電気接点とロック機構を一体化したエレクトロトランスファ・カセット
エレクトロトランスファ・カセットが、手動で操作可能なロック機構によって解除式に結合された2つの部分で形成されている。結合された2つの部分は、カセットの2つの部分内の電極から延びている電気接触領域を有している。この電気接触領域は、カセットの外側端上で露出し、器具内へのカセットの簡単な挿入時に電源への電気接続を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月10日に出願された米国仮出願第61/285,277号、及び2010年9月10日に出願された米国仮出願第61/381,653号の優先権を主張する。これら双方の仮出願の内容が、ここで参照により組み込まれるものである。
【0002】
本発明はゲル電気泳動の分野に関し、特に、種を検知、識別、かつ計量できるシート状支持マトリックスに種を分離させたスラブゲルから、電気泳動的に分離された種を搬送することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
スラブゲル内で電気泳動的に分離されたタンパク質、核酸、その他の生物学的種を識別、定量化するにあたっては、ゲル内で実行することよりも簡単であるため、しばしばニトロセルロース、ナイロン、ポリビニル・ジフルオリド、或いは同様の材料からなる薄膜に転送される。一般的な転送技術としては電気ブロッティング法がある。この方法では、ゲルと薄膜の平面が直接接触した状態に置かれ、それらに対し横断する方向に電流が流され、これによりゲル内で種を駆り集めるのと同様な方法で種が転送されるようになっている。種がDNAフラグメントの場合、この転送は、その発案者(英国の生物学者エドウィン・M・サザン)の名をとってサザンブロットと名付けられている。これに対する形で、RNAフラグメントの転送はノーザンブロッティング、タンパク質やポリペプチドの転送はウェスタンブロットと夫々名付けられている。一旦転送が生じたならば、薄膜上の種は、種そのものに適切な方法によって分析される。例えば、サザン及びノーザン・ブロット分析では、薄膜上の種をハイブリダイゼーションプローブを使って処理し、その後、蛍光性か発色性染料を用いて種に標識が付けられる。又、ウェスタンブロットでは、種は抗体処理され、その後は従来からの標識法を用いて抗体検出が行われるようになっている。
【0004】
サザンタイプ、ノーザンタイプ及びウエスタンタイプのエレクトロ・ブロッティングは全て、湿式、乾式、セミドライ式のいずれで実施することができる。湿式のブロッティングでは、ゲルと薄膜は互い違いに積層されてスタックを成し、同スタックは、壁上にワイヤ電極又は平板電極を据え付けたタンク中のトランスファ緩衝液に浸される。その後、電極は励起され、溶質をゲルから薄膜まで移動させる。セミドライ・ブロッティングでは、トランスファ緩衝液に浸したフィルタペーパーが使用され、スタックはその上部と下部にフィルタペーパーを配し、両フィルタペーパー間にゲルと薄膜を配置して“ブロッティングサンドイッチ”を構成している。次いで、電極が、湿ったフィルタペーパーの露出面に直接接触するように配置される。乾式エレクトロ・ブロッティングではゲルに存在するもの以外の液体緩衝剤を使用しない。湿式、乾式、セミドライのエレクトロ・ブロッティング、その関連物質及び機器に関する記述は、2006年12月14日に公開されたマルガリートら(Invitrogen)の米国特許出願公開第2006/0278531号(特許文献1)、1989年6月20日発行のリトルハーレス(アメリカンバイオネティックス)の米国特許第4,840,714号(特許文献2)、1989年12月26日発行のダイソンら(アマシャム・インターナショナル)の米国特許第4,889,606号(特許文献3)、1991年5月7日発行のシュエット(ライフ・テクノロジーズ)の米国特許第5,013,420号(特許文献4)、1994年10月18日発行のチャンら(アボット・ラボラトリーズ)の米国特許第5,356,772号(特許文献5)、2005年8月29日発行のカマチョ(ホーファ科学機器)の米国特許第5,445,723号(特許文献6)、1996年1月9日発行のボケット(ベルタンアンドシー)の米国特許第5,482,613号(特許文献7)、及び2003年7月15日発行のチェン(ウエルテックエンタープライズ会社)米国特許第6,592,734号(特許文献8)で見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0278531号
【特許文献2】米国特許第4,840,714号
【特許文献3】米国特許第4,889,606号
【特許文献4】米国特許第5,013,420号
【特許文献5】米国特許第5,356,772号
【特許文献6】米国特許第5,445,723号
【特許文献7】米国特許第5,482,613号
【特許文献8】米国特許第6,592,734号
【発明の概要】
【0006】
本発明は独自の構造のエレクトロトランスファ・カセットを提供する。用語としての“エレクトロトランスファ・カセット”はここでは、電極を備えかつゲルや他の媒体を収納可能な任意の容器を意味するものとして使用され、ゲルや他の媒体は、マイクロタイタープレート・ウエルのような二次元配列+薄膜、或いは他の二次元マトリックス内で分配される化学か生物学的種を含み、そのような配列又はマトリックスに対しては電極によって生成された電界の影響によって種が転送されることになる。適用先としては広範囲に及ぶ一方、本発明のカセットはセミドライのエレクトロ・ブロッティングに使用した際に特段の価値を持つ。カセット構造体は上部と底部を備え、平板上の2個の電極が上部と底部上に夫々据え付けられる。アノードは底部にあり、カソードは上部にあることが好ましいが、逆の配置、即ちカソードを底部に、アノードを上部に設けても機能的には代替物である。しかしながら、便宜上、ここでは上部分をカソードサポートと呼び、底部をアノードサポートとして呼ぶことになる。用語“カソードサポート”が使用されるあらゆる部分において、そのサポートにおけるカソード板はアノード板によって交換でき、また用語“アノードサポート”においても同様であることを理解されたい。
【0007】
カソードサポートとアノードサポートは、カソードサポートから手動で操作可能なロック解除機構によって容易に固着され、容易に互いから取り外される。その機構は、カソードサポートの対向する側端から側方に延びかつアノードサポートの隆起壁にある開口部と一直線上に並んだペグを備えている。ペグは、各ペグが対応する開口部を通って突き出る拡張位置と、各ペグが開口部との係合が解かれカソードサポートへと回収されるような退縮位置との間で移動可能である。前者は、延びたペグと、その延びたペグと開口部の係合とによって、カソードサポートとアノードサポート同士が互いに対して固定されるようなロック位置である。後者は、カソードサポートとアノードサポートが互いから分離できるか、或いはペグによる適所ロックに先立つ接触状態で配置できるような解除位置である。ペグの移動は、ユーザの片手で操作することができかつ全てのペグの位置を上記2位置間で同時に移動するツマミによって達成される。以下に説明するが、好適実施形態におけるツマミは、カソードサポートにあって、回転運動を直線運動に変えるような任意の従来機械的接続を介してペグに結合された回転板である。一例として挙げるならば、ラック及びピニオンギヤがあり、そこでは、回転板に固定された歯付き円形ギヤが2つの側部で歯付きバーと係合し、各バーが、ペグを据え付けるフレーム又はウエブの延長部となる。円形ギヤを回転することで、バー、フレーム及びペグを同時に反対方向に移動させることができ、円形ギヤの回転方向によってペグを開口部から外側へ突出させたり、開口部から内側へ撤収することができる。カセットのアノードサポートの隆起壁にある開口部の位置によって、アノードサポート上のカソードサポートの高さが決まり、結果としてカソードとアノードの間の距離が決まる。ペグと開口部は電極を互いに対し平行に保つ。回転板の代わりとなるものは当業者であるならば容易に明白となるであろう。1代替物として挙げるならば、ユーザの親指と人指し指で摘め、強く圧迫してペグを退縮させるたり解放してペグを延ばすことができる1組のバネ仕掛けフィンガータブがある。
