説明

電気掃除機

【課題】部品コストを抑制し、ペルチェ素子の放熱側の冷却効率を確保しつつミストを確実に飛散させることができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】集塵カップおよび集塵カップに吸込側が連通する電動送風機を備えた掃除機本体を有する。ラジカルを含むミストを発生させる静電霧化装置11を有する。静電霧化装置11は、吸熱側と放熱側とを備えたペルチェ素子を有する。静電霧化装置11は、ペルチェ素子の吸熱側に結露した水分を自然放電によりラジカルを含むミストへと霧化する電極78を有する。静電霧化装置11は、電極78から発生したミストを放出する放出口95を有する。静電霧化装置11は、電動送風機の排気を放出口95近傍に通過させて放出口95からのミストの放出を誘発する排気ノズル60を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放熱板が放熱側に熱的に接続された熱電素子を有する静電霧化装置を備える電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば脱臭あるいは除菌などを目的として、電動送風機の掃除機本体の内部に、互いに極性が異なる放電極間で放電させてマイナスイオンを発生させるイオン発生装置を配置したものがある。このイオン発生装置から発生したマイナスイオンは、風速を速めた電動送風機の排気の一部に添加されることにより、排気とともに掃除機本体から室内へと放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−207798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イオン発生装置によりマイナスイオンを発生させる場合、このマイナスイオンは電動送風機の排気の一部に添加することで放出可能となるものの、例えば熱電素子としてのペルチェ素子を用いて凝集(結露)させた空気中の水分を、このペルチェ素子の吸熱側に配置した電極によりミスト化して放出する静電霧化装置の場合、電動機からの排熱を含む電動送風機の排気を電極付近に通過させてミストを放出させると、この排気がペルチェ素子の吸熱側を温め、水分の結露の効率、すなわちペルチェ素子の冷却効率が低下するおそれがある。また、電動送風機とは別体のファンを用いてミストを放出させると、部品コストが嵩む。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、部品コストを抑制し、熱電素子の放熱側の冷却効率を確保しつつミストを確実に飛散させることができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電気掃除機は、集塵部およびこの集塵部に吸込側が連通する電動送風機を備えた掃除機本体を有する。また、電気掃除機は、ラジカルを含むミストを発生させる静電霧化装置を有する。静電霧化装置は、吸熱側と放熱側とを備えた熱電素子を有する。また、静電霧化装置は、この熱電素子の吸熱により冷却された熱電素子の吸熱側に結露した水分を自然放電によりラジカルを含むミストへと霧化する電極を有する。さらに、静電霧化装置は、この電極から発生したミストを放出する放出口を有する。そして、静電霧化装置は、電動送風機の排気を放出口近傍に通過させてこの放出口からのミストの放出を誘発する排気ノズルを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】同上静電霧化装置の一部の縦断側面図である。
【図2】同上静電霧化装置を備えた電気掃除機の掃除機本体の内部を示す斜視図である。
【図3】同上静電霧化装置の分解斜視図である。
【図4】同上静電霧化装置の一部を分解して示す斜視図である。
【図5】同上静電霧化装置の他の一部を分解して示す斜視図である。
【図6】同上静電霧化装置のさらに他の一部を分解して示す斜視図である。
【図7】同上静電霧化装置の他の一部の縦断側面図である。
【図8】同上静電霧化装置の排気ノズルを示す縦断面図である。
【図9】同上排気ノズルを示す分解斜視図である。
【図10】同上掃除機本体の内部構造を示す縦断面図である。
【図11】同上電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の構成を図1ないし図11を参照して説明する。
【0009】
図2、図10および図11において、10はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機10は、静電霧化装置11を備えるものである。そして、この電気掃除機10は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0010】
図1ないし図7に示す静電霧化装置11は、OHラジカルなどのラジカルを含むピコサイズないしナノサイズの微細なミストを発生することにより、脱臭および除菌などの効果を有するものである。そして、この静電霧化装置11は、例えば給水部としての結露部である冷却ユニットとしての結露ユニット15と、放電部としてのピンユニットである放電ユニット16とに分割されている。
【0011】
結露ユニット15は、第1ケースとしての空冷風路ケースである上ケース18と、この上ケース18の下部に組み付けられる結露部本体としての結露ユニット本体19とを備えている。
【0012】
