の表示に相当する。反対に周辺画素での書き換え電圧Vwの和が正であれば、周辺画素での書き換え電圧Vwの和は同種類の表示には相当しない。要するに周辺画素での書き換え電圧Vwの和が正であれば周辺画素は平均として黒色種類の表示に相当し、負であれば周辺画素は平均として白色種類の表示に相当する。この様に第二画像に於ける周辺画素の平均的な表示色(平均階調)と維持画素の表示色(階調)とが同種か否かを判断するのが第二判断段階S3−2である。
【0043】
対象としている維持画素の周辺画素での書き換え電圧Vwの和が、その維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合には、第三判断段階S3−3に進む。第三判断段階S3−3では、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が正の極性か否かを判断する。この様な三段階の判断を経て、判断機能では維持画素を、(1)周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロ、(2)周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでなく、維持画素の表示と同種類の表示に相当する、(3)周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでない正の値で、維持画素の表示と同種類の表示に相当しない、(4)周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでない負の値で、維持画素の表示と同種類の表示に相当しない、の四種に分類する。尚、判断機能では維持画素を上述の四種に分類できればそれで良く、第一判断段階S3−1から第三判断段階S3−3への順序は問われない。例えば、第一判断段階S3−1の次に第三判断段階S3−3を行い、その後に第二判断段階S3−2を行っても良い。
【0044】
次に、工程S4として第二設定機能が動作する。第二設定機能とは、判断機能の判断結果(維持画素の分類結果)に応じて、第二画像にて維持画素に印加される維持電圧Vrを定める機能である。第二設定機能は、第一種第二設定機能S4−1と、第二種第二設定機能S4−2と、第三種第二設定機能S4−3と、三種類存在する。第二設定機能では、周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでなく、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合には、維持電圧Vrを書き換え電圧Vwの和と逆極性にする。即ち、第一種第二設定機能S4−1は、周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロの場合に、維持電圧Vrをゼロに設定する。又、第一種第二設定機能S4−1は、周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでなく、周辺画素での書き換え電圧Vwの和が維持画素の表示と同種類の表示に相当する場合にも、維持電圧Vrをゼロに設定する。第二種第二設定機能S4−2では、対象としている維持画素が、周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでない正の値で、その維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合に、維持電圧Vrとして負の小さい値を設定する。又、第三種第二設定機能S4−3では、対象としている維持画素が、周辺画素での書き換え電圧Vwの和がゼロでない負の値で、その維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合に、維持電圧Vrとして正の小さい値を設定する。小さい値とは維持電圧Vrの絶対値が書き換え電圧Vwの絶対値よりも小さい事(|Vr|<|Vw|)を意味する。例えば書き換え電圧がVw=±15Vの場合、小さい値の維持電圧とはVr=±0.5V程度である。維持電圧Vrが小さい値を取る際にその絶対値は、最も大きい書き換え電圧Vwの絶対値の100分の1から10分の1の範囲に有る事が好ましい。今の例では、維持電圧Vrが取る小さい値の絶対値は0.15Vから1.5Vの範囲に有るのが好ましい。実験によると、最も大きい書き換え電圧Vwの絶対値の100分の1よりも維持電圧Vrが取る小さい値の絶対値が大きければ、輪郭残像の発生を抑制でき、最も大きい書き換え電圧Vwの絶対値の10分の1よりも維持電圧Vrが取る小さい値の絶対値が小さければ、電気泳動材料24の電気的な劣化を抑制できるからである。
【0045】
最後に、工程S5として駆動機能が動作する。駆動機能とは、工程S2で得られた書き換え電圧Vwと工程S4で得られた維持電圧Vrとを用いて、表示部10に第二画像を表示する機能である。この機能の詳細は、先の「電子機器の基本構成」に記述した通りである。こうして第一画像から第二画像への書き換えが終了し、制御回路140は電気光学装置150の表示部10を表示駆動する事になる。
