説明

電気掃除機

【課題】掃除機本体に集塵容器が装着されているか否かを簡単な構成で確実に検出することができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】掃除機本体1に設けられ、吸引風を発生させる電動送風機24と、掃除機本体1に着脱自在に設けられ、掃除機本体1に取り付けられたときに吸引風に吸引された塵を捕集する集塵容器11と、電動送風機24が吸引風を発生させる際に電動送風機に24供給される電流を検出する電流検出手段37と、電流が定常状態のときの値と所定の閾値とを比較して、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かを検出する集塵容器検出手段35bと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機においては、掃除機本体にマイクロスイッチ等が設けられる。このマイクロスイッチ等によって、掃除機本体に集塵容器が装着されているか否かを検出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−236520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気掃除機においては、マイクロスイッチ付近に異物が混入する場合がある。この場合、集塵容器が所定位置に装着されていても、当該集塵容器を検出することができない。
【0005】
また、集塵容器とマイクロスイッチとの間に異物が混入する場合がある。この場合、集塵容器が所定位置に装着されていなくても、当該集塵容器が誤検出される。
【0006】
また、マイクロスイッチ等が機械的に破壊する場合がある。この場合、集塵容器の装着を正確に検出することができない。
【0007】
また、マイクロスイッチ等の電子部品と基板とを接続するコネクタ等の回路部品も必要になる。このため、回路構成が複雑になり、電子部品のコストがかかる。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、掃除機本体に集塵容器が装着されているか否かを簡単な構成で確実に検出することができる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る電気掃除機は、掃除機本体に設けられ、吸引風を発生させる電動送風機と、前記掃除機本体に着脱自在に設けられ、前記掃除機本体に取り付けられたときに前記吸引風に吸引された塵を捕集する集塵容器と、前記電動送風機が前記吸引風を発生させる際に前記電動送風機に供給される電流を検出する電流検出手段と、前記電流が定常状態のときの値と所定の閾値とを比較して、前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されているか否かを検出する集塵容器検出手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、掃除機本体に集塵容器が装着されているか否かを簡単な構成で確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1における電気掃除機の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1における電気掃除機の本体の斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1における電気掃除機の本体の縦断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1における電気掃除機の手元ホースの斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1における電気掃除機の回路構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態1における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態3における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。
【図11】この発明の実施の形態3における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の斜視図である。
【0014】
図1において、1は掃除機本体である。掃除機本体1の後部両側には、車輪2が設けられる。掃除機本体1の前部下面には、前キャスター(図示せず)が設けられる。掃除機本体1の後部には、電源コード3が接続される。
【0015】
掃除機本体1の前部には、ホース4の一端が接続される。ホース4は、可撓性を有するように蛇腹状に形成される。ホース4の他端には、手元ホース5の一端が接続される。手元ホース5には、取手6が設けられる。取手6には、操作スイッチ7が設けられる。手元ホース5の他端には、延長パイプ8の一端が接続される。延長パイプ8は、円筒状に真っ直ぐに形成される。
【0016】
延長パイプ8の他端には、吸込具9が接続される。吸込具9には、回転ブラシ(図示せず)が設けられる。回転ブラシの外周面には、毛(図示せず)が植え付けられる。吸込具9には、電動機(図1においては図示せず)が内蔵される。電動機と回転ブラシとには、ベルト(図示せず)が巻き回される。
