電気泳動表示装置の駆動方法
【課題】電気泳動表示装置において、中間調を表示する際のノイズを低減し、高品位な表示を行う。
【解決手段】電気泳動表示装置の駆動方法は、第1電極(22)と第2電極(21)との間に電気泳動層(23)が挟持され、複数の画素(20)を備えた電気泳動表示装置の駆動方法であって、画素の表示状態として、正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、第1表示状態にある画素に印加される負極性の電圧の総持続時間に応じて、第1表示状態と第2表示状態との間の中間調が選択され、中間調を選択する際、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルス(Pa1)を印加した後、正極性の補償電圧パルス(Pc1)を印加する。
【解決手段】電気泳動表示装置の駆動方法は、第1電極(22)と第2電極(21)との間に電気泳動層(23)が挟持され、複数の画素(20)を備えた電気泳動表示装置の駆動方法であって、画素の表示状態として、正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、第1表示状態にある画素に印加される負極性の電圧の総持続時間に応じて、第1表示状態と第2表示状態との間の中間調が選択され、中間調を選択する際、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルス(Pa1)を印加した後、正極性の補償電圧パルス(Pc1)を印加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置の駆動方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気泳動表示装置では、複数の画素の各々において、画素電極及び共通電極間に挟持された例えば白色と黒色の電気泳動粒子を含む電気泳動層に駆動電圧を印加することにより、電気泳動粒子を移動させることで画像を表示する。また、各画素において駆動電圧を電気泳動層に印加する時間を変更することにより、中間調(例えば灰色)を表示する。
【0003】
他方、この種の電気泳動表示装置として、画素スイッチング素子として機能する1つのTFT(Thin Film Transistor)と、メモリー回路として機能する1つのコンデンサー(即ち、キャパシター)とを含んで構成された画素回路(いわゆる1T1C型の画素回路)を備えるものがある。
【0004】
例えば特許文献1には、電気泳動表示装置において、表示色を切り替える場合、切替前の表示色の連続表示時間に応じて、駆動電圧の印加時間を変化させることにより、色の不均一表示を回避する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−79170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の電気泳動表示装置では、中間調を表示する際、表示された画像にノイズが発生してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。つまり、異なる画素に同一の中間調を表示するために同一の駆動電圧を印加しても、画素によって異なる中間調が表示されてしまう場合がある。このような、同一の中間調を表示すべき2つの画素によって実際に表示される中間調の差が、画像のノイズとして視認される。このノイズは、中間調を表示する場合、中間調を表示するために駆動電圧を印加する時間が短いほど顕著に発生する傾向がある。その原因は明確ではないが、例えば、上述した1T1C型の画素回路を備える電気泳動表示装置では、各画素回路に含まれるコンデンサーの製造バラツキ(言い換えれば、各画素に設けられたコンデンサー間でコンデンサーの特性が異なること)が原因の1つとして考えられる。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能な電気泳動表示装置の駆動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法は上記課題を解決するために、第1電極と第2電極との間に電気泳動層が挟持された画素を複数備え、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位よりも高い場合に前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、前記画素の表示状態として、前記正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、前記正極性とは異なる負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、前記第1表示状態にある画素に印加される前記負極性の電圧の総持続時間に応じて、前記第1表示状態と前記第2表示状態との間の中間調が選択される電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記中間調を選択する際、少なくとも1の前記負極性の駆動電圧パルスを印加した後、前記正極性の補償電圧パルスを印加するステップを有する。
【0009】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、一の極性、例えば正極性、の電圧が印加されて第1表示状態(例えば白色)になっている画素に、一の極性とは逆の極性、例えば負極性の少なくとも1の駆動電圧パルスを印加し、さらに正極性の補償電圧パルスを印加することにより、該画素において例えば灰色である中間調(即ち中間階調)が表示される。尚、1の負極性の駆動電圧パルスが画素に印加されることにより、所定の持続時間だけ第1電極の電位が第2電極の電位よりも低くなる。よって、複数の負極性の駆動電圧パルスが画素に印加される場合には、複数の負極性の駆動電圧パルスの各々の持続時間を加え合わせた総持続時間だけ第1電極の電位が第2電極の電位よりも低くなる。
【0010】
本発明では特に、中間調を選択する際、第1電極の電位が第2電極の電位よりも高い場合に第1電極と第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを印加した後、正極性の補償電圧パルスを印加する。即ち、中間調を表示する際、先ず、第1表示状態にある画素に、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを印加する。これにより、画素の表示状態は、第1表示状態から第2表示状態に向かって変化し、負極性の駆動電圧パルスの総持続時間に応じた中間調状態となる。次に、正極性の補償電圧パルスを画素に印加する。補償電圧パルスを画素に印加するタイミングは、所定の中間調を表示するために必要な負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後でもよいし、必要な負極性の駆動電圧パルスのうちいずれかを印加した後でもよい。
【0011】
本発明によれば、中間調を表示すべき画素に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより中間調を表示する場合と比較して、表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。即ち、同一の中間調を表示すべき画素間で異なる中間調が表示されてしまうことを低減することができる。この結果、高品位な表示を行うことができる。
【0012】
以上説明したように、本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0013】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の一態様では、前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも短い。
【0014】
この態様によれば、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができる。また、正極性の補償電圧パルスの持続時間が少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長い場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる。即ち、表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる。更に、正極性の補償電圧パルスを印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0015】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長い。
【0016】
この態様によれば、例えば、画素に負極性の電圧が印加されたときよりも画素に正極性の電圧が印加されたときのほうが、電気泳動層に含まれる電気泳動粒子が移動しにくい場合であっても、正極性の補償電圧パルスを印加することにより、表示すべき中間調を確実に表示することができる。
【0017】
尚、正極性の補償電圧パルスの持続時間は、例えば、電気泳動層に含まれる電気泳動粒子の特性(例えば、電気泳動粒子の移動のしやすさ)に基づいて設定されてもよい。
【0018】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後、前記補償電圧パルスを印加する。
【0019】
この態様によれば、例えば、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち1の負極性の駆動電圧パルスを印加する毎に正極性の補償電圧パルスを印加する場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる。即ち、表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる。更に、正極性の補償電圧パルスを印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0020】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記第2表示状態が選択される画素に対しては、前記補償電圧パルスを印加しない。
【0021】
この態様によれば、第2表示状態を表示すべき画素の表示状態を確実に第2表示状態とすることができる。
【0022】
即ち、この態様では、第1表示状態(例えば白色)にある画素を、第2表示状態(例えば黒色)にする場合には、該画素に対しては、負極性の駆動電圧パルスのみを印加し、正極性の補償電圧パルスを印加しない。よって、第2表示状態となるべき画素が、正極性の補償電圧パルスが印加されることにより第2表示状態よりも第1表示状態に近い表示状態(例えば灰色)になってしまうことを防止することができる。
【0023】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち持続時間が最も長い駆動電圧パルスを最後に印加し、該最後に印加する駆動電圧パルスの直前に前記補償電圧パルスを印加する。
【0024】
この態様によれば、正極性の補償電圧パルスが印加されることにより、画素が、表示すべき表示状態(中間調或いは第2表示状態)よりも第1表示状態に近づくことを低減することができる。よって、表示する画像のコントラストを高めることができる。
【0025】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【図4】マイクロカプセルの構成を示す模式図である。
【図5】中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【図6】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の動作を示す概念図である。
【図8】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】複数の中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【図11】第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0028】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図1から図8を参照して説明する。
【0029】
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
【0032】
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0033】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0034】
走査線駆動回路60は、コントローラー10から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号を供給する。
【0035】
データ線駆動回路70は、コントローラー10から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnにデータ信号を供給する。データ信号は、高電位VH(例えば15V)又は低電位VL(例えば0V)の2値的な電位をとる。
【0036】
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcomを供給する。
【0037】
尚、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0038】
図2は、画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0039】
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24及びコンデンサー(保持容量)27を有する画素回路(即ち、1T1C型の画素回路)と、画素電極21と、共通電極22と、電気泳動層23とを備えている。
【0040】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及びコンデンサー27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ信号を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介して供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及びコンデンサー27に出力する。
【0041】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ信号が供給される。画素電極21は、電気泳動層23を介して共通電極22と互いに対向するように配置されている。
【0042】
共通電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0043】
電気泳動層23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0044】
