説明

電気泳動ディスプレイパネル

電気泳動ディスプレイパネルは、粒子(6)が極端位置の一を実質的に占めることが可能であるリセット電位差であるように、そして続いて、粒子(6)が画像情報に対応する位置を占めることが可能である階調電位差であるように、各々のピクチャ要素(2)の電位差を制御するための駆動手段(100)を有する。駆動手段は、少なくとも最大リセットパルスエネルギーの50%又はそれ以上を示すリセット電位差に対して、リセット電位差と階調電位差との間にリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスを適用するように備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動ディスプレイパネルであって:
− 帯電粒子を有する電気泳動媒体;
− 複数のピクチャ要素;
− 電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられている電極;及び
− 駆動手段;
を有する電気泳動ディスプレイパネルであり、駆動手段は、
− リセット期間の間、リセット値及びリセット持続時間を有するリセット電位差であるように、そして続いて
− 粒子が画像情報に対応する位置を占めることが可能である階調電位差であるように、
複数のピクチャ要素の各々の電位差を制御するために備えられている、電気泳動ディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭の段落で述べた種類の電気泳動ディスプレイパネルの実施形態については、国際公開第02/073304号パンフレットに記載されている。
【0003】
その記載されている電気泳動ディスプレイパネルにおいては、各々のピクチャ要素は、ピクチャの表示の間、粒子の位置により決定される外観を有する。粒子の位置は、しかしながら、電位差ばかりでなく、電位差の履歴にも依存する。リセット電位差の印加の結果、粒子は、続いて、階調電位差が印加される前に、極端位置の一を実質的に占めるため、ピクチャ要素の外観のリセット電位差の印加の履歴依存性は低減される。それ故、ピクチャ要素は、リセットされる度に、極端状態の一になる。続いて、階調電位差を印加する結果として、粒子は、画像情報に対応する階調を表示するための位置を占める。“階調”は、何れの中間状態を意味するとして理解されるべきものである。表示が白黒表示であるとき、“階調”は、実際には、灰色の濃さに関連し、他の種類のカラー要素が用いられるとき、“階調”は、極端光学状態間の何れの中間状態を網羅するとして理解されるべきものである。
【0004】
画像情報が変化されるとき、ピクチャ要素はリセットされる。階調のリセットは階調電位差の印加により設定される。
【0005】
従来のディスプレイの不利点は、不適切な階調再現性に繋がる影響を示すことである。適切な階調再現性は重要である。リセットパルスの印加は階調再現性の適切性を向上させるが、本発明者等は、リセットパルスを使用するにも拘らず、最適な階調再現性は低いことを理解した。
【特許文献1】国際公開第02/073304号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、階調の再現性を改善するために適用される、冒頭の段落で説明した種類のディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、駆動手段は、最大リセットエネルギーの50%又はそれ以上を表すリセット電位差と、リセット電位差の印加の間の期間においてリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスと、逆符号の階調電位差とを印加するために更に備えられている。
【0008】
好適には、駆動手段は、リセット電位差の印加の間の期間においてリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスと逆符号の階調電位差とを全てのリセット電位差に対して印加するために備えられている。
【0009】
本発明の概念の範囲内で、少なくともよりエネルギーの大きいリセットパルスに対してリセットパルス(=リセット電位差)と階調パルスとの間の期間におけるリセット値より実質的に小さい電位差を適用する。
【0010】
好適には、その期間は少なくとも1フレーム時間である。
【0011】
本発明は、次のような洞察に基づいている。
【0012】
