説明

電気加熱装置用の発熱エレメントとその製造方法

【課題】ストリップ導体と少なくとも一つのPTCエレメントとの間の良好な接触を保証することができる発熱エレメントを提供する。
【解決手段】楔要素48は、ストリップ導体12、40と平行に延在する第1の楔形表面と、ハウジングの外側に露出されて接し、第1の楔形表面に対し斜め方向に位置合わせされた第2の楔形表面とを含む。さらに、発熱エレメントの挿入のための少なくとも一つのスロットを含む加熱器ハウジングを備える電気加熱装置を規定する。スロット内の適所に正確に発熱エレメントを固定するために、該発熱エレメントは、スロットの長手方向の少なくとも一つのPTC加熱エレメント8の上流または下流側に配置されたスペーサー面を有し、隣接する発熱エレメントはこれらスペーサー面により互いに一定の距離に保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
考察中の本発明は、少なくとも一つのPTC加熱エレメントと、その両側でフラットに接するストリップ導体と、少なくとも一つのPTC加熱エレメントを保持するための少なくとも一つのフレーム開口部を形成するフレームとを備える発熱エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの発熱エレメントは、例えば特許文献1から自動車用の補助ヒーターの一部として知られている。別の発熱エレメントは、例えば特許文献2、特許文献3、または特許文献4から知られている。
【0003】
基本的には、このタイプの、カテゴリを特徴づける発熱エレメントでは、PTCエレメントとの相界面で実質的に発熱することなく発熱エレメントへの電流給電が可能となるようにストリップ導体とPTCエレメント間の良好な機械的接触により低い境界抵抗が提供されなければならないという問題が存在する。約500ボルト以上の高い動作電圧が発熱エレメントに供給される場合、この要件は特に重要である。
【0004】
このカテゴリの電気加熱装置においては、通常、導電性金属板により形成されるストリップ導体は、発熱エレメントを取り巻くとともに一定の圧力でストリップ導体を少なくとも一つのPTCエレメントに対し保持するスリーブにより密閉される(特許文献2)。この最先端技術では、両側にストリップ導体が接するPTCエレメントは、導電性金属板が絶縁状態でスリーブ内に保持されるように内部がシリコンゴムで覆われた金属スリーブにより囲まれる。PTCエレメントに対しストリップ導体を押し付けるための十分な接触圧力を確立するためには、この配置のみでは十分ではない。従って当該層構成体全体をプレス板により囲む。結局、公知の発熱エレメントは比較的反応が鈍い、すなわち、PTCエレメントにより発生された熱は比較的不完全に外部に伝導される。従って、公知の発熱エレメントは熱効率が不完全であり、熱条件の変化に対する反応が比較的遅い。
【0005】
熱放散については、例えば、特許文献1から、くねらせて曲げられた金属板により形成された放熱器要素を発熱エレメントの両側に配置することが知られている。これらの放熱器要素は発熱エレメントに対しバネ付勢により配置される。ストリップ導体は放熱器要素と少なくとも一つのPTCエレメント間で移動可能に設けられるので、ストリップ導体はバネ力を介しPTCエレメントに対し保持される。しかしながらこの構成には問題がある。すなわち、特に発熱エレメントが高電圧で作動された場合、放熱器要素および/またはフレームを介しあちこちで発生する漏れ電流を避けることができない。さらに、通電部品が発熱エレメントの外面に露出され、これはまた安全上の観点から問題がある。
【0006】
このカテゴリの3つの発熱エレメントが円柱軸を中心に120°の角度ずつオフセットを与えられ配置される特許文献4から公知の加熱カートリッジもまた不完全な熱伝導に関する前述の不都合がある。電気絶縁材からなる円筒状のセグメント片が個々の発熱エレメント間に配置され、それぞれのセグメント片は、流体が加熱カートリッジにより加熱されるように該セグメント片に切り込まれた流体導管を有する。このような構成は、特に、PTCエレメントにより発生した熱を大気を介して対流除去する場合には不適切である。この場合、熱は、必要な程度には、PTCエレメントから除去されない。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0350528号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第3208802号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第3046995号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第2804749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
考察中の本発明の根底をなす課題は、ストリップ導体と少なくとも一つのPTCエレメントとの間の良好な接触を保証することができる発熱エレメントを規定することである。さらに、考察中の本発明は、また、好ましくは本発明による発熱エレメントを含むとともに該発熱エレメントがこの加熱装置内で正確に位置決めされる電気加熱装置を規定する。考察中の本発明は、また、当該電気加熱装置の製造方法を規定すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発熱エレメントに関する上記課題を解決するために、考察中の本発明は、少なくとも一つのPTCエレメントと、その両側でフラットに接するストリップ導体と、少なくとも一つのPTCエレメントを保持するための少なくとも一つのフレーム開口部を形成するフレームであって、楔要素だけでなく少なくとも一つのストリップ導体を有する構造ユニットを形成するハウジングの一部として該フレームを形成することにより該PTCエレメントを囲むフレームと、により発熱エレメントを改善することを提案する。ここで、楔要素は、ストリップ導体と平行に走る第1の楔形表面と、ハウジングの外面に露出され、第1の楔形表面に対し斜めに位置合わせされた第2の楔形表面とを含む。
【0009】
考察中の本発明は、発熱エレメントのハウジングが、楔要素と一緒に構造ユニットを形成する発熱エレメントを提案する。ハウジングは少なくとも一つのPTC加熱エレメントの外周を囲むフレームを含む。これにより該ハウジングは第1に発熱エレメント内の少なくとも一つのPTC加熱エレメントの正確な位置決めを可能にし、第2に構造ユニットの一部として楔要素を保持する。このことは、楔要素が、あるやり方でハウジング内の所定の位置に固定されることを意味する。このことは、楔要素を取り外すことができる開口部を有するハウジングを排除するものではない。但し、それでも、様々な運動方向における楔要素の動きは一定範囲内のみで可能である。楔要素は、伝導により熱を放散する2つの表面(例えば、加熱される空気がそれに向かって流れる放熱器要素の表面)間に発熱エレメントを連結するのに役立つ。このハウジングのために、発熱エレメントは、最初に、ハウジング内に保持された楔要素により組立位置に導かれ、そしてこの位置において、楔要素は2つの熱放射面の間に発熱エレメントを支持しなければならない。同時に、ハウジングは、例えば、楔要素から見て外方に向いたPTCエレメントの裏面側でPTCエレメントに接するストリップ導体を有する別のハウジング部を含むことができる。この場合の別のハウジング部は好ましくは構造ユニットの一部として設けられる。すなわち、別のハウジング部は、いかなる場合も、楔要素を有するハウジング部に対し所定の範囲内でのみ移動可能である。
