説明

電気化学デバイス

【課題】本発明は、電解質の分解により生じるフッ化水素による集電体の腐食や電解液溶媒の分解などに起因する電気化学セルの特性劣化を抑制した電気化学デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、非水溶媒及び電解質を含む電解液を用いた電気化学デバイスであって、電解質のアニオン成分が下記一般式(1)で表される含ホウ素アニオンである、電気化学デバイスを提供する。
-(CN)n4-n (1)
(式中、Rは、互いに独立して、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、nが1又は2の場合、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学キャパシタ、二次電池などの電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解液を用いた電気化学キャパシタや二次電池などの電気化学デバイスは、溶媒の電気分解電圧が高いために耐電圧を高くすることができ、大きなエネルギーを蓄えることが可能である。電解液の水分含有量は厳しく管理されており、水分含有量が数十ppm以下である電解液が通常用いられている。しかしながら、活物質の細孔に吸着している水分などに起因するセルの特性悪化が問題となっている。例えば、電気化学キャパシタや二次電池などの電気化学デバイスでは、電解液の電解質としてテトラフルオロホウ酸塩やヘキサフルオロリン酸塩などが用いられているが、これらの電解質は水と反応してフッ化水素を生成することが知られている。ここで生成したフッ化水素は、集電体の腐食や電解液溶媒の分解などを引き起こすため、電気化学デバイスの諸特性を悪化させる。なお、これらの電解質の分解は、熱が加わることで顕著に引き起こされるため、例えばリフローに対応した電気化学デバイスを開発する上で、フッ化水素の発生は特に大きな問題となる。
【0003】
特許文献1において、加水分解によるフッ化水素を発生する傾向の小さい電解質であるホウ素化合物の一種(X+[(Rf)nBF4-n-(式中、X+はアルカリ金属イオン又はオニウムイオンを示し、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、nは1ないし4の整数を示す。なお、nが2以上の場合には、複数のRfは相互に異っていてもよく、また複数のRfが相互に結合してホウ素と共に環構造を形成していてもよい。))が溶解した電解液を用いることが提案されている。しかしながら、nが1〜3の場合には、完全にフッ化水素の発生を抑えることはできず、nが4の化合物は合成するために大掛かりな設備を整える必要がある。また、特許文献2において、電解質(LiPF6)の分解により生じたフッ化水素を除くために、フッ化水素と反応するホウ酸リチウムを電解液中に添加することが提案されている。特許文献2においては、フッ化水素とホウ酸リチウムとの反応は以下のように考えられている。
Li247・10H2O+12HF→Li2O・4BF3+16H2
この反応によりフッ化水素は除かれるものの、電解液に添加するホウ酸リチウムは10水和物であることに加えて、反応によって水が生成するために、発生した水によって電解質の更なる分解が起こるなど、水に起因する新たな問題が生じてしまう。また、特許文献3には、イオン性液体若しくは触媒を合成するための酸及びその塩として、ホウ素含有有機酸及びその塩に関する記載があるが、ここで述べられているのはこれらの酸及び塩の合成方法のみであり、塩の物性並びにデバイスに適用した時の特性に関しては全く述べられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−63934号公報
【特許文献2】特開2005−71617号公報
【特許文献3】特開2008−517002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電解質の分解により生じたフッ化水素による集電体の腐食や電解液溶媒の分解などに起因する特性劣化を抑制した電気化学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意検討した結果、電解液に溶解した電解質のアニオン成分として、特定の含ホウ素アニオンを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、非水溶媒及び電解質を含む電解液を用いた電気化学デバイスであって、電解質のアニオン成分が下記一般式(1)で表される含ホウ素アニオンである、電気化学デバイスを提供する。
-(CN)n4-n (1)
(式中、Rは、互いに独立して、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、nが1又は2の場合、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電解液に溶解した電解質のアニオン成分として、特定の含ホウ素アニオンを用いることで、水の存在下でも電解質の分解によるフッ化水素が発生しないので、腐食を伴う集電極の劣化が抑制され、電気化学デバイスの静電容量や充放電効率などの電気特性の悪化を防止することができる。また、酸に起因する電解液の分解が抑制され、電気化学デバイスの膨張や内部抵抗の増大を防止することができる。さらに、本発明で用いている特定の含ホウ素アニオンはBF4-よりも嵩高いため、カチオンとの相互作用が弱く、BF4-をアニオン成分として用いたアンモニウム塩よりも溶解度が高くなり、低温から高温までの幅広い温度範囲で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の電気化学デバイスの側面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の電気化学デバイスの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態の電気化学デバイスの側面断面図である。
【図4】キャパシタ容器が膨張した状態の電気化学デバイスの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の電気化学デバイスは、非水溶媒及び電解質を含む電解液を用い、電解質のアニオン成分として、下記一般式(1)で表される含ホウ素アニオンを用いる。
-(CN)n4-n (1)
(式中、Rは、互いに独立して、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、nが1又は2の場合、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。)
nを1〜3の整数とし、含ホウ素アニオンの構造を非対称とすることで、電解質の溶解性を高めることができる。
Rによって表される炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロイソブチル基、ノナフルオロtert−ブチル基などが挙げられる。
前記含ホウ素アニオンの具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
【化1】