リセットパルスを印加することにより、粒子は極端光学状態(例えば、白色又は黒色)になる。これは、電気泳動粒子の状態(位置)が、階調電位差が印加される前に多かれ少なかれ固定されるために有利である。固定位置から開始して、階調はより適切に適用されることができる。しかしながら、粒子の位置から離れて、粒子は極端光学状態に従った位置にリセット電位差の影響下で移動するため、リセットパルスの印加は又、粒子の運動量に影響する。本発明者は、階調電位差の即座の印加はある不適切な階調に繋がることを理解した。階調差を適用する少なくとも一部の時間の間、粒子は、実施には尚も運動量を開放する。本発明に従った装置においては、リセットパルスがリセットパルスと階調パルスとの間に印加される。そのリセットパルスの印加により、材料の粘性のために、粒子は停止するようになる。階調電位差の印加の開始時に、粒子の位置は固定されるばかりでなく、それら粒子の運動量も固定される(理想的には、運動量は0である)。リセット値より実質的に小さい電圧値のパルスを印加することにより、粒子の動きは遅くなり、好適には、停止するようになる。粒子の運動量はより小さくなるため、階調電位差の適用の効果はより適切に規定され、それ故、実際の階調における変化は殆ど起こらない。そのようなパルスを“スローダウン”パルスという。
【0013】
本発明の実施形態においては、装置は、次第に低減する電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスをリセットパルスと階調電位差との間に適用するための手段を有する。
【0014】
本発明の実施形態においては、装置は、ゼロ電圧値の休止パルスをリセットパルスと階調電位差との間に適用するための手段を有する。
【0015】
本発明の概念の範囲内で、休止パルスは、リセットパルス(=リセット電位差)と階調パルス(=階調電位差)との間の期間における実質的に0Vの電位差の適用を意味する。
【0016】
リセットパルスと階調電位差との間の期間は、粒子の平均運動量を実質的に減少させるには十分であり、必要な時間は、例えば、材料の粘性と適用されるリセット値とに依存する。
【0017】
好適には、その期間は少なくとも2msecである。
【0018】
好適な実施形態においては、その期間は少なくとも1フレーム時間である。
【0019】
好適な実施形態においては、装置は、リセットパルスの適用の間に供給されるエネルギーに依存してその期間を確立するための手段を有する。リセットパルスにより供給されるエネルギーはその時間とリセットパルスの値との積に比例する。粒子の運動量はリセットパルスの間に供給されるエネルギーに依存する。そのエネルギーが大きければ大きい程、その運動量はより大きく、休止パルス又はスローダウンパルスはより長くなる。
【0020】
本発明のディスプレイパネルの上記の及び他の特徴について、以下、図を参照して詳述する。
【0021】
図全てにおいて、対応する部分は、通常、同じ参照番号で示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1及び2は、第1基板8、透明な対向している第2基板9及び複数のピクチャ要素2を有するディスプレイパネルの実施形態を示している。好適には、ピクチャ要素2は二次元構造において実質的には直線に沿って配列されている。ピクチャ要素2の他の代替の可能な配列は、例えば、ハニカム配列である。帯電粒子6を有する電気泳動媒体5は基板8及び9の間に存在する。第1電極3及び第2電極4は電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられている。図2において、第1基板8は各々のピクチャ要素2のために第1電極3を有し、第2基板9は各々のピクチャ要素のために第2電極4を有する。帯電粒子6は、電極3、4の近傍の極端位置及びそれらの電極3、4の間の中間的位置の一である位置を占めることが可能である。各々のピクチャ要素2は、ピクチャを表示するために電極3、4間の帯電粒子6の位置により決定される外観を有する。電気泳動媒体5自体については、米国特許第5,961,804号明細書、米国特許第6,120,839号明細書及び米国特許第6,130,774号明細書に記載されていて、EInk社製のものが入手可能である。例として、電気泳動媒体5は、白色流体中に負に帯電した黒色粒子を有する。それらの帯電した粒子6が第1極端位置、即ち、第1電極3近傍にあるとき、例えば、15Vである電位差の結果として、ピクチャ要素2の外観は、例えば、白色である。ここで、ピクチャ要素2が第2基板9の側から観測しているとみなされる。帯電粒子6が第2極端位置、即ち、第2電極4近傍にあるとき、反対の電位差、即ち、−15Vである電位差の結果として、画素2の外観は、例えば、黒色である。