【0010】
好ましい展開では、構造ユニットは少なくとも一つのPTC加熱エレメントと2つのストリップ導体を含む。既に述べたように、ハウジングは、相互に動かすことができるが構造ユニットのフレーム内では必ずしも互いに強固に連結されない少なくとも2つのハウジング部から構成されてよい。このようにして、フレームの開口部もまた、一つのハウジング部の壁により部分的に形成され、そして別のハウジング部の壁により部分的に形成されてよい。全く組立上の理由のため、フレーム開口部は、一つのハウジング部上に設けることが望ましく、これによりこのフレーム開口部は、組立中にフレーム内にPTC加熱エレメントまたはPTC加熱エレメント群を十分に安全に保持することができる。さらに、できるだけ少ない妨害でもって外部からの接触力を、楔要素を介し、少なくとも一つのPTC加熱エレメントとこれに接触するストリップ導体とを含む層構成体内へ導くために、ストリップ導体またはストリップ導体群は、ハウジングまたは個々のハウジング部品内で特に少なくとも一つのPTC加熱エレメントに向かってまたその反対方向に移動可能である。しかしながら、部品の数を低減するため、そして単純な組立を目的として、ただ一つのストリップ導体をハウジング内の範囲内で動くことができるように配置すること、および他のストリップ導体をハウジングに対し適所に固定されるように配置することが好ましい。
【0011】
層構成体の様々な部品、すなわち、好ましくは一水平面内で隣り合って配置された、少なくとも一つのPTCエレメントとPTCエレメント群にフラットに接する2つのストリップ導体は楔要素により保持されることが好ましい。これは、既に事前組み立てされた状態(すなわちハウジング内に保持されることにより)で、あるいは加熱装置内の発熱エレメントの最終組立の直前に、のいずれかにおいて、少なくとも一つのPTCエレメントに対しプリテンションを与える。しかしながら、いずれにせよ、楔要素は、それがハウジング内の層構成体の前述の要素を保持するように配置されることが好ましい。楔要素の一つの楔形表面は、ストリップ導体に平行に延在し、そしてこれに直接にあるいは絶縁層がその間に配置されて接する。従って、2つのストリップ導体と少なくとも一つのPTCエレメントから成る層構成体が初張力により確実に保持され、その結果、2つのストリップ導体とそれらの間に配置された少なくとも一つのPTC加熱エレメントとの間で良好な電気的接触が保証される。第1の楔形表面に対し斜めに配置された楔要素の第2の楔形表面は、ハウジングの外面に露出されて接する。従って、第2の楔形表面は、くねらせて曲げられた金属ストリップにより形成される熱放射要素上(例えば、放熱器要素上)の直接配置に好適である。あるいは、電気加熱装置の分離板もまた第2の楔形表面に直接接してよく、加熱される空気または水などの流体は該第2の楔形表面の反対側を通して流れる。
【0012】
ハウジング内の層構成体を支持するために、および/または電気加熱装置内の周囲壁上に発熱エレメントを配置するために、ハウジングは、摺動可能に楔要素が保持されるガイドを備えて形成されることが好ましい。ガイドは、楔要素が内部に摺動されると第2の楔形表面が、例えばこれもまたハウジングにより形成される対向面に対しますます押し付けられるように形成されることが好ましい。この結果、上記楔要素は、少なくとも一つのPTCエレメントに対しその反対側で接するストリップ導体を押し付ける。楔要素は、PTCエレメントの両側に設けることができる。但し、通常、少なくとも一つのPTCエレメントに対する両側のストリップ導体の適切な初張力に関しては、少なくとも一つのPTCエレメントの片側に一つの楔要素を有することと、ハウジング上に好ましくはワンピースで形成されるPTC加熱エレメントに対し、反対側に該導体を固定的に位置決めすることとで十分である。
【0013】
発熱エレメントの簡単な製造を目的として、PTC加熱エレメントの長辺に実質的に平行に延在するようにガイドを形成することと、楔要素が外部からハウジング内に摺動され得る開口部をそれに設けることとが、好ましい。このようにして、例えば、最初にストリップ導体をハウジング内に挿入し、次にPTCエレメントを、そして次にPTCエレメントの反対側(すなわち、第一のストリップ導体に対向する面)の第2のストリップ導体を挿入することが可能となる。楔要素は、層構成体がハウジング内に導入された後のみ、外側からハウジング内に摺動させることができる。該楔要素の挿入の結果、層構成体は楔要素と共に、事前組み立てされた構造ユニット内に結合される。また、考察中の本発明の構造ユニットとして理解すべきことは、楔要素は、該楔要素が依然としてハウジング上に緩く配置された状態で配置され、および/または該楔要素が着脱自在にハウジング内に配置された状態で配置されるユニットである。
【0014】
ハウジング内での楔要素の誘導は、ハウジング内に切り込まれた、ガイドリッジが係合するガイド溝により行なわれ得ることが好ましい。ここで、該ガイドリッジは、楔要素の側面、すなわち第1の楔形表面を第2の楔形表面に連結する前面側に形成されている。
【0015】
考察中の本発明のさらに好ましい展開によると、上記ハウジングは、楔要素が挿入される方向にテーパーを付けられて形成される。楔要素が前述の層構成体を固定してハウジングから落ちないようにする保持状態において、楔要素とハウジングは、好ましくは、ハウジング内に摺動された楔要素が第2の楔形表面を備えるハウジングから突出しないように、互いに調整される。換言すれば、保持状態において、楔要素は層構成体の部品を固定してハウジングから落ちないようにすることができる。但し、保持状態において、本発明による発熱エレメントが例えば電気加熱装置内で正確に位置決めされるように、挿入された楔要素側のハウジングの外面は、楔要素ではなくハウジング面により形成される。これは、保持状態では、側面の延長上に設けられた外部側壁(ストリップ導体と平行に延在する発熱エレメントの外表面)は、その寸法が通常の製造公差により予め決定されるハウジングにより当初形成されるためである。しかしながら、保持状態より挿入方向のさらに深くにある楔要素クランプ位置では、発熱エレメントの外部側壁の一つは、ハウジングを越えて突き出た第2の楔形表面により形成される。この好ましい展開により、所定寸法を有する発熱エレメントを初めに例えば電気加熱装置のスロットまたは溝内に挿入し、次に楔要素をクランプ位置内にさらに深く摺動させることにより、楔要素とひいては発熱エレメント全体を電気加熱装置の熱放散壁に対し位置決めし、そして上記壁に対してプリテンションを与えることができる。この工程では、層構成体の部品もまた互いにプリテンションを与えられる。すなわちストリップ導体は、初張力により、ストリップ導体間に配置されたPTC加熱エレメントに対して位置決めされ、PTC加熱エレメントはスロットの内壁に対してプリテンションを与えられる。
【0016】
保持状態では、楔要素が、当該ストリップ導体の長さの少なくとも四分の三に渡って、楔要素の挿入方向に延在するように楔要素の大きさを決めることが望ましいことが判明した。通常、ストリップ導体は金属ストリップから形成されるので、多数のPTC加熱エレメントが一水平面において互いに隣り合って設けられるこの場合においても、金属ストリップは楔要素と一緒になって、層構成体を保持状態のハウジング内の適所に既に十分に固定する(それが落ちないように固定する)。
【0017】