上ケース18は、例えば合成樹脂などの部材により形成されており、結露ユニット本体19の上部を覆う第1ケース本体としての上ケース本体21と、この上ケース本体21の一側から突出する筒状の風路ノズル22とを有している。
【0013】
上ケース本体21は、下側に開口部24が形成され、上側が閉塞された蓋状に形成され、開口部24により外部と連通する空間部25が内部に区画されている。また、この上ケース本体21の他側には、風路区画部としての風路ノズル22と略一直線上に筒状の連通風路部26が突出して形成されている。この連通風路部26は、空間部25に連通しており、下方に向けて開口している。
【0014】
また、風路ノズル22は、長尺状に形成されており、上ケース本体21に螺子28,28を介して一体的に固定されている。さらに、この風路ノズル22の一端には、下方に向けて開口した排出口29が形成されている。そして、この風路ノズル22は、空間部25と連通している。したがって、風路ノズル22と空間部25と連通風路部26とは、互いに連通している。
【0015】
一方、結露ユニット本体19は、第2ケースとしての固定部材である中ケース31上に、伝熱部32と放熱体である放熱板(ヒートシンク)33とが取り付けられて固定されている。
【0016】
中ケース31は、例えば合成樹脂などの部材により、上側が開口した箱状(有底角筒状)に形成されており、上ケース18とで結露部ケース体である結露ユニットケース体34を構成している。また、この中ケース31(結露ユニットケース体34)の平板状の底部35には、四角形状の取付開口部としての露出開口部36が形成されており、この中ケース31の一側部には、切欠開口部37,37が切り欠き形成されている。さらに、中ケース31の底部35上には、露出開口部36の周囲から各切欠開口部37,37に亘って、内方に伝熱部32が嵌合する壁状の隔壁部38が上方に向けて突出形成されている。そして、この中ケース31の下部には、結露ユニット15と放電ユニット16との相対的な位置を規制する規制部としての規制リブ40が突出して形成されている。
【0017】
また、伝熱部32は、熱電素子としてのペルチェ素子45と、このペルチェ素子45に熱的に接続された伝熱部材としての伝熱板46とを有している。
【0018】
ペルチェ素子45は、電気エネルギを熱エネルギに変換するものであり、例えばセラミックなどの絶縁性を有する部材により形成された吸熱側となる四角形状の吸熱側面45aと、例えばセラミックなどの絶縁性を有する部材により形成された放熱側となる四角形状の放熱側面45bとの間に、これら吸熱側面45aおよび放熱側面45bに熱的に接続された半導体部45cを有する熱交換器である。また、このペルチェ素子45は、吸熱側面45aを下側として中ケース31に接着固定されている。すなわち、このペルチェ素子45は、吸熱側面45aを底部35に対向させて中ケース31に取り付けられている。この状態で、ペルチェ素子45の放熱側面45bは、隔壁部38の上端部と面一、あるいは隔壁部38の上端部よりも上方に位置している。そして、このペルチェ素子45は、半導体部45cに電気的に接続されたリード線45d,45eが中ケース31の切欠開口部37,37に挿通され、これらリード線45d,45eが互いにコネクタ47に纏められて図示しない電源部などに電気的に接続されており、電流を制御することで、温度制御が可能となっている。
【0019】
伝熱板46は、例えばアルミニウムなどの伝熱性に優れた金属などの部材によって四角形平板状に形成されており、ペルチェ素子45の吸熱側面45aに伝熱性および絶縁性を有する放熱用部材であるシリコーン接着剤などの接着剤により、この吸熱側面45aに固定され、この吸熱側面45aに熱的に接続されている。また、この伝熱板46は、露出開口部36に接着剤によって隙間なく嵌合して固定され、下面が中ケース31(結露ユニットケース体34)の底部35から下方(放電ユニット16側)に露出してこの底部35の下面35aと略面一となっている。換言すれば、ペルチェ素子45の吸熱側が底部35から放電ユニット16側に臨んでいる。さらに、この伝熱板46の下面は、底部35の下面35aとともに、結露部材(覆い部材)としての樹脂部材(絶縁部材)である絶縁シート53により覆われている。
【0020】
絶縁シート53は、露出開口部36よりも大きい四角形状の薄膜層状に形成されており、ペルチェ素子45の吸熱側面45a、ここでは伝熱板46に接触した状態でこの伝熱板46を覆って中ケース31の底部35の下面35aに貼着されている。すなわち、この絶縁シート53は、ペルチェ素子45の吸熱により冷却されるように配置されており、吸熱側面45aあるいは伝熱板46などに水分が直接結露しないようにして、吸熱側面45aあるいは伝熱板46に水分の結露および乾燥の繰り返しなどが生じて腐食したり傷んだりすることを防止、すなわち、ペルチェ素子45および伝熱板46を水分から保護している。この状態で、絶縁シート53の外縁部は、露出開口部36よりも外方に位置している。さらに、この絶縁シート53は、少なくとも伝熱板46(ペルチェ素子45)と反対側の結露面となる表面53aに、結露する水滴の高さを高くするための撥水加工が施されており、絶縁シート53の表面53aに結露した水分が少量であっても、確実に凝集させることができるように構成されている。
【0021】
また、放熱板33は、例えばアルミニウムなどの伝熱性に優れた金属などの部材によって形成され、ペルチェ素子45の放熱側面45bと熱的に接続されている。この放熱板33は、所定の熱特性を有していれば任意の形状および材質を用いることが可能であるが、例えば板状の放熱本体33aと、この放熱本体33aからフィン状に突出したフィン部33bとを一体に有している。