帯電粒子6が中間位置の色、即ち、電極3、4間にあるとき、電位差が逆の電位差、即ち、−15Vである結果として、ピクチャ要素2の外観は黒色である。荷電粒子6が中間的位置の状態にある、即ち、電極3、4間にあるとき、ピクチャ要素2は中間的外観の状態、例えば、白色と黒色との間の階調である薄い灰色、中間的な灰色及び濃い灰色を有する。駆動手段100は、各々のピクチャ要素2の電位差が、粒子6が極端位置の一を実質的に占めることを可能にするためにリセット値及びリセット持続時間を有するリセット電位差であるように、続いて、粒子6が画像情報に対応する位置を占めることを可能にするために階調電位差であるように、制御するために備えられている。
【0023】
図3は、例えば、ベース基板32と、例えば、ポリエチレンである2つの透明な基板33、34間にある電子インクを有する電気泳動フィルムとを有する幾つかのディスプレイ要素の大きさの電気泳動ディスプレイ装置31の更なる実施例の一部の断面を示し、ここで、基板の一33は透明なピクチャ電極35を備え、他の基板34は透明な対向電極36を備えている。電子インクは、約10乃至50μmの複数のマイクロカプセル37を有する。各々のマイクロカプセル37は、流体F中に正に帯電した白色粒子38と負に帯電した黒色粒子39とを有する。正電場が画素電極35に印加されるとき、白色粒子38は対向電極の方に方向付けられたマイクロカプセル37の側に移動し、ディスプレイ要素はビューアに対して可視的になる。同時に、黒色粒子39は、ビューアに対して隠されているマイクロカプセル37の反対側に移動する。画素電極35に負電場を印加することにより、黒色粒子39は、対向電極36の方に方向付けられたマイクロカプセル37の側に移動し、ディスプレイ要素はビューアに対して黒っぽく現れる(図示せず)。電場が取り除かれるとき、粒子38、39はもたらされた状態のまま維持され、ディスプレイは双安定特性を示し、実質的に電力を消費しない。
【0024】
図4は、能動スイッチング要素を備えたベース基板32において積層された電気泳動フィルムと、行ドライバ43と、列ドライバ40とを有するピクチャディスプレイ装置の等価回路を示している。好適には、対向電極36は、カプセル化された電気泳動インクを有するフィルムにおいて備えられているが、面内電場を用いる動作においては、代替として、ベース基板において備えられることが可能である。ディスプレイ装置31は、能動スイッチング要素により駆動され、この実施例においては、薄膜トランジスタ49により駆動される。そのディスプレイ装置は、行又は選択電極47及び列又はデータ電極41との交差部分の領域においてディスプレイ要素のマトリクスを有する。行ドライバ43は行電極47を連続的に選択する一方、列ドライバ40は列電極41にデータ信号を供給する。好適には、処理器45は、先ず、入力データ46をデータ信号に処理する。列ドライバ40と行ドライバ46との間の相互同期が駆動ライン42によりなされる。行ドライバ43からの選択信号は薄膜トランジスタ49により画素電極42を選択し、その薄膜トランジスタ49のゲート電極50は行電極に電気的に接続され、ソース電極51は列電極41に電気的に接続されている。列電極41におけるデータ信号は、TFTによりドレイン電極に結合されたディスプレイ要素の画素電極52に転送される。この実施形態においては、図3のディスプレイ装置は又、各々のディスプレイ要素の位置において付加容量53を有する。この実施形態においては、付加容量53は1つ又はそれ以上の蓄積容量ライン54に接続されている。TFTの代わりに、例えば、ダイオード、MIM等の他のスイッチング要素を適用することができる。
【0025】
実施例として、リセット電位差の適用の前には、サブセットのピクチャ要素の外観は、白色(W)、薄い灰色(Lg)、濃い灰色(Dg)又は黒色(B)である。更に、同じピクチャ要素の画像情報に対応するピクチャの外観は濃い灰色である。リセット電位差(R)は、例えば、リセット中、即ち、リセット期間中、15Vの値を有する。それらの実施例における最大リセット持続時間は、例えば、12フレーム時間であり、例えば、フレーム時間が25msecである場合、これは、全時間300msecに相当する。リセット時間の期間は、0フレーム期間(黒色から黒色へのリセットについて)、4フレーム期間(濃い灰色から黒色へのリセットについて)、8フレーム期間(薄い灰色から黒色へのリセットについて)及び12フレーム期間(白色から黒色へのリセットについて)である。その結果、リセット電位の印加後、各々のピクチャ要素は、実質的に黒色である外観を有し、それはBで表される。階調電位差(Gs)が、リセットパルスの印加が、例えば、−15Vになった後且つ、この実施例において、約100msecである、この実施例において、4フレーム時間の持続時間の間、印加される。その結果、ピクチャ要素は、その階調電位差の印加後、ピクチャを表示するために、濃い灰色(G1)である外観を有する。それらの実施例については図5に示し、その図は休止パルス又はスローダウンパルス、即ち、本発明の範囲外の適用を伴わない駆動スキームを示している。