PTCエレメントにより発生した熱の外方への良好な伝導を目的として、クランプ位置において、ハウジング内に設けられた少なくとも一つのPTC加熱エレメントを実質的に完全に覆うように、楔要素の寸法が決められることはさらに好ましい。このようにして、PTCエレメントにより発生した熱が楔要素により外面に熱伝導で除去され、そしてその外面から、例えば楔要素に直接接する放熱器要素により放散されることが保証され、従って発熱エレメントは低熱慣性と高熱効率を有することになる。
【0018】
特に、高電圧によるアプリケーションに対しては、楔要素とそれに隣接するストリップ導体間にストリップ導体に接する絶縁層を設けることが好ましい。これは、例えばプラスチックストリップまたはセラミック層により形成することができる。好ましくは、ストリップ導体に隣接するセラミック層の配置において、セラミック層と楔要素間にさらにスライド板を設けるべきである。このスライド板は好ましくはハウジング内に静止して保持され、楔要素がハウジング内に摺動される際、楔要素はスライド板上を摺動する。このようにして、楔要素と比較的表面が粗くもろいセラミック層との間の乾き摩擦が回避される。このさらなる展開もまた、例えば加熱装置内の発熱エレメントの最終組立中にハウジング内に楔要素を押し付けるために必要な押圧が摩擦特性(楔要素とセラミック層が互いの上を直接滑る場合に懸念される)により著しく影響を受けることを防ぐ。
【0019】
考察中の本発明のさらに好ましい展開によると、ストリップ導体とそれらの間に設けられた少なくとも一つのPTC加熱エレメントとにより形成される層構成体の層方向の製造公差の補正のために、前述のスライド板を異なる厚さで、さらに設けることができる。このような製造公差の補正の必要性は、例えば、ハウジングだけでなく、同一寸法のPTCエレメントにより形成される多数の発熱エレメント、ストリップ導体、楔要素が互いに隣り合ってスロット内に摺動され該スロットがある製造公差を受ける場合に、考えられる。さらに、一バッチのセラミックのPTC加熱エレメントもまた製造に関する公差を有し、この公差はこれに対し調整された厚さを有する板により補正することができる。従って、一バッチのPTCエレメントをそれらの厚さに従って分類し、ハウジング内に同じ厚さのPTCエレメントを配置し、異なる発熱エレメントに対して異なる厚さのPTC加熱エレメントを選択することに起因する寸法のばらつきを様々な厚さの板により補正することが考えられる。
【0020】
楔要素はPTCエレメントの片側に接するストリップ導体に直接あるいは追加層(例えば絶縁層)により接するが、一方、反対側に設けられるストリップ導体は、それに接する絶縁層と共に、好ましくは絶縁層のまわりのハウジングの材料を射出成型することによりハウジングに連結されることが好ましい。これは、片側で既に閉じているハウジング内にPTCエレメントを単に挿入する可能性を生み出す。このとき、ハウジングは、ストリップ導体が楔要素を備えるPTC加熱エレメントの外側に配置された後、反対側で閉じられる。
【0021】
考察中の本発明の好ましい展開によると、好ましくはセラミック板により形成される既に述べた絶縁層は、シールを形成する手法でフレーム内にストリップ導体を保持するように使用される。このため、絶縁層は、例えば絶縁層とハウジング間に設けられたシールによりシールを形成するようにハウジングに接する。例えばこのシールは、ハウジング上の適所に絶縁層を固定する粘着性ストリップにより形成される。こうして、漏れ電流を増加させる湿気がハウジング内に保持された層構成体に到達するのを回避することができる。以下の説明ではハウジング内でストリップ導体を絶縁するか密閉保持するかが考慮される限り、これは、ストリップ導体が細長い導電素子(例えば、細長い金属ストリップ)により形成される好ましい展開を特に目的として行われる。多数のPTC加熱エレメントは、相対向する金属ストリップ間の一水平面において互いに隣接して配置される。この好ましい展開において特に重要なのは、少なくとも一つのPTCエレメントを絶縁層に対して外周方向に密封保持または絶縁保持することである。PTC加熱エレメントは、例えば絶縁層に対し適所に固定することができ、そしてフレーム開口部の壁に対し所定の距離をおいて設けることができるので漏れ電流はフレームを介して流出することができない。同様にして、層構成体の導電性素子と電気的に不完全なフレームの材料との直接接触を防ぐために、フレーム開口部はその内面を高絶縁性材料(例えばシリコン)で裏打ちされてよい。この場合、フレームは、比較的経済的で、さほど高絶縁性でないプラスチック(例えばポリアミド)の射出成型部品として作られることが好ましい。
【0022】
製造観点から見たさらなる単純化のためと、多数の発熱エレメントが電気加熱装置のスロット内に組み込まれる場合の所定のエネルギー密度を鑑み、ハウジングの上面側に存在するとともにガイドに通じる挿入孔を備えた楔要素を提案する。さらに、ストリップ導体に通じるコンタクトスタッドを上部側に設け、これらのコンタクトスタッドが、ハウジング内に切り込まれたコンタクトスタッド開口部を貫通するようにする。このとき、上面側は、発熱エレメントの電気的接続と楔要素の挿入に役立つ。発熱エレメントが電気加熱装置のスロット内に取り付けられる際、通常、ハウジングの上面側は上部で露出され、個々の発熱エレメントがこの上部側で電気的に接続されるようにする。
【0023】
通常、前述のスロットは発熱エレメントの長さの倍数の長さを有する。その全長に沿ったスロットの最適な利用および加熱を目的として、ハウジングが、コンタクトスタッドに対して直角に走るスペーサー面を有するスペーサー要素をこの上面側に形成することを提案することが好ましい。これらのスペーサー面はコンタクトスタッドの長手方向に延在し、長手方向の少なくとも一つのPTCエレメントの上流または下流側に存在する。
【0024】
隣接する発熱エレメント間に所望の距離を確実に与えるために、スペーサー面は、同一のスロット内に挿入される互いに隣接する発熱エレメントが所定のやり方でそれらの正面または背面スペーサー面により互いに当接するように、互いに対応して配置される。
【0025】
考察中の本発明のさらに好ましい展開によると、スロット内の発熱エレメントの正確な位置決めを目的として、ハウジングが、その上面側および少なくとも一つのPTCエレメント上の各側面に、コンタクトスタッドに対して直角にかつ少なくとも一つのPTCエレメントの厚さ方向に走るリミットストップを形成することが提案される。発熱エレメントのスロット内への最大侵入深さは、このリミットストップにより与えられる。この侵入深さは、リミットストップがスロットの上縁に当接すると到達する。
【0026】
前述のスペーサー面およびリミットストップは、ハウジングの上部側に好ましくはぴったり重なって終端するとともに上部側のハウジングを囲む周辺リムの一部として形成されることが好ましい。
【0027】
発熱エレメントの製造を簡単にするために、ハウジングは、ハウジングシェル要素と、同様にしてシェルとして形成され得るハウジングシェル対向要素とを含む。この考慮は、また、金属ストリップ間に縦一列に並んで配置された多数のPTCエレメントを備えた細長い層構成体の場合に、少なくとも一つのPTCエレメントの周囲方向の包囲に特に焦点を合わせる。2つのハウジング要素は、まわりの射出成型により、ストリップ導体にあるいは適切な場合には外面上でこれを囲む絶縁層に接続される。従って、絶縁層またはストリップ導体は、ハウジングシェル要素の製造のための射出型内へのインサートとして配置される。ハウジング要素の一つ(ハウジングシェル要素またはハウジングシェル対向要素のいずれか)は楔要素のためのガイドを形成する。
【0028】