【0046】
次に、図6を用いて、電気光学装置150の駆動方法の一例を説明する。図6は画素が3行8列に配置された電気光学装置150の一例で、(a)は第一画像を表し、(b)は第二画像を表す。例えば1行(i=1)一列(j=1)に位置する画素(1,1)は第一画像(図6(a))で白表示をなし、第二画像(図6(b))でも白表示をする維持画素である。一方、画素(1,2)は第一画像(図6(a))で黒表示をなし、第二画像(図6(b))では白表示をする書き換え画素である。(図6(b))の各画素には、第二画像を表示する際に各画素電極22に印加される電圧の一例を数字で記載してある。この例では、白への書き換え電圧は−15Vで、黒への書き換え電圧は+15Vで、維持電圧は0Vか−0.5Vか+0.5Vである。図6(b)では電圧単位Vを省略してある。
【0047】
白から黒への書き換え画素は、画素(1,3)と、画素(1,5)と、画素(1,6)と、画素(2,1)と、画素(2,8)と、画素(3,3)と、画素(3,4)と、画素(3,6)と、である。これらの画素ではVw=+15Vとなる。一方、黒から白への書き換え画素は、画素(1,2)と、画素(1,4)と、画素(1,7)と、画素(3,2)と、画素(3,5)と、画素(3,7)と、である。これらの画素ではVw=−15Vとなる。その他は皆維持画素となり、維持画素はその画素タイプに応じてAからFに分類されている。図6(b)には画素タイプも記載してある。維持画素の分類結果と各維持画素へ印加する維持電圧Vrとを表1に掲げる。
【0048】
【表1】

【0049】
画素タイプAは画素(2,4)である。この画素は黒から黒への維持画素で、左右に隣り合う画素が維持画素であり、上に隣り合う画素が白書き換え画素で−15V印加され、下に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和はゼロである。従って、周辺画素の変化は平均的には中性で、維持電圧Vrは0Vとなる。
【0050】
画素タイプBは画素(2,3)である。この画素は黒から黒への維持画素で、左右に隣り合う画素が維持画素であり、上に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加され、下に隣り合う画素も黒書き換え画素で+15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和は+30Vである。従って、周辺画素の変化は平均的には白から黒への書き換えであるが、維持画素の表示と同種類の表示となるので、維持電圧Vrは0Vとなる。
【0051】
画素タイプCは画素(2,2)である。この画素は黒から黒への維持画素で、左に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加され、右に隣り合う画素が維持画素であり、上に隣り合う画素が白書き換え画素で−15V印加され、下に隣り合う画素も白書き換え画素で−15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和は−15Vである。従って、周辺画素の変化は平均的には黒から白への書き換えであり、而も維持画素の表示と異なる種類の表示となるので、維持電圧Vrは+0.5Vとなる。
【0052】
画素タイプDは画素(2,5)である。この画素は白から白への維持画素で、左右に隣り合う画素が維持画素であり、上に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加され、下に隣り合う画素が白書き換え画素で−15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和はゼロである。従って、周辺画素の変化は平均的には中性で、維持電圧Vrは0Vとなる。画素(2,5)の他に画素(1,1)も画素(1,8)も画素(3,1)も画素(3,8)も画素タイプDとなる。
【0053】
画素タイプEは画素(2,6)である。この画素は白から白への維持画素で、左右に隣り合う画素が維持画素であり、上に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加され、下に隣り合う画素も黒書き換え画素で+15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和は+30Vである。従って、周辺画素の変化は平均的には白から黒への書き換えであり、而も維持画素の表示と異なる種類の表示となるので、維持電圧Vrは−0.5Vとなる。
【0054】
画素タイプFは画素(2,7)である。この画素は白から白への維持画素で、右に隣り合う画素が黒書き換え画素で+15V印加され、左に隣り合う画素が維持画素であり、上下に隣り合う画素が白書き換え画素でそれぞれ−15V印加されるので、周辺画素へ書き換え電圧Vwの和は−15Vである。従って、周辺画素の変化は平均的には黒から白への書き換えであるが、維持画素の表示と同種類の表示となるので、維持電圧Vrは0Vとなる。
【0055】
