説明

電気刺激装置

【課題】関節の固定と筋力の低下の抑制とを両立することのできる電気刺激装置を提供する。
【解決手段】この電気刺激装置は、関節を跨ぐ筋肉である関節跨坐筋を含む人体の部位に装着するためのサポータ20を含む。サポータ20には関節跨坐筋に電流を流すための複数の電極部31〜33が設けられている。各電極部31〜33はそれぞれ、大腿60および下腿70の関節跨坐筋に対応する位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関節の痛みをやわらげる一般的な方法として、サポータを用いて関節を固定することにより、関節痛の主な原因である関節の急激な変位や関節のずれを防ぐものが知られている。
【0003】
特許文献1には、その一例として、膝の伸展および屈曲が繰り返された場合でも膝関節にフィットした状態を保持するためのサポータが開示されている。
関節の痛みをやわらげる別の方法として、関節付近の筋肉に電気刺激を与えて筋力を増強させる方法が知られている。
【0004】
特許文献2には、その一例として、主動筋および拮抗筋がそれぞれ収縮および伸長しているときに電気刺激を付与して拮抗筋を収縮させることにより、筋力を増強させる方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、パルス信号により適用部位のウォームアップ、筋肉の活性化および筋肉の引き締め等を実行することにより、筋力を増強させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−9362号公報
【特許文献2】特許第3026007号
【特許文献3】特開2001−333990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の各方法には、それぞれ次の問題がある。
サポータを用いる方法によれば、サポータが膝等の関節を保護する大腿四頭筋等の役割を補助的に担うため、長時間にわたり使用し続けたときにはサポータによって補われていた分の筋力が低下する。
【0008】
また、電気刺激を付与して筋力を増強させる方法によれば、関節の痛みが軽減される程度に筋力が増強されるまでは関節の痛みが十分に軽減されないため、日常生活においてユーザにかかる負担が大きい。また、関節付近の筋力が増強されたとしても、主動筋および拮抗筋が伸縮しないユーザの動作(例えば階段を降りる動作)が行われた場合には、関節に負荷がかかるために痛みを感じる。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、関節の固定と筋力の低下の抑制とを両立することのできる電気刺激装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
・本発明の電気刺激装置は、筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置において、関節を跨ぐ筋肉である関節跨坐筋を含む人体の部位に装着される装着部と、この装着部に設けられて前記関節跨坐筋に電流を流すための電極部とを含むことを特徴とする。
【0011】
・この電気刺激装置においては、前記装着部として、上肢に装着される上肢装着部および下肢に装着される下肢装着部の少なくとも一方が設けられ、前記上肢装着部は、前記上肢の上腕において関節跨坐筋を含む部位に装着される第1上肢装着部と、前記上肢の下腕において関節跨坐筋を含む部位に装着される第2上肢装着部とを含み、前記下肢装着部は、前記下肢の大腿において関節跨坐筋を含む部位に装着される第1下肢装着部と、前記下肢の下腿において関節跨坐筋を含む部位に装着される第2下肢装着部とを含むことが好ましい。
【0012】
・この電気刺激装置においては、関節の伸展および屈曲による関節の変位を検出する関節変位検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、この制御手段は、前記関節変位検出手段の検出結果に基づいて前記電極部による前記関節跨坐筋への通電態様を制御することが好ましい。
【0013】
・この電気刺激装置においては、生体の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、この制御手段は、前記動作状態検出手段の検出結果に基づいて前記電極部から前記関節跨坐筋への電流の通電態様を制御することが好ましい。
【0014】
・この電気刺激装置においては、前記電極部は、前記関節跨坐筋のうちの関節の回旋に寄与するものを関節回旋筋として、前記装着部において同関節回旋筋と対応する部位に設けられ、当該電気刺激装置は、関節の回旋を検出する関節回旋検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、この制御手段は、前記関節回旋検出手段の検出結果に基づいて前記電極部から前記関節回旋筋への電流の通電態様を制御することが好ましい。
【0015】
・この電気刺激装置においては、生体に電気刺激を付与するためのモードとして、生体を動作させることにより筋力を増強するための電気刺激を付与するモードAと、前記関節跨坐筋により関節を固定するための電気刺激を付与するモードBとを含むことが好ましい。
