説明

電気接続箱

【課題】本体ケースに固定される前の互いに組み付けられたカセットブロック同士にガタが生じることを防止できる電気接続箱を提供する。
【解決手段】電気接続箱1は、係止構造によって互いに組み付けられた第1のカセットブロック2及び第2のカセットブロック3と、第1のカセットブロック2側から第2のカセットブロック3側に電源を供給するための配電部材5と、を備えている。配電部材5は、入力電源線6と、該入力電源線6の両端部に接続され、第1のカセットブロック2の下面2b及び第2のカセットブロック3の下面3bにそれぞれ嵌合される一対のコネクタ7と、で構成されている。入力電源線6が一対のコネクタ7各々から導出される方向は、一対のコネクタ7の第1のカセットブロック2及び第2のカセットブロック3への嵌合方向と直交する方向となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載される電気接続箱に関するものであり、特に、複数のカセットブロックを備えた電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気接続箱は、車種に応じていろいろな構造のものがあるが、例えば、図6に示す電気接続箱201ように、電子部品211が装着された複数のカセットブロック202,203と、これらカセットブロック202,203を収容する本体ケース206と、アッパカバー207と、を備えた構造のものがある(特許文献1を参照。)。
【0003】
上記カセットブロック202及び上記カセットブロック203には、互いに係止する係止構造(不図示)と、本体ケース206の底壁260にボルト204及びナット205で固定されるブラケット221,231と、が設けられている。これらカセットブロック202,203は、前記係止構造によって互いに組み付けられた状態で本体ケース206内に挿入される。そして、予め本体ケース206に組み付けられたボルト204が前記ブラケット221,231に設けられた貫通孔を通され、該ボルト204にナット205が螺合されることによって、カセットブロック202,203が本体ケース206に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2010−91211
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した電気接続箱201においては、以下に示す問題があった。すなわち、カセットブロック202,203に設けられた係止構造は、多少の寸法誤差が生じている場合でも互いに係止可能なように、ある程度の余裕を見込んで設計されている。このことから、互いに組み付けられたカセットブロック202,203同士にはガタがあり、そのために、これらカセットブロック202,203を本体ケース206内に挿入してブラケット221,231の貫通孔にボルト204を通す作業がやり難いという問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、本体ケースに固定される前の互いに組み付けられたカセットブロック同士にガタが生じることを防止できる電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、第1のカセットブロックと、第2のカセットブロックと、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックを収容するとともに前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面を覆う本体ケースと、を備え、前記第1のカセットブロックに設けられたロック部と前記第2のカセットブロックに設けられたロック受け部とが係止されることによって前記第1のカセットブロックと前記第2のカセットブロックとが組み付けられる電気接続箱において、前記第1のカセットブロック側から前記第2のカセットブロック側に電源を供給するための配電部材を備え、前記配電部材が、入力電源線と、該入力電源線の両端部に接続され、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面にそれぞれ嵌合される一対のコネクタと、で構成され、前記入力電源線が前記一対のコネクタ各々から導出される方向が、前記一対のコネクタの前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックへの嵌合方向と直交する方向であることを特徴とする電気接続箱である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックの一方における上面側に、他方に当接して、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックのガタを防止する凸部が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面には複数の電線が取り付けられており、前記入力電源線が、該入力電源線近傍の複数の前記電線を、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