【0022】
放熱本体33aは、四角形状に形成されており、ペルチェ素子45の放熱側面45bに放熱用部材である放熱用シリコーンなどで固定されている。
【0023】
フィン部33bは、例えば板状に形成されて互いに略等間隔に離間され、放熱本体33aの長手方向に沿って配置されている。また、これらフィン部33bは、中ケース31から上方へと突出しており、上ケース18と結露ユニット本体19とを互いに取り付けた状態で上ケース18の開口部24に挿入されることで空間部25内に位置している。
【0024】
一方、放電ユニット16は、第3ケースとしての放電部ケース体である風路形成部としての下ケース55と、この下ケース55に組み付けられる高圧電源入力部としての接続部56、給水部材である給水シート57、導電部材としての導電シート58および電極部59と、下ケース55に接続される排気部としての排気ノズル60とを備えている。
【0025】
下ケース55は、例えば合成樹脂などの部材により上側が開放された有底角筒状に形成されており、複数の螺子63により上ケース18と上下方向に連結されて、中ケース31(結露ユニット本体19)を上下から挟持している。すなわち、この下ケース55は、結露ユニットケース体34と接続されて、この結露ユニットケース体34とともに風路ケース64を構成している。したがって、風路ケース64は、上ケース18、中ケース31および下ケース55により構成されている。また、この下ケース55の一側には、この下ケース55の内部空間部65と連通する円筒状のノズル接続部66が突出して形成されている。さらに、この下ケース55の他側には、上下方向に沿って筒状の外気吸入部67と空気流通部68とがそれぞれ形成されている。
【0026】
外気吸入部67は、下ケース55の内部の内部空間部65と連通しており、ユニット15,16を互いに固定した状態で、上側が上ケース18の上ケース本体21の他側に形成された閉塞部69により閉塞され、下側が下方に向けて開口した外気吸入口70となっている。
【0027】
また、空気流通部68は、下ケース55の外部に位置しており、上側に上ケース18の上ケース本体21の連通風路部26の下部が挿入されて気密に接続されている。したがって、この空気流通部68の下部は、下方に向けて開口した吸入口72となっている。
【0028】
接続部56は、導電性を有する金属などの部材によりL字状に形成されており、下ケース55の底部75に形成されたスリット状の孔部75aに一端側が挿入されて固定されているとともに、他端側が下ケース55の底部75上に沿って配置されている。そして、この接続部56は、孔部75aに挿入された一端側が、放電ユニット16の外部に配置された高圧電源部76にリード線77を介して電気的に接続されている。この高圧電源部76は、例えば−10〜−4kV、好ましくは−6kV程度の直流負電圧を発生させるものである。
【0029】
給水シート57は、例えばスポンジなどの、吸水性および保水性を有する部材によって下ケース55の底部75の形状に沿う形状、すなわち四角形状に形成されており、下ケース55の底部75上に載置されている。また、この給水シート57には、切欠部57aが形成されており、この切欠部57aに接続部56が嵌合している。すなわち、この給水シート57は、接続部56を避けて下ケース55の底部75上に配置されている。
【0030】
また、導電シート58は、吸水性、保水性および導電性を有する部材により四角形状に形成されており、給水シート57上にて接続部56を覆うように配置され、この接続部56と電気的に接続されている。
【0031】
そして、電極部59は、複数の電極78と、これら電極78を保持する保持部としての電極保持部79とを有している。
【0032】
各電極78は、吸水性、保水性および水分の吸い上げ特性を有するもので、例えば多孔質成形体、あるいは繊維体などにより形成されたフェルト状でかつピン状(円柱状)の棒状体である。また、これら電極78は、電界集中を先端側に生じさせやすくするために、略円錐状、すなわち基端側に対して先端側が縮径された形状に形成されている。
【0033】
そして、各電極78は、高圧電源部76から接続部56および導電シート58を介して供給された負の高電圧により、先端側からの自然放電によってOHラジカルを含むピコサイズないしナノサイズの微細なミスト(イオンミスト)を発生するように構成されている。換言すれば、各電極78の近傍には、対極が配置されていない。
【0034】
また、電極保持部79は、例えば絶縁性の合成樹脂などにより四角形状に形成されており、各電極78が圧入されて保持されている。そして、この各電極78が圧入された電極保持部79が下ケース55の内部に取り付けられることにより、各電極78の基端側が導電シート58と接触して、この導電シート58と電気的に接続されるとともに、ユニット15,16を互いに固定した状態で、各電極78の先端側とペルチェ素子45の吸熱側(伝熱板46(絶縁シート53の表面53a))との距離が所定の距離に設定される。
【0035】