(1−1) (1−2) (1−3)

(1−4) (1−5) (1−6)

(1−7) (1−8) (1−9)
【0010】
電解質のカチオン成分としては、通常電気化学デバイスで使用される電解質のカチオン成分であれば、本発明の電気化学デバイス用の電解質のカチオン成分として使用することができる。例えば、カチオン成分として、下記一般式(2)〜(4)のカチオンが挙げられる。
【化2】

(2)
(式中、R1〜R4はそれぞれ炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基を示す。)
1〜R4によって表される炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などの炭素数が1〜6のアルキル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などの炭素数が1〜6のアルコキシアルキル基などが挙げられる。R1〜R4は、好ましくはメチル基、エチル基などの炭素数が1〜3のアルキル基である。
【0011】
【化3】

(3)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基を示し、Xは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成する。)
5及びR6によって表される炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などの炭素数が1〜6のアルキル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などの炭素数が1〜6のアルコキシアルキル基などが挙げられる。R5及びR6は、好ましくはメチル基、エチル基などの炭素数が1〜3のアルキル基である。
Xによって表される二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基としては、例えばブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−2,5−ジイル基、ヘプタン−2,6−ジイル基などの炭素数が4〜7のアルキレン基、3−オキサペンタン−1,5−ジイル基、1,4−ジメチル−3−オキサペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のオキサアルキレン基、3−アザ−3−メチルペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のアザアルキレン基などが挙げられる。Xは、好ましくはブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が4〜5のアルキレン基である。
【0012】
【化4】

(4)
(式中、Xは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成し、Yは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成する。)
Xによって表される二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基としては、例えばブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−2,5−ジイル基、ヘプタン−2,6−ジイル基などの炭素数が4〜7のアルキレン基、3−オキサペンタン−1,5−ジイル基、1,4−ジメチル−3−オキサペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のオキサアルキレン基、3−アザ−3−メチルペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のアザアルキレン基などが挙げられる。Xは、好ましくはブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が4〜5のアルキレン基である。
Yによって表される二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基としては、例えばブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基、2,3−ジメチルブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−2,5−ジイル基、ヘプタン−2,6−ジイル基などの炭素数が4〜7のアルキレン基、3−オキサペンタン−1,5−ジイル基、1,4−ジメチル−3−オキサペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のオキサアルキレン基、3−アザ−3−メチルペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が3〜4のアザアルキレン基などが挙げられる。Yは、好ましくはブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基などの炭素数が4〜5のアルキレン基である。
【0013】
一般式(2)のカチオンの具体例としては、例えば下記カチオンなどが挙げられる。
【化5】

(2−1)