コンデンサー27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。コンデンサー27によってデータ信号を一定期間だけ維持することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【0047】
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動層23が挟持される構成となっている。尚、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0048】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して上述した画素スイッチング用トランジスター24、コンデンサー27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0049】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、共通電極22が複数の画素電極21と対向してベタ状に形成されている。共通電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0050】
電気泳動層23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。尚、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動層23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0051】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び共通電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0052】
図4は、マイクロカプセルの構成を示す模式図である。尚、図4では、マイクロカプセルの断面を模式的に示している。
【0053】
図4において、マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0054】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0055】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0056】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0057】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0058】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と共通電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0059】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0060】
図3及び図4において、画素電極21と共通電極22との間に、相対的に共通電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられると共に、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で共通電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、共通電極22側)に白色粒子82が集まることで、表示部3の表示面にこの白色粒子82の色(即ち、白色)を表示することができる。逆に、画素電極21と共通電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられると共に、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって共通電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側に黒色粒子83が集まることで、表示部3の表示面にこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)を表示することができる。
【0061】
尚、以下では、共通電極22の電位が画素電極21の電位よりも高い場合に共通電極22と画素電極21との間に生じる電位差(即ち、電圧)を「正極性の電圧」と適宜称し、共通電極22の電位が画素電極21の電位よりも低い場合に共通電極22と画素電極21との間に生じる電位差を「負極性の電圧」と適宜称する。尚、共通電極22は本発明に係る「第1電極」の一例であり、画素電極21は本発明に係る「第2電極」の一例である。
【0062】
即ち、画素20に正極性の電圧を印加することにより、該画素20に白色を表示させることができ、画素20に負極性の電圧を印加することにより、該画素20に黒色を表示させることができる。尚、画素20が白色を表示する状態は本発明に係る「第1表示状態」の一例であり、画素20が黒色を表示する状態は本発明に係る「第2表示状態」の一例である。
【0063】
共通電極22を「第2電極」とし、画素電極21を「第1電極」としてもよい。
【0064】
更に、画素電極21及び共通電極22間における白色粒子82及び黒色粒子83の分布状態によって、白色と黒色との中間調(即ち、中間階調)である、ライトグレー、グレー、ダークグレー等の灰色を表示することができる。例えば、画素電極21と共通電極22との間に相対的に共通電極22の電位が高くなるように電圧を印加することで(即ち、正極性の電圧を印加することで)、マイクロカプセル80の表示面側に白色粒子82を集めると共に画素電極21側に黒色粒子83を集めた後に、表示すべき中間調に応じた所定期間だけ、画素電極21と共通電極22との間に相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧を印加することで(即ち、負極性の電圧を印加することで)、マイクロカプセル80の表示面側に黒色粒子83を所定量だけ移動させると共に画素電極21側に白色粒子82を所定量だけ移動させる。この結果、表示部3の表示面に白色と黒色との中間調である灰色を表示することができる。
【0065】
尚、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0066】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図5から図8を参照して説明する。
【0067】
以下では、説明の便宜上、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によって、図5に示すように、中間調を含む画像を3行×3列分の画素20が配列された表示部3に表示させる場合を例にとる。ここに図5は、中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【0068】
即ち、図5に示すように、画素PX(1,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(1,2)に白色(W)を表示させ、画素PX(1,3)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,2)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,3)に灰色(W)を表示させ、画素PX(3,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(3,2)に灰色(G)を表示させ、画素PX(3,3)に灰色(W)を表示させる場合を例にとる。尚、表示部3には、3行×3列分の画素20(即ち、画素PX(1,1)、PX(1,2)、PX(1,3)、…、PX(3,1)、PX(3,2)、PX(3,3))がマトリクス状に配列されている。また、表示部3には、3本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)と、3本のデータ線50(データ線X1、X2及びX3)とが設けられている(図1参照)。画素PX(1,1)は走査線Y1とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(1,2)は走査線Y1とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(1,3)は走査線Y1とデータ線X3との交差に対応して配置され、画素PX(2,1)は走査線Y2とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(2,2)は走査線Y2とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(2,3)は走査線Y2とデータ線X3との交差に対応して配置され、画素PX(3,1)は走査線Y3とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(3,2)は走査線Y3とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(3,3)は走査線Y3とデータ線X3との交差に対応して配置されている。
【0069】
図6は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【0070】
図6において、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、例えば図5に示すような中間調を含む画像を表示する際、先ず、全白表示を行う(ステップST10)。即ち、表示部3における全ての画素20に正極性の電圧を印加することにより、全ての画素20に白色(W)を表示させる。より具体的には、例えば画素PX(1,1)においては、画素スイッチング用トランジスター24を介してデータ線X1からコンデンサー27にデータ信号を蓄え、画素電極21に高電位VHの電圧を所定時間だけ供給すると共に、共通電位供給回路220から共通電極22に、低電位VLで一定の共通電位Vcomを供給する。
【0071】
次に、黒書き込みを行う(ステップST20)。即ち、表示部3における灰色(G)を表示すべき画素20(即ち、図5に示す例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))の画素電極21と共通電極22との間に負極性の駆動電圧を印加することにより、黒色粒子83を共通電極22側(即ち、表示面側)に所定量だけ移動させると共に白色粒子82を画素電極21側に所定量だけ移動させる。
【0072】
次に、白書き込みを行う(ステップST30)。即ち、表示部3における灰色(G)を表示すべき画素20(言い換えれば、黒書き込み(ステップST20)が行われた画素20)の画素電極21と共通電極22との間に正極性の電圧を所定時間だけ印加することにより、黒色粒子83を共通電極22側(即ち、表示面側)に移動させると共に白色粒子82を画素電極21側に移動させる。これにより、灰色を表示すべき画素20において表示すべき灰色(即ち、目的の濃度の灰色)を表示させる。
【0073】
図7を用いて本発明による作用を説明する。図7は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の動作を示す概念図である。尚、図7は、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)による、灰色(G)を表示すべき画素20に表示される色の濃度の変化を概念的に示している。時刻t1から時刻t2はステップST20に対応し、時刻t3から時刻t4はステップST30に対応している。また、プロット1は第1の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示し、プロット2は第2の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示し、プロット3は第3の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示している。また、Δtは電圧を印加してから明るさが変化し始めるまでの遅れ時間であり、Δt201は第1の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt202は第2の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt203は第3の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt301は第1の画素におけるステップST30での遅れ時間であり、Δt302は第2の画素におけるステップST30での遅れ時間であり、Δt303は第3の画素におけるステップST30での遅れ時間である。
【0074】
ここで、第1の画素において表示すべき階調と第2の画素において表示すべき階調と第3の画素において表示すべき階調は、いずれも階調G0であり、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加するものとする。本来、ステップST20において、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に、階調G0を表示するために互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加した場合、ステップST20が終了する時刻t2において、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさとはいずれもG0になるはずである。しかし、実際には図7に示したように、画素によって遅れ時間Δtが異なる場合があるため、時刻t2において、第1の画素の明るさはG1となり、第2の画素の明るさはG2となり、第3の画素の明るさはG3(G0)となる。明るさG1と明るさG3(G0)との差が表示画像のノイズとして視認される。このようなノイズは、階調を表示するために印加する電圧の持続時間が短いほど顕著である。
【0075】
そこで本発明による駆動方法は、ステップST20の後にステップST30を有している。まず、ステップST20において、前述したように第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加する。次に、ステップST30において、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する正極性の補償電圧を印加すると、第1の画素の明るさは遅れ時間Δt301の後に明るい方向に向かって変化し始め、第2の画素の明るさは遅れ時間Δt302の後に明るい方向に向かって変化し始める。しかしここでは、ステップST30の継続時間は第3の画素の遅れ時間Δt303と等しく設定されているため、第3の画素の明るさはステップST30の間に変化することはなく、明るさG0を維持する。
【0076】