ハウジング要素は楔要素の挿入方向でかみ合うので、ハウジング要素は、もはや実質上、互いに動かすことはできない。この目的のため、ハウジング要素の対向面上に、対応する突起部と溝(例えば、タブとタブ穴)を設けることができる。但し、挿入方向に対し実質的に直角の方向の2つのハウジング要素の相対的な運動が可能となるようにこれらの大きさは決められる。層構成体がスロット内に押し入れられると、それぞれのストリップ導体と恐らくその間の適所に固定された絶縁層と共に、ハウジング要素は、ストリップ導体がPTCエレメントに対し両側でしっかり押えられるまで相対的に動かされる。これは、シールを形成するようにPTCエレメント上にストリップ導体が配置される前に、ハウジング要素の対向する外側面間に一定の隙間が残るように2つのハウジング要素の寸法が決められることを要する。
【0029】
考察中の本発明の好ましい展開によると、層構成体の導電性部の周囲の絶縁を目的として、フレーム開口部を密閉する圧縮可能なシール材が2つのハウジング要素間に設けられることを提案する。この寸法は、圧縮可能なシール材によりストリップ導体をPTCエレメントに対し位置決めするために考えられる相対的運動により層構成体とハウジング要素の切り込み部とを保持する内部の密閉が達成されるように、決められる。圧縮可能なシール材はゴムにより形成することができる。また、組立済み状態ではハウジング要素がシール材により互いに接着されるように、一定の粘着性をシール材に与えることも考えられる。
【0030】
特に、前述の発熱エレメントの好ましい展開の場合、ハウジング要素は、射出成型により個別の部品として製造され、フレーム内に少なくとも一つのPTCエレメントを挿入した後に結合される。本発明においては、結合されたハウジング要素は、また、これらが永久にまたは着脱不可能に互いに接続される必要のない結合ユニットとして理解されるべきである。例えば、ポジティブロック素子を互いに嵌め込むことは、これらポジティブロック素子が、これら2つのハウジング要素を楔要素の挿入方向に相対的に動かないように適所に実質的に固定する結合と理解できる。このようにして結合されたハウジング要素は、例えば、スロット内に挿入された後、加熱装置内に固定された状態で保持される。本アプリケーションでは、ハウジング要素を相対的に適所に固定する必要はない。当然ながら、これは、例えばハウジング要素の一つの上に形成されて他方のハウジング要素を貫通して突出し、該ハウジング要素の外側に露出されるタブ上に溶接することにより、2つのハウジング要素を適所に固定することを排除するものではない。このようなタブを溶接することにより、あるいは表面融着によりこのようなタブを補強することにより、2つのハウジング要素は、互いに着脱不可能であるが、適切に動くことができるように保持される。
【0031】
考察中の本発明のさらに好ましい展開によると、発熱エレメントの簡単な組立を目的として、楔要素用のガイドを含むハウジング要素の一つの上に少なくとも一つのPTCエレメントを保持するためのフレーム開口部を囲むハウジング突起部を形成することが提案される。このハウジング突起部は挿入方向に実質的に延在する突起縁部を有する。これに対応して、他方のハウジング要素上には、該ハウジング突起部を保持するためのハウジング凹部が形成される。ハウジング凹部とハウジング突起部は、ハウジング突起部がハウジング凹部内にぴったりと嵌るように互いに対応して形成される。このようにして、2つのハウジング要素は、挿入方向に直角に互いに適所に固定される。より簡単な結合のためには、縁部はわずかにテーパーをかけて形成されなければならない。こうすることによりハウジング凹部を有するハウジング要素が最初にハウジング突起部に対向して比較的不正確に配置され、次にこれに向かって導かれ、そして2つのハウジング要素は上記送り動作が進むにつれて斜め方向の縁面により正確さを増しながら適所に固定される。突起縁部は、例えば他方のハウジング要素内のタブ凹部にかみ合うハウジング要素上の取り付けタブ等の他のポジティブロック素子より高くなる(送り方向において)ように形成されなければならない。こうすることにより、当初、2つのハウジング要素の比較的粗い位置決めはハウジング凹部とハウジング突起部によりなされ、そして後の単軸摺動による送り運動段階まで、タブは当該溝にかみ合わせ覆う必要がなくなる。
【0032】
さらに考察中の本発明では、加熱される媒体が流れる循環チャンバ内に延在する少なくとも一つのスロットであって、発熱エレメントを保持するために(すなわち、スロットの長手方向に縦一列に並んだ多数の発熱エレメントを保持するために)形成された少なくとも一つのスロットを有する加熱器ハウジングを備えた電気加熱装置が提案される。通常、スロットは外壁を形成し、そのまわりを加熱対象の媒体が両側で流れる。しかしながら、スロットが一つの壁のみを形成し、そのまわりを媒体が流れる展開もまた考えられる。スロットとして好ましいと考えられる展開では、互いに対向する内部側壁が、互いに直角にあるいは実質的に直角に設けられ、そしてそれらの間に、少なくとも一つの発熱エレメントを挿入することができる一種のギャップを解放して、その外側がスロットの内側に対し良好な接触を有する。発熱エレメントは、少なくとも一つのPTC加熱エレメントと、その両側でフラットに接するストリップ導体と、少なくとも一つのPTCエレメントを保持するためのフレーム開口部を形成するとともにこのPTCエレメントを囲むフレームと、を有する。好ましくは、スロットは、既に導入された多数の発熱エレメントをスロットの長手方向に沿ってスロット内に導入することができるように縦一列に並んで形成される。スロットの全長にわって可能な最も一様な熱放射を考慮し、考察中の本発明は、スペーサー面が、スロットの縦方向の発熱エレメントにより少なくとも一つのPTC加熱エレメントの上流または下流側に形成され、隣接する発熱エレメントが互いに一定の距離を置いて配置されることを提案する。スペーサー面は互いに直接接して置かれることが好ましいが、いかなる場合も互いにある短い距離をおいて置かれ、スペーサー面が隣接する発熱エレメント間に所望の距離を与えるようにする。
【0033】
好ましくは、スペーサー面はハウジングにより形成され、このハウジングは、また、少なくとも一つのPTC加熱エレメントを保持するためのフレームを形成する。
【0034】
本発明による加熱装置のさらに好ましい展開によると、スペーサー面は、その長辺に対し直角にスロットを越えて突出する周辺リムにより形成される。このリムによりリミットストップが結果として生成される。このリミットストップは発熱エレメントがスロット内に摺動されるとスロットの上縁にぶつかり結果的に発熱エレメントを所定の侵入深さでスロット内に保持する。発熱エレメントは、上流または下流側のスペーサー面により所定のやり方で縦方向に互いに一定の距離をおいて位置を保つ。これらのスペーサー面に対応して、スロットの長手方向の上流または下流側の加熱装置のハウジング上に、追加の支え面を設けることができる。これにより、スロット内の最初のまたは最後の発熱エレメントの横方向距離は、加熱器ハウジングに対し発熱エレメントのそれぞれのスペーサー面を押し付けることにより確定され、そしていかなる場合も少なくとも最小の横方向距離が維持されるようになる。
【0035】
発熱エレメントとしては、本発明のそれぞれの発熱エレメントを本発明の加熱装置の一部として使用することが最も好ましい。
【0036】
さらに請求される前述のタイプの電気加熱装置の製造方法により、発熱エレメントが定義された手法で加熱器ハウジング内に配置されるように、少なくとも一つの発熱エレメントを所定の手法でスロット内に摺動させることができる製造方法がもたらされる。これは均一な加熱の点で、また発熱エレメントのコンタクトスタッド(これは、通常、例えばプリント回路基板の両側に搭載される挿入素子に対し、スロットの上部側を越えて突出する)の規定された電気的接続の点で有利である。