(2−2)
一般式(3)のカチオンの具体例としては、例えば下記カチオンなどが挙げられる。
【化6】

(3−1)
一般式(4)のカチオンの具体例としては、例えば下記カチオンなどが挙げられる。
【化7】

(4−1)
【0014】
電解液中の電解質のアニオン成分及びカチオン成分の含有量は、非水電解液1リットルに対して、それぞれ0.8モル以上3.0モル以下が好ましく、1.0モル以上2.5モル以下がより好ましい。
また、上記含ホウ素アニオンとアルカリ金属イオンとの塩からなる電解質を用いることで、二次電池やハイブリッドキャパシタの高温信頼性を改善させることも可能である。アルカリ金属イオンとしては、好ましくはリチウムイオンである。電解液中の上記含ホウ素アニオンとアルカリ金属イオンとの塩からなる電解質の含有量は、非水電解液1リットルに対して、例えば0.8モル以上3.0モル以下であり、1.0モル以上2.0モル以下が好ましい。
【0015】
通常電気化学デバイスで使用される非水溶媒であれば、本発明の電気化学デバイス用の非水溶媒として使用することができる。非水溶媒としては、例えば環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル化合物及び含イオウ化合物などが挙げられる。これらの非水溶媒は、単独で使用することもできるし、2種以上混合して使用することもできる。
環状炭酸エステルとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
環状エステルとしては、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン(DVL)などが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチル 2,5−ジオキサヘキサンジオエート、ジプロピルエーテルなどが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えばアセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどが挙げられる。
含イオウ化合物としては、例えばスルホラン(SL)、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン(EMS)、エチルプロピルスルホン(EPS)、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
上記の非水溶媒の中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなどの環状エステル;グルタロニトリル、アジポニトリルなどのニトリル化合物;スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルプロピルスルホンなどの含イオウ化合物が好ましい。近年では、電子部品の回路基板への半田付けの際にリフロー炉が用いられることが多くなってきている。リフロー炉内の温度プロファイルは様々であるが、250℃程度になる温度プロファイルを有する場合も多い。また、回路基板に取付けられる電気化学デバイスは小型のものも多く存在し、リフロー半田付けを行う際にフィルムパッケージ40の内部もリフロー炉内の温度に近い温度になる。従って、非水電解液の非水溶媒の沸点が低い場合は、リフロー炉を用いた半田付けの際に非水溶媒が気化し、フィルムパッケージ40の形状や電気化学デバイスの特性が低下する場合がある。耐熱性向上の観点や非水電解質の沸点を高くするという観点から、上記非水溶媒は好ましい。
【0016】
本発明の電気化学デバイスとしては、電気化学キャパシタ、二次電池などが挙げられ、電気化学キャパシタとしては、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどが挙げられる。
【0017】
電気化学キャパシタは、例えば正極10、負極20、及び正極10と負極20との間にセパレータ30を有する蓄電素子Bと、電解質を非水溶媒中に溶解した非水電解液と、ラミネートフィルムから形成される(図1参照)。また、電気化学キャパシタは、一端が蓄電素子Bに接続され、他端がフィルムパッケージ40(蓄電素子B及び非水電解液が封入されている)から導出している端子50を有している。金属箔からなる集電体11及び21の表面には、それぞれ導電性接着剤(図示せず)を介して分極性電極層12及び22が形成されている。正極10及び負極20は、例えば正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。セパレータは、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂などの、非水電解液を含浸できる材料から形成される。セパレータ30は、向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12及び22の間に配置される。なお、蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気化学キャパシタで用いられている公知の構造を適用することができる。
【0018】
分極性電極層12及び22は、電気化学キャパシタの分極性電極層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用でき、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの活物質を含有し、電気化学キャパシタの分極性電極層に用いられる導電剤やバインダーなどの他の成分も必要に応じて含有してもよい。
活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。これらは1種でも使用可能であり、2種以上を併用することも可能である。
【0019】
また、リチウムイオンキャパシタは、例えば正極10、負極20、及び正極10と負極20との間にセパレータ30を有する蓄電素子Bと、電解質を非水溶媒中に溶解した非水電解液と、ラミネートフィルムから形成される(図3参照)。また、リチウムイオンキャパシタは、一端が蓄電素子Bに接続され、他端がフィルムパッケージ40(蓄電素子B及び非水電解液が封入されている)から導出している端子50を有している。例えばアルミニウムの金属箔からなる正極10の集電体11の表面には、導電性接着剤(図示せず)を介して分極性電極層12が形成されている。分極性電極層12は、前記電気化学キャパシタで用いられるものと同様の材料及び構造を有するものが使用できる。また、リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用できる。また、例えば銅の金属箔からなる負極20集電体21の表面には、活物質層23が形成されている。正極10及び負極20は、例えば正極10の分極性電極層12と負極20の活物質層23とが向き合うように配置されている。また、リチウム金属のシートが負極20の近傍に配置される。これにより、リチウム金属シートのリチウムが非水電解液内に溶解するとともに、そのリチウムイオンが負極20の活物質層にプレドープされ、充電前の状態で負極20の電位が正極10の電位に比べて、例えば3V程度低くなる。セパレータは、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂などの、非水電解液を含浸できる材料から形成される。セパレータ30は、向きあっている正極10の分極性電極層12及び負極20の活物質層23の間に配置される。なお、蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプのリチウムキャパシタで用いられている公知の構造を適用することができる。