発明者らの実験によれば、遅れ時間が生じる原因は、電気泳動粒子が動き始めるための閾値電圧が存在するということと、コンデンサー27に十分な電荷が蓄えられなければ電気泳動層に十分な電圧が印加されない、ということが関係していると考えられる。電気泳動粒子が動き始めるために十分な電圧が画素に印加されるためには、コンデンサー27に十分な電荷が蓄えられなければならない。しかし、製造上のばらつきのためにコンデンサー27の充電速度に個体差があれば、コンデンサー27に電圧を印加してから画素に十分な電圧が印加されるまでに必要な時間が、画素によって異なると考えられる。この現象が画素による遅れ時間Δtの差の原因の1つと考えられる。そして、遅れ時間Δt201は遅れ時間Δt301とほぼ等しく、遅れ時間Δt202は遅れ時間Δt302とほぼ等しく、遅れ時間Δt203は遅れ時間Δt303とほぼ等しい。
【0077】
かくしてステップST30の終了時刻t4においては、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれもほぼ同じとなり、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々において、目的とする階調G0と同じかほぼ同じ階調を表示することができる。すなわち、表示画像のノイズを低減することができる。
【0078】
ステップST30において、2つの画素各々に印加する補償電圧の持続時間が互いに異なっていても、2つの画素各々の明るさの差を小さくすることができるため、表示画像のノイズを低減する効果が得られる。しかし、2つの画素各々によって表示する階調間の明るさの差が小さい場合には、ノイズの大きさをその差よりも小さくしなければならないため、当該2つの画素各々に印加する補償電圧の持続時間を互いに等しくした方が、より効果的に表示画像のノイズを低減することができる。
【0079】
図7においては、ステップST30の継続時間は第3の画素の遅れ時間Δt303と等しく設定されているが、必ずしも等しくする必要はない。ステップST30の継続時間は、少なくとも第3の画素の遅れ時間Δt301よりも長ければノイズを低減する効果が得られる。また、ステップST30の継続時間が第3の画素の遅れ時間Δt303よりも長ければ、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれも波線に示したように明るい状態に向かって変化するが、ステップST30が終了したときには、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれもほぼ同じ階調を表示することができる。すなわち、表示画像のノイズを低減することができる。
【0080】
また、図7においては、ステップST20とステップST30との間に間隔が空いているが、その間隔は短い方がより効果的に表示画像のノイズを低減することができる。好ましくは、その間隔がない方がよい。
【0081】
図8は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を詳細に説明するためのタイミングチャートである。尚、図8は、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)における、データ線X1、X2及びX3、走査線Y1、Y2及びY3、並びに共通電極22の電位の変動を示している。また、V11は画素PX(1,1)に印加される駆動電圧波形を示している。
【0082】
図8に示すように、走査線Y1、Y2及びY3の各々が選択される期間(即ち、走査線Y1、Y2及びY3の各々の電位がハイレベルとなる期間)毎に、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)が行われる。黒書き込み(ステップST20)では、灰色を表示すべき画素20に持続時間Ta1を有する負極性の駆動電圧パルスPa1が印加される。白書き込み(ステップST30)では、すべての画素20に持続時間Tc1を有する正極性の補償電圧パルスPc1が印加される。
【0083】
具体的には、白表示(ステップST10)が行われた後に、先ず、走査線Y1がハイレベルとされる(即ち、走査線Y1にハイレベルの走査信号が供給される)。走査線Y1がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に低電位VLで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされる(即ち、共通電位Vcomが低電位VLとされる)ことにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされる(即ち、共通電位Vcomが高電位VLとされる)ことにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0084】
次に、走査線Y2がハイレベルとされる。走査線Y2がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされることにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされることにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0085】
次に、走査線Y3がハイレベルとされる。走査線Y3がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされることにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされることにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0086】
このような駆動方法によれば、図5に示した中間調を含む画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0087】
ここで、上述したように、本実施形態では、白表示(ステップST10)を行った後に図5に示したような中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST20)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。即ち、白表示(ステップST10)が行われた画素20に中間調を表示させる際、該画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加した後、すべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。これにより、表示画像のノイズを低減或いは除去することができる。即ち、同一の中間調を表示すべき画素20間で異なる中間調が表示されてしまうことを低減することができる。つまり、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、例えば、中間調を表示すべき画素20に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより該画素20に中間調を表示させる場合と比較して、上述したように駆動電圧を印加する時間が短いほど顕著に発生する傾向があるノイズ(即ち、中間調を表示する際のノイズ)を効果的に低減或いは除去することができる。この結果、高品位な表示を行うことができる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
(変形例)
上述した第1実施形態では、全白表示(ステップST10)を行った後に中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとったが、本変形例のように、全黒表示を行った後(即ち、全ての画素20に黒色を表示させた後)に、中間調を含む画像を表示部3に表示させてもよい。
【0089】
即ち、本変形例に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全黒表示を行った後に、白書き込み(ステップST20b)及び黒書き込み(ステップST30b)をこの順に行う。白書き込み(ステップST20b)では、灰色を表示すべき画素20に、所定時間だけ画素電極21と共通電極22との間に正極性の電圧を印加する。黒書き込み(ステップST30b)では、第1実施形態と同様に補償電圧パルスを印加するが、本変形例に於いては、補償電圧パルスの極性は負極性である。このようにして該画素20において表示すべき灰色(即ち、目的の濃度の灰色)を表示させる。
【0090】
このような本変形例に係る電気泳動表示装置の駆動方法によっても、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様に、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0091】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図9を参照して説明する。
【0092】
図9は、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第1実施形態で示した図8と同趣旨の図である。
【0093】
尚、以下では、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、図5に示す中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0094】
図8を参照して上述した第1実施形態では、走査線Y1、Y2及びY3の各々が選択される期間毎に、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)が行ったが、図9に示す第2実施形態のように、灰色を表示すべき全ての画素20に黒書き込み(ステップST20)を行った後に、すべての画素20に白書き込み(ステップST30)を行ってもよい。
【0095】
即ち、図9に示すように、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に黒書き込み(ステップST20)を行う。この際、上述した第1実施形態とは異なり、白書き込み(ステップST30)を行わない。言い換えれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20(即ち、図5に示す例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))に黒書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加する。
【0096】
このように表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に黒書き込み(ステップST20)を行った後に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に白書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加した後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。
【0097】
このような第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によっても、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様に、例えば、中間調を表示すべき画素20に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより該画素20に中間調を表示させる場合と比較して、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0098】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図10及び図11を参照して説明する。
【0099】
以下では、図10に示すような複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。ここに図10は、複数の中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。尚、図10に示す複数の中間調を含む画像は、8階調の画像であり、第0階調が黒色に相当し、第1から第6階調がそれぞれ濃度の異なる灰色に相当し、第7階調が白色に相当する。
【0100】
即ち、図10に示すように、画素PX(1,1)に第0階調を表示させ、画素PX(1,2)に第5階調を表示させ、画素PX(1,3)に第3階調を表示させ、画素PX(2,1)に第1階調を表示させ、画素PX(2,2)に第0階調を表示させ、画素PX(2,3)に第7階調を表示させ、画素PX(3,1)に第2階調を表示させ、画素PX(3,2)に第2階調を表示させ、画素PX(3,3)に第5階調を表示させる場合を例にとる。
【0101】
図11は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第2実施形態で示した図9と同趣旨の図である。
【0102】
第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法は、複数の中間調を含む画像を表示する場合の駆動方法である点で、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なり、その他の点については、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と概ね同様である。よって、以下では、第3実施施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。
【0103】
図11に示すように、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、表示部3における複数の画素20のうち第7階調(即ち、白色)を表示すべき画素PX(2,3)を除く画素20(即ち、第0から第6階調のいずれかを表示すべき画素20)に黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)をすべて行った後に、すべての画素20に白書き込み(ステップST30)を行う。
【0104】
尚、第3実施形態では、互いに持続時間が異なる3種類の負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを画素20に印加することにより、該画素20において第0から第7階調のいずれかを表示する。負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の4倍であり、負極性の駆動電圧パルスPb2の持続時間Tb2は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の2倍である(即ち、負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1の1/2倍である)。ただしこれらの比率は、8つの階調を表示できるように、電気泳動粒子の動きやすさなどに応じて適宜設定すればよい。画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3が印加された場合には、該画素20は第0階調(即ち、黒色)を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1及びPb2が印加された場合には、該画素20は第1階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1及びPb3が印加された場合には、該画素20は第2階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加された場合には、該画素20は第3階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2及びPb3が印加された場合には、該画素20は第4階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2が印加された場合には、該画素20は第5階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb3が印加された場合には、該画素20は第6階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のいずれも印加されない場合には、該画素20は第0階調を表示する。