【0017】
次に、図2と図3とを用いて、掃除機本体1を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の本体の斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の本体の縦断面図である。
【0018】
図2に示すように、掃除機本体1は、本体ケース10、集塵容器11、接続部品12を備える。本体ケース10と集塵容器11とは、接続部品12によって着脱自在に接続される。
【0019】
本体ケース10は、掃除機本体1の外郭を構成する。具体的には、本体ケース10は、下ケース13と上ケース14とを備える。下ケース13は、上方に開口する。上ケース14は、下ケース13の開口部を覆う。上ケース14の上面には、集塵容器11の載置面が形成される。本体ケース10の前部には、ホース接続口15が形成される。
【0020】
上ケース14の一側には、本体パイプ16が載置される。本体パイプ16は、集塵容器11の長手方向に沿うように配置される。本体パイプ16は、各種樹脂で形成される。本体パイプ16の後部では、集塵容器接続口17が開口する。
【0021】
上ケース14の他側の後部では、本体流入口18が開口する。本体ケース10の他側には、排気孔19が配置される。排気孔19は、集塵容器11を中心に本体パイプ16と略左右対称の位置に配置される。排気孔19には、多数の孔が設けられる。上ケース14の後部には、固定穴20が形成される。
【0022】
集塵容器11は、略筒状の箱体である。集塵容器11の後部の一側には、集塵容器流入口21が開口する。集塵容器11の後部の他側には、集塵容器流出口22が開口する。集塵容器11の内部には、旋回室と集塵室とが設けられる。集塵容器11の後部には、固定部23が設けられる。固定部23は鉤状に形成される。
【0023】
図3は本体流入口18を通る縦断面である。図3に示すように、下ケース13の内部には、電動送風機24が設けられる。電動送風機24は、本体流入口18のほぼ真下に配置される。下ケース13内部には、制御基板(図示せず)が設けられる。
【0024】
本体流入口18と電動送風機24との間の経路上には、1次フィルター25が設けられる。1次フィルター25は、ハニカム形状、コルゲート形状、プリーツ形状、平板形状の不織布等で形成される。1次フィルター25と電動送風機24との間の経路上には、2次フィルター26が設けられる。2次フィルター26は、ハニカム形状、コルゲート形状、プリーツ形状、平板形状の不織布等で形成される。2次フィルター26の目は1次フィルター25の目よりも細かく形成される。
【0025】
この掃除機本体1においては、集塵容器接続口17と集塵容器流入口21とが接続するとともに、本体流入口18と集塵容器流出口22とが接続するように、集塵容器11が本体ケース10の上面に載置される。この状態で、固定穴20に固定部23が係合されるより、集塵容器11が本体ケース10に着脱自在に固定される。
【0026】
次に、図4を用いて、操作スイッチ7を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の手元ホースの斜視図である。
【0027】
図4に示すように、操作スイッチ7は、複数のスイッチを備える。これらのスイッチは、電動送風機24が発生させる吸引風の強弱を切り替えたり、電動送風機24を停止したりするためのものある。
【0028】
次に、電気掃除機の使用方法を説明する。
まず、電源コード3が外部の商用交流電源に接続される。この接続により、掃除機本体1に電力が供給される。この状態で、掃除機本体1は、前キャスターと車輪2とを利用して床面やじゅうたん等の被掃除面近傍へ移動される。
【0029】
その後、操作スイッチ7が操作されると、電動送風機24と電動機とが駆動する。電動送風機24の駆動により、吸引風が発生する。電動機の駆動により、回転ブラシが駆動する。この回転により、毛が被掃除面に接触する。この接触により、被掃除面上の塵が掻き上げられる。当該塵は、空気とともに吸込具9内へ吸い込まれる。当該含塵空気は、延長パイプ8、手元ホース5、ホース4を介して掃除機本体1のホース接続口15に搬送される。
【0030】
すなわち、吸込具9、延長パイプ8、手元ホース5、ホース4は、含塵空気を掃除機本体1の外から内部に流入させるための吸引経路の一部として機能する。ホース接続口15は、掃除機本体1の含塵空気の入口として機能する。
【0031】
当該含塵空気は、本体パイプ16、集塵容器接続口17、集塵容器流入口21を通過して、集塵容器11に搬送される。当該含塵空気中の塵埃は、集塵容器11に捕集される。塵埃を捕集された空気は、集塵容器流出口22と本体流入口18を通過して、本体ケース10内に侵入する。すなわち、集塵容器11は、ホース接続口15から電動送風機24へ至る吸引経路の一部として機能する。
【0032】
その後、当該空気は、1次フィルター25を通過する。このとき、当該空気に含まれる微細な塵埃は、1次フィルター25に捕集される。その後、当該空気は、2次フィルター26を通過する。このとき、1次フィルター25を通過した微細な塵埃は、2次フィルター26に捕集される。その後、当該空気は、電動送風機24に達する。その後、当該空気は、内部通路(図示せず)を通過して、排気孔19から外部へ排気される。