【0008】
本発明の好適実施形態におけるカセットの更なる特徴部分は、電極板が下方部分に固定され、ラック及びピニオン機構が上方部分に据え付けられる、2つの部分からなるカソード(即ち、上方電極)サポートを含んでいる。これらの実施形態では、上方部分と下方部分は嵌合部材によって結合され、嵌合部材同士は、異なる厚さのブロッティングサンドイッチを収容するために電極板を上下することができる、可変であるがバネ仕掛け分離が可能なスナップ式連結状態にある。更に特定の実施形態では、カセットは、電力供給装置への電気的接続のため、カセットの外側からアクセス可能なアノード、カソード用電気接点を備えている。好適実施形態では、これらの接点への電気接続は、例えば器具の中にカセットを挿入することでその内部で電源接続するといったように、単純な接触によってなされる。本発明の好適実施形態における更なる特徴部分は、一方においてカセットの上・下部分双方の内面と、他方においてゲルと薄膜、又はその他のブロッティング材との間を絶縁するか、それらの分離を保持する統合ガスケット機構にある。これらのガスケット機構により、ともすればゲル中の化学薬品と緩衝剤の接触によって発生しかねない化学的劣化からカセットの構成材料を保護する。更なる特徴部分は、以下に続く説明と添付図面から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるカセット例の斜視図である。
【図2A】図1のカセットのカソードサポートの上面図であって、可動ペグを示す図である。
【図2B】図1のカセットのカソードサポートの底面図であって、可動ペグを示す図である。
【図3A】図1のカセットのアノードサポートの上面図である。
【図3B】図1のカセットのアノードサポートの底面図である。
【図4】図1のカセットの後方斜視図である。
【図5】図1のカセットをロックしロック解除するためのラック及びピニオン機構の平面図である。
【図6A】図1のカセットのラック及びピニオン機構の2つの位置の中の一方を示す図である。
【図6B】図1のカセットのラック及びピニオン機構の2つの位置の中の他方を夫々示す図である。
【図7】本発明の範囲内でのカセットの別のカソードサポートの分解図であって、カソードサポート自体は2つの部分で形成されることを示した図である。
【図8】図7に示す別のカソードサポートを使用するカセット部分の断面図である。
【図9】厚みのあるブロッティングサンドイッチを収納するために拡張された、図8と同じ断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1の斜視図は、本発明の範囲内の組立カセット11の1つの例を示し、他方、分離されたカソードサポート12とアノードサポート13がこれに続く図に示される。カソードサポート12については上から見た図が図2Aに、下から見た図が図2Bに示される。アノードサポート13は上から見た図が図3Aに、下から見た図が図3Bに示される。両サポートは共に長方形の形をしており、この内アノードサポート13は四辺から隆起した壁14、15、16,17を備え、カソードサポート12がこれらの壁の内側に容易に挿脱できるように、密なるもルーズフィットの状態でカソードサポート12を受け入れるようになっている。カソード、アノードは各々、図2B及び図3Aに見ることができ、アノード21はアノードサポート(図3A)の床に位置し、カソード22はカソードサポート(図2B)の下側に位置している。
【0011】
アノードサポート13はガスケット23(図3A)を一体化し、それはサポートの床上にオーバーモールドすることができる。ガスケットはアノードサポートの床の周囲に延び、アノード21を取り囲む。ブロッティングサンドイッチは、ガスケット23の内側のアノード上に置かれる。カソードサポートとアノードサポートが結合される時、カソード22(図2B)はブロッティングサンドイッチの上面と接触する。隆起部24(図2B)はカソードサポートの下側に形成される。隆起部24はカソードサポート上にオーバーモールドされる追加のガスケット材から作ることも可能である。それらは互いに接触することはないが、ガスケット23と隆起部24はブロッティングサンドイッチ中の化学薬品がアノードとカソード以外のカセット部分に接触するのを防止する。ブロッティング工程で発生したガスは、ガスケット23と隆起部24の間の間隙を通ってカセットから抜け、カソードサポートの長い端縁部とアノードサポートの長い側壁の間の間隙を通ってカセットから飛散することができる。
【0012】
カソードサポートとアノードサポートの更なる特徴部分は、アノードサポート(図3B)の下側のオーバーモールド成型された脚部25と、カソードサポート(図2A)の上面の四隅にあって同様にオーバーモールド成形されたコーナーパッド26とにある。脚部25は実験室の作業台上でカセットを安定させるのに有効である。コーナーパッド26は、アノードサポート内でカソードサポートを心合せするのを助け、器具内へのカセット挿入を容易にする。可動ペグ31(図2A)はカソードサポート12の部品であり、2組のペグから成り、各組は上部の2つの長い側端にあって外側に延びている。ペグを受ける開口部32(図3A)は、アノードサポートの2つの長い側端に沿って、隆起した壁面に設けられる。ペグの位置を決めるロータリーディスク33はカソードサポート12(図2A)に一体化されるが、その詳細は以下に説明する。
【0013】
ペグはカソード板と平行な軸線を伴って方向付けられることが好ましく、ロック位置と解除位置との間で移動する際のそれらの動作はこれらの軸線に沿ったものであることが好ましい。図示された実施形態では、カソードサポートとアノードサポートは共に外形が長方形であり、各々は長辺側に1組の対向する平行側端を有している。ペグの位置に関しては、2個のサポートを固着した際にこれらのペグがアノード板とカソード板を平行な関係に保つという条件付きで、重要なものではない。従って、好ましくは少なくとも1つのペグが2つの平行側端の各々に設けられ、更に好ましくは図示するように、2つ又はそれ以上のペグが各側端に設けられる。
【0014】
カソード板とアノード板のための外部接点触は、各サポートの1つの端壁においてカセットのカソードサポートとアノードサポートの夫々に設けられる。図3Aを参照するに、後端壁15の外面上の平坦域は、単一のアノード接点34として作用する。図2Aを参照するに、平坦な端部を備えてカソードサポートの後縁から外方へと延びる2つの突起35、36がカソード接点として作用する。接点は夫々垂直位置へ曲げられたアノード板とカソード板の拡張部分である。カソードサポートとアノードサポートが結合される時、2つの突起35、36はアノードサポート(図3A)の後壁15にあるスロット37、38を通って突出し、結果として図4に示されるように、3個の接点が組み立て状態のカセットの後縁に露出し、実質上同一平面上に位置するようになる。このようにして、対応して内部接点を配する機器の中へカセットを挿入することにより全ての接点を同時に電力を与えることができる。これらの図の中で示されるカソードとアノード接点の独特の形状・配置は、機器における2個の対応接点に係合する程、充分広い幅のアノード接点と、機器にある2個の接点に同様に係合する2個のカソード接点とを備え、冗長設計されたものである。同様に機能する代替配置構造としては、アノード用単一接点とカソード用単一接点を備えた配置構造か、或いはカソード用として単一の伸長された接点とアノード用としての2個の接点を有する配置構造がある。更に、上述したようにアノードとカソードは、アノードをカセットの上部、カソードを底部に配し、外側の接点をこれに対応させて反転することで、逆転することができる。
