説明

電気掃除機用吸込具及び電気掃除機

【課題】常に安定した高集塵性能が実現できる電気掃除機用吸込具を提供する。
【解決手段】下面に開口(図示せず)を有し、上下移動可能に配置された回転ブラシ31と、回転ブラシ31を回転駆動する電動機33と、回転ブラシ31を上下方向に移動させる移動手段65と、電動機33および移動手段65を制御する制御手段66と、床面を検出する床面検出手段63と、回転ブラシ31に加わる負荷を検出する電流検出手段64とを備え、制御手段66は、床面に応じて予め設定された負荷になるように、回転ブラシ31の移動量を変化させるもので、床面に応じて最適な負荷状態になるように、移動手段65で回転ブラシ31を上下移動することで、すべての床面での高集塵性能が実現でき、また回転ブラシ31の掃除片(図示せず)の磨耗時にも同じ負荷状態になるように、回転ブラシ31を上下移動させるため、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機用吸込具および電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機用吸込具は、電動機等で回転駆動される回転ブラシを備え、その回転ブラシの外周長手方向に設けた掃除片で、被掃除面の塵埃を掻き揚げるようにしていた。また、電動機の過電流を抑制するためや、回転ブラシの掃除片による掃除面上の塵埃の除去や拭き・磨きにむらが出ないように、回転ブラシを上下動可能なようにし、スプリング等で床面からの負荷を一定にするものが提案させている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−77220号公報
【特許文献2】特開2008−104627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の電気掃除機の構成では、スプリング等の付勢手段であるために、床面に関係なく、負荷を一定に保つため、スプリングの設定を木床等の負荷に合わせると、じゅうたんでの掃除を行う際に、回転ブラシが床面に押し当たる負荷が小さく、掻き揚げによる集塵性能が低下してしまう。また、じゅうたんの負荷に合わせると、木床等での掃除を行う際に、回転ブラシが床面に押し当たる負荷が大きく、操作性能が低下してしまったり、回転ブラシの掃除片の磨耗が大きくなってしまうなどの課題があった。
【0005】
また、長時間掃除を行い、回転ブラシの掃除片の磨耗が進行した際に、スプリングでは初期よりも伸びているために、床面に押し当てる付勢力が小さくなってしまい、掃除片の磨耗時には初期に対して、掃除面上の塵埃の除去や拭き・磨き性能が低下してしまうなどの課題があった。さらに回転ブラシの掃除片が磨耗して、掃除性能が低下した場合にも、使用者は気がつかず掃除を行い、取り残しが生じてしまうなどの課題があった。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであって、塵埃除去性能に優れた電気掃除機用吸込具および電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機は、下面に開口を有し、上下移動可能に配置された回転ブラシと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを上下方向に移動させる移動手段と、前記電動機および前記移動手段を制御する制御手段と、床面を検出する床面検出手段と、前記回転ブラシに加わる負荷を検出する負荷検出手段とを備え、前記制御手段は、前記床面に応じて予め設定された負荷になるように、前記回転ブラシの移動量を変化させるもので、床面を検出して、床面に応じて最適な負荷状態になるように、移動手段で回転ブラシを上下移動することで、すべての床面での高集塵性能が実現でき、また回転ブラシの掃除片の磨耗時にも同じ負荷状態になるように、回転ブラシを上下移動するため、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。また、それぞれの床面に応じて負荷状態を設定できるため、木床等では負荷を軽く設定できるため、電動機の消費電力が抑えられ、省エネが実現できる。
【0008】
また、本発明の電気掃除機は、請求項1〜5の何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、吸引風を発生させる電動送風機を内蔵する掃除機本体を有するもので、塵埃除去性能に優れた電気掃除機用吸込具を用いることで、操作性、掃除性能に優れた電気掃除機を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気掃除機用吸込具及び電気掃除機は、回転ブラシの負荷が、床面に応じて設定できるため、すべての床面で効率よく回転し、塵埃除去性能に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図
【図2】同電気掃除機用吸込具の外観斜視図
【図3】同電気掃除機用吸込具の上ケースを外したときの平面図
【図4】同電気掃除機用吸込具の裏面図
【図5】同電気掃除機用吸込具の断面図
【図6】同電気掃除機用吸込具の制御システムブロック図
【図7】本発明の実施の形態2における電気掃除機用吸込具の上ケースを外したときの平面図