面との間に挟んでいることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、前記第1のカセットブロック側から前記第2のカセットブロック側に電源を供給するための配電部材を備え、前記配電部材が、入力電源線と、該入力電源線の両端部に接続され、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面にそれぞれ嵌合される一対のコネクタと、で構成され、前記入力電源線が前記一対のコネクタ各々から導出される方向が、前記一対のコネクタの前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックへの嵌合方向と直交する方向であるので、入力電源線の剛性によってカセットブロック同士のガタを抑えることができる。よって、本体ケースに固定される前の互いに組み付けられたカセットブロック同士にガタが生じることを防止できる電気接続箱を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載された発明によれば、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックの一方における上面側に、他方に当接して、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックのガタを防止する凸部が設けられているので、上面側のガタを凸部で抑え、下面側のガタを入力電源線の剛性によって抑えることとなり、より一層、カセットブロック同士のガタを抑えることができる。
【0012】
請求項3に記載された発明によれば、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面には複数の電線が取り付けられており、前記入力電源線が、該入力電源線近傍の複数の前記電線を、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面との間に挟んでいるので、より一層カセットブロック同士のガタを抑えることができる上に、電線の位置を規制することができ、該電線の傷付きや断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電気接続箱を示す斜視図である。
【図2】図1に示された電気接続箱の分解図である。
【図3】図1に示された第1のカセットブロック及び第2のカセットブロックの平面図である。
【図4】図1に示された第1のカセットブロック及び第2のカセットブロックの斜視図である。
【図5】図1に示された第1のカセットブロック及び第2のカセットブロックの下面を示す斜視図である。
【図6】先行技術文献に示された電気接続箱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態にかかる電気接続箱1を図1〜5を参照して説明する。電気接続箱1は、自動車に搭載されて、該自動車に搭載された電子機器に対して電力供給及び信号伝達を行うものである。また、本発明では、ジャンクションブロック(ジャンクションボックスとも言う。)、ヒューズブロック(ヒューズボックスとも言う。)、リレーブロック(リレーボックスとも言う。)を、総称して以下電気接続箱と呼ぶ。
【0015】
図1,2に示すように、電気接続箱1は、複数の電子部品11,12,13,14と、複数のバスバ15と、これら複数の電子部品11,12,13,14及び複数のバスバ15が装着される第1のカセットブロック2、第2のカセットブロック3、第3のカセットブロック4と、第1のカセットブロック2側から第2のカセットブロック3側に電源を供給するための配電部材5と、カセットブロック2,3の下面2b,3b側に取り付けられるインナーカバー105と、カセットブロック2,3,4及びインナーカバー105を収容する本体ケース106と、本体ケース106の上面を覆うアッパカバー107と、本体ケース106内に引き込まれる電源線10の外周に取り付けられて本体ケース106を防水するグロメット109と、本体ケース106外に導出されるワイヤハーネスの電線8の束の外周に取り付けられて本体ケース106を防水するグロメット108と、を備えている。
【0016】
上記第1のカセットブロック2は、合成樹脂で構成されており、図3,4に示すように、ブロック状に形成された本体部20と、複数のブラケット21,22と、複数のロック部27,28,29と、リブ9(特許請求の範囲の凸部)と、を備えている。
【0017】
上記本体部20には、電子部品11,12が装着される部品装着部23,24と、バスバ15が差し込まれるバスバ取付溝25と、ボルト16が取り付けられるボルト取付部26と、が設けられている。前記バスバ15は、金属板にプレス加工が施されて得られるものである。前記ボルト16は、上記電源線10の端末に接続された端子金具17と、前記バスバ15の端部とを共締めするためのボルトである。このボルト16には、ナット18が螺合される。
【0018】