【0015】
図1、2A、2B、3A及び3Bに示す実施形態においては、アノードの上のカソードの高さと、それらの間の平行間隔の調整は、前方端壁17の隣接するアノードサポートの床を特徴づけるもの(図3A、その特徴部分は図では見えない)と、カソードサポート12がこれらの特徴部分とスロットに係止した時の後方端壁15のスロット37、38の底部高さによってなされる。
【0016】
ペグ31の位置を決めるラック及びピニオン機構を図5に示す。ペグはフレームの先端を成し、従って4個のペグは2つのフレーム41、42の一部となる。各フレームの内方端にあるのが歯付きバー43、44であって、2連の歯(各バーに付き1連の歯)が円形ギヤ45の対向する側で係合する。円形ギヤをある方向に回転させると、双方のフレームは外側に移動し、これにより双方の組のペグは更に外側に突出し、円形ギヤを他の方向に回転させると、双方のフレーム、しかるに双方の組のペグは内側に移動する。円形のギヤ45は回転ディスク33の下側に固定される。図6A及び図6Bは、ペグを動かす回転ディスクの作動を示した、カソードサポートの水平断面図である。ロック位置は図6Aに示され、解除位置は図6Bに示されている。
【0017】
追加の特徴部分を備えた別のカセットを図7、8及び図9に示す。図7は、カセットのカソードサポート51を示しており、カソードサポート自体、2つの部分、即ちシェル52及び電極板マウント53から形成され、マウント上にシェルが適合される。カソード板(不可視)は、先の図の構造体のカソード板と同様に、電極板マウント53の下側に固定される。ラック及びピニオン機構は、図7には示さないが、円54の位置においてシェル52の下側に固定され、図5に示されるそれと同じ構造を有する。ラック及びピニオン機構から延びる可動ペグ31(図5)は、シェルの側方開口部55を通過してカセットの底部にある側方開口部32(図3A)と係合する。図7に示すカソードサポート51のシェル52と電極板マウント53は、4組の嵌合部材によって共に結合される。各嵌合ペアは、上方部分52から下方に延びる中空ボス又はシェル56と、下方部分53から上方に延びる、弾力的に据え付けられた1組のフック57とから成る。フックの各組は、弓型断面を有して環状に配置された4個のフックから成る。各中空ボス56は、拡張リム58又は(ボスの中心軸線に対して延びるリップを備えた)逆フランジで終端し、フック57はその外側で対面する。中空ボス56はフック57と連携し、2つの部品が結合された時、各中空ボス56は対応する組の4個のフック57にフィットし、4個のフック全てが所定位置に嵌まり、ボスのリム58と係合する。シェルと電極板マウントの双方に接触するバネ仕掛けの付勢部材を設けることで、板マウントをシェルから下方に付勢すると共に、板マウントをブロッティングサンドイッチとの接触によって上方に押し上げさせ、比較的厚いブロッティングサンドイッチを2枚の電極板間に収容させることができる。バネ仕掛けの付勢部材は各ボス56内部のコイルバネ59で示されている。
【0018】
更に図7には、図4に示された構造物におけるカソード接点35、36に対応して上方部分52の対向端縁部から突出する電気接点61、62が示されている。対向する端縁部に接点61、62を配置することで、カセットをいずれかの方向に機器内へと挿入することが可能となる。
【0019】
図7の実施形態においてカセットのカソードサポートから側方に突出する可動ペグはカソードサポートの上方部分52に対して一定の高さにあり、開口部32はアノードサポートにおいて一定の高さにあるため(図3A)、カソードサポートの下方部分53(即ち、カソード板が据え付けられる部分)は、カセットが完全に組み立てられた時に唯一可動な部分であり、下方部分53の位置、しかるにカソード板の高さは、カソード板とアノード板の間の垂直距離を決定する。その高さは自己調整してブロッティングサンドイッチの厚さに順応する。従って、ブロッティングサンドイッチ上でカセットを組み立てる際には、ユーザはカセットの底部の上のアノード上のブロッティングサンドイッチを置き、次いでブロッティングサンドイッチ上にカセットの上部を置き、ペグが底部の開口部と一直線上に並ぶまで上部を押し下げ、バネを圧縮させる。厚みのあるブロッティングサンドイッチに対しては、カソード板に対する下からの圧力がバネ59を圧縮させる一方、薄いブロッティングサンドイッチに対しては、バネは相対的に弛緩される。
【0020】
バネにおける2つの状態、ひいてはカソード板の2つの高さが、図8及ぶ図9に夫々示されている。両方の図は、アノード板とカソード板の間にブロッティングサンドイッチを備え、組み立て状態にあるカセットの一部分の断面図であり、図示された部分は、カソードサポートの2つの部分を結合する各組の嵌合部材の内の1組に近接する部分である。図8において図示された部分は、内部に延びるリム58を持った中空ボス56、1組4個からなるフック57の内の3フック(2個のフックは断面で)、コイルバネ59、カソード板22、及びアノード板21を備えたアノードサポート13を含んでいる。ブロッティングサンドイッチ(これもまた図示せず)はカソードサポートとアノードサポートとの間に配置され、カソード板22とアノード板21の間の間隙63を満たし、バネ59がカソード板をブロッティングサンドイッチの上部に対して付勢することで間隙の高さを決めている。図9では、カソードサポートの可動ペグがアノードサポートの開口部と一直線上に並び、カセットを共に固定した際、ブロッティングサンドイッチがバネ59に対抗してカソード板22を上方に圧迫するように、厚みのあるブロッティングサンドイッチがカソードサポート・アノードサポート間に置かれている。図示するように、バネ59は圧縮され、間隙63はより厚いブロッティングサンドイッチを収納するに充分なほど幅広となっている。
【0021】
図面に示された構造、形状及び配置に構造に関連して、未だ本発明の概念内に含まれるような更なる代替案には、平面以外の接触面、異なる数の可動ペグ、長方形カセット上において異なった配置関係や位置にあるペグ、及び当業者に容易に明白となるような他の変形例が含まれる。
【0022】
ここに添付された請求項において、用語“a”や“an”は“1つ又はそれ以上”を意味する目的をもつ。また用語“comprise”や“comprises”、“comprising”などcompriseの変形体に関し、それらが“工程”や“構成要素”の列挙に先立って使用される場合、更なる工程や構成要素を追加したとしても請求の範囲からは排除されないことを意味する意図がある。本出願で引用した特許、特許出願、その他の公表参考資料は全て、それらの全体において参照することによりここに組み入れられる。ここに引用された任意の参考資料や一般的な先行技術と本願明細書の明確な教示との間の如何なる不一致も、本願明細書中の教示に好意的に解決されるものであることを意図している。これは、単語やフレーズの当該技術暗黙の定義と、同じ単語やフレーズに関し本願明細書で明確に提供される定義の間の如何なる相違も含んでいる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月10日に出願された米国仮出願第61/285,277号、及び2010年9月10日に出願された米国仮出願第61/381,653号の優先権を主張する。これら双方の仮出願の内容が、ここで参照により組み込まれるものである。