【図8】同電気掃除機用吸込具の制御システムブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、下面に開口を有し、上下移動可能に配置された回転ブラシと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを上下方向に移動させる移動手段と、前記電動機および前記移動手段を制御する制御手段と、床面を検出する床面検出手段と、前記回転ブラシに加わる負荷を検出する負荷検出手段とを備え、前記制御手段は、前記床面に応じて予め設定された負荷になるように、前記回転ブラシの移動量を変化させるもので、床面を検出して、床面に応じて最適な負荷状態になるように、移動手段で回転ブラシを上下移動することで、すべての床面での高集塵性能が実現でき、また回転ブラシの掃除片の磨耗時にも同じ負荷状態になるように、回転ブラシを上下移動するため、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。また、それぞれの床面に応じて負荷状態を設定できるため、木床等では負荷を軽く設定できるため、電動機の消費電力が抑えられ、省エネが実現できる。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明の負荷検出手段を、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段で構成したもので、床面に応じて電動機の電流値が予め設定している電流値になるように、回転ブラシを上下移動させることですべての床面での高集塵性能が実現でき、また回転ブラシの掃除片の磨耗時にも同じ電流値になるように、回転ブラシが上下移動するため、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。
【0013】
第3の発明は、特に、第1の発明の負荷検出手段を、電動機の回転数を検出する回転数検出手段で構成したもので、床面に応じて回転ブラシまたは電動機の回転数が予め設定している回転数になるように、回転ブラシを上下移動させることですべての床面での高集塵性能が実現でき、また回転ブラシの掃除片の磨耗時にも同じ回転数になるように、回転ブラシが上下移動するため、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の電気掃除機用吸込具は報知手段を備え、制御手段は、回転ブラシの移動量が予め設定されている基準値以上になったときに、前記報知手段により報知を行うもので、回転ブラシの掃除片が磨耗して集塵能力が低
下した場合には、使用者に報知を行い、回転ブラシの交換を促すことによって、取り残しの発生を抑えることができる。
【0015】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の制御手段は、回転ブラシの移動量が予め設定されている基準値以上になったときに、電動機の動作を停止するもので、回転ブラシの掃除片が磨耗して、短くなった掃除片によっての床面の傷つけを抑えることができる。
【0016】
第6の発明に係る電気掃除機は、請求項1〜5の何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、吸引風を発生させる電動送風機を内蔵する掃除機本体を有するもので、塵埃除去性能に優れた電気掃除機用吸込具を用いることで、操作性、掃除性能に優れた電気掃除機を提供することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具について、図1〜図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図である。
【0019】
図1において、掃除機本体1の後部に、電動送風機2を内蔵した電動送風機室3が配され、前部に、吸引された塵埃を捕集する集塵袋(図示せず)を着脱自在に収納すると共に電動送風機2の吸引側と連通する集塵室4が配され、後方下部の両側に1対の走行用の車輪6が回転自在に取付けられ、底面前部には、同じく走行用のキャスター7が取付けられている。掃除機本体1の前部には、ホース8の一端に設けた接続パイプ9が着脱自在に接続されていると共に集塵室4と連通する吸気口10が設けられている。
【0020】
ホース8の他端には、掃除の際に握ると共に掃除機本体1の運転を操作するために操作部11aを有する把手11を備えた先端パイプ12が設けられている。前記先端パイプ12の端部には、伸縮自在或いは継ぎ自在の延長管13の下流側端部が接続され、延長管13の他端に、本実施の形態における電気掃除機用吸込具16(以下「吸込具16」という)が着脱自在に接続される。
【0021】
バンパー7は、弾性材料からなり、掃除機本体1の前部から両側にかけて延設され、掃除機本体1の走行時に、掃除機本体1が家具、柱などに衝突してもそれらに傷をつけないようにするものである。掃除機本体1の上部には、掃除機本体1を持ち運ぶ際に握る本体ハンドル18が回動自在に設けられている。吸込具16には、電動機33と、それによって回転駆動される回転ブラシ31が内蔵されている。
【0022】
次に、本実施の形態における吸込具16の詳細な構成について図2〜5を用いて説明する。図2は、吸込具16の外観斜視図、図3は、吸込具16の上ケースを外したときの平面図、図4は、吸込具16の裏面図、図5は、吸込具16の断面図である。
【0023】
図2〜5において、吸込具16の外郭20は、上ケース20aと、底面に開口21を有する下ケース20bから構成され、外周には、ウレタンなどの弾性材料からなり家具などに当たったときの衝撃を和らげるためのノズルバンパー22が設けられている。吸込具16の後方中央部には、延長管13の先端に着脱自在に接続される接続管23が傾動自在に取着されている。
【0024】
下ケース20bの裏面の前側両端近傍に走行用の前輪24が1対、後ろ側両端に同じく走行の後輪25が1対、それぞれ回転自在に取着されている。
【0025】