画素20が四角形で書き換え電圧Vwが+15Vと−15Vとの二値の場合、周辺画素の書き換え電圧Vwの和は−60Vから+60V迄変化する。これを纏めたのが表2である。表2では電圧の単位Vを省略してある。
【0056】
【表2】

【0057】
表示部10の最外周以外に位置する画素20は、四個の周辺画素(隣画素1から隣画素4)を有する。表2では周辺画素に印加される書き換え電圧と、隣が維持画素の時は仮の維持電圧0Vとを記載してある。本実施形態では周辺画素に印加される書き換え電圧Vwの和の極性に応じて、その極性と反対の極性になる小さい値を維持電圧Vrとする。斯うする事で、ルックアップテーブルの記憶容量が小さく済み、維持電圧も0Vの他は正負の二種類の電圧で済む。即ち、電気光学装置150に提供すべき維持電圧の種類が三種類で済む。
【0058】
本実施形態では、第一画像から第二画像へと表示を切り替える際に、一枚のフレームを用いていた。この他に、第一画像から第二画像へと表示を切り替える際に、複数のフレーム(第1フレームから第kフレームまでのk枚のフレーム、kは2以上の整数値)を用いて切り替えても良い。次にこの場合の電圧印加方法を述べる。
・黒書き換え画素:k枚のフレーム総てで高電位VH(例として+15V)を供給する。
・白書き換え画素:k枚のフレーム総てで低電位VL(例として−15V)を供給する。
・画素タイプA:k枚のフレーム総てで0Vを供給する。
・画素タイプB:k枚のフレーム総てで0Vを供給する。
・画素タイプC:k枚のフレームの中で少なくとも一枚のフレームには正の小さい電圧(例として+0.5V)を供給する。pを2以上k以下の整数値として、p枚のフレームで正の小さい電圧(例として+0.5V)を供給しても良い。第二画像を形成する為の最終フレーム(第kフレーム)には正の小さい電圧(例として+0.5V)が供給されるのが好ましい。
・画素タイプD:k枚のフレーム総てで0Vを供給する。
・画素タイプE:k枚のフレームの中で少なくとも一枚のフレームには負の小さい電圧(例として−0.5V)を供給する。pを2以上k以下の整数値として、p枚のフレームで負の小さい電圧(例として−0.5V)を供給しても良い。第二画像を形成する為の最終フレーム(第kフレーム)には負の小さい電圧(例として−0.5V)が供給されるのが好ましい。
・画素タイプF:k枚のフレーム総てで0Vを供給する。
【0059】
「電子機器」
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図7及び図8を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0060】
図7は、電子ペーパーの構成を示す斜視図である。図7に示す様に、電子ペーパー400は、本実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部10として備えている。電子ペーパー400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体402を備えて構成されている。
【0061】
図8は、電子ノートの構成を示す斜視図である。図8に示す様に、電子ノート500は、図7で示した電子ペーパー400が複数枚束ねられ、カバー501に挟まれているものである。カバー501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する為の表示データ入力手段(画像信号供給回路130)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0062】
前述した電子ペーパー400及び電子ノート500は、本実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。尚、これらの他に、腕時計や携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
【0063】
「輪郭残像の原因並びに本願効果の理由」
出願人等は輪郭残像の発生原因を鋭意調査研究した。ここではその発生原因を述べると共に、本実施形態による駆動方法が輪郭残像を抑制するのに効果を発する理由を述べる。
【0064】
従来技術の駆動方法では、維持画素の画素電極22には常に0Vが書き込まれていた。一方、維持画素の隣が書き換え画素で有る場合、隣の書き換え画素の画素電極22と維持画素の画素電極22と間には電位差が発生する。電気泳動材料は完全な絶縁体ではなく、僅かに漏れ電流を通す。この為に、書き換え画素の画素電極22から維持画素の画素電極22へと漏れ電流が生じ、維持画素の画素電極電位が当初の0Vから変動していた。例えば、まず、第一画像を作る際に、白から黒への書き換え画素の隣に位置する白の維持画素の表示が僅かに変わって仕舞っていた(僅かに黒くなっていた)。これにより白黒の境界部が滲んで鮮明な輪郭になっていなかった。次に第二画像を表示する際に、第一画像作成時に表示が僅かに黒くなった白の維持画素が、第二画像でも再度維持画素となり、隣が黒から白への書き換え画素の場合に、僅かに黒くなった白の維持画素が輪郭残像として視認されていた。即ち、白黒電気泳動粒子の動作の非対称性の為、滲んだ境界部分を消去しきれず、輪郭部分が残像として残っていた。