【0002】
本発明はゲル電気泳動の分野に関し、特に、種を検知、識別、かつ計量できるシート状支持マトリックスに種を分離させたスラブゲルから、電気泳動的に分離された種を搬送することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
スラブゲル内で電気泳動的に分離されたタンパク質、核酸、その他の生物学的種を識別、定量化するにあたっては、ゲル内で実行することよりも簡単であるため、しばしばニトロセルロース、ナイロン、ポリビニル・ジフルオリド、或いは同様の材料からなる薄膜に転送される。一般的な転送技術としては電気ブロッティング法がある。この方法では、ゲルと薄膜の平面が直接接触した状態に置かれ、それらに対し横断する方向に電流が流され、これによりゲル内で種を駆り集めるのと同様な方法で種が転送されるようになっている。種がDNAフラグメントの場合、この転送は、その発案者(英国の生物学者エドウィン・M・サザン)の名をとってサザンブロットと名付けられている。これに対する形で、RNAフラグメントの転送はノーザンブロッティング、タンパク質やポリペプチドの転送はウェスタンブロットと夫々名付けられている。一旦転送が生じたならば、薄膜上の種は、種そのものに適切な方法によって分析される。例えば、サザン及びノーザン・ブロット分析では、薄膜上の種をハイブリダイゼーションプローブを使って処理し、その後、蛍光性か発色性染料を用いて種に標識が付けられる。又、ウェスタンブロットでは、種は抗体処理され、その後は従来からの標識法を用いて抗体検出が行われるようになっている。
【0004】
サザンタイプ、ノーザンタイプ及びウエスタンタイプのエレクトロ・ブロッティングは全て、湿式、乾式、セミドライ式のいずれで実施することができる。湿式のブロッティングでは、ゲルと薄膜は互い違いに積層されてスタックを成し、同スタックは、壁上にワイヤ電極又は平板電極を据え付けたタンク中のトランスファ緩衝液に浸される。その後、電極は励起され、溶質をゲルから薄膜まで移動させる。セミドライ・ブロッティングでは、トランスファ緩衝液に浸したフィルタペーパーが使用され、スタックはその上部と下部にフィルタペーパーを配し、両フィルタペーパー間にゲルと薄膜を配置して“ブロッティングサンドイッチ”を構成している。次いで、電極が、湿ったフィルタペーパーの露出面に直接接触するように配置される。乾式エレクトロ・ブロッティングではゲルに存在するもの以外の液体緩衝剤を使用しない。湿式、乾式、セミドライのエレクトロ・ブロッティング、その関連物質及び機器に関する記述は、2006年12月14日に公開されたマルガリートら(Invitrogen)の米国特許出願公開第2006/0278531号(特許文献1)、1989年6月20日発行のリトルハーレス(アメリカンバイオネティックス)の米国特許第4,840,714号(特許文献2)、1989年12月26日発行のダイソンら(アマシャム・インターナショナル)の米国特許第4,889,606号(特許文献3)、1991年5月7日発行のシュエット(ライフ・テクノロジーズ)の米国特許第5,013,420号(特許文献4)、1994年10月18日発行のチャンら(アボット・ラボラトリーズ)の米国特許第5,356,772号(特許文献5)、2005年8月29日発行のカマチョ(ホーファ科学機器)の米国特許第5,445,723号(特許文献6)、1996年1月9日発行のボケット(ベルタンアンドシー)の米国特許第5,482,613号(特許文献7)、及び2003年7月15日発行のチェン(ウエルテックエンタープライズ会社)米国特許第6,592,734号(特許文献8)で見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0278531号
【特許文献2】米国特許第4,840,714号
【特許文献3】米国特許第4,889,606号
【特許文献4】米国特許第5,013,420号
【特許文献5】米国特許第5,356,772号
【特許文献6】米国特許第5,445,723号
【特許文献7】米国特許第5,482,613号
【特許文献8】米国特許第6,592,734号
【発明の概要】
【0006】
本発明は独自の構造のエレクトロトランスファ・カセットを提供する。用語としての“エレクトロトランスファ・カセット”はここでは、電極を備えかつゲルや他の媒体を収納可能な任意の容器を意味するものとして使用され、ゲルや他の媒体は、マイクロタイタープレート・ウエルのような二次元配列+薄膜、或いは他の二次元マトリックス内で分配される化学か生物学的種を含み、そのような配列又はマトリックスに対しては電極によって生成された電界の影響によって種が転送されることになる。適用先としては広範囲に及ぶ一方、本発明のカセットはセミドライのエレクトロ・ブロッティングに使用した際に特段の価値を持つ。カセット構造体は上部と底部を備え、平板上の2個の電極が上部と底部上に夫々据え付けられる。アノードは底部にあり、カソードは上部にあることが好ましいが、逆の配置、即ちカソードを底部に、アノードを上部に設けても機能的には代替物である。しかしながら、便宜上、ここでは上部分をカソードサポートと呼び、底部をアノードサポートとして呼ぶことになる。用語“カソードサポート”が使用されるあらゆる部分において、そのサポートにおけるカソード板はアノード板によって交換でき、また用語“アノードサポート”においても同様であることを理解されたい。
【0007】
カソードサポートとアノードサポートは、カソードサポートから手動で操作可能なロック解除機構によって容易に固着され、容易に互いから取り外される。その機構は、カソードサポートの対向する側端から側方に延びかつアノードサポートの隆起壁にある開口部と一直線上に並んだペグを備えている。ペグは、各ペグが対応する開口部を通って突き出る拡張位置と、各ペグが開口部との係合が解かれカソードサポートへと回収されるような退縮位置との間で移動可能である。前者は、延びたペグと、その延びたペグと開口部の係合とによって、カソードサポートとアノードサポート同士が互いに対して固定されるようなロック位置である。後者は、カソードサポートとアノードサポートが互いから分離できるか、或いはペグによる適所ロックに先立つ接触状態で配置できるような解除位置である。ペグの移動は、ユーザの片手で操作することができかつ全てのペグの位置を上記2位置間で同時に移動するツマミによって達成される。以下に説明するが、好適実施形態におけるツマミは、カソードサポートにあって、回転運動を直線運動に変えるような任意の従来機械的接続を介してペグに結合された回転板である。一例として挙げるならば、ラック及びピニオンギヤがあり、そこでは、回転板に固定された歯付き円形ギヤが2つの側部で歯付きバーと係合し、各バーが、ペグを据え付けるフレーム又はウエブの延長部となる。円形ギヤを回転することで、バー、フレーム及びペグを同時に反対方向に移動させることができ、円形ギヤの回転方向によってペグを開口部から外側へ突出させたり、開口部から内側へ撤収することができる。カセットのアノードサポートの隆起壁にある開口部の位置によって、アノードサポート上のカソードサポートの高さが決まり、結果としてカソードとアノードの間の距離が決まる。ペグと開口部は電極を互いに対し平行に保つ。回転板の代わりとなるものは当業者であるならば容易に明白となるであろう。1代替物として挙げるならば、ユーザの親指と人指し指で摘め、強く圧迫してペグを退縮させるたり解放してペグを延ばすことができる1組のバネ仕掛けフィンガータブがある。