【0037】
既に前節で述べた楔要素と少なくとも一つのPTC加熱エレメント間に配置された板は、本発明による方法における製造公差を補正する役目を果たす。従って本発明による方法により、製造により同一のバッチ内で様々な厚さを有し得るセラミックPTC加熱エレメントは、同一のフレームまたはハウジングを使用することにより電気加熱装置を製造するために、経済的に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
考察中の本発明のさらなる詳細と利点は、図面と併せた以下の実施形態の説明の結果として生じる。
【0039】
図1〜5に示す実施形態はワンピース(one-piece)のハウジング2を有する発熱エレメント1であり、断面図(図4参照)に示すようにハウジング2は最下部に向かって狭くなるくさび状に形成される。ハウジング2は、この場合4つのPTC加熱エレメント8が保持され得るフレーム開口部6を囲むフレーム4を形成する。図1には、3つのPTC加熱エレメント8のみを示す。一水平面において互いの上に配置される4つのPTC加熱エレメント8は、ピン10によりフレーム4の壁から一定の距離を置いて保持される。ピン10は高絶縁性材料(例えば、ピン10のまわりにハウジング2の材料を射出成型することによりハウジング2のプラスチックに結合されたシリコン)で形成される。上記材料は漏れ電流に関し、ハウジング2のプラスチック材料より良好な絶縁特性を有する。該ピンは、また、ワンピース射出成型によりそれらのベースでハウジング2に結合され、セラミックまたは高絶縁性プラスチックからなる高絶縁性スリーブにより覆うことができる。
【0040】
PTC加熱エレメント8はストリップ導体に接しており、図示の実施形態では、ストリップ導体は、このストリップ導体のまわりの射出成型によりハウジング2に一様に連結される金属板12により形成される。金属板12は実質的に矩形断面を有し、スタンピングによりその上部端においてカットされてコンタクトスタッド14を形成する。コンタクトスタッド14は、該コンタクトスタッド14の周囲を囲むコンタクトスタッド開口部16を貫通して突出する。コンタクトスタッド開口部16は、コンタクトスタッド14のまわりを流れるプラスチック材料により金属板12が射出成型されるときに形成される。
【0041】
コンタクトスタッド14が突出するハウジング2の上面側18には、ハウジング2の側面に向かって開口する別のコンタクトスタッド開口部20がカットされている。これについては以下でさらに詳細に検討される。さらに、ガイド溝24を有するガイド22は、後で詳細に説明される図1に示されない楔要素のために、ハウジング2の上面側18に向かって開口する。ガイド溝24の横方向ガイド面はフレーム4の表面により形成される。ガイド溝24の対向するガイド面は、この第1のガイド面を越えて突出しハウジング2により形成されるガイドリッジ26により形成される。ガイドリッジ26は、実質的にハウジングの全高にわたって延在する(すなわち上面側18から下面側28まで)。下面側28に配置されるのは、ハウジング2の対向するフランク30を連結するとともに最下部においてガイド溝24を閉鎖する前側壁32である。図4の断面図が示すように、フレーム4の下壁34は前側壁32より高い位置にあり、最下部においてフレーム開口部6に面している。下側のPTC加熱エレメント8と下壁34との直接接触を防ぐ高絶縁性ピンをこの下壁34の上流側に配置してもよい。
【0042】
下壁34とハウジング2の下部端との間に、フレーム4は図1に図示しない金属板用の支え面36を形成する。その反対側では、金属板12は、そのまわりの射出成型により形成された部分により覆われ、最終的にハウジング2上にしっかりと固定される。
【0043】
図4の断面図で分かるように、セラミック板38は絶縁層として金属板12の外面に接する。金属板12もまた、金属板12のまわりにハウジング2の熱可塑性材料を射出成型することによりハウジング2に連結される。
【0044】
ハウジング2に連結されたフレーム4と金属板12とセラミック板38素子は、その結果としてにフレーム開口部6と共に、PTC加熱エレメント8用の片側が閉じたレセプタクルを形成する。PTC加熱エレメント8は、当初それらが静止状態で固定されるこのレセプタクル内に単純に挿入することができる。
【0045】
図2に示すさらなる製造工程では、次に、別の金属板40が金属板12の反対側のPTC加熱エレメント8の側面に配置される。この金属板40はコンタクトスタッド42を備える。この場合のコンタクトスタッド42は外面から別のコンタクトスタッド開口部20内に挿入される。また、この別の金属板40は、この別の金属板40に対しフラットに接するとともに外側でこれから突出するセラミック板44により外面を囲まれる。セラミック板は、特に四方八方で別の金属板40を囲む高絶縁性プラスチックからなる高絶縁性シールストリップによりハウジング2に対し密閉され得る。好ましくは、このシールストリップは粘着性を有しフレーム開口部6を囲むフレーム4の表面に接する。このようにして、漏れ電流が別の金属板40を介してハウジング2のプラスチック内に導入されることを回避する。同じ理由で、もう一方の金属板12もまた、PTCエレメント8のみを覆うようにその大きさが決められる。但し、金属板12とセラミック板38は、セラミック板38のまわりを単に射出成型することにより所定位置に保持される。発熱エレメントの導電性部分、すなわち2つの金属板12、40とPTC加熱エレメント8は、いかなる場合もフレーム開口部内に支持されて高絶縁性状態となる。これ以降、フレーム4のプラスチック材料を介した2つの金属板12、40間の漏れ電流の心配は無用である。従って、発熱エレメントは、例えば100ボルト〜400ボルトの電圧範囲の高電圧で動作するのに特に好適である。
【0046】
さらなる組立のフレームワークでは、次にスライド板46がセラミック板44に対しその外面に配置される。スライド板46はセラミック板44の寸法に略対応する寸法を有しセラミック板44の外面を覆い支持する。
【0047】
別の金属板40、セラミック板44、スライド板46が側面からフレーム4に対し、そしてハウジング2内に挿入された後、楔要素48がハウジング2内に切り込まれた挿入孔49を通して上面側18からハウジング2内に摺動される。楔要素は、この場合はスライド板46の外面に接する第1の楔形表面50と、第1の楔形表面50に対して斜めに、すなわち実質的に楔要素48の挿入方向のハウジング2のテーパーに対応する傾斜で形成された第2の楔形表面52とを有する。楔要素48上に形成されガイド溝24にはまるガイドリッジ54は、2つの楔形表面50、52を連結する楔要素の端面を越えて突き出る。
【0048】
例示した実施形態では、ガイド溝24はハウジング内に保持された層構成体に平行に走る。該層構成体は、PTCエレメント8と、その両側に接する金属板12、40と、そしてこの場合はセラミック板38、44およびスライド板46を含む。楔要素48が下面側28方向にガイド2に沿って摺動されたとき、層構成体の個々の層は、少なくとも例示した実施形態では互いに圧力をかけて接触することはない。いずれにせよ、このような配置は考えられる。但し、ガイド溝26が層構成体に対しいかなる傾斜で配置されても、あるいは楔要素48の楔形状により、この要素は可能な限り層構成体の全表面にわたって、そして層構成体の全高にわたって接することがここでは保証されなければならない。その結果、互いにその上に接するPTCエレメント8のそれぞれが、その外部で接するストリップ導体12、40に対し可能な限り一様に押し付けられる。