【0016】
・この電気刺激装置においては、生体に電気刺激を付与するためのモードとして、疼痛を緩和するための電気刺激を付与するモードCと、生体を動作させることなく筋力を増強するための電気刺激を付与するモードDとを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、関節の固定と筋力の低下の抑制とを両立することのできる電気刺激装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の電気刺激装置について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)はその背面構造を示す背面図。
【図2】同実施形態の電気刺激装置の構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電気刺激装置について、(a)は大腿四頭筋と電極部との位置関係を示す大腿の正面図、(b)はハムストリングと電極部との位置関係を示す大腿の背面図、(c)は腓腹筋と電極部との位置関係を示す下腿の背面図。
【図4】同実施形態の電気刺激装置の刺激付与部が装着されたユーザの下肢について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)はその背面構造を示す背面図。
【図5】本発明のその他の実施形態の電気刺激装置について、(a)は下腿屈曲筋肉群と電極部との位置関係を示す背面図、(b)は下腿伸筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(c)は下腿腓骨筋群と電極部との位置関係を示す正面図。
【図6】本発明のその他の実施形態の電気刺激装置について、(a)は股関節内転筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(b)はハムストリングと電極部との位置関係を示す正面図、(c)は大殿筋と電極部との位置関係を示す背面図、(d)は股関節内転筋群と電極部との位置関係を示す正面図。
【図7】本発明のその他の実施形態の電気刺激装置について、(a)は肘屈曲筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(b)は肘伸展筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(c)は指伸展筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(d)は指屈曲筋群と電極部との位置関係を示す側面図。
【図8】本発明のその他の実施形態の電気刺激装置について、(a)は肩挙上回旋筋群と電極部との位置関係を示す正面図、(b)肩挙上回旋筋群と電極部との位置関係を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では左右の下肢のそれぞれに装着するサポータ型の電気刺激装置として本発明を具体化した一例を示している。
【0020】
図1に、電気刺激装置1の正面構造および背面構造を示す。
電気刺激装置1は、右下肢に電気刺激を付与する刺激付与部10と、左下肢に電気刺激を付与する刺激付与部(図示略)と、各刺激付与部による下肢への電気刺激の付与態様を制御する刺激制御部40とを含む。
【0021】
右下肢用の刺激付与部10は、その本体となるサポータ20と、複数の電極部すなわち第1電極部31および第2電極部32および第3電極部33とを含む。左下肢用の刺激付与部は、右下肢用の刺激付与部10のサポータ20の構造および各電極部の配置が左下肢に対応するように変更されたものに相当し、右下肢用の刺激付与部10と実質的に同じ構造を有する。このため、以下では左下肢用の刺激付与部についての説明を省略し、右下肢用および左下肢用の刺激付与部の総称として「刺激付与部10」を用いる。
【0022】
サポータ20には、大腿の正面を覆う大腿正面部21と、下腿の正面を覆う下腿正面部22と、大腿の背面を覆う第1大腿背面部23と、第1大腿背面部23に重ね合わせられる第2大腿背面部24とが設けられている。また、下腿の背面を覆う第1下腿背面部25と、第1下腿背面部25に重ね合わせられる第2下腿背面部26と、膝関節の正面を覆う膝部27とが設けられている。
【0023】
第1大腿背面部23には、面ファスナのループ面28Aが設けられている。第2大腿背面部24には、面ファスナのフック面28Bが設けられている。第1下腿背面部25には、面ファスナのループ面29Aが設けられている。第2下腿背面部26には、面ファスナのフック面29Bが設けられている。膝部27には、膝関節を曲げやすくするための穴27Aが設けられている。
【0024】
面ファスナのループ面28Aが面ファスナのフック面28Bに取り付けられることにより、大腿正面部21、第1大腿背面部23および第2大腿背面部24が大腿の周囲に固定される。
【0025】
面ファスナのループ面29Aが面ファスナのフック面29Bに取り付けられることにより、下腿正面部22および第1下腿背面部25および第2下腿背面部26が下腿に固定される。
【0026】