【0008】
本発明の好適実施形態におけるカセットの更なる特徴部分は、電極板が下方部分に固定され、ラック及びピニオン機構が上方部分に据え付けられる、2つの部分からなるカソード(即ち、上方電極)サポートを含んでいる。これらの実施形態では、上方部分と下方部分は嵌合部材によって結合され、嵌合部材同士は、異なる厚さのブロッティングサンドイッチを収容するために電極板を上下することができる、可変であるがバネ仕掛け分離が可能なスナップ式連結状態にある。更に特定の実施形態では、カセットは、電力供給装置への電気的接続のため、カセットの外側からアクセス可能なアノード、カソード用電気接点を備えている。好適実施形態では、これらの接点への電気接続は、例えば器具の中にカセットを挿入することでその内部で電源接続するといったように、単純な接触によってなされる。本発明の好適実施形態における更なる特徴部分は、一方においてカセットの上・下部分双方の内面と、他方においてゲルと薄膜、又はその他のブロッティング材との間を絶縁するか、それらの分離を保持する統合ガスケット機構にある。これらのガスケット機構により、ともすればゲル中の化学薬品と緩衝剤の接触によって発生しかねない化学的劣化からカセットの構成材料を保護する。更なる特徴部分は、以下に続く説明と添付図面から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるカセット例の斜視図である。
【図2A】図1のカセットのカソードサポートの上面図であって、可動ペグを示す図である。
【図2B】図1のカセットのカソードサポートの底面図であって、可動ペグを示す図である。
【図3A】図1のカセットのアノードサポートの上面図である。
【図3B】図1のカセットのアノードサポートの底面図である。
【図4】図1のカセットの後方斜視図である。
【図5】図1のカセットをロックしロック解除するためのラック及びピニオン機構の平面図である。
【図6A】図1のカセットのラック及びピニオン機構の2つの位置の中の一方を示す図である。
【図6B】図1のカセットのラック及びピニオン機構の2つの位置の中の他方を夫々示す図である。
【図7】本発明の範囲内でのカセットの別のカソードサポートの分解図であって、カソードサポート自体は2つの部分で形成されることを示した図である。
【図8】図7に示す別のカソードサポートを使用するカセット部分の断面図である。
【図9】厚みのあるブロッティングサンドイッチを収納するために拡張された、図8と同じ断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1の斜視図は、本発明の範囲内の組立カセット11の1つの例を示し、他方、分離されたカソードサポート12とアノードサポート13がこれに続く図に示される。カソードサポート12については上から見た図が図2Aに、下から見た図が図2Bに示される。アノードサポート13は上から見た図が図3Aに、下から見た図が図3Bに示される。両サポートは共に長方形の形をしており、この内アノードサポート13は四辺から隆起した壁14、15、16,17を備え、カソードサポート12がこれらの壁の内側に容易に挿脱できるように、密なるもルーズフィットの状態でカソードサポート12を受け入れるようになっている。カソード、アノードは各々、図2B及び図3Aに見ることができ、アノード21はアノードサポート(図3A)の床に位置し、カソード22はカソードサポート(図2B)の下側に位置している。
【0011】
アノードサポート13はガスケット23(図3A)を一体化し、それはサポートの床上にオーバーモールドすることができる。ガスケットはアノードサポートの床の周囲に延び、アノード21を取り囲む。ブロッティングサンドイッチは、ガスケット23の内側のアノード上に置かれる。カソードサポートとアノードサポートが結合される時、カソード22(図2B)はブロッティングサンドイッチの上面と接触する。隆起部24(図2B)はカソードサポートの下側に形成される。隆起部24はカソードサポート上にオーバーモールドされる追加のガスケット材から作ることも可能である。それらは互いに接触することはないが、ガスケット23と隆起部24はブロッティングサンドイッチ中の化学薬品がアノードとカソード以外のカセット部分に接触するのを防止する。ブロッティング工程で発生したガスは、ガスケット23と隆起部24の間の間隙を通ってカセットから抜け、カソードサポートの長い端縁部とアノードサポートの長い側壁の間の間隙を通ってカセットから飛散することができる。
【0012】
カソードサポートとアノードサポートの更なる特徴部分は、アノードサポート(図3B)の下側のオーバーモールド成型された脚部25と、カソードサポート(図2A)の上面の四隅にあって同様にオーバーモールド成形されたコーナーパッド26とにある。脚部25は実験室の作業台上でカセットを安定させるのに有効である。コーナーパッド26は、アノードサポート内でカソードサポートを心合せするのを助け、器具内へのカセット挿入を容易にする。可動ペグ31(図2A)はカソードサポート12の部品であり、2組のペグから成り、各組は上部の2つの長い側端にあって外側に延びている。ペグを受ける開口部32(図3A)は、アノードサポートの2つの長い側端に沿って、隆起した壁面に設けられる。ペグの位置を決めるロータリーディスク33はカソードサポート12(図2A)に一体化されるが、その詳細は以下に説明する。
【0013】
ペグはカソード板と平行な軸線を伴って方向付けられることが好ましく、ロック位置と解除位置との間で移動する際のそれらの動作はこれらの軸線に沿ったものであることが好ましい。図示された実施形態では、カソードサポートとアノードサポートは共に外形が長方形であり、各々は長辺側に1組の対向する平行側端を有している。ペグの位置に関しては、2個のサポートを固着した際にこれらのペグがアノード板とカソード板を平行な関係に保つという条件付きで、重要なものではない。従って、好ましくは少なくとも1つのペグが2つの平行側端の各々に設けられ、更に好ましくは図示するように、2つ又はそれ以上のペグが各側端に設けられる。
【0014】
カソード板とアノード板のための外部接点触は、各サポートの1つの端壁においてカセットのカソードサポートとアノードサポートの夫々に設けられる。図3Aを参照するに、後端壁15の外面上の平坦域は、単一のアノード接点34として作用する。図2Aを参照するに、平坦な端部を備えてカソードサポートの後縁から外方へと延びる2つの突起35、36がカソード接点として作用する。接点は夫々垂直位置へ曲げられたアノード板とカソード板の拡張部分である。カソードサポートとアノードサポートが結合される時、2つの突起35、36はアノードサポート(図3A)の後壁15にあるスロット37、38を通って突出し、結果として図4に示されるように、3個の接点が組み立て状態のカセットの後縁に露出し、実質上同一平面上に位置するようになる。このようにして、対応して内部接点を配する機器の中へカセットを挿入することにより全ての接点を同時に電力を与えることができる。これらの図の中で示されるカソードとアノード接点の独特の形状・配置は、機器における2個の対応接点に係合する程、充分広い幅のアノード接点と、機器にある2個の接点に同様に係合する2個のカソード接点とを備え、冗長設計されたものである。同様に機能する代替配置構造としては、アノード用単一接点とカソード用単一接点を備えた配置構造か、或いはカソード用として単一の伸長された接点とアノード用としての2個の接点を有する配置構造がある。更に、上述したようにアノードとカソードは、アノードをカセットの上部、カソードを底部に配し、外側の接点をこれに対応させて反転することで、逆転することができる。