ここで、絶縁シート53の表面53aと各電極78の先端側との距離は、表面53aに結露した水分が凝集して成長した水滴に接触する程度、例えば0.5mm程度のものであり、各電極78の先端側での電界集中の効率を高め、水分をより効率よく霧化する距離に設定されている。また、この距離の間隙が形成されていることにより、絶縁シート53の表面53aに結露して凝集した水滴が各電極78の先端側に瞬時に接することで、各電極78側からの絶縁シート53(伝熱板46、ペルチェ素子45)側への熱伝導を遮断し、絶縁シート53の表面53aを低温に維持して結露時のロスを防ぎ、ペルチェ素子45による冷却能力の低下を防止するように構成されている。
【0036】
また、図7ないし図9に示す排気ノズル60は、電極78により発生させたミストを外部へと放出するためのもので、放出部90と、この放出部90に取り付けられた角筒状のノズルカバー部91とを有する、二重ノズル構造となっている。
【0037】
放出部90は、例えば上側が開口された略有底角筒状の放出部本体92と、この放出部本体92の上部に一体的に接続された略角筒状の放出ノズル93とを有している。
【0038】
放出部本体92は、下ケース55のノズル接続部66と気密に接続される円筒状の接続口部94が側部に開口形成されており、この接続口部94が内部と連通している。
【0039】
また、放出ノズル93は、放出部本体92と気密に接続されており、上側(下流側)の断面積(空気の流れ方向に交差(直交)する方向の断面積)が下側(上流側)の断面積(空気の流れ方向に交差(直交)する方向の断面積)よりも小さく形成されており、上端部にスリット状の細長い放出口95が開口形成されている。この放出口95は、例えば開口面積が接続口部94の開口面積(空気の流れ方向に交差(直交)する方向の断面積)よりも小さく形成されている。
【0040】
さらに、ノズルカバー部91は、放出ノズル93の外部を覆って放出部本体92の上部に下部が固定されている。この状態で、ノズルカバー部91は、放出ノズル93の外部との間に微小な隙間すなわち通気部Aが形成されている。また、このノズルカバー部91の上部には、放出口95の周囲(近傍)でかつ上方に位置する排気開口部96が開口形成されている。さらに、このノズルカバー部91の側部には、通気部Aを介して排気開口部96と連通する外気導入口97が開口形成されている。そして、通気部Aは、外気導入口97の開口面積(空気の流れ方向に交差(直交)する方向の断面積)よりも小さい断面積(空気の流れ方向に交差(直交)する方向の断面積)を有している。すなわち、ノズルカバー部91は、外気導入口97から内部に導入された外気の流速を高めつつ通気部Aを介して放出口95の周囲(近傍)にジェット状に流して排気開口部96から排気するように構成されている。
【0041】
したがって、図1ないし図7に示す静電霧化装置11は、ユニット15,16を互いに固定した状態で、吸入口72から空気流通部68、連通風路部26、空間部25および風路ノズル22を経由して排出口29へと至る空冷風路(放熱板冷却風路)である気密な分岐風路98が風路ケース64の内部に形成されており、この分岐風路98とは別個に、外気吸入口70から外気吸入部67、内部空間部65、ノズル接続部66および排気ノズル60の放出部90を経由して放出口95へと至る気密な放出風路99が風路ケース64の内部に形成されている。すなわち、放熱板33は分岐風路98内に位置し、電極78は放出風路99内に位置している。さらに、放熱板33のフィン部33bは、分岐風路98に沿って、換言すれば分岐風路98を通過する気流方向に沿って配置されており、この分岐風路98を通過する空気の流れを妨げて騒音や乱流などが発生することを防止している。
【0042】
また、図11に示す管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部101と、この接続管部101の先端側に連通する可撓性を有するホース体102と、このホース体102の先端側に設けられた手元操作部103と、この手元操作部103の先端側に着脱可能に接続される延長管104と、この延長管104の先端側、あるいはホース体102の先端側に選択的に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ105とを備えている。
【0043】
手元操作部103には、把持部107がホース体102側へと突出し、この把持部107には、操作用の設定ボタン108が複数設けられている。
【0044】
また、図10および図11に示すように、掃除機本体13は、集塵部としての集塵装置である集塵カップ111を着脱可能に備えた本体ケース112を備えている。
【0045】
集塵カップ111は、含塵空気を内部で旋回させて塵埃を遠心分離する、いわゆるサイクロン集塵装置であり、例えば円筒状に形成されており、底部が開閉可能となっている。また、この集塵カップ111の上流側である前部には、この集塵カップ111の内部と連通する集塵部吸気口であるカップ吸込口113が形成され、集塵カップ111の下流側である後部には、この集塵カップ111と連通する筒状の連通部114が突出して形成されている。
【0046】
また、本体ケース112は、中空状のケース本体部116と、このケース本体部116の前部下側から前方へと突出する集塵部着脱部としてのカップ取付部117と、このカップ取付部117の上方に位置しケース本体部116から前方へとループ状に突出したハンドル部118とを一体的に有している。そして、カップ取付部117の上方でかつ、ケース本体部116とハンドル部118との間の位置に、集塵カップ111を着脱するための略円形状の着脱開口119が形成されている。
【0047】