【0033】
集塵容器11に塵埃が溜まった場合、集塵容器11が本体ケース10から取り外される。その後、当該塵埃は、集塵容器11から廃棄される。
【0034】
次に、図5を用いて、電気掃除機の回路構成を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の回路構成図である。なお、図5においては、吸込具9の電動機27も示される。
【0035】
図5において、28は商用交流電源である。商用交流電源28には、電動送風機24が接続される。商用交流電源28の一側と電動送風機24の一側との間には、15A電流フューズ29が接続される。15A電流フューズ29は、電動送風機24がロック等になった場合や回路短絡異常になった場合の保護装置である。
【0036】
商用交流電源28の他側と電動送風機24の他側との間には、トライアック(双方向サイリスタ)30が接続される。電動送風機24とトライアック30とよりも電動機27側には、電解コンデンサC1とダイオードD1とが直列に接続される。
【0037】
電解コンデンサC1とダイオードD1とよりも電動機27側では、商用交流電源28の一側と電動機27の一側との間にトライアック(双方向サイリスタ)31が接続される。電解コンデンサC1とダイオードD1とよりも電動送風機24側では、商用交流電源28の他側と電動機27の他側との間に4A電流フューズ32が接続される。4A電流フューズ32は、電動機27がロック等になった場合や回路短絡異常になった場合の保護装置である。
【0038】
33は直流電源装置である。直流電源装置33の入力側は、電解コンデンサC1に接続される。直流電源装置33は、所定の直流電圧を出力する。直流電源装置33の出力側には、定電圧電源34の入力が接続される。定電圧電源34は、所定の定電圧を出力する。
【0039】
定電圧電源34の入力側には、電解コンデンサC2が接続される。電解コンデンサC2は、定電圧電源34の発振を押さえる。定電圧電源34の出力側には、電解コンデンサC3が接続される。電解コンデンサC3は、定電圧電源34の出力を安定化させる。
【0040】
35はマイクロコンピュータ(制御手段)である。マイクロコンピュータ35は、運転モード検出手段35aを備える。運転モード検出手段35aの入力側とグランドとの間には、抵抗R4が接続される。マイクロコンピュータ35は、定電圧電源34から5V電圧の供給を受ける。
【0041】
ホース4には、3本のピアノ線が内蔵される。これらのピアノ線は、信号線としても機能する。手元ホース5の操作スイッチ7は、定電圧電源34から5V電圧の供給を受ける。
【0042】
操作スイッチ7は、スイッチSW1〜SW4と抵抗R6〜R10を内蔵する。スイッチSW1〜SW4は、それぞれ抵抗R7〜R10と直列に接続される。スイッチSW1〜SW4は、押圧(ON)されたときに、それぞれ抵抗R7〜R10との回路を閉じる。スイッチSW1〜SW4は、押圧から開放されると、それぞれ抵抗R7〜R10との回路を開く。スイッチSW1〜SW4が押圧されていない場合は、抵抗R6の回路のみが閉じる。
【0043】
吸込具9内では、電動機27と直列に安全スイッチ36が接続される。安全スイッチ36は、吸込具9が空中に持ち上げられた場合に開放して、電動機27を停止させる。
【0044】
このような電気掃除機においては、スイッチSW1〜SW4の全てがOFFのとき、運転モード検出手段35aの入力電圧は、抵抗R4と抵抗R6にとによって分圧されたものとなる。これに対し、スイッチSW1〜SW4のいずれかがONのとき、運転モード検出手段35aの入力電圧は、抵抗R6及び抵抗R7、R8、R9、R10のいずれかの並列抵抗とR4とによって分圧されたものとなる。
【0045】
これらの入力電圧に基づいて、マイクロコンピュータ35は、運転モードを判断する。この運転モードに応じて、マイクロコンピュータ35は、電動送風機24への供給電力と電動機27の制御を行う。
【0046】
具体的には、SW1が押圧されると場合、電動機27が回転を開始する。SW2が押圧されると、中モードとして、約600Wの一定出力により電動機27が回転する。SW2がさらに押圧されると、弱モードとして、約300Wの一定出力により電動機27が回転する。SW3が押圧されると、強モードとして、約1000Wの一定出力により電動機27が回転する。SW4が押圧されると、電動送風機24と電動機27とが停止する。
【0047】
本実施の形態においては、電流検出手段37が設けられる。電流検出手段37は、電流センサ37aを備える。電流センサ37aは、電動機27とトライアック30とに直列に接続される。電流検出手段37は、電動送風機24に供給される電流をカレントトランスやシャント抵抗による電圧降下法等によって電圧として検出する。
【0048】
また、マイクロコンピュータ35には、集塵容器検出手段35b、位相制御手段35c、表示制御手段35dが設けられる。集塵容器検出手段35bは、電流検出手段37の出力に基づいて、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かを検出する。位相制御手段35cは、集塵容器検出手段35bの検出結果に基づいて、電動送風機24と電動機27とに供給される電流をトライアック30、31で位相制御することにより、電動送風機24と電動機27とを制御する。表示制御手段35dは、集塵容器検出手段35bの検出結果を表示部38に表示させる。