【0049】
図4と図5では、楔要素48はいわゆる保持状態で示される。この保持状態では、層構成体が落ちないように、しかし依然として第2の楔形表面52を有するハウジング2の外面を越えて突き出ないように、楔要素48は層構成体をハウジング2内に固定する。換言すれば、この保持状態では、組立済みの発熱エレメントは、楔要素48により一つのユニットとして保持される。この場合の個々の部品は互いに剥がれることはなく、また失われることもない。この保持状態では、楔要素48はこのように所定位置に保持された当該ストリップ導体40の長さの4分の3をわずかに越えて延在し、挿入方向に相互に積み重ねられたPTCエレメント8を保持する。この保持状態では、楔要素48はハウジング2から突き出ることはく、例えばガイド溝24とガイドリッジ54間の摩擦力によりハウジング2内にクランプされて静止状態となる。
【0050】
このようにして事前組立された発熱エレメント1は、最終的には実質的にハウジング2により与えられる外側輪郭を有し、コンタクトスタッド14、42のみがこの輪郭から突き出る。従って、フランク30と接するハウジング2の背面の外部側面56もまた、楔要素の側面の外表面において発熱エレメント1の外側輪郭を形成する。
【0051】
上面側18の領域では、ハウジング2は、PTC加熱エレメント8の領域のハウジング2の輪郭に対して外に向かって突き出る周辺リム58であって、その長手方向に対しPTCエレメント8の上流または下流側でスペーサー面60、62を形成する周辺リム58を形成する。これらのスペーサー面60、62は互いに対応して形成され、ここでは前面の平坦なスペーサー面として形成される。PTCエレメントの横断方向(すなわち厚さ方向)において、この周辺リムはセラミック板38の外面を越えて突き出るリミットストップ64のハウジング側に側面56を形成する。この機能については以下にさらに詳細に説明される。リミットストップ64はコンタクトスタッド14、42に対し直角に(すなわち、ハウジング2内に保持された層構成体に対し直角に)延在する。
【0052】
図5〜8は、発熱エレメントの別の実施形態を示す。既に検討された実施形態のものと同一である部品は同じ参照番号により識別される。
【0053】
図1〜4の実施形態と今検討中の実施形態との間の本質的な相違は、検討中の実施形態のハウジング2がここでは、ハウジングシェル66と、該ハウジングシェル66に対応するシェル形状で形成されたハウジング対向要素68とによりツーピース(two piece)で形成されるという事実から成る。これらハウジング要素66と68の両方は射出成型により形成される。まわりを射出成型することによりハウジング要素66、68それぞれに取り付けられ、ハウジング要素66、68のそれぞれが保持するのはセラミック板38、44、金属板12、40である。図6に示すハウジングシェル要素はさらに楔要素48用のガイド22を形成する。これは第1の実施形態のガイドのように形成される。
【0054】
図6に示すハウジングシェル要素66は、フレーム開口部6を囲むハウジング突起部70を有する。このハウジング突起部はハウジングシェル要素66の実質的に平坦なリム側支え面72から突き出る。ハウジング突起部70は突起縁部74により区切られる。突起縁部74は挿入方向に走り、互いに近づく方向に先細り気味に走るように形成される。
【0055】
図7に示すハウジング対向要素68はハウジング突起部70に対応して形成されたハウジング凹部76を有する。その外側の支え面80はハウジングシェル要素66のタブ84に対応するタブ凹部82を有す。タブ84は支え面72またはハウジング突起部70の上側を越えて突き出る。
【0056】
図5〜8に示す実施形態では、金属板12、40と共にそれぞれのセラミック板38、44は金属板12、40のまわりの射出成型によりハウジング要素66、68に取り付けられ、単一ユニットとしてこれらの要素内に保持される。さらに、射出成型はフレーム4の外面の密閉を実現するために使用される。この密閉は、ハウジング要素がハウジングシェル要素66によりそしてそれほどではないにせよハウジング対向要素68により結合される(図8参照)ときに主には形成される。
【0057】
ハウジングシェル要素66とハウジング対向要素68間にシールストリップ(図示せず)を設けることができる。これは、例えばハウジング突起部70とハウジングシェル対向要素68の対応する対向面との間のハウジング開口部6を囲んで設けることができる。シーリングエレメントの圧縮率は、PTC加熱エレメント8の厚さに関する一定の製造公差が許容された場合でも信頼できるフレーム開口部6の密閉が実現されるように選択される。このために必要な、層構成体の面に対し直角の2つのハウジング要素の相対運動は、タブ84とタブ凹部82のかみ合いにより誘導される。タブ84は、ハウジング要素66、68が互いに着脱不可能に保持されるが依然として互いに移動可能であるようにタブ凹部82に係合しロックすることができる。但し本発明の中では、PTC加熱エレメント8を備えるハウジング要素66、68は、タブが互いにかみ合うと既に結合されて単一ユニット部品になり、こうしてハウジング要素66、68が互いに自由に摺動するのを回避する。
【0058】
図9〜11に、ハウジングベース102とハウジングカバー104を有する加熱器ハウジング100を備えた電気加熱装置の実施形態を示す。ハウジングベース102は、流体が接続部(一つの接続部108のみが示される)を介して加熱されるように管路に接続される循環チャンバ106を有する。循環チャンバ106には、ハウジングベース102の長手方向に沿って延在する多数のスロット110が侵入している。これらのスロット110は断面図では実質的にU字型の断面形状を有し、循環チャンバ106に対し外周方向に閉じている。これらのスロット110は、楔要素48の挿入方向において、前述の熱放射要素の広がりより深い深さを有する。図示の電気加熱装置の実施形態は、実質的にハウジングベース102の全長にわたって延在する互いに隣接して配置された4つのスロットを有する。ハウジングベース102はアルミ製のダイキャスト部品として形成される。
【0059】
ハウジングカバー104を取り外した状態で、多数の発熱エレメント1は個々のスロット110のそれぞれの中に互いに隣接して導入される(すなわち、リミットストップ64が上部でスロット110の縁に突き当たる深さまで)。隣接する発熱エレメント1間の横方向距離は互いに当接する当該スペーサー面60、62により維持される。一個の発熱エレメント1がスロット110内に配置された後、楔要素は、保持状態から挿入方向にさらに摺動される。ここで、第2の楔形表面52はハウジング2の側面56上の外側に摺動してスロットのアルミ壁に接触するようになる。楔要素48が所定の挿入力により内部に摺動されると、発熱エレメント1はスロット内に押し入れられる。その結果、一方では楔要素はスロットの内部側と層構成体の最上層間の良好な熱伝導をもって接し、他方では反対側に存在する層構成体の外側層はスロットの他方の外部側に直接接触する。発熱体のこの最終組立では、楔要素48の運動はガイド22を介して誘導される。製造公差(特には、PTCエレメントの厚さの変動)に依存して、この楔要素48を、変動し得る深さまでハウジング2内に摺動させることができる。それでもなお、ハウジング2は、スロット110に対し所定位置(リミットストップ64とスペーサー面60、62により与えられる)にとどまる。図1〜4に示す実施形態において、PTCエレメントの厚さの公差は、様々な厚さのスライド板46により補正することができる。図5〜8による発熱エレメントの別の実施形態の場合、厚さ補正は、タブ84とタブ凹部82のかみ合いにより誘導されるハウジング要素66、68の相対的運動により取り扱われる。