【0065】
要するに輪郭残像は、部分書き換え駆動を行った際に、隣り合う画素電極22間に漏れ電流が生じ、維持電圧が変動して境界部が滲み、更に白黒に応じて滲み量が異なる為に輪郭部が残像として発生していた。本実施形態では、この漏れ電流を相殺させる形で維持電圧Vrを印加しているので、輪郭残像が抑制される訳である。
【0066】
輪郭残像の原因である維持電圧の変動ΔVrは、漏れ電流×保持期間(フレーム期間中の非選択期間)/(保持容量25+画素容量)である。画素容量(画素電極22と共通電極23との間の容量)は保持容量25よりも十分に小さく、保持期間はほぼフレーム期間に等しいので、維持電圧の変動ΔVr=漏れ電流×フレーム期間/保持容量と近似される。この式と上述の輪郭残像発生機構とを踏まえた上でキーポイントとなるのは、(1)画素電極22の間の漏れ電流(画素電極22の間が広い程、電気泳動材料24の絶縁性が高い程、輪郭残像は抑制される)、(2)保持容量25(保持容量25の容量が大きい程、輪郭残像は抑制される)、(3)フレーム期間(フレーム期間が短い程、輪郭残像は抑制される)、(4)電気泳動材料24における白黒粒子の動作応答・滲みの非対称性(白黒粒子の動作応答性や滲みが対称である程、輪郭残像は抑制される)、となる事が分かる。
【0067】
一方で、電気光学装置150では画面の大型化と高精細化とが進んでいる。この様に画素数が増え、解像度が高くなる事は画素電極22の間が狭まり、フレーム期間が長くなり、保持容量が低下して行く事を意味する。この為に、輪郭残像はより強まる傾向にある。本実施形態は輪郭残像を抑制するので、大型化や高解像度化が進んだ電気光学装置150で有っても高品位な表示を実現する事ができる。
【0068】
以上述べたように、本実施形態に係る電子機器100(駆動方法)によれば、以下の効果を得ることができる。
大型化や高解像化が進んだ電気光学装置150で有っても白黒境界部の滲みを抑制し、輪郭残像は現れない。即ち、高品位な表示が実現される。併せて、維持電圧Vrの絶対値が小さいので、電気泳動材料24に長時間に渡り直流成分が載る事がなく、その電気的な劣化を抑制できる。従って、本実施形態の駆動方法によれば、所期の画像品位を得る事ができ、且つ電子機器100の製品寿命を延ばす事ができる。又、所期の画像品位と製品寿命とが得られる制御回路140、及び電気光学装置150を提供する事ができる。
【0069】
尚、本実施形態では電気光学装置150の一例として電気泳動表示装置を用いたが、その他の電気光学装置150にも適用可能である。即ち、本実施形態は、画素電極22と対向電極との間に電圧を印加して表示状態を変え、これらの電極間に電圧が掛からなければ表示状態を維持する電気光学装置150全般に適応する事ができる。具体的には帯電微粉末を気相で移動させる電気粉流表示装置やコレステリック液晶を使用した液晶表示装置などに適応できる。
【0070】
(実施形態2)
「維持電圧比例方式」
表3は、実施形態2に係わる電気光学装置の駆動方法を説明する物である。以下、本実施形態に係わる電気光学装置の駆動方法と制御回路とについて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
【0071】
本実施形態(表3)は実施形態1(表2)と比べて、維持電圧の供給形態が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
【0072】
【表3】

【0073】
実施形態1では、表2に示す様に、維持電圧の小さい値は正負の定数(±0.5V)で有った。これに対して、本実施形態では、維持電圧Vrの絶対値が、その周辺画素に於ける書き換え電圧VWの和に比例する。即ち、Vr=−αΣVW、0.01<α<0.1、と表現される。表3にはα=0.0333とした例が電圧単位Vを省略して記載してある。例えば、対象とする画素が白から白への維持画素で、その周辺4画素が総て白から黒への書き換え画素で有る場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は+60Vとなり、維持電圧Vrは−2.0Vとなる。又、白から白への維持画素で、その周辺4画素の内で3画素が白から黒への書き換え画素で、残りの1画素が維持画素で有る場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は+45Vとなり、維持電圧Vrは−1.5Vとなる。或いは維持画素の周辺4画素の内で1画素が白から黒への書き換え画素で、別の1画素が黒から白への書き換え画素で、残りの2画素が維持画素で有る場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は0Vとなり、維持電圧Vrは0Vとなる。同様に、黒から黒への維持画素で、その周辺4画素の内で3画素が黒から白への書き換え画素で、残りの1画素が維持画素で有る場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は−45Vとなり、維持電圧Vrは+1.5Vとなる。又、黒から黒への維持画素で、その周辺4画素が総て黒から白への書き換え画素で有る場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は−60Vとなり、維持電圧Vrは+2.0Vとなる。制御回路140はこうした駆動を実現する。αの範囲に関しては、実験によると、αが0.01よりも大きければ、輪郭残像の発生を抑制でき、αが0.1よりも小さければ、電気泳動材料24の電気的な劣化を抑制できる。尚、実施形態1の様に維持電圧Vrを定める方式を定数方式と名付け、本実施形態の様に維持電圧Vrを定める方式を比例方式と名付ける。