【0049】
次に、図6を用いて、電動送風機24を動作させた直後に電流センサ37aで検出される電流値を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。図6の横軸は時間を表す。図6の縦軸は電流値を表す。
【0050】
図6に示すように、電動送風機24を動作させた直後、電流値は、最大値となるまで増加する。その後、電流値は、一度減少してから定常状態になる。
【0051】
次に、図7を用いて、集塵容器11の装着の有無により電流センサ37aで検出される電流値が変化することを説明する。
図7はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。図7の横軸は時間を表す。図7の縦軸は電流値を表す。
【0052】
図7において、Aは集塵容器11を装着していない場合の電流値である。Bは集塵容器11を装着している場合の電流値である。図7に示すように、電流値Bよりも電流値Aの方が大きくなる。所定時間T1以降においては、電流値Aは閾値よりも大きい。これに対し、電流値Bは閾値よりも小さい。
【0053】
次に、図8を用いて、電気掃除機の動作を説明する。
図8はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【0054】
まず、ステップS1では、マイクロコンピュータ35は、操作スイッチ7のON信号を検出してから電流センサ37aの電流値を読み込むまでの経過時間タイマー(T1)をセットする。その後、ステップS2に進み、マイクロコンピュータ35は、操作スイッチ7からON信号を検出したか否かを判定する。ON信号が検出されない場合は、ステップS2の検出動作が繰り返される。
【0055】
ON信号が検出された場合は、ステップS3に進む。ステップS3では、マイクロコンピュータ35は、タイマーに動作を開始させる。その後、ステップS4に進み、マイクロコンピュータ35は、タイマーが動作を開始したか否かを判定する。タイマーが動作を開始していない場合は、ステップS3に戻り、マイクロコンピュータ35は、再びタイマーに動作を開始させる。
【0056】
タイマーが動作を開始した場合は、ステップS5に進む。ステップS5では、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動送風機24を回転させる。その後、ステップS6に進み、マイクロコンピュータ35は、集塵容器検出手段35bにより、電動送風機24に供給される電流値を電流センサ37aから読み込み始める。その後、ステップS7に進んで、マイクロコンピュータ35は、所定時間T1が経過したか否かを判定する。所定時間T1が経過していない場合は、ステップS7の判定動作が繰り返される。
【0057】
所定時間T1が経過した場合は、ステップS8に進む。ステップS8では、集塵容器検出手段35bは、集塵容器検出手段35bにより、電流センサ37aから読み込んだ電流値が所定の閾値以上か否かを判定する。当該電流値が閾値未満の場合は、ステップS8の判定動作が繰り返される。
【0058】
当該電流値が閾値以上の場合は、ステップS9に進む。ステップS9では、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動送風機24の回転速度を低下させる制御又は電動送風機24を停止させる制御を行う。その後、ステップS10に進み、マイクロコンピュータ35は、表示制御手段35dにより、集塵容器11が電動送風機24に装着されていない旨を表示部38に表示させる。
【0059】
以上で説明した実施の形態1によれば、電動送風機24に供給される電流が定常状態のときの値と閾値との比較により、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かが検出される。具体的には、操作スイッチ7で電動送風機24の動作を開始させてから所定時間T1経過後の電流値と閾値とを比較して、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かが検出される。このため、掃除機本体1に集塵容器11が装着されているか否かを簡単な構成で確実に検出することができる。
【0060】
また、所定時間T1が経過した後も継続して、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かが検出される。このため、電気掃除機を使用しているときに集塵容器11が取り外されたことも検出することができる。
【0061】
また、集塵容器11が掃除機本体1に装着されていない場合は、電動送風機24の回転速度を低下させる制御又は電動送風機24を停止させる制御が行われる。このため、塵埃を捕集することができない状態のときに電動送風機24が通常と同様に動作することを防止できる。
【0062】
また、表示部38は、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かを表示する。このため、電気掃除機の利用者は、集塵容器11が掃除機本体1に装着されているか否かを視認することができる。
【0063】