【0015】
図1、2A、2B、3A及び3Bに示す実施形態においては、アノードの上のカソードの高さと、それらの間の平行間隔の調整は、前方端壁17の隣接するアノードサポートの床を特徴づけるもの(図3A、その特徴部分は図では見えない)と、カソードサポート12がこれらの特徴部分とスロットに係止した時の後方端壁15のスロット37、38の底部高さによってなされる。
【0016】
ペグ31の位置を決めるラック及びピニオン機構を図5に示す。ペグはフレームの先端を成し、従って4個のペグは2つのフレーム41、42の一部となる。各フレームの内方端にあるのが歯付きバー43、44であって、2連の歯(各バーに付き1連の歯)が円形ギヤ45の対向する側で係合する。円形ギヤをある方向に回転させると、双方のフレームは外側に移動し、これにより双方の組のペグは更に外側に突出し、円形ギヤを他の方向に回転させると、双方のフレーム、しかるに双方の組のペグは内側に移動する。円形のギヤ45は回転ディスク33の下側に固定される。図6A及び図6Bは、ペグを動かす回転ディスクの作動を示した、カソードサポートの水平断面図である。ロック位置は図6Aに示され、解除位置は図6Bに示されている。
【0017】
追加の特徴部分を備えた別のカセットを図7、8及び図9に示す。図7は、カセットのカソードサポート51を示しており、カソードサポート自体、2つの部分、即ちシェル52及び電極板マウント53から形成され、マウント上にシェルが適合される。カソード板(不可視)は、先の図の構造体のカソード板と同様に、電極板マウント53の下側に固定される。ラック及びピニオン機構は、図7には示さないが、円54の位置においてシェル52の下側に固定され、図5に示されるそれと同じ構造を有する。ラック及びピニオン機構から延びる可動ペグ31(図5)は、シェルの側方開口部55を通過してカセットの底部にある側方開口部32(図3A)と係合する。図7に示すカソードサポート51のシェル52と電極板マウント53は、4組の嵌合部材によって共に結合される。各嵌合ペアは、上方部分52から下方に延びる中空ボス又はシェル56と、下方部分53から上方に延びる、弾力的に据え付けられた1組のフック57とから成る。フックの各組は、弓型断面を有して環状に配置された4個のフックから成る。各中空ボス56は、拡張リム58又は(ボスの中心軸線に対して延びるリップを備えた)逆フランジで終端し、フック57はその外側で対面する。中空ボス56はフック57と連携し、2つの部品が結合された時、各中空ボス56は対応する組の4個のフック57にフィットし、4個のフック全てが所定位置に嵌まり、ボスのリム58と係合する。シェルと電極板マウントの双方に接触するバネ仕掛けの付勢部材を設けることで、板マウントをシェルから下方に付勢すると共に、板マウントをブロッティングサンドイッチとの接触によって上方に押し上げさせ、比較的厚いブロッティングサンドイッチを2枚の電極板間に収容させることができる。バネ仕掛けの付勢部材は各ボス56内部のコイルバネ59で示されている。
【0018】
更に図7には、図4に示された構造物におけるカソード接点35、36に対応して上方部分52の対向端縁部から突出する電気接点61、62が示されている。対向する端縁部に接点61、62を配置することで、カセットをいずれかの方向に機器内へと挿入することが可能となる。
【0019】
図7の実施形態においてカセットのカソードサポートから側方に突出する可動ペグはカソードサポートの上方部分52に対して一定の高さにあり、開口部32はアノードサポートにおいて一定の高さにあるため(図3A)、カソードサポートの下方部分53(即ち、カソード板が据え付けられる部分)は、カセットが完全に組み立てられた時に唯一可動な部分であり、下方部分53の位置、しかるにカソード板の高さは、カソード板とアノード板の間の垂直距離を決定する。その高さは自己調整してブロッティングサンドイッチの厚さに順応する。従って、ブロッティングサンドイッチ上でカセットを組み立てる際には、ユーザはカセットの底部の上のアノード上のブロッティングサンドイッチを置き、次いでブロッティングサンドイッチ上にカセットの上部を置き、ペグが底部の開口部と一直線上に並ぶまで上部を押し下げ、バネを圧縮させる。厚みのあるブロッティングサンドイッチに対しては、カソード板に対する下からの圧力がバネ59を圧縮させる一方、薄いブロッティングサンドイッチに対しては、バネは相対的に弛緩される。
【0020】
バネにおける2つの状態、ひいてはカソード板の2つの高さが、図8及ぶ図9に夫々示されている。両方の図は、アノード板とカソード板の間にブロッティングサンドイッチを備え、組み立て状態にあるカセットの一部分の断面図であり、図示された部分は、カソードサポートの2つの部分を結合する各組の嵌合部材の内の1組に近接する部分である。図8において図示された部分は、内部に延びるリム58を持った中空ボス56、1組4個からなるフック57の内の3フック(2個のフックは断面で)、コイルバネ59、カソード板22、及びアノード板21を備えたアノードサポート13を含んでいる。ブロッティングサンドイッチ(これもまた図示せず)はカソードサポートとアノードサポートとの間に配置され、カソード板22とアノード板21の間の間隙63を満たし、バネ59がカソード板をブロッティングサンドイッチの上部に対して付勢することで間隙の高さを決めている。図9では、カソードサポートの可動ペグがアノードサポートの開口部と一直線上に並び、カセットを共に固定した際、ブロッティングサンドイッチがバネ59に対抗してカソード板22を上方に圧迫するように、厚みのあるブロッティングサンドイッチがカソードサポート・アノードサポート間に置かれている。図示するように、バネ59は圧縮され、間隙63はより厚いブロッティングサンドイッチを収納するに充分なほど幅広となっている。
【0021】
図面に示された構造、形状及び配置に構造に関連して、未だ本発明の概念内に含まれるような更なる代替案には、平面以外の接触面、異なる数の可動ペグ、長方形カセット上において異なった配置関係や位置にあるペグ、及び当業者に容易に明白となるような他の変形例が含まれる。
【0022】
ここに添付された請求項において、用語“a”や“an”は“1つ又はそれ以上”を意味する目的をもつ。また用語“comprise”や“comprises”、“comprising”などcompriseの変形体に関し、それらが“工程”や“構成要素”の列挙に先立って使用される場合、更なる工程や構成要素を追加したとしても請求の範囲からは排除されないことを意味する意図がある。本出願で引用した特許、特許出願、その他の公表参考資料は全て、それらの全体において参照することによりここに組み入れられる。ここに引用された任意の参考資料や一般的な先行技術と本願明細書の明確な教示との間の如何なる不一致も、本願明細書中の教示に好意的に解決されるものであることを意図している。これは、単語やフレーズの当該技術暗黙の定義と、同じ単語やフレーズに関し本願明細書で明確に提供される定義の間の如何なる相違も含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平板電極を据え付ける上方部分と第2平板電極を据え付ける下方部分を有するエレクトロトランスファ・カセットであって、更に、前記第1平板電極と第2平板電極の間を延びかつ前記エレクトロトランスファ・カセットの外面に露出する電気接点と、前記上方部分を前記下方部分に、前記第1平板電極と前記第2平板電極を平行な状態にして固定する解除式ロッキング機構とを有するエレクトロトランスファ・カセットにおいて、