各電極部31〜33は、ユーザの皮膚と直接的に接触するようにサポータ20の裏面側において露出している。また、導電線39を介して刺激制御部40と電気的に接続されている。第1電極部31は、大腿正面部21に設けられている。第2電極部32は、第2大腿背面部24に設けられている。第3電極部33は、第2下腿背面部26に設けられている。
【0027】
図2を参照して、刺激制御部40の構造について説明する。
刺激制御部40には、パルス信号を出力するパルス発生部51と、刺激制御部40のスイッチのオンおよびオフを切り換えるための操作部52と、刺激付与部10による下肢への通電態様を切り換えるための切換部53とが設けられている。また、刺激制御部40の各構成要素に電力を供給する電源部54と、各電極部31〜33を制御するためのプログラムが予め記憶された記憶部55と、電気刺激を付与している部位およびその強さを示す情報等を表示するための表示部56とが設けられている。また、関節の変位を検出する関節変位検出センサ41と、関節の回旋を検出する関節回旋検出センサ42と、生体の動作状態を検出する動作状態検出センサ43とが設けられている。
【0028】
出力制御部50は、マイクロコンピュータを含めて構成されている。また、操作部52、切換部53、関節変位検出センサ41、関節回旋検出センサ42および動作状態検出センサ43から入力された信号に基づいて各電極部31〜33の通電態様を制御する。通電態様の制御は、複数のモードのそれぞれに対応して予め記憶されているプログラムに基づいて行われる。切換部53の操作により複数のモードのいずれかが選択されているとき、出力制御部50は選択されているモードに対応した各電極部31〜33の通電制御を行う。各電極部31〜33の制御においては、印加する電流の大きさおよび周波数の調整が行われる。
【0029】
操作部52には、刺激制御部40の電源をオンおよびオフするためのスイッチ等と、各種の設定を行うためのスイッチおよびダイヤルとが設けられている。切換部53には、複数のモードに対応した複数の操作位置が設けられている。
【0030】
通電制御のモードとしては、次のモードA〜Eが予め用意されている。
モードAは、生体を動作させることにより筋力を増強するための電気刺激を付与するモードとして設定されている。モードBは、関節跨坐筋を刺激して関節を固定するための電気刺激を付与するモードとして設定されている。モードCは、疼痛を緩和するための電気刺激を付与するためのモードとして設定されている。モードDは、生体を動作させることなく筋力を増強するための電気刺激を付与するモードとして設定されている。モードEは、各センサ41〜43の出力に基づいて通電態様を制御するモードとして設定されている。
【0031】
関節変位検出センサ41は、膝関節の変位を検出する。膝関節の変位とは次のものをいう。すなわち、ユーザが膝関節を伸ばした状態を中立変位状態として、この状態から膝関節が曲げられる動作を関節の変位という。
【0032】
関節回旋検出センサ42は、膝関節の回旋および回旋方向を検出する。膝関節の回旋とは次のものをいう。すなわち、ユーザが膝関節に力を入れていない状態を中立回旋状態として、この状態から下肢の軸周りで膝関節が回旋する動作を膝関節の回旋という。以下では、膝関節が内側から外側に向けて回旋する動作を「外旋」とし、膝関節が外側から内側に向けて回旋する動作を「内旋」とする。
【0033】
動作状態検出センサ43は、生体の動作状態を検出する。生体の動作状態とは次のものをいう。すなわち、生体が直立した状態を中立生体状態として、この状態から生体が動作することにより膝関節に負荷がかかる状態を生体の動作状態という。
【0034】
動作状態検出センサ43としては、回転センサおよび加速度センサおよび圧力センサおよび角度センサが設けられている。生体が動作したときには、膝関節の変位および加速度および生体の所定部位にかかる圧力および四肢の角度の少なくとも1つの変化が動作状態検出センサ43に反映される。このため、動作状態検出センサ43の検出結果に基づいて、生体の動作が膝関節に負荷をかけるような動作か否かを確認することができる。
【0035】
図3を参照して、下肢の筋肉および各電極部31〜33の位置について説明する。
大腿60を構成する筋肉には、大腿四頭筋61、半腱様筋63、大腿二頭筋64および半膜様筋65が含まれている。半腱様筋63、大腿二頭筋64および半膜様筋65については、これら筋肉をひとまとめにしてハムストリング62と称される。下腿70を構成する筋肉には、腓腹筋71が含まれている。
【0036】
下肢の筋肉のうちの大腿四頭筋61、ハムストリング62および腓腹筋71は、下肢の膝関節を跨ぐ筋肉(関節跨坐筋)となる。このため、これら筋肉の少なくとも1つが収縮したときには膝関節の変位が小さくなる方向に力が働く。すなわち、大腿四頭筋61およびハムストリング62が収縮したときには、膝関節を上側に引っ張ることにより膝関節を中立変位状態に戻そうとする力が働く。また、腓腹筋71が収縮したときには、膝関節を下側に引っ張ることにより膝関節を中立変位状態に戻そうとする力が働く。
【0037】