【0105】
即ち、図11に示すように、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb1を印加する黒書き込み(ステップST21)を行う。この黒書き込み(ステップST21)では、第0から第3階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,1)、PX(3,1)、PX(2,2)、PX(2,3)及びPX(1,3))に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される。次に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb2を印加する黒書き込み(ステップST22)を行う。この黒書き込み(ステップST22)では、第0、第1、第4及び第5階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,2)、PX(2,1)、PX(2,2)及びPX(3,3))に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される。次に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb3を印加する黒書き込み(ステップST23)を行う。この黒書き込み(ステップST23)では、第0、第2、第4及び第6階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,2)、PX(3,1)及びPX(3,2))に負極性の駆動電圧パルスPb3が印加される。
【0106】
このように表示部3における全ての画素20に黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に白書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における全ての画素20について、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち、目的とする階調を表示するために必要な負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。
【0107】
このような第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、図10に示した複数の中間調を有する画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0108】
ここで、本実施形態では、上述したように、白表示(ステップST10)を行った後に図10に示したような複数の中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。従って、この白書き込み(ステップST30)によって、表示部3に配列された複数の画素20によって表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。
【0109】
更に、本実施形態では、正極性の補償電圧パルスPc1の持続時間Tc1は、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3の総持続時間(即ち、持続時間Tb1、Tb2及びTb3の和)よりも短い。よって、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができる。また、正極性の補償電圧パルスPc1の持続時間Tc1が負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3の総持続時間よりも長い場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる(即ち、画素20が表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる)。更に、正極性の補償電圧パルスPc1を印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0110】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図12を参照して説明する。
【0111】
図12は、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第3実施形態で示した図11と同趣旨の図である。
【0112】
尚、以下では、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第4実施形態においても、上述した第3実施形態と同様に、図10に示す複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0113】
上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に全ての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行ったが、本実施形態のように、中間調を表示する画素20のみに正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST31)を行ってもよい。
【0114】
即ち、図12に示すように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全白表示(ステップST10)を行った後に、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)及び白書き込み(ステップST31)を行う。白書き込み(ステップST31)では、中間調を表示する画素20(即ち、第1から第6階調のいずれかを表示する画素20)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加し、最低階調又は最高階調を表示する画素20(即ち、第0又は第7階調を表示する画素20)には正極性の補償電圧パルスPc1を印加しない。言い換えれば、白書き込み(ステップST31)では、共通電極22は高電位VHとされ、且つ、中間調を表示する画素20には低電位VLのデータ信号が供給されると共に、最低階調又は最高階調を表示する画素20には高電位VHのデータ信号が供給される。図10に示す例において、白書き込み(ステップST31)では、中間調を表示する画素20である画素PX(1,2)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(3,1)、PX(3,2)及びPX(3,3)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加し、最低階調又は最高階調を表示する画素20である画素PX(1,1)、PX(2,2)及びPX(2,3)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加しない(即ち、画素電極21及び共通電極22間に電位差を生じさせない)。
【0115】
よって、例えば、黒色(即ち、第0階調)を表示する画素20に正極性の補償電圧パルスPc1が印加されることにより、該画素20の表示する色(或いは階調)が白色(即ち、第7階調)側にずれてしまうことを防止できる。従って、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができるだけでなく、コントラストを高めることができる。
【0116】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図13を参照して説明する。
【0117】
図13は、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第3実施形態で示した図11と同趣旨の図である。
【0118】
尚、以下では、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第5実施形態においても、上述した第3実施形態と同様に、図10に示す複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0119】
上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に全ての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行ったが、本実施形態のように、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を最後に設け、黒書き込み(ステップST21)の直前に、白書き込み(ステップST30)を行ってもよい。尚、上述したように、負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の例えば4倍であり、負極性の駆動電圧パルスPb2の持続時間Tb2は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の例えば2倍である。
【0120】
即ち、図13に示すように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全白表示(ステップST10)を行った後に、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2を印加する黒書き込み(ステップST22)と、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb3を印加する黒書き込み(ステップST23)とを行う。尚、これらの黒書き込み(ステップST22及びST23)を行う順序は限定されず、いずれの黒書き込みが先に行われてもよい。これらの黒書き込み(ステップST22及びST23)を行った後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行う。この白書き込み(ステップST30)を行った後に、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を行う。
【0121】
このような第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、図10に示した複数の中間調を有する画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0122】
ここで、本実施形態では、上述したように、白表示(ステップST10)を行った後に図10に示したような複数の中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST22及びST23)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。従って、この白書き込み(ステップST30)によって、表示部3に配列された複数の画素20によって表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。更に、本実施形態では、上述したように、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を最後に行ない、黒書き込み(ステップST21)の直前に、画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行う。よって、負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))が、白書き込み(ステップST30)によって、表示すべき灰色或いは黒色よりも白色に近づいてしまうことを低減することができる。従って、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができるだけでなく、表示する画像のコントラストを高めることができる。ここで特に、黒色を表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)及びPX(2,2))が表示する黒色が、白書き込み(ステップST30)によって白色に近づいてしまうことを低減することができるので、表示する画像のコントラストを確実に高めることができる。
【0123】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置の駆動方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0124】
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…共通電極、23…電気泳動層、24…画素スイッチング用トランジスター、27…コンデンサー、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、220…共通電位供給回路、Pa1、Pb1、Pb2、Pb3…負極性の駆動電圧パルス、Pc1…正極性の補償電圧パルス
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置の駆動方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気泳動表示装置では、複数の画素の各々において、画素電極及び共通電極間に挟持された例えば白色と黒色の電気泳動粒子を含む電気泳動層に駆動電圧を印加することにより、電気泳動粒子を移動させることで画像を表示する。また、各画素において駆動電圧を電気泳動層に印加する時間を変更することにより、中間調(例えば灰色)を表示する。
【0003】
他方、この種の電気泳動表示装置として、画素スイッチング素子として機能する1つのTFT(Thin Film Transistor)と、メモリー回路として機能する1つのコンデンサー(即ち、キャパシター)とを含んで構成された画素回路(いわゆる1T1C型の画素回路)を備えるものがある。
【0004】