前記解除式ロッキング機構は、
前記上方部分に移動可能に据え付けられる複数のペグであって、前記ペグが前記下方部分に係合するロック位置と、前記ペグが前記下方部分と係合せず前記上方部分と前記下方部分が自由に分離される解除位置との間を移動する前記複数のペグと、
前記上方部分に据え付けられユーザーの片手によって移動でき、前記複数のペグの全てを前記ロック位置と前記解除位置との間で同時にシフトするツマミと、を有することを特徴とするエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項2】
前記複数のペグの夫々は、前記第1平板電極に平行な軸線を有し、前記ロック位置と前記解除位置との間を前記軸線に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項3】
前記上方部分は1組の対向する平行側端を有し、前記複数のペグは前記ロック位置において側端の双方から側方に突出するペグを有することを特徴とする請求項2に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項4】
前記下方部分は、前記ペグが前記ロック位置にある時に前記ペグを受容するように位置決めされた開口部を備えた、隆起した平行側端を有することを特徴とする請求項3に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項5】
前記ツマミは、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項6】
前記ツマミは、ラック及びピニオン機構によって、対向する側端にあるペグを反対方向に移動させると共に、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であることを特徴とする請求項3に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項7】
前記上方部分は、(i)前記ペグとツマミをその上に据え付けるシェルと、(ii)複数のスライド可能な嵌合部材によって前記シェルに結合される電極板マウントと、を有し、各嵌合部材は、前記シェルと前記電極板マウントの一方の上の弾性フックと、前記弾性フックを受容するように内側にフランジが付いたボスとを有することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項8】
更に、前記シェルと前記板マウントの内の一方に設けられ前記シェルと前記板マウントの内の他方に接触する複数の付勢部材を有し、前記付勢部材は圧縮することができ前記板マウントと前記シェルとの間に可変間隔を設けることを特徴とする請求項7に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項9】
前記付勢部材は前記ボスの内部に配置されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項10】
電気泳動的に分離された種をスラブゲルからシート状マトリックスへと転送する方法であって、該方法は、
(a)前記スラブゲルと前記シート状マトリックスを有するスタックとして定められるブロッティングサンドイッチの形成し、前記ブロッティングサンドイッチを電気ブロッティングカセットの第1平板電極と第2平板電極間に配置する工程であって、
前記電気ブロッティングカセットは、
(i)前記第1平板電極を据え付ける上方部分、及び前記第2平板電極を据え付ける下方部分と、
(ii)前記上方部分に移動可能に据え付けられる複数のペグを有する解除式ロッキング機構であって、前記複数のペグは、前記ペグが前記下方部分に係合するロック位置と、前記ペグが前記下方部分と係合せず前記上方部分と前記下方部分が自由に分離される解除位置との間を移動するような、前記解除式ロッキング機構と、
(iii)前記上方部分に据え付けられユーザーの片手によって移動でき、前記複数のペグの全てを前記ロック位置と前記解除位置との間で同時にシフトするツマミと、を有するような工程と、
(b)前記ツマミを操作して前記ペグを前記ロック位置に動かす工程と、
(c)前記第1及び第2平板電極に電荷を印加し、前記種を前記スラブゲルから前記シート状マトリックスへと前記ブロッティングサンドイッチ内で電気泳動的に移動させる工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
前記複数のペグの夫々は、前記第1平板電極に平行な軸線を有し、前記ロック位置と前記解除位置との間を前記軸線に沿って移動することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カセットの前記上方部分は1組の対向する平行側端を有し、前記複数のペグは前記ロック位置において側端の双方から側方に突出するペグを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カセットの前記下方部分は、前記ペグが前記ロック位置にある時に前記ペグを受容するように位置決めされた開口部を備えた、隆起した平行側端を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ツマミは、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であり、前記工程(b)は前記ツマミを前記第2角度位置から前記第1角度位置へと回転させることを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記カセットの前記上方部分は、(i)前記ペグとツマミをその上に据え付けるシェルと、(ii)複数のスライド可能な嵌合部材によって前記シェルに結合される電極板マウントとを有し、各嵌合部材は、前記シェルと前記電極板マウントの一方の上の弾性フックと、前記弾性フックを受容するように内側にフランジが付いたボスとを有し、前記ブロッティングサンドイッチは厚みを有し、前記工程(a)は、前記ペグが前記ロック位置にある時、前記電極板マウントに前記シェル内で高さを自己調整させて前記厚みに順応させながら前記ブロッティングサンドイッチ上で前記シェルを下げることを有する特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記カセットの前記上方部分は、更に、前記シェルと前記電極板マウントの双方と接触するバネ仕掛けの付勢部材を有し、前記工程(a)は、前記ペグが前記ロック位置にある時、前記付勢部材を圧縮して、前記カセットに前記厚みに順応させることを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項1】
第1平板電極を据え付ける上方部分と第2平板電極を据え付ける下方部分を有するエレクトロトランスファ・カセットであって、更に、前記第1平板電極と第2平板電極の間を延びかつ前記エレクトロトランスファ・カセットの外面に露出する電気接点と、前記上方部分を前記下方部分に、前記第1平板電極と前記第2平板電極を平行な状態にして固定する解除式ロッキング機構とを有するエレクトロトランスファ・カセットにおいて、
前記解除式ロッキング機構は、
前記上方部分に移動可能に据え付けられる複数のペグであって、前記ペグが前記下方部分に係合するロック位置と、前記ペグが前記下方部分と係合せず前記上方部分と前記下方部分が自由に分離される解除位置との間を移動する前記複数のペグと、