関節跨坐筋のうちの大腿四頭筋61およびハムストリング62は、膝関節の回旋に寄与する筋肉(関節回旋筋)となる。このため、これら筋肉の少なくとも1つが収縮したときには、膝関節の回旋が小さくなる方向に力が働く。すなわち、大腿四頭筋61およびハムストリング62が収縮したときには、膝関節を外旋した状態または内旋した状態から中立回旋状態に戻そうとする力が働く。
【0038】
ユーザの下肢に刺激付与部10が装着されたとき、第1電極部31のプラス極およびマイナス極がそれぞれ大腿四頭筋61と対応する下肢の皮膚に接触した状態に保持される。また、第2電極部32のプラス極およびマイナス極がそれぞれハムストリング62と対応する下肢の皮膚と接触した状態に保持される。また、第3電極部33のプラス極およびマイナス極がそれぞれ腓腹筋71と対応する下肢の皮膚に接触した状態に保持される。
【0039】
図4に、刺激付与部10が装着されたユーザの右下肢を示す。
ユーザは次の手順で電気刺激装置1を使用することができる。
(手順1)右下肢および左下肢に刺激付与部10を装着する。
(手順2)操作部52を操作して電源をオンにする。
(手順3)必要に応じて切換部53を操作してモードを切り換える。
(手順4)操作部52を操作して電源をオフにする。
(手順5)右下肢および左下肢から刺激付与部10を取り外す。
【0040】
第1電極部31から大腿60に電流が流されているとき、大腿四頭筋61に電気刺激が付与される。これにより、大腿四頭筋61が収縮するため、膝関節を上方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、第1電極部31から大腿60に電流が流されていないときと比較して、膝関節を固定する力が強くなる。大腿四頭筋61が収縮したときには、特に膝関節の下方および前方へのずれが抑制される。
【0041】
第2電極部32から大腿60に電流が流されているとき、ハムストリング62に電気刺激が付与される。これにより、ハムストリング62が収縮するため、膝関節を上方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、第2電極部32から大腿60に電流が流されていないときと比較して、膝関節を固定する力が強くなる。ハムストリング62が収縮したときには、特に膝関節の左右方向へのずれが抑制される。
【0042】
第3電極部33から下腿70に電流が流されているとき、腓腹筋71に電気刺激が付与される。これにより、腓腹筋71が収縮するため、膝関節を下方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、第3電極部33から下腿70に電流が流されていないときに比べて、膝関節を固定する力が強くなる。腓腹筋71が収縮したときには、特に膝関節の下方および前方へのずれ並びに左右方向へのずれが抑制される。
【0043】
第1電極部31と第3電極部33とにより下肢に電気刺激が付与されているとき、膝関節を上方に引っ張る力および膝関節を下方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、各電極部31〜33の1つのみにより下肢に電気刺激が付与されているときと比較して、膝関節を固定する力が強くなる。
【0044】
第2電極部32と第3電極部33とにより下肢に電気刺激が付与されているとき、膝関節を上方に引っ張る力および膝関節を下方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、各電極部31〜33の1つのみにより下肢に電気刺激が付与されているときと比較して、膝関節を固定する力が強くなる。
【0045】
第1電極部31および第2電極部32と第3電極部33とにより下肢に電気刺激が付与されているとき、膝関節を上方に引っ張る力および膝関節を下方に引っ張る力が膝関節に加えられる。従って、各電極部31〜33の1つまたは2つにより下肢に電気刺激が付与されているときと比較して、膝関節を固定する力が強くなる。
【0046】
刺激制御部40による刺激付与部10の制御態様を以下の(A)〜(E)に示す。
(A)切換部53の操作位置がモードAに対応した操作位置に設定されているとき、第1電極部31による大腿四頭筋61への電気刺激の付与と、第2電極部32によるハムストリング62への電気刺激の付与とを交互に繰り返す。
【0047】
また、膝関節を伸展および屈曲させる筋肉である主動筋(大腿四頭筋61)が収縮しているとき、伸張している拮抗筋(ハムストリング62)に電気刺激を付与する。すなわち、生体の動作による関節跨坐筋の収縮に応じて、収縮していない関節跨坐筋に電気刺激を付与して収縮方向への抵抗を与える。これにより、ハムストリング62の収縮方向への抵抗が大きくなるため、筋力の増強が図られる。
【0048】
(B)切換部53の操作位置がモードBに対応した操作位置に設定されているとき、第1電極部31および第2電極部32による大腿60への電気刺激の付与と、第3電極部33による下腿70への電気刺激の付与とを併せて行う。これにより、関節跨坐筋が収縮するため、膝関節を固定する力が強くなる。
【0049】