【0020】
負極の活物質層23は、リチウムイオンキャパシタの活物質層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用でき、例えば難黒鉛化炭素、グラファイト、錫酸化物、珪素酸化物等の活物質を含有し、カーボンブラックや金属粉末等の導電助剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)等のバインダーも必要に応じて含有してもよい。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
アニオン成分が式(1−3)の含ホウ素アニオンであり、カチオン成分が式(2−1)のカチオンである電解質1.5モルを、プロピレンカーボネート(PC)からなる非水溶媒1リットル中に溶解した電解液を調製した。また、薄型の電気化学キャパシタは以下の方法で作製した。PASを分極性電極材として用いた電極(正極10及び負極20)及びセルロースからなるセパレータをそれぞれカットした後に交互に積層し、引出し端子を超音波溶接により取り付けた(図1)。作成した素子を約180℃で真空乾燥した後、電極サイズにカットした封止材に素子を入れて電解液を注入し、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した。なお、封止材としてはナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用いた。
【0022】
(実施例2)
電解質のアニオン成分を式(1−6)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0023】
(実施例3)
電解質のアニオン成分を式(1−7)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0024】
(実施例4)
電解質のアニオン成分を式(1−8)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0025】
(実施例5)
電解質のカチオン成分を式(2−2)のカチオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0026】
(実施例6)
電解質のカチオン成分を式(3−1)のカチオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0027】
(実施例7)
電解質のカチオン成分を式(4−1)のカチオンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0028】
(実施例8)
非水溶媒をγ−ブチロラクトン(GBL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0029】
(実施例9)
非水溶媒をδ−バレロラクトン(DVL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0030】
(実施例10)
非水溶媒をスルホラン(SL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0031】
(実施例11)
非水溶媒をエチルプロピルスルホン(EPS)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0032】
(実施例12)
非水溶媒をスルホラン(SL)80重量%とエチルメチルスルホン(EMS)20重量%とからなる混合溶媒に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0033】
(実施例13)
非水溶媒をγ−ブチロラクトン(GBL)50重量%とエチルプロピルスルホン(EPS)50重量%とからなる混合溶媒に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0034】
(実施例14)
電解質のカチオン成分をMe4+に変更した以外は、実施例11と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0035】
(比較例1)
電解質のアニオン成分をテトラフルオロボレート(BF4-)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0036】
(比較例2)
非水溶媒をγ−ブチロラクトン(GBL)に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0037】
(比較例3)
非水溶媒をδ−バレロラクトン(DVL)に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0038】
(比較例4)
非水溶媒をスルホラン(SL)に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0039】
(比較例5)
非水溶媒をエチルプロピルスルホン(EPS)に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0040】
(比較例6)
非水溶媒をスルホラン(SL)80重量%とエチルメチルスルホン(EMS)20重量%とからなる混合溶媒に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0041】
(比較例7)
非水溶媒をγ−ブチロラクトン(GBL)50重量%とエチルプロピルスルホン(EPS)50重量%とからなる混合溶媒に変更した以外は、比較例1と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0042】
(比較例8)
電解質を、アニオン成分がB(CF34-)であり、カチオン成分がMe4+である電解質とした以外は、比較例5と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
【0043】
(信頼性試験)
実施例1〜14及び比較例1〜7で作製した電気化学キャパシタを、それぞれ25℃雰囲気中で12時間放置後、同雰囲気内で静電容量及び直流抵抗を測定してこれらの初期値を得た。なお、静電容量は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電したセルを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に10mAで0Vまで放電させた時の放電カーブの傾きから算出した。直流抵抗は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電したセルを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に2Aで0Vまで放電させた時の電圧降下から算出した。
また、150℃から5分間かけて250℃に達する温度プロファイルのリフロー炉に5分間投入する工程を5回繰り返し、60℃の雰囲気中で2.5Vの電圧を1000時間印加し続け、その後に25℃雰囲気中で静電容量及び直流抵抗を測定した。その測定結果を初期の静電容量及び直流抵抗の測定結果で割って、静電容量変化率及び直流抵抗変化率を百分率で表した(リフロー+フロート試験後)。結果を下記表1及び表2にまとめる。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