ケース本体部116の内部には、電動送風機121が吸気側を上方に向けた状態で配置され、この電動送風機121の上方に、集塵カップ111と連通する風路部122が形成されている。また、ケース本体部116の内部には、電動送風機121の駆動を制御する制御手段123が収容されているとともに、電動送風機121および制御手段123などに給電するための図示しない電源部が配置されている。さらに、ケース本体部116の両側部には、大径の走行輪125(一方のみ図示)が回転自在に取り付けられている。そして、ケース本体部116には、図示しない本体排気口が形成されている。
【0048】
電動送風機121は、インナロータ型の電動機127、この電動機127により回転駆動される遠心ファン128、この遠心ファン128からの排気を電動機127側へと整流する整流板129、および、遠心ファン128を覆うファンカバー130などを備えた周知のファンモータであり、上側に位置するファンカバー130の中心に吸込口131を備え、下側に位置する電動機127の外部に排気口132を備え、カバー体133によって覆われ、このカバー体133に対して、例えば弾性支持装置134により弾性的に支持されている。さらに、この電動送風機121は、カバー体133とともに本体ケース112に対して緩衝部材135を介して支持されている。
【0049】
吸込口131は、風路部122および遠心ファン128の吸込側とそれぞれ気密に接続されており、この風路部122を通過した空気を遠心ファン128の内部へと吸い込むように構成されている。
【0050】
排気口132は、吸込口131から遠心ファン128の内部へと吸い込まれた空気が整流板129により整流されて電動機127の内部を通過した後に排気される開口部である。
【0051】
また、カバー体133は、例えば合成樹脂などにより形成されており、電動送風機121の吸込口131と連通するカバー吸気口137を上側に有し、電動送風機121の排気口132と連通する図示しない気密に接続されるカバー排気口を下側に有しており、例えば上下に分割されている。なお、このカバー体133は、必須の構成ではなく、分割構造も任意に設定できる。また、カバー吸気口137の上部には、このカバー吸気口137を介して吸込口131を風路部122と気密に接続するための円筒状のシール部材138が取り付けられている。さらに、このカバー体133の内部、すなわち電動送風機121の排気口132(排気側)は、細長いチューブ(円筒)状の接続部材139(図2)を介して、静電霧化装置11の排気ノズル60の外気導入口97(図2)と気密に接続されている。すなわち、電動送風機121の排気は、流速を高めた状態で排気ノズル60の外気導入口97(図2)へと導かれるように構成されている。そして、このカバー体133の内部、すなわち電動送風機121の排気口132は、カバー排気口を介して、本体ケース112のケース本体部116の本体排気口へと連通する排気風路140と連通している。この排気風路140は、電動送風機121(カバー体133)および電源部などの周囲に形成されている。
【0052】
また、弾性支持装置134は、電動送風機121の回転に伴う振動(回転振動)の外部への伝達を抑制するとともに、電動送風機121の吸込側を風路部122に対して気密に圧接するための付勢手段であり、複数のコイルばね143を放射状に備え、内周側が電動送風機121の周囲に固定されているとともに、外周側がカバー体133(本体ケース112)に固定されている。
【0053】
また、緩衝部材135は、例えばゴム、あるいはエラストマなどの弾性を有する部材により形成されており、カバー体133から本体ケース112への振動および騒音などの伝達を抑制している。
【0054】
また、風路部122は、電動送風機121側に気密に接続される接続風路部145と、集塵カップ111側に気密に接続される導風部146とを一体に有している。さらに、この風路部122は、カバー体133の上部に載置されて固定されている。
【0055】
接続風路部145は、下側が開口して形成されており、下端部がシール部材138の上側に圧接されて気密に接続されている。
【0056】
また、導風部146は、風路部122の上部前側を構成しており、左右幅方向に長手状に形成され、前側(上流側)へと上方に向けて傾斜している。さらに、この導風部146は、先端部である上端部、すなわち上流側が、ケース本体部116の前部に形成された開口部148にパッキンなどの気密部材149を介して気密に接続されている。この開口部148には、気密部材149を介して、集塵カップ111の連通部114の下流側が気密に接続されている。したがって、これら風路部122、連通部114、集塵カップ111および管部12により、電動送風機121の吸込口131に気密に接続される吸込風路150が構成されている。すなわち、電動送風機121は、吸込風路150を介して吸込側が集塵カップ111と連通している。
【0057】
ここで、導風部146は、図2に示すように、内部を通過する空気の流速が相対的に大きい(空気の圧力が相対的に小さい)高速流路部146aを一側に有し、内部を通過する空気の流速が相対的に小さい(空気の圧力が相対的に大きい)低速流路部146bを他側に有している。
【0058】
高速流路部146aは、電動送風機121の吸込口131(カバー体133のカバー吸気口137)の前方上側、および、集塵カップ111の連通部114の後方にそれぞれ対向して位置している。したがって、この高速流路部146aは、集塵カップ111の連通部114を通過した空気が直進状に電動送風機121の吸込口131(カバー体133のカバー吸気口137)へと通過してゆく、換言すれば風路抵抗が相対的に少ない流路部である。