吸込具16の前部には、開口21と接続管23と連通する回転ブラシ室27が配され、その回転ブラシ室27に回転ブラシ31が回転自在に設けられている。電動機33は、回転ブラシ31を正転方向、すなわち吸込具16を前進させる方向に回転駆動する駆動源となるもので、電動機33のシャフト33aと回転ブラシ31の端部に固着されたプーリー31aとの間に張架された駆動ベルト34を介して、電動機33の動力が回転ブラシ31に伝達されるようになっている。
【0026】
回転ブラシ31は、外周長手方向に複数の溝部31bを有し、一端にプーリー31aを有するコア31cと、毛ブラシなどからなり一端が前記溝部31bに装着され他端で被掃除面上の塵埃を掻き揚げる掃除片31dから構成させている。35は、回転ブラシ31の軸31eの少なくとも2箇所を回転自在に支持する支持板で、前記支持板35には、複数の凸凹35aが設けられており、ギア36を介して、ステッピングモータなどからなる移動手段65に接続されている。
【0027】
次に、図6を用いて、本実施の形態1における吸込具16の制御システムについて、説明する。
【0028】
図6において、電動機33を動作させる電動機電源61は、掃除機本体1の制御回路にてON/OFF制御されている。直流電源手段62は、電動機電源61より作成され、後述する床面検出手段63、電流検出手段64、制御手段66及び移動手段65の電源となるものである。
【0029】
床面検出手段63は、赤外受発光素子で床面の凹凸を検出して掃除床面を判断するもので、電流検出手段64は、電動機33の電流値を検出するもので、床面により回転ブラシ31に加わる負荷を検出する負荷検出手段となるものである。移動手段65は、回転ブラシ31を上下動させるもので、ステッピングモータの回転によって移動量を決定している。
【0030】
制御手段66は、マイクロコンピュータなどにより構成され、床面検出手段63や、電流検出手段64の信号によって、移動手段65に信号を伝達して、回転ブラシ31の上下移動量を可変する。67は、回転ブラシ31の寿命を使用者に報知する報知手段であり、制御手段66によって制御される。
【0031】
上記のように構成された本実施の形態における電気掃除機用吸込具の動作、作用は以下の通りである。電気掃除機の使用開始にあたり、使用者が、掃除機本体1の電源プラグ(図示せず)を室内の壁に設けたコンセントに差し、運転操作部11aを操作して、電気掃除機の運転を開始すると、電動送風機2と、吸込具16の電動機33を動作させる。電動機33が回転すると電動機33の動力が回転ブラシ31に伝達され、回転ブラシ31が回転する。
【0032】
吸込具16には、制御回路38が下ケース20bに固定されており、ここで電動機33を動作させるための電動機電源61から直流電源62に変換し、それぞれの動作するための電源として供給される。
【0033】
使用者が掃除を行なうために、吸込具16を往復動作させると、床面検出手段63は、床面が絨毯であれば凹凸が大きく、木床等では凹凸が少なく、その床面の凹凸を検知し、制御手段66に、凹凸度合いを出力する。制御手段66は、その出力を受けて、床面を判
断し、床面に応じて電動機33の電流値を変化させる。
【0034】
電動機33の電流は、電流検出手段64によって制御手段66は認識できており、制御手段66は、予め設定している電流値になるように移動手段65に出力し、回転ブラシ31を上下動作させる。予め設定している電流値は、木床等ではA、絨毯ではBとすると、B>Aの設定となっている。これは、絨毯での掃除は掃除片31dによる掻き上げ力によって塵埃を集塵するため木床等よりも負荷を大きくする必要があるためである。
【0035】
回転ブラシ31の回転方向は正転方向であり、電流検出手段64の信号は、吸込具16を使用者が押しているか、引いているかで床面から受ける負荷が違うため、電流値が変化する。制御手段66は、所定時間の最大電流が一定になるように移動量を決めている。ここで、加速度センサーを使用して、使用者が押しているか、引いているかを検出して、負荷が大きいときの電流で判断すれば、電流検知精度がよくなることは言うまでもない。
【0036】
次に、掃除を行なっていく中で、回転ブラシ31の掃除片31dが磨耗したときの動作を説明する。掃除片31dが磨耗すると床面から受ける負荷が小さくなるため、電流値が予め設定しているAよりも小さくなるが、電流値が小さくなったことを検出して、制御手段66は電流値がAになるように移動手段65に出力し、回転ブラシ31を床面に近づけるように動作させる。
【0037】
回転ブラシ31の床面に近づける移動量Lは、回転ブラシ31の掃除片31dが木床等に接し、拭き・磨き性能が維持できる距離に設定されており、移動量Lを超えた時点で、制御手段66は回転ブラシ31を初期の位置に戻し、電動機33の動作を停止させ、報知手段67にて報知を行い、使用者に、回転ブラシ31の掃除片31dが寿命に達したことを知らせる。
【0038】
以上のように、本実施の形態1によれば、床面検出手段63にて床面を検出して、床面に応じて最適な負荷状態になるように、移動手段65で回転ブラシ31を上下移動することで、すべての床面で、回転ブラシ31が効率よく回転し、塵埃除去性能が向上する。また、回転ブラシ31の掃除片31dの磨耗時にも同じ負荷状態になるように、回転ブラシ31を床面に近づけるように移動するため、掃除片31dが一定負荷で床面に当たるようになり、安定した塵埃の除去や拭き・磨き性能が実現できる。
【0039】
さらに予め設定している移動量Lを超えると、回転ブラシ31を初期の位置に戻し、電動機33の動作を停止させ、報知手段67にて報知を行って、回転ブラシ31の掃除片31dが磨耗して集塵能力が低下した場合には、回転ブラシ31の交換を促すことによって、取り残しの発生を抑えることができる。また、回転ブラシ31を初期位置に戻し、前記電動機33の動作を停止することにより、回転ブラシ31の掃除片31dが磨耗して短くなった掃除片31dによる床面の傷つけを抑えることができる。