例えば特許文献1には、電気泳動表示装置において、表示色を切り替える場合、切替前の表示色の連続表示時間に応じて、駆動電圧の印加時間を変化させることにより、色の不均一表示を回避する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−79170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の電気泳動表示装置では、中間調を表示する際、表示された画像にノイズが発生してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。つまり、異なる画素に同一の中間調を表示するために同一の駆動電圧を印加しても、画素によって異なる中間調が表示されてしまう場合がある。このような、同一の中間調を表示すべき2つの画素によって実際に表示される中間調の差が、画像のノイズとして視認される。このノイズは、中間調を表示する場合、中間調を表示するために駆動電圧を印加する時間が短いほど顕著に発生する傾向がある。その原因は明確ではないが、例えば、上述した1T1C型の画素回路を備える電気泳動表示装置では、各画素回路に含まれるコンデンサーの製造バラツキ(言い換えれば、各画素に設けられたコンデンサー間でコンデンサーの特性が異なること)が原因の1つとして考えられる。
【0007】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能な電気泳動表示装置の駆動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法は上記課題を解決するために、第1電極と第2電極との間に電気泳動層が挟持された画素を複数備え、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位よりも高い場合に前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、前記画素の表示状態として、前記正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、前記正極性とは異なる負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、前記第1表示状態にある画素に印加される前記負極性の電圧の総持続時間に応じて、前記第1表示状態と前記第2表示状態との間の中間調が選択される電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記中間調を選択する際、少なくとも1の前記負極性の駆動電圧パルスを印加した後、前記正極性の補償電圧パルスを印加するステップを有する。
【0009】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、一の極性、例えば正極性、の電圧が印加されて第1表示状態(例えば白色)になっている画素に、一の極性とは逆の極性、例えば負極性の少なくとも1の駆動電圧パルスを印加し、さらに正極性の補償電圧パルスを印加することにより、該画素において例えば灰色である中間調(即ち中間階調)が表示される。尚、1の負極性の駆動電圧パルスが画素に印加されることにより、所定の持続時間だけ第1電極の電位が第2電極の電位よりも低くなる。よって、複数の負極性の駆動電圧パルスが画素に印加される場合には、複数の負極性の駆動電圧パルスの各々の持続時間を加え合わせた総持続時間だけ第1電極の電位が第2電極の電位よりも低くなる。
【0010】
本発明では特に、中間調を選択する際、第1電極の電位が第2電極の電位よりも高い場合に第1電極と第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを印加した後、正極性の補償電圧パルスを印加する。即ち、中間調を表示する際、先ず、第1表示状態にある画素に、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを印加する。これにより、画素の表示状態は、第1表示状態から第2表示状態に向かって変化し、負極性の駆動電圧パルスの総持続時間に応じた中間調状態となる。次に、正極性の補償電圧パルスを画素に印加する。補償電圧パルスを画素に印加するタイミングは、所定の中間調を表示するために必要な負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後でもよいし、必要な負極性の駆動電圧パルスのうちいずれかを印加した後でもよい。
【0011】
本発明によれば、中間調を表示すべき画素に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより中間調を表示する場合と比較して、表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。即ち、同一の中間調を表示すべき画素間で異なる中間調が表示されてしまうことを低減することができる。この結果、高品位な表示を行うことができる。
【0012】
以上説明したように、本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0013】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の一態様では、前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも短い。
【0014】
この態様によれば、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができる。また、正極性の補償電圧パルスの持続時間が少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長い場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる。即ち、表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる。更に、正極性の補償電圧パルスを印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0015】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長い。
【0016】
この態様によれば、例えば、画素に負極性の電圧が印加されたときよりも画素に正極性の電圧が印加されたときのほうが、電気泳動層に含まれる電気泳動粒子が移動しにくい場合であっても、正極性の補償電圧パルスを印加することにより、表示すべき中間調を確実に表示することができる。
【0017】
尚、正極性の補償電圧パルスの持続時間は、例えば、電気泳動層に含まれる電気泳動粒子の特性(例えば、電気泳動粒子の移動のしやすさ)に基づいて設定されてもよい。
【0018】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後、前記補償電圧パルスを印加する。
【0019】
この態様によれば、例えば、少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち1の負極性の駆動電圧パルスを印加する毎に正極性の補償電圧パルスを印加する場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる。即ち、表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる。更に、正極性の補償電圧パルスを印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0020】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記第2表示状態が選択される画素に対しては、前記補償電圧パルスを印加しない。
【0021】
この態様によれば、第2表示状態を表示すべき画素の表示状態を確実に第2表示状態とすることができる。
【0022】
即ち、この態様では、第1表示状態(例えば白色)にある画素を、第2表示状態(例えば黒色)にする場合には、該画素に対しては、負極性の駆動電圧パルスのみを印加し、正極性の補償電圧パルスを印加しない。よって、第2表示状態となるべき画素が、正極性の補償電圧パルスが印加されることにより第2表示状態よりも第1表示状態に近い表示状態(例えば灰色)になってしまうことを防止することができる。
【0023】
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法の他の態様では、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち持続時間が最も長い駆動電圧パルスを最後に印加し、該最後に印加する駆動電圧パルスの直前に前記補償電圧パルスを印加する。
【0024】
この態様によれば、正極性の補償電圧パルスが印加されることにより、画素が、表示すべき表示状態(中間調或いは第2表示状態)よりも第1表示状態に近づくことを低減することができる。よって、表示する画像のコントラストを高めることができる。
【0025】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【図4】マイクロカプセルの構成を示す模式図である。
【図5】中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【図6】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の動作を示す概念図である。
【図8】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】複数の中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【図11】第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0028】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図1から図8を参照して説明する。
【0029】
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
【0032】
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0033】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0034】
走査線駆動回路60は、コントローラー10から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号を供給する。
【0035】
データ線駆動回路70は、コントローラー10から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnにデータ信号を供給する。データ信号は、高電位VH(例えば15V)又は低電位VL(例えば0V)の2値的な電位をとる。
【0036】
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcomを供給する。
【0037】
尚、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0038】
図2は、画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0039】
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24及びコンデンサー(保持容量)27を有する画素回路(即ち、1T1C型の画素回路)と、画素電極21と、共通電極22と、電気泳動層23とを備えている。
【0040】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及びコンデンサー27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ信号を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介して供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及びコンデンサー27に出力する。
【0041】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ信号が供給される。画素電極21は、電気泳動層23を介して共通電極22と互いに対向するように配置されている。
【0042】
共通電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0043】
電気泳動層23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0044】
コンデンサー27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。コンデンサー27によってデータ信号を一定期間だけ維持することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【0047】
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動層23が挟持される構成となっている。尚、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0048】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して上述した画素スイッチング用トランジスター24、コンデンサー27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0049】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、共通電極22が複数の画素電極21と対向してベタ状に形成されている。共通電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0050】
電気泳動層23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。尚、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動層23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0051】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び共通電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0052】
図4は、マイクロカプセルの構成を示す模式図である。尚、図4では、マイクロカプセルの断面を模式的に示している。
【0053】
図4において、マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0054】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0055】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0056】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0057】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0058】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と共通電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0059】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0060】