【0059】
また、低速流路部146bは、その位置が、電動送風機121の吸込口131(カバー体133のカバー吸気口137)の前方上側でかつ側方にずれているとともに、集塵カップ111の連通部114の後方でかつこの連通部114に対向しない位置(連通部114に対して側方にずれている。したがって、この低速流路部146bは、集塵カップ111の連通部114を通過した空気が湾曲しながら電動送風機121の吸込口131(カバー体133のカバー吸気口137)へと通過してゆく、換言すれば風路抵抗が相対的に大きい流路部である。
【0060】
そして、導風部146の後方(吸込風路150の外方でかつ排気風路140内)に配置された静電霧化装置11は、放出口95が高速流路部146aに気密に接続され、吸入口72が低速流路部146bに気密に接続されている。すなわち、この静電霧化装置11は、分岐風路98が吸込風路150に対してバイパス状に分岐して形成されており、この分岐風路98が、吸込風路150内を通過する空気の動圧を受けにくくするために、吸込風路150を通過する空気の流れに対して交差(直交)する方向に沿って配置されている。また、この静電霧化装置11は、排気ノズル60が排気風路140と連通している。
【0061】
また、制御手段123は、例えば電動送風機121の駆動を制御するためのトランジスタ(トライアック)などの制御素子、および、制御手段本体であるマイコンなどを有し、設定ボタン108により設定された動作モードに応じて電動送風機121を駆動させるとともに、例えば静電霧化装置11のペルチェ素子45の電流値を制御するものであり、風路部122の導風部146の後方に配置されて、電動送風機121からの排気風により冷却されるように構成されている。すなわち、この制御手段123は、電動送風機121の排気風路140中に配置されている。
【0062】
そして、電源部は、例えば商用交流電源から電源を取るための電源コードを巻回したコードリール、あるいは複数の(二次)電池を備えた電池パックなどである。
【0063】
一方、カップ取付部117は、集塵カップ111の下側が嵌合する集塵部受部としての受け凹部であるカップ受部153と、このカップ受部153の前端部にて上方へと突出する本体接続部154とを有している。
【0064】
カップ受部153は、集塵カップ111を下側から支持する部分であり、ケース本体部116の前方に位置している。
【0065】
また、本体接続部154は、上端部に本体吸込口151を前後方向に沿って有している。この本体吸込口151には、管部12の接続管部101が気密に接続されるように構成されている。また、この本体吸込口151の後部は、カップ受部153に取り付けた集塵カップ111のカップ吸込口113に気密に接続されるように構成されている。したがって、本体接続部154は、管部12と電動送風機121の吸込側とを、集塵カップ111を介して気密に接続するように構成されている。
【0066】
次に、上記一実施形態の組み立て方法を説明する。
【0067】
静電霧化装置11の組み立ての際には、結露ユニット15と放電ユニット16とをそれぞれ別個に組み立てた後、結露ユニット15の中ケース31を上ケース18と放電ユニット16の下ケース55とで上下から挟持するように互いに組み付ける。
【0068】
まず、結露ユニット15は、図3ないし図5に示すように、中ケース31に対して、伝熱板46がペルチェ素子45の吸熱側面45aに熱的に接続されるように、これら伝熱板46およびペルチェ素子45を接着固定する。このとき、伝熱板46は中ケース31の露出開口部36に嵌合し、その下面が中ケース31の底部35の下面35aと略面一となる。また、ペルチェ素子45の放熱側面45bには放熱板33を取り付ける。そして、ペルチェ素子45のリード線45d,45eの先端側を切欠開口部37,37に挿通させて中ケース31の外方へと突出させ、電源部などに電気的に接続する。
【0069】
一方、放電ユニット16は、まず、図6に示すように、下ケース55に対して、接続部56、給水シート57および導電シート58を順次取り付けるとともに、電極78を電極保持部79に圧入して予め組み立てた電極部59を取り付ける。
【0070】
この後、上ケース本体21に風路ノズル22を接続した上ケース18と、上記下ケース55との間で、上記中ケース31を上下から挟持し、螺子63により上ケース18と下ケース55とを上下方向に互いに接続する。このとき、各電極78の先端側がペルチェ素子45の吸熱側(伝熱板46(絶縁シート53の表面53a))に所定の距離を介して対向する。また、図7に示すように、上ケース18の連通風路部26の下端が空気流通部68に気密に接続されて分岐風路98が区画されるとともに、上ケース18の閉塞部69により外気吸入部67の上部が閉塞される。
【0071】
さらに、下ケース55のノズル接続部66と、放出部90およびノズルカバー部91を予め組み立てた排気ノズル60の接続口部94とを気密に接続することにより、図1に示す放出風路99が区画される。
【0072】