【0026】
図6は、本発明が基づいている基本的洞察について示している。その図の最上部には、粒子の動きを模式的に示し、中央部には印加電圧を示し、下部には白色性及び黒色性を示している。基本的機構については、図6の下部の支援により説明することが可能であり、即ち、白色粒子及び黒色粒子の詳細な動きが2つの極端な遷移、即ち、白色から濃い灰色への(左側)及び黒色から濃い灰色への(右側)遷移について模式的に示されている。簡単化のために、1つの粒子のみが説明のために用いられ、白色粒子についての全部の説明は又、黒色粒子について適用することができる。上部電極に負電圧を印加することにより、正に帯電した白色粒子は、最大時間(最長距離)を必要とする下部電極の方に移動する。理想的には、どのような理想的な状態が図6において模式的に示されようが、下部の強度レベルは同じである。しかしながら、本発明者等は、実際には、リセットパルスRをオフに切り換えた後、白色(及び/又は黒色)粒子は、動き速度が次第にゼロになるため、下部電極又は上部電極の方に更に移動することを理解した。階調駆動パルスGSがリセットパルスの終了直後に供給されるとき、粒子は反対方向に移動しなければならないため、粒子の緩和のために利用可能な時間はない。リセットパルス(Vend reset)の終了時の粒子動きの速度は画像履歴、それ故、駆動中の先端速度及び終端速度に明らかに依存する。階調エラーは、粒子の位置により主に決定されるものとして発生される。
【0027】
図7は、このことについて詳細に示し、ここでは、遷移リセットパルスの階調差の周りの階調値について詳細に示している。
【0028】
リセットパルスの印加後、粒子は、緩和時間trelaxの間、移動し続ける。換言すれば、このような潜在運動を停止させるためには階調電位差に対してある時間を要する。リセットパルスの直後に階調電位差を印加することにより、式teff≒tGS−trelaxにおける実際の時間期間tGSより短い有効な印加時間teffを結果として得る。緩和時間期間は、例えば、オリジナルの画像が黒色である場合のように、リセットパルスが印加されないとき、0である。その結果、同じリセットパルス及び階調電位差が適切に印加されるときでさえ、階調における差ΔDg、換言すれば、階調間の差が存在する。それ故、例えば、チェス盤(黒色領域及び白色領域)のような画像が濃い灰色領域に変化するとき、チェス盤のような画像には残像が残り、即ち、その残像は“ゴースト画像”として尚も存在する。
【0029】
図8は、本発明の実施形態について示している。少なくとも、最大エネルギーの50%以上のリセットパルス間において、このようなリセットパルス全ての場合に、リセットパルス(Rp)が適用される。リセットパルスの長さは、緩和時間に等しい長さか又はその時間より長い、即ち、trp≧trelaxである。緩和時間は、粒子及び材料の特性に依存する。リセットパルスの印加時間は少なくとも2msecの、好適には、フレーム時間であり、好適には、緩和時間trelaxより長い。リセットパルスの印加後の粒子の運動量は印加されるリセットパルスに依存する(リセットパルスが長ければ長い程、運動量は大きくなる)。それ故、好適な実施形態においては、リセットパルスの長さはリセットパルス強度の関数である。
【0030】
図9は、緩和時間、リセットパルスRpの印加時間及び階調電位差Gsの印加期間の間の関係を示している。リセットパルスのために、階調電位差の有効時間は、白色から黒色を介して濃い灰色への遷移については、黒色から濃い灰色についてと同様である。
【0031】
図10は、リセットパルスRと階調電位差Gsとの間で、リセット値より実質的に小さい強度を有するスローダウンパルスが印加される、本発明の実施形態を示している。その結果、階調電位差の印加の開始時の粒子についての運動量における広がりは、図5に模式的に示す状態と比べて、減少されている。その運動量の広がりの減少は、得られる階調の広がりにおける減少、即ち、より均一な画像を結果的にもたらす。
【0032】