なお、実施の形態1の集塵容器11の集塵方式はサイクロン方式であった。しかしながら、集塵方式は、紙パック方式等であってもよい。すなわち、集塵容器11が掃除機本体1から着脱自在で目詰まりのしないものであればよい。
【0064】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
実施の形態1においては、集塵容器11が掃除機本体1に装着されていない場合は、電動送風機24の回転速度を低下させる制御又は電動送風機24を停止させる制御が行われた。一方、実施の形態2においては、集塵容器11が掃除機本体1に装着されていない場合は、電動機27の回転速度を低下させる制御又は電動機27を停止させる制御も行われる。以下、図9を用いて、実施の形態2における電気掃除機の動作を説明する。
【0066】
ステップS11〜S14は、図8のステップS1〜S4と同様である。ステップS14でタイマーが動作を開始した場合は、ステップS15aに進む。ステップS15aでは、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動送風機24を回転させる。その後、ステップS15bに進み、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動機27を回転させる。
【0067】
その後のステップS16〜S18は、図8のステップS6〜S8と同様である。ステップS18で電流センサ37aから読み込まれる電流値が閾値以上の場合は、ステップS19aに進む。ステップS19aでは、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動送風機24の回転速度を低下させる制御又は電動送風機24を停止させる制御を行う。その後、ステップS19bに進み、マイクロコンピュータ35は、位相制御手段35cにより、電動機27の回転速度を低下させる制御又は電動機27を停止させる制御を行う。その後、ステップS20は、図8のステップS10と同様である。
【0068】
以上で説明した実施の形態2によれば、集塵容器11が掃除機本体1に装着されていない場合は、電動機27の回転速度を低下させる制御又は電動機27を停止させる制御が行われる。このため、塵埃を被掃除面から掻き上げることができない状態のときに電動機27が通常と同様に動作することを防止できる。
【0069】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3における電気掃除機の電流センサで検出される電流値を説明するための図である。なお、実施の形態1及び2と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
実施の形態1においては、集塵容器11の有無を検出する際、一定の閾値が設定された。一方、実施の形態3においては、集塵容器11の有無を検出する際、運転モードに応じて閾値が変化する。以下、図10を用いて、本実施の形態の閾値を説明する。
【0071】
図10の横軸は時間を表す。図10の縦軸は電流値を表す。図10において、Aは強モードで集塵容器11を装着していない場合の電流値である。Bは強モードで集塵容器11を装着している場合の電流値である。Cは中モードで集塵容器11を装着していない場合の電流値である。Dは中モードで集塵容器11を装着している場合の電流値である。Eは弱モードで集塵容器11を装着していない場合の電流値である。Fは弱モードで集塵容器11を装着している場合の電流値である。
【0072】
図10に示すように、各電流値A〜Fの波形はほぼ同じ形となる。しかしながら、各運転モードによって、各電流値A〜Fの値が異なる。具体的には、強モード時の電流値A、Bは、中モード時の電流値C、Dよりも大きい。中モード時の電流値C、Dは、弱モード時の電流値E、Fよりも大きい。
【0073】
所定時間T1以降においては、電流値Aは強モード閾値よりも大きい。これに対し、電流値Bは強モード閾値よりも小さい。所定時間T1以降においては、電流値Cは中モード閾値よりも大きい。これに対し、電流値Dは中モード閾値よりも小さい。所定時間T1以降においては、電流値Eは弱モード閾値よりも大きい。これに対し、電流値Fは弱モード閾値よりも小さい。
【0074】
次に、図11を用いて、電気掃除機の動作を説明する。
図11はこの発明の実施の形態3における電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
ステップS31は、図9のステップS11と同様である。その後、ステップS32aでは、マイクロコンピュータ35は、操作スイッチ7から強モードのON信号を検出したか否かを判定する。強モードのON信号が検出された場合は、ステップ33に進む。ステップS33〜S40の動作は、図9のステップS13〜S20と同様である。
【0076】
ただし、ステップS35aでは、電動送風機24は強モードに対応した出力で回転する。また、ステップS39では、強モードに対応した閾値が用いられる。
【0077】
ステップS32aで強モードのON信号が検出されない場合は、ステップS32bに進む。ステップS32bでは、マイクロコンピュータ35は、操作スイッチ7から中モードのON信号を検出したか否かを判定する。中モードのON信号が検出された場合は、ステップ43に進む。ステップS43〜S50の動作は、図9のステップS12〜S20と同様である。