そして、分岐風路98の吸入口72を図2に示す風路部122の低速流路部146bと連通接続するとともに、分岐風路98の排出口29を風路部122の高速流路部146aと連通接続することにより、分岐風路98を吸込風路150と接続し、排気ノズル60の外気導入口97と電動送風機121の排気側とを接続部材139により連通接続し、かつ、放電ユニット16の接続部56を高圧電源部76とリード線77により電気的に接続する。また、放出風路99の外気吸入口70を、排気風路140の外部、例えば掃除機本体13(本体ケース112)の外部と気密に接続する。この状態で、静電霧化装置11は、排気風路140内に位置しているため、放出風路99の放出口95、および、排気ノズル60の排気開口部96は、それぞれ排気風路140に連通する。すなわち、放出風路99は、外気と排気風路140とに亘って接続される。
【0073】
次に、上記一実施形態の作用を説明する。
【0074】
掃除の際には、例えば電源コードを図示しないコンセントに接続するなど、制御手段123および電動送風機121に給電可能な状態として、使用者が図11に示す把持部107を把持して所望の設定ボタン108を操作することにより、制御手段123が、設定された動作モードで電動送風機121(の電動機127)を駆動させる。また、制御手段123は、静電霧化装置11を駆動させる。
【0075】
電動送風機121は、電動機127の駆動により遠心ファン128が回転し、この遠心ファン128と気密に接続された吸込口131、カバー吸気口137、風路部122、開口部148および連通部114を介して、負圧が集塵カップ111へと作用し、さらに、この集塵カップ111のカップ吸込口113と連通する本体吸込口151を介して、この本体吸込口151に気密に接続された管部12(の接続管部101、ホース体102、延長管104および床ブラシ105)へと負圧が作用して、被掃除面である床面上の塵埃を、空気とともに吸い込む。
【0076】
このとき、電動送風機121は、駆動により回転方向に交差する径方向(中心軸方向)に振動が発生しようとするものの、このような振動成分は、略水平状となった各コイルばね143の伸縮により電動送風機121が調芯されることで吸収され、本体ケース112(カバー体133)への振動の伝達が抑制される。
【0077】
そして、吸い込まれた含塵空気は、管部12を介して本体吸込口151からカップ吸込口113を介して集塵カップ111の内部へと接線方向に沿って吸い込まれ、この集塵カップ111の内周面に沿って旋回する旋回流が発生することで、含まれる塵埃が遠心分離される。遠心分離された塵埃は、自重により集塵カップ111内に落下して捕集され、塵埃が分離された空気は連通部114を介して開口部148から風路部122の導風部146へと吸い込まれる。
【0078】
この後、空気は、導風部146に沿って後方下側へと流れ、風路部122の接続風路部145に流入した際に膨張することで消音され、さらに、風路部122の接続風路部145に気密に接続された電動送風機121のカバー吸気口137および吸込口131を介して遠心ファン128内へと吸い込まれる。
【0079】
そして、遠心ファン128へと吸い込まれた空気は、遠心ファン128の外周方向へと吹き出され、整流板129により整流されつつ電動機127内へと流入し、電動機127の内部を冷却しつつ、排気口132から電動送風機121の外部へと排気され、さらにカバー体133のカバー排気口を介してケース本体部116内へと排気され、制御手段123などを冷却しつつ本体排気口から本体ケース112の外部へと排気される。
【0080】
一方、静電霧化装置11は、制御手段123によりペルチェ素子45に流す電流を制御することで、ペルチェ素子45が温度制御される。ペルチェ素子45は、流れる電流に応じて、吸熱側面45aから吸熱するとともに放熱側面45bから放熱する。ここで、分岐風路98は、電動送風機121の駆動により吸い込まれた空気の流速の差により、低速流路部146bでの圧力が高速流路部146aでの圧力よりも相対的に大きくなるため、ベンチュリ効果によって、低速流路部146bに連通する吸込口72側から高速流路部146aに連通する排出口29側へと、電動送風機121の電動機127を介していない低温の(冷えた)気流が生じる。ペルチェ素子45の放熱側面45bに熱的に接続された放熱板33は、気流が生じた分岐風路98内に位置しているため、この分岐風路98内を通過する低温の気流によって放熱することにより放熱が補助され、効率よく吸熱され、そのためペルチェ素子45は吸熱側面45aから効率よく吸熱し、外気温に対して急速な温度差を生じさせる。
【0081】
そして、ペルチェ素子45の吸熱側面45aに熱的に接続された伝熱板46は、吸熱側面45aと略等しい温度に冷却され、この伝熱板46を覆う絶縁シート53も同様に冷却される。このため、放出風路99(内部空間部65)の内部の空気に含まれる水分が、撥水性を有する絶縁シート53の表面53aに結露してゆく。
【0082】
この後、制御手段123は、高圧電源部76を介して静電霧化装置11の導電シート58に通電する(静電霧化装置11オン)。静電霧化装置11では、絶縁シート53の表面53aに結露した水分が凝集し、この凝集した水分が成長した水滴が絶縁シート53の表面53aに間隙を介して対向する各電極78の先端側に付着する。これら電極78には、高圧電源部76から、導電シート58および接続部56を介して高圧の負電圧がそれぞれ印加されているため、電極78の先端側に電界集中が生じて自然放電が起こり、これら電極78の先端側に表面張力および毛細管現象により直接付着した水分の表面張力を超える電気作用によりピコサイズないしナノサイズ(500pm〜5,000pm程度)の目に見えないミストが直ちに分裂して飛散する。
【0083】