(C)切換部53の操作位置がモードCに対応した操作位置に設定されているとき、各電極部31〜33の少なくとも1つにより大腿60または下腿70への低周波のパルス電流の付与を継続して行う。このとき、各電極部31〜33から大腿60または下腿70に供給される電流の大きさは、モードAのときよりも小さい。これにより、下肢に微弱な電気刺激が継続して付与されるため、疼痛が緩和される。
【0050】
(D)切換部53の操作位置がモードDに対応した操作位置に設定されているとき、各電極部31〜33の少なくとも1つにより大腿60または下腿70への電気刺激の付与を継続して行う。このとき、各電極部31〜33から大腿60または下腿70に供給される電流の大きさは、モードCよりも大きくかつモードAおよびモードBよりも小さい。これにより、下肢に弱い電気刺激が継続して付与されるため、下肢が動作することなく筋力が増強される。
【0051】
(E)切換部53の操作位置がモードEに対応した操作位置に設定されているとき、各センサ41〜43の検出結果に基づいて大腿60または下腿70への電気刺激の付与を行う。具体的には以下の(E1)〜(E3)のように通電制御を行う。
【0052】
(E1)関節変位検出センサ41の検出結果に基づいて、膝関節の変位が所定量よりも小さい旨判定したとき、すなわち膝関節にかかる負荷が小さいと予測されるとき、各電極部31〜33による関節跨坐筋への通電を行わない。一方、関節変位検出センサ41の検出結果に基づいて、膝関節の変位が所定量と同じまたはこれよりも大きい旨判定したとき、すなわち膝関節にかかる負荷が大きいと予測されるとき、各電極部31〜33の少なくとも1つにより関節跨坐筋への通電を行う。このときの通電態様として、膝関節の変位量が大きくなるにつれて各電極部31〜33による電流の供給量を大きくするもの、および膝関節の変位量によらず一定の電流を供給するものが挙げられる。
【0053】
(E2)関節回旋検出センサ42の検出結果に基づいて、膝関節の回旋が所定量よりも小さい旨判定したとき、すなわち膝関節にかかる負荷が小さいと予測されるとき、各電極部31および32による関節回旋筋への通電を行わない。一方、関節回旋検出センサ42の検出結果に基づいて、膝関節の回旋が所定量と同じまたはこれよりも大きい旨判定したとき、すなわち膝関節にかかる負荷が大きいと予測されるとき、各電極部31および32の少なくとも一方により関節回旋筋への通電を行う。このときの通電態様として、膝関節の回旋量が大きくなるにつれて各電極部31および32による電流の供給量を大きくするもの、および膝関節の回旋量によらず一定の電流を供給するものが挙げられる。
【0054】
(E3)動作状態検出センサ43の検出結果に基づいて、ユーザが膝関節に負荷がかかる動作を行わない旨判定したとき、各電極部31〜33による関節跨坐筋への通電を行わない。一方、動作状態検出センサ43の検出結果に基づいて、ユーザが膝関節に負荷がかかる動作を行う旨判定したとき、各電極部31〜33の少なくとも1つにより関節跨坐筋への通電を行う。なお、膝関節に負荷がかかる動作としては、歩行および階段の下り動作および立ち上がる動作および座る動作が挙げられる。
【0055】
本実施形態よれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)電気刺激装置1においては、関節跨坐筋を含む人体の部位に装着されるサポータ20と、このサポータ20に設けられて関節跨坐筋に電流を流すための複数の電極部31〜33とが設けられている。
【0056】
この構成によれば、関節跨坐筋に電流を流すことにより、関節跨坐筋を刺激することができる。関節跨坐筋が刺激されたときには同筋肉が収縮するため、関節跨坐筋に対応する膝関節が変位しにくくなる。これにより、ユーザが電気刺激装置1を装着した状態において電流が供給されたときには、電流が供給されていないときと比較して膝関節を固定する力が強くなるため、膝関節のずれを低減することができる。また、関節跨坐筋に電流を供給することによりこのような膝関節の固定が行われるため、電流を供給することなく膝関節を固定するタイプのサポータと比較して、ユーザの筋力の低下を抑制することができる。
【0057】
(2)電気刺激装置1においては、刺激付与部10として、大腿60および下腿70に装着されるサポータ20が設けられている。サポータ20は、大腿60において関節跨坐筋を含む部位に装着される大腿正面部21と第1大腿背面部23と第2大腿背面部24とを含む。また、下腿70において関節跨坐筋を含む部位に装着される下腿正面部22と第1下腿背面部25と第2下腿背面部26とを含む。
【0058】
この構成により、大腿60および下腿70の関節跨坐筋に電流を流すことができるため、大腿60および下腿70のいずれか一方の関節跨坐筋に電流を流す構成と比べて、膝関節を固定する力がより強くなる。これにより、膝関節のずれを低減する効果がより高められる。
【0059】
(3)電気刺激装置1においては、関節の伸展および屈曲による関節の変位を検出する関節変位検出センサ41と、各電極部31〜33による生体への通電態様を制御する出力制御部50とが設けられている。出力制御部50は、関節変位検出センサ41の検出結果に基づいて、各電極部31〜33による関節跨坐筋への通電態様を制御する。
【0060】