図3及び図4において、画素電極21と共通電極22との間に、相対的に共通電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられると共に、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で共通電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、共通電極22側)に白色粒子82が集まることで、表示部3の表示面にこの白色粒子82の色(即ち、白色)を表示することができる。逆に、画素電極21と共通電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられると共に、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって共通電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側に黒色粒子83が集まることで、表示部3の表示面にこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)を表示することができる。
【0061】
尚、以下では、共通電極22の電位が画素電極21の電位よりも高い場合に共通電極22と画素電極21との間に生じる電位差(即ち、電圧)を「正極性の電圧」と適宜称し、共通電極22の電位が画素電極21の電位よりも低い場合に共通電極22と画素電極21との間に生じる電位差を「負極性の電圧」と適宜称する。尚、共通電極22は本発明に係る「第1電極」の一例であり、画素電極21は本発明に係る「第2電極」の一例である。
【0062】
即ち、画素20に正極性の電圧を印加することにより、該画素20に白色を表示させることができ、画素20に負極性の電圧を印加することにより、該画素20に黒色を表示させることができる。尚、画素20が白色を表示する状態は本発明に係る「第1表示状態」の一例であり、画素20が黒色を表示する状態は本発明に係る「第2表示状態」の一例である。
【0063】
共通電極22を「第2電極」とし、画素電極21を「第1電極」としてもよい。
【0064】
更に、画素電極21及び共通電極22間における白色粒子82及び黒色粒子83の分布状態によって、白色と黒色との中間調(即ち、中間階調)である、ライトグレー、グレー、ダークグレー等の灰色を表示することができる。例えば、画素電極21と共通電極22との間に相対的に共通電極22の電位が高くなるように電圧を印加することで(即ち、正極性の電圧を印加することで)、マイクロカプセル80の表示面側に白色粒子82を集めると共に画素電極21側に黒色粒子83を集めた後に、表示すべき中間調に応じた所定期間だけ、画素電極21と共通電極22との間に相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧を印加することで(即ち、負極性の電圧を印加することで)、マイクロカプセル80の表示面側に黒色粒子83を所定量だけ移動させると共に画素電極21側に白色粒子82を所定量だけ移動させる。この結果、表示部3の表示面に白色と黒色との中間調である灰色を表示することができる。
【0065】
尚、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0066】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図5から図8を参照して説明する。
【0067】
以下では、説明の便宜上、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によって、図5に示すように、中間調を含む画像を3行×3列分の画素20が配列された表示部3に表示させる場合を例にとる。ここに図5は、中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。
【0068】
即ち、図5に示すように、画素PX(1,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(1,2)に白色(W)を表示させ、画素PX(1,3)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,2)に灰色(G)を表示させ、画素PX(2,3)に灰色(W)を表示させ、画素PX(3,1)に灰色(G)を表示させ、画素PX(3,2)に灰色(G)を表示させ、画素PX(3,3)に灰色(W)を表示させる場合を例にとる。尚、表示部3には、3行×3列分の画素20(即ち、画素PX(1,1)、PX(1,2)、PX(1,3)、…、PX(3,1)、PX(3,2)、PX(3,3))がマトリクス状に配列されている。また、表示部3には、3本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)と、3本のデータ線50(データ線X1、X2及びX3)とが設けられている(図1参照)。画素PX(1,1)は走査線Y1とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(1,2)は走査線Y1とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(1,3)は走査線Y1とデータ線X3との交差に対応して配置され、画素PX(2,1)は走査線Y2とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(2,2)は走査線Y2とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(2,3)は走査線Y2とデータ線X3との交差に対応して配置され、画素PX(3,1)は走査線Y3とデータ線X1との交差に対応して配置され、画素PX(3,2)は走査線Y3とデータ線X2との交差に対応して配置され、画素PX(3,3)は走査線Y3とデータ線X3との交差に対応して配置されている。
【0069】
図6は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【0070】
図6において、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、例えば図5に示すような中間調を含む画像を表示する際、先ず、全白表示を行う(ステップST10)。即ち、表示部3における全ての画素20に正極性の電圧を印加することにより、全ての画素20に白色(W)を表示させる。より具体的には、例えば画素PX(1,1)においては、画素スイッチング用トランジスター24を介してデータ線X1からコンデンサー27にデータ信号を蓄え、画素電極21に高電位VHの電圧を所定時間だけ供給すると共に、共通電位供給回路220から共通電極22に、低電位VLで一定の共通電位Vcomを供給する。
【0071】
次に、黒書き込みを行う(ステップST20)。即ち、表示部3における灰色(G)を表示すべき画素20(即ち、図5に示す例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))の画素電極21と共通電極22との間に負極性の駆動電圧を印加することにより、黒色粒子83を共通電極22側(即ち、表示面側)に所定量だけ移動させると共に白色粒子82を画素電極21側に所定量だけ移動させる。
【0072】
次に、白書き込みを行う(ステップST30)。即ち、表示部3における灰色(G)を表示すべき画素20(言い換えれば、黒書き込み(ステップST20)が行われた画素20)の画素電極21と共通電極22との間に正極性の電圧を所定時間だけ印加することにより、黒色粒子83を共通電極22側(即ち、表示面側)に移動させると共に白色粒子82を画素電極21側に移動させる。これにより、灰色を表示すべき画素20において表示すべき灰色(即ち、目的の濃度の灰色)を表示させる。
【0073】
図7を用いて本発明による作用を説明する。図7は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の動作を示す概念図である。尚、図7は、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)による、灰色(G)を表示すべき画素20に表示される色の濃度の変化を概念的に示している。時刻t1から時刻t2はステップST20に対応し、時刻t3から時刻t4はステップST30に対応している。また、プロット1は第1の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示し、プロット2は第2の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示し、プロット3は第3の画素における明るさ(色の濃度)の変化を示している。また、Δtは電圧を印加してから明るさが変化し始めるまでの遅れ時間であり、Δt201は第1の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt202は第2の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt203は第3の画素におけるステップST20での遅れ時間であり、Δt301は第1の画素におけるステップST30での遅れ時間であり、Δt302は第2の画素におけるステップST30での遅れ時間であり、Δt303は第3の画素におけるステップST30での遅れ時間である。
【0074】
ここで、第1の画素において表示すべき階調と第2の画素において表示すべき階調と第3の画素において表示すべき階調は、いずれも階調G0であり、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加するものとする。本来、ステップST20において、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に、階調G0を表示するために互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加した場合、ステップST20が終了する時刻t2において、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさとはいずれもG0になるはずである。しかし、実際には図7に示したように、画素によって遅れ時間Δtが異なる場合があるため、時刻t2において、第1の画素の明るさはG1となり、第2の画素の明るさはG2となり、第3の画素の明るさはG3(G0)となる。明るさG1と明るさG3(G0)との差が表示画像のノイズとして視認される。このようなノイズは、階調を表示するために印加する電圧の持続時間が短いほど顕著である。
【0075】
そこで本発明による駆動方法は、ステップST20の後にステップST30を有している。まず、ステップST20において、前述したように第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する負極性の駆動電圧を印加する。次に、ステップST30において、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々に互いに同一の持続時間を有する正極性の補償電圧を印加すると、第1の画素の明るさは遅れ時間Δt301の後に明るい方向に向かって変化し始め、第2の画素の明るさは遅れ時間Δt302の後に明るい方向に向かって変化し始める。しかしここでは、ステップST30の継続時間は第3の画素の遅れ時間Δt303と等しく設定されているため、第3の画素の明るさはステップST30の間に変化することはなく、明るさG0を維持する。
【0076】
発明者らの実験によれば、遅れ時間が生じる原因は、電気泳動粒子が動き始めるための閾値電圧が存在するということと、コンデンサー27に十分な電荷が蓄えられなければ電気泳動層に十分な電圧が印加されない、ということが関係していると考えられる。電気泳動粒子が動き始めるために十分な電圧が画素に印加されるためには、コンデンサー27に十分な電荷が蓄えられなければならない。しかし、製造上のばらつきのためにコンデンサー27の充電速度に個体差があれば、コンデンサー27に電圧を印加してから画素に十分な電圧が印加されるまでに必要な時間が、画素によって異なると考えられる。この現象が画素による遅れ時間Δtの差の原因の1つと考えられる。そして、遅れ時間Δt201は遅れ時間Δt301とほぼ等しく、遅れ時間Δt202は遅れ時間Δt302とほぼ等しく、遅れ時間Δt203は遅れ時間Δt303とほぼ等しい。
【0077】
かくしてステップST30の終了時刻t4においては、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれもほぼ同じとなり、第1の画素と第2の画素と第3の画素各々において、目的とする階調G0と同じかほぼ同じ階調を表示することができる。すなわち、表示画像のノイズを低減することができる。
【0078】
ステップST30において、2つの画素各々に印加する補償電圧の持続時間が互いに異なっていても、2つの画素各々の明るさの差を小さくすることができるため、表示画像のノイズを低減する効果が得られる。しかし、2つの画素各々によって表示する階調間の明るさの差が小さい場合には、ノイズの大きさをその差よりも小さくしなければならないため、当該2つの画素各々に印加する補償電圧の持続時間を互いに等しくした方が、より効果的に表示画像のノイズを低減することができる。
【0079】
図7においては、ステップST30の継続時間は第3の画素の遅れ時間Δt303と等しく設定されているが、必ずしも等しくする必要はない。ステップST30の継続時間は、少なくとも第3の画素の遅れ時間Δt301よりも長ければノイズを低減する効果が得られる。また、ステップST30の継続時間が第3の画素の遅れ時間Δt303よりも長ければ、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれも波線に示したように明るい状態に向かって変化するが、ステップST30が終了したときには、第1の画素の明るさと第2の画素の明るさと第3の画素の明るさはいずれもほぼ同じ階調を表示することができる。すなわち、表示画像のノイズを低減することができる。
【0080】
また、図7においては、ステップST20とステップST30との間に間隔が空いているが、その間隔は短い方がより効果的に表示画像のノイズを低減することができる。好ましくは、その間隔がない方がよい。
【0081】
図8は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を詳細に説明するためのタイミングチャートである。尚、図8は、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)における、データ線X1、X2及びX3、走査線Y1、Y2及びY3、並びに共通電極22の電位の変動を示している。また、V11は画素PX(1,1)に印加される駆動電圧波形を示している。
【0082】