前記上方部分に据え付けられユーザーの片手によって移動でき、前記複数のペグの全てを前記ロック位置と前記解除位置との間で同時にシフトするツマミと、を有することを特徴とするエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項2】
前記複数のペグの夫々は、前記第1平板電極に平行な軸線を有し、前記ロック位置と前記解除位置との間を前記軸線に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項3】
前記上方部分は1組の対向する平行側端を有し、前記複数のペグは前記ロック位置において側端の双方から側方に突出するペグを有することを特徴とする請求項2に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項4】
前記下方部分は、前記ペグが前記ロック位置にある時に前記ペグを受容するように位置決めされた開口部を備えた、隆起した平行側端を有することを特徴とする請求項3に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項5】
前記ツマミは、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項6】
前記ツマミは、ラック及びピニオン機構によって、対向する側端にあるペグを反対方向に移動させると共に、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であることを特徴とする請求項3に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項7】
前記上方部分は、(i)前記ペグとツマミをその上に据え付けるシェルと、(ii)複数のスライド可能な嵌合部材によって前記シェルに結合される電極板マウントと、を有し、各嵌合部材は、前記シェルと前記電極板マウントの一方の上の弾性フックと、前記弾性フックを受容するように内側にフランジが付いたボスとを有することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項8】
更に、前記シェルと前記板マウントの内の一方に設けられ前記シェルと前記板マウントの内の他方に接触する複数の付勢部材を有し、前記付勢部材は圧縮することができ前記板マウントと前記シェルとの間に可変間隔を設けることを特徴とする請求項7に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項9】
前記付勢部材は前記ボスの内部に配置されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載のエレクトロトランスファ・カセット。
【請求項10】
電気泳動的に分離された種をスラブゲルからシート状マトリックスへと転送する方法であって、該方法は、
(a)前記スラブゲルと前記シート状マトリックスを有するスタックとして定められるブロッティングサンドイッチの形成し、前記ブロッティングサンドイッチを電気ブロッティングカセットの第1平板電極と第2平板電極間に配置する工程であって、
前記電気ブロッティングカセットは、
(i)前記第1平板電極を据え付ける上方部分、及び前記第2平板電極を据え付ける下方部分と、
(ii)前記上方部分に移動可能に据え付けられる複数のペグを有する解除式ロッキング機構であって、前記複数のペグは、前記ペグが前記下方部分に係合するロック位置と、前記ペグが前記下方部分と係合せず前記上方部分と前記下方部分が自由に分離される解除位置との間を移動するような、前記解除式ロッキング機構と、
(iii)前記上方部分に据え付けられユーザーの片手によって移動でき、前記複数のペグの全てを前記ロック位置と前記解除位置との間で同時にシフトするツマミと、を有するような工程と、
(b)前記ツマミを操作して前記ペグを前記ロック位置に動かす工程と、
(c)前記第1及び第2平板電極に電荷を印加し、前記種を前記スラブゲルから前記シート状マトリックスへと前記ブロッティングサンドイッチ内で電気泳動的に移動させる工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
前記複数のペグの夫々は、前記第1平板電極に平行な軸線を有し、前記ロック位置と前記解除位置との間を前記軸線に沿って移動することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カセットの前記上方部分は1組の対向する平行側端を有し、前記複数のペグは前記ロック位置において側端の双方から側方に突出するペグを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記カセットの前記下方部分は、前記ペグが前記ロック位置にある時に前記ペグを受容するように位置決めされた開口部を備えた、隆起した平行側端を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ツマミは、前記複数のペグが前記ロック位置にある第1角度位置と、前記複数のペグが前記解除位置にある第2角度位置との間で回転可能であり、前記工程(b)は前記ツマミを前記第2角度位置から前記第1角度位置へと回転させることを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記カセットの前記上方部分は、(i)前記ペグとツマミをその上に据え付けるシェルと、(ii)複数のスライド可能な嵌合部材によって前記シェルに結合される電極板マウントとを有し、各嵌合部材は、前記シェルと前記電極板マウントの一方の上の弾性フックと、前記弾性フックを受容するように内側にフランジが付いたボスとを有し、前記ブロッティングサンドイッチは厚みを有し、前記工程(a)は、前記ペグが前記ロック位置にある時、前記電極板マウントに前記シェル内で高さを自己調整させて前記厚みに順応させながら前記ブロッティングサンドイッチ上で前記シェルを下げることを有する特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記カセットの前記上方部分は、更に、前記シェルと前記電極板マウントの双方と接触するバネ仕掛けの付勢部材を有し、前記工程(a)は、前記ペグが前記ロック位置にある時、前記付勢部材を圧縮して、前記カセットに前記厚みに順応させることを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−513803(P2013−513803A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543292(P2012−543292)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059770
【国際公開番号】WO2011/072167
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(591099809)バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド (79)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059770
【国際公開番号】WO2011/072167
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(591099809)バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド (79)
[ Back to top ]