【0040】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における電気掃除機用吸込具について、図7、8を用いて説明する。図7は、本実施の形態における電気掃除機用吸込具の上ケースを外したときの平面図、図8は、同電気掃除機用吸込具の制御システムブロック図である。なお、上記実施の形態1における電気掃除機用吸込具と同一部分には、同一符号を付与し、その説明を省略する。
【0041】
図7において、本実施の形態における吸込具16の電動機33のシャフト33aには、マグネット40を固定した回転体41が固着され、電動機33の回転によって回転されている。回転体41の近傍には、マグネット40が近傍にきたときにONされ、回転して遠
くになったときにはOFFする信号を出力するホールIC42を配置し、制御回路38と接続されている。
【0042】
次に、図8を用いて、本実施の形態2における吸込具16の制御システムについて、説明する。図8において、回転数検出手段68は、上記マグネット40とホールIC42から構成され、電動機33の回転数を検出するもので、回転数検出手段68からの信号は、制御手段66に入力されるようになっている。電動機33の回転数は、床面から回転ブラシ31に加わる負荷によって変化するので、本実施の形態では、回転数検出手段68は、回転ブラシ31に加わる負荷を検出する負荷検出手段となるものである。
【0043】
上記のように構成された本実施の形態2における電気掃除機用吸込具の動作、作用は以下の通りである。使用者が掃除を行なうために、吸込具16を往復動作させると、床面検出手段63は、絨毯であれば凹凸が大きく、木床等では凹凸が少なく、その床面の凹凸を検知し、制御手段66に凹凸度合いを出力する。制御手段66はその出力を受けて、床面を判断し、床面に応じて電動機33の回転数を変化させる。
【0044】
電動機33の回転は、回転数検出手段68によって制御手段66は認識できており、制御手段66は、予め設定している回転数になるように移動手段65に出力し、回転ブラシ31を上下動作させる。回転ブラシ31の回転方向は正転方向であり、回転数検出手段68の信号は、吸込具16を使用者が押しているか、引いているかで床面から受ける負荷が違うため、回転数が変化する。制御手段66は、所定時間の最低回転数が一定になるように移動量を決めている。加速度センサーを使用して、使用者が押しているか、引いているかを検出して、負荷が大きいときの回転数で判断すれば、回転数検知精度がよくなることは言うまでもない。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、床面検出手段63にて床面を検出して、床面に応じて最適な負荷状態になるように、移動手段65で回転ブラシ31を上下移動することで、すべての床面で、回転ブラシ31が効率よく回転し、塵埃除去性能が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機用吸込具は、移動手段によって、すべての床面に応じた最適な負荷状態で回転ブラシを回転させることにより塵埃除去性能に優れたもので、各種家庭用、業務用、店舗用電気掃除機に広く適用できる。
【符号の説明】
【0047】
16 電気掃除機用吸込具(吸込具)
31 回転ブラシ
33 電動機
63 床面検出手段
64 電流検出手段(負荷検出手段)
65 移動手段
66 制御手段
67 報知手段
68 回転数検出手段(負荷検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に開口を有し、上下移動可能に配置された回転ブラシと、前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを上下方向に移動させる移動手段と、前記電動機および前記移動手段を制御する制御手段と、床面を検出する床面検出手段と、前記回転ブラシに加わる負荷を検出する負荷検出手段とを備え、前記制御手段は、前記床面に応じて予め設定された負荷になるように、前記回転ブラシの移動量を変化させる電気掃除機用吸込具。
【請求項2】
負荷検出手段を、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段で構成した請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】
負荷検出手段を、電動機の回転数を検出する回転数検出手段で構成した請求項1に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項4】
報知手段を備え、制御手段は、回転ブラシの移動量が予め設定されている基準値以上になったときに、前記報知手段により報知を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項5】
制御手段は、回転ブラシの移動量が予め設定されている基準値以上になったときに、電動機の動作を停止する請求項1〜4の何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、吸引風を発生させる電動送風機を内蔵する掃除機本体を有する電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−147818(P2012−147818A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6581(P2011−6581)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】