このように結露した水滴が各電極78のそれぞれの先端側に付着し、電極78の水含有率(吸水可能量(電極78の体積)に対する吸水した水分量の比率)が経時的に増加して所定の水含有率以上となったときにミストの連続発生(連続霧化)が開始する。
【0084】
また、絶縁シート53の表面53aに凝集した水分のうち、電極78に付着しなかったものは、重力により滴下し、給水シート57および導電シート58に吸い上げられ、電極78の基端側に運ばれる。この水分は、各電極78により毛細管現象によって経時的に先端側へと吸い上げられて霧化され、ミストとなって放出風路99中に飛散する。すなわち、絶縁シート53の表面53aに過剰に結露した水分でも、給水シート57および導電シート58により、漏水することなく有効に利用される。
【0085】
このとき、放出風路99は、電動送風機121からの排気が接続部材139を介して接続された排気ノズル60のノズルカバー部91へと流入し、この流入した空気の流速を高めつつ放出口95の周囲(近傍)に位置する通気部Aを介して排気開口部96から上方へと排気風路140内にジェット状に排気する(矢印A1)ことにより、霧吹き効果によって放出風路99内の空気が放出口95から排気風路140へと吸い出される(矢印A2)。したがって、放出風路99に、外気と接続した外気吸入口70から放出口95へと、電動送風機121の電動機127を介していない低温の(冷えた)気流が発生し、この放出風路99中に飛散したミストが排気風路140内へと放出され、電動送風機121からの排気とともに本体排気口から本体ケース112の外部へと排気される。このように、排気ノズル60によって放出風路99の放出口95からのミストの放出が誘発される。
【0086】
そして、掃除が終了すると、使用者が所定の設定ボタン108を操作することにより、電動送風機121および静電霧化装置11の駆動を停止させる。
【0087】
以上説明した一実施形態によれば、外気吸入口70から電極78が位置する内部空間部65へと吸い込んだ外気を放出口95へと通過させる放出風路99において、電極78から発生したミストを放出する放出口95の近傍に排気ノズル60によって電動送風機121の排気を通過させ、霧吹き効果によって放出口95からのミストの放出を誘発することにより、別途ファンなどを用いることなく、電動送風機121の排気の風速のみを有効に利用し、この排気に含まれる電動機127の排熱によりペルチェ素子45の吸熱側(吸熱側面45a)を温めてペルチェ素子45の冷却効率が低下することを防止できる。すなわち、部品コストを抑制し、ペルチェ素子45の放熱側の冷却効率を確保しつつミストを確実に飛散させることができる。特に、排気ノズル60は、放出口95の周囲に通気部Aを形成する二重構造とすることにより、省スペース化および小型化が可能になる。
【0088】
なお、上記一実施形態において、静電霧化装置11は、ペルチェ素子45の放熱側に熱的に接続した放熱板33を分岐風路98内に位置させ、ペルチェ素子45の吸熱側に凝集した水分を電極78からの自然放電によってミスト化する構成であれば、任意に構成することが可能である。
【0089】
また、排気ノズル60は、放出口95の近傍に電動送風機121からの排気を通過させて霧吹き効果により放出口95からのミストの放出を誘発する構成であれば、任意に構成できる。例えば、放出口95の開口端に対して交差状に排気ノズル60を形成して放出口95から空気とともにミストを引き込む構成などとしてもよい。
【0090】
さらに、電気掃除機10は、集塵カップ111により塵埃を遠心分離(サイクロン分離)するものとして説明したが、例えば集塵部としての集塵室内に集塵袋などのフィルタを取り付ける構成など、任意の構成の電気掃除機に対しても上記構成を適用することが可能である。特に、電気掃除機10は、キャニスタ型に限らず、例えば床ブラシ105を掃除機本体13の下部に接続したアップライト型、あるいはハンディ型などであっても対応して用いることができる。
【0091】
そして、本発明の一実施形態を説明したが、この一実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
10 電気掃除機
11 静電霧化装置
13 掃除機本体
45 熱電素子としてのペルチェ素子
60 排気ノズル
78 電極
95 放出口
111 集塵部としての集塵カップ
121 電動送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵部およびこの集塵部に吸込側が連通する電動送風機を備えた掃除機本体と、
ラジカルを含むミストを発生させる静電霧化装置とを具備し、
前記静電霧化装置は、
吸熱側と放熱側とを備えた熱電素子と、
この熱電素子の吸熱により冷却された前記熱電素子の吸熱側に結露した水分を自然放電によりラジカルを含むミストへと霧化する電極と、
この電極から発生したミストを放出する放出口と、
前記電動送風機の排気を前記放出口近傍に通過させてこの放出口からのミストの放出を誘発する排気ノズルとを備えている
ことを特徴とした電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−11093(P2012−11093A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152320(P2010−152320)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】