また、図1〜4中の符号2aは、本体部20の上面、すなわち第1のカセットブロック2の上面を表しており、符号2bは、本体部20の下面、すなわち第1のカセットブロック2の下面を表している。また、本明細書における「上」「下」は、説明の便宜上図中における方向をいうものであって、本発明にかかる電気接続箱1を実際に使用する際の上下方向とは必ずしも一致するものではない。
【0019】
上記ブラケット21は、本体部20の外側面に設けられており、本体ケース106に取り付けられたボルトが通される貫通孔21aが形成されている。このブラケット21は、第2のカセットブロック3に設けられたブラケット31と重ねられた状態で前記ボルト及びナットによって本体ケース106に固定される。上記ブラケット22は、本体部20の角部に設けられており、本体ケース106の底壁に取り付けられたボルトが通される貫通孔22aが形成されている。このブラケット22は、前記ボルト及びナットによって本体ケース106の底壁に固定される。
【0020】
上記ロック部27,28,29は、本体部20の外側面に設けられている。ロック部27には、第3のカセットブロック4に設けられたロック受け部が係止する。ロック部28には、本体ケース106の側壁に設けられたロック受け部が係止する。ロック部29には、第2のカセットブロック3に設けられたロック受け部37が係止する。このロック部29は、矢印Y方向に平行に延びた一対のレール29bと、一対のレール29b間に設けられたロック突起29aと、で構成されている。また、ロック部29は、矢印X方向に沿って2つ設けられている。
【0021】
上記リブ9は、図3,4に示すように、一対のロック部29の間でかつ第1のカセットブロック2の上面2a側の位置に設けられている。このリブ9は、矢印Y方向に延びており、矢印X方向から見た形状が略三角形に形成されている。このリブ9は、第2のカセットブロック3に当接することにより、第1のカセットブロック2及び第2のカセットブロック3の矢印Z方向のガタを防止する。
【0022】
上記第2のカセットブロック3は、合成樹脂で構成されており、図3,4に示すように、ブロック状に形成された本体部30と、複数のブラケット31,32と、複数のロック受け部36,37と、を備えている。
【0023】
上記本体部30には、電子部品11,13が装着される部品装着部33,34と、バスバ取付溝(不図示)と、が設けられている。
【0024】
また、図1〜4中の符号3aは、本体部30の上面、すなわち第2のカセットブロック3の上面を表しており、符号3bは、本体部30の下面、すなわち第2のカセットブロック3の下面を表している。
【0025】
上記ブラケット31は、本体部30の角部に設けられており、本体ケース106に取り付けられたボルトが通される貫通孔31bが形成されている。このブラケット31は、前述したように、第1のカセットブロック2に設けられたブラケット21と重ねられた状態で前記ボルト及びナットによって本体ケース106に固定される。上記ブラケット32は、本体部30の他の角部に設けられており、本体ケース106の底壁に取り付けられたボルトが通される貫通孔32aが形成されている。このブラケット32は、前記ボルト及びナットによって本体ケース106の底壁に固定される。
【0026】
上記ロック受け部36,37は、本体部30の外側面に設けられている。ロック受け部36には、本体ケース106の側壁に設けられたロック部が係止する。ロック受け部37には、第1のカセットブロック2に設けられたロック部29が係止する。このロック受け部37は、矢印Y方向に平行に延びた一対のレール37bと、一対のレール37b間に設けられたロック突起37aと、で構成されている。一対のレール37bは、互いの間に一対のレール29bを矢印Y方向に移動可能に位置付ける。また、ロック突起37aは、ロック突起29aの矢印Y方向上方に位置する格好でロック突起29aに係止する。また、ロック受け部37は、ロック部29と同数(2つ)設けられている。
【0027】
上述した第1のカセットブロック2と第2のカセットブロック3とは、矢印Y方向に相対的に近付けられることによって、ロック部29とロック受け部37とが係止されて組み付けられる。このように第1のカセットブロック2と第2のカセットブロック3とが組み付けられた状態では、ロック部29とロック受け部37とが係止していることによって、矢印X方向、矢印Y方向、矢印Z方向の全方向において、カセットブロック2,3同士の相対的な移動が規制される。なお、ロック部29とロック受け部37とは、多少の寸法誤差が生じている場合でも互いに係止可能なように、ある程度の余裕を見込んで設計されている。このことから、互いに組み付けられた第1のカセットブロック2と第2のカセットブロック3とは、矢印X方向、矢印Y方向、矢印Z方向の全方向において、ガタ程度の移動、すなわち位置ずれ、が許容されている。
【0028】
上記第3のカセットブロック4は、合成樹脂で構成されており、電子部品14と該電子部品14に接続されるワイヤハーネスの電線8とを保持する。この第3のカセットブロック4は、前述したように、第1のカセットブロック2の本体部20の外側面に取り付けられる。
【0029】