【0074】
以上述べたように、本実施形態に係る駆動方法によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
実施形態1の「輪郭残像の原因並びに本願効果の理由」の章に詳述した様に、境界部の滲みや輪郭残像の主因は、書き換え画素の画素電極22から維持画素の画素電極22への漏れ電流である。この漏れ電流の大小は書き換え電圧VWの和に比例する。従って、それに比例する様に維持電圧Vrの値を設定する事で、実施形態1に比べてより完璧に滲みや輪郭残像といった課題を解決できる。即ち、より完全な形態で、所期の画像品位を得ることができる。
従って、所期の画像品位が得られる制御回路140、および電気泳動表示装置を提供することができる。
【0075】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0076】
(変形例1)
「多階調表示の形態」
表4は、変形例1に係わる電気光学装置の駆動方法を説明する物である。以下、本変形例に係わる電気光学装置の駆動方法と制御回路とについて説明する。尚、実施形態1乃至は実施形態2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
【0077】
本変形例(表4)は実施形態1(表2)や実施形態2(表3)と比べて、階調が多値となっている点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1及び実施形態2とほぼ同様である。
【0078】
【表4】

【0079】
実施形態1や実施形態2は白黒表示で、書き換え電圧VWは高電位VHと低電位VLの二値で有った。これに対して、本変形例では、白黒以外にもその中間階調を有し、書き換え電圧は三値以上の多値となる。具体的には書き換え電圧VWは高電位VH(+15V)と低電位VL(−15V)の他に、高電位側中間電位VMH(+7.5V)や低電位側中間電位VML(−7.5V)を有する。維持電圧Vrはこうした書き換え電圧の和に応じて定められる。即ち、維持画素定数方式では、和の正負の極性に応じて正負の小さい固定値が維持電圧Vrとして定められ、維持画素比例方式では、維持電圧Vrはその周辺画素に於ける書き換え電圧VWの和に比例する。表4には多階調表示時の維持電圧が定数方式と比例方式(α=0.0333)にて、電圧単位Vを省略して記載してある。例えば、対象とする画素が白から白への維持画素で、その周辺3画素が白から黒への書き換え画素で+15Vがそれぞれの画素に印加され、残りの1画素が灰色から黒乃至は白から灰色への書き換え画素で+7.5Vが印加される場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は+52.5Vとなり、維持電圧Vrは定数方式で−0.5V、比例方式で−1.75Vとなる。又、白から白への維持画素で、その周辺4画素の内で3画素が白から黒への書き換え画素で+15Vがそれぞれの画素に印加され、残りの1画素が灰色から白乃至は黒から灰色への書き換え画素で−7.5Vが印加される場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は+37.5Vとなり、維持電圧Vrは定数方式で−0.5V、比例方式で−1.25Vとなる。或いは維持画素の周辺4画素の内で2画素が白から黒への書き換え画素で+15Vがそれぞれの画素に印加され、別の2画素が黒から白への書き換え画素で−15Vがそれぞれの画素に印加される場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は0Vとなり、維持電圧Vrは0Vとなる。同様に、黒から黒への維持画素で、その周辺3画素が黒から白への書き換え画素で−15Vがそれぞれの画素に印加され、残りの1画素が灰色から白乃至は黒から灰色への書き換え画素で−7.5Vが印加される場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は−52.5Vとなり、維持電圧Vrは定数方式で+0.5V、比例方式で+1.75Vとなる。又、黒から黒への維持画素で、その周辺4画素の内で3画素が黒から白への書き換え画素で−15Vがそれぞれの画素に印加され、残りの1画素が灰色から黒乃至は白から灰色への書き換え画素で+7.5Vが印加される場合、周辺4画素に於ける書き換え電圧VWの和は−37.5Vとなり、維持電圧Vrは定数方式で+0.5V、比例方式で+1.25Vとなる。制御回路140はこうした駆動を実現する。
【0080】