図8に示すように、走査線Y1、Y2及びY3の各々が選択される期間(即ち、走査線Y1、Y2及びY3の各々の電位がハイレベルとなる期間)毎に、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)が行われる。黒書き込み(ステップST20)では、灰色を表示すべき画素20に持続時間Ta1を有する負極性の駆動電圧パルスPa1が印加される。白書き込み(ステップST30)では、すべての画素20に持続時間Tc1を有する正極性の補償電圧パルスPc1が印加される。
【0083】
具体的には、白表示(ステップST10)が行われた後に、先ず、走査線Y1がハイレベルとされる(即ち、走査線Y1にハイレベルの走査信号が供給される)。走査線Y1がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に低電位VLで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされる(即ち、共通電位Vcomが低電位VLとされる)ことにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされる(即ち、共通電位Vcomが高電位VLとされる)ことにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0084】
次に、走査線Y2がハイレベルとされる。走査線Y2がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされることにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされることにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0085】
次に、走査線Y3がハイレベルとされる。走査線Y3がハイレベルとなる期間において、データ線X1に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X2に時間Ta1だけ高電位VHで一定のデータ信号が供給され、データ線X3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が低電位VLとされることにより黒書き込み(ステップST20)が行われ、この黒書き込み後、データ線X1、X2及びX3に低電位VLで一定のデータ信号が供給されると共に共通電極22が高電位VHとされることにより白書き込み(ステップST30)が行われる。
【0086】
このような駆動方法によれば、図5に示した中間調を含む画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0087】
ここで、上述したように、本実施形態では、白表示(ステップST10)を行った後に図5に示したような中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST20)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。即ち、白表示(ステップST10)が行われた画素20に中間調を表示させる際、該画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加した後、すべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。これにより、表示画像のノイズを低減或いは除去することができる。即ち、同一の中間調を表示すべき画素20間で異なる中間調が表示されてしまうことを低減することができる。つまり、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、例えば、中間調を表示すべき画素20に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより該画素20に中間調を表示させる場合と比較して、上述したように駆動電圧を印加する時間が短いほど顕著に発生する傾向があるノイズ(即ち、中間調を表示する際のノイズ)を効果的に低減或いは除去することができる。この結果、高品位な表示を行うことができる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
(変形例)
上述した第1実施形態では、全白表示(ステップST10)を行った後に中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとったが、本変形例のように、全黒表示を行った後(即ち、全ての画素20に黒色を表示させた後)に、中間調を含む画像を表示部3に表示させてもよい。
【0089】
即ち、本変形例に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全黒表示を行った後に、白書き込み(ステップST20b)及び黒書き込み(ステップST30b)をこの順に行う。白書き込み(ステップST20b)では、灰色を表示すべき画素20に、所定時間だけ画素電極21と共通電極22との間に正極性の電圧を印加する。黒書き込み(ステップST30b)では、第1実施形態と同様に補償電圧パルスを印加するが、本変形例に於いては、補償電圧パルスの極性は負極性である。このようにして該画素20において表示すべき灰色(即ち、目的の濃度の灰色)を表示させる。
【0090】
このような本変形例に係る電気泳動表示装置の駆動方法によっても、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様に、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0091】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図9を参照して説明する。
【0092】
図9は、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第1実施形態で示した図8と同趣旨の図である。
【0093】
尚、以下では、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、図5に示す中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0094】
図8を参照して上述した第1実施形態では、走査線Y1、Y2及びY3の各々が選択される期間毎に、黒書き込み(ステップST20)及び白書き込み(ステップST30)が行ったが、図9に示す第2実施形態のように、灰色を表示すべき全ての画素20に黒書き込み(ステップST20)を行った後に、すべての画素20に白書き込み(ステップST30)を行ってもよい。
【0095】
即ち、図9に示すように、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に黒書き込み(ステップST20)を行う。この際、上述した第1実施形態とは異なり、白書き込み(ステップST30)を行わない。言い換えれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20(即ち、図5に示す例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))に黒書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加する。
【0096】
このように表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に黒書き込み(ステップST20)を行った後に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に白書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における灰色を表示すべき全ての画素20に負極性の駆動電圧パルスPa1を印加した後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。
【0097】
このような第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によっても、上述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様に、例えば、中間調を表示すべき画素20に負極性の駆動電圧パルスのみを印加することにより該画素20に中間調を表示させる場合と比較して、中間調を表示する際のノイズを低減でき、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0098】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図10及び図11を参照して説明する。
【0099】
以下では、図10に示すような複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。ここに図10は、複数の中間調を含む画像の一例を表示した状態の電気泳動表示装置の表示部を示す模式図である。尚、図10に示す複数の中間調を含む画像は、8階調の画像であり、第0階調が黒色に相当し、第1から第6階調がそれぞれ濃度の異なる灰色に相当し、第7階調が白色に相当する。
【0100】
即ち、図10に示すように、画素PX(1,1)に第0階調を表示させ、画素PX(1,2)に第5階調を表示させ、画素PX(1,3)に第3階調を表示させ、画素PX(2,1)に第1階調を表示させ、画素PX(2,2)に第0階調を表示させ、画素PX(2,3)に第7階調を表示させ、画素PX(3,1)に第2階調を表示させ、画素PX(3,2)に第2階調を表示させ、画素PX(3,3)に第5階調を表示させる場合を例にとる。
【0101】
図11は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第2実施形態で示した図9と同趣旨の図である。
【0102】
第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法は、複数の中間調を含む画像を表示する場合の駆動方法である点で、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なり、その他の点については、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と概ね同様である。よって、以下では、第3実施施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第2実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。
【0103】
図11に示すように、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、表示部3における複数の画素20のうち第7階調(即ち、白色)を表示すべき画素PX(2,3)を除く画素20(即ち、第0から第6階調のいずれかを表示すべき画素20)に黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)をすべて行った後に、すべての画素20に白書き込み(ステップST30)を行う。
【0104】
尚、第3実施形態では、互いに持続時間が異なる3種類の負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスを画素20に印加することにより、該画素20において第0から第7階調のいずれかを表示する。負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の4倍であり、負極性の駆動電圧パルスPb2の持続時間Tb2は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の2倍である(即ち、負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1の1/2倍である)。ただしこれらの比率は、8つの階調を表示できるように、電気泳動粒子の動きやすさなどに応じて適宜設定すればよい。画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3が印加された場合には、該画素20は第0階調(即ち、黒色)を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1及びPb2が印加された場合には、該画素20は第1階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1及びPb3が印加された場合には、該画素20は第2階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加された場合には、該画素20は第3階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2及びPb3が印加された場合には、該画素20は第4階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2が印加された場合には、該画素20は第5階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb3が印加された場合には、該画素20は第6階調を表示し、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のいずれも印加されない場合には、該画素20は第0階調を表示する。
【0105】
即ち、図11に示すように、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、全白表示(ステップST10)を行った後に、先ず、走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb1を印加する黒書き込み(ステップST21)を行う。この黒書き込み(ステップST21)では、第0から第3階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,1)、PX(3,1)、PX(2,2)、PX(2,3)及びPX(1,3))に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される。次に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb2を印加する黒書き込み(ステップST22)を行う。この黒書き込み(ステップST22)では、第0、第1、第4及び第5階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,2)、PX(2,1)、PX(2,2)及びPX(3,3))に負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される。次に、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に負極性の駆動電圧パルスPb3を印加する黒書き込み(ステップST23)を行う。この黒書き込み(ステップST23)では、第0、第2、第4及び第6階調のいずれかを表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(2,2)、PX(3,1)及びPX(3,2))に負極性の駆動電圧パルスPb3が印加される。
【0106】
