説明

電気化学センサー用電極

ネックセクションの少なくとも一部分の幅が本体セクションの最も狭い部分の幅未満である、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する電極と、電極のネックセクションの少なくとも一部分が絶縁層によって被覆されていない、導電層の一部分上の絶縁層とを備える電気化学回路が提供される。電気化学回路の製造法も提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液中の所定の被検体の濃度を定量的に評価するために使用される電気化学センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
長年、バイオセンサーのような電気化学センサーが使用されている。数ある適用の中でも、それらは今、時には1日あたり4回以上の測定を実行することもある糖尿病患者の血液グルコースレベルの日常モニタリングにおいて重要な役割を演ずる。グルコースレベルが決定されたら、血液中のインシュリンまたはグルコースレベルの調整に関する処置を開始する。患者の血液グルコースが低下しすぎたか、または増加しすぎた場合、重大かつ致命的な結果が起こり得る。患者に極値を警告する利点以上に、血液グルコースレベルを管理することは、不十分な管理から起こり得る腎臓、神経および網膜損傷の発生率低下を減少すると考えられる。明らかに、電気化学測定の精度は、患者の健康および幸福にとって重要である。
【0003】
既知の電気化学センサーは、典型的に、平面基材、基材上の作用電極および対電極または参照電極、作用電極上の酵素およびメディエーターを含む試薬、ならびに流体試料を電極表面へ輸送するための手段を含む。被検体濃度を表示する信号を発生できるように電極を配列する。測定技術は典型的にアンペロメトリー法であって、ここでは、既知の電圧が印加され、そして電流が生化学反応(例えば、グルコース反応)によって発生し、電子デバイス(メーター)によって測定される。これらの反応は、通常、試料中の被検体(例えば、グルコース)に対して選択的である酵素と、酵素および作用電極の間で電子を輸送するメディエーターとの初期反応を含む。この場合、センサーは少なくとも1つの対電極または参照電極および1つの作用電極を含む。反応物質層は、反応に関与するか、または他の機能を実行する他の成分も含み得る。文献に記載される他の測定技術は、クーロメトリー法およびボルタメトリー法である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、基材と、ネックセクションの少なくとも一部分の幅が本体セクションの最も狭い部分の幅未満である、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する少なくとも1つの電極を含む導電層と、電極のネックセクションの少なくとも一部分が絶縁層によって被覆されていない、導電層の一部分上の絶縁層とを含む電気化学センサーを含む、新規物品を特徴とする。
【0005】
本発明のもう1つの実施形態は、導電性材料のパターンを基材上に配置して、ネックセクションの少なくとも一部分の幅が本体セクションの最も狭い部分の幅未満である、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する少なくとも1つの電極を形成する工程と、ネックセクションの少なくとも一部分が暴露される開放部を形成する絶縁性材料のパターンを、導電性材料上に配置する工程とを含み、絶縁性材料がネックの全部を被覆するようにさせるか、もしくはネックを被覆しないようにさせる分散がなく、ネックセクションが、電極本体に関する絶縁性材料の配置の精度が変更可能である十分な長さのものである、電極の表面積の変動を最小化するための新規方法を特徴とする。
【0006】
本願で使用される場合、
「連結ネック」は、電極の本体から導電性トレースまで延在する、導電層の狭くなった部分を意味し、
「末端ネック」は、電極の本体から延在して、回路のいずれかの他の導電性要素に電極を連結することなく終端する、導電層の狭くなった部分を意味する。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態の利点は、パターン化された導電層および絶縁層によって表面積が画定される電極に関して、導電層パターニングが絶縁層パターニングより精密である場合、電極表面積の画定の精度を増加することができることである。これは、システムの測定精度増加へと直接的に変換される。精度の増加は、製造コストの低下および収量の改善ももたらし得る。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施形態のもう1つの利点は、より厳密に管理された電極面積の結果として、被検体試料サイズが減少され得るということである。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面、詳細な説明および請求の範囲から明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1のセンサー回路1は、血液グルコースのモニタリング用の典型的な使い捨て電気化学センサーである。センサー回路1は、電極117(作用電極、参照電極、ダミー電極または冗長(redundant)電極を含む)、トレース116および接触パッド118を形成するためにパターン化された導電性材料の層が付着された、基材フィルム112を含む。トレースは、接触パッドに電極を連結する導電層の部分である。トレースは、いずれのサイズまたは形状であってもよい。