以上述べたように、本変形例に係る駆動方法によれば、実施形態1乃至は2での効果に加えて、多階調表示を行っても、滲みや輪郭残像といった課題を解決できる。即ち、より完全な形態で、所期の画像品位を得ることができる。
従って、所期の画像品位が得られる制御回路140、および電気泳動表示装置を提供することができる。
【0081】
(変形例2)
「多角形画素の形態」
表5と表6とは、変形例2に係わる電気光学装置の駆動方法を説明する物である。以下、本変形例に係わる電気光学装置の駆動方法と制御回路とについて説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
【0082】
本変形例(表5、表6)は実施形態1(表2)と比べて、画素20の形状が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1及び実施形態2とほぼ同様である。実施形態1や実施形態2では画素20の形状は四角形で有った。これに対して、本変形例では、画素20の形状は多角形となる。画素20の形状は同一多角形で平面を充填できる三角形や四角形、六角形が好ましい。この他にも異なった形状の五角形でも平面を充填できるので、五角形の画素20も可能である。更には複数種類の多角形を画素20として組み合わせても良い。本変形例では画素20の形状が三角形と六角形との場合を説明する。
【0083】
表5は画素形状が正三角形の場合に於ける維持電位Vrを定数方式と比例方式とで表している。正三角形の画素形状では隣り合う画素数は3個となる。これらの画素への書き換え電圧Vwの和に応じて、維持電位Vrを定める。例えば、白から白への維持画素で、その周辺3画素の内で2画素が白から黒への書き換え画素でそれぞれ+15Vが印加され、残りの1画素が維持画素で有る場合、周辺3画素に於ける書き換え電圧VWの和は+30Vとなり、維持電圧Vrは、定数方式で−0.5V、比例方式で−1.0Vとなる。
【0084】
【表5】

【0085】
表6は画素形状が正六角形の場合に於ける維持電位Vrを定数方式と比例方式とで表している。正六角形の画素形状では隣り合う画素数は6個となる。これらの画素への書き換え電圧Vwの和に応じて、維持電位Vrを定める。例えば、白から白への維持画素で、その周辺6画素の内で4画素が白から黒への書き換え画素でそれぞれ+15Vが印加され、残りの2画素の内で1画素が維持画素で、もう1画素が黒から白への書き換え画素で−15Vが印加され場合、周辺3画素に於ける書き換え電圧VWの和は+45Vとなり、維持電圧Vrは、定数方式で−0.5V、比例方式で−1.5Vとなる。
【0086】
【表6】

【0087】
尚、正多角形以外の画素形状の場合、維持画素の総ての辺の長さの和に対する、隣画素との辺の長さの比に応じて隣画素からの寄与を定め、それに応じて周辺画素への書き換え電圧Vwの和を取るのが好ましい。例えば、隣画素3と隣画素6とに接する辺がその他の辺に比べて3倍長ければ、表6で隣画素3の列と隣画素6の列の電圧を3倍として、周辺画素からの和を取り、これに応じて維持電圧Vrを定める。同様に、実施形態1でも、画素電極22が縦横比1:3の縦長の長方形で有る場合、長辺に隣り合う左右の画素からの寄与度を短辺に隣り合う上下の画素からの寄与度の3倍として、周辺画素への書き換え電圧Vwの和を取るのが好ましい。
【0088】
以上述べたように、本変形例に係る駆動方法によれば、実施形態1乃至は2での効果に加えて、様々な画素形状であっても、滲みや輪郭残像といった課題を解決できる。即ち、より完全な形態で、所期の画像品位を得ることができる。
従って、所期の画像品位が得られる制御回路140、および電気泳動表示装置を提供することができる。
【0089】
(変形例3)
「共通電位がゼロでない形態」
図6を用いて、本変形例に係わる電気光学装置の駆動方法と制御回路とについて説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
【0090】
本変形例は実施形態1や実施形態2と比べて、共通電位がゼロでない点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1及び実施形態2とほぼ同様である。
【0091】
実施形態1や実施形態2では共通電位がゼロであり、低電位VL等が負の値を取った。これに対して、本変形例では、最も低い電位をゼロとする様に電位全体をずらす。高電位VHも低電位VLも維持電位Vrも総て共通電位Vcomに対する相対電位であるので、低電位VLがゼロとなる様に総ての電位を正にシフトさせる。具体的には、Vcom=+15Vとし、総ての電位はこれを基準とする。例えば、高電位VHとして実際に画素電極22に供給する電位はVcom+15V=30Vとし、低電位VLとして実際に画素電極22に供給する電位はVcom−15V=0Vとし、+0.5Vに相当する維持電圧Vrとして実際に画素電極22に供給する電位はVcom+0.5V=15.5Vとし、0Vに相当する維持電圧Vrとして実際に画素電極22に供給する電位はVcom+0V=15Vとし、−0.5Vに相当する維持電圧Vrとして実際に画素電極22に供給する電位はVcom−0.5V=14.5Vとする。この様にシステムで用いられる電圧を総てゼロ以上の正の値にしても良い。電子機器100を構成する上で、負の電圧を準備するのが困難な場合がある。こうした際には、本変形例が示す様に総ての電位がゼロ以上となる様に電位関係全体を平行移動させても良い。