一般に、筋肉に電気刺激が付与されたとき、筋肉の速筋繊維が反応して筋肉の活動度合が高められる。しかし、速筋繊維は疲労しやすいため、電気刺激が過度に付与されたときには人体への負担が大きい。一方、膝関節にかかる負担は膝関節の変位に応じて異なるとともに、膝関節が中立変位状態のときに最も負担がかかりにくい。
【0061】
上記構成によれば、関節変位検出センサ41の検出結果に基づいて通電態様を制御しているため、関節を固定する必要がないときには膝関節への通電を停止することにより速筋繊維の疲労を低減することができる。これにより、睡眠中等のようにユーザの無意識のときに通電しても速筋繊維の疲労をまねくおそれが低いため、ユーザが無意識のときにも通電による膝関節の固定を行うことができる。これにより、膝関節のずれを低減する効果がより高められる。
【0062】
(4)電気刺激装置1においては、生体の動作状態を検出する動作状態検出センサ43と、各電極部31〜33による生体への通電態様を制御する出力制御部50とが設けられている。出力制御部50は、動作状態検出センサ43の検出結果に基づいて、各電極部31〜33による関節跨坐筋への電流の通電態様を変更している。
【0063】
例えば、ユーザが階段を下りるときには、膝関節が中立変位状態にあり関節跨坐筋が活動していない。このため、片足の膝に体重がかかるときに膝痛がおこる。また、関節跨坐筋が活動していないため、筋肉の状態をセンシングしているだけでは、膝関節の動作を適切に把握することができない。
【0064】
上記構成によれば、ユーザの動作状態を検出しているため、例えばユーザが階段を下りる動作を行う場合に膝関節が中立変位状態にあるとき、膝関節に大きな負荷がかかることを予め把握することができる。これにより、関節跨坐筋に電流が流されて膝関節が固定されるため、膝関節のずれを低減する効果がより高められる。
【0065】
(5)電気刺激装置1においては、関節の回旋を検出するための関節回旋検出センサ42と、各電極部31〜33による生体への通電態様を制御する出力制御部50とが設けられている。出力制御部50は、関節回旋検出センサ42の検出結果に基づいて各電極部31〜33から関節回旋筋への電流の通電態様を制御している。この構成によれば、大腿60の関節回旋筋に電流を流すことにより関節を固定することができるため、膝関節の回旋による痛みを低減することができる。
【0066】
(6)電気刺激装置1においては、人体に電気刺激を付与するためのモードとして、生体を動作させることにより筋力を増強するための電気刺激を付与するモードAと、関節跨坐筋を刺激して関節を固定するための電気刺激を付与するモードBとが設けられている。この構成によれば、モードAではユーザが運動や日常生活をしながら筋力を増強させることができる。また、モードBでは関節跨坐筋に電流を流すことにより膝関節の固定が行われるため、膝の痛みを低減することができる。
【0067】
(7)電気刺激装置1においては、生体に電気刺激を付与するためのモードとして、疼痛を緩和するための電気刺激の付与を行うモードCと、生体を動作させることなく筋力量を増加するための電気刺激の付与を行うモードDが設けられている。この構成によれば、モードCでは低周波のパルス電流を与えることにより、疼痛を緩和することができる。また、モードDでは電気刺激を継続して与えることにより、ユーザが下肢を動かさなくとも筋力の増強を図ることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて例示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0069】
・上記実施形態では、ハムストリング62を構成する半腱様筋63、大腿二頭筋64および半膜様筋65の全部に電流を流すことができるように第2電極部32を構成しているが、次のように変更することもできる。すなわち、半腱様筋63、大腿二頭筋64および半膜様筋65の1つのみまたは2つのみに電流を流すことができるように第2電極32を構成することもできる。
【0070】
・上記実施形態では、大腿四頭筋61、ハムストリング62および腓腹筋71のそれぞれに対応させて第1電極部31〜第3電極部33を設けているが、各電極部31〜33の1つまたは2つを省略することもできる。
【0071】
・上記実施形態では、膝関節を固定するための複数の電極部31〜33を設けているが、以下の(A)〜(D)に示されるように、膝関節とは別の関節を固定するための電極部を設けることもできる。下記の各電極部は、各電極部31〜33の全部に代えて、または各電極部31〜33のいずれか1つまたは2つに代えて、または各電極部31〜33に加えて設けることができる。
【0072】
(A)図5に示されるように、足関節を固定するための第4電極部を設けることもできる。第4電極部としては、下腿の背面に対応した図5(a)の電極部34Aと、下腿の正面に対応した図5(b)の電極部34Bと、下腿の正面に対応した図5(c)の電極部34Cとの少なくとも1つを設けることができる。図5(a)の電極部34Aは、腓腹筋をはじめとする複数の下腿屈曲筋群72に電流を流すための電極部として設けられる。図5の(b)の電極部34Bは、下腿伸筋群73に電流を流すための電極部として設けられる。図5(c)の電極部34Cは、下腿腓骨筋群74に電流を流すための電極部として設けられる。なお、複数の下腿屈曲筋群72および下腿伸筋群73および下腿腓骨筋群74は、いずれも足関節についての関節跨坐筋となる。