【0011】
通常加えられるさらなる機能上の構造は、カバーコートまたは絶縁層120であって、これは導電層の部分上にウインドウ122を形成する。センサーがメーター(図示せず)に挿入される時に電気的接触が生じ得るように、接触パッド118が必要とされる。絶縁層は、信号を回収することができる導電層の面積を画定し、また、いくつかの例において被検体試料体積を画定することができるため、直接的に読み取りの精度に影響を及ぼし得る。絶縁層は、スクリーン印刷されているか、フォトリソグラフ法によってパターン化されているか、または積層化されていてよい。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、従来技術の電極と比較して、電極のサイズを減少させることができ、そして画定された電極表面積の精度を増加させることができる。この表面積は、典型的に、いずれかの導電層パターニングまたは絶縁層パターニングおよび位置合せによって画定される。これによって、(他の要因が測定可変性を支配するまで、)従来技術の電極と比較してセンサー測定の精度を増加させることができる。
【0013】
導電層が絶縁層より精密にパターン化される組立法で、本発明のいくつかの態様は特に有用である。本発明の態様は、電極面積およびサイズ精度における絶縁層パターニングの影響を制限する。これによって、産業的に、電極面積の精度を増加させながら、低コストで精度の低いプロセスを使用して、絶縁層をパターン化し続けることが可能となる。あるいは、改善された絶縁層パターニングプロセスによって、より精密な電極を提供することができる。これらは両方とも、得られる電気化学センサーの製造および使用に対する明らかな利点である。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、本体セクションと、電極の本体より狭い幅を有する少なくとも1つの「ネック」セクションとを有する電極を提供する。ネックセクションは、本体セクションを回路のもう1つの導電性要素に連結するか、またはいずれの他の要素に連結せずに終端してよい。図2a〜2fは、本発明の代表的な電極の形状を示す。電極は、電極本体セクション224と、連結ネック226および末端ネック228の一方または両方を有する。様々な例によって図示されるように、本発明の電極は、少なくとも一側面上でネックを有する。加えて、ネックは様々な形状を有し得る。例えば、図2aに示されるように直線状であっても、図2dに示されるようにテーパ付きであっても、スカロップ形、丸形、曲線状、正方形、長方形等であってもよい。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施形態の重要な利点は、ウインドウ222の側面を画定する絶縁層の縁が、少なくとも1つのネックセクションで電極を横切るということである。電極のネックドダウンセクションは、最終的な電極表面積における絶縁層の精密ではない適用のマイナスの影響を低下させる。例えば、絶縁層の縁が十分に画定されていない場合(例えば、ぎざぎざ、鋸歯状等)、絶縁層の縁を横切るネックの幅は非常に小さいため、不十分な画定の影響は最小化される。
【0016】
本発明によって与えられる利点がなければ、導電層パターニングが完全な場合でも、電極の形状およびサイズの画定を改善する能力は、いかに絶縁層が適用されるかという改善に限定される。本発明によって与えられる利点によって、電極表面積を精密に画定する能力は、絶縁層画定の精度より導電層画定の精度に依存し得る。実際に、本発明は、不十分な電極パターニング法(例えば、スクリーン印刷、積層化等)によっても、面積標準偏差と面積平均との比率に等しい所望の面積変動係数(COV)を有する小型電極を製造可能にする。実際に、本発明に関する電極面積COVは、絶縁層パターニング法の精度に関係なく、導電層パターニング法のものに接近し得る。
【0017】
連結ネックおよび末端ネックの一方または両方を備える本発明の電極は、ウインドウが電極本体上で中心に置かれない場合でさえも、電極サイズを実質的に一定に保つことによって、絶縁層ウインドウの配置の不精密を補償する。
【0018】
導電性材料をパターン化して、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する電極を形成し、次いで、ネックセクションの少なくとも一部分が暴露されるように開放部を形成する絶縁性材料のパターンを導電性材料上に配置することによって、電極のCOVおよび、または表面積の変動を達成することができる。この場合、絶縁性材料がネックセクションの全部を被覆するようにさせるか、もしくはネックを被覆しないようにさせる分散がなく、ネックセクションが、電極本体に関する絶縁性材料の配置の精度が変更可能である十分な長さのものであるべきである。
【0019】
図3aに示されるもののような従来技術の電極構造体(均一幅の電極117)に関して、電極面積(A)は、絶縁体ウィンドウ310の縁によって画定される電極長さ(L)と、電極幅(W)とによって画定される。
【数1】