【0078】
ただし、ステップS45aでは、電動送風機24が中モードに対応した出力で回転する。また、ステップS49では、中モードに対応した閾値が用いられる。
【0079】
ステップS32bで中モードのON信号が検出されない場合は、ステップ32cに進む。ステップS32cでは、マイクロコンピュータ35は、操作スイッチ7から弱モードのON信号を検出したか否かを判定する。弱モードのON信号が検出された場合は、ステップS53に進む。ステップS53〜S60の動作は、図9のステップS12〜S20と同様である。
【0080】
ただし、ステップS55aでは、電動送風機24が弱モードに対応した出力で回転する。また、ステップS59では、弱モードに対応した閾値が用いられる。
【0081】
ステップS32cで弱モードのON信号が検出されない場合は、ステップS32aに戻って、運転モードの判定が繰り返される。
【0082】
以上で説明した実施の形態3によれば、集塵容器11の有無を検出する際、運転モードに応じて閾値が変化する。このため、掃除機本体1に集塵容器11が装着されているか否かをより確実に検出することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 掃除機本体
2 車輪
3 電源コード
4 ホース
5 手元ホース
6 取手
7 操作スイッチ
8 延長パイプ
9 吸込具
10 本体ケース
11 集塵容器
12 接続部品
13 下ケース
14 上ケース
15 ホース接続口
16 本体パイプ
17 集塵容器接続口
18 本体流入口
19 排気孔
20 固定穴
21 集塵容器流入口
22 集塵容器流出口
23 固定部
24 電動送風機
25 1次フィルター
26 2次フィルター
27 電動機
28 商用交流電源
29 15A電流フューズ
30 トライアック
31 トライアック
32 4A電流フューズ
33 直流電源装置
34 定電圧電源
35 マイクロコンピュータ
35a 運転モード検出手段
35b 集塵容器検出手段
35c 位相制御手段
35d 表示制御手段
36 安全スイッチ
37 電流検出手段
37a 電流センサ
38 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体に設けられ、吸引風を発生させる電動送風機と、
前記掃除機本体に着脱自在に設けられ、前記掃除機本体に取り付けられたときに前記吸引風に吸引された塵を捕集する集塵容器と、
前記電動送風機が前記吸引風を発生させる際に前記電動送風機に供給される電流を検出する電流検出手段と、
前記電流が定常状態のときの値と所定の閾値とを比較して、前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されているか否かを検出する集塵容器検出手段と、
を備えた電気掃除機
【請求項2】
前記電動送風機の動作を開始させるための操作スイッチ、
を備え、
前記集塵容器検出手段は、前記操作スイッチで前記電動送風機の動作が開始されてから所定時間経過後の前記電流の値と前記所定の閾値とを比較して、前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されているか否かを検出する請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記集塵容器検出手段は、前記所定時間経過後も継続して前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されているか否かを検出する請求項2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されていないと検出された場合は、前記電動送風機の回転速度を低下させる制御又は前記電動送風機を停止させる制御を行う制御手段、
を備えた請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記塵を被掃除面から掻き上げるための回転ブラシと、
前記回転ブラシを駆動する電動機と、
を備え、
前記制御手段は、前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されていないと検出された場合は、前記電動機の回転速度を低下させる制御又は前記電動機を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項4記載の電気掃除機。
【請求項6】
運転モードを検出する運転モード検出手段、
を備え、
前記集塵容器検出手段は、前記所定の閾値を前記運転モードに応じて変化させる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記集塵容器が前記掃除機本体に装着されているか否かを表示する表示手段、
を備えた請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−223317(P2012−223317A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92734(P2011−92734)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】