【0060】
当該スロット110内に挿入されると、発熱エレメント1は、当初、加熱器ハウジング100上に形成されたリミットストップにスペーサー面60がぴったり重なった状態で配置される。このようにして最初の発熱エレメント1のそれぞれの位置はスロット110内に与えられる。それぞれのスペーサー面60、62の接触により、次の発熱エレメント1の位置はそれぞれのスロット110の長手方向に与えられる。さらに、発熱エレメントのそれぞれのスロット110内への侵入深さはリミットストップ64を基に定められる。このようにしてハウジングベース102内の所定位置に保持された発熱エレメント1は、それぞれのコンタクトスタッド14、42に対しプラグ接続部を有するカードを適用することにより簡単に電気的に接触させることができる。明瞭化のために、このようなカードは図9と図10には示されない。しかしながら、上面側18の上方であるがコンタクトスタッド14または42の端より下に、部品としてのこのようなカードを想像されたい。コンタクトスタッド14、42はカードを貫通して突出し、カードにはんだ付けされた当該コンタクトスタッドレセプタクルに電気的に接続され発熱エレメント1に対向するカード側に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】部分的に組み立てられた完成前の発熱エレメントの第1の実施形態の斜視側面図。
【図2】さらに下流側の製造工程の図1に対応する図。
【図3】発熱エレメントの実施形態の組立完成後の図1と図2に対応する図。
【図4】図3に示された実施形態の断面図。
【図5】第2の発熱エレメントの実施形態の斜視側面図。
【図6】図5に示された実施形態の第1のハウジング要素の斜視平面図。
【図7】図6に示された要素に対し相補的に形成される図5に示された実施形態の第2のハウジング要素の斜視平面図。
【図8】図6と図7に示された2つのハウジング要素を結合する前の斜視平面図。
【図9】図5の実施形態による発熱エレメントを多数使用して生成された電気加熱装置の実施形態の斜め透視図。
【図10】加熱器ハウジングが部分的に除去された、図9に示された透視図。
【図11】図9に示された実施形態による断面図。
【図12】図9に示された実施形態の部分切断側面図。
【符号の説明】
【0062】
1 発熱エレメント
2 ハウジング
4 フレーム
6 フレーム開口部
8 PTC加熱エレメント
10 ピン
12 金属板
14 コンタクトスタッド
16 コンタクトスタッド開口部
18 上面側
20 別のコンタクトスタッド開口部
22 ガイド
24 ガイド溝
26 ガイドリッジ
28 下面側
30 フランク
32 前側壁
34 下壁
36 支え面
38 セラミック板
40 別の金属板
42 別のコンタクトスタッド
44 セラミック板
46 スライド板
48 楔要素
49 挿入孔
50 第1の楔形表面
52 第2の楔形表面
54 ガイドリッジ
56 外側面
58 リム
60 スペーサー面
62 スペーサー面
64 リミットストップ
66 ハウジングシェル要素
68 ハウジング対向要素
70 ハウジング突起部
72 支え面
74 突起縁部
76 ハウジング凹部
80 支え面
82 タブ凹部
84 タブ
100 加熱器ハウジング
102 ハウジングベース
104 ハウジングカバー
106 循環チャンバ
108 接続部
110 スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)と、その両側でフラットに接するストリップ導体(12、40)と、前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)を保持する少なくとも一つのフレーム開口部(6)を形成するとともに前記PTC加熱エレメント(8)を囲むフレーム(4)と、を備えた発熱エレメント(1)であって、
前記フレーム(4)はハウジング(2)の一部として形成され、楔要素(48)を有する構造ユニットを形成し、
前記楔要素(48)は前記ストリップ導体(12、40)に平行に延在する第1の楔形表面(50)と前記第1の楔形表面(50)の斜め方向に位置合わせされ前記ハウジング(2)の外側に露出された第2の楔形表面(52)とを含む、発熱エレメント。
【請求項2】
前記ハウジング(6)は前記2つのストリップ導体(12、40)だけでなく前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)も含む、請求項1に記載の発熱エレメント。
【請求項3】
前記ハウジング(2)は前記楔要素(48)が摺動可能に保持されたガイド(22)を含む、請求項1または2に記載の発熱エレメント。
【請求項4】
前記ガイド(22)は、前記楔要素(48)を外部から前記ハウジング(2)内に挿入することができるように、前記PTC加熱エレメント(8)の長辺に実質的に平行に延在し外側に開口する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項5】
前記楔要素(48)は、前記ハウジング(2)内に切り込まれたガイド溝(24)内に誘導される側面上のガイドリッジ(54)を有する、請求項4に記載の発熱エレメント。
【請求項6】
前記ハウジング(2)は前記楔要素(48)を挿入する方向に先細りになるように形成され、
前記楔要素(48)と前記ハウジング(2)は、前記楔要素(48)が少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)を固定し前記ハウジング(2)から落ちないようにする保持状態において、前記ハウジング(2)内に挿入された前記楔要素(48)が第2の楔形表面(52)を備える前記ハウジング(2)を越えて突出しないように、互いに調整され、
前記保持状態より挿入方向にさらに深いクランプ位置において、前記楔要素(48)は前記第2の楔形表面(52)を備えるハウジング(2)を越えて突出する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項7】
前記保持状態において、前記楔要素(48)は当該ストリップ導体(40)の長さの少なくとも四分の三を越えて前記楔要素(48)の挿入方向に延在する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項8】
前記保持状態において、前記楔要素(48)はその裏面側(56)において挿入方向に前記ハウジング(2)を越えて突出しない、請求項5から請求項7のいずれか記載の発熱エレメント。
【請求項9】
前記ストリップ導体(40)上に配置された絶縁層(44)は前記楔要素(48)とこれに隣接する前記ストリップ導体(40)との間に設けられる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項10】
前記楔要素(48)と前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)との間に板(46)が設けられ、
前記楔要素(48)と、前記ストリップ導体(12、40)と、前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)とにより形成される前記層構成体の方向の製造公差を補正するために、前記板(46)を様々な厚さで提供することができる、請求項1から請求項9のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項11】