【0020】
誤差分析の伝播を使用して、電極面積における分散が以下の通りであることを示すことができる。
【数2】

式中、σは、(導体パターニングプロセスによって制御された)電極幅の標準偏差であり、導体特徴サイズの標準偏差σcondに等しく、
σは、(絶縁体パターニングプロセスによって制御された)電極長さの標準偏差であり、絶縁体ウィンドウサイズの標準偏差σinsに等しく、
σは、(導体および絶縁体パターニングプロセスによって制御された)電極面積の標準偏差である。
【0021】
電極面積のCOVは以下の通りである。
【数3】

【0022】
例えば、必要とされる5%の電極面積COVおよび1μmのσcond、15μmのσinsを仮定すると、WおよびLの最小値(簡略化のため、W=Lと仮定)は、300μmであると算出される。
【0023】
本発明の少なくとも1つの態様によって提供される利点は、同一電極面積COVを維持しながら、可能な電極サイズを減少させ、以下の等式によって論証することができる。これは、図3bに示される形状の電極を記述する(図2aに示される配列であってよい)。
【0024】
連結および末端ネックセクションの一方または両方を有する電極に関して、電極面積は以下の通りである。
【数4】

式中、Wは、電極本体124の幅であり、Wは、ネック部分126、128の幅であり(この分析において、連結ネックと末端ネックに関して同一であると仮定される)、Lは、絶縁体ウィンドウ310の縁によって画定される電極長さであり、そしてLは、電極本体の長さである。
【0025】
暴露された電極面積における分散は、以下の通りである。
【数5】

【0026】
従って、暴露された電極面積のCOVは、以下の通りである。
【数6】

【0027】
上記の従来技術の例と同一の仮定を使用して、そしてW/W=10、L/L=0.9と仮定して、(上記の従来技術の例の300μmと比較すると)5%のCOVを達成可能な最小電極寸法(LまたはW)は43μmである。本発明の一実施形態は、従って、(同一電極COVを維持しながら)電極表面積を減少させることであり、従って、測定を実行するために必要とされる被検体が減少されることである。
【0028】
あるいは、同一の等式を使用して、同一電極サイズに関して、暴露された電極COVが本発明によって劇的に減少され得ることを論証することができる。表1は、同様の大きさの電極に対して、暴露された電極領域COVに関して従来技術以上に利点を提供するために、いかに本発明の実施形態を使用することができるかを示す。特に、絶縁体の特徴サイズ変動性が導体のものより非常に大きい場合、これは当てはまる。
【0029】
比較例1aおよび2aは、図3aに示される従来技術の電極(ネックド領域のないもの)の寸法を有する。実施例1bおよび2bは、図3bに示される本発明の電極(ネックド領域)の寸法を有する。上記式を使用して、同様の大きさの電極の比較例1aおよび実施例1bのCOVは、それぞれ、1.0%および0.30%である。同様の大きさの電極の比較例2aおよび実施例2bのCOVを比較すると、それぞれ、5.0%および0.62%である。表1のデータは、本発明の電極のCOVが、実質的に従来技術の電極のCOV未満であることを示す。
【0030】
【表1】