また、上記部品装着部23,24、上記ボルト取付部26は第1のカセットブロック2の上面2aに設けられており、上記部品装着部33,34は第2のカセットブロック3の上面3aに設けられている。また、上記ワイヤハーネスの複数の電線8は、第1のカセットブロック2の下面2b、第2のカセットブロック3の下面3b、第3のカセットブロック4の下面に取り付けられ、各電子部品11,12,13,14またはバスバ15に電気接続される。また、後述する配電部材5は、第1のカセットブロック2の下面2b及び第2のカセットブロック3の下面3bに取り付けられ、カセットブロック2,3内のバスバ15に電気接続される。
【0030】
上記配電部材5は、バッテリ、オルタネータ等の電源から電源線10を介して第1のカセットブロック2に入力された大電流を第2のカセットブロック3に分岐するための部材である。この配電部材5は、図4,5に示すように、入力電源線6と、該入力電源線6の両端部に接続され、第1のカセットブロック2の下面2b及び第2のカセットブロック3の下面3bにそれぞれ嵌合される一対のコネクタ7と、で構成されている。前記入力電源線6は、複数の素線からなる芯線と、この芯線を被覆した絶縁被覆と、で構成されている。前記コネクタ7は、前記芯線と電気接続された端子金具と、この端子金具を収容した合成樹脂製のハウジングと、で構成されている。このような一対のコネクタ7は、前記ハウジングがカセットブロック2,3の下面2b,3bにそれぞれ嵌合されることで、前記端子金具がカセットブロック2,3内の各バスバ15にそれぞれ嵌合されて該バスバ15に電気接続される。
【0031】
すなわち、電気接続箱1においては、電源から電源線10を介して第1のカセットブロック2のバスバ15に入力された大電流が、該バスバ15によって分岐され、そして、該バスバ15に電気接続された各電子部品11,12を介してまたは電子部品11,12を介さず各電線8によって各電子機器側に供給される。また、電源から電源線10を介して第1のカセットブロック2のバスバ15に入力された大電流の一部が、配電部材5を介して第2のカセットブロック3のバスバ15に入力され、該バスバ15によって分岐され、そして、該バスバ15に電気接続された各電子部品11,13を介してまたは電子部品11,13を介さず各電線8によって各電子機器側に供給される。また、前記複数の電線8は、図5に示すように、一束にまとめられた状態で本体ケース106外に導出される。
【0032】
また、本発明においては、上記入力電源線6が上記一対のコネクタ7各々から導出される方向(図5中の矢印A方向、矢印B方向)が、一対のコネクタ7の第1のカセットブロック2及び第2のカセットブロック3への嵌合方向(図5中の矢印Y方向)と直交する方向とされている。このような本発明によれば、本体ケース106に固定される前の、互いに組み付けられたカセットブロック2,3同士の全方向のガタを、入力電源線6の剛性によって抑えることができる。また、電気接続箱1の矢印Y方向の寸法を小さくすることができる。
【0033】
さらに、本発明においては、図5に示すように、入力電源線6の一端が一方のコネクタ7から導出される方向(図5中の矢印A方向)と、入力電源線6の他端が他方のコネクタ7から導出される方向(図5中の矢印B方向)と、が直交しており、入力電源線6が全体として略L字状に曲げられている。このような本発明によれば、略L字状に曲げられた入力電源線6の弾力が、第1のカセットブロック2と第2のカセットブロック3とを矢印Z方向に互いに離すように作用するので、これらカセットブロック2,3同士の矢印Z方向のガタを抑えることができる。
【0034】
また、本発明においては、第1のカセットブロック2の上面2a側に上記リブ9が設けられているので、カセットブロック2,3の上面2a,3a側のガタをリブ9で抑え、下面2b,3b側のガタを入力電源線6の剛性によって抑えることとなり、より一層、カセットブロック2,3同士のガタを抑えることができる。
【0035】
また、本発明においては、図5に示すように、入力電源線6が、該入力電源線6近傍の複数の電線8を、第1のカセットブロック2の下面2b及び第2のカセットブロック3の下面3bに向かって押し付けている。このようにすることで、前記電線8の位置を規制することができ、これら電線8がバスバ15のエッジ等に当たって傷付いたり断線したりすることを防止できる。また、本発明においては、必ずしも入力電源線6がその近傍の電線8を下面2b,3bに向かって押し付けていなくても良く、前記電線8と非接触であっても良い。
【0036】
上記本体ケース106は、長方形状の底壁と、この底壁の外縁から立設した側壁と、により、一方向に開口した箱状に形成されている。また、本体ケース106の内側には、上記ブラケット21,22,31,32を固定するためのボルトが4つ取り付けられている。また、これらボルトは、軸方向が矢印Y方向と平行になる向きで本体ケース106の内側に取り付けられている。上記カセットブロック2,3,4は、下面2b,3bが前記底壁と相対する向きで本体ケース106に収容される。
【0037】
上述した電気接続箱1は、以下の手順で組み立てられる。
【0038】
まず、ボルト16、バスバ15、複数の電子部品11,12,13,14等の各部品を各カセットブロック2,3,4に装着する。