前記板(46)は前記楔要素(48)と前記絶縁層(44)との間に配置される、請求項9または請求項10に記載の発熱エレメント。
【請求項12】
前記楔要素(48)に対向する側に設けられた前記ストリップ導体(12)は、その上に存在する絶縁層(38)と共に、前記絶縁層(38)のまわりの前記ハウジング(2)を形成する熱可塑性物質のまわりの射出成型により前記ハウジング(2)に接続される、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項13】
前記少なくとも一つのストリップ導体(40)は、シールを形成する前記ハウジング(2)の上に接する絶縁層(44)により前記ハウジング(2)に固定される、請求項1から請求項12のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項14】
前記板(46)に接する前記絶縁層(44)は、前記フレーム開口部(6)を囲むシールストリップにより前記ハウジング(2)に対し密閉される、請求項1から請求項13のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項15】
前記ハウジング(2)は、その上面側(18)上に、前記楔要素(48)用の前記ガイド(22)に通じる挿入孔(49)と、前記ストリップ導体(12、40)に通じるコンタクトスタッド(14、42)により貫通されたコンタクトスタッド開口部(16、20)とを有し、
前記ハウジング(2)は、その上面側(18)に、前記コンタクトスタッド(14、42)に対し直角に延在するスペーサー要素(58)を形成し、
前記スペーサー要素は(58)、前記PTC加熱エレメント(8)の上流または下流側のスペーサー面に対応して、そして前記コンタクトスタッド(14、42)の長さ方向に延在して形成される、請求項1から請求項14のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項16】
前記ハウジング(2)は、その上面側(18)に、前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)の両側に、前記コンタクトスタッド(14、42)に延在するとともに前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)の厚さ方向に延在する少なくとも一つのリミットストップ(64)を形成する、請求項1から請求項15のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項17】
前記ハウジング(2)は、ハウジングシェル要素(66)とハウジング対向要素(69)とを含み、それぞれは、前記ストリップ導体(12、40)それぞれのまわり(そして適切な場合には外面に設けられる絶縁層(38、44)のまわり)の前記ハウジングシェル要素(66)と前記ハウジング対向要素(69)のそれぞれを形成する熱可塑性物質のまわりの射出成型によりストリップ導体(12、40)に接続され、これらの一つは、前記楔要素(48)用の前記ガイド(22)を形成し、
前記ハウジング要素(66、68)は、前記楔要素(48)の挿入方向にかみ合わせられることにより互いに動かないやり方で、そしてこれに実質的に直角の方向に対し依然として互いに移動可能なやり方で、構造ユニット内に結合される、請求項1から請求項16のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項18】
前記フレーム開口部(6)を密閉する圧縮可能なシール材は前記2つのハウジング要素(66、68)間に設けられる、請求項17に記載の発熱エレメント。
【請求項19】
前記ハウジング要素(66、68)は、射出成型を使用することにより別々の部品として製造され、次に前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)を前記フレーム(4)内へ挿入した後に互いに接続される、請求項17または請求項18に記載の発熱エレメント。
【請求項20】
前記楔要素(48)用の前記ガイド(22)を含む前記ハウジング要素(66)は、実質的に挿入方向に延在する突起縁部(74)を有する、前記フレーム開口部(6)を囲むハウジング突起部(70)を形成し、
他方のハウジング要素(68)は前記ハウジング突起部(70)を保持するハウジング凹部(76)を形成する、請求項1から請求項19のいずれかに記載の発熱エレメント。
【請求項21】
特に請求項1から請求項20のいずれかに記載の、加熱対象の媒体が循環することができる循環チャンバ(106)内に延在し、長手方向に沿って多数の発熱エレメント(1)を縦一列に並んで保持するために形成された少なくとも一つのスロット(110)を有する加熱器ハウジング(100)と、少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)と、その上の両側にフラットに接するストリップ導体(12、40)と、前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)を保持するために少なくとも一つのフレーム開口部(6)を形成しそれを囲むフレーム(4)と、を備える電気加熱装置であって、
前記発熱エレメント(1)は、前記スロット(110)の長手方向の前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)の上流および下流側にスペーサー面(60、62)を有し、これにより隣接する発熱エレメント(1)は、これらスペーサー面(60、62)により互いに一定の距離に保たれる電気加熱装置。
【請求項22】
前記スペーサー面(60、62)は前記フレーム(4)を形成するハウジング(2)により形成される、請求項21に記載の電気加熱装置。
【請求項23】
前記スペーサー面(60、62)はその長辺に対して直角に前記スロット(110)から突出する周囲リム(58)により形成される、請求項21または請求項22に記載の電気加熱装置。
【請求項24】
特に請求項1から請求項20のいずれかに記載の、熱を伝導するようにスロット(110)の内壁に接し、その両側でフラットに接するストリップ導体(12、40)だけでなく少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)と、少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)を保持するための少なくとも一つのフレーム開口部(6)を形成しこれを囲むフレーム(4)と、を含む少なくとも一つの発熱エレメント(1)を保持するための少なくとも一つのスロット(110)を有する加熱器ハウジング(100)を備えた電気加熱装置を製造する方法であって、
前記少なくとも一つの発熱エレメント(1)は、前記ハウジング(2)上に形成されたリミットストップ(64)まで前記スロット(110)内に滑動され、
前記スロット(110)内にこのように固定された前記発熱エレメント(1)は、前記PTC加熱エレメント(8)と前記スロット(110)に対する楔要素(48)の運動により、前記PTC加熱エレメント(8)と前記スロット(110)との間にクランプされる、方法。
【請求項25】
製造公差は、前記楔要素(48)と前記少なくとも一つのPTC加熱エレメント(8)との間に配置された板(46)の厚さを変更することにより補正される、請求項24に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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