【0031】
本発明の電気化学センサーは、グルコースモニタリングシステムにおいて有用である。この電気化学センサーは、グルコース試験ストリップの一部分を形成し得る。グルコース試験ストリップは、典型的に、平面基材、基材上の作用電極および対電極または基準電極、作用電極上の酵素およびメディエーターを含む試薬、ならびに血液試料を電極表面へ輸送するための手段を含む。グルコース濃度を表示する信号を発生できるように、電極を配列する。血液試料を作用電極上へ適用した後、試験ストリップ(または接触パッドを含有する試験ストリップの少なくとも部分)を、血液試料中グルコースレベルの読み出しを提供する、商品名アクチェック アドバンテージ(ACCUCHEK ADVANTAGE)でスイス、バーセルのロシュ ダイアグノスティックス コーポレイション,ア デビジョン オブ F.ホフマン−ラ ロシュ リミテッド(Roche Diagnostics Corporation,a division of F. Hoffmann−La Roche Ltd,Basel,Switzerland)から入手可能な血液グルコースメーターのようなグルコース測定デバイスに挿入する。グルコースモニタリングシステムは、試験ストリップ、グルコース測定デバイスおよび任意に、血液試料を作成するために皮膚を穿刺するためのランセットを含有し得るキットの形態で提供されることが多い。
【0032】
本発明の電気化学センサーのための回路は、金属スパッタリング、メッキ加工、レジストラミネーティング、レジスト暴露、現像およびエッチングのような様々な既知の手順を使用して製造可能である。特定の適用のために、所望であれば、かかる手順の順序を変更してもよい。
【0033】
電気化学回路を製造するための1つの方法は、以下の典型的な工程順序を有する。
【0034】
誘電体基材を提供する。誘電体基材は、約10μm〜約500μmの厚さを有するポリエステル、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート等よりなる群から選択されるポリマーフィルムであってよい。真空スパッタリングまたはエバポレーション技術を使用して、基材は、クロム、ニッケルまたはそれらの合金のシード層で被覆されて、続いて、第1の導電層で被覆される。あるいは、導電層を誘電体基材上に直接的に付着させてもよい。本発明の導電層において使用するための適切な導電性材料としては、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、スズ(Sn)およびそれらの合金が挙げられる。金属層の厚さは、典型的に約5nm〜約200nmである。スパッタリングまたはエバポレーションのような当該分野で既知の真空蒸着法によって、あるいは無電解メッキ法によって、導電層を適用してよい。
【0035】
次いで、水性であっても溶媒ベースであってもよく、そしてネガ型フォトレジストであってもポジ型フォトレジストであってもよいフォトレジストを、金属被覆ポリマー基材の少なくとも一側面上に積層化または被覆する。標準ホットローラー積層化技術を使用してよい。適切な乾燥フィルムは、マサチューセッツ州ウォーターベリーのマクダーミッド インコーポレイテッド(MacDermid,Inc.,Waterbury,MA)からSF310として入手可能である。被覆された液体レジストは、積層化よりも薄層を提供し得るが、より高価である。フォトレジストの厚さは、約1μm〜約50μmであってよい。次いで、マスクまたはフォトツールを通して紫外光または他の適切な放射線へフォトレジストを暴露し、レジストの暴露部分を架橋させる。約365nmの波長において、適切なエネルギーレベルは約50mJ/cm〜約500mJ/cmである。次いで、適切な溶媒中で、フォトレジストの未暴露の部分を現像する。例えば、水性レジストの場合、希釈水溶液、例えば、0.5%〜1.5%の炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム溶液を、所望のパターンが得られるまで適用する。基材を溶液に含浸させることによって、または基材上で溶液をスプレーすることによって、現像を達成することができる。次いで、約5nm〜約50μmの範囲の所望の回路厚さが達成されるまで、標準の電気メッキまたは無電解メッキ法を使用して、同一の金属または異なる金属で第1の導電性金属層をさらにメッキ加工することができる。
【0036】
必要であれば、フォトレジストのパターンを適用し、架橋し、そして現像し、次いで、約50℃〜約120℃の温度で濃縮塩基浴中に回路を配置することによって、誘電体基材をエッチングして特徴を形成する。これによって架橋されたレジストによって被覆されていないポリマーフィルム部分にエッチングを施す。これは、最初の導電性金属薄層の特定の領域を暴露する。次いで、約20℃〜約80℃、好ましくは、約20℃〜約60℃で、アルカリ金属水酸化物の2%〜5%溶液中で、レジストを積層体の両側面から取り除く。その後、ポリマーフィルムに対して有害ではないエッチ液、例えば、金に関しては、トランセン カンパニー インコーポレイテッド(Transene Company Inc.)(マサチューセッツ州、ダンバーズ(Danvers,MA))から商標名GE−8148エッチ液で入手可能な三ヨウ化物をベースとするエッチ液によって暴露された位置で、最初の第1の導電性薄層をエッチングする。あるいは、導電層のパターン化は、導電性材料の選択的付着、レーザーアブレーション、化学エッチング、レーザースクライビングまたはいずれかの他の適切な方法によって達成され得る。(全てのプロセス工程が完了された後の)金属層の最終的な厚さは、約5nm〜約50μmの厚さであり得る。
【0037】
スクリーン印刷もしくはインクジェット印刷、予め切断された絶縁性材料もしくは絶縁性材料のストリップの積層化、または絶縁性材料の均一シートの積層化のような選択的被覆プロセスと、それに続いて、当該分野で周知の精密スリッティング、キスカッティング、エッチングまたはレーザーアブレーションのような方法を使用する選択されたセクションの精密な除去によって、パターン化された絶縁体材料を回路上に形成することができる。あるいは、絶縁性材料は、標準フォトリソグラフィック技術によって精密にパターン化され得るフォトイメージ可能な材料であってもよい。
【0038】
所望であれば、従来の変換工程を使用して、センサーの回路の連続ウェブとして、それらをより小さいストリップへと分離してもよい。あるいは、機能性電気化学センサーを製造するために必要な追加的な層を加えるプロセス後の工程を受ける連続ウェブの形態で電極回路を提供してもよい。
【0039】