【0092】
以上述べたように、本変形例に係る駆動方法によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
正負の両極性の電圧を準備する必要がなくなり、電子機器100に供給する電源体系を簡略化する事ができる。
【符号の説明】
【0093】
10…表示部、20…画素、21…画素スイッチング用トランジスター、22…画素電極、23…共通電極、24…電気泳動材料、25…保持容量、30…走査線、40…データ線、50…共通電位線、60…制御部、70…駆動回路、71…コントローラー、72…走査線駆動回路、73…データ線駆動回路、74…共通電位供給回路、80…画像信号処理部、90…記憶部、100…電子機器、110…フレームメモリー、120…操作部、130…画像信号供給回路、140…制御回路、150…電気光学装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備えた表示部に第一画像を表示する工程と、
前記第一画像に引き続いて表示される第二画像と前記第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と、表示が維持される維持画素と、を選別する工程と、
前記書き換え画素に印加される書き換え電圧を設定する工程と、
前記維持画素に隣り合う画素の前記書き換え電圧の和を取る工程と、
前記書き換え電圧の和に応じて前記維持画素に印加される維持電圧を定める工程と、
前記書き換え電圧と前記維持電圧とを用いて、前記表示部に前記第二画像を表示する工程と、を含む事を特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項2】
前記書き換え電圧の和がゼロでなく、前記維持画素の表示と同種類の表示に相当しない場合には、前記維持電圧を前記書き換え電圧の和と逆極性にする事を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項3】
前記書き換え電圧の絶対値よりも前記維持電圧の絶対値の方が小さい事を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項4】
前記維持電圧の絶対値が、前記書き換え電圧の絶対値の100分の1から10分の1の範囲に有る事を特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項5】
前記維持電圧の絶対値が、前記書き換え電圧の和に比例する事を特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項6】
前記書き換え電圧が二値で有る事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項7】
前記書き換え電圧が三値以上の多値で有る事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項8】
前記書き換え電圧の和がゼロでなく、前記維持画素の表示と同種類の表示に相当する場合には、前記維持電圧はゼロで有る事を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項9】
前記書き換え電圧の和がゼロの場合には、前記維持電圧はゼロで有る事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の駆動方法により、前記表示部を表示駆動する事を特徴とする電気光学装置の制御回路。
【請求項11】
第一画像に引き続いて表示される第二画像と前記第一画像とを比較して、表示が書き換えられる書き換え画素と、表示が維持される維持画素と、を選別する選別機能と、
前記書き換え画素に印加される書き換え電圧を設定する第一設定機能と、
前記維持画素に隣り合う画素の前記書き換え電圧の和と前記維持画素の表示状態に応じて判断を分ける判断機能と、
前記判断機能の判断結果に応じて、前記第二画像にて前記維持画素に印加される維持電圧を定める第二設定機能と、
前記書き換え電圧と前記維持電圧とを用いて、表示部に前記第二画像を表示する駆動機能と、を有する事を特徴とする電気光学装置の制御回路。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の制御回路を備えた事を特徴とする電気光学装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−237922(P2012−237922A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107942(P2011−107942)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】