【0073】
(B)図6に示されるように、股関節を固定するための第5電極部を設けることもできる。第5電極部としては、大腿の正面に対応した図6(a)の電極部35Aと、大腿の背面に対応した図6(b)の電極部35Bと、殿部に対応した図6(c)の電極部35Cと、骨盤の正面に対応した図6(d)の電極部35Dとの少なくとも1つを設けることができる。図6(a)の電極部35Aは、股関節内転筋群66に電流を流すための電極部として設けられる。図6(b)の電極部35Bは、ハムストリング62に電流を流すための電極部として設けられる。図6(c)の電極部35Cは、大臀筋67に電流を流すための電極部として設けられる。図6(d)の電極部35Dは、股関節屈曲筋群68に電流を流すための電極部としても設けられる。なお、股関節内転筋群66およびハムストリング62および大臀筋67および股関節屈曲筋群68は、いずれも股関節についての関節跨坐筋となる。
【0074】
(C)図7に示されるように、肘関節を固定するための第6電極部を設けることもできる。第6電極部としては、上腕の側面に対応する図7(a)の電極部36Aと、上腕の正面に対応する図7(b)の電極部36Bと、下腕の外側に対応する図7(c)の電極部36Cと、下腕の側面に対応する図7(d)の電極部36Dとの少なくとも1つを設けることができる。図7(a)の電極部36Aは、肘屈曲筋群81に電流を流すための電極部として設けられる。図7(b)の電極部36Bは、肘伸展筋群82に電流を流すための電極部として設けられる。図7(c)の電極部36Cは、指伸展筋群91に電流を流すための電極部として設けられる。図7(d)の電極部36Dは、指屈曲筋群92に電流を流すための電極部として設けられる。なお、肘屈曲筋群81および肘伸展筋群82および指伸展筋群91および指屈曲筋群92は、いずれも肘関節についての関節跨坐筋となる。
【0075】
(D)図8に示されるように、肩関節を固定するための第7電極部を設けることもできる。第7電極部は、僧帽筋に対応するマイナス極37Aと、肩関節の正面の筋肉に対応するプラス極37Bと、肩関節の内側下方の筋肉に対応するプラス極37Cと、肩関節の背面の筋肉に対応するプラス極37Dとにより構成される。また、肩挙上回旋筋群100の正面側に電流を流すための電極部として設けられる。なお、肩挙上回旋筋群100は肩関節についての関節跨坐筋となる。
【0076】
・上記実施形態では、関節変位検出センサ41により関節の変位を直接的に検出したが、同センサ41に代えてまたは加えて、関節の変位を間接的に検出するための装置を設けることもできる。その一例としては、筋電図を計測する筋電図計測装置が挙げられる。筋電図計測装置を設ける構成によれば、同装置により計測された筋電図に基づいて筋肉の活動状態を予測し、その結果に基づいて関節の変位を予測することができる。
【0077】
・上記実施形態では、右下肢用の刺激付与部10および左下肢の刺激付与部のそれぞれによる電気刺激の付与が出力制御部50により行われるが、使用する刺激付与部をユーザが選択するための機能を備えることもできる。その一例としては、操作部52に使用する刺激付与部を選択するためのボタンを設ける構成が挙げられる。
【0078】
・上記実施形態では、関節変位検出センサ41および関節回旋検出センサ42および動作状態検出センサ43を刺激制御部40に設けたが、これらセンサの少なくとも1つを省略することもできる。
【0079】
・上記実施形態では、関節変位検出センサ41の検出結果に基づいて膝関節の負担が小さいと判定したときには、関節跨坐筋への電流の供給を停止したが、これを次のように変更することもできる。すなわち、膝関節の負担が小さいと判定したとき、膝関節の負担が大きいと判定したときよりも少ない量の電流を関節跨坐筋に電流を供給することもできる。
【0080】
・上記実施形態では、各センサ41〜43の検出結果に基づく通電態様の制御(モードE)とモードA〜Dによる通電態様の制御とが各別に行われるが、各センサ41〜43の検出結果に基づく制御とモードA〜Dの制御とを併せて行うこともできる。すなわち、モードA〜Dのいずれかの制御の実行中において各センサ41〜43の検出結果に基づく通電の必要が生じたときには、モードA〜Dのいずれかの通電制御を一時的に保留して各センサ41〜43の検出結果に基づく通電制御を行うこともできる。
【0081】
・上記実施形態では、膝関節が回旋していることを検出したときに関節跨坐筋のうち関節回旋筋である大腿四頭筋61およびハムストリング62に電流を流したが、さらに関節回旋筋以外の関節跨坐筋である腓腹筋71に電流を流すこともできる。
【0082】
・上記実施形態では、刺激付与部10として大腿60および膝関節および下腿70にわたり装着されるタイプのものを設けているが、大腿60に対応する部分と下腿70に対応する部分とを各別に形成することもできる。
【0083】
・上記実施形態では、刺激付与部10として下肢に装着するタイプのものを設けているが、これに代えてまたは加えて、上肢に装着するタイプの刺激付与部を設けることもできる。また、下肢に装着される刺激付与部および上肢に装着される刺激付与部の少なくとも一方を備える電気刺激装置において、以下の(A)〜(D)の変更を加えることもできる。