本発明の様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者にとって明らかとなり、そして本発明が本明細書に記載の実例となる実施形態に過度に限定されないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来技術の多電極センサー回路。
【図2a】各電極が連結ネックおよび末端ネックを有する、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図2b】各電極が連結ネックのみを有し、そして絶縁層の開放部の一縁のみが導電層材料を横切る、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図2c】各電極が連結ネックのみを有し、そして絶縁層の開放部の両縁が導電層材料を横切る、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図2d】電極が、テーパ付きの連結ネックおよび末端ネックを有する、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図2e】連結ネックが複合電極の2つの部分を連結している、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図2f】電極が相互嵌合構造である、本発明の多電極センサー回路の実施形態。
【図3a】パターン化された導電層および絶縁層によって画定された従来技術の電極の寸法。
【図3b】パターン化された導電層および絶縁層によって画定された本発明の電極の実施形態の寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
ネックセクションの少なくとも一部分の幅が本体セクションの最も狭い部分の幅未満である、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する少なくとも1つの電極を含む導電層と、
電極のネックセクションの少なくとも一部分が絶縁層によって被覆されていない、前記導電層の一部分上の絶縁層と、
を含む電気化学センサーを含む物品。
【請求項2】
少なくとも1つのネックセクションを有する少なくとも1つの電極が作用電極である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記ネックセクションの最も狭い部分の幅が前記本体セクションの最も狭い部分の幅の半分未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ネックセクションの最も狭い部分の幅が前記本体セクションの最も狭い部分の幅の10分の1未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも1つのネックが末端ネックである、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
少なくとも1つのネックが連結ネックである、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
少なくとも1つの電極が末端ネックおよび連結ネックの両方を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
1つ以上のネックが長方形の形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
1つ以上のネックがテーパ付きの形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記テーパが直線状である、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
前記テーパが湾曲されている、請求項9に記載の物品。
【請求項12】
1つより多くの電極がネックセクションを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記導電層が、金、パラジウム、白金またはそれらの合金よりなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記導電層の厚さが約5nm〜約50μmである、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
前記絶縁層が、スクリーン印刷されているか、フォトリソグラフ法によってパターン化されているか、または積層化されている、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記基材が、液晶ポリマー、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(エステル)、ポリ(オレフィン)、(ポリ)イミドまたは(ポリ)カーボネートよりなる群から選択される材料から製造されている、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
請求項1に記載の電気化学センサーを含むグルコースセンサー試験ストリップを含む物品。
【請求項18】
請求項17に記載のグルコースセンサーストリップを含むグルコース試験キットと、メーターと、を含む物品。
【請求項19】
電極の表面積の変動を最小化するための方法であって、
導電性材料のパターンを基材上に配置して、ネックセクションの少なくとも一部分の幅が本体セクションの最も狭い部分の幅未満である、本体セクションおよび少なくとも1つのネックセクションを有する少なくとも1つの電極を形成する工程と、
ネックセクションの少なくとも一部分が暴露される開放部を形成する絶縁性材料のパターンを、前記導電性材料上に配置する工程と、
を含み、前記絶縁性材料がネックの全部を被覆するようにさせるか、もしくはネックを被覆しないようにさせる分散がなく、ネックセクションが、前記電極本体に関する前記絶縁性材料の配置の精度が変更可能である十分な長さのものである方法。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2007−510902(P2007−510902A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538043(P2006−538043)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/033525
【国際公開番号】WO2005/047528
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)