本発明の概念の範囲内で、リセット電位差の適用は、オーバーリセットの適用を含むことが可能であり、好適な実施形態においてはオーバーリセットの適用を含むことに留意する必要がある。“オーバーリセット”はリセット電位を印加する方法を表し、その方法においては、目的に適って、少なくとも幾つかの階調状態(中間状態)について、所望の極端光学状態に関連要素を駆動するために必要であるより、長い時間*電圧差を有するリセットパルスが印加される。そのようなオーバーリセットは、極端光学状態に達したことを確実にするために有用であり、又は、例えば、極端光学状態に異なる階調をリセットするために同じ長さのリセットパルスが用いられるように、印加スキームを簡単化するように用いられることが可能である。本発明について、次のように要約することができる。
【0033】
即ち、電気泳動ディスプレイパネルは、
− 粒子(6)が極端位置の一を実質的に占めることが可能であるリセット電位差であるように、そして続いて
− 粒子(6)が画像情報に対応する位置を占めることが可能である階調電位差であるように、
各々のピクチャ要素(2)の電位差を制御するための駆動手段を有する。
【0034】
駆動手段は、少なくとも最大リセットパルスエネルギーの50%又はそれ以上を表すリセット電位差において、リセット電位差と階調電位差との間にあるリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルス(Rp、SDp)を印加するために備えられている。
【0035】
本発明は、特に上で図示して詳述したものに限定されないことを当業者は理解することができるであろう。本発明は、各々の及び全ての新規な特徴並びに各々の及び全ての新規な特徴の組み合わせに属する。用語“を有する”及びその用語の派生表現を使用することは、請求項に記載された要素以外の要素の存在を排除するものではない。要素の単数表現は、それらの要素の複数の存在を排除するものではない。
【0036】
本発明は又、プログラムがコンピュータにおいて実行されるときに本発明に従った方法を実行するためのプログラムコード手段を有する何れのコンピュータプログラムにおいて、前記プログラムがコンピュータにおいて実行されるときに本発明に従った方法を実行するためのコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されるプログラムコード手段を有する何れのコンピュータプログラムプロダクトにおいて、そして、本発明にとって特定の動作を実行するための本発明に従ったディスプレイパネルで用いられるプログラムコード手段を有する何れのプログラムプロダクトにおいて、具現される。
【0037】
本発明については、特定の実施形態に関して説明してきたが、それらの実施形態は、限定的なものとして意図されたものではなく、本発明を例示しているものである。本発明は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせにおいて実行されることが可能である。他の実施形態は、同時提出の特許請求の範囲における範囲内にある。
【0038】
同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく、本発明の範囲内で多くの変形を実行することが可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ディスプレイパネルの実施形態の正面図である。
【図2】図1におけるII−IIに沿った断面を示す図である。
【図3】電気泳動ディスプレイ装置の更なる実施例の一部の断面を示す図である。
【図4】図3のピクチャディスプレイ装置の等価回路を示す図である。
【図5】ピクチャ要素について時間の関数としての電位差を駆動スキームにより示す図である。
【図6】本発明が基づく基本的洞察を示す図である。
【図7】本発明に従った装置における粒子の運動量の緩和の効果を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に従った装置について時間の関数としての電位差を駆動スキームにより示す図である。
【図9】本発明に従った装置について粒子の運動量の緩和の効果を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に従った装置について時間の関数としての電位差を駆動スキームにより示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動ディスプレイパネルであって:
帯電粒子を有する電気泳動媒体;
複数のピクチャ要素;
電位差を受けるための各々のピクチャ要素に関連付けられている電極;及び
駆動手段;
を有する電気泳動ディスプレイパネルであり、前記駆動手段は、各々のピクチャ要素の前記電位差が:
粒子が極端位置の一を実質的に占めることが可能である、リセット値及びリセット持続時間を有するリセット電位差であるように;そして続いて
粒子が画像情報に対応する位置を占めることが可能である階調電位差であるように;
制御されるように備えられ、
前記駆動手段は、少なくとも最大リセットパルスエネルギーの50%又はそれ以上を示すリセット電位差に対してリセット電位差と逆符号の階調電位差との間の期間にリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスを印加するように更に備えられている;
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項2】
請求項1に記載の電気泳動ディスプレイパネルであって、前記駆動手段は、リセット電位差全てに対してリセット電位差と反対符号の階調電位差の間の期間にリセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスを適用するように備えられている、ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項3】
請求項1に記載の電気泳動ディスプレイパネルであって、前記期間は少なくとも1フレーム時間である、ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項4】
請求項1に記載の電気泳動ディスプレイパネルであって、該電気泳動ディスプレイパネルは、1つ又はそれ以上の次第に減少する電圧値を有するパルスをリセットパルスと階調電位差との間に適用するための手段を有する、ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項5】
請求項1に記載の電気泳動ディスプレイパネルであって、該電気泳動ディスプレイパネルは、ゼロ電圧値の休止パルスをリセットパルスと階調電位差との間に適用するための手段を有する、ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項6】
請求項4に記載の電気泳動ディスプレイパネルであって、該電気泳動ディスプレイパネルは、少なくとも2msecの期間の間、ゼロ電圧値の休止パルスをリセットパルスと階調電位差との間に適用するための手段を有する、ことを特徴とする電気泳動ディスプレイパネル。
【請求項7】
電気泳動ディスプレイ装置を駆動するための方法であって、該電気泳動ディスプレイ装置は:
帯電粒子を有する電気泳動媒体;及び
複数のピクチャ要素;
を有する、方法であり、
リセット電位差が、前記電気泳動ディスプレイ装置のピクチャ要素に階調電位差の適用に先立って適用され、少なくとも最大リセットパルスエネルギーの50%又はそれ以上を示すリセット電位差に対して、リセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスが、前記リセット電位差と逆符号の階調電位差との間の期間において適用される;
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、リセット電位差全てに対して、リセット値より実質的に小さい電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスが、前記リセット電位差と逆符号の階調電位差との間の期間において適用される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、次第に減少する電圧値を有する1つ又はそれ以上のパルスが適用される、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、ゼロ電圧値の休止パルスが適用される、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、ゼロ電圧の休止パルスが、少なくとも2msecの間、適用される、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−507741(P2007−507741A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530977(P2006−530977)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051977
【国際公開番号】WO2005/034077
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】