(A)下肢用の刺激付与部を大腿60のみに装着されるタイプに変更する。
(B)下肢用の刺激付与部を下腿70のみに装着されるタイプに変更する。
(C)上肢用の刺激付与部を上腕80のみに装着されるタイプに変更する。
(D)上肢用の刺激付与部を下腕90のみに装着されるタイプに変更する。
【0084】
・上肢に装着される刺激付与部を含む構成において、上腕80および下腕90に対応する部位を各別に形成することもできる。
・上記実施形態では、刺激付与部10を左右の下肢のそれぞれに装着するサポータ型のものとして構成したが、股上および左右の下肢に対応する部位を含むパンツ型またはズボン型のものに変更することもできる。
【符号の説明】
【0085】
1…電気刺激装置、20…サポータ(装着部)、21…大腿正面部(第1下肢装着部)、22…下腿正面部(第2下肢装着部)、23…第1大腿背面部(第1下肢装着部)、24…第2大腿背面部(第1下肢装着部)、25…第1下腿背面部(第2下肢装着部)、26…第2下腿背面部(第2下肢装着部)、31…第1電極部(電極部)、32…第2電極部(電極部)、33…第3電極部(電極部)、41…関節変位検出センサ(関節変位検出手段)、42…関節回旋検出センサ(関節回旋検出手段)、43…動作状態検出センサ(動作状態検出手段)、60…大腿、61…大腿四頭筋(関節跨坐筋、関節回旋筋)、62…ハムストリング(関節跨坐筋、関節回旋筋)、63…半腱様筋(関節跨坐筋、関節回旋筋)、64…大腿二頭筋(関節跨坐筋、関節回旋筋)、65…半膜様筋(関節跨坐筋、関節回旋筋)、70…下腿、71…腓腹筋(関節跨坐筋)、80…上腕、90…下腕。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置において、
関節を跨ぐ筋肉である関節跨坐筋を含む人体の部位に装着される装着部と、この装着部に設けられて前記関節跨坐筋に電流を流すための電極部とを含む
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気刺激装置において、
前記装着部として、上肢に装着される上肢装着部および下肢に装着される下肢装着部の少なくとも一方が設けられ、
前記上肢装着部は、前記上肢の上腕において関節跨坐筋を含む部位に装着される第1上肢装着部と、前記上肢の下腕において関節跨坐筋を含む部位に装着される第2上肢装着部とを含み、
前記下肢装着部は、前記下肢の大腿において関節跨坐筋を含む部位に装着される第1下肢装着部と、前記下肢の下腿において関節跨坐筋を含む部位に装着される第2下肢装着部とを含む
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気刺激装置において、
関節の伸展および屈曲による関節の変位を検出する関節変位検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、
この制御手段は、前記関節変位検出手段の検出結果に基づいて前記電極部による前記関節跨坐筋への通電態様を制御する
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気刺激装置において、
生体の動作状態を検出する動作状態検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、
この制御手段は、前記動作状態検出手段の検出結果に基づいて前記電極部から前記関節跨坐筋への電流の通電態様を制御する
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気刺激装置において、
前記電極部は、前記関節跨坐筋のうちの関節の回旋に寄与するものを関節回旋筋として、前記装着部において同関節回旋筋と対応する部位に設けられ、
当該電気刺激装置は、関節の回旋を検出する関節回旋検出手段と、前記電極部による生体への通電態様を制御する制御手段とを含み、
この制御手段は、前記関節回旋検出手段の検出結果に基づいて前記電極部から前記関節回旋筋への電流の通電態様を制御する
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気刺激装置において、
生体に電気刺激を付与するためのモードとして、生体を動作させることにより筋力を増強するための電気刺激を付与するモードAと、前記関節跨坐筋により関節を固定するための電気刺激を付与するモードBとを含む
ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気刺激装置において、
生体に電気刺激を付与するためのモードとして、疼痛を緩和するための電気刺激を付与するモードCと、生体を動作させることなく筋力を増強するための電気刺激を付与するモードDとを含む
ことを特徴とする電気刺激装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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