このように表示部3における全ての画素20に黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後、再び走査線40(即ち、走査線Y1、Y2及びY3)を順次選択し、この走査線40が選択される期間毎に白書き込み(ステップST20)を行う。即ち、表示部3における全ての画素20について、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち、目的とする階調を表示するために必要な負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する。
【0107】
このような第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、図10に示した複数の中間調を有する画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0108】
ここで、本実施形態では、上述したように、白表示(ステップST10)を行った後に図10に示したような複数の中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。従って、この白書き込み(ステップST30)によって、表示部3に配列された複数の画素20によって表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。
【0109】
更に、本実施形態では、正極性の補償電圧パルスPc1の持続時間Tc1は、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3の総持続時間(即ち、持続時間Tb1、Tb2及びTb3の和)よりも短い。よって、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができる。また、正極性の補償電圧パルスPc1の持続時間Tc1が負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3の総持続時間よりも長い場合と比較して、中間調を速やかに表示することができる(即ち、画素20が表示すべき中間調を表示するのに必要とする時間を短くすることができる)。更に、正極性の補償電圧パルスPc1を印加するのに必要となる消費電力を抑制することができる。
【0110】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図12を参照して説明する。
【0111】
図12は、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第3実施形態で示した図11と同趣旨の図である。
【0112】
尚、以下では、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第4実施形態においても、上述した第3実施形態と同様に、図10に示す複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0113】
上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に全ての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行ったが、本実施形態のように、中間調を表示する画素20のみに正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST31)を行ってもよい。
【0114】
即ち、図12に示すように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全白表示(ステップST10)を行った後に、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)及び白書き込み(ステップST31)を行う。白書き込み(ステップST31)では、中間調を表示する画素20(即ち、第1から第6階調のいずれかを表示する画素20)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加し、最低階調又は最高階調を表示する画素20(即ち、第0又は第7階調を表示する画素20)には正極性の補償電圧パルスPc1を印加しない。言い換えれば、白書き込み(ステップST31)では、共通電極22は高電位VHとされ、且つ、中間調を表示する画素20には低電位VLのデータ信号が供給されると共に、最低階調又は最高階調を表示する画素20には高電位VHのデータ信号が供給される。図10に示す例において、白書き込み(ステップST31)では、中間調を表示する画素20である画素PX(1,2)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(3,1)、PX(3,2)及びPX(3,3)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加し、最低階調又は最高階調を表示する画素20である画素PX(1,1)、PX(2,2)及びPX(2,3)に正極性の補償電圧パルスPc1を印加しない(即ち、画素電極21及び共通電極22間に電位差を生じさせない)。
【0115】
よって、例えば、黒色(即ち、第0階調)を表示する画素20に正極性の補償電圧パルスPc1が印加されることにより、該画素20の表示する色(或いは階調)が白色(即ち、第7階調)側にずれてしまうことを防止できる。従って、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができるだけでなく、コントラストを高めることができる。
【0116】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図13を参照して説明する。
【0117】
図13は、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、上述した第3実施形態で示した図11と同趣旨の図である。
【0118】
尚、以下では、第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法が上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と異なる点について主に説明し、上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法と同様の点については説明を適宜省略する。また、第5実施形態においても、上述した第3実施形態と同様に、図10に示す複数の中間調を含む画像を表示部3に表示させる場合を例にとる。
【0119】
上述した第3実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、黒書き込み(ステップST21、ST22及びST23)を行った後に全ての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行ったが、本実施形態のように、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を最後に設け、黒書き込み(ステップST21)の直前に、白書き込み(ステップST30)を行ってもよい。尚、上述したように、負極性の駆動電圧パルスPb1の持続時間Tb1は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の例えば4倍であり、負極性の駆動電圧パルスPb2の持続時間Tb2は、負極性の駆動電圧パルスPb3の持続時間Tb3の例えば2倍である。
【0120】
即ち、図13に示すように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法では、全白表示(ステップST10)を行った後に、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb2を印加する黒書き込み(ステップST22)と、画素20に負極性の駆動電圧パルスPb3を印加する黒書き込み(ステップST23)とを行う。尚、これらの黒書き込み(ステップST22及びST23)を行う順序は限定されず、いずれの黒書き込みが先に行われてもよい。これらの黒書き込み(ステップST22及びST23)を行った後に、表示部3のすべての画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行う。この白書き込み(ステップST30)を行った後に、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を行う。
【0121】
このような第5実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、図10に示した複数の中間調を有する画像を表示部3に高品位に表示させることができる。
【0122】
ここで、本実施形態では、上述したように、白表示(ステップST10)を行った後に図10に示したような複数の中間調を含む画像を表示する際、黒書き込み(ステップST22及びST23)を行った後に白書き込み(ステップST30)を行う。従って、この白書き込み(ステップST30)によって、表示部3に配列された複数の画素20によって表示される画像のノイズを低減或いは除去することができる。更に、本実施形態では、上述したように、負極性の駆動電圧パルスPb1、Pb2及びPb3のうち持続時間が最も長い負極性の駆動電圧パルスPb1を画素20に印加する黒書き込み(ステップST21)を最後に行ない、黒書き込み(ステップST21)の直前に、画素20に正極性の補償電圧パルスPc1を印加する白書き込み(ステップST30)を行う。よって、負極性の駆動電圧パルスPb1が印加される画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)、PX(1,3)、PX(2,1)、PX(2,2)、PX(3,1)、PX(3,2))が、白書き込み(ステップST30)によって、表示すべき灰色或いは黒色よりも白色に近づいてしまうことを低減することができる。従って、表示される画像のノイズを効果的に低減或いは除去することができるだけでなく、表示する画像のコントラストを高めることができる。ここで特に、黒色を表示すべき画素20(即ち、図10の例では、画素PX(1,1)及びPX(2,2))が表示する黒色が、白書き込み(ステップST30)によって白色に近づいてしまうことを低減することができるので、表示する画像のコントラストを確実に高めることができる。
【0123】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置の駆動方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0124】
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…共通電極、23…電気泳動層、24…画素スイッチング用トランジスター、27…コンデンサー、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、220…共通電位供給回路、Pa1、Pb1、Pb2、Pb3…負極性の駆動電圧パルス、Pc1…正極性の補償電圧パルス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極との間に電気泳動層が挟持された画素を複数備え、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位よりも高い場合に前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、前記画素の表示状態として、前記正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、前記正極性とは異なる負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、前記第1表示状態にある画素に印加される前記負極性の電圧の総持続時間に応じて、前記第1表示状態と前記第2表示状態との間の中間調が選択される電気泳動表示装置の駆動方法であって、
前記中間調を選択する際、少なくとも1の前記負極性の駆動電圧パルスを印加した後、前記正極性の補償電圧パルスを印加するステップを有する
ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後、前記補償電圧パルスを印加することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記第2表示状態が選択される画素に対しては、前記補償電圧パルスを印加しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち持続時間が最も長い駆動電圧パルスを最後に印加し、該最後に印加する駆動電圧パルスの直前に前記補償電圧パルスを印加することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項1】
第1電極と第2電極との間に電気泳動層が挟持された画素を複数備え、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位よりも高い場合に前記第1電極と前記第2電極との間に生じる電位差を正極性としたとき、前記画素の表示状態として、前記正極性の電圧を印加することによって第1表示状態が選択され、前記正極性とは異なる負極性の電圧を印加することによって第2表示状態が選択され、前記第1表示状態にある画素に印加される前記負極性の電圧の総持続時間に応じて、前記第1表示状態と前記第2表示状態との間の中間調が選択される電気泳動表示装置の駆動方法であって、
前記中間調を選択する際、少なくとも1の前記負極性の駆動電圧パルスを印加した後、前記正極性の補償電圧パルスを印加するステップを有する
ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記補償電圧パルスの持続時間は、前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスの総持続時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスをすべて印加した後、前記補償電圧パルスを印加することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記第2表示状態が選択される画素に対しては、前記補償電圧パルスを印加しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記少なくとも1の負極性の駆動電圧パルスのうち持続時間が最も長い駆動電圧パルスを最後に印加し、該最後に印加する駆動電圧パルスの直前に前記補償電圧パルスを印加することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図10】
【公開番号】特開2011−164193(P2011−164193A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24154(P2010−24154)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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