【0039】
次に、第1のカセットブロック2のロック部29と第2のカセットブロック3のロック受け部37とを矢印Yに沿って近付けて係止させ、第1のカセットブロック2と第2のカセットブロック3とを組み付ける。同様に、第1のカセットブロック2のロック部27と第3のカセットブロック4のロック受け部とを矢印Yに沿って近付けて係止させ、第1のカセットブロック2と第3のカセットブロック4とを組み付ける。
【0040】
次に、ワイヤハーネスの複数の電線8を各電子部品11,12,13,14及びバスバ15に接続する。そして、電線8がバスバ15のエッジ等に接触しないように注意しながら、配電部材5の一対のコネクタ7をカセットブロック2,3の下面2b,3bにそれぞれ嵌合させ、入力電源線6で該入力電源線6近傍の電線8を押さえる。
【0041】
次に、電源線10の端末の端子金具17とバスバ15の端部とを、ボルト16及びナット18によって共締めする。
【0042】
次に、互いに組み付けられたカセットブロック2,3の下面2b,3b側にインナーカバー105を取り付ける。なお、このインナーカバー105は、一体化されたカセットブロック2,3,4を本体ケース106内に挿入する際に、電線8が噛み込まれることを防止するためのものである。
【0043】
次に、一体化されたカセットブロック2,3,4及びインナーカバー105を本体ケース106内に挿入するとともに、各ブラケット21,22,31,32の貫通孔21a,22a,31b,32aに本体ケース106の内側に取り付けられた各ボルトを通す。この作業を行うに当たって、本発明では、前述したように、互いに組み付けられたカセットブロック2,3同士のガタが抑えられていることから、各貫通孔21a,22a,31b,32aと各ボルトとの位置が揃い易くなっており、そのために、貫通孔21a,22a,31b,32aにボルトをスムーズに通すことができる。続いて、前記各ボルトにナットを螺合させて、カセットブロック2,3,4及びインナーカバー105を本体ケース106に固定する。
【0044】
次に、電源線10の外周に取り付けられたグロメット109と、ワイヤハーネスの電線束の外周に取り付けられたグロメット108とを本体ケース106の側壁に設けられた各挿通孔に取り付ける。そして、本体ケース106の上面にアッパカバー107を取り付ける。このような手順で電気接続箱1が組み立てられる。
【0045】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 電気接続箱
2 第1のカセットブロック
2b 下面
3 第2のカセットブロック
3b 下面
5 配電部材
6 入力電源線
7 コネクタ
29 ロック部
37 ロック受け部
106 本体ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカセットブロックと、第2のカセットブロックと、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックを収容するとともに前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面を覆う本体ケースと、を備え、前記第1のカセットブロックに設けられたロック部と前記第2のカセットブロックに設けられたロック受け部とが係止されることによって前記第1のカセットブロックと前記第2のカセットブロックとが組み付けられる電気接続箱において、
前記第1のカセットブロック側から前記第2のカセットブロック側に電源を供給するための配電部材を備え、
前記配電部材が、入力電源線と、該入力電源線の両端部に接続され、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面にそれぞれ嵌合される一対のコネクタと、で構成され、
前記入力電源線が前記一対のコネクタ各々から導出される方向が、前記一対のコネクタの前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックへの嵌合方向と直交する方向である
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックの一方における上面側に、他方に当接して、前記第1のカセットブロック及び前記第2のカセットブロックのガタを防止する凸部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面には複数の電線が取り付けられており、
前記入力電源線が、該入力電源線近傍の複数の前記電線を、前記第1のカセットブロックの下面及び前記第2のカセットブロックの下面との間に挟んでいる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−34340(P2013−34340A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169859(P2011−169859)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】