実施例1〜7と比較例1との比較、実施例8と比較例2との比較、実施例9と比較例3との比較、実施例10と比較例4との比較、実施例11と比較例5との比較、実施例129と比較例6との比較、及び実施例13と比較例7との比較より、電解質のアニオン成分として一般式(1)で表される含ホウ素アニオンを用いる場合には、電解質のアニオン成分としてテトラフルオロボレートを用いる場合と比較してリフロー+フロート試験後の静電容量の低下率及び直流抵抗の上昇率が小さいことがわかった。このように、本発明の電気化学デバイスでは、リフロー後の特性悪化が抑制される。
この効果が得られる理由は明確ではないが、電解質アニオン成分としてテトラフルオロボレートを用いる場合、リフローの高熱下においてテトラフルオロボレートアニオンが非水電解液中の水分と反応してフッ化水素を生じ、生じたフッ化水素は集電体金属の腐食やプロピレンカーボネート等の非水溶媒の分解を引き起こすため、リフロー+フロート試験後の静電容量の低下率及び直流抵抗の上昇率が大きくなっていると推定される。一方、実験例1〜13では、電解質中のアニオン成分からフッ化水素が発生しないため、フッ化水素による集電体金属の腐食やプロピレンカーボネート等の非水溶媒の分解が防止され、リフロー+フロート試験後の静電容量の低下率及び直流抵抗の上昇率が小さくなっていると推定される。
また、実施例14及び比較例8の静電容量の初期値を比較すると、比較例8に比べて実施例14の方が大きくなっている。これは、実施例14で使用したアニオンは非対称であるため、対称である比較例8で使用したアニオンに比べて電解質の溶媒に対する溶解度が高いことによると考えられる。
尚、本実施形態では、蓄電素子B及び非水電解液がラミネートフィルムからなるフィルムパッケージ40内に封入されるフィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタを用いているが、金属缶等を使ったボタン型、円筒型、角型等の他のタイプの電気二重層キャパシタの非水電解液に、電解質アニオン成分として一般式(1)で表される含フッ素アニオンを含有させることも可能であり、この場合でも前述と同様の効果を達成することが可能である。
【0047】
(実施例15)
アニオン成分が式(1−3)の含ホウ素アニオンであり、カチオン成分がリチウムイオンである電解質1.2モルを、プロピレンカーボネート(PC)からなる非水溶媒1リットル中に溶解した電解液を調製した。また、リチウムイオンキャパシタは以下の方法で作製した。PASを分極性電極材として用いた正極10、フェノール樹脂原料からなる難黒鉛化炭素を活物質として用いた負極20及びセルロースからなるセパレータをそれぞれカットした後に交互に積層し、引出し端子を超音波溶接により取り付けた(図3)。作成した素子を約180℃で真空乾燥した後、負極にリチウム箔を張り、電極サイズにカットした封止材に素子を入れて電解液を注入し、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した。なお、封止材としてはナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用いた。
【0048】
(実施例16)
電解質のアニオン成分を式(1−6)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0049】
(実施例17)
電解質のアニオン成分を式(1−7)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0050】
(実施例18)
電解質のアニオン成分を式(1−8)の含ホウ素アニオンに変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0051】
(実施例19)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合比が2:1の割合である混合溶媒に変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0052】
(実施例20)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合比が3:1:4の割合である混合溶媒に変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0053】
(実施例21)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とγ−ブチロラクトン(GBL)の混合比が3:1:2の割合である混合溶媒に変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0054】
(比較例9)
電解質のアニオン成分をヘキサフルオロホスフェート(PF6-)に変更した以外は、実施例15と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0055】
(比較例10)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合比が2:1の割合である混合溶媒に変更した以外は、比較例9と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0056】
(比較例11)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合比が3:1:4の割合である混合溶媒に変更した以外は、比較例9と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0057】
(比較例12)
非水溶媒をプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とγ−ブチロラクトン(GBL)の混合比が3:1:2の割合である混合溶媒に変更した以外は、比較例9と同様の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
【0058】
(信頼性試験)
実施例15〜21及び比較例9〜12で作製したリチウムイオンキャパシタを、それぞれ25℃雰囲気中で12時間放置後、同雰囲気内で静電容量、直流抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T1)を測定してこれらの初期値を得た。なお、静電容量は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電したセルを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に10mAで0Vまで放電させた時の放電カーブの傾きから算出した。直流抵抗は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電したセルを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に2Aで0Vまで放電させた時の電圧降下から算出した。キャパシタ容器(フィルムパッケージ40)の厚さはノギスにより計測した。
また、80℃の雰囲気中で3.8Vの電圧を1000時間印加し続け、その後に25℃雰囲気中で静電容量、直流抵抗及びキャパシタ容器(フィルムパッケージ40)厚さ(T2)を測定した。その測定結果を初期の静電容量、直流抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T1)の測定結果で割って、静電容量変化率、直流抵抗変化率及びキャパシタ容器厚さ変化率を百分率で表した(信頼性試験後)。結果を下記表3にまとめる。
【0059】
【表3】

【0060】
実施例15〜21と比較例9〜12との比較より、電解質のアニオン成分として一般式(1)で表される含ホウ素アニオンを用いる場合には、電解質のアニオン成分としてヘキサフルオロホスフェートを用いる場合と比較して信頼性試験後の静電容量の低下率、直流抵抗の上昇率、及びキャパシタ容器厚さの増加率が小さいことがわかった。このように、本発明の電気化学デバイスでは、高温安定性が向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水溶媒及び電解質を含む電解液を用いた電気化学デバイスであって、電解質のアニオン成分が下記一般式(1)で表される含ホウ素アニオンである、電気化学デバイス。
-(CN)n4-n (1)
(式中、Rは、互いに独立して、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表し、nが1又は2の場合、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。)
【請求項2】
電解質のカチオン成分が下記一般式(2)〜(4)のカチオンである、請求項1記載の電気化学デバイス。
【化1】

(2)
(式中、R1〜R4はそれぞれ炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基を示す。)
【化2】

(3)
(式中、R5及びR6はそれぞれ炭素数が1〜6の1価の飽和炭化水素基又は1価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基を示し、Xは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成する。)
【化3】

(4)
(式中、Xは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成し、Yは二価の飽和炭化水素基又は二価のヘテロ原子含有飽和炭化水素基であって、結合している窒素原子と共にヘテロ環を形成する。)
【請求項3】
電解質のカチオン成分がアルカリ金属イオンである、請求項1記載の電気化学デバイス。
【請求項4】
非水溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、グルタロニトリル、アジポニトリル、スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン及びエチルプロピルスルホンからなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の電気化学デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−45887(P2013−45887A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182611(P2011−182611)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】